医局報を更新しました。 平成24年春号

島根大学医学部内科学講座第四医局報
∼平成 24 年春号∼
島根大学医学部附属病院は旧西病棟の改修工事が終わり、現在旧東病棟の改修工事が行われています
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『道』
この道を行けば
どうなるものか
危ぶむ無かれ
危ぶめば道はなし
踏み出せば
その一足が道となり
その一足が道となる
迷わず行けよ
行けばわかるさ
∼ タイトル『道』の由来について ∼
『道』というタイトルの詩…。元々は、一休禅師の言葉だといわれていますが、一般にはアントニオ
猪木が引退セレモニーのリング上で、ファンに送った最後のメッセージとして知られています。
田邊教授は、何か新しいことにチャレンジするとき、いつもこの詩を思い浮かべ、そして新しい道を
切り開かんとする若者に、この詩を贈ってきたそうです。
島根大学医学部内科学講座第四も、常に前向きにチャレンジすることを忘れず、ただひたすらに医師と
しての『道』を進んでいこう…そういう想いを込めて、この『道』というタイトルを選びました。
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教授挨拶
内科学講座第四 教授 田 邊
一明
若葉の鮮やかな季節、皆様にはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。日
頃から大変お世話になり感謝申し上げます。内科学講座第四はこの春、循環器内科
に大嶋丈史先生(平成 20 年島根大学卒)、朴美仙先生(平成 22 年島根大学卒)、川
原洋先生(平成 22 年島根大学卒)の 3 人、腎臓内科に望月かおり先生(平成 22 年
島根大学卒)、福永昇平先生(平成 22 年島根大学卒)、中西宣太先生(平成 22 年島
根大学卒)の 3 人、計 6 人の新入医局員を迎い入れ、胸躍る春となりました。今後、
臨床、教育、研究を発展させてくれるものと期待しています。
さて、この春から島根大学評議員、医学部学生委員長、卒後臨床研修センター長を
拝命いたしました。今回は卒後臨床研修について思うところを書かせていただきます。平成 24 年度島根大学医
学部附属病院初期臨床研修には全コース合わせて 24 名が選択してくれました。定員が 50 名(来年度から 42 名)
ですので十分とは言えません。卒業生 96 名中の 24 名と考えれば大学に残る学生が 25% というのが現状です。
島根大学には地域枠推薦、緊急医師確保対策枠推薦、また島根県から奨学金をもらい将来島根県内で勤務する義
務のある学生がいますが、初期研修はその義務年限には含まれません。将来島根県内で働くことを念頭におい
て、初期研修はむしろ県外で経験したいという学生の気持ちもわかります。それでは島根大学で初期研修を行う
メリットはどこにあるのかと考えます。初期臨床研修病院として人気の高い神戸市立医療センター中央市民病院
での勤務経験において、私自身が循環器内科医として研修医に系統的な指導をした記憶はありません。彼ら彼女
らは数カ月の救急部ローテーションと 2 年間を通じての義務である救急部当直で自然と逞しくなっていったよう
に思います。しかしながら研修医たちは与えられることを待つのではなく、学ぶことに貪欲であったと思います。
循環器に興味のある研修医は他科ローテーション中でも私が毎週開催する心エコー勉強会に出席し、中には救急
で呼ばれた私の後をついて歩いてくるようなのもいました。そんな研修医ほど見違えるように成長もしていまし
た。総合病院研修の利点として、どの分野にも相談のできる専門医が揃っていることも挙げられ、実は初期臨床
研修にはとても大切なことだと思っています。つまり、ある程度の負荷と研修医の学ぶ意欲と、そして相談でき
る指導医がどの分野にもいるということで初期研修の意義と
しては十分なのではないかと思います。
「すぐ役立つことは、すぐに役立たなくなる」。これは兵庫
県にある私立灘校の伝説の国語教師・橋本武先生(今年 100 歳)
の言葉です。橋本先生の伝説の国語授業は、中勘助の小説「銀
の匙」という 200 ページほどの薄い文庫本を中学 3 年間かけ
て読みながら、独自のプリントをもとに「横道に逸れる」授
業として、テレビ、書籍、週刊誌で取り上げられています。
国語の授業にも関わらず、作品内で凧揚げのシーンがあれば
外で凧揚げし、駄菓子が登場すれば教室で実際に食べる。主
循環器内科・モーニングカンファレンス
人公が百人一首を覚えさせられるエピソードがあり、百人一
首、かるた取り大会が行われる。ひとつひとつ言葉の意味を
調べ、そこからまたどんどん横道に逸れていく授業は、今の
言葉ではスローリーディングでしょうか。必要以上に学んだ
ことがゆとりにつながる。これが本当の意味での「ゆとり教
育」です。橋本先生によれば「きっちり労力をかけて学んだ
ことは、どこかで必ず役に立つ」。翻って研修医教育です。今、
研修医向けの安直な医学書があふれています。研修医時代に
必要なことは、受け持つ患者さんや家族からゆっくりと話を
聞き、丁寧に診察し、病態を調べ、鑑別診断を考え、投与さ
れている薬の作用を調べ、必要な検査について勉強し、手技
北村順先生の闘魂注入・心電図勉強会
やその合併症への対応をシミュレーションし、貴重な経験を
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積み重ねていくことです。そして相談したい時に専門医が揃っていることも重要です。医師としてスタートする
研修医時代には時間をかけて勉強することが必要であり、大学病院は、実は横道に逸れて必要以上に学ぶ「ゆと
り研修医教育」に適した場所ではないかと考えています。また、当大学の卒後臨床研修では、島根県と一体となっ
てプライマリ・ケアを重視する地域医療の実践的教育に力を入れています。年ごとに県内外の研修協力施設は増
加しており、救急医療の研修も充実しています。多様かつ十分な数の症例を経験できるように配慮しています。
「きっちり労力をかけて学んだことは、どこかで必ず役に立つ」教育を提供していきたいと思います。
私が就任して 4 年が経過しました。医局としての目標は、就任当時より掲げてきました総合力ある専門医育成で
