この国どんな国? 第1回 「バーレーン王国」

情報発信レポート
情報発信レポート
『この国どんな国?』
各国の駐日大使館や関係機関を訪問して、
様々な国の本当の姿をお届けします。
今回ご紹介する国は
「バーレーン」
第1号
号(2008年
年1月
月31日
日)
バーレーンの
バーレーンの基本情報
バーレーン王国は、アラビア半島沿いに位置する40もの島々からなる島国で、日本の奄美大島とほぼ同じ大
きさです。バーレーン最大の島は南北に48キロ、東西に16キロのバーレーン島で、首都マナマもここにありま
す。バーレーンは紀元前6千年頃までアラビア半島と陸続きでしたが、その後自然の力によって島として分離し
ました。しかし1986年、全長25キロの海上道路によって、バーレーンは再びアラビア半島とつながりました。現
在はカタールとの間に、世界最長となる全長45キロの海上道路建設計画も進行中です。また、総合金融セン
ターとなるフィナンシャル・ハーバーの建設も進むほか、高度医療保健センターや、「エデンの園」があったとの
伝説もある常夏の楽園の利を生かしたリゾート開発も盛んに行われています。
首都:
面積:
人口:
人口増加率:
言語:
宗教:
一人あたりGDP:
GDP成長率:
マナマ
国章:
720.14平方キロメートル
約70万人(2006年推計)
1.45% (2006年推計)
アラビア語。英語も幅広く通じる。
人口の85%がイスラム教だが、信仰は自由。
20,496USドル(2006年)
6.5% (2008年予想)
大使館情報
所在地: 東京都港区赤坂1-11-36 レジデンス・バイカウンテス720号、520号
*東京メトロ銀座線、溜池山王駅13番出口を出て桜坂を上るとすぐ左手に立派な建物が見えてきます。
バーレーン大使館はこの建物の1室です。近所にはANAホテルやアメリカ大使館、テレビ朝日などがあります。
面会者:
バーレーン経済開発委員会
バーレーン経済開発委員会
駐日代表部
今平和雄 代表
バーレーン王国大使館
バーレーン王国大使館
経済研究員
ムカワ・
ムカワ・ヘルミ氏
ヘルミ氏
*バーレーン経済開発委員会(EDB)
2000年4月に首長令により半官半民の独立機関として設立。
持続的なGDPの成長確保、雇用機会の拡大など更なる経済
の多様化を図るため海外からのバーレーンに対する直接投
資(FDI)の拡大を目的としている。
今回お話を伺ったのは、バーレーン経済開発
委員会駐日代表部の今平和雄代表、経済研
究員ムカワ・ヘルミ氏の2名です。
今平代表は元々は民間の金融機関で働いて
おられ、エジプトやバーレーンに駐在されてい
たという中東地域のスペシャリストです。
現在はバーレーン経済開発委員会の駐日代
表として、日本からバーレーンへの直接投資
拡大のための各種活動をされています。
(2007年12月3日に訪問)
出所:IMF、バーレーン王国大使館
本資料は、スパークス・アセット・マネジメントが情報提供のみを目的として作成したものであり、金融商品取
引法に基づく開示書類ではありません。また特定の有価証券の取引を勧誘する目的で提供されるものでは
ありません。スパークス・アセット・マネジメントとその関連会社は、本資料に含まれた数値、情報、意見、そ
の他の記述の正確性、完全性、妥当性等を保証するものではなく、当該数値、情報、意見、その他の記述を
使用した、またはこれらに依拠したことに基づく損害、損失または結果についてもなんら補償するものではあ
りません。ここに記載された内容は、資料作成時点のものであり、今後予告することなしに変更されることも
あります。また、過去の実績に関する数値等は、将来の結果をお約束するものではありません。この資料の
著作権はスパークス・アセット・マネジメントに属し、その目的を問わず書面による承諾を得ることなく引用ま
たは複製することを禁じます。
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情報発信レポート
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『この国どんな国?』
今回ご紹介する国は
「バーレーン」
各国の駐日大使館や関係機関を訪問して、
様々な国の本当の姿をお届けします。
バーレーン経済
バーレーン経済を
える主要産業
経済を支える主要産業
バーレーンは1930年代はじめに中東諸国で初めて商業ベースで石油を産出した国ですが、石油のみに頼
ることなく、非石油産業の積極的開発に最初に取組んだ国でもあります。
1.金融
2.アルミニウム精錬
アルミニウム精錬
バーレーンの金融産業は中東地域で最も歴史と
実績があり、海外の金融機関の多くがバーレーン
にオフィスを構えています。日本からもメガバンク
や証券会社などが進出しています。バーレーンは
さらに金融センターとしての厚みを増したいと考え
ており、近年イスラム金融の誘致などを積極的に
行っています。
バーレーンフィナンシャルハーバー
国家の最重要プロジェクトとして約
13億ドルを投じて建設される、中東
