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マネジメント・インタビュー

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マネジメント・インタビュー
インタビュー参加者
原
良也
大和証券グループ本社
代表取締役社長 兼 CEO
清田
瞭
大和証券SMBC
代表取締役社長
秦野
輝男
大和証券投資信託委託
代表取締役社長
川上
達彦
大和総研
代表取締役社長 兼 CEO
本日はお集まりいただきありがとうございました。
皆さんには大和証券グループのグループ戦略、および
グループ各社の戦略的な問題についてお話しいただ
きたいと考えています。
それではまず、全般的な質問から始めたいと思いま
すが、2001年度を振り返った時、最も重要な戦略的
な決定は何であったのでしょうか。原社長からお願
いいたします。
原
2001年度の経営目標の第一は、大和証券グループブ
ランドの構築でした。この点については、のちほど私
の考えを申し上げます。昨年度中に下した主な戦略的
決定としては、グループ中期経営計画の見直しと、
グループで保有するグループ外向け賃貸不動産の
評価減、この2つが挙げられます。
同中期経営計画は、2000年度から2002年度、すなわち
2003年3月期までの3年間を対象としています。当初の
計画ではその終了時までに、連結 ROE(株主資本利
益率)15%の安定的達成、リテール営業資産の28.3兆
円への倍増、内外主要格付機関から「A」格以上の格
付を取得(証券子会社2社)、という3つの達成すべき
経営目標を掲げていました。しかし、この2001年度中
には、収益力の低迷、グループ外向け賃貸不動産の評
価減計上に加え、一部格付機関から格下げを受けま
した。また、大手証券会社 3 社中、唯一大和証券のみ
がリテール営業資産を拡大したにもかかわらず、結
局は株価値下がりの影響を受けて 2002 年 3 月末の資
産残高は目標を大きく下回りました。これらは結果
的に、経営目標を達成するのに十分な水準ではな
かったと認めざるをえません。
今回見直した経営目標は、3つのうちリテール営業資
産に関する目標のみです。ROEと格付に関する他の
2つの目標は変更していません。リテール営業資産に
関する目標のみを見直した理由は、当初の目標の
前提条件が計画を策定した当時の証券市場の動向を
反映しており、一方で現在の状況を考えれば、当社
単独の経営努力を超えるものであるからです。
そこで、中期経営計画の最終年度にあたり、大和証券
のリテール営業資産の増加に関しては、外部環境、
市場情勢などの変化を考慮して時価の変動を含めな
い純流入額で2.9兆円を目標としました。
マネジメント・インタビュー
不動産事業の再編に関しては、現在の日本の会計慣
行下、当グループが経営資源を証券関連業務へさら
に集中させ、資本効率を高めるため、収益性の低い
不動産賃貸事業から撤退し、固定資産を売却すると
いう判断で行なったものです。また、今期に予定し
ているニューヨーク証券取引所上場に向けて日本の
会計原則と米国会計基準との差異を解消する必要も
ありましたし、 2006 年 3 月期に日本でも減損会計の
導入が予定されています。今回の不動産事業再編は、
ここ数年の間に当グループがバランスシートの改善
のために行なってきた一連の取り組みが最終段階に
入ったことを意味します。
それでは、2003年3月までの経営目標として、
ROE15%を達成すること、そして格付で各機関から
A 格以上を取得することは依然としてグループの目
標なのでしょうか。特に A 格の達成についてはどの
程度現実的なものなのでしょうか。
原
ご質問の主旨は、ごもっともだと思います。実際、現
在の環境で主要格付機関は格付を引下げるのは迅速
な反面、引上げに関しては非常に慎重だと思います。
し た が っ て 、 そ の 達 成 は 容 易 で は な い で しょう 。
しかし我々の目標は、今年度末までに A 格以上に匹
敵する財務・経営体制を確立するということです。
各格付機関による評価は、それに続いて適時に反映
されるものと考えています。ただし補足すれば、こ
れは2段階の格付向上が不可能だと言っているのでは
ありません。当グループでは、今年度の企業業績が
V 字回復することを予想していますし、これが現実
なものとして見えてきた場合には、私どもの収益力
の急回復が評価され、それにふさわしい格付に上昇
すると考えています。
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では、敢えてうかがいますが、その予想と異なり、
企業業績の V 字回復が実現しなかった場合はどうな
るでしょうか。グループ全体、及び大和証券 SMBC
に対するさらなる格下げはあり得るのでしょうか。
この格下げが起こった場合について、原社長、清田
