400,000 350,000 300,000 250,000 200,000 150,000 100,000 50,000 45,000 日本 中国 インド マレーシア シンガポール 台湾 タイ 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 2000年末 2005年末 2010年末 2014年末 インターネット 温度センサー 照明機器 湿度センサー 換気扇 ゲートウエイ 空調機器 照度センサー 速度センサー 生産ライン CO2センサー FA特集 タイ製造業のさらなる発展がカギ 高まるFAの重要性と人材教育 MITSUBISHI ELECTRIC FACTORY AUTOMATION (THAILAND) CO., LTD. 昨 年末のASEAN経済共同体(AEC)の発足などを契機に、 タイを取り巻く国 際市場は今後、劇的に変化をしていくことが予想されている。 こうした中、 タイの製造業のさらなる発展に向けキーマンとなるだろうと期待されているの が、 タイのFA(ファクトリーオートメーション)市場でシェアトップクラスの三菱電機 ファクトリーオートメーション (タイ)だ。PLC(シーケンサ) を主力に、数値制御装 置(CNC)やタッチパネルなどいずれも高い機器性能で知られる同社。一方で「モ ノ作りは人」 と、ハードウエアにとどまらない人材教育にも力を入れている。市場 がダイナミズムを増す中で、 これからの時代の舵取りをどう担っていくのか。 で豊富にあふれていた労働市場。ローカルを 携を可能にするFA統合ソリューション「e-F@ 中心に企業もまだまだFA分野への投資には及 ctory(イー・ファクトリー) 」だった。三菱電機が び腰で、労働市況の変化が顕在化した今にお 生んだ新しい工場の概念。徹底した「見える いても 「企業の投資意欲には結びついていな 化」 で、 トータルとしてのコスト削減を目指して い」というのが川崎氏の見立てだ。だからこ いる。 「産業が集積するタイですが、今なお労働 そ、そこにビジネスチャンスがあると見る。 「一歩先を行く未来の工場」がイメージの 集約型の生産現場が随所で残るなど全体と 市場のグローバル化への懸念もある。AECの e-F@ctory。MESインターフェースと呼ばれ しての高度化は今一歩。AECの発足などをき 発足、参加が確実視されている環太平洋戦略 る、MES(製造実行システム)に直接アクセス可 っかけに生産拠点としての位置づけは高まっ 的経済連携協定(TPP) 。国境の垣根が名実とと 能なFA機器群を活用することで生産現場の「 ていますが、国内では人件費が高騰し労働力 もになくなれば、 より労働力が安価で、優れた 見える化」を実現する。生産現場ではPLCなど が逼迫するなど、 このままでは周辺諸国にそ 貿易港を持つ他国・地域に資本が移転してい の多彩なラインナップのデバイスが、生産設備 の地位を奪われかねません。 その意味でも今 くとも限らない。その時に心配されるタイの産 後、 タイにおける自動化、省力化などFAの重 業空洞化。 「国境がなくなることのプラス面ば 要性はますます高まっていくと考えられま かりが強調されがちですが、 この国の製造業が す」 どうなっていくかという心配も尽きません。だ こう解説するのは、Managing Directorの からこそ今は、 タイの製造業をしっかりと持続 川崎豊氏。同社は1975年に前身がタイに進 的に成長させなくてはならない。 そのためには 出。2013年のローカル販売会社の買収を契 FAは絶対に欠かせません」 (川崎MD)。 機として、現在の新生・三菱電機FAタイとなっ ■「見える化」 でコスト削減 Mr.Yutaka Kawasaki 川崎 豊氏 Managing Director た。 ショールームには取扱い製品を展示 一昔前までFAと言えば、生産現場でのベル ■AECとTPPがFA市場に与える影響 トコンベヤーやロボットの導入など、機械回り 例えば、 自動化の代表例ロボット。 タイの市 の設備投資を主に指した。 ところが、製品や技 場においても自動車の組立ラインなど一部で 術がより高度化・複雑化し、求められる付加価 導入が進んではいるものの、部品生産などを 値の幅が広がるようになると、 それだけでは説 担う小型のものについては市場に十分に浸 明が不十分に。 