温熱評価研修会テキスト修正箇所一覧

温熱評価研修会テキスト修正箇所一覧
(平成 23 年 2 月版テキストの修正)
平成 23 年 9 月時点
修正箇所
1
修正内容
修正趣旨(修正日)
p5~p6
(1)土間床(玄関及び勝手口以外の土間床等を除
土間床部分の区画
【ULi 等の算出
く。以下共通。
)の外周部に断熱材を施さない場合
が複数存在する場
に関する運用等
においても、
「設計・施工指針」の熱貫流率の基準
合の取扱いの明確
の解説】
の土間床等の外周部の値を用いて、熱損失係数の計
化。
算をすることができる。
(H23/2/18)
ただし、基準では玄関及び勝手口の床面積の合計
が概ね4㎡程度の場合を想定しているためその範
囲内のみでの適用とし、これを超える土間床部分
の区画が存する場合には、当該土間床全部につい
て当該部分の設計仕様で計算を行うこととする。
また、
「設計・施工指針」に熱貫流率の基準が定め
られていない地域については、当該部分の設計仕
様で計算を行うこととする。
2
p7~p8
(1)JISA9526(建築物断熱用吹付け硬質ウレタ
透湿抵抗に係る物
【繊維系断熱材
ンフォーム)A 種3に該当する吹付け硬質ウレタン
性値に関する取扱
等に関する運用
フォーム、及び JISA9511(発泡プラスチック保温
いの明確化。
等の解説】
材)A 種フェノールフォーム 3 種 2 号は、基準に
(H23/2/18)
おいて防湿層の設置を除外できる透湿抵抗の大き
い断熱材とみなすことはできない。
また、基準で定める同等以上の透湿抵抗を有する
か否かの判断基準は、透湿抵抗 0.0034 ㎡・s・Pa/ng
(透湿係数(厚さ 25 ㎜)290ng/(㎡・s・Pa)以
下)を下回るかどうかにより判断を行う。
なお、吹付け硬質ウレタンフォーム A 種1は、
JISA9526 において透湿率 0.9ng/(m・s・Pa)以下
(厚さ 25mm で換算した透湿抵抗 0.0028 ㎡・s・
Pa/ng 以上)と記載されているが、告示において示
されている通り、繊維系断熱材等とみなさなくて
よい。ただし、計算等において防露性能を評価す
る際に、当該材料の物性値を証明することができ
1
ない場合は、JISA9526 に定める物性値を用いる。
3
p9
(2)防風層に該当する材料は、透湿防水シート 防風層としての穴
【通気層、防風
(JIS A6111)、シージングボード、合板、発泡プ
あきフィルムの取
層に関する運用
ラスチック系断熱材、撥水性ボード状繊維系断熱材
扱いの明確化。
等の解説】
などがある。また、穴あきフィルムなどは、別途 (H23/2/18)
防風性能に関する試験により性能が確認された場
合を除き、原則として防風層として取り扱うこと
はできないが、2010年度時点において、硝子
繊維協会及びロックウール工業会(以下「工業会
等」という。
)に属するメーカーの製造する「製品
として穴あきフィルムを外皮に用いた付属防湿層
付き断熱材」は、防風層としての性能を有してい
ることが確認されている。
また、その後開発・製造した製品に関しても、
工業会等が定める「室外側穴あきフィルムの防風
性について(H23/2)」に基づき、性能・生産品質
を維持している場合は、防風層としての性能を有
していると考えることができる。
4
p12
(1)断熱構造化を省略できる土間床等は、玄関及
【断熱構造とす
び勝手口の床面積の合計が概ね4㎡程度の場合を が複数存在する場
る部分に関する
想定しており、その範囲内で省略することができ 合の取扱いの明確
運用等の解説】
る。これを超える土間床部分の区画が存する場合 化。
土間床部分の区画
には、当該土間床全部について断熱を省略するこ (H23/2/18)
とはできない。また、玄関及び勝手口以外の土間
床等(部分的な場合も含む)も断熱を省略すること
はできない。
5
p22
両面に貼付
誤字の修正
中段囲み
6
7
p23
(H23/2/18)
㎡・s・Pa/ng
本テキストに掲載
天井断熱におけ
の物性値表と単位
る外気側透湿抵
系を統一し、理解
抗、及び移流補
しやすくするた
正係数表の単位
め。
系の変更
(H23/2/18)
p5
【Hi 等の算出に関する運用等の解説】