社長にお尋ねします。
原
グループ全体という視点で見れば、格下げの最大要
因はリテール証券会社である大和証券の収益力が
低いということです。清田社長が率いる投資銀行、
大和証券SMBCは、2001年度は2000年度と比較すれ
ば大幅にダウンしたものの、なお相応の利益を計上
しています。
2001年度はリテール証券会社にとって最も振るわな
い年のひとつに数えられた年度でした。このような
状況の中、同社では販売費・一般管理費(販管費)
を削減し、現在のような市況を前提としても損益分
岐点を上回る収益をあげられるまでになっています
し、さらに市場環境が回復した場合に備えて万全の
体制を整えています。したがいまして、さらなる格
下げの惧れはほとんどないと見ていますし、その十
分な根拠もあります。
清田
私が社長を務めている、当グループの投資銀行であ
る大和証券SMBCに関しても、原社長の指摘のように
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これ以上の格下げの惧れはないと思います。仮に格
下げされた場合、影響が全くないとはいえませんが
深刻なものではありません。例えば、デリバティブ
業務のようなお客様との契約を伴うビジネスを行な
ううえでは何らかの影響が起こりうると思いますが、
トレーディング業務に大きな影響があるとは考え難
いと思います。
旧大和証券が持株会社体制へ移行し、現在の三井
住友銀行である当時の住友銀行とホールセール分野
で提携関係を結んでから 3 年が経ちました。そこで
これまでを振り返り、この 3 年間についてうかがい
たいと思います。特に、当初の予想通りうまくいっ
た分野と、逆にそうでもなかった分野についてお話
いただけますか。
原
持株会社によるグループ経営体制への移行をはじめ、
一連の経営改革を進めてきて、私が大和証券グループ
として良い方向に進んでいると考えている点は2つあ
ります。
まず第一に、持株会社体制を採用することで可能と
なったグループ内の効率性の向上です。リテール及
びホールセール証券会社を分離することによるメ
リットは、その両社が各ビジネス分野の専門性を高
めるという観点からいえばますます明らかなものと
なりました。
そして第二点として、昨年度からスタートした当グ
ループのコーポレート・ブランディング・プロジェクト
の進展ですが、この点に関しては私個人としても満足
しています。ここで、このプロジェクトの狙いは対外
的なものよりもむしろ社内的なものにあるということ
を強調しておきましょう。プロジェクトのさまざまな
活動を通して私たちが築き上げていきたいものは、
お客様を中心に据えたグループ共通のコーポレート・
カルチャーです。これは非常に長期に渡る課題ですが、
私たちは少なくとも、その基盤を構築することができ
たと考えています。
清田
大和証券 SMBCのビジネスについていえば、当社の
設立以来、私たちは三井住友銀行の持つ極めて広範
な顧客基盤と多くのスキルに基づいて、目に見える
結果を出してきました。その一例を挙げますと、
2001年度に当社は初めて普通社債の引受リーグテー
ブルでトップの座を獲得することができました。
その他にもストラクチャード・ファイナンス、デリ
バティブ、M&Aといった新しいビジネス分野におい
て、明らかに提携のメリットがありました。デリバ
ティブ分野で例を挙げると、極めて独自のストラク
チャーを有する元本保証の仕組債である 円満債
を開発・組成して販売実績をあげ、お客様から高い
評価を得ることができました。また、新規公開(IPO)
業 務 に お い て も 、結 果 と し て は 第 2 位 で し た が 、
JASDAQ、マザーズ、ナスダックジャパンの新興企業
向け3市場に限れば2001年度は第1位の座を獲得して
います。さらに、三井住友銀行からの紹介による新規
公開予定企業のマンデート獲得数が前年度の 2 倍に
拡大しており、今後に大きな期待を持っています。
このように、同銀行との提携はすでに多くの分野で
実を結んでいます。
これから成果を出すべき分野としては、エクイティの
引受業務があります。この分野でも、同銀行が有する
ネットワークへのアクセスが当社にとっての大きな
チャンスになると期待されたのですが、未だ顕著な
結果を出すには至っていません。この点に関しては
現在でもまだ満足していないのです。
マネジメント・インタビュー
それではここで、リテール証券会社である大和証券
へ目を向けたいと思います。同社の社長としてうか
がいますが、原社長ご自身はリテール営業戦略にお
ける同社の店舗網の果たす役割についてどうお考え
ですか。要するに、コールセンターとオンライン証券
取引で最も成功を収めている証券会社の1つとして、
大和証券はなぜその広範な営業拠点も必要とするの
でしょうか。例えば、その支店網を首都圏及び大都
市圏のみに縮小し、その他の地域はコールセンター