す。医局の総力をあげて指導に取り組んでいます。また、本年も神戸大学感染症内科・岩田健太郎教授の教室に循
環器内科新入医局員を派遣させていただきます。4 年間の実績としまして医局内に“できる先輩”が育ってきました。
人員的にまだまだ十分ではありませんが、臨床研究のために他大学と交流をしてもらう機会も出てきました。研究・
学会活動に意欲的に取り組
んでもらえる準備ができつ
つあります。引き続き「医
師として患に触れる人間関
係」を大切にしながら、顔
の見える病診連携をめざし
てまいります。今後とも島
根大学循環器内科・腎臓内
科のご支援を何卒よろしく
お願い申し上げます。
医局報告
循環器内科 講師(学内) 高 橋
伸幸
平成 5 年卒業、12 期生の高橋伸幸です。昨年 11 月に佐藤秀俊先生から医局長を
引き継いで、初めての春が来ました。入局者があるか否かと不安に駆られましたが、
この春は腎臓内科に望月かおり先生、福永昇平先生、中西宣太先生、そして循環器
内科に大嶋丈史先生、朴美仙先生、川原洋先生というフレッシュマン 6 人が入局と
いう大変嬉しい春になりました。
しかし、開業等で退職された先生方や関連病院での研修等にて、大学本体には腎
臓内科で 5 人、循環器内科で 12 人という状況です。他大学や院内の他の診療科と
比較しましても、臨床・研究・教育の全てを今以上に充実させるためには、まだま
だ人手が不十分な状況です。田邊教授が 2008 年 5 月
に着任され、新体制となって今年で 5 年目を迎えます。
我々医局員としましても、臨床は勿論ですが、学会発
表や論文等の研究面も今まで以上の結果が求められる
と思います。そして今後医学部 6 年生の臨床実習期間
が延長され、卒業試験が廃止される方向となったそう
でして、3 年生・4 年生のチュートリアル教育や 5 年生・
6 年生の臨床実習中の教育の重要性が非常に増す事に
なります。そのため、学生教育における医局の果たす
役割も今以上に大きくなると思われます。そのために
も医局員の更なる充実が必要です。来年そして再来年
と、更に良き春が迎えられるように、新入医局員の勧
岡田大司先生、花田昌也先生送別会
誘を今まで以上に積極的に行いたいと思います。関連
(平成 24 年 4 月から岡田先生は神戸市立医療センター中央
病院の先生方や同門会の諸先生方の益々の御指導・御 市民病院循環器内科、花田先生は聖マリアンナ医科大学腎臓・
鞭撻のほど何卒宜しく御願い申し上げます。
高血圧内科に出向されました)
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医局報〜春号〜に寄せて
腎臓内科 講師 伊 藤
孝史
平成 24 年 4 月 1 日、また新しい年度が始まりました。私が島根大学医学部附属
病院腎臓内科の診療科長に赴任して丸 4 年が経過しました。少しずつ大きくなって
きている腎臓内科とともに自分自身も成長したいという思いを持ち、新たなスター
トを切りました。
腎臓内科内では、またいろいろな新しいことが始まりました。まずは、3 年間と
いう腎臓内科始まって以来の長期間にわたり川崎医科大学腎臓・高血圧内科(柏原
直樹教授、佐々木環教授)に出向していました岡朋大先生が満を持して当院に帰っ
てきてくれました。全国でも有数の腎臓・高血圧専門の大学病院で研修してこられ、
早速その経験を発揮していただいています。また、この 1 年間実質の病棟医長として支えてくれた花田健先
生は、病棟、外来業務も今までのように行いながら、発生生物学教室(大谷浩教授)で基礎研究を始めます。
今までは、基礎研究に目を向ける余裕のなかった腎臓内科ですが、花田先生が新たな風を吹きこんでくれる
ことを期待しています。さらには、望月かおり先生と中西宣太先生が後期研修医 1 年目として腎臓内科に入
局してくれました。望月先生は 4 年前の天野知香先生(現在病態病理学講座)以来の女性医師であり、今後
さらなる女性医師の入局を期待しています。中西先生は 7 月から島根県立中央病院腎臓科(金聲根腎臓科部長)
に出向していただきますが、それまでの間当院で腎臓病学のイロハを学んでいただき、中央病院で活躍して
いただく予定です。現在私も含めた5名で大学病院での診療・教育を行っております。
さらには、出向している先生達も増え、現在4名となりました。昨年 1 年間後期研修医 1 年目として頑張っ
てくれた花田昌也先生は、花田健先生が研修をしていた聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科(木村健二
郎教授)に出向していただきました。持ち前のガッツでたくさんのことを学び、一回りも二回りも大きくなっ
て帰ってきてほしいと思います。望月先生、中西先生とともに腎臓内科に入局してくれた福永昇平先生は、
鳥取県米子市の山陰労災病院(中岡明久腎臓内科部長)に出向していただきました。以前は松井浩輔先生、
花田健先生も出向していた病院ですので、中岡部長のもとで思う存分活躍していただきたいと思います。また、
昨年から東京の貴友会王子病院(窪田実院長)でがんばっている松井浩輔先生は、まずはもう一年王子病院
で頑張っていただきます。腹膜透析では日本有数の病院ですが、その中でも十分に実力を発揮してくれてい
ます。昨年から島根県立中央病院腎臓科で頑張ってくれている江川雅博先生ももう一年頑張っていただきま
す。同じ出雲市内ですので、江川先生の頑張りはよく耳にしておりますが、7 月からは自分自身のことだけ
ではなく、中西先生の指導役としても頑張っていただきたいと思います。
島根県内の腎臓病医療に目を向けてみますと、いまだ腎臓・透析関連の医師不足は深刻化しており、我々
腎臓内科の果たすべき役割の大きさは、日に日に増して行っているように感じております。島根県全域から
診療援助の依頼を頂いておりますが十分に応えきれず、診療科長として責任を感じております。少しずつで
はありますが、腎臓内科も大きくなり、力もつけてきておりますので、日本腎臓学会、日本透析医学会の認
定施設として、少しでも早く各専門医を育成し、地域の腎臓病診療にお役に立ちたいと考えております。
現在透析患者さんは全国で 30 万人を越え、島根県でも慢性腎臓病(CKD)患者さんは少なくはありません。
島根県内各医師会で講演会をさせていただきながら、CKD 管理の重要性およびその方法については十二分に浸透
