カラクリート

カラクリート
標準施工仕様書
無機建材事業部
カラクリート 標準施工仕様書 20120618
1
この標準施工仕様書は、散布型硬質床仕上げ材「カラクリート」を施工する際の注意事項
と、施工方法について説明したものです。
ご使用前に必ずお読みいただき、適切な取り扱い方法で安全に作業を行なってください。
本書に記載してある施工方法は、標準的(気温 20℃、屋内施工基準)なものであり工程・
使用量・作業間隔等は、下地の状態や施工部位・気温などの施工条件や使用条件によって
多少変化します。
不明な点はABC商会カラクリート担当にご確認ください。
-目次-
<項
目>
ページ
1.施工関係者間の事前打合せ
3
2.取り扱い上の注意事項
3
3.施工環境・条件
3
4.目地設置の考え方
4
5.下地の条件
4~6
6.施工上の注意事項
7
7.施工後の使用上の注意事項
7
8.カラクリートの梱包
7
9.施工機器類
7
10.施工手順フローチャート
8
11.施工要領 床の施工要領
9
施工要領 巾木や蹴上げ(蹴込み)の施工要領
12.養
生
10
11
13.メンテナンス
12~13
14.カラクリートの不燃性能に関して
13~14
15.ホルムアルデヒドに関する規制
15
カラクリート 標準施工仕様書 20120618
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「カラクリート」は打設後の、まだ固まらないコンクリートの表面に粉体のままの材料を散布してすり込み、コンクリー
ト表面に高強度モルタル層を形成する床仕上げ材です。仕上げ厚さは1.3~1.5㎜ですが、すり減りに強く、車や
フォークリフトが走り回る苛酷な環境の倉庫や工場、駐車場においても数十年の耐久性があります。昭和26年の発
売以来、全国に様々な物件にご採用いただき、数々のロングライフの実績を有しています。
また、「カラクリート」の組成は「ポルトランドセメント、鉱物骨材、顔料」です。有機分をほとんど含まないので直火が
当っても燃焼せず、また変形も溶融も生じません。
1.施工関係者間の事前打合せ
施工前に、元請け・施工業者間で打合せを行い施工方法、施工環境条件、下地コンクリート条件等の確認をして
下さい。必要に応じて弊社(ABC商会:この施工仕様書を発行しているカラクリートの製造メーカー)、生コンプラン
ト業者、ポンプ圧送業者等の関係者とも打合せを行ってください。
2.取り扱い上の注意事項
◇保護具の使用
●カラクリートはポルトランドセメントを使用しているため、敏感な方が素手で触ると肌荒れやカブレなど皮膚に
炎症が出ることがあります。(コンクリートを素手で触った時と同じ症状です。)
カラクリート取り扱い時は、保護手袋・保護衣を着用してください。
作業前に保護クリームを手に塗ることも肌荒れ防止に効果があります。
●カラクリートが飛散して目に入るのを防止するために、作業中は保護めがねを着用してください。
●屋外で施工する場合や屋内でも風が通る場所では周囲への飛散に注意してください。
◇材料の付着・吸引時の処置
●皮膚に付着したカラクリートは払い落とし、その後石けんなどで十分に洗い流してください。
●皮膚に痛みや炎症がある場合には、速やかに医師の診察を受けてください。
●目に入った場合には、多量の清浄な水で洗い流し、速やかに医師の診察を受けてください。
●誤って飲み込んだ場合には、速やかに医師の診察を受けてください。
◇材料保管
●セメントと同様に直射日光・雨・雪の当らない屋内、低湿度の環境で保管してください。
●加熱される場所や火気の周囲には保管せず、40℃以下の温度で保管してください。
●床面には直置きしないで、パレットの上に保管してください。
●湿度の高い場所、結露しやすい場所には保管しないでください。
●子供の手の届かない場所で保管してください。
◇その他の注意事項
●材料がこぼれた場合は、ほうきや集塵機で取り除いてください。
●残材、材料の付着したウエスなどを廃棄する時は廃棄物処理業者に委託してください。
●河川や一般のごみ捨て場には廃棄しないでください。
●指定された材料以外のものと混合しないでください。
●本来の用途以外の目的に使用しないでください。
●カラクリートの袋は、使用時以外刃物や突起物などで傷つけないでください。
詳細は、製品安全データシート(MSDS)をご参照ください。
3.施工環境・条件
◇施工個所は、できるだけ屋根、壁を取り付けてから施工してください。
●屋根の無い露天の施工の場合、日照により床面が熱せられて作業時間が短くなり、施工タイミングが取りづ
らく最終仕上げ作業に影響を与える場合があります。
また、コンクリートやモルタルの発熱により浮き・剥離・ひび割れ等につながる場合があります。
●降雨では施工中又は養生中の床材が洗い流される場合があります。
●壁の無い場所では通風により急激な乾燥があり、強度低下やひび割れを起こす場合があります。