諸国を代表する国際金融センター
(第一期工事は2007年初頭に完
成)。通信インフラの整ったオフィス
ビル、豪華な居住空間、ホテル、レ
ジャー施設などから構成される。
バーレーンのアルミ製造産業は確固とした基盤を
有しており、現在では年間約84万トンを精錬し、世
界30カ国以上に輸出しています。バーレーンのア
ルミ産業が発展した背景としては、主要輸出市場
(欧州、アジア)への好立地や、整備された港湾・
輸送施設、また豊富なエネルギー源(天然ガス)の
存在により、電気代が安いことなどがあげられます。
精錬されるアルミ魂の内約50%は
国内の加工業者に販売されて
います。現在バーレーン政府は、
新たな輸出品としてアルミ製品を
最重要視しており、品質の改善等、
アルミニウム川下産業の育成に
力を入れています。
4.観光サービス
観光サービス
3.石油化学
非石油産業の育成に取組んでいるとはいえ、現在
でも一日約3.7万バレルの原油を産出しており、国
の大きな収益源のひとつです。また、付随ガスの
プロパン、ブタン、ナフサなどへの製品化も行って
おり、これら石油化学産業の発展は同時に化学薬
品、洗剤、塗料などの軽工業の発展を促しました。
精油能力
25.3万バーレル/日
精製原油量(03年実績) 25.3万バーレル/日
うちバーレーン産原油
3.7万バーレル/日
サウジアラビア産原油
21.7万バーレル/日
出所:バーレーン経済開発委員会
在バーレーン王国日本国大使館
※サウジ産原油は
サウジより輸入
バーレーンとサウジアラビアは海上道路でつな
がっており、毎年近隣諸国から多くの観光客が訪
れます。2004年にはバーレーン国際サーキットで、
中東で初めてのF1レースが開催され、宿泊施設
や関連サービスが整備されました。さらに、大規模
なリゾート施設や人工島など、いくつもの複合レ
ジャー施設が現在建設されています。
キングファハドコーズウェイ
バーレーンとサウジアラビアを結
ぶ全長25㌔に及ぶ海上道路。ま
た、現在カタールとの間にも海上
道路建設計画が進んでおり、これ
が完成すればUAE、オマーンへ
も陸路の利用が可能となるため、
バーレーンの地理的優位性は今
後さらに高まると予想されます。
本資料は、スパークス・アセット・マネジメントが情報提供のみを目的として作成したものであり、金融商品取
引法に基づく開示書類ではありません。また特定の有価証券の取引を勧誘する目的で提供されるものでは
ありません。スパークス・アセット・マネジメントとその関連会社は、本資料に含まれた数値、情報、意見、そ
の他の記述の正確性、完全性、妥当性等を保証するものではなく、当該数値、情報、意見、その他の記述を
使用した、またはこれらに依拠したことに基づく損害、損失または結果についてもなんら補償するものではあ
りません。ここに記載された内容は、資料作成時点のものであり、今後予告することなしに変更されることも
あります。また、過去の実績に関する数値等は、将来の結果をお約束するものではありません。この資料の
著作権はスパークス・アセット・マネジメントに属し、その目的を問わず書面による承諾を得ることなく引用ま
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今回ご紹介する国は
「バーレーン」
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様々な国の本当の姿をお届けします。
バーレーンの
バーレーンの大規模開発
バーレーンでは現在、以下のような大規模開発が行われています。
プロジェクト名
アルアリーン ・ スパ&
スパ&リゾート
プロジェクト 名 アルアリーン・
バーレーン・
バーレーン・ フィナンシャル・
フィナンシャル・
ハーバー
費用
規模
投資家
13億ドル
38万平方メートル
Gulf Finance House(GFH)
7億5000万ドル
200万平方メートル
Gulf Finance House(GFH)
商業、住居、ショッピング、レク
種類
レーション、ヘルス&メディカル
完成日(
完成日( 予定)
予定) 2008年
www.alareenresort.com
ウェブサイト
アムワージ島
アムワージ島
ドゥラット・
ドゥラット ・ アル・
アル・ バーレーン
30億ドル
2,000万平方メートル
Bahrain Government&Kuwait
完成
10億ドル
275万平方メートル
Ossis Property Developers
商業、住居、レジャー、
ホテル&観光
完成
www.bfharbour.com
www.ossisonline.com/
商業、住居、レジャー
商業、住居、レジャー、観光
2010年
www.durratbahrain.com
イメージ
高い経済自由度
米ヘリテージ財団とウォールストリートジャーナルが発表する経済自由度ランキングで、1995年から2008年まで
14年連続中東地域第
年連続中東地域第1
14
年連続中東地域第1位 !!
