DP7140 Datasheet

DP7140
DP7140
Green パッケージ対応
鉛フリー・ハロゲンフリー
1チャンネル 256タップ デジタル・ポテンショメータ
I2C制御 EEPROM内蔵
特
長
■ 400kHz I2C対応インターフェース
■ 256タップ、直線カーブ、ポテンショメータ
■ 全抵抗=50kΩ/100kΩ
■ TCR=100ppm/℃ (Typ)
■ 動作電圧=2.5V∼5.5V
■ 6レジスタ8ビット不揮発性EEPROM
■ 200万回データ書込み保存
■ スタンバイ電流=2μA (Max)
■ 100年データ保存
■ 8リードMSOPパッケージ
■ 標準ワイパー抵抗=70Ω@3.3V
■ 鉛フリーRoHS対応:NiPdAuメッキ
概
要
DP7140は、1チャンネル、不揮発性256タップのデジタルポテンショメータです。このDPは、外部からアクセス可能な2つの終
端間に接続された直列の等しい抵抗アレイから成っています。各々の抵抗アレイ間のタップ位置は、直線カーブ電子ポテンショ
メータを構成している内部CMOSスイッチにより、ワイパー出力に選択的に接続できます。
DP7140は、揮発性ワイパーレジスタ(WR)と、ワイパー位置のために8ビットの不揮発性EEPROM、汎用のデータ保存のために
5つの不揮発性レジスタを含んでいます。レジスタのプログラミングは、I2Cインターフェースによって制御されます。電源起動
時、ワイパー位置は不揮発性メモリレジスタ(IVR)に保存された最新値にリセットされます。
DP7140には鉛フリー、RoHS対応の8ピンMSOPパッケージがあり、-40℃∼+85℃の産業用温度範囲で動作します。
マーキング
1
ABTJ
YMX
MSOPï8 3x3
Z SUFFIX
CASE 846AD
1
ABTV = 100 kΩ抵抗
ABTJ = 50 kΩ抵抗
Y = 製造年
Y = (下1桁)
M = 製造月
M = (1 ï 9, A, B, C)
X = 製造リビジョン
Volatile
WP
ピン接続
SCL
SDA
1
WP
VCC
SCL
RH
SDA
RL
GND
RW
GND
I2C and
CONTROL
ABTV
YMX
ACR
WIPER
VCC
RH
IVR
GP
GP
GP
NonïVolatile
RL
RW
図1. 機能ブロック図
(Top View)
1
DP7140
表1. オーダーインフォメーション
型式
抵抗値
DP7140ZIï50ïGT3
温度範囲
パッケージ
出荷
MSOPï8 3x3
(鉛フリー)
3000個/テープ&リール
ï40oC ∼ 85oC
50 k
DP7140ZIï00ïGT3
100 k
3000個/テープ&リール
表2. 端子の機能
ピン番号
名称
概要
1
WP
メモリ書込み保護:アクティブLow
2
SCL
シリアルクロック
3
SDA
シリアルデータ
4
GND
グランド
5
RW
ワイパー端子
6
RL
Low端子ポテンショメータ
7
RH
High端子ポテンショメータ
8
VCC
電源電圧
WP: 書き込み保護端子
WP端子がLow状態ではデバイスへの書き込み動作を防止
します。
SCL: シリアルクロック
DP7140シリアルクロック入力端子はデバイスへの入出力
時にデータ転送のクロックとして使用されます。
SDA: シリアルデータ
DP7140双方向のシリアルデータ端子は、デバイスへの入
出力時にデータ転送するために使用されます。SDA端子は、
オープンドレイン出力であり、他のオープンドレイン出力
やオープンコレクター入出力とワイヤ-オアで接続できます。
RH, RL: 抵抗器の終端
RHとRL端子は、機械式のポテンショメータの端子接続に
相当します。
RW: ワイパー端子
RW端子は機械式のポテンショメータのワイパー端子に相
当します。その位置はWRレジスタによって制御されます。
表3. 絶対最大定格
パラメータ
定格
単位
ï0.5 ∼ +7
V
ï0.5 ∼ VCC + 0.5
V
ワイパー電流
p6.0
mA
保存温度範囲