◇照明設備を用意し、極力ムラの無い明るい状態で施工してください。
◇冬期、凍結の恐れのある場合は、工事を延期するか、採暖してください。
●ジェットヒーター等による採暖の場合、温風を直接床面に当てないで下さい。
◇施工中・養生中は、床の上での他の職種の作業は中止してください。
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4.目地設置の考え方
目地はコンクリ-ト版の膨張、収縮、反り等の変位をある程度自由に発生させ、コンクリ-ト版に対する応力を
軽減させる目的及びコンクリ-ト打設時の施工性の問題から設けています。
【屋内コンクリートの場合】
一般的に建物内のコンクリ-ト床版は屋外のように日射、寒風などの寒暖による温度差を考慮せず、主として硬
化収縮および不同沈下した場合を考えて設けられています。この場合には収縮亀裂を防ぐ方法として、各スパ
ンの縁切りを考えれば良く、大半を打ち継ぎ目地、カッター目地(めくら目地)で納めます。
カッター目地の最大目地間隔は4~6m以下になる様に取り、伸縮目地の間隔は20m程度で柱芯、柱間などの
見栄えの良い所に設けます。また鉄骨基礎回りなどにも縁切りのために設けます。
【屋外コンクリートの場合】
屋外の床版への場合には建物内の条件に加えて温度差も考慮しなければなりません。
この場合、各スパンの目地割は10㎡以下、最大目地間隔は3~4m以下になるように伸縮目地、打ち継目地、
カッター目地などを設けます。(意匠や使い勝手上可能であればもっと細かい目地設置がさらに有効です。)
上記の目地の取り方は土間コンクリートに対して弊社のお奨めする一つの方法であり、現場での目地の取り方を
指示・拘束するものではありません。またスラブ構造の場合には考え方が異なりますので、実際の施工にあたっ
ては決定権限者(設計事務所、元請等)の指示に従い決定してください。
尚、カラクリートの目地は下地となるコンクリ-ト、モルタルに準じて設けます。コンクリートに目地を取らない場合
にはカラクリートのために特別に目地を設ける必要はありません。
5.下地の条件
カラクリートを施工する下地は十分に強度のある健全なコンクリートが必要です。
床の用途に応じてコンクリートの強度を決定して下さい。
【コンクリートの場合】
●コンクリ-トの種類および品質は、JASS・5・3節に規定する「普通コンクリ-ト」又は「軽量コンクリ-ト1種」、
または「軽量コンクリ-ト2種」です。
●上記以外の軽量コンクリ-ト(天然軽量骨材、気泡コンクリ-ト、パーライト骨材など)には、施工できません。
【コンクリ-トの希望条件】※
普通コンクリ-ト
軽量コンクリ-ト(1種または2種)
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耐久設計基準強度
一般コンクリート :21N/mm 以上
凍結融解作用を受けるコンクリート:27N/mm 2以上(JASS5・26節に準拠してください。)
セメント量
300㎏/m3以上
350㎏/m3以上
空
気
量
スランプ
カラクリートはコンクリート表面のセメントペースト層と一体化して接着します。
このセメント量を大きく下回ると、施工時に一体化できずカラクリートがコテに付いて剥離
したり、施工後の使用中の剥離に繋がる危険性が高くなります。
◎空気量には調合上の許容差があります。規格値4.5±1.5%の範囲で、できるだけ下限値
3%に近くなる様に調整してください。
◎空気量が多いと施工中にふくれが出ることがあります。
◎寒冷地の屋外コンクリートの場合には凍害対策を優先し、下限値4%以上又は指示書
指定の空気量を確保してください。
15㎝以下で、施工上可能な限り小さく。コンクリートが柔らかいと表層に脆弱層(レイタンス層)
ができ易く、カラクリートの剥離に繋がる危険性が高くなります。
※コンクリ-トの希望条件は弊社のカラクリートの施工実績や経験から安全と思われる数値を記載しています。
太字は特に重要な項目です。セメント量は施工後の接着性に影響しますので非常に重要です。
※弊社のコンクリ-トの希望条件と大きく異なるコンクリートの場合には事前に弊社までお問合せください。
※上記の希望条件は汎用に使用されているAE剤やAE減水剤を添加したコンクリートに対するものです。
上記以外の特殊な添加剤をご使用になる場合には、事前に弊社までお問合せください。
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【コンクリートに希望する上記以外の条件】
◎コンクリート練り混ぜ水の品質
コンクリートの練り混ぜ水の品質は、「JASS 5 鉄筋コンクリート工事 4.4 コンクリートの練り混ぜ水」及び
「JIS A 5308 付属書 C レディーミクストコンクリートの練り混ぜに用いる水」に規定があります。
『JASS 5』及び『JIS A 5308 付属書 C』コンクリートの練り混ぜに用いる水
練り混ぜ水は以下の3種類に区分されています。(記載事項の抜粋)
