contents I n t r o D U CTION 目次 はじめに はじめに....................................................................................... ノルマンディー上陸作戦地図..................................................... 計画立案 . .................................................................................... 連合軍の指導者たち................................................................... ドイツ軍の指導者たち . ............................................................. ドイツの軍事力と防衛力............................................................ 欺瞞作戦と諜報活動 . ................................................................ レジスタンス運動とSOE ............................................................ ペガサス橋 .................................................................................. イギリス軍の空挺作戦 ............................................................... アメリカ軍の空挺作戦 ............................................................... ユタ・ビーチ ................................................................................ ポワント・デュ・オック................................................................ オマハ・ビーチ ............................................................................ ゴールド・ビーチ . ....................................................................... ジュノー・ビーチ . ....................................................................... ソード・ビーチ . ........................................................................... ヴィレル・ボカージュの戦い . .................................................... プルートとマルベリー................................................................. エプソム作戦 ............................................................................... ボカージュの戦いとシェルブール.............................................. チャーンウッド作戦 .................................................................... 衛生兵 . ........................................................................................ サン・ローの戦い . ...................................................................... グッドウッド作戦 ........................................................................ コブラ作戦 .................................................................................. リュティヒ作戦 ............................................................................ 戦術的航空支援.......................................................................... トータライズ作戦とトラクタブル作戦 . .................................... ファレーズ包囲戦 . ...................................................................... パリ解放 ...................................................................................... 03 04 06 08 10 12 14 16 18 20 22 24 26 30 32 36 40 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 64 66 68 70 Dデイは歴史上の一大画期を示す出来事である。 D - DA Y IS A LANDMA R K IN HISTO R Y . 本書は、連合軍による計画立 案段階から での地上作戦を主に取り上げているが、海 パリ解放に至る、ノルマンディー軍事作戦 上計画であるネプチューン作戦がそもそも の全貌を描くものである。英国の帝国戦争 上陸を可能ならしめる上で果たした役割を 博物館や他の機関のコレクションからの、 無視することはできない。戦艦から上陸用 1944 年当時の空気を生々しく伝える原資料 舟 艇 に 至 るま で、7,000 隻 近 い 艦 船 が 同 の数々を通じて、私は本作戦の真実の姿を 作戦に投 入された。そこにフランス、ノル 探ろうと試みた。読者が本書で精妙に復刻 ウェー、オランダ、ポーランド、ギリシャな されたこうした どの船舶も加わっていたことは、連合軍の 一次資料を手に 多国籍性の証である。 とり、そ の 凄 惨 最後に、ノルマンディー上陸作戦は確か 壮絶な一夏の出 にたいへんな難事だったが、あくまで軍事 来 事 に 対 して、 作戦全体の壮挙の一部に過ぎないことを強 単なる一史実と 調しておきたい。ノルマンディーの地を踏ん して以上の何か だ軍勢には、連合軍の海軍力により確保さ を見いだしてい れた海上輸送路を通じて、食料や弾薬、援 ただけるならば 軍が絶えず補給されていたほか、戦略爆撃 幸いである。 機からダコタ輸送機に至るまで、航空機の D デイは史上最大の上陸作戦であり、確 かに決定的な分水嶺ではあったが、1944 年 支援も不可欠だった。 ノルマンディー上陸 作戦に従軍した軍人 の夏にはそれ以上に重要な動きがあった。 の多くにとっては、上陸それ自体よりも、そ 第 1 に、ドイツ軍の心臓部に打撃を与える の後に連合軍が上陸拠点を強化してフラン に際して、ソビエトが果たした役割を考える スに進撃した戦闘のほうが印象深いという。 必要がある。D デイは、同年夏に東部前線の ノルマンディーで歩兵や戦車搭乗 ドイツ軍集団を壊滅させたソ連軍のベラル 員として従軍するのは決してたや ーシ攻撃とあわせて考えたときにはじめて、 すいことではなく、この地での戦 その正当な位置づけがなされるのだ。 闘の一部は、年配兵士にとっては 第 2 に考 察すべきは、他 地 域での西側 連合軍の奮闘である。戦略爆撃によりドイ お馴染みの消耗的な白兵戦だった のである。 ツの工業基盤は弱体化し、国防資源も分散 私はこれまで人生の過半を軍事 した。また、それ自体は酷評されたイタリ 史家として送ってきたが、歴史の ア戦線においても、連合軍兵士たちの奮闘 時間の流れに引き込まれて止まな に対処するため、ドイツ軍は東部戦線や西 いという感に益々たえない。ノル 部方面に投入したかった兵力をかなり割か マンディー上陸 作戦に携わった退 れることになった。さらに我々は、ビル・ 役軍人の数は、今後確実に減り続 スリム指揮下のイギリス陸軍第 14 軍が、遠 けていくだろう。それでも彼らの存在は私 く離れたビルマの地で対日戦闘を繰り広げ の歴史のまさしく核心部分を占めている。ほ ていたことも忘れてはならない。 とんどの戦争同様、この作戦はもっと深い 第 3 に、海軍力の 優 位性が果たした役 洞察をもって予見し、さらに効率よく遂行す 割も重要である。 「大西洋の戦い」なくして ることもできたはずだ。しかしなんといって D デイはあり得なかった。本書はフランス も、幾多の犠牲によって連合軍を勝利に導 いた人々がいたからこそ現在の世界がある ことを、我々の世代は忘れてはならない。本 書は、そんな彼らの物語である。 掲載地図一覧 . ............................................................................ 72 73 謝辞・図版クレジット................................................................. 78 復刻アイテム一覧 ....................................................................... DDNE - 02-03 CONTENTS INTRO.indd2-3 2-3 リチャード・ホームズ Richard Holmes 09.3.26 10:19:45 AM
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