ï65 ∼ +150
oC
ジャンクション温度範囲
ï40 ∼ +150
oC
半田付け時のリード温度(10秒)
300
oC
ESD定格 HBM(ヒューマンボディモデル)
2000
V
ESD定格 MM(マシンモデル)
200
V
VIN電源電圧 VCC to Ground (注記 1)
端子電圧:RH, RL, RW, SDA, SCL, WP
「絶対最大定格」を超えたストレスは、デバイスに対して致命的ダメージを与える原因になります。これは定格値単独の条件であり、この
条件と仕様欄に書かれている他の何かの動作条件との組み合わせた動作については含まれておりません。絶対最大定格の条件に長時間放置
しておくと、デバイスの信頼性に悪影響を与えます。
1. DC入力電圧の最小値は−0.5Vです。電圧推移においては、入力は少なくとも20ns間で、−2.0Vのアンダーシュートがあります。出力端子
の最大DC電圧は、VCC+0.5Vで、20ns間でVCC+2.0Vのオーバーシュートがあり得ます。
表4. 推奨動作条件
パラメータ
定格
単位
2.5 ∼ 5.5
V
ワイパー電流
p3
mA
動作温度範囲
ï40 ∼ +85
C
VCC
2
DP7140
表5. ポテンショメータ特性 (注記 2) (特記ない場合は VCC = +2.5 V to +5.5 V, ï40
C to +85 C )
規格
パラメータ
全抵抗値 (-50)
条件
記号
Min
Typ
Max
単位
Potentiometer Resistance ¶ï50·
R POT
50
k
全抵抗値 (-00)
Potentiometer Resistance ¶ï00·
R POT
100
k
公称抵抗値許容差
Potentiometer Resistance Tolerance
定格電力
Power Rating
ワイパー電流
Wiper Current
ワイパー抵抗
Wiper Resistance
I W = p3 mA
V CC = 3.3 V
RW
積分非直線性誤差
Integral NoQïLinearity
分圧器モード
INL
p1
LSB (注記 3)
微分非直線性誤差
Differential NoQïLinearity
DNL
p0.5
LSB (注記 3)
積分非直線性誤差
Integral NoQïLinearity
抵抗器モード
RINL
p1
LSB (注記 3)
微分非直線性誤差
Differential NoQïLinearity
p0.5
LSB (注記 3)
V SS = 0 V
V TERM
V CC
V
25 oC
IW
70
RDNL
p20
%
50
mW
p3
mA
200
RH / RL端子電圧
Voltage on RH or RL
分解能
Resolution
ゼロスケール誤差
Zero Scale Error
0
0.5
2
LSB (注記 4)
フルスケール誤差
Full Scale Error
ï2
ï0.5
0
LSB (注記 4)
RPOT抵抗温度係数
Temperature Coefficient of R POT
(注記 5, 6)
電圧分圧回路温度係数
V SS
0.4
%
p100
TC RPOT
ppm/ oC
ppm/ oC
Ratiometric Temp. Coefficient
(注記 5, 6)
TC RATIO
端子間容量
Potentiometer Capacitances
(注記 5, 6)
C H /C L /C W
10/10/25
pF
カットオフ周波数
Frequency Response
fc
0.4
MHz
R POT = 50 k
(注記 7)
20
2.
3.
4.
5.
6.
ラッチアップ保護回路は、アドレスとデータピンに-1VからVcc +1Vにおいて100mAまで動作します。
LSB = RTOT / 255 or (RH - RL) / 255, single pot
V(RW)255 - V(RW)0/255 (RW)255 = 0xFF, (RW)0 = 0x00.