こうした中で生まれたのが、生 透したとまでは言いがたい。少し前まで安価 産情報システムと生産設備のシームレスな連 垂直多関節ロボットRV-Fシリーズ 今後も需要が高まると見込んでいる 言葉の壁にも配慮をしている。 「タイ語のカ タログやマニュアルがあったら…」 といった声 に応えて同社が始めたのが、 ドキュメントツー ルのタイ語化だった。既に総合カタログのタイ 語版が完成しており、マニュアルも順次タイ語 化を進めている。 「ここまでのサポート力を持っ たFAサプライヤーはそうはありません」 と川崎 MDも胸を張る。数十人にも上るエンジニアに よる業界トップレベルの技術サポート力を誇る 三菱電機FAタイの今後から目が離せない。 日夜顧客サポートに従事する日本人メンバー 左から堀田さん、安川さん、川崎MD、山口さん、佐々木さん、手嶋さん の末端であるセンサーから得られた情報とも ほかはない。 それを提供しているのがタイで40 連携し、生産の最適化を実現していく。 リアルタ 年の実績を誇る三菱電機FAタイだ。 イムにデータベースに蓄積されていく生産情 報から生産現場の課題を抽出することにより、 生産性・品質の向上に加え、製品開発にフィー ドバックすることも可能になり、生産に関わる TCO(Total Cost of Ownership)削減に貢献す る。 ■トレーニングスクールを拡充 「モノ作りはハードウエア的な仕組みづくり も大切ですが、それを操作する人もとても大 切。エンジニアをどう育成していくかという点 も極めて重要です」 とは川崎MD。顧客先エン ジニアを招いてのトレーニングスクールには、 ユーザメリットはそれだけにとどまらない。 豊富なラインナップを持つ省エネ支援機器と 呼ばれる計測機器を活用し設備単位、生産ラ イン単位での使用電力を計測、生産情報と同 様にデータベースに蓄積することで工場全体 の消費エネルギー量の見える化が可能にな トレーニングスクールの様子 毎回数十人のタイ人技術者が出席。三菱電機 e-F@ctory概念図 FAタイの講師陣から手ほどきを受けている。 今年から講座を再編、10だったコースを16に まで拡充した。習熟度別に講座を組み 替えたほか、 メンテナンス(保全) の講座を増設した。 る。生産情報と合わせて解析することにより設 備単位、製品単位でのエネルギー使用量を把 握し、ムダを改善することにより工場全体の省 エネ、省資源にも貢献できる。ひいては地球環 境の保護にも。最小限の人員や資源で事業所 内をくまなく最適化・高効率化できるというの だから、 これはもう 「未来の…」 と形容するより MITSUBISHI ELECTRIC FACTORY AUTOMATION (THAILAND) CO., LTD. 三菱電機ファクトリーオートメーション (タイ) 12th Floor, SV.City Building, Office Tower 1, No. 896/19 and 20 Rama 3 Road, Kwaeng Bangpongpang, KhetYannawa, Bangkok 10120 02-682-6522~31 02-682-6020 [email protected] http://www.mitsubishifa.co.th FA特集 地産地消のハブ拠点化を目指す 産業回りから省エネ・省力化も Fuji Electric (Thailand) Co.,Ltd. 産 業向け電気機器の製造販売を主力とする電機メーカーの 富士電機。受配電機器、パワーエレクトロニクスの分野では 高いシェアを持ち、早くから世界市場にも進出した。 ところが、足元の 日本では市場の成熟化が進み、少子高齢化もあって今後の高成長 は見込めない。 こうした状況下で同社が選んだ次なる展開が、海外 での地産地消型の拠点作りだった。真っ先に選んだターゲットは経 済成長著しい東南アジア (アセアン)市場。受配電機器の生産からそ の先の自動化による生産ライン制御までを 〝一気通貫〟 で現地にて Mr. Tomohiro Tsurumi Mr. Yoichi Tsuyuguchi 完結させようという新たな試み。 「地産地消型」 と名付ける新拠点作 Director Managing Director りにかける狙いなどを尋ねた。 