ANNEX 6 Operation of Aircraft— PART II International General

ANNEX 6 Operation of Aircraft— PART II
International General Aviation の改訂に係わる解説
2008/3/31
佐藤和信 中溪正樹
改訂の経緯と発効期日及び実施期日
General Aviation の運航に関する ICAO の標準・勧告である Annex 6, Part II は 1968 に制定され
たが、その主対象は 1960 年代の軽飛行機による国際、国内のレクレーショナル飛行などであった。
爾来 General Aviation の発展に併せて改訂が重ねられたが、その後の急速な機材や航法機器などの
技術革新とそれに支えられ、Business Aviation などに見られる航空会社と同等な運用が日常的になっ
た今日の状況に対応するには Annex 6, Part II の再構成を含む抜本的改訂が必要となった。これを受
け ICAO は IBAC(International Business Aviation Council)及び IAOPA(International Council
of Aircraft Owner and Pilot Associations) の協力の下に ANNEX の改訂草案(2007/3/30 付け)を
作成し、これについて国際民間航空条約の締約各国に意見照会を行った。
2007/7/15 の期日までにわが国を含む 33 カ国から改訂草案に対する意見が寄せられた。 それらを反
映する作業が事務局によって行われ、2007/11/14 日に航空委員会の専門部会に提出され、更にそこで
の手直しを経て最終案(Working Paper AN.2007.WP.8276,)となり、これが 2007/12/4 日に航空委員
会により承認されて改訂成案となった。
本改訂においては一定規模以上の General Aviation 機の運航の安全性を航空会社と同等な水準に
確保する事を目指して、運航・整備・装備に係わる要件を航空会社に適用される Annex 6, Part I に近
づけると同時に、安全管理体制の確立を義務づけている。
すなわち従来 General Aviation 機はオーナーパイロットが操縦する小型機が主であり、安全管理は“あ
なた自身の問題”として委ねられたものであるが、その結果安全性の実績は運用形態によって大きなば
らつきが生じている。 その中で会社組織が管理する体制のもとプロフェッショナルパイロットにより運航
している場合最も事故率が低いことが知られている。 近年はビジネス航空の発展に伴い、乗客が搭乗
する場合が多くなったため、又運航領域の拡大に伴い、事故などが発生した場合地上或いは他の航空
機の搭乗者など第三者に及ぼす影響が大きくなった為、こうした場合、個人としてではなくオペレーター
組織として安全管理を行うことで、航空会社と同等な安全性を確保することを狙っている。
そこでの安全管理は国の監理下ではなく自主的に行われるものであるが、その手法としては IBAC
( International Business Aviation Council ) に よ る ISBAO ( an Standard for International
Business Aircraft operations)などを例とする “Industry code of practice” (業界基準)に準拠する
ことが挙げられている。
改訂成案は 2008 年 7 月に発効(effective)となり、各国の法規の整備や運航者にとっての準備などに
要する猶予期間をとって、2010 年 11 月より実施される。
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内容的には改訂成案は発効及び実施の期日を除いては、改訂草案(2007/3/30 付け)から大きな変更は
ない。 改訂草案ではフラクショナル運航の定義とそれに係わるルールの設定が懸案事項となっていた
が、締約国の意見照会の結果、今回の改訂では見送られ,今後の課題となった。
改訂成案の構成及びその背景
以下の 3 つの Section で構成されている。(現行 PART II は Section 分けはなされていない)
Section 1 : GENERAL : 用語の定義や、総則が定められている。
Section 2 : GENERAL AVIATION OPERATIONS : General Aviation 全般に適用される要件 。
Section 3 : LARGE AND TURBOJET AEROPLANES : Section 2 に加えて、下記それぞれの航空
機の運航に関して標準または推奨として適用される。
・最大離陸重量が 5.7t を超える飛行機(標準)
・1基以上(one or more)のターボジェットエンジンが装着された飛行機(標準)
・客席 10 席以上の座席配置のなされている飛行機(推奨)
・ 3 機 以上の 航 空 機( 飛 行 機 と ヘリ の 混合 の場 合 で 一機で も 飛行 機が 存 在 す る場 合) で
Corporate aviation operation を行う場合(推奨)
LARGE AND TURBOJET AEROPLANES
LARGE AND TURBOJET AEROPLANES 以外
Section 3
Section 2
Section 2
Section 1
Section 1
このような改定案の構成とその背景について、改訂草案(2007/3/30 付け)の前文で以下のように述べられ
ている。
「本国際民間航空条約付属書 Annex 6 part II は国際ゼネラルアビエーションにおいて、乗客、並
びに地上及び、他機に搭乗する第三者の妥当な安全レベルを確保するためのものである。
一部の国際ゼネラルアビエーションにおいては、例えば重量が 5700kg を超えない飛行機による場合、
商用航空に比べて、より経験の浅い、より技量が低い乗務員によって、より信頼性の低い装備で、より
厳格でない基準で、そしてより自由な裁量で実施されるので、乗客は、商用航空における有償乗客と
同じ安全レベルは必ずしも享受できないかもしれないという事は衆目の認めるところである。
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しかし
ながら、一方第三者に対する安全は商用航空と同レベルに確保すべきことは当然であり、そうする中
で、結果として運航乗務員や旅客など搭乗者に対しても受容できる安全レベルは達成されであろう事
も認識されている。
本付属書の見直しに当たり、航空委員会は、公共にはオープンにはされない非商用運航における運
航の安全については、オーナー及び機長がその責任を負うという、この付属書が作成された 1965 年
当初の基本的考えを継承することとした。
即ちオーナーと機長の自己責任に委ねるが故に、基準や推奨手順は商用運航に適用される Annex
6 Part I と同等に規範的である必要はないし、又国も商用運航における有償旅客に対する程には乗
客を保護するための監理義務を負ってはいない。
更に航空委員会は、本付属書の基準や推奨手順は地上の及び他機に搭乗する第三者の生命や財
産を守るためにあるという、もうひとつの基本的考え方も等しく継承することとした。
この見地から、近年に見られる規模の大きい、より複雑な運航、 及びジェット機を使用したゼネラル
アビエーションに対してはこの分野に限って適用される追加セクション(セクション 2)を設ける事とし
た。
基本的には本付属書の条項はオーナーや機長の守るべき規範を示すものであるが、追加セク
ションにおいては、大型機及びターボジェット機の運航について、その複雑さ故に運航者(組織) が守
るべき規範を示すこととした。
ゼネラルアビエーションのこの分野の安全記録を再調査した結果、その安全記録は優れており、実質
的に Annex6、Part I で監理されている大型機による定期航空輸送と同等である。 そこでは個々の
運航者が業界基準(industry codes of practice)に則り責任を果たしているが、その原則が有効
であった事を示している。
Annex 6, Part II に含まれる基準及び推奨手順が大型機(T 類)のゼネラルアビエーションに適用さ
れる時、それと同様な飛行機が商用航空運航に使用される時に適用される Annex6,Part I 程には厳
しくない事が注目される。
しかしながらこれは Annexes 1(personal license) や Annex 8(airworthiness standard)の既存の
条項とあいまって適用されることを勘案すれば、Annex6,Part I で運航される大型機に期待される運
航の安全レベルを十分に確保していると考えられている。
このかかわりでは、例えば乗客、貨物あ
るいは郵便を運ぶ事を目的とした最大離陸重量 5700kg 以上で 1964 年 12 月 13 日以降にその原型
の承認取得の手続きがなされた飛行機には、Part I 、Part II の如何に係わらず Annex 8 による性
能基準が適用され、更には Annex I により、少なくとも2人の運航乗務員による運航が義務付けられ
ている航空機の運航乗務員はその航空機の型式の Type Rating を保有していなければならないの
である。
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Annex 6, Part II ,SECTION 1の概要
Annex 6, Part II が適用される場合
CHAPTER 1.2
適用
Annex 6, Part II の基準(Standards)及び 推奨手順(Recommended Practices)は、セクション2及
びセクション3に記載されている飛行機を使用して行われる国際ゼネラルアビエーションに適用される。
注3-Annex 6, Part II のセクション2は、セクション3の適用対象である飛行機も含め、全ての国際ゼ
ネラルアビエーションの飛行機による運航に適用される。 セクション3は大型機、ターボジェット機及び
Corporate aviation operation に係わる追加要件である。
Section 1 CHAPTER 1.1 Definitions で新設された定義の内主なもの
.