上水道水
上水道水(飲料水)は試験をする事無く使用できる。
上水道以外の水
水の試験を行い「上水道水以外の水の品質」に適合が必要。
(河川水、湖沼水、井戸水、地下水など)
特に地下水の場合には特別な成分が溶解している事もあるので
注意が必要。
回収水
「上水道水以外の水の品質」と「回収水の品質」に適合が必要。
(生コン工場において運搬車やミキサー、 計画供用期間が長期、超長期では回収水の使用は不可。
ホッパーの洗浄に用いた水の回収水)
*上記のコンクリート練り混ぜ水の品質規定はコンクリートの凝結や強度、ひび割れを念頭に置いた規定です。
床仕上げ材に及ぼす白華などの色ムラ増大や美的観点に関しては考慮されていません。
カラクリートは耐久性ばかりで無く色も重視した材料なので、色上がりに影響を与える水の使用は極力避けて
ください。弊社ではカラクリートを施工するコンクリートの練り混ぜ水は「上水道水」を希望します。
上水道水が確保できず、「上水道水以外の水」や「回収水」を用いる場合には白華の異常発生や、色上がりに
影響を及ぼす事がありますので、以下の点にご注意ください。
塩類がコンクリートから析出
*コンクリート練り混ぜ水に地下水(井戸水)や工業用水、河川水などを用いる
場合には、硫酸ナトリウムや炭酸ナトリウム等の塩類を余り含まない水を使用
してください。これらの塩類を含んだ水で混練したコンクリート面にカラクリート
を施工すると、表面に塩類が白い結晶として析出し色ムラになる場合があります。
「コンクリート硬化時に析出する場合」と「混練水中の塩類がコンクリート内部に
蓄積。硬化後に床洗浄水や結露水などの影響で表面に引き出されてくる場合」
があります。(右写真は硬化後、使用中のコンクリートから出た塩類が床に結晶した状況です。)
近くに温泉などがある地域の地下水(井戸水)や河川水には、これらの塩類が含まれる場合がありますので
注意してください。
地下水(井戸水)の水質は上水道水に準拠して、蒸発残分 500㎎/L 以下、総硬度(カルシウム,マグネシウム
等)は300㎎/L 以下を希望します。
*回収水(スラッジ水、上澄水)とはコンクリート工場の機械類やミキサー車などの「洗い水」を回収した水です。
この水にはセメントから溶け出した水酸化カルシウムを多量に含んでいる為、白華が多くなる場合があります。
回収水を使用する場合、水質は上水道水に準拠して水質試験で蒸発残分 500㎎/L 以下を希望します。
◎骨材の品質
山砂、砕石、砕砂は微粒分や泥分・粘土塊が多い場合があります。カラクリートを施工する場合には、なるべく
微粒分や泥分の少ない骨材の使用をお願いします。微粒分や泥分を多く含んだ骨材を使用すると、骨材を沈
める作業(タンピング作業)により泥分が浮き上がり、表層に浮いた泥分とカラクリートが混ざり合い、黄色~褐色
の泥色の色ムラになる危険性があります。また、鉄分の多い骨材の場合には褐色に着色される事があります。
「ノロ層」が厚く堆積するとコンクリート表面の強度が低下します。特に、スランプが「15」を超える柔らかいコン
クリートでは著しくこの現象の発生率が高くなります。カラクリートはコンクリートの表面と接着しますので、表面
層強度が低く脆弱な場合にはカラクリートの剥離につながります。
◎その他
*スランプが大きいとブリージング(浮き水)が過大となりレイタンスが厚く堆積しコンクリートの表面強度を低下させ
る原因になります。
*柔らかいコンクリートは収縮ひび割れの原因になります。
*ファイバーコンクリートの下地の場合、「混入前のコンクリートのスランプ=15㎝以下」 を確保してください。
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◎シンダーコンクリートへの施工の可否
現在でも、たまに使われる事のあるシンダーコンクリートとは「言葉のみが昔のまま残っているだけ」で、軽量コ
ンクリートの意味合いで使用されています。その意味でシンダーコンクリートと記載してある場合には4頁のコン
クリート条件に合致する軽量コンクリート1種、又は2種を打設してください。
もし、打設するコンクリートが本当のシンダーコンクリートであればカラクリートは施工できません。
(現在では本当の意味のシンダーコンクリートは、ほとんど使用していないと思われます。)
本来のシンダーコンクリートは火力発電や蒸気機関車に使用していた「石炭やコークスの燃え殻(燃え殻=
cinder)」をコンクリートの骨材として使用し、コンクリートの重量を軽くした非構造用途のコンクリートです。
その為、現在のJASS 5の骨材規格には適合しませんので構造用途には使用できません。
【モルタルの場合】
モルタル(砂+セメント)はコンクリートに比べて収縮が大きく、浮きやクラックの発生が多いので極力避けて下さい。
打設厚の都合上コンクリートが打設できない場合にはモルタル打設になりますが、弊社では打設厚別に次の方法
