2016 年度 海外インターンシップ(タイ・バンコク)報告 ―国際物流現場の最前線に触れて― 所属・学年:国際文化学部 名 前:石塚 国際文化学科 4 年 晶未 1 【概要】 目的:世界中の人々の暮らしや産業発展を支える国際物流の現場を見学し、物流業の具体 的な仕事のイメージを掴み、業界理解を深める。また、そこで働く方々のお話を伺 う中で、世界を舞台に働くことへの理解を深める。 研修期間:2016 年 5 月 3 日(火)8:30-15:00 5 月 4 日(水)13:00-16:00 研修先:商船三井(Thailand)―レムチャバンの港湾地区 (Port Tower, TIPS Terminal) 商船三井ロジスティクス(Thailand)―空港事務所 タイ国際航空 輸出入上屋ターミナル 【研修内容】 ①5 月 3 日(火)商船三井(Thailand) ―見学場所:レムチャバン港(Port Tower, TIPS) 担当:商船三井タイランド 佐々江様 バンコクから車で約 2 時間、現在のタイ国際物流の中心地であるラムチャバン港(タイ 最大のコンテナ港)へ。道中、コンテナクレーンの立ち並ぶバンコクの景色を眺めながら、 タイの物流拠点の変遷(バンコク港からレムチャバン港へ)、その特徴や抱える課題など について説明していただいた。港の発展を通じて急速に世界とつながっていくタイの物流 の歴史を伺い、今まで何気なく見ていたその景色が、また違ったものに見えた。 ラムチャバン港に到着後、港を一望で きるポートタワーに上り、ラムチャバ ン港の構造や機能、特徴、発展の歴史 などを学んだ。ラムチャバン港は、世 界で最も物流効率の良い港の一つであ り、機能性・安全対策・税関・環境保 全など様々な面で優れた特徴がある。 近年、既存のターミナルに加え、ター ミナル D が建設されており、物流量は、 今後、更に伸びていくようであった。 一方、タイの経済や政治と関わる多く の課題も抱えており、様々な要素が関わり合って国は動いているということを改めて実感 2 した。特に、タイの物流、港の特徴を他国と比較して説明していただいたことが印象的で、 新たな側面からタイという国を理解することができたように思う。また、商船三井タイラ ンドが、この港で行っているコンテナ船代理店業務(顧客に代わり、貨物の集荷や積み込 み、費用の支払い、出港手続きなどを行う)についても説明していただき、いかに安全に、 効率的に荷物を届けるかの工夫、海運業の役割について学んだ。 (ポートタワーから臨む港の様子。) 次に、商船三井タイランドが使用しているターミナル B4 を管理し、積荷の積み下ろし や倉庫業務を行っている TIPS の事務所を訪問し、レムチャバン港の機能と TIPS の業務 内容について、DVD とパワーポイントを使って詳しく説明していただいた。 荷物の積み 下ろし場所の決定、積み下ろし、コンテナの貸し借り、倉庫運営、発送準備など業務は多 岐にわたる。最新の施設やソフトウェアを活用し、荷物の安全かつ効率的に管理に尽力さ れているようであった。 ②5 月 4 日(水)MOL Logistics (Thailand) ―見学場所: スワンナプーム 空港事務所、タイ国際航空 輸出入上屋ターミナル 担当:商船三井ロジスティクス 小池 様、中島 様、Ms. Natwarinthorn まず、スワンナプーム空港事務所において、商船 三井ロジスティクスの会社概要、業務内容、特徴 や強みについて説明していただいた。航空輸送が 中心であったが、近年は、タイという国の東南ア ジア各国へのアクセスの良さを生かし、周辺諸国 への陸上輸送にも力を入れているそうである。ま た、タイの貿易事情、スワンナプーム空港概要(多 くの豆知識と共に)について他国の空港と比較し 3 ながら詳しく説明していただき、貿易・物流という視点からタイという国を知り、その理 解を深めることができた。 次に、タイ国際航空輸出入貨物上屋ターミナル(商品の積み下ろしを行う倉庫、航空輸送 に必要な書類手続きをする税関など)の見学をさせていただいた。初めて空港の裏側、人 の移動でなく、モノの移動の現場を見ることができ、多くの人々が関わって次々と荷物が 運ばれていく、その活気あふれる様子に感動を覚えた。航空輸送は海上輸送に比べより迅 速で丁寧な輸送が求められる。微細なものから巨大なもの、危険物、繊細な食材など多種 多様なものが、様々な工夫と多くの人々の手によって管理、輸送されていた。 【達成できたこと】 2日間を通じて、タイの物流現場の最前線を目の当たりにし、そのダイナミズムに触れ ることができた。自分の身の回りにあるものたちが、どのような過程を経て、自分の手に 渡っているのか、普段の生活で考え、触れることはなかなかないが、この貴重な機会を通 じて、世界中で様々な物が人々の手に渡り、利用されるまでには、物流という物の動きが あること、その物流の機能、関わる人々の働きによって、今の当たり前の生活があるとい うことを改めて実感し、考え方や視野を大きく広げることができたように思う。「物流は 世界中の貿易・ものづくりを支えるインフラでもある。」ということを実際に目で見て実 感、その重要性、仕事のやりがいについて深く理解することができた。 【今後に向けて】 このインターンシップを通じて、世界中の国や社会を根幹から支え、動かす仕事への興 味が一段と強くなった。自分たちの日々の当たり前の生活がどのように支えられ、社会が どのように動いているのか、より視野を広げて理解を深め、これからの将来選択、そして、 その後の仕事につなげていきたいと思う。また、実際に海外で、まさに世界を舞台に活躍 されている方々のお話しを伺えたこと、その仕事の一端に触れることができたことは、海 外と密接に関わる仕事に就きたいと考えている自分にとって大きな刺激であり、この経験 と学び、感動を胸に、今後、世界を舞台に活躍できる人材になるべく、努力していきたい。 4
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