航空貨物の運送取扱い

航空貨物の運送取扱い
輸出貨物の流れ
航空会社の
運送業務
航空機への
貨物の搭載
危険品貨物
フォワーダー・航空会社の運送業務
直送貨物と混載貨物、 混載貨物の割合
輸出貨物の取扱いの流れ
予約業務、 重量の制約、 容積の制約
貨物受託業務、 出発便業務
輸入貨物の流れ、 航空会社の輸入業務
B7 77 -3 00旅客機の貨物室、 B 747 貨物機の貨物室
航空機のパレット、コンテナ(ULD)
搭載可能貨物の寸法、重量
航空機への貨物の搭載
危険品規則、 危険品ラベル
(参考) ドライアイス の輸送
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輸出貨物の流れとフォワーダー・航空会社業務
荷主
フォワーダー
(混載業者)
荷主
兼 代理店
荷主
荷主
国際宅配
業者
荷主
航空会社
空港上屋
(発地)
航空会社
空港上屋
(着地)
航空会社の
輸出運送業務
①荷主からの依頼に基づき、貨物を荷主から集荷する。
②貨物の外装をチェックし、検量とラベリングを行う。
③航空運送状および必要書類を整える。航空便スペースを予約する。
④貨物を保税蔵置場1/に置いた後、税関に輸出申告し、許可を得る。
⑤貨物と航空運送状他の書類を、航空会社の輸出上屋に搬入する。
⑥貨物と書類を受託する。
⑦書類を貨物を搭載する予定便毎に仕分けする。
航空会社は空港の輸出上屋で
⑧予約貨物のリストに基づいて積荷目録(マニフェスト)を作成する。
貨物を受託し、出発便に貨物を
⑨貨物をパレット・コンテナに積み付ける。
搭載する。
⑩輸出上屋から便の駐機場所まで貨物を搬送する。
⑪航空機に貨物と書類を積込む。
フォワーダー・航空貨物代理
店・国際宅配便業者は貨物を
荷主から集荷し、航空会社に
引き渡す。
(注)1/ 保税蔵置場 : 外国貨物を課税保留、輸出入手続き未済のまま積み卸し、運搬、蔵置できる場所として
税関長が許可したもの
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直送貨物と混載貨物
【直送貨物(Straight/Direct Cargo)】
配 達
受
引渡し
荷
( 着地サイド )
人
通 関 業 者
航空輸送
航 空 会 社
人
運送契約
搬入
航 空 会 社
送
セールス
集 荷
航空代理店
荷
( 発地サイド )
①荷送人と航空会社間の運送契約
②航空代理店は、航空会社を代理して、セールス、AWB発行、 運賃収受、貨物が航空運送に適合した状
態であることのチェック等を行う。
【混載貨物(Consolidation Cargo) 】
配達
受
人
リンク : 混載貨物の割合
荷
①混載業者=利用運送事業者
→ 飛行機を持たない運送人、 ハウスAWBで荷送人と運送契約
②混載業者は航空会社と運送契約(荷送人vs運送人)
③混載業者は航空代理店としての資格を持ち、AWB発行
仕分
通 関 業 者
航空輸送
引渡し
仕分代理店
運送契約
( 着地サイド )
航 空 会 社
搬 入
航 空 会 社
人
利用運送契約
混載業者
送
セールス
集 荷
兼( 航空代理店 )
荷
( 発地サイド )
航空会社による輸出貨物の運送取扱い
1. 貨物ターミナルに搬入された貨物を受託する。
“Ready for Carriage”1/状態になっているかチェックして受託
貨物チェック、書類チェック、受託・保管場所の登録
2. 出発便に合わせて貨物と書類を準備する。
航空便への搭載計画、コンテナ・アサイン、コンテナへの貨物積付、
貨物マニフェストの作成、税関手続き(貨物搬出)、ターミナルから貨物搬出
3. 貨物を出発便に搭載する。
航空便の駐機場所まで搬送、貨物室への積込み、
書類の積込み(Document Pouch)
4. 便出発後の事務処理をする。
宛地への連絡、予約部門に搭載計画との差異報告、
事前報告を求めている国への積荷報告、税関に貨物マニフェストを提出(搬出届)
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------1/ Ready for Carriage : 貨物が航空運送できる状態になっていること。具体的には、
①AWBが作成され、
②必要な添付書類が整えられ、
③航空輸送に適した 梱包がされ、
④梱包上のマーキングおよびラベルが貼られている、こと。
リンク : 輸出貨物の流れ(NAAパンフレット)
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航空貨物の予約業務(1)
航空貨物
フォワーダー
荷主A
出荷
予定
荷主B
荷主C
LAX宛
混載
出荷
予定
出荷
予定
LAX行き
SHA行き
航空便の
予約
SHA宛
混載
混載仕立計画
航空会社
予約部門
便の搭載計画
①荷主は航空貨物フォワーダーに出荷予定を伝える。
②フォワーダーは貨物の出荷時期・宛地別に混載貨物を仕立てていく。
③フォワーダーは混載貨物の出荷量を把握して、航空会社にスペースをリクエストする。
