実践事例 40 全校生徒の心を一つにする兄弟姉妹学級コーラス大会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・丸亀市立東中学校 ℡0877-22-4154 〒763-0034 丸亀市大手町一丁目5-1 生徒数：761 学級数：22 教員数:46 東中学校では，「教師と生徒，および生徒相互の心のふれあい」を学校教育の基盤ととらえ，学校での全教育活動において温かい人間関係の醸成に努めている。その中核的な教育活動が，１∼３年の縦割り集団でチームを編成して実施する学校行事「兄弟姉妹学級コーラス大会」である。１取り組み (1) 取り組みの背景全国的に校内暴力が多発し「中学校の荒れ」が社会問題となっていた 17年前，「荒れを受けつけない学校づくり」を目指し，「全校生徒が心を一つにして若いエネルギーを燃やせる活動」を模索していた。そうした過程で，生徒会執行部が「兄弟姉妹学級コーラス大会」を発案し，全校を挙げて取り組むことになった。 (2) 「兄弟姉妹学級コーラス大会」実施の概要 ① 兄弟姉妹学級チーム編成（５月）・３年生が合唱で学級アピールを行い，１・２年生がチームを組みたい３年生の学級を選ぶ。希望が集中した場合は，１・２年生が逆アピールを行い，３年生が１・２年生の学級を選ぶ。・チーム編成に向けた各学級の取り組みを，「集団の力や質」を高める活動として重要視している。 ② 兄弟姉妹学級での合唱練習（７月∼９月）・学級活動や学校裁量の時間に実施する。・３年生が曲を決定し，パートリーダー会で練習計画を話し合い，チーム通信で，チーム全員に周知する。・各学級で，パートリーダーを中心に，パート練習をする。・パートリーダーを中心に，チームごとにパート練習をする。・チームリーダーを中心に，チーム全体で合唱練習をする。・随時，パートリーダー会を開き，練習の総括と今後の計画について話し合い，チーム通信やパート通信を発行する。 ③ コーラス大会の開催(10月）・文化祭当日の午後に，メイン行事として開催する。・吹奏楽部の演奏後，兄弟姉妹学級合唱と全校合唱を行う。・審査委員会（校長・教頭・学年主任・音楽科教員等で構成）が選んだ最優秀チームは，最後にアンコール合唱を行う。２成果と課題平成13年度兄弟姉妹学級コーラス大会チーム通信「644ムッシュ」より・一連の活動を通して，生徒の自主性・自律性が育ち，学級・学校としての組織の活性化が図れた。・３年生が，指導する立場であることを自覚して一生懸命努力し，その姿に接した１・２年生が「次は自分たちが」と意欲を高める。そうした流れの中で，「誇りある伝統行事」として定着してきた。・長年の継続的実践により，成果は広く市民にも知られ，近隣小学校の生徒・保護者・教師の参観も多く，「開かれた学校づくり」にも大きな役割を果たしている。・今後は，兄弟姉妹学級コーラス大会のように「感動体験を共有できる」場面を，教科の授業など日々の教育実践においても，できるだけ多く設定していく必要がある。（2001.8.20 取材） Close