Corporate aviation operation. - 会社の事業を遂行する上で役立つ、旅客または物品の輸送を目
的に行われる、会社による非商用運航、あるいは航空機の使用。 会社により雇用されたプロの運航
乗務員により運航される。
客室乗務員(Cabin crew member). -乗客の安全のための任務を実施する乗務員。 任務は航空機
の運航者あるいは機長によって割り振られるが、運航乗務員として振舞ってはならない。
業界基準(Industry code of practice). -
航空業界のある特定分野のために、業界機関によって作成されたガイダンス マテリアルで、 ICAO
の基準及び推奨 、その他の航空安全に係わる要件、及び適切なベスト プラクティス、に適合する上
でのガイドとなるもの。
注.— 国によっては、Annex 6,Part 2 の要件を満足するための規則を作成するにあたり、業
界基準を認知したうえで、これを参照している。 その場合業界基準のソースや入手方法を
明らかにしている。
大型機(Large aeroplane). 承認されている最大離陸重量が 5700kg を超える飛行機
運航者(Operator). -航空機の運航を行う、或いは行うことを申し出ている人、組織、あるいは企業。
運航管理(Operational Control). -航空機の安全、及び 適法で効率的な飛行を確保する為に行う、
飛行の開始、継続、変更、あるいは終了についての権限の行使
安全管理体制(Safety management system). -安全を管理するための体系的な手法で、必要と
なる組織構成、責務、及び、方針や手順が含まれる。
長距離洋上飛行(Extended flight over water.) 不時着が可能な陸地から 93 km (50 NM)以上、或
いは巡航速度で 30 分の飛行距離のいずれか短い距離、以上離れた水上を運航する飛行。whichever
is the lesser, away from land suitable for making an emergency landing.
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Annex 6, Part II ,SECTION 2 の概要
SECTION 2.の目次
SECTION 2.
GENERAL AVIATION OPERATIONS
CHAPTER 2.1
General
2.1.1
Compliance with laws, regulationsand procedures
2.1.2
Dangerous goods
2.1.3
Use of psychoactive substances
CHAPTER 2.2
Flight operations
2.2.1
Operating facilities
2.2.2
Operational management
2.2.3
Flight preparation
2.2.4
In-flight procedures
2.2.5
Duties of pilot-in-command
2.2.6
Cabin baggage (take-off andlanding)
CHAPTER 2.3
2.3.1
CHAPTER 2.4
Aeroplane performance operating limitations
General
Aeroplane instruments, equipment and flight documents
2.4.1
General
2.4.2
Aeroplanes on all flights
2.4.3
Aeroplanes operated as VFR flights
2.4.4
Aeroplanes on flights over water
2.4.5
Aeroplanes on flights over designated land areas
2.4.6
Aeroplanes on high altitude flights
2.4.7
Aeroplanes operated in accordance with the instrument flight rules
2.4.8
Aeroplanes when operated at night
2.4.9
Aeroplanes complying the noise certification Standards in Annex 16, Volume
2.4.10
Mach number indicator
2.4.11
Aeroplanes required to be equipped with ground proximity warning systems
(GPWS)
2.4.12
Emergency locator transmitter (ELT)
2.4.13
Aeroplanes required to be equipped with a pressure-altitude reporting
transponder
2.4.14
CHAPTER 2.5
Microphones
Aeroplane communication and navigation equipment
2.5.1
Communication equipment
2.5.2
Navigation equipment
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CHAPTER 2.6
Aeroplane maintenance
2.6.1
Owner’s maintenance responsibilities
2.6.2
Maintenance records
2.6.3
Modifications and repairs
2.6.4
Maintenance release
CHAPTER 2.7
Aeroplane flight crew
2.7.1
Composition of the flight crew
2.7.2
Qualifications
CHAPTER 2.8
Manuals, logs and records
2.8.1
Flight manual
2.8.2
Journey log book
2.8.3
Records of emergency and survival equipment carried
CHAPTER 2.9
Security
2.9.1
Security of aircraft
2.9.2
Reporting acts of unlawful interference
APPENDIX 1.
Lights to be displayed by aeroplanes
1.
Terminology
2.
Navigation lights to be displayed in the air
3.
Lights to be displayed on the water
APPENDIX 2. Altimetry system performance requirements for operations in RVSM airspace
ATTACHMENT A. Carriage and use of oxygen
SECTION 2.で現行 Annex 6, Part II に追加、変更或いは明確化が図られた項目
⇒機長(PIC)の責任の明確化
2.1.1.1 機長は、運航を行う国々の法律、規則、及び手順を満足しなければならない。
2.1.1.2 機長はその職務の遂行に係わる、横断しようとする地域や、使用する空域、並びにそれらに関
連する航法施設についての法律、規則、手順に精通していなければならない。 機長は、運航乗務員の
他のメンバーが、飛行機の運航における彼らのそれぞれの職務の遂行に関連する法律、規則、手順に
精通しているようにしなければならない。
2.1.1.3
機長は運航管理(Operational Control)に対する責任を有している。
⇒PIC の言語能力の要件の明確化
2.1.1.6 機長は各運航乗務員が Annex 1(personal license)に 明記されている航空無線電話通信
(aeronautical radiotelephony communications) で使用される言語を話し、理解できる能力を実証
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できること、を確認していなければならない。
⇒TAXI開始の条件の追加
2.2.2.1 Operating Instructions — 一般
操作している者が、適正な資格を持つ運航乗務員であるか、或いは下記各条件を満たす者でなけ
れば、飛行機を飛行場の走行エリアでTaxiしてはならない
a)所有者あるいは、賃借されている場合は賃借人、あるいは指名された代理人によって正式に承
認され、
b) その飛行機をTaxiするのに十分な能力を有し、
c) 無線通信が要求されている場合は無線を使用する資格を有し、
d)
飛行場のレイアウトや、そこでのルート、サイン、マーク、ライト、ATCシグナル、及び指
示、言葉使いや手順に関して十分な知識を有する人間から教育を受け、そして当該飛行場での
安全な航空機の移動に関して要求される運用基準を満足する事ができる者
⇒地上における Icing 状況下での対応
2.2.3.4.4 地上における Icing 状況が存在する或いは疑われる状況下での運航が計画あるいは予測さ
れるような場合は、飛行機の Icing に関する検査が終了し、必要に応じて、適切な De-icing/Anti-icing
処置が施されていなければ離陸してはならない。 氷や他の自然発生的な汚染物質は、飛行機の耐空
性が保たれるよう、離陸する前に取り除かれねばならない。
⇒低視程下での進入の継続について(緩和-“Approach Ban”の削除)
2.2.4.1.2 計器進入においては、計器進入方式(instrument approach procedure)に定められている
Minima の限界以下に気象状態が低下することが予想される地点を越えて進入を継続してはならな
い。
補足説明:
現行 Annex 6, Part II では以下のように決められている
“ 4.6.3.2
計器進入においては、通報された視程あるいは RVR が決められた Minimum 以上でな