鶴見知弘氏 露口洋一氏 ■地場企業を相次ぎ買収 の社運を決する一大事業戦略として掛ける意 当地をコントロールしていく計画だ。 バンコク北郊パトゥムタニ県チュウナムサ 気込みは熱い。 ■内需の掘り起こしが重要 ップ工業団地。 ここに2013年12月に開業した サムットプラカーン県にあったタイ資本の受 「かつては海外工場といえば、コストダウン 富士電機の 「総合工場」 がある。 敷地面積は約 変電機器メーカーを買収し、富士タスコ社とし のための日本の生産ラインの延長線上として 13万㎡。建屋の延べ床面積は約3.4万㎡と、 てグループの中核に位置付けたのは総合工場 の位置づけにすぎなかった」 と富士電機(タイ 広々とした土地に開放的な造りが印象的。 こ の完成とほぼ同じ時期、13年のことだった。翌 ランド)の露口社長は振り返る。だが、所得が こで生産されるのは、主力のインバータや無 年にはシンガポールのIEC規格に基づく低圧配 上昇し 「中進国の罠」に陥り始めたタイ市場。 停電電源装置(UPS) 、電流の遮断を行うガス 電盤製造メーカーも買収、富士SMBE社として これからの時代に打ち勝つためには、 ミャンマ 絶縁開閉装置(GIS)、太陽光発電システムに 系列化した。今年にはベトナム・ホーチミンに ー、カンボジア、 ラオスといった周辺国の需要 欠かせないパワーコンディショナー、それに あるオートメーションに関するシステムインテ を取り込むと共に、内需の掘り起こしが何より アセアン市場でも設置が進むようになった自 グレータCAC社の株式も取得する予定でい も避けて通れないのは確実と言えた。 「国内産 動販売機などの同社が手掛ける電気機器類 る。一連のM&A戦略に共通する“キーワード”は の数々だ。 商流の確保とエンジニアリング機能の強化で これらパワーエレクトロニクス製品等の供 ある。エンジニアリング・サービス機能を持つ 給市場として同社が想定しているのが、人口 富士電機(タイランド)を中核に複数社体制で 2億5000万人を抱えるタイを中心としたイン ドシナ半島市場だ。域内で生産された電気 機器製品を域内で販売し、域内で設置し、 ラ 富士タスコ社 イフサイクルを通じてサービス提供していこ うという完結型ソリューション事業構想。富 士電機(タイランド)が掲げる中長期的な基 本 戦 略 で も あ る 。アセ アン 経 済 共 同 体 (AEC)の発足やタイ・プラスワンの加速な どボーダレス化が進むアセアン市場で、今後 汎用Multi VCB スイッチギアパネル 富士電機マニュファクチャリングタイランド社 業の高度化・高付加価値化、省エネ・省力化の ■対前年比1.6倍の見込み セアン域内におけるワンストップ・ソリューショ ニーズは必然的に高まっていく」 (露口社長) こうした積極的な営業展開から2016年は対 ンサービスの実現だ。 タイだけで地産地消で と読むのは自然な流れだった。 「それらを誠実 前年比1.6倍の売上高増を見込む。モノ作りと きる体制を目指したい」。受配電機器といった に丁寧に一つ一つ拾っていきたい」 とも。 一体となった提案型の営業、エンジニアリング 産業機械回りから省エネ・省力化といったソリ 周辺国における電力網や受配電設備の整 サービス事業。 今年から始まった中期経営計画 ューションビジネスまで。今後の抱負を語る露 備、 コールドチェーンなど高付加価値の物流サ では、従来からの変電、インバータ、受配電の 口社長の口調は、やや興奮しているようにも感 ービスなどが必要となる。機器や施設が通信 主要各機器に加えて、太陽光発電(メガソーラ じた。 回線で接続されるようになれば、 インターネッ ー) 、産業プラント、 自動販売機も成長項目に加 トを使った通信制御インフラも充足していく。 えた。多彩な提案には豊富なラインナップが必 すると、UPSが必要となったり、新たな制御機 要だと、 さらなる生産品目の拡大も検討されて 器が求められたり…。時代を先取りした新たな いる。 提案型ソリューション事業。 これが同社がアセ 「アセアン工場の位置づけは、 日本の本社工 アン域内で進めて行こうとする取り組みの骨 場のようなグローバル・サプライ工場とは明ら 子だ。 かに異なる。