さくし 公民館報 現代詩 ﹁旅立ちの四月の庭﹂ 小島きみ子 先生選 ︿一般の部﹀ 秋 山 冨美江 猿久保 ﹁ハク﹂ 小島きみ子 先生選 ︿児童・生徒の部﹀ 協和小学校4年 ハクは馬、白くてメスの馬。 菊 池 海 渡 赤黄、赤黄、と一文字に並び 七月から来たぼくたちの宝物。 大 きく膨んだチューリップの花は シグナルはいつになっても 一球づつ丹念に埋めた水仙は をみてる。 ハクのすんだきれいな目はみんな ︿危険・注意﹀⋮︿危険・注意﹀ 行儀よく︿まえに習え﹀をして いつでも見守ってくれる。 ぼくは、ハクの目がすきだ。 一年生のように無邪気に 私は屈んで目線を合せ 恥ずかしそうに俯いて咲く花に 今日は元気がないのかな。 ﹁トボ、トボ。﹂ 今日も元気にひづめの音がする。 風 の 囁 き に 、頭 を 振 り 乍 ら お 話 を す る ﹁とても綺麗よ﹂と声をかける ぼくは草をたくさん取る。 ﹁パカラ、パカラ。﹂ 明日も、同じ言葉をかけてみよう でも聞きたいから、草をたくさん ハクの﹁パカラ、パカラ。﹂がいつ ラッパ水仙は唇を大きく突き出して 取る。 ハクは、ぼくたちの宝物。 行進曲を奏ではじめた 元 気 で 行 こ う よ 、 ど こ ま で も“ 明 る く 行 こ う よ 、 ど こ ま で も“ 延び初めたルピナスの葉は 手を振って おかあさんの、てのひら く 幾度も ﹁ は や く 、 お 行 き 、 気 を つ け て 。﹂ 川 柳 売り言葉買わずに呑み込む術を知り 人情の厚さが決める人の価値 中 澤 喜代子 上平尾 中 嶋 久美子 香 坂 栁 澤 秀 一 岩村田 百歳が語ればそうかなと思う 黒 澤 渓 声 取出町 中 澤 喜代子 上平尾 西來みわ 先生選 平凡なわたしに似合う低い鼻 井出秀夫 先生選 ︿一般の部﹀ この空気宅急便にそっと入れ 中 山 紀 子 小諸市 黒 岩 輝 生 臼田小学校6年 井 出 明日香 臼田小学校6年 来客のもてなし秋をてんこもり 西來みわ 先生選 カレーライスぬくもり感じる母の味 井出秀夫 先生選 ︿児童・生徒の部﹀ うちのカメ絶対ぼくにはなつかない ─ 27 ─ さくし 公民館報 ※紙面の都合上選評は割愛させていただきました。 ※学校名・学年は出品当時のものです。 中島雅子 先生選 白神山地の深きみどりにただふたり涙のごとく︿川﹀は生れをり 中 澤 富士子 岩村田 ワーキングプアー我もと農を終え野辺山が原に来る冬の音 松 村 守 南牧村 干物や白壁ガラスに尿する蜜蜂たちと共に春待つ 高見沢 ミ ヨ 南牧村 大久保 絢 香 臼田小学校6年 大久保 絢 香 臼田小学校6年 なにもせずただぼけーっとしているとそのまま夢の世界へ旅立つ 竹 内 雄 登 臼田小学校6年 おばあちゃん朝のウォーキングすっとぼけぎんなんひろいくりひろい 浅 川 恵里佳 臼田小学校6年 紅葉が落ちてひらひら風にまい初雪フワッと紅葉に乗る 中島雅子 先生選 なにもせずただぼけーっとしているとそのまま夢の世界へ旅立つ 加藤悦郎 先生選 ︿児童・生徒の部﹀ 佐久市短詩型文学祭特選作品紹介 第 3 回 短 歌 井 出 京 子 岩村田 市 村 雅 鳴 瀬 古希過ぎて又五反歩の水田を耕作せんと春肥予約す 佐藤いく 先生選 内 藤 く ら 平 賀 戦乱の異国に逝し幼なごは六十年すぐ今もそのままに 松 村 守 南牧村 オリオンの消えゆく空に日が昇り予約のレタスついに出し切る 草間八千代 先生選 そのロマンいかに写すか探査機は鋼鉄の角出し月をめぐれる 大 草 芳 子 野 沢 高 梨 本 代 大 沢 旅に逢ひし滋味の滲める老夫婦を夫在ませばと羨しく思ふ 川蜷の住むせせらぎを手入れして闇深き夜の蛍火を待つ 加藤悦郎 先生選 ︿一般の部﹀ 佐久鯉のごとき血潮をたぎらせて郷土ランナー欅を繋ぐ 北 沢 由美子 中 込 大気なき星なる月の無の世界﹁かぐや﹂は写す青めるわが星 井 出 八重子 八 幡 若くして特攻隊に逝きし叔父写真のまなこ永久に輝き 柳 沢 栄 子 北 川 ─ 26 ─
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