してきたと感じております。また、一般市民の方々への啓蒙にも力を入れ、世界腎臓デー(毎年3月の第2木曜日)
にあわせて恒例の街頭キャンペーン、さらには昨年 8 月には第 1 回の市民公開講座も開催させていただきました。
基礎研究面では今まで細胞や動物を用いた実験を行えてはおりませんでしたが、前述のように花田健先生
が発生生物学教室での研究を始め、まず第一歩を踏み出したと思います。臨床研究では、「慢性腎臓病患者に
おける血圧日内変動と腎予後、および心血管障害の関連性」という研究を当院で開始するとともに、日本腎
臓学会や厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業「進行性腎障害に関する調査研究」の前向き研
究に参加しております。
引き続き、学内のみならず、学外(島根県内、山陰地方、全国)でも積極的に活動していく所存でござい
ますので、内科学講座第四同門会の先生方におかれましては、今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よ
ろしくお願い申し上げます。
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医局員紹介
腎臓内科 岡 朋大
平成18年島根大学卒
腎臓内科の岡朋大と申します。今年の 4 月に大学に戻っ
てまいりましたので帰局の報告をさせていただきます。私は 2006 年 3 月に島根大学医学部を
卒業後、2 年間の初期研修を母校で行い、その後、腎臓内科へ入局しました。1 年間大学で腎
臓内科医員として勤務後、2009 年 4 月から 3 年間川崎医科大学腎臓内科で研修を行いました。
川崎医科大学腎臓内科は柏原教授、佐々木教授以下臨床を行うスタッフが 15 人程度、大学院生
が 5 人程度の大きな教室でした。私はシニアレジデントしてどれかの分野に特化してということはなく、病棟業務をメ
インに研修させていただきました。川崎医科大学附属病院は 1182 床もあり、大きな病院であるため、患者数も非常に多く、
様々な症例を多数経験できました。腎炎やネフローゼの患者もいましたが、特に透析導入患者が多く、腹膜透析も多数
経験し、腹膜透析導入から管理の仕方まで勉強することができました。緊急透析が必要な患者に対しての透析用カテー
テルを挿入しない月はないというくらいたくさん経験することができました。複雑で重症な症例も多く、複雑な症例ほ
ど病歴が重要であり、病歴・検査結果から仮説を立てて治療方針を考えることの重要性を学びました。
晴れ国と言われているだけあって、冬は寒いですが雪が積もることもなく、ほとんど晴れている点、どこ
へ行くにしても交通の便が良い点、倉敷駅前にアウトレットモールができましたが、いろいろなお店がある
点など 3 年間を過ごした倉敷はとても住みやすいところでした。
最後に川崎医科大学で経験したことを生かして島根大学の腎臓内科医員として、また、第 4 内科医局員として島根
の腎疾患医療に貢献したいと思いますので、今後とも御指導・御鞭撻を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
新入医局員
循環器内科 大 嶋
丈史
平成20年島根大学卒
洋
平成22年島根大学卒
平成 24 年 4 月から新入局員として循
環器内科に加わりました川原洋と申し
ます。平成 15 年に山口県立宇部高等学
校を卒業し、島根大学医学部に入学し
ました。卒業後 1 年 3 カ月間は松江赤十字病院で研修を行い、
その後 9 カ月間は島根大学医学部附属病院で研修を行いまし
た。島根大学に帰ってきてはじめて研修を行った診療科が循
環器内科でした。田邊教授をはじめとして医局員全員が医師
として、また、人として尊敬できる方々であり、私もその一
員になれたらと思い循環器内科に入局しました。
循環器内科医として歩き始めたばかりでわからないこと
が多々ありますが、危ぶむこと無く、一足一足踏み出して
行こうと思います。この道を行けばどうなるものかわかり
ませんが、諸先生方の御指導のもと、一生懸命迷わず進ん
で行くつもりです。至らぬことが多く、同門の先生方には
御迷惑をおかけするかもしれませんが、今後ともよろしく
お願い申し上げます。
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美仙
平成22年島根大学卒
大嶋丈史です。ジョージと呼ばれて
いますが“たけし”です。趣味はソフ
トテニスです。早く頼られるドクター
になりたいです。夢は 1 歳 3 カ月にな
る娘と楽しく暮らすことです。今も楽しいです。諸先輩方
よろしくお願いします。
循環器内科 川 原 循環器内科 朴
私は今年度より新たに循環器内科
に入局致しました。3 年目の後期研修
医といえども、循環器内科医としては
1 年目であり、わからないことが途方
もなく多く、日々学んでおります。日々の診療はとても楽
しいです。心臓はじめ全身血管という生命に最も関与した
循環器内科という領域に携わることができて、うれしい気
持ちとともに、緊張・不安な気持ちも存在します。しかし、
患者さん達に喜んでもらえるように日々努力したいと思っ
ております。今後ともよろしくお願い致します。
腎臓内科 望 月 か お り
平成22年島根大学卒
この春、島根大学第 4 内科・腎臓内
科に入局致しました望月かおりと申しま
す。静岡県の出身ですが、学生時代のポ
リクリで腎臓と腎臓内科とに魅了され、
その頃より心密かに入局を決意し、ついにこの 4 月から第 4 内
科・腎臓内科への仲間入りをさせていただくこととなりました。
「心臓が悪ければ腎臓も悪くなる、その逆も然り」・・・心腎連
関とはそんな悪循環を表した言葉ですが、循環器内科と腎臓内
科が一つになったこの医局に入らせていただいたからには、良
い意味での心腎連関を循環器内科の先生方と築かせていただけ
るよう、研鑽を積んでいきたいと思っております。至らぬ点が
多く、ご迷惑をおかけすることも多々あるかと思いますが、何
卒ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
初めまして。島根大学医学部の平成 22 年度、29 期卒業、
また平成 24 年 4 月から腎臓内科医として島根大学医学部
平成22年島根大学卒