をご提案します。尚、スランプや耐久設計基準強度、使用混練水などはコンクリートに準じます。
【打設厚別の下地】
以下は「打設厚に対する使用下地のご提案」と「カラクリート施工の可否」についての記述です。
床の使用用途によっては厚さの確保が必要となりますので、ご採用は決定権限者の指示に従ってください。
(使用用途:例えば車の走行・フォークリフトの走行・自転車走行・人の歩行などの使用条件と日射などの環境条
件、目地条件等を踏まえた諸条件を加味して下地厚さを決定してください。)
●打設厚が70㎜以上取れる場合にはコンクリート打設をお勧めします。
●40㎜以上~70㎜の範囲は豆砂利コンクリートの打設をお勧めします。
(豆砂利コンクリートとは最大骨材粒径10㎜程度の砂利を用いたコンクリートを指しています。この様なコン
クリートをジャミコンと称する場合もあります。)
この厚さでのモルタル打設はひび割れ発生が多くなるので避け、粗骨材を配合してください。
最大骨材粒径10㎜程度の砂利の入手が困難な地域はメサライトやビルトン等の人工軽量骨材(骨材粒径
15㎜)を使用したコンクリートも有効です。地域によっては砂利の量をコンクリートの半分程度に減らした、半
砂利コンクリート(地域によって名称が異なる場合があります)打設で対応できる場合があります。
●打設厚が30~40㎜の場合にはモルタル打設になりますが、入手できるなるべく粗目の砂を使用し、できる
限り硬練りにしたモルタルを打設してください。細かい砂や軟らか練りモルタルはクラックの発生が多くなります。
●打設厚が30~20㎜、又は20㎜以下でもカラクリートの施工は可能ですが、モルタルの剥離に十分に留意し
てください。また、乾燥が速いので湿潤養生を必ず行ないドライアウト防止、乾燥反り上がり、強度発現に留
意してください。
打設厚さ
70㎜以上
40㎜以上~70㎜
お勧めする材料
コンクリート
◎コンクリート打設をお勧めします。
◎モルタルは避けてください。
◎豆砂利コンクリート(ジャミコン)の打設
◎メサライトやビルトン等の人工軽量骨材(骨材粒径
15㎜)を使用したコンクリート打設。
◎地域によっては砂利の量をコンクリートの半分程度
に減らした半砂利コンクリート打設
◎モルタルは避けてください。
入手できる、なるべく粗目の砂を使用して、できる限り
硬練りにしたモルタルを打設
下地となるモルタルの強度発現や剥離に十分に留意
が必要。
軽量コンクリート
特殊配合コンクリート
30~40㎜
モルタル
30~20㎜、
20㎜以下
モルタル
コンクリート、豆砂利コンクリート、モルタルのどの工法も元請の責任において鉄筋やワイヤーメッシュ敷設、その
他の方法を用いてクラックの低減と適切な接着剤、吸水防止剤を用いて浮きの低減に留意してください。
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6.施工上の注意事項
●カラクリート散布前にはコンクリートに木鏝や金鏝をかけてアマ出し・ノロ層の伏せ込みを行なって下さい。
●散布タイミングに注意して下さい。
*散布が早すぎるとセメントノロとカラクリートが過度に混ざり込み強度不足や色ムラが発生します。
*散布が遅すぎると一体化になりにくく、鏝波や浮き・剥離等の原因になります。
●カラクリートを散布するとコンクリートの余剰水を吸水して濡れ色になります。
(余剰水=ブリージング水、 コンクリートの施工性を良くする為に入れているセメントの硬化反応に寄与しないで蒸発してしまう余分な水)
水の吸い上げを待って(濡れ色になってから)すり込みを行って下さい。
下地コンクリートの発熱や日射などの影響でコンクリートがムラ乾きし、水の吸い上げが均一でない場合には
はす口を付けたジョウロで軽く散水するか刷毛による少量の打ち水をしながら、すり込みを行ってください。
*必要最低限・最小限の散水に心がけ、床をぬかるみ状態にしないでください。散水が多いと色ムラや亀甲
状クラックの原因となります。また、表面強度が低下し摩耗性が低下します。
●手撒き(フルイ撒き)の場合、2回に分けて散布すると撒きムラ防止になります。
*1回目に全体量の2/3を散布、すり込み、残りの1/3を下地の透けている部分を中心に散布して下さい。
●標準使用量は1㎡当り2㎏/㎡です。散布量を確保して下さい。
*散布量が少ないと下地が透け、色ムラや耐久性低下の原因となります。
*散布量の減少は不可、耐久性向上の為に散布量を1.5~2倍多く撒く事ができます。(3~4㎏/㎡程度に増加)
現場使用条件等で散布量を変更する場合は決定権限者の指示に従ってください。
●機械鏝の使用は中押えまでとしてください。コンクリートが締まってから、エンジンやモーターの力で回転させ
る機械鏝のかけ過ぎは、コンクリートとカラクリート界面をずらし剥離を生じる場合があります。
特に騎乗式機械鏝を使用する場合には重量があるので掛けすぎに注意してください。
7.施工後の使用上の注意事項
