大阪・関西で、沖縄の地元2紙（『沖縄タイムス』と『琉球新報』）を購読されている方は少ないだろうと思いますので、『琉球新報』 9月29日付「時評2014 9月」に掲載された、佐藤学・沖縄国際大学教授の論考をかみくだいて、その要旨をお伝えします。辺野古と高江の新基地建設とは？辺野古新基地建設・高江ヘリパット建設反対は、理にかなった要求です。全国メディアでは、それが沖縄の感情的な「地域エゴ」であると片付けているが、とんでもありません。辺野古と高江の新基地建設は、アメリカの軍事予算が削減される中、軍事戦略の中で優先順位が低いため、緊急度が高い他の支出対象との予算分捕り合戦で負ける海兵隊が、沖縄で既得権を維持しようと日本に金を出させる、という構図なのです。対する日本（ヤマトゥ）は、在沖海兵隊が実際に何をする部隊かを理解せず、オスプレイが沖縄におれば、中国と尖閣で戦争をしてくれるに違いないと誤認して、 “沖縄はわがままを言うな” という圧力をかけているのです。数字の操作「 7 4 ％の米軍専用施設が沖縄に集中しているというのは、基地負担を誇張するための数字の操作である。自衛隊との共用施設を分母に含めれば、沖縄の負担は 2 3 ％でしかない」との主張が流れています。これは正しいのでしょうか？具体的に見ます。嘉手納基地の面積は46． 3平方キロ。それに対し、横田・厚木・三沢（以上、空軍）、横須賀・佐世保（以上、海軍）、岩国（海兵隊）、この主要 6 米軍基地の合計面積は 2 7 ． 3平方キロです。つまり嘉手納基地だけで、県外主要基地合計の1． 7倍の面積となります。それに加えて、在沖海兵隊の施設が合計 156． 5平方キロと、嘉手納の3． 3倍置かれています。沖縄の比率を23％に下げるために分母に入れる自衛隊共用施設の大部分は、北海道などの演習場です。例えば矢臼別（やうすべつ）射撃場は、人口密度 1 平方キロあたり1 2 人という別海町（べつかいちょう）の原野にあり、そこで年に数度、野戦砲の射撃訓練をするという場所です。このような演習場と、1年通して兵器・兵士が置かれている沖縄の米軍基地を比較すること自体、極端な数字の操作です。沖縄島の面積は1， 208平方キロ。日本（ヤマトゥ）には、これよりも面積が大きい市が、浜松、静岡など 1 3 あります。札幌市の面積は1， 121平方キロなので、ほぼ沖縄島と同等です。だから嘉手納、普天間、ハンセン、シュワブ、北部訓練場、キンザー、ホワイトビーチなど、それら全ての在沖米軍基地が札幌市の中に置かれている、という計算になります。これが「 7 4 ％」の意味するところです。距離は無意味次に、海兵隊の実像を見ます。日本（ヤマトゥ）では、海兵隊は「突撃部隊」「切り込み部隊」で、敵地に突入していく部隊であるとの宣伝が行き渡っています。しかし、米海兵隊がこうした作戦を遂行したのは、1950年の朝鮮戦争での仁川（インチョン）上陸作戦が最後であると、ゲイツ・元米国防長官が演説で指摘しています。海兵隊は第二陸軍としての占領部隊なのです。実際に海兵隊が戦地に飛ぶには、空軍・海軍が敵を抑えた後に、強襲揚陸艦＝ヘリ空母に、オスプレイなどを搭載して接近し、そこから飛ばして上陸します。沖縄島からはるばる尖閣までオスプレイが飛んで行く、という作戦はありません。強襲揚陸艦ボノム・リシャールは、沖縄から遠く離れた佐世保に配備されているから、在沖海兵隊が尖閣に距離的に近い、ということには、軍事的には何の意味もありません。オスプレイはどうでしょう。オスプレイは、単なる輸送機です。大手メディアは、オスプレイは万能攻撃兵器であるかのようなイメージを作っているが、それは事実ではありません。昨年2013年12月、アフリカの南スーダンで内戦が激化し、反政府ゲリラの支配地域にアメリカ国民 3 0 数人が取り残されました。米空軍が、近隣の基地から3 機のオスプレイを救出に飛ばしたが、反政府ゲリラの小火器の銃撃を受け、乗員 4 人が負傷し、オスプレイは逃げ、救出作戦は失敗しました。オスプレイは、南スーダン反政府ゲリラの銃で追い払われたのです。この一事で、オスプレイが尖閣の防衛だの奪還だのに沖縄から飛んで行くという、日本の期待が絵空事であることは明らかです。南スーダン反政府ゲリラの銃に追い払われる機種が、どうやって中国軍との戦闘に加わるというのでしょう。過重な基地負担を減らすと称して、新たな基地を造ることに理はありません。軍事的な存在意義が薄い在沖海兵隊のために、単なる「お守り」（＝辺野古新基地）を1兆円もかけて買うのか。嘉手納空軍基地だけで、沖縄は応分以上の負担を引き受けているのです。海兵隊が撤退すれば、普天間も辺野古も高江も必要なくなります。海兵隊がいなければ、沖縄の基地負担は掛け値なしに大幅に減ります。私たちは、自信を持って辺野古・高江の新基地建設反対を貫きましょう。以上のように佐藤教授は述べられています。さて、あなたのご意見はいかがでしょうか？（文責：西浜）普天間問題７つのホント 1沖縄に基地が集中するの 2米軍は日本を守らな米軍は日本を守らない 3 海兵隊は防衛のための部 4アジア最強の自衛隊は地理的な要因ではない本土が基地を受け入れず、沖縄へ押し付けているだけ。本当に日本の防衛が目的なら基地は日本海側や九州におくはずです。隊ではない普天間基地にいる海兵隊は（今もイラクやアフガニスタンで戦争している）攻撃の部隊です。日本を防衛するために存在しているのではありません。 1997年の日米新ガイドドラインで日本の防衛については本防衛「日本が一義的な責任(primary responsibility)を負う」と、米軍の日本防衛の責任がないことが明白になった。 5「抑止力」は必要ない一般的に知られていないだけで「抑止力」とは他国を軍事力で実は自衛隊はアジア最強の軍隊脅かす力のことです。東アジアであり、在日米軍は何の必要も (や世界中)を対立させる愚かなありません。そして、自衛隊その発想です。ものがアジアの脅威となっています。 6 辺野古新基地は普天間の 7 沖縄は基地経済ではない代替基地ではない辺野古に計画されている基地は、普天間にはない軍港や弾薬庫まで付く普天間以上に性質の悪い、米軍の都合で計画された基地なのです。県全体でみると基地からの収入はたったの５％なのです。