とインターネットでカバーする方が合理的で大幅な
コスト削減になるのではないでしょうか。
原
現在の126本支店という店舗網は、大和証券が効率的に
営業するために必要最小限の規模だと考えています。
と申しますのも、実際に各支店が果たすべき役割は、
個人のお客様に対するサービスのみならず、各地方の
企業、公益法人、そして金融機関などへのサービスも
含まれるからです。特に今後の普通預金を含めたペイ
オフの完全実施、そしてそれに続くであろう証券市場
への資金流入を考えますと、ただいま申し上げた潜
在的なターゲットは非常に魅力的です。そこで、
大和証券の店舗網が持つ戦略的な重要性が明らかにな
ります。一方、低い手数料率ゆえに短期間に売買を繰
り返すオンライン取引に対してニーズがあるのは明ら
かですが、それが私どもにとって魅力的かつ注力すべ
き分野であるとは考えていません。私どもがダイワ・
コール及びダイワ・ネットで提供するコールセンター、
インターネットでのサービスについても、長期的視点
でお客様の資産形成をサポートしていくことに主眼が
置かれています。このアプローチでは、何かあった時
にお客様が足を運んでいただける店舗網の存在が不可
欠です。昨年10月からスタートした全店における土曜
日開店は、次第にご来店いただけるお客様数も増加し
ており、今後の大和証券の顧客層拡大に大きく貢献す
るはずです。
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今年度、私どもは新しい「エリア戦略」に基づいて、
首都圏及び大阪地域において大規模な支店網の再編
を行ないます。基本的な考え方は、地域によって顧客
層に違いがあり、そうすると商品・サービスに対す
るニーズも当然変わってくるという認識から、支店
網をいくつかのエリアに区分し、エリア毎にマーケ
ティング営業を推進するものです。そこで「母店制」
と呼ぶ体制のもとで、エリア毎に基幹店を設置し、
地域特性に合わせた営業展開を行ないます。各基幹
店は数カ店の店舗を統括します。首都圏では全 50店
舗を10エリアに分けます。一方、大阪地域では全11
店舗を2エリアに分けます。今後は、基幹店を中心と
したエリアが1つの経営ユニットになります。
この母店制によって数多くの成果が出てくることを期
待しています。全店一律型の営業推進体制から、各エ
リアの特性に合わせた効率的な営業体制を構築し、
ペイオフ解禁という大きなビジネスチャンスを捉える
ためのマーケティング営業を展開していきます。
さらにリテール証券会社である大和証券についてう
かがいます。同社では2001年度中に販管費を大幅に
削減したということですが、実際には、より大規模
な削減も可能だったのではとも思われます。その点
についてどうお考えですか。
原
販管費についてはできる限りの削減を行ない、2001
年度中に連結ベースで前年度比約1割削減しました。
これは大規模な雇用調整なしで達成したものですが、
その意味では確かにより一層の削減も可能であった
でしょうし、実際に大幅な人員削減を実施した競合
会社もあります。しかしながら、当社では人員削減が
及ぼす従業員の士気への悪影響、培ってきた企業
カルチャーの喪失こそが実際に大きなダメージにな
ると考えています。そして短期的な利益の確保より
もむしろ、市場環境が改善した時に、十分な人的資源
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を確保して収益機会を的確に捉える方を重視したと
いうことです。
それではここで、大和証券投資信託委託の秦野社長
に、2002年度において御社がチャレンジすべき目標、
課題等についてうかがいます。
では総括として、この2002年度における大和証券で
の主なトピックは何でしょうか。
原
すでに言及しましたように、当社では、ペイオフ解禁
によって銀行預金から証券市場への資金流入を見込
んでいます。そこでより一層、マーケティング力を
高める必要があります。商品戦略としては投資信託
が重要です。やはりまず、 MMF (マネー・マネー
ジメント・ファンド)が銀行預金に代替するものと
して挙げられるでしょう。このMMFは銀行預金に近
い利便性と安全性を備える一方、証券運用によって
比較的高いリターンを提供する投資信託です。MMF
については、ここで、今年2月に大和証券グループの
資産運用会社である大和証券投資信託委託が、同社が
運用する MMFから額面 1,436億円の満期保有目的有
価証券を買い取ったことに触れておきます。これは、
同額の投資有価証券として連結バランスシートに含
まれていますが、ダイワMMFに対するお客様からの
信頼を保つために、投資信託協会の新ルールに則り
長期的な観点に立って決めたものです。この決定は
大変難しいものでしたが、中長期的に見れば、株主
の皆様の利益にも資すると考えています。MMF以外
にも、現在の市場環境のもとでは、海外市場の高金
