Rights and Security Issues (Japanese)(PDF)

排出権取引の法的実務
3.「排出権」の権利性と担保保全手法
目次
【1】
【2】
【3】
【4】
【5】
【6】
「排出権」を表現する用語と法的性格
京都議定書において認められる広義の「排出権」
京都議定書における「排出権」の意味
「排出権」取引
CERの「権利性」に関する説
CERは「財産権でない」とする考え方
Presenter: 弁護士 太田 秀夫
Baker & McKenzie GJBJ Tokyo Aoyama Aoki Law Office (Gaikokuho Joint Enterprise) is a member of Baker & McKenzie International, a Swiss
Verein with member law firms around the world. In accordance with the common terminology used in professional service organizations,
reference to a “partner” means a person who is a partner, or equivalent, in such a law firm. Similarly, reference to an “office” means an office of
any such law firm.
排出権取引の法的実務
【7】 CERの「権利」の二面性
【8】
【9】
【10】
【11】
【12】
【13】
【14】
【15】
CERの「財産的価値」のある権利
CERの権利性
CERの権利性の特徴
CERの権利の特徴
CDMの3つのリスク
CDMフローチャート
CDMフローチャート
CDMリスク・マネージメント
Presenter: 弁護士 太田 秀夫
Baker & McKenzie GJBJ Tokyo Aoyama Aoki Law Office (Gaikokuho Joint Enterprise) is a member of Baker & McKenzie International, a Swiss
Verein with member law firms around the world. In accordance with the common terminology used in professional service organizations,
reference to a “partner” means a person who is a partner, or equivalent, in such a law firm. Similarly, reference to an “office” means an office of
any such law firm.
排出権取引の法的実務
【16】 担保設定の被担保債権
【17】
【18】
【19】
【20】
【21】
【22】
【23】
契約不履行に基づく場合の被担保債権
ケースI
ケースII
ケースIII
担保・保全対象のCER及びER
既発生のCERの担保・保全
既発生(かつ登録済)のCERの
担保保全手法の問題点
Presenter: 弁護士 太田 秀夫
Baker & McKenzie GJBJ Tokyo Aoyama Aoki Law Office (Gaikokuho Joint Enterprise) is a member of Baker & McKenzie International, a Swiss
Verein with member law firms around the world. In accordance with the common terminology used in professional service organizations,
reference to a “partner” means a person who is a partner, or equivalent, in such a law firm. Similarly, reference to an “office” means an office of
any such law firm.
排出権取引の法的実務
【24】 将来のCER(ER)の担保保全方法(契約的手法)
プロジェクト当事者間の売買(ケースI)
【25】 CDMフローチャートとチェック時点
【26】 将来のCER(ER) 担保保全の問題点(譲渡担保)
プロジェクト当事者間の売買(ケースI)
講演者プロフィール
Presenter: 弁護士 太田 秀夫
Baker & McKenzie GJBJ Tokyo Aoyama Aoki Law Office (Gaikokuho Joint Enterprise) is a member of Baker & McKenzie International, a Swiss
Verein with member law firms around the world. In accordance with the common terminology used in professional service organizations,
reference to a “partner” means a person who is a partner, or equivalent, in such a law firm. Similarly, reference to an “office” means an office of
any such law firm.