附属病院内科学第四に入局させていただきます中西宣太
と申します。私は生まれが出雲であり、それから今まで
26 年間島根県で生活をしており、この地域にはずっとお世話になり続けております。今後も島根に
根ざした医療を行うべく、一層精進していきたいと考えております。周囲の皆様には、ご迷惑をお
かけすることも多いかと思いますが、何卒よろしくお願い致します。
腎臓内科 中 西
宣太
この度、島根大学医学部内科学講座第四に入局いたし
ました福永昇平です。出身は奈良県で学生時代は演劇部
平成22年島根大学卒、山陰労災病院
に所属しておりました。腎臓内科を専門として勉強させ
ていただくことになりました。早いもので、学生・研修
医と 8 年間が過ぎました。今年の 4 月より心機一転、米子市にある山陰労災病院腎臓内科に勤務し
ております。大学病院とはまた違う所も多く、まだまだ慣れない事もたくさんありますが、一日一
日が非常に勉強になります。他の内科もそうですが、循環器・腎臓は特に全身疾患と深く関与して
おり非常に興味深い診療科であると思います。腎臓内科としてはもちろんですが、内科医としてき
ちんと成長できるよう日々精進していきたいと思います。田邊教授はじめ、伊藤先生、医局員の皆様には色々とご迷惑
をお掛けすると思いますが、ご指導・ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。
腎臓内科 福 永
昇平
業 績
論文・著書・総説
(2011 年 11 月以降)
1. Daimon M, Watanabe H, Abe Y, Hirata K, Hozumi T, Ishii K, Ito H, Iwakura K, Izumi C, Matsuzaki M, Minagoe S,
Abe H, Murata K, Nakatani S, Negishi K, Yoshida K, Tanabe K, Tanaka N, Tokai K, Yoshikawa J, for the
Japanese Normal Values for Echocardiographic Measurements Project(JAMP)Study Investigators. Gender
differences in age-related changes in left ventricular geometry and function. An echocardiographic study in a
healthy population. Circ J 2011; 75: 2840-2846
2. 岡田大司、田邊一明.臨床講義-心臓腫瘍.臨床と研究 2012; 89: 107-110
3. 菅森 峰、田邊一明.後天性三尖弁弁膜症.循環器疾患最新の治療 2012-2013、176-179(南江堂)
4. 田邊一明.肥大型心筋症- HCM・心尖部肥大型心筋症・左室中部閉塞性心筋症を診断する.心エコー 2012;13:366-372
5. 田邊一明.高齢化社会とともに増加する大動脈弁狭窄症 . 島根医学 2011; 31: 183-187
6. 伊藤孝史、望月かおり、福永昇平、中西宣太、花田昌也、花田 健.高齢者ネフローゼ症候群に対するミゾリビ
ン療法の検討.新薬と臨床 2012; 61: 480-485
7. 花田 健.Na, Cl 濃度の異常、診断と補正の原則.輸液のコツとポイント(文光堂)
8. 田邊一明.総説:人工弁のエコー検査のコツ.超音波医学 2012(in press)
9. Chen Y, Sato H, Watanabe N, Adachi T, Kodani N, Sato M, Takahashi N, Kitamura J, Sato H, Yamaguchi K,
Yoshitomi H, Tanabe K. Factors influencing left atrial volume in treated hypertension. J Cardiol 2012(in press)
学会・研究会発表
(2011 年 11 月以降)
1. 竹田昌希、小谷暢啓、菅森 峰、佐藤正岳、遠藤昭博、高橋伸幸、佐藤秀俊、吉冨裕之、田邊一明.炎症性腹部
大動脈瘤の 1 例 . 第 105 回日本内科学会中国地方会.2011. 11. 12、米子
2. 伊藤早希、佐藤秀俊、高橋伸幸、佐藤正岳、菅森 峰、小谷暢啓、安達和子、岡田大司、吉冨裕之、田邊一明.
LQT2/3 遺伝子の compound mutation を認めた LQT 症候群の 1 例.第 105 回日本内科学会中国地方会.2011. 11. 12、米子
3. 佐藤寛大、太田哲郎、岡田大司、岡田清治、遠藤昭博、菅森 峰 、高橋伸幸、佐藤秀俊、村上林兒、田邊一明.
労作性呼吸苦を認めた肺動脈内腫瘤の 1 例.第 105 回日本内科学会中国地方会.2011. 11. 12、米子
4. 遠藤昭博、佐藤寛大、竹田昌希、高橋伸幸、佐藤秀俊、田邊一明、菅 敏光、那須博司、吉田泰之、宮坂成人.心タンポナーデ
で発症し、経過中に再燃を繰り返した急性ウイルス性心外膜炎の 1 例.第 105 回日本内科学会中国地方会.2011. 11. 12、米子
5. 岡田隆宏、花田昌也、花田 健、伊藤孝史.腎機能障害を契機に診断された多発性骨髄腫に対して Bortezomib
を使用した 3 症例.第 105 回日本内科学会中国地方会.2011. 11. 12、米子
6. 花田 健、花田昌也、伊藤孝史、小原千明、有地直子、三井要造、椎名浩昭、井川幹夫.慢性心不全患者に生体
腎移植後を行い、心機能の著明な改善を得た 1 症例.第 105 回日本内科学会中国地方会.2011. 11. 12、米子
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7. 溝口高弘、田隆 宏、花田昌也、花田 健、伊藤孝史.希釈した市販スポーツドリンクで水分補給し、歩行困難
のため緊急入院した低 Na 血症の 1 例.第 105 回日本内科学会中国地方会.2011. 11. 12、米子
8. 川原 洋、佐藤寛大、岡田大司、伊藤早希、安達和子、竹田昌希、小谷暢啓、菅森 峰、高橋伸幸、遠藤昭博、
佐藤秀俊、田邊一明.家族歴で多数の洞不全症候群、ペースメーカー歴を認め、心電図異常で紹介受診した 1 例.