目標とするのは、 タイをはじめア 一般配線用MCCB G-TWIN Series 高圧インバータ FRENIC-4600FMe 汎用インバータ UPS 7200BX Fuji Electric (Thailand) Co.,Ltd. 富士電機(タイランド)社 43 Thai CC Tower, 11th Fl. Room 114-9, South Sathorn Road, Yannawa, Sathorn, Bangkok, 10120 モールドトランス 02-210-0615 02-675-6641 FA特集 あらゆる産業に貢献する機械要素部品 T H K 株式会社 工 作機械などメカトロニクス産業に必要不可欠な機械要素部品。従来の回 転運動に加えて直線運動の転がり化が可能となったことで、 あらゆる駆動 メカニズムへのアプローチが容易となった。 それを世界で初めて製品化したのが T H K 。1972年リリースの「LM(リニアモーション) ガイド」が始まりだった。 それか ら間もなく半世紀。モノ作りの現場はもちろんのこと、社会基盤や住環境の整 備、医療や航空宇宙産業まで幅広い範囲で応用がされ、革新的な技術として社 会を支え続けている。産業の集積するタイでも、企業活動への支援や社会インフ Mr. Yoshio Akasawa 赤澤 芳朗氏 Managing Director ラの整備で大いに活躍が期待されるテクノロジーだ。 位、テーブル単位での対応も可能で、 システム アクチュエータとコントローラ サーバや美術品免震など幅広い用途に採用さ ■「見えないところで活躍」 れている。 このほか、CTスキャナ、MRIなどの医 「未来を切り開く研究」 、 「見えないところ 療機器や電動キッチンシステム、駅のホームド で活躍する」、 これ が T H K 社 製品の共通点 アといった人の命や暮らしを守る機器等にも だ 。T H K が 販売する機械要素部品は、直動 広範囲に活用されている。 近ごろでは大型光学 システムを実現するLMガイド、ボールスプラ 赤外線遠望鏡や航空宇宙産業へも応用されて イン、ボールねじ、 クロスローラーリングなど いる。 「あらゆる産業に貢献できるのがLMガイ 多品種にわたる。 その一つ一つに込められた ドをはじめとする T H K の 技術なのです」 とタ 高い技術力が高品質となって、産業や暮らし イを統括するシンガポール法人の赤澤芳朗 を足元から支えている。社名 T H K の Tは「タ Managing Directorは話す。 フネス」 を、Hは「ハイクオリティー」 を、Kは「ノ ■ T H K 全 体でトータルサポートを 「日系企業の多いタイで T H K ファンが増えれ T H K の タイでの事業は、当初は現地代理店 ば、 日本市場においてもさらに T H K の 採用が を通じての営業展開だったが、 日系取引先の相 増加する 。T H K 全 体としての顧客開拓を目指 次ぐ進出を受けて一昨年から体制を強化させ したい」 とも。 アセアン経済共同体 (AEC) の発足 た。昨年1月には顧客の自動化ニーズに応えて やタイ政府による産業クラスター制度の導入な 電動アクチュエータの日本人専門技術者がタ どダイナミックに変貌を続けるタイの市場で、最 イに駐在。 顧客からの相談に直接応じるほか、 も熱くなりたいと考える企業の一社に相違ない。 ウハウ」 をそれぞれ表す。長寿命、世界最高品 質、そして技術と知恵の結晶であるノウハウ を顧客に提供するソリューション力が同社の 力の源泉だ。 自動車部品や電子部品などを生産する工 作機械や産業用ロボットの多くで、駆動部分 に T H K 製 品が搭載されている。 これにより 超精密な作業が可能となり、サブミクロン以 下の精度が実現できるようになった。 メカト ロニクス機器の高精度化は高速化や省力化 をもたらし、機械性能の向上や産業の高度化 をも加速させた。 自動車の足回り部品である スタビライザーにも同社のリンクボールが採 用され、安定した走行性能を実現。電気自動 車など新世代の自動車開発などへの応用も 期待されている。 免震システムへも広く活用されている。揺 れを軽減させながら構築物の安全を維持す る地震大国日本で生まれた新技術。 フロア単 随時開催、技術の浸透にも努めている。 「トップマネジメントの日本人駐在員から現 場のタイ人技術者、営業社員までもが T H K 製 品のファンになってほしい」 と話す赤澤MD。 