「排出権」の権利性と担保保全手法
1.「排出権」を表現する用語と
法的性格
「排出枠」 (アローワンス)、 「割当量」、
「排出量」、「排出制限量」、「排出権」、
クレジットなど
©2005 Baker & McKenzie 5
「排出権」の権利性と担保保全手法
2.京都議定書において認められる
広義の「排出権」
①共同実施(6条)
ERU(Emission Reduction Unit)
②クリーン開発メカニズム
CER (Certified Emission Reduction)(12
条)
RMU(Removal Unit)(3条)
③初期割当排出枠(17条)
AAU (Assigned Amount Unit)
©2005 Baker & McKenzie 6
「排出権」の権利性と担保保全手法
3.京都議定書における
「排出権」の意味
(海外における排出削減量若しくは
初期割当量を)京都議定書で定める
(自国の)排出削減約束(コミットメン
ト)の達成として利用することができる
権利
©2005 Baker & McKenzie 7
「排出権」の権利性と担保保全手法
4.「排出権」取引
① 京都議定書の排出権(ERU、
CER、RMU、AAU)の取引
② 各国制度の中での排出権の
取引たとえば日本の自主的
排出枠取引・EU排出権取引制度
©2005 Baker & McKenzie 8
「排出権」の権利性と担保保全手法
5.CERの「権利性」に関する説
①
②
③
④
⑤
⑥
数値説(京都議定書の約束履行に用いられる数値)
法的地位説(条約・法律・契約上の地位)
債権説
物権説
一種の無体財産権説
排出認可権説(国から排出する権利を付与された)
など、定説がなく、国際法上の取扱も定められていない。
©2005 Baker & McKenzie 9
「排出権」の権利性と担保保全手法
6.CERは「財産権でない」とする
考え方
① マラケシュ合意の前文に「権利」を
付与するものではないとの文言
② 国の償却等の場合に補償(憲法29条)
といった問題が生じる
③ 国有財産としての管理や処理
©2005 Baker & McKenzie 10
「排出権」の権利性と担保保全手法
7.CERの「権利」の二面性
国との間のレベル ー 財産権性なし
私人間レベル - 財産権性あり
©2005 Baker & McKenzie 11
「排出権」の権利性と担保保全手法
8.CERの「財産的価値」ある権利
CERの権利性についての種々の
見解にもかかわらず、私人間では、
財産的価値あるものとして契約等で
譲渡可能な権利と考えられる。
©2005 Baker & McKenzie 12
「排出権」の権利性と担保保全手法
9.CERの権利性
京都議定書のCDM事業に起因し、
京都議定書の(自国)の排出権削減
約束(コミットメント)の履行として利用
できる権利
©2005 Baker & McKenzie 13
「排出権」の権利性と担保保全手法
10.CERの権利性の特徴
発生
① プロジェクト開始から数年後に
発生する
② CDM理事会が発行する
③ レジストリー に登録を要する
©2005 Baker & McKenzie 14
「排出権」の権利性と担保保全手法
内容
④ 条約・ホスト国等により
内容の制限を受ける
⑤ CERについてモニタリング・
検証を経る必要がある
⑥ 数値で表される
⑦ 期間は最長21年とされる
©2005 Baker & McKenzie 15
「排出権」の権利性と担保保全手法
保有主体
⑧ CERの保有主体が限定(外国法人・
自然人は保有できない)される
⑨ 京都議定書批準国以外(の国の企
業)は保有主体の資格なし
©2005 Baker & McKenzie 16
「排出権」の権利性と担保保全手法
11.CERの権利の特徴
① 権利性が弱い。
② 権利内容は変化・変容し、
一定期限で消滅する。
③ 国内・国際ルールに従って
発生・変更・移転・権利行使する。
©2005 Baker & McKenzie 17
「排出権」の権利性と担保保全手法
12.CDMの3つのリスク
① カントリーリスク
② プロジェクトリスク
③ CDM発生メカニズムに
起因するリスク
©2005 Baker & McKenzie 18
「排出権」の権利性と担保保全手法
13. CDMフローチャート
CDMプロジェクト計画 (PIN PCD)
↓
プロジェクト設計(PDD)
↓
日本・ホスト国承認 ← リスク
↓
有効化審査(DOE) ← リスク
登録申請(UNFCCC事務局)
↓
登録(CDM理事会) ← リスク
©2005 Baker & McKenzie 19
「排出権」の権利性と担保保全手法
14. CDMフローチャート
← リスク
モニタリング
↓
モニタリングリポート
↓
検証(DOE)
← リスク
↓
検証リポート
↓
検証決定リポート(DOE)
↓
CER発行(CDM理事会)