ければ、精密進入の場合はアウターマーカー フイックス を超えて、あるいは非精密進入の場合は飛
行場上空 300m以下には、進入を継続してはならない。”
しかし多くのゼネラル アビエ-ション の運航が、気象通報 が限られているか、或いは無い飛行場で
行われているのが現実である為、これに基づき修正されたものである。
従って 非精密進入において、通報された視程が定められた Minimum 以上でなければ飛行場上空
300m(1000ft)より下への降下を禁止している条項は合理的ではないとするものであるが、一方如何な
る場合であっても、進入-着陸において飛行場の Operating Minima に抵触する事は 2.2.4.1.3 によっ
て禁じられている。
又 現行 4.4.3.2 に記載されている“Approach Ban”は、大規模にゼネラルアビエ
ーションが行われている国々においては、もはや適用されていないのが実態である。
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2.2.4.1.3
精密進入においてはアウターマーカー
フイックスを越えた後、又非精密進入におい
ては飛行場の上空 300m(1000ft)より下方に降下した後に、もし通報される視程もしくは RVR
が定められた Minimum よりも低下した場合も、進入は DA/H あるいは MDA/H 迄は継続して
いかなる場合もその飛行場の Operating Minima の限界以下に気象状態が低下する
もよい。
ことが予想される地点を越えて飛行機は進入-着陸を継続してはならない。
⇒燃料搭載基準に VFR 飛行の場合を標準に定める
2.2.3.6. c)
飛行が昼間の有視界飛行の規則に従って行われる場合は、 着陸予定飛行場までの飛
行、及びその後通常の巡航高度で少なくとも 30 分の飛行に必要な燃料を搭載しなければならない;ある
いは
2.2.3.6. d)
飛行が夜間の有視界飛行の規則に従って行われる場合は、 着陸予定飛行場までの飛
行、及びその後通常の巡航高度で少なくとも 45 分の飛行に必要な燃料を搭載しなければならない。
⇒セーフティーハーネス(乗員)の着用の義務化 (追加)
2.2.4.4.4
セーフテイーハーネス
セーフテイーハーネスが装備されている場合、操縦席にいる運航乗務員は離着陸のフェーズにおいて
はセーフテイーハーネスを装着していなければならない。 他の全ての運航乗務員は、離着陸のフェー
ズにおいては原則としてセーフテイーハーネスを装着していなければならない。但しショウルダーストラッ
プが彼らの業務の遂行の妨げになる場合は着用しなくてもよいが、その場合でもシートベルトは必ず装
着していなければならない。
Note.— セーフテイーハーネスにはショルダーストラップとシートベルトが含まれるが、それらは別々
に使用してもよい。
⇒客室与圧喪失時における乗客及び客室乗務員の保護(追加)
2.2.4.6
与圧されている飛行機の与圧喪失時における客室乗務員と旅客の保護
推奨(Recommendation).— 客室乗務員は、与圧喪失に伴うであろう緊急降下の間、確かな確率で
意識が確保されるよう保護されていなければならない。又それに加え緊急事態の後、安定飛行状態にな
った時に乗客に対する応急手当を施す事ができるような保護手段が講じられていなければならない。乗
客は与圧喪失時に酸素欠乏症から確かな確率で持ちこたえられるよう装置や運用手順で保護されてい
るべきである。
Note.—
与圧喪失に伴うであろう緊急降下の間、客室乗務員が常に旅客の手助けが出来ること
は期待されていない。
⇒機長(PIC)の任務の一部追加
2.2.6 Cabin baggage (離着陸)
機長は飛行機で運ばれる手荷物で客室に持ち込まれているものは全て確実に収納されている事を確認
しなければならない。
⇒搭載要件に航空日誌 を追加
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2.4.2.2
全ての飛行において飛行機は下記を装備しなければならない。
d) 下記のマニュアル、チャート, 及び情報 :
5) その飛行機の飛行日誌
⇒VFR 機の装備要件の表現変更(グラス・コクピットへの対応)
2.4.3.1
VFR 飛行においては、飛行機には下記を装備しなければならない。
a 下記の測定及び表示装置
1) 磁方位;
2) 時刻(時、分、秒);
3) 気圧高度;
4) 指示対気速度; そして
b) 当局の定めある場合の追加装備
2.4.3.2
推奨(Recommendation).—
航空管制の下で運航される VFR 飛行の場合、飛行機には
2.4.7 に従って装備がなされるべきである。
⇒救命胴衣(life jacket),救命ボート(Life Raft), 及び遭難信号装置(distress signal equipment)
の陸上機に関する搭載要件の変更
2.4.4. 洋上を飛行する飛行機
2.4.4.1 水上機
2.4.4.2 陸上機
2.4.4.2.1
単発陸上機
推奨(Recommendation).— 全ての単発陸上機に対して :
a) 海岸から滑空距離以上離れた水上ルートを飛行する時、あるいは
b) 機長の見解において、離陸あるいは進入の経路が水上に位置しており、遭難時にはデイッチング
の可能性もあると判断される飛行場を離陸又は着陸する場合は、搭乗者各人に一つの救命胴衣、
あるいは同等の個人用フローテイングデバイスを搭載しなければならない、又それらは当人の座席、
あるいは寝台から容易に取り出せる場所に格納されているべきである。
注.— “陸上機”には陸上機として使用されている水陸両用機を含む。
2.4.4.3 長距離洋上飛行(extended flights over-water ) で運航される飛行機
2.4.4.3.1 長距離洋上飛行(extended flights over-water ) で運航される飛行機には、搭乗者各人に
少なくとも一つの救命胴衣あるいは同等の個人用フローテイングデバイスが搭載され、又それらは当人
の座席あるいは寝台から容易に取り出せる場所に格納されていなければならない。
2.4.4.3.2 長距離洋上飛行(extended flights over-water )を運航する飛行機の機長は、デイッチング
が発生した時の搭乗者の生存に係わるリスクを確認しておかなければならない。 機長は運航環境や運
航状況について、たとえば海の状況、海と大気の温度、緊急着陸をするのに適した陸地からの距離、捜
査、救助施設の能力 を考慮しなければならない。 このようなリスクの評価結果に基づいて、機長は
2.4.4.3 で要求されている装備に加え、飛行機に下記が搭載されている事を確認しなければならない。
a)
搭乗者全員を運ぶのに十分な救命筏、又それらは緊急事態の時にすぐに使用できるように格納
され、且つ当該飛行に適合した、生命維持手段を含む救命装置を備えている事。
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b) Annex2に記述されている遭難信号を発する装置
⇒対地接近警報装置(GPWS)の装備要件の一部変更
2.4.11.1
承認されている最大離陸重量が5700kgを超える、あるいは9名を超える乗客を運ぶ
事が認められている、全てのタービンエンジン付飛行機は前方監視型( terrain avoidance )
機能を有する対地接近警報装置(GPWS)を装備しなければならない。
2.4.11.2 推奨(Recommendation).— 承認されている最大離陸重量が5700kg以下、あるいは
5名を超えるが9名を超えない乗客を運ぶ事が認められている、全てのタービンエンジン付飛
行機は前方監視型( terrain avoidance) 機能を有する対地接近警報装置(GPWS)を装備すべ
きである。
2.4.11.3
推奨(Recommendation).— 承認されている最大離陸重量が5700kgを超える、ある
いは9名を超える乗客を運ぶ事が認められている、全てのピストンエンジン付飛行機は前方監
視型( terrain avoidance)機能を有する対地接近警報装置(GPWS)を装備すべきである。
2.4.11.4
対地接近警報装置 (GPWS)は、飛行機が潜在的に危険な程地表に接近した時、
運航乗務員に適切な時期に、かつ明白な警告を自動的に提供しなければならない。
2.4.11.5
対地接近警報装置(GPWS)は、少なくとも下記の状況では、最小限警告を発せ
なければならない。
a) 過度の 降下率;
b) 離陸あるいはゴーアラウンド後の過大な 高度損失、そして
c) 不安全な地上への接近
2.4.11.6 推奨(Recommendation).— 対地接近警報装置(GPWS)は、少なくとも下記の状況
では、最小限警告を発するべきである。
a) 過度の降下率;
b) 過大な地上への接近率;
c) 離陸あるいはゴーアラウンド後の過大な高度損失
d) 着陸コンフィグレーション以外での不安全な地上への接近;
1) gear not locked down;
2) flaps not in a landing position;
e) Instrument Glide Pathより下への過度の降下
2.4.11.7
その機体の最初の滞空証明が2011年1月1日以降に発行された最大離陸重量が
5700kgを超える、あるいは9名を超える旅客を運ぶ事が認められているタービンエンジン付飛
行機に装備されている対地接近警報装置(GPWS)は少なくとも下記の状況では、最小限警告
を発せなければならない。
a) 過度の降下率;
b) 過大な地上への接近率;
c) 離陸あるいはゴーアラウンド後の過大な高度損失
d) 着陸コンフィグレーション以外での不安全な地上への接近;
1) gear not locked down;
2) flaps not in a landing position; そして
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e) instrument glide pathよりした下への過度の降下
⇒ELT の搭載要件の変更
2.4.12
Emergency locator transmitter (ELT)
2.4.12.1 推奨(Recommendation)全ての飛行機には 1 式の自動 ELT を搭載すべきである。.
