今回は、インターネットに まつわる、新しい機能や利用方法、 ビジネスモデルなどを表す言葉である 「Web2.0」について ご紹介します。 はじめに Webとは、World Wide Web(ワールドワイドウェブ)インターネット上のハイパーテキスト情 報システムを略して使われています。 Web2.0はインターネットにまつわる、新しい機能や利用方法、企業が行う事業の仕組や方法など を表す言葉です。従来のWebから脱皮した次世代のWebを現しています。これまでのWebがWeb1. 0であるのに対し、「次世代のWeb」という意味でWeb2.0という言葉を使うようになりました。 従来のWebは、企業や個人ユーザーが情報を発信するための手段にすぎませんでした。企業はホ ームページを作成し、自社製品を宣伝する場として活用してきたし、個人ユーザーはホームページを 自分の写真、絵、プログラムなどの発表の場として利用してきました。 これに対して、Web2.0はホームページによる情報発信ではなく、ネット上の情報や知識を利用す るという考え方に基づき、ブログやポッドキャスティング、エイジャクス(Aj ax)、ソーシャルネッ トワーク、Webサービスといった新しいWebの利用法を表します。Web2.0は製品や特定のサービ スを指す言葉ではありません。 Web20 . という言葉は、2005年9月に米国の技術系出版社オライリー・メディア(O Reily Media) のCEO(最高経営責任者)であるティム・オライリー氏が発表した論文「What is Web2.0」の中 で初めて使われました。この論文の中で、オライリー氏はWeb2.0を「ユーザー参加型のアーキテク チャ」であると定義しました。 ●Web1.0的な情報流通経路と、Web2.0的な流れ方では大きく異なる Web 1.0的な情報の流通 Web 2.0的な情報の流通 受信者 発信者 兼 受信者 発信者 兼 受信者 データ ベース イ ン タ ー ネ ッ ト インターネット 情報の流れが 一方的 受信者 データ ベース 情報の流れが 循環的 発信者 兼 受信者 循環を続ける情報 具体的な例を挙げると、企業や個人が世の中に提供したい情報をホームページという形で発表する のはWeb1.0。その際、情報は発信者から受信者へと一方通行で流れます。これに対し、Web2.0は 巨大な掲示板や知識データベース、検索エンジン、ブログなどのインターネット技術を使って、参加 者から集められる大量の情報を統合・整理し、広く世の中に提供します。情報が循環し続けることが Web2.0の大きな特徴といえます。 身近なサービスもWeb2.0 Web2.0を体現している企業やサービスは急速に増えています。ユーザーの「知」を集めてデータ ベース化しているのは「ウィキペディア(Wiki-Pedia)」をはじめ、物議を醸し出す巨大掲示板「2 チャンネル」もその1つ。「You Tube」や「ニコニコ動画」のような動画投稿サイトもWeb2.0の 申し子といえます。 このほか、「ミクシィ(Mixi)」のようなソーシャル・ネット・ワーキング・サービス(SNS) やブログ、「Google Maps」のような地図情報サービスなども、個人の「知」をネット上で集め、 それを別の人が利用できる仕組みになっています。さまざまな方面で、Web2.0の波は大きく動き始 めています。 今後は、1社や1つのWebサイトが提供するサービスを個別に利用するのではなく、パーツ化さ れたサービスを組み合わせることで、高度な要求に応えられるようになるでしょう。 ●Web2.0の本質を表す概要図(ミーム・マップ) Flickr、del.icio.us: 分類ではなくタグ付け PageRank、eBayreputaion、 Amazon Review: 参加者としてのユーザー Gmail、Google Maps、 Ajax:リッチ・ユーザー・ エクスペリメント ブログ: 出版ではなく参加 BitTorrent: 徹底した分散化 Google AdSense: 少量多品種に対応する セルフサービス Wikipedia: 徹底した信頼 ユーザーを 信頼する 「技術ではなく 感じ方だ」 ■戦略的位置付け 「プラットフォームとしてのWeb」 ■ユーザーの位置付け 「自分で自分のデータを制御できる」 The Long Tail (少量多品種市場) 「Intel Inside」 としてのデータ ルーズにつながった 小さな断片 (コンポーネントとしてのWeb) ■核になる能力 ●パッケージ・ ソフトではなくサービスである ●参加型のアーキテクチャである ●拡張・拡大することでコスト効果が期待できる ●データを混ぜ合わせたり、 変換したりできる ●1つのデバイスでソフトウエアを扱える ●知識を集約できる リッチ・ユーザー・ エクスペリメント コンテンツの アドレスを揃える ハッカビリティ 果てしない ベータ版 多くの人が使うほど ソフトウエアはよくなる リミックスの 権利 遊び 予想外の振る舞いをする 突然現れたユーザー
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