タイ現地での電 動アクチュエー タのアセンブリ 対 応 も 開 始し ボールねじ た。タイ人技術 者向けのテクニ カルセミナーも T H K 製品が使われている工作機械内部 LMガイド THK RHYTHM (THAILAND) CO., LTD. LM System Division Bangkok Branch Bangna Tower, Tower A #1701 2/3 M. 14 Bangna-Trad Highway Km 6.5, Bangkaew, Bangplee, Samutprakarn 10540, Thailand http://www.thk.com/th Apr 2016 17 FA特集 生産の根幹を支える認識技術 あらゆる製造業への活用が可能 コグネックス株式会社 生 産ライン上を流れる部品や完成品。 その一つ一つに不良品はないか、不具 合がないか瞬時に見分け選別し、検査の自動化を可能にするのが画像処 理の技術。 あるいは、部品の装着を行うロボットの眼となったり、物流システムの追 跡処理に活用されたり…。画像処理の適用範囲は非常に多岐にわたり、製造業界 の根幹を支える技術と言ってもいい。 その画像処理業界のグローバルリーダーが コグネックス社(本社:米国)だ。 この5年間だけでも同社における全世界での総 売り上げが2倍以上に伸びるなど、画像処理は今後も拡大が見込める有望な市 Mr. Morio Yoshida 吉田 盛雄氏 場である。 タイ進出を本格化させた企業戦略について概観した。 ■画像処理やロボットによる自動化の余地はま 産現場。 自動化が必要とされる余地はかなり残 だまだある っており、 ラインの再構築による需要増はこれ ■工場の悪環境下における安定認識を実現 製造の現場で品種が変わるたびに繰り返さ から」 と吉田盛雄エリアディベロップメントマネ 生産の自動化、 省力化を図るために導入さ れるロボットのティーチング(教示作業)や画像 ージャも話す。 れるのがファクトリーオートメーション (FA、 処理のキャリブレーション (校正作業)は、高度 画像処理専業メーカとしてグローバルリー 工場自動化)だ。人による 「関与」を極限まで なスキルが必要とされるため、 システムインテ ダーの地位を誇る同社。 日中韓とアジア進出も 減らし、誤差を極少化して生産性を向上させ グレータと呼ばれる専門の技術者が人海戦術 順調にはたし、 高い技術力と世界中で蓄えた知 るのがその狙いである。 この時、重要なカギ でその煩雑な工程を処理していた。 ところが、 見を基に、 アセアン市場にも更に注力の構えで を握るのが画像処理の技術だ。検査対象物 システムインテグレータ業界には海外進出の ある。 トレーサビリティー(追跡可能性)のニー を撮影した画像に起こる台形歪みや、解像度 体力を持ち合わせていない小規模企業が多 ズの高まりなどからバーコードリーダ需要が急 が低いといったカメラを介する以上避けられ く、 タイ市場におけるFA化の遅れの一要因とも 増しているアセアン市場。最近ではタイ・プラス ない問題、印字不良により認識が不可能にな なっていた。 ワンの動きも加速している。 あらゆる製造業種 るといった検査対象物そのものに発生する コグネックスの最新の画像処理技術はロボ への活用が可能な同社の画像処理技術の将来 課題も多く発生する。また、検査対象物の素 ットと画像処理の融合において絶対原点とい 性は無限大に近い。 材や工場内の環境等に起因する明るさ変動 う考え方を採らない。 これまで半日から終日か も、機械による認識不能、読取ミス、誤判定を けて行ってきた「認識→立ち上げ」のプロセス 生み出す要因になる。 こうした時、 目視による も、画像処理そのものが短時間で済ませてしま 最終チェックで事態を切り抜けてきたのが昨 う。台車の上にロボットを載せて頻繁に稼働場 今までのタイにおける生産ラインの実情だっ 所を変えるなど生産ラインの在り方を根底から た。 覆した。 コグネックス社の画像処理技術は工場に ここにビジネスチャンスがあると見る。 「人の おけるこれらの悪環境下での物体の安定認 手を必要とする場面のまだまだ多いタイの生 エリアディベロップメントマネージャ (ASEAN) 識を実現し、人件費の抑制を可能にしてき た。 