2.4.12.2
2.4.12.3 の定めによる場合を除き、2008 年 7 月 1 日以降、全ての飛行機には如何な
るタイプであれ、少なくも1式の ELT が搭載されなければならない。
2.4.12.3 最初の耐空証明が 2008 年 7 月 1 日以降になされた飛行機には少なくも1式の自動
ELT が搭載されなければならない。
2.4.12.4
2.4.12.1, 2.4.12.2 及び 2.4.12.3 で搭載される ELT は Annex 10, Volume III.
の定めに適合していなければならない。
注.―捜索と救助が特に困難な地域の海上、或いは陸上を航行中の飛行機に事故が発生した場
合に、ELT の作動する確率がもっとも高くなるように、搭載する ELT の数、タイプ、機内の
設置場所、及び搭載される浮揚救命装置を慎重に選定しなければならない。衝撃と火災から
適切に保護された発信機の搭載も大変効果的である。 自動固定 ELT の不用意な作動を察知
し、乗務員による簡易な切り替えが行われる為の制御と切替えの仕組み、及びその操作手順
の設定も大切である。
⇒自動高度報告装置の搭載要件の変更
2.4.13 Aeroplanes required to be equipped with a pressure-altitude reporting transponder
2.4.13.1 IFR にて運航する飛行機には Annex 10, Volume IV.に適合した自動高度報告装置 が装
備されなければならない。
2.4.13.2 担当当局による例外承認を得た場合以外、VFR で運航する飛行機には Annex 10,
Volume IV.に適合した自動高度報告装置 が装備されなければならない。
注.—この規定は ACAS の効用と air traffic services の効果を高める事を目的としたもの。
⇒メンテナンス・リリースの要件の詳細化
2.6.4.1
メンテナンス・リリースは、事前に実施された整備作業が、登録国に認められたデータ
と手順に従って、問題なく遂行された事を保証するために、登録国の定めに従って行われ、署名
されなければならない。
⇒セキュリティーに関する機長(PIC)の役割と責任 (追加)
2.9.1
航空機のセキュリテイー
機長は航空機が運航している間、当該航空機のセキュリテイーについて責任を持たなければならない。
2.9.2 不法妨害行為の報告 (Reporting acts of unlawful interference)
不法妨害行為があった場合は、機長はそのような行為に係わる報告書を、指定された当局の地方事務
所に提出しなければならない。
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Annex 6, Part II ,SECTION 3 の概要
•
SECTION 3.の目次
SECTION 3.
LARGE AND TURBOJET AEROPLANES
CHAPTER 3.1
Applicability
CHAPTER 3.2
Corporate aviation operations
CHAPTER 3.3
General
3.3.1
Compliance with laws, regulations and procedures
3.3.2
Safety management system
CHAPTER 3.4
Flight operations
3.4.1
Operating facilities
3.4.2
Operational management
3.4.3
Flight preparation
3.4.4
In-flight procedures
3.4.5
Duties of pilot-in-command
3.4.6
Cabin baggage (take-off and landing)
CHAPTER 3.5
Aeroplane performance operating limitations
3.5.1
General
3.5.2
Applicable to aeroplanes certificated in accordance with Parts IIIA and IIIB
of Annex 8
CHAPTER 3.6
Aeroplane instruments, equipment and flight documents
3.6.1
General
3.6.2
Aeroplanes on all flights
3.6.3
Flight recorders
3.6.4
Aeroplanes in icing conditions
3.6.5
Aeroplanes operated in accordance with the instrument flight rules
3.6.6
Pressurized aeroplanes when carrying passengers −weather detecting
equipment
3.6.7
Aeroplanes operated above 15 000 m (49 000 ft) − radiation indicator
3.6.8
Aeroplanes required to be equipped with ground proximity warning
systems (GPWS)
3.6.9
Aeroplanes carrying passengers − cabin crew seats
3.6.10 Aeroplanes required to be equipped with an airborne collision avoidance
system (ACAS)
3.6.11
Aeroplanes required to be equipped with a pressure-altitude reporting
transponder
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3.6.12
CHAPTER 3.7
Microphones
Aeroplane communication and navigation equipment
3.7.1
Communication equipment
3.7.2
Installation
3.7.3
Electronic navigation data management
CHAPTER 3.8
Aeroplane maintenance
3.8.1
Operator’s maintenance responsibilities
3.8.2
Operator’s maintenance control manual
3.8.3
Maintenance programme
3.8.4
Continuing airworthiness information
3.8.5
Maintenance release
CHAPTER 3.9
Aeroplane flight crew
3.9.1
Composition of the flight crew
3.9.2
Flight crew member emergency duties
3.9.3
Flight crew member training programmes
3.9.4
Qualifications
CHAPTER 3.10 Flight operations officer/flight dispatcher
CHAPTER 3.11 Manuals, logs and records
3.11.1
Operator’s maintenance control manual
3.11.2
Maintenance programme
3.11.3
Flight recorder records
CHAPTER 3.12 Cabin crew
3.12.1
Assignment of emergency duties
3.12.2
Cabin crew at emergency evacuation stations
3.12.3
Protection of cabin crew during flight
3.12.4
Training
CHAPTER 3.13 Security
3.13.1
Security programme
ATTACHMENT A.
Company operations manual
ATTACHMENT B.
Minimum equipment list (MEL)
ATTACHMENT C.
Flight recorders
1.
Flight data recorder (FDR)
2.
Cockpit voice recorder (CVR)
3.