ポテンショメータとして使われるとき、絶対リニアリティは、ワイパーポジションによって決定される理想的電圧 対 実際のワイパー電圧で決定されます。
ポテンショメータとして使われるとき、相対リニアリティは2つの連続したタップ位置間で電圧の実際の変化を評価するために利用されます。それは、ス
テップ間の誤差を測定することです。
7. このパラメータは初期においてテスト済みですが、設計及びプロセスにより変更になる場合があります。
表6.D.C.動作特性
(特記ない場合は VCC = +2.5 V to +5.5 V, ï40 C to +85 C )
パラメータ
条件
電源電流
Power Supply Current
揮発性書き込み&読み出し
Volatile Write & Read
電源電流
Power Supply Current
不揮発性書き込み
Non ïvolatile Write
スタンバイ電流
Standby Current
入力リーク電流
Input Leakage Current
出力リーク電流
Output Leakage Current
Lレベル入力
Input Low Voltage
Hレベル入力
Input High Voltage
SDA出力バッファLレベル
SDA Output Buffer Low Voltage
電源起動リコール
Power ïOn Recall
Max
単位
I CC1
1
mA
I CC2
3
mA
V CC = 5.0 V
I SB
2
A
V IN = GND to V CC
I LI
+10
A
V OUT = GND to V CC
I LO
10
A
f SCL = 400 kHz
記号
Min
V CC = 5.5 V, Inputs = GND
f SCL = 400 kHz
V CC = 5.5 V, Inputs = GND
ï10
V IL
ï1
V CC x 0.3
V
V IH
V CC x 0.7
V CC + 1.0
V
0.4
V
2.0
V
V CC = 2.5 V, I OL = 4 mA
V OL1
Minimum VCC for memory recall
V POR
1.4
3
DP7140
表7. キャパシタンス
(TA = 25oC, f = 1.0 MHz, VCC = 5 V)
パラメータ
条件
記号
Max
単位
入出力容量 (SDA)
Input/Output Capacitance (SDA)
VI/O = 0 V
CI/O (注記 8)
8
pF
入力容量 (SCL, WP)
Input Capacitance (SCL, WP)
VIN = 0 V
CIN (注記 8)
6
pF
記号
Max
単位
Powerïup to Read Operation
tPUR
1
ms
Powerïup to Write Operation
tPUW
1
ms
Max
単位
tWRPO
50
s
tWR
20
s
Max
単位
表8. 電源起動タイミング
(注記 8, 9)
パラメータ
8. このパラメータは初期においてテスト済みですが、設計及びプロセスにより変更になる場合があります。
9. tPUR と tPUWは、指定された動作が開始してからVCCが安定するまでの延滞時間です。
表9. DPタイミング
パラメータ
記号
Wiper Response Time After Power Supply Stable
Wiper Response Time: SCL falling edge after last bit of wiper position data
byte to wiper change
Min
表10. 書込み消去回数
パラメータ
規格
記号
Min
書込み消去回数
Endurance
MILïSTDï883, Test Method 1033
NEND
2,000,000
Cycles
データ保持
Data Retention
MILïSTDï883, Test Method 1008
TDR
100
Years
表11. A.C.特性
(特記ない場合は VCC = +2.5 V to +5.5 V, ï40 C to +85 C)
パラメータ
記号
Min
Typ
Max
単位
400
kHz
Clock Frequency
fSCL
Clock High Period
tHIGH
600
ns
Clock Low Period
tLOW
1300
ns
Start Condition Setup Time (for a Repeated Start Condition)
tSU:STA
600
ns
Start Condition Hold Time
tHD:STA
600
ns
Data in Setup Time
tSU:DAT
100
ns
Data in Hold Time
tHD:DAT