●金属や石質等硬い材質の物を引きずったり、落下させた場合には床材が傷付き、破損する事があります。
●床面に水・油・粉塵などが付着すると滑り易くなります。
●使用する液体・油・薬品等の種類や濃度によっては、浸透して除去が難しくなることがあります。
●使用する液体・油・薬品等の種類や濃度によっては、床材が変色や腐食することがあります。
●油や薬液類が床にこぼれた場合は直ちに拭き取り後、状況に応じて洗浄除去してください。
●太陽光・殺菌灯など、強い紫外線が直接床材面に照射されると変色が起こることがあります。
●日常の清掃は、掃除機、化学モップ(雑巾)などを使用してほこりを取り除いてください。
●汚れはフロアーブライトクリーナーや中性洗剤、アルカリ性洗剤を使用して落としてください。
作業後は、水拭きや水洗いを行なってください。
●使用前にフロアーブライト類やトップコート各種を塗布すると汚れが付き難く、また付いた汚れも落としやすくな
ります。使用開始後も定期的なクリーニングとメンテナンス材を塗布すると長期間良好な床を維持できます。
*専用メンテナンス材は各種ございますので、お問い合わせください。
8.カラクリートの梱包
商 品 名
カラクリート
概
要
鉱物系硬質骨材配合散布型仕上げ材
カラクリート 標準施工仕様書 20120618
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梱包形態
20㎏袋入り
標準使用量
2.0 ㎏/㎡
9.施工機器類
工
程
アマ出し
材料散布
推 奨 使 用 機 器 類
木鏝 又は 円盤装着機械鏝
「シェイクマンⅡ(手押し式散布機)」又は「ふるい」「キッチン用水切りザル」
「ふるい(篩)」や「水切りざる」は目開き(オープニング) 2.5~3㎜を用いてください。
JISによる標準ふるいの目開きでは5.5~6.5メッシュ相当です。
【注意】
ふるいの網目の粗さは、「メッシュ」や「目」で表す事があります。「メッシュ」は1インチ(25.4
㎜)当たり、「目」は1寸(30.3㎜約)当たりの網目の数を表しています。フルイは用途により線
径が異なるので、「メッシュ」や「目」で表すと目開きが異なる場合があります。
その為に、「メッシュ」や「目」ではなく、目開きの巾を指定して用意してください。
すり込み
中間仕上げ押え
最終仕上げ押え
木鏝 又は 円盤装着機械鏝
金鏝 又は スチールブレード装着機械鏝
金鏝
10.施工手順フローチャート
順
序
①
②
③
材料搬入
コンクリート打設[元請工事範囲]
締め固め
[元請工事範囲]
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
粗均し
[元請工事範囲]
レベル出し
[元請工事範囲]
タンピング
[元請工事範囲]
下地造り
中締り待ち
戻し・アマ出し
材料散布
⑪
⑫
⑬
⑭
すり込み
中間仕上げ施工 (2~3回)
最終仕上げ施工 (1~2回)
目地切り
(オプション仕様)
養生
[元請け担当]
⑮
工
程
概
要
直取り・ポンプ
しりくわ
バイブレーター・尻鍬 等
尻鍬・トンボ・スコップ等
レベル管理等
タンパー
定木、金鏝、スクリード等
雰囲気温度、スランプで待ち時間は変動
木鏝又は円盤装着機械鏝
専用散布機 「シェイクマンⅡ」や「ふるい」、
「水切りざる」などを用いて散布してください。
木鏝又は円盤装着機械鏝
金鏝又はスチールブレード装着機械鏝
金鏝
ソフカット(機械名称)等の乾式カッターで切断
保湿養生(散水やシート養生)
保湿養生に掛かる目安
夏場・高温時:翌日
上記季節以外:翌々日
⑯
⑰
⑱
表面クリーニング
(オプション仕様)
初期メンテナンス
(オプション仕様)
早すぎる散水やシート養生は表面が流れたり、傷
が付きます。表面の状態を見ながら養生に掛かっ
てください。
保湿養生の期間は、現場の状況が許す限り、なる
べく長期間の養生をお勧めします。
ポリッシャー、清掃機
直後
直後
直後
当日又は翌日
歩行可能後
シートの引き
ずりや散水で
傷が付かなく
なったら、なる
べく 速や かに
実施
充分に養生後
フロアーブライト、ニューキュアコート、カラーコー 充分に乾燥後
ト、トップコートHG、セラミキュア(珪酸塩系表面強
化材)等を塗布して汚れ防止処理
完成
カラクリート 標準施工仕様書 20120618
間隔
8
11.施工要領 床の施工要領
施工工程
注意事項・施工方法
①
カラクリート搬入
・カラクリートはセメント製品です。保管は雨、雪、水濡れを避け、屋根のある屋内に置いて
ください。濡れると使用できなくなります。また床への直置きはしないでください。
②
③
④
⑤
コンクリート打設
締め固め
粗 均 し
レベル出し
・元請工事範囲
・コンクリートの品質は極力弊社希望の条件でお願いします。外れる場合はカラクリートの所定
の性能が出ない場合があります。
⑥
タンピング
⑦
⑧
下地造り
締まり待ち
⑨
アマ出し
⑩
材料散布
⑪
材料すり込み
⑫
中間仕上げ
⑬
最終仕上げ