第 99 回日本循環器学会中国地方会.2011. 11. 26、下関
9. 小谷暢啓,長瀬真美子、岡田大司、佐藤寛大、安達和子、伊藤早希、竹田昌希、小谷暢啓、菅森 峰、佐藤正岳、
高橋伸幸、
遠藤昭博、
佐藤秀俊、
吉冨裕之,
丸山理留敬,田邊一明.Thr60Ala 変異トランスサイレチンアミロイドー
シスの剖検例.第 99 回日本循環器学会中国地方会.2011. 11. 26、下関
10. 佐藤寛大、太田哲郎、岡田大司、竹田昌希、伊藤早希、安達和子、小谷暢啓、菅森 峰、高橋伸幸、遠藤昭博、佐藤秀俊、村上林児、
田邊一明.可逆的「逆たこつぼ型」壁運動異常を認めた褐色細胞腫の 3 例.第 99 回日本循環器学会中国地方会.2011. 11. 26、下関
11. 岡田大司、田邊一明、吉冨裕之、佐藤秀俊、高橋伸幸、菅森 峰、佐藤正岳、小谷暢啓、安達和子、伊藤早希、佐藤寛大.
トルバプタン使用が有効であった心サルコイドーシスの一例.第 99 回日本循環器学会中国地方会.2011. 11. 26、下関
12. 高橋伸幸、田邊一明、吉冨裕之、岡田大司、佐藤寛大、安達和子、伊藤早希、竹田昌希、小谷暢啓、菅森 峰、
佐藤正岳、遠藤昭博、佐藤秀俊、石橋 豊、織田禎二.大動脈弁狭窄症患者における血小板粘着能異常と術後の
変化 . 第 99 回日本循環器学会中国地方会.2011. 11. 26、下関
13. 遠藤昭博、岡田大司、佐藤寛大、伊藤早希、安達和子、竹田昌希、小谷暢啓、菅森 峰、佐藤正岳、高橋伸幸、
佐藤秀俊、田邊一明.経皮的カテーテルインターベンション既往患者が安定化した後、新たな冠動脈疾患を再発
する予測因子の検討.第 7 回中国・四国 Vascular フォーラム.2011. 12. 2、高松
14. 新田江里、吉冨裕之、安達和子、山口一人、福間麻子、伊藤早希、佐藤寛大、岡田大司、竹田昌希、小谷暢啓、
菅森 峰、遠藤昭博、高橋伸幸、清水弘治、織田禎二、田邊一明.大動脈弁狭窄と左室流出路狭窄.第 6 回島根
臨床心エコー図研究会.2011. 12. 3、出雲
15. 岡田大司、吉冨裕之、安達和子、新田江里、山口一人、福間麻子、伊藤早希、佐藤寛大、竹田昌希、小谷暢啓、菅森 峰、
遠藤昭博、高橋伸幸、田邊一明.大動脈弁四尖弁の一例.第 6 回島根臨床心エコー図研究会.2011. 12. 3、出雲
16. 田邊一明.虚血性心不全を問う~虚血性僧帽弁逆流の手術適応と至的時期.外科内科合同シンポジウム.第 25
回日本冠疾患学会学術集会.2011. 12. 16、大阪
17. 安食春輝、有地直子、三井要造、井上圭太、小原千明、平岡毅郎、洲村正裕、本田 聡、安本博晃、椎名浩昭、
井川幹夫、花田昌也、花田 健、伊藤孝史.Fungus ball による尿管閉塞から急性腎不全に陥った献腎移植の 1 例.
第 45 回日本臨床腎移植学会.2012.2. 1-3、軽井沢
18. 内田俊也、兒島憲一郎、種本雅之、菅原正弘、高橋正人、齋藤友昭、伊藤孝史、相馬正義、J-Circle 研究会.N 型
Ca 拮抗薬シルニジピンが尿酸産生に及ぼす影響について.第 45 回日本痛風・核酸代謝学会総会.2012. 2. 19、奈良
19. Tanabe K. Left atrial reverse remodeling and outcome in patients with heart failure. The 16th Asian-Pacific
Congress on Doppler and Echocardiography. 2012. 3. 16-17. Fukuoka, Japan
20. Sato H, Ohta T, Ito S, Kodani N, Sugamori T, Takahashi N, Endoh A, Okada S, Sato H, Murakami M, Tanabe
K. Severity of aortic regurgitation assessed by area of vena contracta- a clinical color Doppler imaging study.
第 76 回日本循環器学会 . 2012. 3. 16-18、福岡
21. Kodani N, Okada T, Sato S, Adachi T, Ito S, Takeda M, Sugamori S, Sato M, Takahashi N, Endo A , Sato H,
Yoshitomi H, Tanabe K. Impact of left ventricular longitudinal function by cardiac 320 slices computed tomography
in patients with preserved left ventricular ejection fraction. 第 76 回日本循環器学会 . 2012. 3. 16-18、福岡
22. Yamaguchi K, Yoshitomi H, Okada T, Sato H, Ito S, Adachi T, Takeda M, Kodani N , Sugamori T, Endo A,
Sato M, Takahashi N, Sato H, Tanabe K. Left atrial reverse remodeling and outcome in patients with severe
aortic stenosis. 第 76 回日本循環器学会 . 2012. 3. 16-18、福岡
23. Ito S, Sato H, Takahashi N, Endo A, Sato M, Sugamori T, Kodani N, Adachi T, Sato H, Yoshitomi H, Tanabe
T. Impact of pressure recovery on longitudinal left ventricular systolic function in patients with severe aortic
stenosis. 第 76 回日本循環器学会 . 2012. 3. 16-18、福岡
24. Endo A, Sato H, Sugamori T, Takahashi N, Sato H, Kageshima K, Suga T, Nasu H, Yoshida Y , Tanabe
K. Predictors of newly developed coronary artery disease in reccurent angina patients with previous
percutaneous coronary intervention after stabilization. 第 76 回日本循環器学会 . 2012. 3. 16-18、福岡