④航空会社の予約部門はフォワーダーのリクエストに返事を行い、便に搭載する予定の貨物の
リストを作成する。接続便がある場合、初めの航空会社が接続便の予約を行う。
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航空貨物の予約業務(2)
航空機は搭載可能な重量が限られている。また、航空機
は貨物室の容積以上に積むことはできない。従って、航空
会社は重量と容積の両方から予約管理を行う。 1/
内容積
18m3
(63ft3)
243cm
(8ft)
243cm
(8ft)
317cm
(10ft)
M-1コンテナ
B747-400F 貨物搭載重量 :約110トン 2/
容積:約600m3 3/
ULD数:メーンデッキ 30個
ロアデッキ 10個
内容積
9m3
(32ft3)
162cm
(5ft)
223cm
(7ft)
317cm
(10ft)
LD-7コンテナ
リンク : B747-400F最大貨物寸法 ,
B747-400最大貨物寸法(バラ積み貨物室)
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------(注)1/重量の制約、容積の制約: :光ケーブル、ワイン、鋼鉄製の機械等のように比重が高い貨物が
多い場合は、重量が制約になる。ヒヨコ、おもちゃ、衣類等のように比重が低い貨物が多い
場合は、容積が制約になる。
2/貨物搭載可能重量 = 最大離陸重量 − 機体重量 − 燃料重量 − ULD重量
3/10トン・トラックの12台分ほど (10トン・トラックの容積は50m3位)
航空貨物の運送引受け(貨物受託業務)
(原則)航空会社は、あらかじめ運送約款その他の規則等で受託不可、もしくは
条件付受託可としている貨物以外は、便が運航する限り、あらゆる貨物の
運送を引受ける。ただし、次の様な条件がある。
(1)当該貨物の運送または輸出入が運送に関係する国々の法令や規則に触れないこと
(2)当該貨物が航空機による運送に適した方法で梱包されていること
(3)当該貨物の運送のため必要な書類が添付されていること
(4)当該貨物が航空機、人もしくは財産に危険を与えまたは乗客に迷惑をかけるおそれの
ないこと
運送引受けの制限
(1)価額制限:1件10万ドル、1機あたり2百万ドルを超える場合
(2)重量・サイズ制限:使用航空機によって制限がある
(3)品目による制限:銃器、遺体・遺骨、生きている動物、変敗物、危険物
(4)運賃着払い不可:変敗物、生きている動物、別送手荷物、遺体・遺骨等
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航空便への搭載のための準備(出発便業務)
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(1 )貨物情報シス テムから、予約貨物のリ 大口貨物をULD単位に割り当てる。
ス トを取り出し、搭載計画を立てる。
何台のULDを航空便に搭載するか計画する。
(2 )搭載計画に基づいて、ULD(パレット、
コンテナ)に貨物を積みつける。
積み付けの結果(AWB何番の貨物をULD番号何番に積み付けたか、
およびULD毎に測定した重量)をシステムに登録する。
(3 )カーゴ・ マニフェストを作成する。
便名、航空機番号、宛地、AWB番号、個数、重量、品目等を記入す
る。(システムで自動的に作成)
(4 )税関手続き
税関に航空便に搭載予定の貨物のマニフェストを提出して搬出許可
を得る。
(5 )航空便への搭載のために、貨物をター 貨物が積み付けられたULDを貨物ターミナルから搬出して、航空機
ミナルから搬出する。
が駐機しているスポットまで搬送する。
(6 )貨物と書類を航空便に搭載する。
書類(マニフェスト、AWB、混載書類)は書類カバン(Document
Pouch)に入れて、航空機に搭載する。
(7 )事後処理を行う。
宛地に搭載貨物の情報を送る。予約貨物と実際に搭載した貨物の
差異を予約部門に連絡する。関係書類をファイルする。税関に最終
的に積み出した貨物のマニフェストを提出する。
輸入貨物の流れと航空会社・フォワーダー業務
荷受人
航空会社
空港上屋
(着地)
航空機到着
航空会社の
輸入運送業務
航空貨物
フォワーダー
航空貨物
通関業者
国際宅配
業者
航空貨物
通関業者
貨物を到着航空機から取りおろし
貨物を航空会社の輸入上屋に搬入
航空会社が貨物を航空機から
パレット・コンテナのブレイクダウン
取りおろして から、フォワーダー
書類と貨物の到着確認
に引渡すまで
継越貨物と輸入貨物を仕分け
荷受人への引渡し準備
貨物を航空会社上屋で受け取り
受け取った貨物を仕分け
フォワーダーが貨物を航空会
貨物を一時保管
社から受け取って から荷受人
輸入通関
に配達するまで
荷受人宛に配送
荷受人宛に貨物を引渡し
リンク : 輸入貨物の流れ(NAAパンフレット)
荷受人
荷受人
荷受人
荷受人