⑭
目地切り
(別途費用が掛かります)
⑮
保水養生
(別途費用が掛かります)
カラクリートが健全に硬
化する為に保水養生を
行ってください。
⑯
表面クリーニング
(別途費用が掛かります)
⑰
初期メンテナンス
(別途費用が掛かります)
⑱
完成
・元請工事範囲
・一般的にレベルポイントはレーザーレベル機等を用いて2~3m間隔で取ります。
・レベル出しは、工事担当者の指示によってください。
・元請工事範囲
・タンパーを用いて骨材を沈め、表層部の空気を追い出しセメントノロを浮かせます。
定木を用いてコンクリート面の小波を取りながら平坦な下地を造ります。
・コンクリートが「中締まり状態」になるまで放置します。
「中締まり状態」とは、「網下駄」を履いて乗り、網の部分が2~3㎜程度沈む状態を指しま
す。(網の跡がくっきり付く状態です。)
・「中締まり状態」になったら木鏝又は円盤装着機械鏝を使用して表面の「アマ出し」を行い
ます。(小面積やチリ周りは木鏝を使用)
アマ出し:コンクリートの余剰水と共に浮いてくるレイタンス層に鏝をかけて健全なセメントペース
トと混ぜ込み(伏せ込み)、コンクリート表面にセメントノロを浮かせる作業
・アマ出し直後、所定の散布量でなるべく均一に散布を行います。
・シェイクマンⅡ(手押し型散布機):一度撒き
・フルイ撒き:二度撒き(1回目:2/3 散布、2回目:1/3 散布)
(この時に使用するふるいのサイズに関しては前頁に記載しています。)
フルイ撒きの場合、1回目を散布・擦り込み後、散布量の少ない部分を中心に2回目の散布を
行う
・散布した材料が下地の水分を吸って色が変わったら円盤装着機械鏝や木鏝を使いてすり
込みを行います。(小面積やチリ周りは木鏝を使用)
・すり込みが完了後、数時間放置。タイミングを見ながら金鏝や機械鏝を使用して、表面を数
回押さえ込みます。(小面積やチリ周りは金鏝を使用)
・中間仕上げが完了後、数時間放置、その後、鏝筋や鏝波を取る様に金鏝で1~2回押さえ
ます。
・カラクリートの施工終了後、傷を付けずに歩行ができる状態まで硬化したら、なるべく早い
タイミングでドライ方式による目地切りを行います。
*ソフカット(アメリカ SOFF-CUT 社)等の水を掛けないドライカットを推奨。
*目地の角欠けを防止するため「目地の面取り」を行えれば尚可。
(切断時の角欠けに留意してなるべく早めに行ってください。目地切りのタイミングは季節やコ
ンクリートの品質によって異なりますが、温度が高く硬化の早い季節は翌日、締まりの遅い低
温季節には翌々日に行っているのが現状です。
・仕上げの完了した床は傷がつかなくなるまで気乾養生を行い、その後保湿養生を行ないま
す。{保湿養生に掛かる目安:夏場・高温時:翌日、上記季節以外:翌々日}
気乾養生の目安は 夏場・12~24 時間 冬場・36~48 時間程度、気乾養生終了後「ABC商
会の養生シート」等で保湿養生します。早すぎるシート養生では、カラクリート表面に傷が付き
ます。早すぎる散水では表面が流れます。保湿養生の期間は、現場の状況が許す限り、なる
べく長期間の養生を希望。
カラクリートはコンクリートと同じセメント製品ですので、養生中はたっぷりの水が必要です。
水か掛かっても流れたり、形が崩れない程度まで硬化が進んだらなるべく速やかに、保水養
生にかかってください。保水の方法は「噴霧」「散水」「潅水」「水密シート」等方法は選びませ
ん。膜養生とメンテナンス材を組み合わせる場合には相性を確認してください。
・十分に養生した後、床の研掃を行い付着している「汚れ」「レイタンス」「エフロレッセンス」など
を除去します。研掃は、フロアポリッシャーにナイロンパット(黒色・茶など)を付けて行います。
・研掃を行った後、研磨カスやホコリなどは「電気集塵機」を使用して取り除き、「水洗い」して
乾燥させます。
・床面を清掃・乾燥させた後、フロアーブライト、ニューキュアコート(アクリル系水性樹脂ワック
ス) 又はカラーコート、トップコートHGなどを塗布します。目的によってはセラミキュア(珪酸
塩系表面強化材)を塗布する場合もあります。
カラクリート 標準施工仕様書 20120618
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巾木や蹴上げ(蹴込み)の施工要領
硬化コンクリートやその他の素材には施工できません。必ず、普通セメントモルタルと同時施工が必要です。
塗り付けた直後のモルタルに、水練りしたカラクリートを塗り付けます。
施工工程
注意事項・施工方法
①
・巾木などの立ち上がりは、固練りしたモルタルを所定の厚さに塗り付けます。
モルタルはダレを生じないように、普通は6~9㎜厚が塗り厚の標準です。(JASS 15)
(床の場合は25㎜厚が塗り厚の標準)
・必要に応じて入り隅に30~50㎜程度のアールを付けてください。
Rを付ける場合には、事前に入り隅にモルタルを詰め、硬化させておくと、断面が減少して
ひび割れが入り難くなります