25. Takahashi N, Tanabe K, Yoshitomi H, Okada T, Sato H, Adachi T, Ito S, Takeda M, Kodani N , Sugamori T,
Endo A, Ishibashi Y , Oda T. 第 76 回日本循環器学会 . 2012. 3. 16-18、福岡
26. Sato H, Ohta T, Ito S, Kodani N, Sugamori T, Takahashi N, Endo A, Okada S, Sato H, Murakami M, Tanabe K.
Severity of aortic regurgitation assessed by area of vena contracta- a clinical color Doppler imaging study. 61st
Annual Scientific Session of American College of Cardiology. 3.24-27, 2012, Chicago, USA
27. Ito S, Sato H, Takahashi N, Endo A, Sato M, Sugamori T, Kodani N, Adachi T, Sato H, Yoshitomi H, Tanabe
T. Impact of pressure recovery on longitudinal left ventricular systolic function in patients with severe aortic
8
stenosis. 61st Annual Scientific Session of American College of Cardiology. 3. 24-27, 2012, Chicago, USA
28. 山口一人、吉冨裕之、伊藤早希、新田江里、柴田 宏、長井 篤、岡田大司、佐藤寛大、安達和子、竹田昌希、
小谷暢啓、菅森 峰、遠藤昭博、高橋伸幸、田邊一明.3D スペックルトラッキング法による重症大動脈弁狭窄
症の評価.第 23 回日本心エコー図学会学術集会.2012. 4. 19-21、大阪
29. Ito S, Yamaguchi K, Yoshitomi H, Tanabe K. Severity of aortic stenosis in over-80-years-old patients assessed
by longitudinal strain and pressure recovery. 第 23 回日本心エコー図学会学術集会.2012. 4. 19-21、大阪
30. 吉冨裕之.左房容積.シンポジウム-心不全における心機能指標の見方.第 23 回日本心エコー図学会学術集会.
2012. 4. 19-21、大阪
陳媛先生の学位論文公開審査
2012 年 3 月 13 日、中国・寧夏からの留学生で大学院医学系研究科医科学専攻博士課程の陳媛先生による
学位公開審査が開催されました。演題名は“Factors influencing left atrial volume in treated hypertension”で、
論文は Journal of Cardiology に受理されました。寧夏で仕事をされながら 1 年のうちの 3 か月間大学に滞在
され、4 年間で立派な研究を成し遂げられました。その達成感と幸福感は本人しか知りえないことであった
と思います。審査後すぐに家族の待つ中国の戻られた陳先生には、2012 年 3 月 30 日に学位が授与されました。
陳先生の努力と協力していただいた皆様に感謝し、陳先生の中国でのご活躍をお祈りします。(田邊一明)
ACC2012(シカゴ、アメリカ)学会報告
循環器内科 佐 藤
寛大
平成 19 年島根大学卒業の佐藤寛大と申します。大学で卒後臨床研修を終え
た後、平成 21 年に入局し、初年度は大学、平成 22 年度は松江市立病院に勤務
し、平成 23 年度から現在までは大学にて勤務させていただいております。今回、
松江市立病院勤務時から継続している研究が太田哲郎先生、田邊一明教授のご
指導のもと平成 24 年 3 月 24 日〜 27 日シカゴで開催された ACC2012 に採択
され、参加させていただきました。実は私、これまで田邊教授に連れて行って
いただき、AHA 2008、2009 に参加させていただいておりました。その時、発
表はなかったので次回は必ず演題を持ってやってくると強く心に決めていまし
た。今回の ACC2012 は私と伊藤早希先生、指導医かつ保護者的存在の太田先
生の三人旅でした。
修行の旅は成田空港から始まり、空港内、機内でも発表の準備が粛々と執り
行われました。到着前に機内食で吉野家の牛丼が出てきたのですが、その牛丼
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迫力満点の Chicago Pizza。これでも Medium !
が機内食で一番美味しかったです。シカゴには発表前日の午前に到着し、ホテルにチェックインを済ませま
した。ちょうどお昼時でしたので、まずは腹ごしらえということで、名物シカゴピザを食べに行きました。
シカゴピザはタルトケーキのような形をしています。中身はこれでもかと言わんばかりのチーズや具でいっ
ぱいです。ホテルで間違いなくシカゴピザが好きそうな、恰幅の良い従業員のお姉さんに美味しいピザ屋を
教えてもらいました。店内は現地の人や観光客でごったがえしており、相当な人気店でした。ピザは注文し
てから 40 分はかかると言われたのですが、ピザが登場すると 3 人とも言葉を失ってしまうほどの迫力で、見
た瞬間にお腹がいっぱいなるほどでした。味も見た目通りで、あのお姉さんが好きそうな、期待を裏切らな
い味でした。1 片で満腹中枢が作動し、さすがに完食はできませんでしたが、持って帰り夕食で美味しく頂
きました。ホテルに帰ってからは、そのまま午後の部に突入し、夜中の 2 時まで予演会をしていただきました。
太田先生には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
満を持して迎えた発表日。発表まで少し時間がありましたので、他の発表者のポスターを見回り、会場内を散
策することにしました。機器展示会場は活気に溢れ、アメリカ経済の復活を感じさせるものでした。マーチング
バンドが会場内で演奏していたのには驚きました。いよいよ発表時間を迎えました。1 時間の発表時間の間、自
分のポスターの前で待ち構えていると、私達の発表に興味をもって見に来たり、質問をしてきたりする人が次々