利を狙った外貨建て債券やこれらを組み入れた投資
信託を積極的に展開しています。
そして最後になりますが、特に、ミドルリスク・ミドル
リターンの商品を開発し、お客様の資産運用ニーズ
に応えていかなくてはなりません。そのためには大
和証券投資信託委託の株式投資信託のパフォーマン
スが向上することを期待しています。
秦野
当社では、原社長がすでに述べたグループ中期経営
計画の各目標に加えて、 3 つの目標を達成すべく、
2002年2月に大幅な業務再編を実施しました。
第一に、当社の資産運用部門とリサーチ部門とを統
合し、緊密に機能させることで、当社の中核業務で
ある資産運用業務での競争力強化を図ります。
第二に、より一層お客様のニーズに合った商品開発
を展開していきます。
そして最後に、電話でのサポートによるヘルプ・デ
スクの提供など、アフターサービス全般の向上によ
るカスタマー・サービスの改善を追求していきます。
さらに2002年度での最優先課題は、ファンドの運用
成績及びリサーチ能力の向上と、より一層のリスク
マネジメント力の充実、そしてハイレベルなディス
クロージャーを行なっていくことです。
マネジメント・インタビュー
では再び大和証券 SMBC へ目を向け、清田社長に同
社の今後の課題をうかがってみましょう。
清田
2001年度に関して申しますと、成果については先ほ
ど申し上げましたが、エクイティのトレーディング
収益が2000年度と比較して低調でした。株式市場が
厳しかったとはいえ、持合い解消に伴うビジネス
チャンスを期待したほど活かせなかったことが大き
く落ち込んだ原因です。しかしながら、エクイティ
市場においてトップクラスのシェアを維持しており、
プレゼンスは決して低下していません。収益性につ
いても大和総研と協力してリサーチ・セールスの
強化に取り組んでおり、同社のアナリスト評価の向
上による収益性の向上にも大きく期待しています。
また、当社では、エクイティ、債券、デリバティブの各
商品担当部門が縦割り組織になっていたのですが、
お客様のニーズにお応えするため、商品横断的な組織
にすべく商品本部を新設する組織改正を行ないました。
今年度からはさらに人員も投入し、トレーディング
収益の拡大に取り組んでいます。
ペイオフ全面解禁を踏まえて債券部門にも注力して
います。2001年度は、下期に信用リスクが大きく問
題となりましたが、機関投資家の預金から証券市場
への資金シフトが見られます。
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その他のビジネス分野での競争力が大きく向上して
いることも強みです。すでに申し上げましたように、
普通社債の引受リーグテーブルでは初めてトップの
座 を 獲 得 し 、ス ト ラ ク チ ャ ー ド・フ ァ イ ナ ン ス や
デリバティブ、そしてM&Aの分野でも当社の競合他
社と比べたポジションは向上しています。 IPO市場
で確立した地位もすでにご説明した通りです。そして
エクイティの引受業務に関して、ここで是非お伝え
すべき朗報があります。それは今年度、日本たばこ
産業(JT)の政府保有株売出しにおいて、当社がその
主幹事に指名されたことです。旧公営企業の民営化
に関する大型案件は、当社にとって比較的弱い分野
でした。主幹事選定の基準として定量的に過去の取
扱い実績が評価される分野でしたが、これによって他
社と十分競える状況になりました。今後の民営化案件
にも希望をもって臨めるようになりました。
これらの現状を総合すると、当社は今年度、再び最強
のインベストメントバンクにふさわしい水準の業績
の達成に向けた基礎ができたと認識しています。
早急な課題としてエクイティ・トレーディング業務
の立て直しが挙げられますが、現在のところすべて
正しい方向に進んでいると確信しています。
さらに、私たち大和証券 SMBCとしては、大和総研
のリサーチアナリストの評価が劇的に向上したこと
について非常に満足しています。これまで大和総研
のリサーチ能力に関する外部評価は、決して十分に
高いものではありませんでした。これは、2000年度
における日経金融新聞でのアナリスト・ランキング
が8位に過ぎなかったことからも明らかです。それが
2001年度において同3位と大幅にランクアップしたこ
とは賞賛すべき結果です。このリサーチ能力の評価
向上が、大和証券 SMBC における機関投資家向け
リサーチ・セールス業務のみならず、投資銀行分野で
適切かつ充分に活かされることを強く願っています。
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それでは大和総研の川上社長に、このアナリスト・
ランキングの向上についてうかがってみましょう。
御社の業務においてその他の進展についてもお願い
いたします。
では最後に、原社長に2002年度におけるグループの