モルタル塗り付け
ひび割れが減少
6~9㎜程度
塗り付けたモルタル
ひび割れが減少
厚みが付く入り隅にモルタルを塗り込み、モルタルの
厚さを均一にすると、ひび割れが入りにくい。
②
カラクリート塗り付け
③
中間仕上げ
最終仕上げ
保水養生
表面クリーニング
初期メンテナンス 等
完成
④
⑤
・立ち上がりに施工するカラクリートは水練りして用います。
・塗り付け時にダレ無い硬さで、施工しやすい適度な硬さになる様に練ってください。
・カラクリートの施工時には接着剤などは用いません。
固まる前のカラクリートとモルタルがなじみ、カラクリート中の骨材がモルタルに食い込んで
接着するので、カラクリートの塗り付けはモルタル塗り付けの直後としてください。
カラクリート中の骨材が食い込めないほど、モルタルが硬くなったら施工できません。
・カラクリートの厚塗りはしないでください。
カラクリート 1袋20㎏で8~10㎡の施工を目安にしてください。
仕上げ厚は1.5~2㎜程度になります。
・塗り付け完了後、タイミングを見ながら金鏝で表面を数回押さえ込みます。
その後、鏝筋や鏝波を取る様に金鏝で1~2回押さえます。
「④最終仕上げ」以降は9頁の床の施工要領と同様に行ってください。
完成した巾木のイメージ
矢印は塗り付けたカラクリート
カラクリートを塗り付けで使用するのは巾木などの小面積のみです。広い面積は散布で施工してください。
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12.養生
内
容
①初期乾燥養生
・仕上げが終わった床は傷が付かなくなるまで水を掛けないでください。
(水が掛からない様に注意してください)
気乾養生期間目安 : 夏場24時間程度
: 冬場48時間程度
②保湿養生
カラクリートはコンクリートと同じセメント製品ですので、養生中はたっぷりの水が必要
です。水か掛かっても流れたり、形が崩れない程度まで硬化が進んだらなるべく速や
かに、保水養生にかかってください。保水の方法は「噴霧」「散水」「潅水」「水密シー
ト」等方法は選びません。膜養生とメンテナンス用トップコート類を組み合わせて使用
する場合には事前に付着等の相性を確認してください。
・初期気乾養生後、保湿養生(シ-ト養生、散水養生など)を行ないます。
保湿養生が不十分の場合には、所定の強度が出ません。
保水養生期間目安
③傷付き防止・保護養生
④養生期間
⑤冬期・夏期の対策
⑥注意事項
:一般的使用・1週間程度
:重量物走行・3週間程度
・あまり早い時期にカラクリートの表面を濡らしたり、水養生を行ないますと、
カラクリート表面のセメント分が洗い流されたり、傷が付きます。
また耐摩耗性が大幅に低下する危険性があります
・シート養生を行なう場合には、丈夫で白華の出方の少ない「ABC商会の養生シー
ト」の使用をお薦めします。ビニールシ-トよりもコシがあり、よれが出にくいために
隙間無く敷き込み易い養生シートです。
・ビニールシ-ト養生を行なった場合には床とシ-トの間に結露し白華、アクが目立
つことが有ります。(シートがよれて敷かれた時に顕著に出ます)
・「ABC商会の養生シート」は床に接触する面が保水性パルプ層でできていますの
でカルシウムを多く含んだ水を吸い込む為に白華抑制になります。
・シート養生を行なう場合には、水分の蒸発を抑制する為にシート同士のジョイントを
粘着テープなどでシールする事をお薦めします。
・コンパネやベニヤ板で養生を行なう場合には、カラクリート表面に直接置かず必ず
シート養生の上に置いてください。
直置きすると、コンクリートの水分の影響によりベニヤのアクが溶け出しカラクリート
に染みが付きます。
・床の使用開始は、人の歩行程度であれば1~2日で可能ですが一般的な使用方
法で1週間後以降、重量物通行は3週間後以降を希望します。(20℃程度の場合)
※気温が5~10℃程度の場合にはセメントの硬化スピ-ドが20℃の時の半分以下
になるため、より長い(倍の時間)養生が必要となっています。
・冬期、夏期の乾燥する時期には前記の気乾養生後、必ずシ-ト養生または散水養
生などで保湿養生して下さい。
・散水養生を行なう場合
5~7日間は水を切らさず、床が常に湿潤状態にある事が必要です。ちょっと水を
撒いたような簡単な散水は、セメントの水和反応を促す保湿を目的とした散水養生
にはなりません。
・養生シートの撤去
養生シートを撤去した時には、床が濡れている状態の時に水洗いや水拭きを
行なってください。乾燥させると白華が発生して取り難くなります。
*散水を止める時はそのまま乾燥させず、床に溜まった水を水切りドライヤーなどで
かき集め、モップなどで拭いてください。
*シート養生を行なうとシートと床の間に結露が発生します。この結露水にはセメント
のカルシウムが沢山溶け込んでいる為に、そのまま乾燥させてしまうとカラクリート
の上にカルシウムが白い結晶体として析出しますので 結露水を乾かさないうちに