とやって来てくれました。そうして時間がすぎて行くと、ただ者ならぬ偉い人オーラを発する先生がやってきて
3 分やるからプレゼンしてみろと言われ、発表させて頂きました。発表後は質問も受け、今後の助言も頂きました。
突然発表の機会を頂いた筆者
肉祭り始めました
伊藤先生は翌日発表でした。2 人とも無事発表が終わった後に飲んだ解禁 Beer は最高に美味しかったです。
無類の肉好きの私は 22oz(約 620g)のステーキに挑戦しました。日本のような霜降り肉ではないのですが、
アメリカのステーキは赤身メインでジューシーな非常に美味しいステーキでした。因みに、私が完食する前
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に太田先生は同じものを完食されていました。また、シカゴは有名建築や博物館、美術館が多数あることで
も有名です。帰路につく前に、シカゴ美術館を見学させていただきました。印象派の作品も多数展示してあっ
たのですが、最も印象的だったのはエル・グレコの聖母被昇天でした。
今回、ACC2012 に参加、発表させていただきまして、かけがえの無い経験をさせていただきました。是非
この研究を形に残し、次の機会を目指して頑張りたいと心に決めております。今回の経験で「扉を開くとそ
こにバナナがある」ことを知ってしまいました。最後になりましたが、ご指導いただきました太田先生、田
邊教授、大学を留守にしていた間、大学を守っていただいた先生方、また日頃よりご支援いただいておりま
す同門会の先生方に深い感謝の意を表させていただきます。ありがとうございました。
日本循環器学会2012(福岡)報告
田邊 一明
2012 年 3 月 16 日~ 18 日福岡にて第 76 回日本循環器学会学術集会が開催されました。鹿児島大学・鄭忠
和教授が大会会長で、テーマが「愛と情熱~アジアから世界へ」という鄭教授の熱い思いがそのまま乗り移っ
たような熱気あふれる学会でした。参加者が 1 万 8000 人で最近の AHA の参加者数を越えたそうです。医局
からは 6 題の演題が採択され、発表してこそわかる自分の仕事の影響力や問題点を確認することができたと
思います。新入局の大嶋先生、川原先生にも参加してもらい、自分たちが入る世界がどれほど大きな組織か
認識してもらえたと思います。二人は学会に感激しきりで、時間を惜しんで発表に耳を傾けてくれていました。
若いときの感動が大切と、先輩から言われてきた言葉を後輩に伝える立場になりましたが、彼らの熱が冷め
ないように、こちらも鄭教授のパワーを引き継いでいきたいと思います。
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Echo Hawaii 2012報告
循環器内科 伊 藤
早希
真冬の日本から、ハワイへ…。Mayo Clinic の Oh 先生に会うべ
く、2012 年 1 月 23 日~ 27 日ハワイ島で開催されたエコーハワイ
に済生会江津総合病院の伊藤新平先生と一緒に参加させていただ
きました。教授から頂いたミッションは、
「今年の夏に大阪で開催
される先進心血管エコー研究会(田邊教授が担当されます)への
講演依頼の書面を Dr. Oh に渡してくること」でした。
エコーハワイは朝の 6:30 から朝食、7 時からセッションが開始、
午後がフリー(であったり、なかったり)という日程で、3D エコー
や弁膜症、心不全、strain、congenital はもちろん、ありとあらえる
セッションが目白押しでした。コントラストエコー・負荷エコーの
セッションが多く、特にそれらを組み合わせた虚血の評価に時間が割かれており、エコーでいかに虚血を detect
するかということが大半を占めていました。ただ、欧米人が食べている油・カロリー・肉・砂糖…がてんこ盛り
の食事を見つめながら、どうしても矛盾を感じざる得ませんでした。セッションはもちろん全部英語で、全てを
理解できたわけではなかったですが大変勉強になりました。心機能評価としてのエコーと MRI の対比なども多
く取り挙げられていました。現在大学では Gd 遅延 MRI は施行できるものの、機能評価にまでは至っていない
ため、何とか MRI を心機能評価まで発展させたいと感じました。
Oh 先生にもお会いし、教授からの手紙を手渡すことができました。大変お忙しそうで、私達が話しかけた
瞬間に Oh 先生が足元のコーヒーカップを誤って蹴り飛ばすという大惨事がありましたが、にこやかに接し
て頂きました。今年の夏の研究会への参加を快諾いただき、とりあえずミッションは無事遂行され、青い海
へと向かいました。
ハワイ島はリゾート版隠岐の島といった感じのところで、とても綺麗な島でしたが、車がなければどこにも
行くことができず、夜になれば真っ暗で右も左もわからないようなところでした。運転も日本と違い右側通行で、
ずっと新平先生に運転してもらいました。一度車線を間違えたくらい(!?)で、あとはスムーズにドライブする
ことができました。20 分程度でしたが、青い海にも入り果敢に波と格闘しました。また、ツアーにてマウナケ
ア山という標高 4200m の山頂にまでバスで登り、日本のすばる展望台を横目に雲海に沈んでいく夕日を眺める
ことができました。紅々と燃えるような夕日で、滅多に見ることのできない景色に非常に感動しました。
この度エコーハワイに参加し、エコー以外にも多くのものを見てくることができました。また会場では何
人かの外国の医師とも話しをすることができ、良い経験となりました。この度ハワイにまで行く機会を頂い
たことを、大変感謝しております。ありがとうございました。
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同門 会 コ ー ナ ー
同門会会長挨拶
後藤クリニック 後 藤
泰利
同門会会員の皆様、いかがお過ごしでしょうか。新しい同門会も発足して 3 年経
過し、同門会総会の開催、東部、西部の勉強会開催、医局への援助など、なんとか
基本的な形ができたのではないかと思っています。会員皆様のご協力のおかげと心
から感謝申し上げます。また同門会のホームページも随時更新していますので、ぜ
ひ定期的にご覧いただけると幸いです。
今回は少し砕けたお話させていただきます。私も開業して 11 年目になりますが、
平成 20 年 NHK 朝の連続ドラマで、松江が舞台の「だんだん」を見てから、なぜか
朝の開院前の習慣として、連ドラを見るようになりました。今年 4 月からは、
「梅ちゃ
ん先生」が始まりました。終戦後、堀北真希演ずる下村梅子が、医者を目指して奮闘する物語です。今はちょ
うど医専の 2 年生でこれから解剖実習が始まり、またひと騒動ありそうです。この番組みていますと、自分