また、 この優れた画像処理技術がバーコ ード/二次元コードの読み取りにも適用され ており、同社のバーコードリーダは従来であ れば読み取り不可能とされてきた致命的なパ ターン欠損にも対応が可能だ。 バーコードリーダ DataMan®シリーズ タイの生産ラインを支えるFA技術 センシング&コントロール パナソニック デバイスSUNX F A機器の製造を手掛けるパナソニック デバイスSUNX(愛知県)のタイ法人 が、2015年10月に操業したパナソニック デバイスSUNXタイ。 アユタヤ県の バンパイン工業団地内に独資工場を構え、 自動機などでの小型物体の検出の ためのセンサを生産している。 タイ国内での販売部門に当たるのがPanasonic Eco Solutions Sales (Thailand) Co.,Ltd.(パナソニックエコソリューションズ販 売タイ)だ。製造業が集積するタイ、 そして東南アジア。生産ラインを支える高精 度のFA技術がセンサという製品となって、生産ラインの中で使用されている。 ■各種講習も 実機を使用した製品説明が行われるほか、各 ことができ、 レーザーマーカーを使ってサンプ バンパイン工場で生産を開始したのは、 種自動化・省エネなどのセミナーも随時開催さ ルへの印字テストを行うことも可能だ。印字の タイや周辺諸国で広く採用されているモデ れている。一方、ショールームには全ページが 様子はレポートにまとめられ、顧客が導入を決 タイ語による総合カタログも用意されており、 める際の重要資料にもなる。ビフォアサービス 主要な製品も展示され、来場した顧客企業の から機器の導入、操作上の相談やメンテナンス タイ人スタッフたちが実際に目と手で確認しな までトータルとしての心のこもったサービスが がら動作・操作方法や制御方法を実体験する 同社の最大の魅力だ。 品などをセンサで瞬時に見分けることができ ことができる。 販売部門の同社がタイに進出したのは20数 れば、生産性も向上し、人手による間違いも ■テスティングルームも常設 年前。当時は日本などからの輸入が中心だっ 少なくなる。高い精度に顧客からの評判も上 タイにおける販売会社パナソニックエコソリ 々で、今後は生産品目を順次、拡大増産させ ューションズ販売タイのFA部門は、バンコク・ ていく方針だ。 ラチャダーピセーク通りに立つビルの一角に 高い評価を受けているのは、製品だけに止 ある。 ここにあるのが、狭いながらも顧客が自 まらない。工場がある建物内にはセミナール 由にサンプル(被検出体) を持ち込んで体験操 ームとショールームが兼ね備えられている。 作ができる 「テスティングルーム」だ。センサや このうち、セミナールームでは顧客と一緒に 画像処理装置の性能を来場者自らが確認する ル。種類で言えばエリアセンサで、生産・組立 ラインの効率化や誤作動防止に良く使用さ れる多光軸の光電センサだ。省人化やコスト ダウンが進む生産現場。 ライン上を流れる部 エリアセンサ た。その後、多くの日系メーカーが現地進出を 果たし、生産ラインを構えたことから現地化を 決断。 昨年10月の工場設置となった。 「センシン グとコントロールを核に夢をかなえる技術とサ ービスでお客様とともに ゆたかな未来をめざ します」が同社の企業理念。製造・販売部門が 一体となり万全なサポートで、顧客満足度のさ らなる向上を目指す。 レーザマーカ・画像処理 ライトカーテン・安全機器 Made in Thailand NA2シリーズ NA1シリーズ デジタル変位センサ ライトカーテン SF2B Type2 FAYbレーザマーカ LP-S500シリーズ セーフティ コントロール・ユニット FA用センサ Panasonic SUNX 画像処理装置 PV200シリーズ 検索 接触式デジタル変位センサ HG-S デジタルファイバセンサ FX-500 マイクロレーザー測距センサHG-C 小型ビームセンサ CX-400 Panasonic Eco Solutions Sales (Thailand) Co.,Ltd. Automation Control Systems Department 253/133 Muang Thai-Phatra Complex Building, 31st-Fl., Rachadaphisek Rd., Huaykwang, Bangkok 10320, Thailand +66(0)2693-1870 EXT;1400 FA特集 安全・制御のパイオニア 単品からワンストップサービスへ IDEC ASIA (THAILAND) CO.,LTD. 