©2005 Baker & McKenzie 20
「排出権」の権利性と担保保全手法
15.CDMリスク・マネージメント
①
②
③
④
⑤
⑥
契約発効(先行)条件
代金決済条件
第三者(親会社など)保証
違約金
プロジェクトコントロール
ER又はプロジェクト事業体への
担保設定
©2005 Baker & McKenzie 21
「排出権」の権利性と担保保全手法
16.担保設定の被担保債権
特定履行(将来のCER引渡)請求権
① 売主がCERを引渡さない
② 売主の約定したCERが実際の
発行時において不足
©2005 Baker & McKenzie 22
「排出権」の権利性と担保保全手法
17.契約不履行に基づく場合の
被担保債権
金銭債権
① 前払金(Upfront Payment)の返還請求
② プロジェクト当事者に支払済の①以外の
(融資等)返還請求
③ その他の契約不履行損害賠償請求
©2005 Baker & McKenzie 23
「排出権」の権利性と担保保全手法
18.ケースⅠ
プロジェクト
プロジェクト当事者 CER プロジェクト当事者
買主
売主
©2005 Baker & McKenzie 24
「排出権」の権利性と担保保全手法
19.ケースⅡ
プロジェクト
プロジェクト当事者
売主
プロジェクト
当事者
CER
買主
©2005 Baker & McKenzie 25
「排出権」の権利性と担保保全手法
20.ケースⅢ
プロジェクト
プロジェクト
当事者
プロジェクト
当事者
CER
売主
CER
買主
©2005 Baker & McKenzie 26
「排出権」の権利性と担保保全手法
21.担保・保全対象のCER
及びER
① 既発生のCER
② 将来のCER (ER)
©2005 Baker & McKenzie 27
「排出権」の権利性と担保保全手法
22.既発生のCERの担保・保全
CDM登録簿の口座
CER
国別登録簿の口座
担保・保全
©2005 Baker & McKenzie 28
「排出権」の権利性と担保保全手法
23.既発生(かつ登録済)のCERの
担保保全手法の問題点
① 担保対象CERの特定性は
同一口座欄ではできない→
別の法人名義で独立の口座を開
設?
② (仮)差押-債務者・国別登録簿
管理者への執行
©2005 Baker & McKenzie 29
「排出権」の権利性と担保保全手法
24.将来のCER(ER)の担保保全
方法(契約的手法)
プロジェクト当事者間の売買(ケース
Ⅰ)
① CER発生メカニズム段階でのコン
トロール
② 契約CER・オプションCERの
移転先指定
③ トランスファー・ドキュメント
©2005 Baker & McKenzie 30
「排出権」の権利性と担保保全手法
25.CDMフローチャートとチェック時点
CDMプロジェクト計画 (PIN PCD)
↓
プロジェクト設計(PDD)
↓
日本・ホスト国承認
↓
有効化審査(DOE)
登録申請(UNFCCC事務局)
← プロジェクトのコンタクトポイント
登録(CDM理事会)
©2005 Baker & McKenzie 31
「排出権」の権利性と担保保全手法
モニタリング
↓
モニタリングリポート ←リポートのチェック
↓
検証(DOE) ←DOEの選定
↓
検証リポート ←リポートのチェック
↓
検証決定リポート(DOE) ←検証決定リポートの確認
↓
CER発行(CDM理事会)
©2005 Baker & McKenzie 32
「排出権」の権利性と担保保全手法
26.将来のCER(ER)担保保全の
問題点(譲渡担保)
プロジェクト当事者間の売買 (ケースI)
① ERの発生可能性・特定性
② トランスファードキュメント・
アロケーション・ステートメントの確保
③ 他の全プロジェクト当事者からの同意
©2005 Baker & McKenzie 33
「排出権」の権利性と担保保全手法
御清聴どうも有難うございました
©2005 Baker & McKenzie 34
「排出権」の権利性と担保保全手法
講演者プロフィール
l【取扱業務】訴訟、企業法務、環境法及び労働法問題
l【著書・論文】主な出版物は以下の通り。
l-『土壌汚染対策法』(中央経済社)
l-『土壌汚染対策法が企業およびM&Aに与える影響』(旬刊経理情報 1007号)
l-『カナダ外資法実務の動向』(国際商事法務 第10巻 第9号)
l-『カナダ企業の間接取得とカナダ外資法』(国際商事法務 第10巻 第12号)
l-『アジアビジネスガイド』(日経BP)
l-『ベトナム新外資法のポイント』(旬刊経理情報 811号)
l【学歴等】1970年 司法試験合格
1972年 中央大学法学部卒業、1981年 カナダ、オンタリオ州クイーンズ大学法学部にて法学修士取得
日本弁護士連合会、東京弁護士会会員。中央大学ロースクール 特任教授(民事訴訟実務の基礎・企業法務・環境
法等を担当)
©2005 Baker & McKenzie 35