0
ns
Stop Condition Setup Time
tSU:STO
600
ns
tBUF
1300
ns
Time the bus must be free before a new transmission can start
WP Setup Time
tSU:WP
0
s
WP Hold Time
tHD:WP
2.5
s
SDA and SCL Rise Time
tR
300
ns
SDA and SCL Fall Time
tF
300
ns
Data Out Hold Time
Noise Suppression Time Constant at SCL, SDA Inputs
tDH
100
TI
SLC Low to SDA Data Out and ACK Out
tAA
NonïVolatile Write Cycle Time
tWR
ns
50
4
ns
1
s
10
ms
4
DP7140
SCL
SDA
Start
Condition
Stop
Condition
図2. スタートストップタイミング
tHIGH
tF
tR
tLOW
SCL
tHD:DAT
tSU:STA
tSU:DAT
tHD:STA
tSU:STO
SDA IN
tBUF
tAA
tDH
SDA OUT
図3. バスタイミング
Bus Release
Delay (Receiver)
Bus Release Delay (Transmitter)
SCL from
Master
1
8
9
Data Output
from Transmitter
Data Output
from Receiver
ACK Setup (r tSU:DAT)
Start
ACK Delay (b tAA)
図4. アクナリッジタイミング
Start
Stop
SCL
tHD:STO, tHD:STO:NV
CLK1
SDA IN
tHD:WP
tSU:WP
WP
図5. WPタイミング
5
DP7140
デバイス動作
DP7140には、抵抗アレイとI2Cシリアルインターフェースロジック、1個の8ビット揮発性ワイパーレジスタ、6個の8ビット不
揮発性メモリデータレジスタが統合されています。この抵抗アレイは、直列に接続された255個の独立した抵抗素子を含んでい
ます。アレイの終端は、固定された機械式ポテンショメータの端子(RHとRL)に相当します。直列の抵抗間や、その終端のタップ
位置は、CMOSトランシスタスイッチで出力ワイパー端子(RW)に接続されています。ポテンショメータの1つのタップ位置にの
みワイパー端子が接続され、それは8ビットワイパーレジスタ(WR)の値により決定されます。
RH
FFh
FEh
80h
RW
01h
00h
RL
初めて電源をDP7140に入れたときには、ワイパーは中間に設定されます;ワイパーレジスタ=80hです。電源電圧が不揮発性
メモリを読み出すのに十分になると、初期値レジスタ(IVR)に保存された値はワイパーレジスタに送られ、ワイパーは新しい位
置に移動します。5つの追加の8ビット不揮発性メモリデータレジスタは、汎用のデータ保存のために提供されます。データは
I2Cバスによって、揮発性または不揮発性メモリデータレジスタに、読み出しまたは書き込みが可能です。
シリアルバスプロトコル
以下は2線式バスプロトコルの機能を定義します:
(1) バスがビジーでないときにのみ、データ転送を開始できます。
(2) データ転送の間には、クロックラインがHのときには、データラインはいつでも安定しなければなりません。クロックがHで
ある間のデータラインのどのような変化でもスタートまたはストップ条件と解釈されます。
一般に、プロセッサやコントローラのように転送を制御しているデバイスはマスタであり、また、制御されているデバイスはス
レーブです。マスタはいつもデータ転送を開始し、転送のためのクロックを送り、オペレーションを受け取ることを提供します。
よって、DP7140はすべてのアプリケーションにおいてスレーブデバイスと考えられます。
スタート条件
スタート条件は、デバイスのすべてのコマンドに先行し、SCLがHIGHであるときのSDAのHIGHからLOWへの遷移で定義され
ます。DP7140はSDAとSCLを監視していて、この条件が満たされるまで応答しません。
ストップ条件
SCLがHIGHであるときに、SDAのLOWからHIGHまで遷移は、ストップ条件を決定します。すべての動作はストップ条件によっ
て終了します。
デバイス指定
バスマスタはスタート条件を送ることで転送を開始します。マスタはその後に要求する特定のスレーブデバイスのアドレスを送
ります。DP7140は固定された7ビットスレーブアドレス:0101000 を持ちます。この8番目のビット(LSB)は、読み出し/書き込