Inspections of FDR and CVR systems
Section 3 と SECTION 2 との相違点
⇒運航管理、安全管理の主体が運航者(Operator)であることを随所で明確化(現行は機長(PIC))但
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し運航承認(operator certificate)を取得する必要は無いとしている (自主規制)
以下に一部を例示
3.3.1.1
運航者は、全従業員に運航が行われる国の法律、規則、手順を満足しなければならない事を
徹底しなければならない。
3.3.1.3
機長(PIC)は運航管理(operation control)に責任を有する。 運航者(operator)は運航規
程(operations manual)に運航管理体制(operational control system)について記載し、それに関
与する者の任務と責任を明確にしなければならない。
3.3.1.4 運航者は、機長が、その飛行予定地域の捜索,救難サービスに係わる全ての必須情報を機内
で得られるようにしなければならない。(SECTION2では推奨であったものを SECTION3 では標準に
変更されている)
3.3.2.1
2010 年 11 月 18 日現在において、運航者はその運航の規模と複雑さの度合いに応じた安全
管理体制(safety management system)を確立し、維持しなければならない。
3.4.2.3.1
運航者はその運航に関係する全員が個々の任務と責任について、又それと運航全体との
関係について適切に指導されている事を徹底しなければならない。
3.4.3.3 飛行計画(Operational flight planning)
運航者は安全な飛行を遂行するために、飛行機の性能、他の運用限界、及び飛行ルートや関連する空
港で予想される状況を勘案した飛行計画を作成する手順を定めなければならない。
これらの手順は運航規程に含まれていなければならない。
3.4.2.7
Aerodrome Operating Minima
運航者は機長が、飛行場が位置する国によって当該飛行場に対して定められている Operating
Minima より低い Operating Minima を使用してその飛行場へ、あるいは飛行場から、特に当該国
に認められている場合を除いては、運航する事の無いよう徹底しなければならない。
⇒Operator は 2010/11/8 を期して安全管理体制を確立すること。但し監査は自主規制。
3.3.2.1 2010 年 11 月 18 日現在において、運航者はその運航の規模と複雑さに見合った安全管理体
制(safety management system)を確立し、維持・運営していなければならない。
3.3.2.2 推奨(Recommendation) - 安全管理体制( safety management system )は少なくとも下
記を含むべきである。:
a) 現実の、及び可能性のある安全に対する危険因子(hazard)をあきらかにし、関連する危険性
(risk)を評価する手順 ;
b) 許容される安全レベルを維持するのに必要な、改善処置を策定し実施する為の手順、そして
c) 安全管理活動の適切性と効果の継続的なモニターと定期的な評価のための取り決め
注.— 安全管理体制(safety management systems)のガイダンスは Safety Management
Manual (SMM)(Doc 9859)、 及び業界基準に含まれている。
補足説明
運航者の安全管理体制(SMS)はこのセクションで要求されているプログラムや、システム、及び手順
が構築される基盤である。 又それは運航承認(operator certification)を要しない場合でも、安全管理
の全ての機能を有効にはたらかす事を可能とするために必要な要素でもある。
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⇒航空機の登録国以外の国に運航の基地を設ける場合の通知義務を追加
3.4.2.1
Operator Notification
3.4.2.1.1 もしも運航者がその登録国以外の国に運航の基地を有する場合、運航者は運航の基地があ
る国に通知しなければならない。
3.4.2.1.2.
3.4.2.1.1 の通知に基づき、安全とセキュリテイーの監視について、運航の基地がある国
と登録国の間で協議がなされなければならない。
⇒運航規程(Operations Manual)の設定、 但し国の承認を得る必要は無い。
3.4.2.2
運航規程(operations manual)
3.4.2.2.1 運航者(operator)は、運航に携わる人員がその任務を果たすために必要な全ての知識と情
報を記載した運航規程(operations manual)を、それら従事者の使用、或いはガイダンスのために、提
供しなければならない。運航規程は、そこに記載されている情報が常に最新の物であるよう 必要に応じ
修正あるいは変更されなければならない。このような全ての修正や改定は、この規程を使う事が要求さ
れている全ての人員に対して配布されなければならない。
注 1.— 国は運航規程が設定されるに際して、すでに受け入れられている、或いは認知されてい
る業界基準がある場合、これを基準として参照してもよい。
注 2.— Attachment A には運航規程の構成と内容についてのガイダンスが記載されている。
ATTACHMENT A. 会社の運航規程(Company operations manual )
Supplementary to 3.4.2.2
下記は会社の運航規程の内容に係わる提案である。それは運航の特定の業務に応じて別々のパー
トとして発行されてもよい。又そこには関係する従事者がその任務を果たすのに必要な知識や情
報を含んでいなければならず、少なくとも下記の情報が含まれていなければならない。
a) 目次;
b) 改定履歴、有効頁一覧(規程全体が各改定を含め再発行され、規程全体がそれの有効日付を持つ
場合を除く);
c) 任務、責任及び管理者と作業者との引継;
d) 会社の安全管理体制;
e) 運航管理体制;
f) 修理持越し手順(MEL procedures )(適用がある場合);
g) 通常運航;
h) 運用手順;
i) 気象による制限;
j) 飛行時間及び勤務時間制限;
k) 緊急時の運航;
l) 事故/インシデントへの備え;
m) 要員の資格と訓練;
n) 記録の保管;
o) 整備管理体制に関する記述;
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p) 保安(security)手順 (適用がある場合);
q)
性能運用限界;
r)
FDR/CVRの記録の使用/保護 (適用がある場合); そして
s)
危険物の取扱い
⇒上昇操作手順及び性能を運航規程に明記することを追加
3.4.2.3.2 推奨 (Recommendation).— 運航者は出発段階で機長がその時の離陸条件と、予定して
いる離陸操作によって得る事ができる上昇勾配(climb gradient)を特定する事ができるように、飛行機
の上昇性能に関する Operating Instructions と情報を運航規程にするべきである。
⇒乗客搭乗時の Emergency abnormal simulation の禁止を追加
3.4.2.4
In-flight simulation of emergency situations
運航者は、旅客が搭乗している時に Emergency や Abnormal 状況を模擬される事がないように徹
底しなければならない。
⇒Check list の搭載と使用を追加
3.4.2.5
チェックリスト
チェックリストは、運航の前、間、後の全ての段階、及び緊急時において、航空機運用規程(aircraft
operating manual)、飛行規程(airplane flight manual)、滞空証明に関連している他の書類、又
は運航規程に記載されている運航手順が確実に実行される為に、運航乗務員によって使用されな
ければならない。
チェックリストのデザインとその使用に関してはヒユーマンファクターの
原理が考慮されるべきである。
3.6.2.2
飛行機には、3.4.2.5 項に定めるチェックリストを搭載しなければならない。
⇒IFR における最低飛行高度について追加
3.4.2.6 最低飛行高度( Minimum flight altitudes)
運航者は、計器飛行方式に従って行われる飛行に対して、対地高度を確定するための手段を特定しな
ければならない。
⇒運航及び整備従事者の疲労管理プログラムの設定(Operations Manual)を追加
3.4.2. 8 運航者は、飛行機の運航や整備に関係する全ての従事者が、疲労した状態で職務を行う事
がないよう、 疲労管理プログラムを定め、実行しなければならない。
プログラムには飛行時間制限及び勤務時間制限が定められ、運航規程に含まれなければならない。
⇒Take Off Alternate の設定を追加
3.4.3.4.1.1 出発飛行場の気象状況がその飛行場の Operating Minima あるいはそれ以下である場
合 、 あ る いは 他 の理 由に より そ の空 港に 戻 る事 が でき ない 場 合 は、離 陸 代替 飛行 場 ( take-off
alternate aerodrome )が飛行計画に選定され、明示されていなければならない。
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3.4.3.4.1.2
離陸代替飛行場 は、出発飛行場から、下記の距離以内に位置しなければならない。
