指定管理者制度の概要

指定管理者制度の概要
1.指定管理者制度とは
指定管理者制度は、地方自治法の一部改正(平成15年9月2日施行)により、多様化
する市民ニーズに、より効果的かつ効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力
を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的とし
て導入された制度です。
これまで公の施設の管理を委託できるのは、市が出資した法人、公共団体又は公共的団
体に限定されていましたが、議会の議決を経て管理者に指定されれば、これら出資法人等
以外の民間事業者等も、指定管理者として施設の管理運営が行えるようになりました。
なお、施行日から3年(平成18年9月1日まで)の間に、市が直営で管理運営を行う場
合を除き、この制度の導入を図ることになります。
○公の施設とは
「公の施設」とは、市民の福祉を増進する目的で、その利用に供するために設置され
た市の施設です。本市の「公の施設」は、下記のようなものがあります。
公の施設一覧
福祉関係施設
陵南の森総合センター、陵南の森老人福祉センター、陵南の森
生きがい情報センター、総合福祉センター、保育園、子育て支
援センター、高年生きがいサロン、老人いこいの家、人権文化
センター
体育施設
総合スポーツセンター、体育館、プール、テニスコート、陵南
の森運動広場、スポーツ公園
衛生施設
保健センター、休日急病診療所
教育関係施設
小学校、中学校、幼稚園、教育研究所、学校給食センター、図
書館、公民館、児童館、青少年センター、青少年児童センター、
留守家庭児童会
文化施設
生活文化情報センター
集会・コミュニティ施
設
集会所、市民会館、コミュニティセンター
都市基盤施設
公園、道路、河川、上水道、下水道、市営住宅
その他
共同浴場、と畜場、食肉地方卸売市場、自転車置場
※庁舎のように、市が事務を行うために設置された施設は公の施設に該当しません。
また、小学校、中学校のように学校教育法などの個別法令により指定管理者制度を導入
できない施設もあります。
1
2.指定管理者制度と管理委託制度との違い
指定管理者制度とこれまでの管理委託制度との違いは、以下の表のとおりです。
公の施設の「管理委託制度」と「指定管理者制度」との違い
事項
管理委託制度
指定管理者制度
主体
公共団体,公共的団体,政令で 法人その他の団体
定める出資法人(1/2以上出 ただし、法人格は必ずしも必要では
資等)に限定
ない。個人は不可。
法的性格
条例を根拠として締結される契 「指定」(行政処分)により公の施
約に基づく具体的な管理の事務 設の管理権限を受けた者に委任する
又は業務の執行の委託
もの
*公法上の契約関係
*管理の代行
公の施設の管理権
限
設置者である地方自治体
指定管理者
施設の使用許可
受託者はできない。
指定管理者が行うことができる。
基本的な利用条件
の設定
受託者はできない。
条例で定めることを要し、指定管理
者はできない。
不服申し立てに対
する決定、行政財
産の目的外使用の
許可
受託者はできない。
指定管理者はできない。
公の施設の設置者
としての責任
地方自治体
地方自治体
利用者に損害を与
えた場合
地方自治体にも責任が生じる。 地方自治体にも責任が生じる。
利用料金制度
採用することができる。
採用することができる。
3.指定管理者による不当な利用拒否・差別的取扱いの禁止
指定管理者は、正当な理由がない限り、市民が公の施設を利用することについて拒否や、
不当な差別的取扱いをしてはならないことになっています。
もし指定管理者がこれに違反した場合は、市長は必要な指示を行い、指定管理者がその指
示に従わないときは、指定管理者の取り消し等の必要な措置をとることができます。
2
4.指定管理者の指定及び権限
市は、公の施設の設置目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、法人そ
の他の団体であって市が指定するものに、公の施設の管理を行わせることができます。た
だし、個人を指定管理者として指定することはできません。
指定管理者は、この指定により施設の管理権限を委任され、施設の使用許可を行うことができます。
ただし、使用料の強制徴収、不服申立てに関する決定、行政財産の目的外使用許可などは行うことは
できません。
5.指定の手続、管理の基準、業務の範囲
指定管理者の指定の手続(申請、選定基準、事業計画の提出等)、指定管理者が行う管
理の基準(休館日、開館時間、使用制限の要件等)及び業務の範囲(施設・設備の維持管
理、個別の使用許可等)その他必要な事項は、市の条例(条例から委任を受けた規則を含
む。)で定めることとなっています。
6.指定の期間
指定管理者の指定は、期間を定めて行います。
ただし、指定の期間については、法令上の定めはありませんので、市が施設性格等を勘
案して、適切な期間を定めることになります。
7.指定にあたっての議会の議決
指定管理者の指定をしようとするときは、あらかじめ、議会の議決を経なければなりま
せん。
議会において議決すべき事項は、指定管理者に管理を行わせようとする公の施設の名称、
指定管理者となる団体の名称及び指定の期間等です。
なお、議決はあくまで議会の賛否を問うものであって、議会で具体的な指定管理者を選
定することはできません。
また、指定管理者を指定した場合、「契約」ではなく、管理業務の実施に関する必要な
事項について、市との協議に基づく「協定」を締結することになります。
8.事業報告書の提出
毎年度終了後、その管理する公の施設の管理の業務に関し事業報告書を作成し、当該公
の施設を設置する普通地方公共団体に提出しなければなりません。
報告書には、管理業務の実施状況、施設の利用状況及び収支状況などを記載します。
3
9.利用料金制
市が適当と認めるときは、指定管理者にその管理する公の施設の利用に係る料金(以下
「利用料金」という。)を指定管理者の収入として収受させることができます。
なお、利用料金は、市が条例の定める利用料金額の範囲内で、市の承認を受けて指定管
理者が定めます。
10.指定管理者に対する監督
市長は、指定管理者の管理する公の施設の管理の適正を期するため、指定管理者に対し
て、当該管理の業務又は経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、又は必要な
指示をすることができます。
なお、指定管理者がこの指示に従わないときなど、その他当該指定管理者による管理を
継続することが適当でない場合は、その指定を取り消し、又は期間を定めて管理の業務の
全部又は一部の停止を命ずることができます。
11.公の施設を利用する権利に関する処分についての不服申し立て
指定管理者が行った使用許可処分等に対して不服がある場合、不服申立ては、市長に対
して行うことになります。
4