み名零ビットです。値の読み出しは“1”、値の書き込みは“0”です。
マスタがスタート条件とスレーブアドレスバイトを送った後に、DP7140はバスを監視し、そのアドレスが送られたスレーブア
ドレスとマッチしているときには、アクナリッジ (SDAライン上に) を送って応答します。
6
DP7140
表12. スレーブアドレスのビットフォーマット
MSB
0
LSB
1
0
1
0
0
0
R/W
アクナリッジ (ACK)
正しいデータ転送後に、個々の受け側のデバイスは、アクナリッジを生成するように要求されます。承認さているデバイスは9
番目のクロックサイクル間にSDAラインを引き下ろして、8ビットデータを受け取ったことを示します。
DP7140は、スタート条件およびそのスレーブアドレスを受け取った後にアクナリッジにより応答します。もしデバイスが書き
込み動作で選択されているならば、それは8ビットバイトを受け取った後に、アクナリッジにより応答します。DP7140が読み出
しモードにあるときには8ビットのデータを送信して、SDAラインを開放し、アクナリッジのためにラインを監視します。一度、
このアクナリッジを受け取ったならば、DP7140はデータを送信し続けます。もし、マスタからアクナリッジが全く送られない
ときは、デバイスはデータ通信を終わらせて、ストップ条件を待ちます。
書き込み動作
書き込みモードでは、マスタデバイスがスタート条件とスレーブアドレス情報をスレーブのデバイスに送ります。DP7140の場
合は、スレーブアドレスは1番目のバイトの最終ビットに読み出し/書き込みコマンド (R/W) を含みます。スレーブからアクナ
リッジを受け取った後、マスタデバイスは利用可能なレジスタを選ぶため、メモリアドレスを含んでいる2番目のバイトを送信
します。2番目のアクナリッジをスレーブから受け取った後、マスタデバイスは選択したレジスタに書き込むデータを送信しま
す。DP7140は再度、アクナリッジをして、マスタはストップ条件を生成します。不揮発性データレジスタが選ばれているとき
には、デバイスは内部の不揮発性メモリへのプログラミングサイクルを開始します。最後のACKの後、STOP条件がすぐに送ら
れない場合は、内部の不揮発性プログラミングサイクルは開始しません。この内部のサイクルが進行中の間、デバイスはマスタ
デバイスからの要求に反応しません。
揮発性メモリへの書き込み動作は、スレーブのアクナリッジの前にデータバイトの最終ビットの送信の間に完了します。デバイ
スはマスタから送られるSTOP条件の後にのみ他のコマンドの準備ができます。
アクナリッジ ポーリング
入力のディセーブルは、通常の書き込みサイクルタイムを利用することができます。一度、ホスト側の終了を示すためのストッ
プ条件が出されたら、DP7140は内部の書き込みサイクルを開始します。ACKポーリングは直ちに開始します。これはスレーブ
アドレスに続いてスタート条件を出すことを含みます。もし、 DP7140が書き込み動作の場合には、ACKが全く返されません。
もしDP7140が書き込み動作を完了したならば、アクナリッジが返されて、ホストは次の命令動作を続行できます。
書き込み保護
書き込み保護の機能は、ユーザーに不揮発性データレジスタの不注意なプログラミングから保護します。 もしWPピンがLOWに
接続されていれば、データレジスタは保護されて、読み出しのみになります。同様に、WPピンがスタートの後でLOWになると
データレジスタへの不揮発性の書き込みを中断します。一方、内部の書き込みサイクルを開始した後に、WPピンがLOWになっ
ても、書き込みに影響しません。 DP7140はスレーブアドレスを受け入れますが、データレジスタは書き込み動作から保護され
ます。そのデバイスはデータ受信後に、デバイスがアクナリッジを送ることに失敗することでそれを示します。
読み出し動作
指定されたアドレスでの読み出し動作は、1つ以上のデータバイトで定義される3バイト命令から構成されています (図3参照) 。
マスタはSTARTを送る動作を開始し、アドレスバイトの識別バイト用のR/Wビットを“0”に設定します。その後、マスタは2
番目のSTARTを送り、2番目の識別バイト用のR/Wビットを“1”に設定します。3つのバイトの後、DP7140はACKで反応しま
す。その後DP7140はデータバイトを送信します。マスタはデータバイトの最後のビットの後、STOP条件によって定義された
NoACKを送ることで読み出し動作を終了するか、または、アクナリッジを送ることで次のレジスタの内容の読み出し動作を続
けることができます。
7
DP7140
表13.メモリマップ
Nonïvolatile
Address
Default
Value
Register
8
ACR
7
Reserved
Volatile
Register
6