の学生時代を思い出して懐かしさを感じます。また女性医師といえば、僕の同期の山田幸子先生(今は金津
先生)が、4 内の初代女医でした。当時 4 内に同期 8 人の入局があり、男性の中でほとんど男性扱いされな
がらも奮闘された幸ちゃん先生を懐かしく思い出しています。幸ちゃん先生のおかげで、その後もたくさん
の女医さんが入局されてきています。これからは女性医師の存在なくしては、医療が成り立たなくなってく
るように思います。今年の同門会は是非ともより多くの女性会員の先生方に参加していただき、現在学内に
いらっしゃる 4 人の女性医師に助言いただけると幸いです。4 内をより女性医師にも働きやすい環境にして
いくことが大切と思います。
また話は変わりますが、最近同門会会長の立場のためか、学生たちと話す機会が増えました。最近の学生
は草食系男子が多く、学生 6 年間に代官町で飲食したことがない学生も多いようです。僕たちの時代は、代
官町から出勤する学生も多くいました。勉強は僕たちより真剣に取り組んでいる印象です。医療は人間を相
手にしますので、単なる知識だけでなく社会性が大切です。人生の先輩として多くの同門会会員が医局の先
生と触れ合うことで、いい医者になるためのヒントを若い医局員に与えていただけたらと思います。
次回同門会総会は、平成 24 年 10 月 13 日(土曜日)ニューウェルシティー出雲で午後 6 時から開催されま
す。是非とも多くの先生方の参加をお願い申し上げます。
研究会報告 ~松江市循環器連携懇話会
第 7 回松江循環器懇話会が 2011 年 12 月 9 日松江市のホテル一畑で開催されましたので報告申し上げます。
今回は 2011 年 7 月鳥取大学第一内科の教授として就任された山本一博先生をお招きして講演をお聞きするこ
とができました。山本先生は以前から田邊教授とも
懇意にされていまして、今後山陰の循環器が山本先
生、田邊両先生の協力により、すばらしい発展する
と確信しました。講演内容は、加齢にともなう AS
は冠動脈の動脈硬化とは異なり、高脂血症、糖尿病
など生活習慣の改善では進行を阻止できないこと、
加齢に伴う AS の弁には、局所の炎症があり、急速
に進行する例では出血が伴うこと、進行予防に ARB
が期待できること、ワーファリンは弁の石灰化予防
を阻止することから、AS を進行させる可能性があ
ること、高齢での AVR、TAVI の適応など示され
ました。高齢者の AS は日常診療でも増加しており、
今後の診療にとても役立つ内容でした。(後藤泰利)
鳥取大学・山本教授を囲んで
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研究会報告 ~島根県西部地区循環器研究会
2012 年 2 月 4 日、浜田市のワシントンホテルプ
ラザにて第 6 回島根県西部地区循環器研究会を開
催しました。今回は「拡張性心不全の診断と治療」
について講演させていただきました。左室駆出率
の保たれた心不全(HFpEF)に対しては、これま
でのところ ACE 阻害薬、ARB、βブロッカーの
明確な効果が示されていません。左室だけでなく
血管機能と連結させた予備能が HFpEF の病因と
かかわっており、高齢者においても運動トレーニ
ングが有効という報告がみかけられるようになっ
てきています。HFpEF と血管機能を連結させて評
価する必要がありそうです。(田邊一明)
一年越しの教授フィギュアが完成
川上医院・川上興一先生がオーダーしてくださっていた田邊
教授のフィギュアが出来上がりました !! 人気アニメのジブリ
やワンピースのフィギュアの作者としても有名な島根工芸かた
やまひろし氏の作品です。G.I.Joe モデルで手足を自由に動か
すことも出来、また白衣や服を自由に着せ替えることも可能で
す。田邊教授は“余り気持ちのいいものではありませんが、ス
ゴイですね”
・・・と、とても嬉しそうなお顔をなさっています。
(資料室)
第⑧回
内科学講座第四
田邊杯
ゴルフコンペ
平成 24 年 5 月 13 日、快晴の中、いづも大
社カントリークラブにおいて田邊杯ゴルフコンペ
が開催されました。隠しホールに見事にはまり、
波多野先生が初優勝されました。勝負師波多野先
生の引きの強さを感じさせました。おめでとうご
ざいました。万年 2 位の雪辱果たすため井上先生
は後半 37 と大奮闘されましたが、またしても 2
位。これだけ運がないということは、今後とんで
もない幸運が訪れます。ホールインワンにもご注意ください。田邊教授が国
引 4 番のショートで、あと 30cm でホールインワンというスーパーショット
をされました。初出場の先生方も皆さんが奮闘されました。終わってみると
初参加の人は、僅差の勝負になっていました。今後の練習を重ねてください。
竹田先生は、趣味の写真撮影でお世話になりました。次回第 9 回田邊杯コン
ペは平成 24 年 10 月 14 日(日)
、同門会総会翌日に開催します。皆様のご
参加お待ちしています。
(後藤泰利)
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成
績
表
順位
競技者名
美久我
国引
GROSS
HDCP
NET
優 勝
波多野 淳
51
51
102
27.6
74.4
準優勝
井上 慎一
46
37
83
8.4
74.6
3位
村上 林児
44
42
86
10.8
75.2
4位
生馬 勲
54
45
99
21.6
77.4
5位
後藤 泰利
42
44
86
8.4
77.6
6位
葛尾 浩司
45
48
93
14.4
78.6
7位
田邊 一明
57
56
113
32.4
80.6
8位
梅野 哲弘
50
53
103
19.2
83.8
9位
佐藤 寛大
57
64
121
36
85
10 位
竹田 昌希
66
65
131
36
95
11 位
渡邊 伸英
63
75
138
36
102
12 位
大嶋 丈史
86
74
160
36
124
13 位
川原 洋
89
72
161
36
125
14 位
朴 美仙
86
76
162
36
126
15 位
伊藤 新平
82
82
164
36
128
15
編集後記
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島根大学医学部内科学講座第四
循環器内科・腎臓内科
〒693-8501 島根県出雲市塩冶町89-1
電話(0853)20-2206(医局資料室ダイヤルイン)
Fax(0853)20-2201(医局資料室)
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