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航空会社による輸入貨物の取扱い
1. 航空機が到着する前に準備をする。
貨物取卸機材の待機、特殊貨物受入れ準備、荷受人への連絡
2. 到着した航空機から貨物を取卸す。
航空機からの貨物取卸し、貨物ターミナルへの搬送
3. 貨物ターミナルで貨物と書類をチェックする。
貨物マニフェストと貨物の照合
貨物運送状のチェック
貨物マニフェストを税関に提出
運送状の仕分け
(輸入貨物と継越貨物)
運賃審査
4. 貨物を荷受人に引渡す。
到着通知
書類引渡し
貨物引渡し
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B777-300旅客機の貨物室
出所: JAL Dimensions Guide
リンク: B777-300貨物ドアのサイズ、搭載可能重量、温度
リンク: B777 Cargo Loading http://www.youtube.com/watch?v=76f1HuNaKn8
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B747-400Fの貨物室
(例)貨物搭載重量:約100トンのケース
離陸重量: 380トン
−)航空機重量:180トン
−)燃料重量: 100トン
貨物重量: 100トン
出所 : JAL Dimensions Guide
リンク : 貨物ドアのサイズ
Main deck(写真)
Lower deck(写真)
航空機のパレット、コンテナ(ULD)
バラ積み
B737
コンテナ積み
MD90
航空機への貨物の積込み、取卸しが短時間で出来るように、予め、パレット
やコンテナにユニット化。広胴機の出現で一般化。
B777-200
出所 : JAL Dimensions Guide
B787-8
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Unit Load Devices(パレット)
20フィートパレット
96インチパレット
88インチパレット
ロワーデッキ用パレット
出所 : NCA home page & Boeing home page
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Unit Load Devices (コンテナ)
AMDコンテナ
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AAFコンテナ(ロワーデッキ用)
AMAキャンバスコンテナ
AKEコンテナ(ロワーデッキ用)
ホースストール(生馬輸送用)
AMAソリッドコンテナ
出所 : NCA home page
キャトルペン(生牛輸送用)
MAP/RAPコンテナ(保冷貨物用)
リンク : A300断面
航空機への貨物の搭載
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ノーズドアからの貨物の搭載
サイドドアからの貨物の搭載
ノーズドアからの貨物の搭載
ベリーへの貨物の搭載
出所: JAL(写真)
リンク: http://www.youtube.com/watch?v=yrHOwZQ300k
https://www.youtube.com/watch?v=HRpzPeGfh6k
バラ貨物のバルク貨物室への搭載
危険物の航空輸送
危険物とは:航空輸送される場合に、人、物、航空機に危害を及ぼすおそれのある物
関係規則に定められた条件が満たされた場合のみ輸送が可能
規則の統一:危険物の航空輸送については、ICAOで国際的に規則を統一している。
IATA規則:ICAO規則に基づいて、IATA危険物規則が定められている。
危険物の輸送に携わる者は教育訓練を受けなければならない。
危険物の種類: I. 火薬類 II. ガス類 III. 引火性液体 IV. 可燃性固体
V. 酸化性物質および有機過酸化物 VI. 病毒性物質
VII. 放射性物質 VIII. 腐食性物質 IX. その他の有害物質
荷送人の責任: I. 各種法令の遵守
II. 梱包に関する責任
III. マーキングおよびラベルの貼付責任
IV. 「危険物申告書」の作成責任
危険物と思われないような ものでも注意が必要な 例:
自動車(バッテリー、ガソリン等) 雄牛精液(液体窒素) 晴雨計(水銀)
医療器具(アルコール、ガスボンベ) スピーカー(磁性物質) ラッカー(引火性)
冷凍果実(ドライアイス) 殺虫剤(可燃性、毒性)
リンク : ①危険物貨物
②危険物手荷物
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危険物のラベル
I. 火薬類 II. ガス類
III. 引火性液体
IV. 可燃性固体
V. 酸化性物質および
有機過酸化物
VI. 病毒性物質
VII. 放射性物質
VIII. 腐食性物質
IX. その他の有害物質