国名
2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995
アルジェリア
バーレーン
エジプト
イラン
イラク
イスラエル
ヨルダン
クウェート
レバノン
リビヤ
モロッコ
オマーン
カタール
サウジアラビア
シリア
チュニジア
UAE
イエメン
55.7
72.2
59.2
44
66.1
63
68.3
60.9
38.7
56.4
67.4
62.2
62.8
46.6
59.3
62.8
52.8
52.2
71.2
53.2
43.1
68.4
64
63.7
60.3
34.5
57.4
63.9
60.7
59.1
48.2
61
60.4
53.8
53.4
71
52.2
43.3
66.7
63.8
62.6
58.5
34.3
53
62.3
60.4
61.4
50.5
59.2
59.7
50.8
50.3
73
52.7
43.9
63.8
64.7
59.2
55.8
28.4
54
62.3
58.9
59.5
45.5
56.7
61.3
49.3
54.9
77.8
53.5
38.7
63.1
64.4
60.4
53.1
28.9
58.1
63.3
62
55.8
37.3
59.4
64.6
45.2
54
77.7
51.7
39.4
64
63.7
62.6
55.1
31.8
59.4
61.8
62.6
57.2
37.5
59.2
70.6
46.1
60
78.3
50.5
33.3
15.1
67.2
64.3
61.6
55.5
31.7
59.3
62.9
58.3
59.4
35.6
60.3
76
43.5
55.2
79
48.7
33
16.5
62.3
65.1
63.3
61.1
32.2
63.7
63.3
55.8
55.5
37
60.8
77.2
41.4
58.4
79.2
51.3
34.7
15.3
62.9
64
65.5
56.9
32.1
63.1
59.9
57.8
60.3
37.7
62.1
74.9
41.3
55.8
78.9
58.6
34
14.4
63.8
65.7
66.2
58.9
27.1
64.6
61.1
57.7
58.8
39.6
62.2
74.7
42.5
2008
2008年中東地域ランキング
年中東地域ランキング上位
ランキング上位5
上位5ヵ国
54.4
79.4
58.8
33.2
14.4
63.7
65.1
62.6
58.9
26.8
62.3
62.6
63.1
44
64.4
76.5
42.2
53.4
80.6
55.2
31.6
14.4
63.7
64.5
62.5
63.7
25.9
62.9
62.1
62.5
44.2
64.4
74
47.3
52.9
80.8
52.9
32.8
14.4
63.1
60.5
62.6
62.3
25.7
63.4
62.8
61.9
44.1
64.4
73.9
49.2
54.3
80.7
46.4
62.8
61.8
62.1
67.5
63.9
49.3
2008年経済自由度
年経済自由度ランキング
年経済自由度ランキング中東地域上位
ランキング中東地域上位5
中東地域上位5ヵ国
世界
順位
19
39
42
46
58
地域
順位
1
2
3
4
5
国名
バ ーレーン
クウェート
オマーン
イスラエル
ヨルダン
経済
前年 比 ビジネス
自由 度
7 2 .2
1 .0
8 0 .0
68.3
1.7
68.5
67.4
1.4
55.8
66.1
1.5
68.4
63.0
-0.5
55.4
貿易
財政
投資
金融
8 0 .8
81.0
83.6
86.6
74.8
9 9. 7
99.9
98.5
55.9
83.7
60 .0
50.0
60.0
80.0
50.0
9 0 .0
50.0
60.0
60.0
60.0
バーレーンは古くから金融センターとして発展し
てきたため、特に金融セクターにおける自由度
が高く、日本を含む海外からも多くの金融機関
が進出しています。
出所:バーレーン経済開発委員会、米ヘリテージ財団、ウォールストリートジャーナル