a) 双発機
1エンジンでの巡航速度で 1 時間の飛行に相当する距離以内; そして
b) 3 発以上の飛行機 1エンジンでの巡航速度で2時間の飛行に相当する距離以内
3.4.3.4.1.3
離陸代替飛行場 として選ばれた飛行場に係わる情報が、使用が予想される時間におい
て、気象状況が Operating Minima 以上であることを示していなければならない。
⇒Approach Ban の削除
3.4.4.1.1
RVR が通報されている所での精密計器進入(precision instrument approach)は、RVR
が指定された Minima 以上でなければ、アウターマーカーフイツクスあるいは相当する DME フイックス
を超えて継続してはならない。
3.4.4.1.2
もし 、アウターマーカーフィクッスあるいは相当する DME フィックスを超えた後に、RVR が
指定された Minima よりも低下したような場合は、進入は DA/H 迄継続してもよい。
⇒機長(PIC)の任務の一部追加
3.4.5.3
機長は、飛行が終了した時点で、飛行機に係わる、判明した、あるいは疑われる全ての欠陥
について運航者に通知する責任を有している。
3.4.5.4
機長は、2.8.2 に記載されている情報を含む Journey Log Book あるいは General
Declaration について責任を有している。
⇒乗客搭乗時の給油に係わる要件が推奨から標準に変更
3.4.3.5 Refuelling with passengers on board(記述省略)
⇒酸素の搭載および使用に関する要件の詳細化
3.4.3.6.1 Oxygen supply(記述省略)
3.4.3.6.2
Use of oxygen(記述省略)
⇒騒音軽減運航方式の励行(推奨)を追加
3.4.4.3
Aeroplane operating procedures for noise abatement
3.4.4.3.1
推 奨 ( Recommendation ) —
飛行機の騒音軽減方式は 、 PANS-OPS (Doc 8168),
Volume I, Section 7, Chapter 3 の条項に適合しているべきである。
3.4.4.3.2 推奨(Recommendation)— 運航者により定められる飛行機の騒音軽減方式 (noise
abatement procedure) は全ての飛行場に対して同じものあるべきである。
注. —
一つの方式のみでは一部の飛行場では要件を満足できない可能性がある。
⇒CAT IIIA 、 IIIB に係わる要件を明確化
3.5.2
Parts IIIA and IIIB of Annex 8 に従って承認されている飛行機に適用すべき条項(3.5.2.2
~3.5.2.9) (記述省略)
⇒国が認可する MEL を運航規程(Operations Manual)に設定する事を追加
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3.6.1.1
Master Minimum Equipment List (MMEL)がその航空機の型式に対して設定されてい
る場合、運航者(operator)はその飛行機の登録国によって承認された Minimum Equipment List
(MEL)を、機長が、もしある計器、装備あるいはシステムが不作動になった場合に、飛行を開始してよい
かあるいは途中の寄港地からの飛行を継続してもよいかを判断できるよう、運航者の運航規程に含め
なければならない。
⇒SOP(航空機運用規程)の設定を追加
3.6.1.2 推奨(Recommendation)- 運航者(operator)は、運航される各型式の航空機に対し、その航
空機の Normal, Abnormal そして Emergency Procedures を記載した航空機運用規程を運航関係者
及び運航乗務員に提供しなければならない。 この規程は飛行規程及び使用されるチェックリストと首尾
一貫していなければならない。規程のデザインにはヒユーマンファクターの原理が配慮されるべきであ
る。
⇒追加装備搭載要件
3.6.2.1
2.4.2.2 に含まれる要件に加え、飛行機は下記を装備しなければならない。
a) その飛行機への搭乗が認められている乗客の数に見合った数量の、適切な内容の、そして直ち
に手が届く処に搭載された医療品
b) 推奨(Recommendation)-医療品には 1 以上の救急箱(first-aid kits)が含まれるべきであ
る。
注.— 医療品のタイプ、数、場所及び内容についてのガイダンスはAnnex 6, Part Iの
Attachment Bに記載されている。
c)
各乗組員の座席のセーフテイーハーネス。 各操縦者座席のセーフテイーハーネスには急
減速の際に、胴体を自動的にしっかり押さえる仕組みがなければならない。
d) 推奨(Recommendation).— 各操縦者座席のセーフテイーハーネスは、突然機能を喪失した
操縦者が操縦桿に干渉するのを防ぐ装置を有するべきである。
注.— セーフテイーハーネスにはショ-ルダーストラップ、とシートベルトが含まれるが
それぞれ別々に着用することができる。
e) 下記の情報及び指示を確実に乗客に伝える手段
:
1) シートベルトを着用しなければならない時;
2) 酸素搭載が必要な場合は、何時、どのように酸素供給装置が使用されるべきか;
3) 禁煙;
4) 救命胴衣あるいはそれと同等のフローテイングデバイスの搭載が要求されている場合は、それ
らの搭載場所及び使用方法;
5) 非常用器機の場所; 及び
6) 非常脱出口の場所及び開け方.
⇒運航規程(Operations Manual) 、飛行規程(Flight Manual)等の搭載義務の追加
3.6.2.2
飛行機には下記を搭載しなければならない。:
a) 3.4.2.2で述べられている運航規程、又は同規程の運航に関連する部分;
18 of 26
b)その飛行機の飛行規程、あるいは Chapter 3.5(性能限界)への適合に際して必要な性能データを含
む他の書類、及び滞空証明の限界内での飛行に必要なその他の情報。 ただしそれらのデータが
運航規程及びチェックリストに含まれている場合を除く。
⇒FDR・CVR の装備要件
FDR・CVR の装備については現在 ICAO の Flight Recorder Panel にて別途検討中にて、そこでの
結論を得るまで、とりあえず現行要件を 3.6.3 に記載している。(SECTION 2 には要件の記載なし)
下記 3.6.3.1.7 は追加された推奨である。
推奨(Recommendation). –承認された最大離陸重量が 5700kg あるいはそれ以下の飛行
3.6.3.1.7
機で、Flight Data Recorder (FDR)及び/又は Cockpit Voice Recorder(CVR) の装備が要求され
ている場合はその代替手段として一つの Combination Recorder (FDR/CVR)を装備してもよい。
⇒救命胴衣(Life Jacket) に electric illumination を装着
3.6.3.11.2
各救命胴衣及びそれと同等の個別フローテイングデバイス には、それらが 2.4.4.3 によっ
て搭載されている場合、人の居場所を判りやすくするために Electric Illumination の仕組みが備えら
れていなければならない。(2.4.4.3.1 の要件が救命胴衣以外の個別のフローテイングデバイスによって
満足されている場合を除く)
⇒客室急減圧警報装置の装備が 1990/1/1 以前に耐空証明が為された飛行機に関しては推奨から標
準に変更
3.6.3.12
最初の個別の滞空証明が 19901/1 より前に為された飛行機
3.6.3.12.1 気圧が 376 hPa より低い高度を飛行する予定の、与圧された飛行機は危険な減圧を運航
乗務員に確実に警告する装置を装備しなければならない。
⇒De-Icing 、Anti-Icing Devices の装備を追加
3.6.4
Icing Conditions における飛行機
Icing Conditions が存在する、あるいは遭遇する可能性があると報告されている状況下で運航する場
合、飛行機は適切な De-icing 及び/又は Anti-icing devices を装備していなければならない。
⇒2 系統の独立した高度指示システムの装備を追加
3.6.5.1 2.4.7 の要件に加え、飛行機は、計器飛行方式に従って運航する場合、あるいは飛行機が1つ
あるいはそれ以上の飛行計器を参照することなしには希望する姿勢を維持する事が出来ない場合は 、
2つの独立した高度測定及び表示システムを装備しなければならない。
⇒IFR に必要な計器の非常電源の装備を追加
3.6.5.2
5700 kg を超える飛行機 —電気的に作動する姿勢表示計器(attitude indicating
instrument)の為の非常用電源
3.6.5.2.1
1975 年 1 月1日以降に新たに運用に供された、承認された最大離陸重量が 5700kgを超え
る飛行機は、主電源システムから独立して姿勢表示計器(attitude indicating instrument) (水平儀
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(artificial horizon))を作動させ、少なくとも 30 分間、機長に明瞭に見えるよう照明するための非常用
電源(emergency power supply)を備えていなければならない。
非常用電源(emergency power supply)は、主電源システムが全て故障した時に自動的に作動しなけ