中段囲み下
(1)隣接空間の種類に応じた温度係数Hの適用 化に関する追加
2
運用取扱いの明確
8
9
10
※
【 Hi 等の 算出
に関しては、
「Ⅴ4 省エネ対策等級における隣接
(H23/8/31)
に関する運用等
空間の評価上の考え方について(p74)」を参照。 なお、左記のp74
の解説】
(IBEC省エネ基準解説書、評価協会ルール)
p12
(3)隣接空間の種類に応じた断熱構造とする部 ては、別添 1 のと
最下段
分に関する考え方は、
「Ⅴ4 省エネ対策等級にお
【断熱構造とす
ける隣接空間の評価上の考え方について(p74)
」
る部分に関する
を参照。
運用等の解説】
(IBEC省エネ基準解説書、評価協会ルール)
p16
解説に別添2の(2)を追加した。
の追加部分につい
おり。
運用取扱いの明確
上段囲み下
化に関する追加
【開口部の取り
(H23/8/31)
扱いに関する運
なお、追加部分は、
用等の解説】
別添 2 のとおり。
本文中ページ数
上記 8 及び 9 の追加に伴う、文章中のページ数引用
ページ数の修正
引用部分
部分及び目次ページ数等の修正
(H23/8/31)
その他省エネ基準解説書等に新たに明示された部分は、引用箇所の修正を行っている。
3
別添 1
4. 省エネ対策等級における隣接空間の評価上の考え方について
1.考え方の原則
①
住宅性能表示制度に基づく省エネルギー対策等級(以下「省エネ対策等級」という。)
は、住戸評価事項であるため住戸単位で評価を実施する。
②
評価対象住戸に隣接する空間(他住戸等、屋内共用廊下、シャフトその他の屋内空
間。以下「隣接空間」という。
)については、推定される当該隣接空間の温熱環境が空
調設備を有している等住宅に準じているか否かを考慮することとし、隣接空間の具体
的な断熱厚さ等を評価するものではないこととする。
③
隣接空間が、住宅に係る温熱環境に準じていると推定される場合は、当該隣接空間
との境界にある壁、床における熱移動はないものとして評価する。
2.隣接空間ごとの評価方法の考え方
上記 1 に掲げる原則に基づき、隣接空間の種類に応じた省エネ対策等級における評価方
法の考え方は、下記のとおりとする。
①
断熱性能に関する考え方
隣接空間の種類に応じた断熱性能に係る評価方法を整理すると、表 12 のとおりとなる。
ただし、熱貫流率等の基準(仕様規定)における断熱性能の考え方では、熱的境界と
なる壁に関し、隣接空間は「外気」又は「住戸同様」の 2 つの場合しか想定していない
ため、安全側に「外気」の基準値を用いることとする。
②
日射遮蔽に関する考え方
日射遮蔽に関する評価方法の考え方については、隣接空間の種類ではなく、実際に熱
的境界となる部分に日射が当たるか否かを基に考えることが原則となる。
ただし、以下の事項に関する取扱いは定まっていないため、日射が当たる可能性があ
る熱的境界に関しては、安全側に評価の対象として考えることとする。
・ 評価対象である熱的境界に日射が当たるか否か、あるいは日射が当たる範囲に関す
る判断の基準
【例】ポーチに設けられた窓などの熱的境界の部分
・ 共用部建具を透過して、評価対象である熱的境界に日射が当たる場合の判断の基準
【例】屋内共用廊下(外気等扱い)の窓を介して、評価対象である熱的境界の部
分に日射が当たる場合の判断の基準
4
表 12 隣接空間の種類に応じた断熱に係る基準の適用一覧
熱貫流率等
損失係数等
による基準
隣接空間の種類(用途、屋外との開放度)
(Q値計算)
による基準
(U値、R値
基準)
・隣接空間との
屋内共用廊下
(空調設備を設ける等
屋内に準じた熱的環
境と推定される場合)
境界にある壁・
床への断熱材施
他住戸
温度差係数
H=0
工は不問
評価対象住戸
評価対象住戸
店舗部分(空調設備を設ける等
屋内に準じた熱的環
境と推定される場合)
他住戸
(類似空間:集会室、管理事務室等)
・隣接空間との
境界にある開口
部の断熱措置は
不問
・隣接空間との
境界にある壁・
床への断熱材施
屋内共用廊下
(屋内に準じた熱的環
境と推定されない場
合)
工は必要(壁は
他住戸
「 外 気 」、 床 は
温度差係数
H=0.7
評価対象住戸
評価対象住戸
車庫等 (屋内に準じた熱的環境
