第 40 話 スタジオ夜話(番外編) サウンドドラマの制作 (音の入り口・音源 5)音楽制作のための楽器や編成そのⅢ です。後述しますがオーケストラのチュー ニングの際にも活躍します。演奏スタイル、 楽器はクラリネットと似ています。大きく ☆はじめに しかし(写真:Fl_3)の演奏するための指 違うのは吹き口のリード部分です。 (写真: で押さえる部分(管に蓋をするタンポ部分) Ob_2)でもわかるようにリードそのもの での演奏音や奏者の吹き口部分をマイクロ が吹き口自体を構成しています。リード 2 梅雨も明け、いよいよ本格的夏到来とい フォンで狙うと奏者によっては吹き込み音 枚の W リードでデリケートな構造です。ピ う季節になりました。筆者は夏大好き人間 やタンポ操作音が気になることがあります。 ッチの調整はできません。 なのですが読者皆様はいかがでしょうか? 筆者は(写真:Fl_4)の位置でやや上か リードを加工して吹き方で調整します。 あまりの暑さに冷房の効いた所ばかりにい ら狙うことが多い。タンポの音が気になる そのためオーケストラのチューニングでは ると新陳代謝がうまくいかず体調不良を起 時は低めから狙っても十分きれいに収録で オーボエに合わせるようになりました。 (写 こすこともあります。汗を流すことも健康 きます。楽器のピッチ調整は(写真:Fl_5) 真:Ob_3)をご覧ください。少なくとも には必要なんですね。どうぞお身体、体調 の管の接続部分で行います。目安の刻みが このくらいの数のリードを常に用意してい にご留意ください。 刻印されています。 ます。もちろん手作りです。リード楽器、 さて前回のスタジオ夜話(番外編)では 特に W リードの楽器演奏者はリード作りの 打楽器(音源)を紹介しました。今回は管 「ピッコロ」管楽器の中では一番高い高音部 職人技も兼ね備えています。取材した時女 楽器、その中でも代表的なものを紹介しま を担当します。フルートの基本的には 1 オ 子学生がバッグから取り出した化粧ポーチ す。なるべく多くの楽器を紹介したいので クターブ上が守備範囲です。C の音が基本 の中には(写真:Ob_4)の小刀や千枚通 すが誌面には限りがあります。 です。ほかにも D ♭などがありますが一般 しなどの物騒な工作道具がいっぱいでした。 ここでは代表的なものを紹介して行きま 的ではありません。 もちろん化粧ポーチは別にお持ちだそう です。 (笑い) す。また前回も同様ですが、筆者は音楽の 専門家ではありません。以前も音楽関係の 「クラリネット」S(写真:Cr_1・2) 話の際には専門家の監修のもと誌面にて話 基本音程は B ♭と A アルトやバスクラリ 「ファゴット」W しています。いずれ読者皆様には音楽関連 ネットなどもあります。シンフォニーオー オーボエやクラリネットと比較すると低 の話をまとめて特集する機会をと思ってい ケストラのバイオリンパートにあたる吹奏 音部を担当します。重量のある楽器でバス ます。 楽団の楽器です。 ーンという呼び方もします。基本 C 音程で また音源楽器セミナーなども、と計画し リードを使用した吹き口で音は楽器の先 す。 ています。 のラッパ部分からその多くがでます。フル ★管楽器 (写真:Sx_1・2) ートのように管鳴り中心の楽器ではありま 「サックス」S せん。 B ♭と E ♭が基本の楽器ですが、皆様ご 読者皆様はご存知と思いますが、民族楽 収録にあたっては数が多くなればバイオ 存知のようにソプラノ、アルト、テナー、 器などは例外として管楽器には木管と金管 リン的なマイクロフォンセッティングでも バリトンなど種類も多い楽器です。古くは があります。大まかに紹介しましょう 十分収録できますが、音自体は各演奏者前 10 種類以上あったといわれています。ソ 方向下に向かって出ています。 プラノやアルトは楽器先端のラッパ部分か 「木管楽器」 ソロ収録の時や小楽器数のときは考慮す ら音がでます。クラリネットの様な感じで 「フルート」 (写真:Fl_1 ∼ 5) る必要があります。写真は楽器演奏スタイ すが、通常は(写真:Sx_1)のように先 代表的な木管楽器です。吹奏楽などでは ルと吹き口(リード用)です。リードその 端が上方向に曲がり音が出るようになって 高音パートを担当します。C の音程を基本 ものは(写真:Cr_2)中央の薄い板状のも います吹き口はクラリネットに似ています。 としています。G 音程のアルトなどもあり のです。演奏者はリードやその取り付けパ (写真:Sx_2)チューニングも可能で比較 ますがあまり使いません。 ーツにはかなりのこだわりがあります。ピ 的音量のある楽器です。金属製の楽器です オーケストラの演奏では座りになります ッチの調整はリード取り付けパーツのひと がリード楽器なので木管楽器です。 がソロやデュオでは立って演奏することが つ下の管接続部分で行います 多いようです。 「金管楽器」次回紹介予定 (写真:Fl_1・2)音は管全体から出てい 「オーボエ」W(写真:Ob_1 ∼ 4) トランペット、コルネット、ホルントロ ますので収録しやすい楽器ともいえます。 C が基本音程の 17 世紀に誕生した楽器 ンボーン、ユーホニューム、チューバ 32 FDI・2016・08 Fl_1 Fl_3 Fl_2 Fl_4 Ob_1 Fl_5 Ob_2 Cr_1 Ob_3 Cr_2 Sx_1 Ob_4 Sx_2 ★木管と金管、どこがちがうの? 木管楽器はリード楽器、金管楽器にはリ 各楽器演奏には よく木管楽器と金管楽器どこがちがうの ードを使わないといった分類で分けている フルート:大学院 1 年 高橋 柚莉香氏 かと質問を受けます。フールートやピッコ のが一般的な解釈です。リードは木製?で 学部 4 年 原嶋 実喜氏。 ロは金属で出来ています。楽器分類とは違 一枚を使うシングルリードと 2 枚使うダブ クラリネット:学部 4 年 宮谷 優佳氏 った分け方をすれば、金属性楽器とか木製 ルリードの楽器があります。リード自体は オーボエ:学部 4 年 橋北 未咲季氏 楽器、あるいはプラスチック製といった分 植物の薄い葦の板を振動させて音を出しま サックス:学部 4 年 塚平 満美子氏 類ができるかもしれません。つまり昔木製 す。 ご協力本当にありがとうございました。 だったとかいった材質分類では基本的にあ 演奏者にとっては楽器自体ももちろんで りません。 すがこのリードを実に大切にしています。 ☆次回は フルートやピッコロはかつての材質分類 前述の楽器別紹介に W と記載があればダ になるのですが・・・その他は概ね音を出 ブルリード、S がシングルリード楽器です。 と飽きたので、本来の夜話を休憩がわりに すための吹き口の構造にあります。吹き口 フルート、ピッコロは管に直接息を吹き込 予定します。音に関係した身近の話をと考 に使用している「リード」というものの存 みます。 えています。番外編は今回につづいて管楽 在です。どうみてもサックスなどは金管楽 器のようですが吹き口に「リード」を使っ スタジオ夜話番外編、楽器の話もちょっ 器(金管です)をその次に、お楽しみに。 今回もまた音楽的なことを含め楽器など ています。別名こうした楽器を 「リード楽器」 の解説監修には、日本大学芸術学部 ともいいます。 音楽学科教授:今泉 久氏 ー 森田 雅行 ー 33 FDI・2016・08
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