General Purpose
00h
N/A
5
General Purpose
00h
N/A
4
General Purpose
00h
N/A
3
General Purpose
00h
N/A
2
General Purpose
00h
N/A
1
Device ID (read only)
D0h
N/A
0
IVR
80h
WR
マスタがアドレス07h、または08hより大きいアドレスを送った場合、スレーブはメモリアドレスバイトの後にNoACKで反応し
ます。
アドレス8:揮発性アクセスコントロールレジスタ-ACR (I/O)
不揮発性とアドレス00hにアクセスされる揮発性レジスタをACRのビット7(VOL)が切替えます。VOLがLOW(0)のとき、不揮発
性IVRはアドレス00hでアクセスします。VOLがHIGH(1)のときは、揮発性ワイパーレジスタはアドレス00hでアクセスします。
VOLの初期値=0です。
Bit
7
6
5
4
3
2
1
0
Name
0/1 VOL
0
0
0
0
0
0
0
00hと80hはアドレス08hに書き込まれるための値です。アドレス08hに書き込まれる他の値のときは、スレーブはビット7のみ
取り込み、NoACKで応答します。
アドレス7:リザーブ
ユーザーはこのアドレスに読み出し、書き込みできません。DP7140はNoACKで反応し、応答しません。アドレス07hは、連続
読み出しでのみアクセスが可能で、その内容はFFhです。
アドレス6-2:不揮発性汎用メモリ(I/O)
8ビット不揮発性メモリ
Bit
7
6
5
4
3
2
1
0
Name
ï
ï
ï
ï
ï
ï
ï
ï
汎用メモリは工場で“00h”の初期値にプログラムされています。
アドレス1:デバイスID(読み出し専用)
ビット7はDPメーカーを定義します;COPAL ELECTRONICS = high(1)
Bit
7
6
5
4
3
2
1
0
Name
1
1
0
1
0
0
0
0
アドレス1への書き込みは無効です。書き込みを試みると、ACKが返されますが、データは書き込まれません。
8
DP7140
アドレス0:IVR/WRレジスタ (I/O)
アドレス00hは2個のメモリレジスタの1つにアクセスします:初期値レジスタ(IVR)またはワイパーレジスタ(WR)は、上記、ア
ドレス08hのアクセスコントロールレジスタ(ACR)の、ビット7の値に依存します。
WRはワイパー位置を制御し揮発性メモリです。一方、IVRは不揮発性メモリでチップの電源が切られた後、そのデータを保持
します。IVRへの書き込みは、WRを自動的に更新します。一方、WRに書き込むときにはIVRに影響しません。
WR:ワイパーレジスタ=揮発性
IVR:初期値レジスタ=不揮発性
書き込みと読み出し動作:
1. ACRのビット7が0の場合(不揮発性):
◆アドレス00hへの書き込み動作は、WRとIVRに同じ値が書き込まれます。
◆アドレス00hへの読み出し動作は、IVRの内容を出力します。
2. ACRのビット7が1の場合(揮発性):
◆アドレス00hへの書き込み動作は、WRでのみ書き込まれます。
◆アドレス00hへの読み出し動作は、WRの内容を出力します。
ワイパー位置の全ての変更は即時に行われます。不揮発性メモリに書き込んでいるときのワイパーの移動の遅れはありません。
Bit
7
6
5
4
3
2
1
0
Name
ï
ï
ï
ï
ï
ï
ï
ï
IVRは工場で“80h”の初期値にプログラムされています。
I2Cシリアルバス命令フォーマット
表14. I2Cスレーブアドレスビット
Slave Address
R/W bit
Transfer Data
bit 7
bit 6
bit 5
bit 4
bit 3
bit 2
bit 1
bit 0
Read
51h
0
1
0
1
0
0
0
1 (R)
Write
50h
0 (W)
ホストから送られたスレーブアドレスバイトが違っている場合、デバイスはNoACKを送ります。
I2Cプロトコル:
(A) 指定アドレスを用いたデータの書き込み手順(表15参照)
1. ホストはスタート条件を転送します
2. ホストは書き込みモードR/Wビット(0)でデバイススレーブアドレスを転送します
3. デバイスはACKを送ります
4. ホストはデバイスに対応するメモリアドレスを転送します
5. デバイスはACKを送ります
6. ホストは指定されたアドレスに書き込みデータを転送します
7. デバイスはACKを送ります
8. 転送データに基づいて(6)と(7)を繰り返し、指定アドレスは自動的に増やされます* 9. ホストはストップ条件を転送します
*自動的に増やされる書き込みは、不揮発性書き込みの後は受け入れられません。
9
DP7140