ではないと推定され、
かつ、開放された空間
となっていない場合)
機械室
(類似空間:倉庫、シャフト等)
「その他の床」
扱い)
・隣接空間との
境界にある開口
部の断熱措置は
必要
・隣接空間との
温度差係数
H=1.0
外
気
境界にある壁・
床への断熱材施
工は必要
5
別添 2
(2)設計施工指針における開口部に係る規定について、開口部の種類に応じた基準の適
用を整理すると下記のとおりとなる。
1)考え方の原則
設計施工指針においては、設計施工指針 4(2)イ表に記載のある「開口部」
「窓」
①
「引戸」
「框ドア」
「ドア」という用語で、開口部を分類している。
②
上記用語については、基準上明確に分けて使用されており、当該用語の定義
は下表のとおりとなっている。
用語
イ
開口部
ロ
窓
ハ
引戸
定義
下記 ロ~ホのすべてを含んだ総称
サッシ枠及びガラス等で構成された出入りを前提としない
(注 1)
開口部(掃き出し窓含む。)。
引き形式の出入りを前提とした注 1)框ドア及びドア
出入りを前提とした(注
ニ
框ドア
1) ドアの一種で、周囲に枠をつくり
その枠を仕口によって組み立てたドアのこと。なお、省エネ
基準においては、当該面積の大部分がガラス等で構成された
ドアを想定している。
框ドアを除く出入りを前提とした(注 1)ドアの総称。よって、
ホ
ドア
省エネ基準においては、小規模なガラスが組み込まれたもの
はドアの範疇に含めて取り扱う。
注 1:出入りの前提の有無については、評価上の判断の目安とする。
2)設計施工指針における開口部の評価方法の考え方
上記1に掲げる原則に基づき、設計施工指針における開口部の、省エネ対策等
級における評価方法の考え方は下表のとおりとする。
なお、小規模なガラスが組み込まれたドアについては、上記定義の主旨に則り
ガラス部分がないドアとして取り扱うことができる。
(IBEC省エネ基準解説書、評価協会ルール)
6
性能規定
仕様規定
(熱貫流率・夏期日射侵入率)
(建具の種類又はその組合せ)
【設計施工指針 4(1)イ】
【設計施工指針 4(2)イ】
告示
開口部(窓の面積(当該窓が二以上の
開口部(窓の面積(当該窓が二以上の場
場合においては、その合計の面積。)が
合においては、その合計の面積。)が住宅
住宅の床面積の合計に 0.02 を乗じた値
の床面積の合計に 0.02 を乗じた値以下と
以下となるものを除くことができる。
) なるものを除くことができる。
)の建具が、
断
の熱貫流率が、地域の区分に応じ、次
地域の区分に応じ、次の表に掲げる事項に
の表に掲げる基準値以下であること
該当し、又はこれと同等以上の性能を有す
るものであること。
熱
【適用対象】
考え方
「開口部」に適用される。ただし、
「ドア」に設けられた小規模なガラス部分はな
いものとして取り扱うことができる。
【緩和対象】
「窓」について床面積2%緩和規定を適用できる。ただし、
「ドア」
「框ドア」
「引戸」
(以下「ドア等」という。
)には、適用はできない。
【設計施工指針 4(1)ロ】
【設計施工指針 4(2)ロ】
開口部(直達光が入射する天窓以外の窓
で、当該窓の面積が住宅の床面積の合
で、当該窓の面積が住宅の床面積の合計に
計に 0.04 を乗じた値以下となるものを
0.04 を乗じた値以下となるものを除くこ
除くことができる。)の夏期日射侵入率
とができる。)の建具、付属部材、ひさし、
(入射する夏期日射量に対する室内に
軒その他日射の侵入を防止する部分が、地
侵入する夏期日射量の割合を表した数
域の区分及び方位に応じ、次の表に掲げる
日
値をいう。以下同じ。)を面積加重平均
事項に該当し、又はこれと同等以上の性能
射
した値が、窓が面する方位及び地域の
を有するものであること。
遮
区分に応じ、次の表に掲げる基準値以
蔽
下であること。
告示
窓(直達光が入射する天窓以外の窓
【適用対象】
【適用対象】
「窓」にのみ適用され、
「ドア等」に
考え方
は適用されない。
「開口部」に適用される。ただし、
「ド
ア」に設けられた小規模なガラス部分は無
いものとして取り扱うことができる。
【緩和対象】
「窓(直達光が入射する天窓は除く。
)
」について床面積4%緩和ルールを適用で
きる。
7