展望と、さらにグループ全体の今後について語って
いただくことで、本日のディスカッションを締め括
りたいと思います。
川上
アナリストに対する外部評価の向上は、当社内での
リサーチ体制の変更によるものというわけではあり
ません。実際驚くべきことに、リサーチ・レポート
の種類やスタッフの陣容に関しては、ほとんど変化
はありませんでした。当社がリサーチのスタイルの
変更を試みたり、いわゆる「スター」アナリストを
積極的にスカウトしたというわけでもありません。
そこではむしろ、そのリサーチ・レポートの提供に
際して、より合理的なアプローチを採った結果と言
えるでしょう。特に、当社のアナリストは、彼等が
提供するリサーチ・レポートについて、そのエンド・
ユーザーであるファンド・マネージャー等とダイレ
クトかつ積極的なディスカッションの機会をより多
く持っています。ランキングの向上は、このような
積極的な情報提供のアプロ−チが高く評価されたも
のと認識しています。
原
まず始めに、私どもは我が国の証券業界をリードすべ
く、常にさまざまな金融商品の開発・提供に取り組ん
でいきます。現状に甘んずることなく、常にグループ
内で革新的なものを追い求めていく姿勢が必要です。
幸いにして大和証券グループにはその革新性とパイオ
ニア・スピリットがあります。グループの持つスキル
を最大限に活用し、新商品や新サービスを提供するこ
とで業界をリードし、自ら新しいビジネス・チャンス
を切り拓いていきます。
また、リサーチ・ランキングでのさらなる向上に加え
て、私が大和総研の社長として直面している克服すべ
き課題は、コストの問題に配慮しながら、果てしなく
拡大するシステム開発へのニーズにどのように取り
組んでいくかということです。この点に関しては、
今後システム開発の一部で、中国の協力会社をさらに
活用していくことを主な戦略として考えています。
そして、私どもはグループ各社間のシナジーをさらに
追求していきます。グループとしての企業価値を
最大化することが目標ですが、そのために各社間の
シナジーを拡大し、効率的な経営を推し進めることで
グループとしての競争力を強化させていきます。
この大きな原則を守っていくことで、株主の皆様に
十分な長期的リターンを提供していきます。
今年度、つまり2002年度に関して言えば、我が国の証
券市場の動向に拠る部分が大きいことは明らかです。
しかし私どもは、決してただ座して市場の好転を
待っているというわけではありません。これまで申
し上げてきましたように、持株会社体制の導入以降、
私どもが行なってきた数々の施策が実を結ぶことに
マネジメント・インタビュー
ついては強い自信を持っています。当グループの投
資銀行である大和証券SMBCは、すでに多くの分野で
リーダーとしての地位を確立しています。同社の
エクイティ業務の回復はなお大きな課題ですが、私は
その実現に自信を持っています。リテール証券会社
である大和証券では、日本の証券市場での来たるべき
変化をビジネスチャンスとして最大限に活かすべく、
その組織の再編を実施しました。マーケットが好転
した際には、個人のお客様の証券取引に対する多様
なニーズをつかみ取る準備をすでに整えつつありま
す。グループ全体という視点で見ても、ここわずか
数年間で、業務の効率性は格段に向上しています。
今後証券ビジネスに関わるさまざまな分野で環境が
好転すれば利益に直結する体制が確立されたと申し
上げてもいいでしょう。最近の経済統計によれば、
日本経済は穏やかな循環的回復の兆しを見せていま
す。したがって、当グループにとっても最悪の時期
は脱したと言えるでしょう。私どもの業績が「 V 字
回復」するという想定が実績となって証明できた時、
金融グループとしての当社グループのプレゼンスは
さらに向上していると考えています。
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先ほども申し上げたように、当グループは今年度中の
ニューヨーク証券取引所への上場を準備しています。
当社の外国人持株比率が約30%となり、グローバル
に評価されたいという目的もあります。また、世界
経済がひとつになる中で、我々もグローバルレベル
で評価されなくてはなりません。そのためにも世界
の中心市場に株式を上場することは、当グループの
海外戦略上も意義があります。また、同取引所への
上場は、大和証券グループブランドの構築にも貢献
すると考えています。当グループは、厳しい市場か
らの目に耐えうるように、ガバナンス制度の改善、
ディスクロージャーの徹底を進めていくつもりです。
2002年度は大和証券グループの 100周年という記念
すべき年です。しかし、ただ単に過去を振り返るつ
もりはありません。私たちは次の 100 年の持続的な
成長に向け、新たな一歩を踏み出したのです。
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