Acquisition of Interests in Overseas Projects

Acquisition of Interests in Overseas
Projects
Tax and Structuring
Ryutaro Oka
July 2006
Baker & McKenzie GJBJ Tokyo Aoyama Aoki Law Office (Gaikokuho Joint Enterprise) is a member firm of Baker & McKenzie International, a
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reference to a “partner” means a person who is a partner, or equivalent, in such a law firm. Similarly,reference to an “office” means an office of any
such law firm.
Acquisition of Interest in Overseas Projects
海外プロジェクトの権益買収に関する税務
Ø プロジェクト買収に係る“税務”の役割
Ø 日系企業が直面する税務問題
Ø タックヘイブン税制
Ø 外国税額控除と事業体課税(Entity classification)
Ø 海外持株会社の活用
Ø Tax due diligenceとStructuring
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Acquisition of Interest in Overseas Projects
プロジェクト買収に係る税務の役割
プロジェクトから生
ずる利益が日本に
還流されるまでに
発生する租税の最
小化
売り手の買収前
の期間に係る未
認識租税債務の
調査及び補償
買収時に発生す
る租税(印紙税
等)の最小化(売
り手のキャピタ
ル・ゲイン課税に
ついても関係)
プロジェクト買収に係る税務の役割は、
簡単に言えば、プロジェクトから生み出
される利益を最大化するためのストラク
チャーの構築である。
完全な検討のためには、プロジェクトレ
ベルの租税だけでなく、日本の租税に
ついても検討が必要となる。
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Acquisition of Interest in Overseas Projects
日系企業が直面する税務問題
Parent
BV 1
(注) 実例ではない
BV 2
CV
BV 3
PS
欧米企業が売り手の場合、売り手の所在地国の税
制上、有利になるストラクチャーとなっており、多く
のケースで非常に複雑になっている。これを日本国
の税制にあてはめた場合、必ずしも有利なものとは
ならない。理由としては以下の2つの問題が挙げら
れる。
Ø タックスヘイブン税制の問題
Cayman 1
Cayman 2
LLC
PLC 1
PLC 2
Branch
PS
Project 1
Project 2
Ø 外国税額控除の問題(間接税額控除)
これらを解決するために、買収後の組織再編をど
のタイミングでどのように実行するか? という点ま
で考慮した上で買収ストラクチャーを考えることが
望ましい。買収後組織再編には、当然にLender
consent等の種々の制約 が存在する。
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Acquisition of Interest in Overseas Projects
タックスヘイブン税制(1)
タックスヘイブン税制とは、日本居住者(法人を含む)が軽課税国に所在する外国法人の株
式を50%超有している場合に、当該外国法人の所得を日本の所得とみなして、日本の税金
を課する制度である。
軽課税国に所在する外国法人とは;
1. 所得に対して課される税が存在しない国又は地域に本店を有する外国法人、又は
2. 以下の算式で計算した「租税負担率」が25%以下である外国法人
その事業年度に支払う外国法人税
その事業年度の課税所得 + 一定の非課税所得
従って、表面税率が25%を超えている国の法人であっても、一定の非課税所得がある場合
には、タックスヘイブン税制の適用可能性がある。 タックスヘイブン税制による合算課税の
適用を受ける場合には、利益が日本に還流された段階で再度日本において課税が行われ、
結果として2重課税となる可能性がある。欧米企業のストラクチャーを日系企業が承継した
場合には、この制度が適用される可能性が高い。
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Acquisition of Interest in Overseas Projects
タックスヘイブン税制(2)
左記ストラクチャーでの適用関係?
BV 1
CV
Cayman 1
清算
Cayman 2
Branch
タックスヘイブン税制の適用関係は非常に広範に及ぶ。
例えば、タックスヘイブン適用を避けるために、軽課税国
法人を清算する取引自体がタックスヘイブン税制の適用
を招くようなケースも考えられる。
Project
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Acquisition of Interest in Overseas Projects
外国税額控除(1)
外国税額控除は、日本法人が国外源泉所得(配当等)を収受した場合に、当該所得について
既に課された外国法人税を日本の法人税から控除する制度である。 外国税額控除には、外
国法人からの配当の原資となった所得について課された、当該外国法人が支払った外国法人
税も含む(間接税額控除)。 外国税額控除の適用が出来ないようなストラクチャーから生み出
される利益の潜在的な実効税率は、70%にも達することも考えられる。 間接税額控除の適用
において重要となる項目は以下のとおり;
(1) 基本的に25%以上の株式を保有する外国法人についてのみ適用可能(租税条約の規定
によって軽減される場合あり)
(2) 孫会社(2nd tier)の支払った外国法人税までしか対象とならない。 曾孫会社以下について
は対象とならない。 欧米企業のストラクチャーは、プロジェクトまでに多数の法人を介在させて
いるケースが多く、手付かずのままでは適用外となる場合が多い。
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Acquisition of Interest in Overseas Projects
外国税額控除(2)
外国税額控除適用有り
プロジェクト利益
プロジェクトレベル法人税
配当可能利益
日本配当所得
グロスアップ
日本課税所得
日本法人税
外国税額控除
差引日本法人税
純利益
実効税率
100
(30)
70
70
30
100
(40)
30
(10)
60
40%
外国税額控除適用無し
100
(30)
70
70
0
70
(32)
0
(32)
38
62%
外国税額控除は、連結ベースの実効税率に大きな影響を与える。
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Acquisition of Interest in Overseas Projects
外国税額控除(3)
P
P
100%
HoldCo
100%
HoldCo
50%
Corp
外国税額控除の適用関係?
50%
Corp
20%
20%
Corp
PS
Project
Project
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Acquisition of Interest in Overseas Projects
事業体課税
外国税額控除及びタックスヘイブン税制の適用関係において、日本の税務上、
外国の事業体が法人としての取り扱いを受けるのか、パートナーシップとして
の取り扱いを受けるのかが重要なポイントとなる。
Ø 米国LLCに関する国税庁の見解
Ø 外国税法における取り扱いには影響を受けない
Ø 租税条約上の取り扱いには影響を受けない
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Acquisition of Interest in Overseas Projects
海外持株会社
外国税額控除等の問題により、日本に利益還流させた場合に多額の追加税額が発
生するようなケースでは、海外持株会社を設立して利益留保することが考えられる。
Ø 通常の税率が25%超であること(タックスヘイブン税制の観点)
Ø 資本参加免税(participation exemption)により、受取配当の全部又は大部分が
非課税とされる国
Ø 租税条約のネットワーク
Ø オランダ、ベルギー等
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Acquisition of Interest in Overseas Projects
Tax due diligence とStructuring
Tax due diligenceは、基本的に買収前の期間に係る未認識租税債務の有無の調
査を目的とする。 ただし、適正な買収ストラクチャーのためには、Due diligenceは
単なる各法人の未認識租税債務の調査で終わらせるのではなく、日本の税制も視
野に入れた検討も必要となる。 Tax Due diligenceによって買収後組織再編実施
のために有用な情報も得られる。
Ø
各法人の税務上の繰越欠損金の状況
中間持株会社等における保有株式の税務/会計簿価
Ø
各法人のResidency(居住地国の判定)
Ø
各法人のEntity classification
Ø
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