ればならず又姿勢表示計器が非常用電源で作動している場合それが、明瞭に計器に表示されなければ
ならない。
3.6.5.2.2 推奨(Recommendation) – Advanced Cockpit Automation Systems (Glass Cockpits)
を持つ航空機は、主システムあるいは主計器が故障した場合にも運航乗務員に姿勢、方位、速度及び
高度の情報を提供できるように、システムの冗長性を備えているべきである。
⇒WX radar 等の装備を追加
3.6.6 旅客を運ぶ客室与圧機-weather detecting equipment
旅客を運ぶ客室与圧機は、その飛行機が夜間、あるいは計器気象状態において飛行する場合で、予
定ルートにそって雷雲があると予測される領域を飛行する時には、雷雲を検知する能力を有する
weather detecting equipment を装備し、作動可能にしていなければならない。
⇒宇宙線計測装置の装備を追加
3.6.7 15000m(49000ft)以上を運航する飛行機-放射線計測装置(radiation indicator)推奨
(Recommendation.)—
主に 15000m(49000ft)以上を運航しようとする飛行機は、受けている宇宙
線(銀河及び太陽起源の電離放射線、中性子放射線の総和)の被爆量率及び各飛行での被爆総量を
連続的に計測し表示する装置を装備しているべきである。装置の表示器は運航乗務員から直視できる
こと。
注- 装置は、適切な国の機関に承認された前提に基づいて補正される。
⇒Cabin Crew Seat の装着要件を追加
3.6.9 旅客が搭乗する飛行機 — 客室乗務員席(cabin crew seats)
3.6.9.1
最初の耐空証明が 1981 年 1 月 1 日以降に 発行されている飛行機
非常脱出に係わり 3.12.1 に定める任務に携わる各客室乗務員が使用する、前向きあるいは後向き(飛
行機の縦軸に対して 15 度以内)でセーフテイーハーネスを備えた座席を装備していなければならない。
3.6.9.2
3.6.9.2.1
最初の耐空証明が 1981 年 1 月 1 日以前に 発行されている飛行機
推奨(Recommendation.)— 非常脱出に係わり 3.12.1 に定める任務に携わる各客室乗
務員が使用する、前向きあるいは後向き(飛行機の縦軸に対して 15 度以内)でセーフテイーハーネスを
備えた座席を装備すべきである。
注.— セーフテイーハーネスにはショルダーストラップ、とシートベルトが含まれるがそれぞれ
別々に着用することが出来る。
3.6.9.2.2
3.6.9.1 又は 3.6.9.2.1 により装備される客室乗務員用座席は、登録国による非常脱出の要
件に応じて、フロアーレベルあるいは他の非常脱出口の近くに位置しなければならない。
⇒ACAS II の装備の追加
3.6.10 空中衝突防止装置(airborne collision avoidance system) (ACAS )の装備を要求されている
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飛行機
3.6.10.1 推奨(Recommendation)— 承認されている最大離陸重量が 15000kg を越えるかあるいは
30 名を越える乗客を運ぶ事が承認されており、個々の機体の最初の耐空証明が 2005 年 11 月 24 日よ
り後に発行されている全てのタービンエンジン機は、空中衝突防止装置(airborne collision avoidance
system) (ACAS II)を装備すべきである。
3.6.10.2 承認されている最大離陸重量が 15000kg を越えるかあるいは 30 名を越える乗客を運ぶ事
が承認されており、個々の機体の最初の耐空証明が 2007 年 1 月 1 日より後に発行されている全てのタ
ービンエンジン機は、空中衝突防止装置(airborne collision avoidance system) (ACAS II)を装備し
なければならない。
3.6.10.3 推奨(Recommendation)— 承認されている最大離陸重量が 5700kg を越えるが 15000kg
は超えない、あるいは 19 名を越える乗客を運ぶ事が承認されていて、個々の機体の最初の耐空証明が
2008 年 1 月 1 日より後に発行されている全てのタービンエンジン機は、空中衝突防止装置(airborne
collision avoidance system) (ACAS II)を装備すべきである。
⇒自動高度応答装置の装備
3.6.11
Aeroplanes required to be equipped with a pressure-altitude reporting transponder
3.6.11.1
飛行機には Annex 10, Volume IV.に適合した自動高度報告装置 が装備されなけれ
ばならない。
注.—この規定は ACAS の効用と air traffic services の効果を高める事を目的としたもの
⇒Microphne の使用に関する以下の要件は現行の推奨から標準となる
3.6.12 Microphones
操縦席での任務に就くことが要求されている全ての運航乗務員は、Transition Level/Altitude 以下に
おいては、Boom あるいは Throat Microphones によって連絡しあわなければならない。
⇒通信機器の送受信能力に係わる要件の詳細化
3.7.1
通信機器
2.5.1.1 から 2.5.1.5 の要件に加え、飛行機は下記の能力を有する無線通信機器を備えていなければな
らない。
a)航空管制のための two-way communication の実施
b)飛行中常時の気象情報の受信; そして
c)少なくとも一箇所の Aeronautical Station との、そして所轄当局によって指示されるかもしれない
他 の Aeronautical Stations と の 指 示 さ れ た 周 波 数 で の 、 飛 行 中 常 時 の two-way
communication の実施
注- 3.7.1 の要件は、もしそこで指定されている通信を実施する能力がそのルートでの通常の
無線伝播状況(radio propagation conditions)において立証されていれば、満足しているもの
とみなされる。
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⇒通信及び航法機器の装着に係わる要件の追加。
3.7.2
装着
機器の装着は、通信あるいは航法、あるいは両方の目的で必要な一つの機器の故障が、同目的で必要
なもう一つの機器の故障を引き起こす事がないようなされなければならない。
⇒航法に係わる電子データの管理要件の追加
3.7.3
電子航法データの管理(electronic navigation data management)
3.7.3.1
飛行機の運航者は、空中及び地上での使用の目的で処理された電子航法データ製品(ソフト
ウエアー)の使用に係わり、製品が適切な手順で処理され、配布された製品が完全性に係わる許容基
準を満足し、又製品がそれらを使用する装置(ハードウエアー)の本来機能に適合するものである事を保
証するための運航者の手順が登録国に承認されていなければならない。 登録国は、運航者が手順と
製品の両方を確実に継続して監視するよう徹底しなければならない。
Note.— データの提供者が準拠する手順に関するガイダンスが RTCA DO-200A/EUROCAE
ED-76 and RTCA DO-201A/EUROCAE ED-77 にある。
3.7.3.2
運航者は、最新の、且つ変更の手が加えられていない電子航法データがそれを必要とする全
ての飛行機に、適切な時期に配布され組み入れられる事を確実に実行する手順を実施しなければなら
ない。
⇒整備従事者は国の定める初期及びリカレント訓練を受ける推奨を追加
3.8.1.2
推奨(Recommendation)-
運航者は、全ての整備従事者が、与えられた仕事と責任に合致
し、登録国に承認された、初期及びリカレント訓練を確実に受講できるようにしなければならない。 この
訓練にはヒュ-マンファクターや、他の整備従事者或いは運航乗務員との調整に関する教育を含むべ
きである。
⇒Maintenance Control Manual(整備監理規程) の設定を追加
3.8.2 運航者の整備管理規程(maintenance control manual)
推奨 -
運航者は 3.11.1 に規定されている整備管理規程(maintenance control manual)を、整備
及び運航従事者の使用並びにガイダンスの為に提供しなければならない。
注- 国は、3.11.2 に概略が示されているようなガイダンスマテリアルを提供するか、あるいは適切な業
界基準(industry codes of practice)を参照してもよい。
3.11.1
運航者の整備管理規程
推 奨 ( Recommendation ) .—
3.8.2 に 従 っ て 備 え ら れ る 運 航 者 の 整 備 管 理 規 程 は 業 界 基 準
(industry codes of practice)あるいは登録国のガイダンスマテリアルに従って作成されなければならな
いが、パートに分けて別々に発行してもよい。 又少なくとも下記についての情報を含むべきである。
a) 3.8.1.1 で要求されている手順を満足する手段
b) 3.8.1.1 で要求されている人、あるいは人々の名前と責務を記録する手段
c) 3.8.3.1 で要求されている整備プログラム(maintenance programme)