揮発性または不揮発性のどちらかへの単独書き込みです。ACRのビット7は書き込まれるメモリタイプを決定することに留意し
て下さい。
表15. 単独書き込み
(1)
(2)
Start
Slave
Address
0
R/W
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(9)
0
ACK
Memory
Address
0
ACK
Write
Data
0
ACK
Stop
揮発性または不揮発性のどちらかに単独な書き込みです。アドレス00h のとき、ACRのビット7は書き込まれるメモリタイプを
決定します。
表16. 多重書き込み
(1)
(2)
Start
Slave
Address
0
R/W
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
0
ACK
Memory
Address
0
ACK
Write
Data
0
ACK
(9)
Write
Data
0
ACK
Stop
多重書き込みは始動アドレスが08hの場合のみ可能で、最初の不揮発性データバイトによって停止されます。不揮発性書き込み
がSTOP手順で終わらない場合、レジスタは書き込まれていません。
(B) 指定アドレスを用いたデータの読み出し手順
1. ホストはスタート条件を転送します
2. ホストは書き込みモードR/Wビット(0)でデバイススレーブアドレスを転送します
3. デバイスからのACK信号の認識
4. ホストは読み出しアドレスを転送します
5. デバイスからのACK信号の認識
6. ホストは再スタート条件を転送します
7. ホストは読み出しモードR/Wビット(1)でスレーブアドレスを転送します
8. デバイスからのACK信号の認識
9. デバイスは指定アドレスから読み出しデータを転送します
10. ホストはACK信号を転送します
11. 必要な場合は、上記の(9)と(10)を繰り返し、読み出しアドレスは自動的に増やされます
12. ホストはデバイスにACK‘H’を転送します
13. ホストはストップ条件を転送します
表17. データの読み出し
(1)
(2)
Start
Slave
Address
0
R/W
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
0
ACK
Memory
Address
0
ACK
Restart
Slave
Address
1
R/W
(8)
(9)
(10)
(11)
(12)
(13)
0
ACK
Read
Data
0
ACK
Read
Data
1
ACK
Stop
(C) 指定アドレスを用いないデータの読み出し手順
1. ホストはスタート条件を転送します
2. ホストは読み出しモードR/Wビット=1でデバイススレーブアドレスを転送します
3. デバイスからのACK信号の認識(ホストはこのときレシーバーに変わります)
4. デバイスは前回のアクセスアドレス+1からデータを転送します
5. ホストはACK信号を転送します
6. 必要な場合は、上記の(4)と(5)を繰り返します
7. ホストはACK‘H’を転送します
8. ホストはストップ条件を転送します
表18. データ読み出しw/o指定アドレス
(1)
Start
(2)
Slave
Address
1
R/W
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
0
ACK
Read
Data
0
ACK
Read
Data
1
ACK
Stop
10
DP7140
パッケージ寸法
MSOP 8, 3x3
MIN
NOM
A1
0.05
0.10
0.15
A2
0.75
0.85
0.95
b
0.22
0.38
c
0.13
0.23
D
2.90
3.00
3.10
E
4.80
4.90
5.00
E1
2.90
3.00
3.10
SYMBOL
MAX
1.10
A
E
E1
0.65 BSC
e
L
0.60
0.40
L1
0.95 REF
0.25 BSC
L2
Q
0.80
0º
6º
TOP VIEW
D
A
A2
A1
DETAIL A
e
b
c
SIDE VIEW
END VIEW
L2
注記:
(1) 全ての寸法はmmで表します。角度は度で示します。
(2) JEDEC MO-187に準拠。
L
L1
DETAIL A
11
DP7140
重要な注意点
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していない場合があります。
●弊社は、顧客に、注文をする前に最新の適切な製品情報を得るようにアドバイスします。回路図は典型的な半導体アプリケ
ーションを説明していますが、その使用から生ずる損害等の責任を一切負うものではありませんのでご了承下さい。
改訂
J0
発行日
2009年5月
12