本資料は、スパークス・アセット・マネジメントが情報提供のみを目的として作成したものであり、金融商品取
引法に基づく開示書類ではありません。また特定の有価証券の取引を勧誘する目的で提供されるものでは
ありません。スパークス・アセット・マネジメントとその関連会社は、本資料に含まれた数値、情報、意見、そ
の他の記述の正確性、完全性、妥当性等を保証するものではなく、当該数値、情報、意見、その他の記述を
使用した、またはこれらに依拠したことに基づく損害、損失または結果についてもなんら補償するものではあ
りません。ここに記載された内容は、資料作成時点のものであり、今後予告することなしに変更されることも
あります。また、過去の実績に関する数値等は、将来の結果をお約束するものではありません。この資料の
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「バーレーン」
バーレーンの
バーレーンの生活
治安:
非常に暮らしやすい。
休日には近隣諸国からも多くの人が訪れる。
宗教:
イスラム教の戒律は比較的緩い。
レストランでの飲酒も可能。
国民:
人口のほぼ半数がバーレーン人。
残りはインド、パキスタンなど海外からの出稼ぎ。
料理:
羊やラクダなどの肉料理が好んで食べられる。
米の料理には、マチブースという肉や魚を入れた
炊き込みご飯などがある。
日本製品: 電化製品・日本車(特にレクサス)が人気。
日本のアニメも人気がある。
スポーツ: 最も人気があるスポーツはサッカー。
伝統的な
伝統的なアラブ料理
アラブ料理
マチブース
バーレーンナショナルデー(
バーレーンナショナルデー(建国記念日)
建国記念日)パーティーの
パーティーの模様
2007年12月13日に、東京の帝国ホテルで開かれたバーレーンのナショナルデーパーティーにご招
待いただきました。国会議員、各国大使をはじめ、日本企業の関係者など数百名もの人々が招かれ
た盛大なパーティーでは、伝統音楽の演奏が披露され、アラブ料理が振舞われました。
バーレーンの国章を
象った美しいモニュメント
入り口にはバーレーン
の国旗と国王の写真が
飾られていました。
バーレーン大使(右)、
サウジアラビア大使(左)
と共に
伝統的な肉料理の
シュワルマ
出所:バーレーン経済開発委員会、バーレーン王国大使館
訪問を
訪問を終えて
将来を見据えて非石油産業の育成に早くから積極的に取組んでおり、中東地域の中では経済自由度が非
常に高く、今後も非石油産業の発展を通じた、安定的な経済成長が期待できると感じました。
特に古くから金融センターとして発展してきたバーレーンには、長年の経験から得られた金融のノウハウが
蓄積されており、今後も地域の金融センターとして君臨し続けるのではないかと考えます。また、経済開発
委員会のような独立機関が日本など国外で活動していることも、海外からバーレーンへの投資の拡大、外
国企業の誘致、経済の発展に貢献していると思われます。日本ではまだなじみのない国ですが、今後注目
すべき国の一つです。 (これらは全て2007年12月3日現在の情報です)
取材・編集: スパークス・アセット・マネジメント㈱ 事業開発部 投信グループ
本資料は、スパークス・アセット・マネジメントが情報提供のみを目的として作成したものであり、金融商品取
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ありません。スパークス・アセット・マネジメントとその関連会社は、本資料に含まれた数値、情報、意見、そ
の他の記述の正確性、完全性、妥当性等を保証するものではなく、当該数値、情報、意見、その他の記述を
使用した、またはこれらに依拠したことに基づく損害、損失または結果についてもなんら補償するものではあ
りません。ここに記載された内容は、資料作成時点のものであり、今後予告することなしに変更されることも
あります。また、過去の実績に関する数値等は、将来の結果をお約束するものではありません。この資料の
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