各 種スイッチ類やリレーなど制御コンポーネントのサプライヤーとして知名 度の高いIDEC(アイデック)。東南アジア経済の発展、 日系を中心とした企 業の進出が進むなか、2012年にサラブリ―工場を設立。翌13年にはバンコク事 務所を開設し、顧客サービスを本格化させた。ASEANにおいては、主力の制御コ ンポーネント販売は勿論のこと、企業の要望に対して包括的に応えるワンストップ サービスの提供に力を入れている。IDECの今を聞いてみた。 ば機械安全の妥当性評価が任され、現場責任 彩な対応をパートナー企業との協力で実現し 者への道も開ける。産業が集積するタイで、 ている。信頼関係で結ばれたこれらパートナー 今、人気のある個人資格の一つでもある。 の存在が、顧客の課題解決パートナーとしての ものづくり現場の「安全」 プロフェッショナル 同社のサービスを支えている。パートナー企業 ■「安全」のプロフェッショナル として日本を代表する企業IDECは、 これらタイ の能力拡大・強化にも積極的に協力しており、 人件費が上昇し、人材の流動性が高いのが 政府の取り組みに全面的な協力を続けている 今後さらに同社の課題解決能力、サービス力 最近のタイの労働市場。かつての労働集約型 安全・制御のパイオニア。安全知識の普及を目 を拡充する。 の産業構造は改められ、ロボットの導入や自 的に資格制度の啓発活動や、現場のオペレー 化学プラントの充足や更なる自動化、 ロボッ 動化が業種の垣根を超えて進められている。 ターらを対象としたセミナーの開催を通して、 トの導入が進むタイの製造業の現場。市場の 生産効率向上を進めるため自動化は進化を 個別顧客へ安全解説・指導なども行っている。 ニーズは時代とともに細分化され、顧客の要望 続けており、人と機械の新しいコミュニケーシ ものづくり現場の「制御」 、 「安全」に長年の経験 も多岐にわたっている。そうした時に、機動力 ョン、 同じ現場で共存するための 「危険」 予防・ と実績を持つ同社のセミナーは常に人気で順 を持って対応できるのが多くのパートナー企業 対策への要求が急速に高まりを見せている。 番待ちが出るほどの盛況ぶりだ。 と協力関係を持つIDECのワンストップサービ 高速で動くロボットアーム、無人の搬送車 ■課題解決のソリューションパートナー スだ。 「当社のタイ事業は信頼できる現地のパ 同社のもう一つの強味が、現地に持つ多彩 ートナー企業とともにあります。 これからも、 こ なパートナー企業の存在だ。顧客の要望・悩み の点を強く訴求して更なるサービス向上を目指 に応え、コンポーネントの供給に留まらず、制 したい」 。現場を預かる車泰尚General Manag- 御盤提供、防爆対応・システム化支援などの多 erはこう力強く話してインタビューを結んだ。 Mr. Yasuhisa Kuruma 車 泰尚氏 General Manager (AGV)、一つ間違えば大事故となりえる危険 源の増加に伴いものづくりの現場で「安全」に 対する意識が高まっている。 こうしたものづくり現場環境の変化を背景 にタイ政府は昨年から、 日本の一般社団法人 日本電気制御機器工業会(NECA)が推奨する 安全に関する 「セーフティアセッサ資格認証制 度」 をタイ国内に導入。 タイ人オペレーターや 生産技術担当者への浸透を進めている。初級 の「セーフティベーシックアセッサ」は1日の受 講と試験だけだが、最上位の資格を取得すれ IDEC ASIA (THAILAND) CO.,LTD. 20th Fl., Sorachai Bldg., No.23/78, Soi Sukhumvit 63, Sukhumvit Rd., Klongton-Nua, Wattana, Bangkok 10110 02-392-9765 02-392-9768 [email protected] http://asia.idec.com/
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