d) 3.8.5 で要求されている運航者の整備記録を完成し保存する為に採られる方法
22 of 26
e) Annex 8, Part II, 4.2.3 f) と 4.2.4 による 不具合の報告に係わる要件を満足するための手
順
f) 耐空性を連続する上で必須な情報に基づく義務的対策を実施するための手順
g) 整備プログラムの効果と効率の分析及び継続的なモニターを行うことにより、プログラムに欠陥があ
る場合にこれを矯正する為の体系的手法
h) 規定を適用する航空機の型式とモデル
i) 耐空性に影響を与える不具合が確実に記録され矯正されるための手順
j) 運用中に発生した重要事項を登録国に報告する手順
⇒国が承認する maintenance programme の設定を追加
3.8.3 整備プログラム(maintenance programme)
3.8.3.1
運航者は、その整備及び運航従事者の使用及びガイダンスの為に、登録国の承認を受け、
3.11.3 によって要求されている情報を含む整備プログラムを提供しなければならない。
運航者の整備プログラムのデザインと適用は、国のガイダンスマテリアルに従ってヒユーマンファクター
の原理を勘案したものでなければならない。
3.11.2 整備プログラム(maintenance programme)
3.11.2.1
3.8.3 で要求されている整備プログラムには下記の情報が含まれていなければならない。
a) 飛行機の予想される稼動を勘案した整備作業とそれらが行われるべき間隔;
b) 機体構造の健全性を持続するために必要な検査プログラム(適用される場合);
c) 登録国の承認を得て行う、上記 a)及び b)から変更あるいは逸脱をする場合の手順 ;と
d) 航空機システム、部品及び原動機に対する 状況モニタリング と信頼性管理方式に関する記述
(適用され、登録国から承認を得ている場合)
3.11.2.2 型式設計の承認、あるいは整備プログラムの変更の承認において、義務実施項目として指定
された整備作業及びその間隔は、その旨明示されなければならない。
3.11.2.3
推奨(Recommendation).—
整備プログラムは、型式設計が行われた国、又はその型式
設計に責任を持つ組織によって提供される整備プログラムに係わる情報、及び適切な追加経験に基づく
べきである。。
⇒メンテナンス・リリースの要件の更なる詳細化
3.8.5.1
メンテナンス・リリースは、実施された整備作業が、整備プログラム、或るいは登録国に
承認を受けた他のデータ及び手順に従って為された事を保証するために、登録国の定めに従って
行われ、署名されなければならない。
3.8.5.2
メンテナンス・リリースは少なくも下記を保証するものでなければならない。
a)行われた整備の内容;
b)整備が完了した日付;
c)該当ある場合、承認された整備組織の明示; そして
d)リリースのサインを行った人あるいは人々の明示
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⇒運航乗務員の編成、PIC の指名などを追加
3.9.1.1
機長(PIC)の指名
運航者は各飛行毎に、一人のパイロットを機長(PIC)として指名しなければならない。
3.9.1.2
航空機関士(略)
⇒乗務員の非常時の役割と救難訓練を追加
3.9.2 運航乗務員の非常時の役割
運航者は、飛行機の各型式毎に、全ての運航乗務員に対して、非常時あるいは非常脱出が要求される
状況において果たすべき任務を割り振らなければならない。 これらの任務を果たすためのリカレント訓
練が運航者の訓練プログラムに含まれていなければならず、又その訓練には搭載が義務付けられてい
るすべての非常用品、救命用品の使用に関する教育及び飛行機の非常脱出に係わる教練が含まれて
いなければならない。
⇒運航乗務員の訓練シラバスの設定と訓練の実施を追加
3.9.3 運航乗務員の訓練プログラム
3.9.3.1 運航者は、訓練を受ける者が割り振られた任務を果たす為の技量の習得とその維持が確実に
なされるようにデザインされた訓練プログラム、を設定し維持しなければならない。 地上及び飛行訓練
プログラムは、プログラムを担当する内部組織、あるいは訓練サービス提供者のいずれかによって作成
されるが、これら訓練プログラムのシラバスは会社の運航規程に含まれるか、参照されなければならな
い。 訓練プログラムは、装備されているすべての機器に対し熟練の域に達するためものでなければな
らない。
3.9.3.2 推奨(Recommendation) - フライトシミュレーターは最初のそして毎年のリカレント訓練のた
めに最大限使用されるべきである。
⇒運航乗務員の“最近の飛行経験”及び“技量審査”の要件の追加
3.9.4.2 最近の飛行経験-機長(PIC)
運航者は機長(PIC)を、その日からさかのぼって 90 日までの間に当該型式の飛行機で、あるいはその
目的で承認されているフライトシニュレーターで、少なくとも 3 回の離陸及び着陸をおこなっていなければ、
離着陸において飛行機を操縦する任務につけてはならない。
3.9.4.3
最近の飛行経験-副操縦士( co-pilot)
運航者は副操縦士( co-pilot)を、その日からさかのぼって 90 日までの間に当該型式の飛行機である
いはその目的で承認されているフライトシニュレーターで少なくとも 3 回の離陸及び着陸をおこなってい
なければ、離着陸において飛行機を操縦する任務につけてはならない。
3.9.4.4
操縦士の技量審査 proficiency checks
運航者は、操縦技量及び非常操作の遂行能力について、定期的に操縦士の技量を実地にて証明させ
る等の方法で、チェックし確認しなければならない。
運航者は、運航が計器飛行方式のもとで行われる場合には、操縦士の技量が該当するルールを満足し
ている事を、運航者の査察運航乗務員、又は操縦士免許を発行している国の代理人のいずれかに対し
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て、実地にて証明させるようにしなければならない。
注- 3.9.4.4 のチェックの間隔は飛行機と運航の両方の複雑さによって定まる。
⇒運航管理者をアサインする場合の推奨事項
3.10
運航担任者/運航管理者 FLIGHT OPERATIONS OFFICER/FLIGHT DISPATCHER
推奨(Recommendation). — 運航者(operator)は、運航担任者//運航管理者として任命された者が
彼等の任務に関連した運航面の全ての特徴について、又ヒユーマンファクターに関する知識や技量を含
めて、確実に訓練され、その習熟を維持しているようにすべきである。
⇒FDR の記録の保存の追加
3.11.3 FDR の記録
飛行機の所有者、あるいは、賃借の場合の借受人は、飛行機が事故あるいはインシデントに遭遇した場
合には、最大限、全ての関連する FDR の記録を保護し、そして必要なら当該 FDR を Annex13 に定め
る処置が決められるまで、安全な状態で確実に保管しなければならない。
⇒客室乗務員の配置、安全上の役割、及び訓練要件の追加
3.12.1 Assignment of Emergency Duties
客室乗務員の要件は安全で迅速な飛行機からの脱出、及び緊急時や非常脱出が必要な時に果たすべ
き任務が、効果的に達成できるよう、各型式の飛行機毎に座席数あるいは乗客数に応じて運航者によ
って定められなければならない。 運航者はこれらの任務を飛行機の各型式毎に決めなければならな
い。
3.12.2 緊急脱出場所にいる客室乗務員
客室乗務員が当局によって要求されている場合、非常脱出任務を与えられている各客室乗務員は、離
着陸の間及び機長からの指示があった時は常に、3.6.9 に従って装備されている座席に着席していなけ
ればならない。
3.12.3 飛行中の客室乗務員の保護
各客室乗務員は、離着陸の間及び機長から指示があった場合には常にシートベルトを着用して、あるい
はセーフテイーハーネスが装備されている場合はセーフテイ-ハーネスを着用し着席していなければな
らない。
3.12.4
3.12.4.1
訓練
運航者は、客室乗務員として任務に就く前に確実に全員が訓練プログラムを完了しているよ
うにしなければならない。
3.12.4.2 推奨(Recommendation) – 運航者は、 訓練を受けた者が与えられた任務を果たす技量
を確実に取得できるようにデザインされ、そして会社の運航規程にある訓練プログラムのシラバスを含
むかあるいは参照している客室乗務員訓練プログラムを、作成し維持するべきである。
訓練プログラムにはヒユーマンファクター訓練を含むべきである。
⇒セキュリティーに関する推奨
3.13.1 セキュリテイー プログラム Security programme
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推奨(recommendation)— 各締結国は Corporate Operator Aviation Operation を含め 5700kg
を超える最大離陸重量の航空機を使用して General Aviation Operation を行おうとする者に、その国
の National Civil Aviation Security Programme に適合し成文化したセキュリテイープログラムを確
実に作成、実施、維持させるべきである。
注.—
適切な業界基準(industry codes of practice)を、会社の成文化したセキュリテイープログ
ラムを作成する基盤として使用してもよい。
以上
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