洗い取ってください。
*また、水洗い後は送風機などで風を送り強制乾燥してください。
自然乾燥では白くなりやすくなります。
※ここで発生した結晶は一般には白華といわれます。この白華は床を使い込めば自然に除去
されます。(使用頻度によって異なりますが、半月~1ヵ月で除去されます。)
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13.メンテナンス
カラクリートはセメント製品のため、仕上り面に、白華、アク、レイタンスが発生して白くなる事があります。
これらはカラクリートの表面に付着しているだけなので、人の歩行や車の走行、台車やフォークリフトの走行等の摩
擦・すり磨き作用により徐々に除去されますが、お引渡し時に下記に記載のメンテナンス材を塗布すれば最初から
美しい状態でお使いいただけます。
弊社ではメンテナンス用トップコートとして用途に応じて様々な商品を用意しています。
商品名
フロアーブライトシーラー
(屋内外に使用可能)
トップコートWG
(屋内専用品)
透明
トップコートHG
(屋内外に使用可能)
主な特長
透明の水性クリアーメンテナンス材 半光沢タイプ
屋内ではドライエリアの一般的なクリアーメンテナンス材料。
汚れ防止、ツヤ出し目的で使用。自動車整備工場や屋外カラクリートにも使用可。
透明の水性クリアーメンテナンス材 高光沢タイプ
店舗、工場、倉庫などのドライエリアのメンテナンス材料。汚れ防止、高ツヤ出し
目的で使用
透明の有機溶剤型クリアーメンテナンス材 高光沢タイプ
塗布すると濡れ色になり色が濃くなる。ドライエリアの発色性の向上。汚れ防止、
高ツヤ出し。屋外カラクリートにも使用可
セラミキュア
(屋内外に使用可能)
フロアーブライトS
ケイ酸塩系表面強化材
店舗、工場、倉庫などのドライエリアの汚れ防止材。カラクリート面に塗布すると
汚れが付き難くなり、付いた汚れの清掃がし易くなる。
半透明色付きの水性カラーメンテナンス材:専用塗付器で施工します。
(一般汎用)
フロアーブライトH
(Sの着色力向上品)
フロアーブライトG
カラー
(Hの着色力向上品)
(どれも屋内専用品)
ニューキュアコートF
(屋内専用品)
カラーコート
(屋内外に使用可能)
(低温時0℃以上で使用可)
(使用時は火気厳禁)
カラクリートと共色のスルーカラー(カラークリアー)の半ツヤ・アクリル樹脂カラー
ワックスで、硬質床全般に使用できます。(水周り全般と屋外には使用不可)
フロアーブライトS → フロアーブライトH → フロアーブライトG の順に着色力(隠ぺい力)
が強くなります。
ドライエリア用のカラーメンテナンス材料。色揚げ、汚れ防止、ツヤ出し目的で使用
水性塗料タイプのカラーメンテナンス材
下地の色ムラが多い場合用:ドライエリアのカラクリートに塗布して表面を隠す目
的で使用。主に人の歩行を目的とする部位でご使用ください。
有機溶剤塗料タイプのカラーメンテナンス材
下地の色ムラが多い場合用:カラクリートを完全に隠す目的で使用。
屋外カラクリートにも使用可。低温施工用(0℃で硬化可能)
商品の使い分け等の詳細はお問合せ下さい。
【カラクリートが白華している場合】
カラクリートの表面にセメントのカルシウムやコンクリート混練水中の塩類が析出した現象(コンクリートやカラクリー
トの毛細管を通して析出した白色結晶が上に乗っている状態)であり、人の歩行や車の走行、台車やフォークリフ
トの走行等のすり磨き作用により自然に除去されます。
床面を十分に乾燥させた後、黒パット装着ポリッシャーなどで軽く研摩してから上記メンテナンス材の施工に掛か
ってください。塩類の堆積量によっては十分な研摩が必要になる場合があります。
【カラクリートにレイタンスが発生している場合】
コンクリートの骨材に含まれる泥などの不純物がカラクリートの表面に析出している為、強度がありません。
黒や茶色のパットを付けたポリッシャーで念入りに研摩してから上記メンテナンス材の施工に掛かってください。
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【日常のメンテナンス】
○床面のゴミ、ホコリ等はダスターモップ、フロアーモップ等で取り除いてください。
○汚れはモップで水拭きして下さい。水拭きで除去できない汚れは、フロアーブライト クリーナー等で除去してく
ださい。汚れの種類別に一般クリーナー(一般用)、オイルクリーナー(一般用、動植物油用、鉱物油用)を用意し
ています。
○床に落ちた油分はそのまま放置せず、その都度ウエス等で拭き取ってください。
○ブレーキ跡やスリップ跡などのタイヤの汚れはフロアーブライト タイヤマーククリーナーで除去できます。
〇付着した鉄さびは、フロアーブライト鉄さびクリーナーで除去できます。
【汚れがひどい場合のメンテナンス】手順概要
①汚れが多い場合にはフロアーブライトクリーナーで洗浄してください。(汚れの種類別に用意)
②ヒールマークやタイヤマークが多い場合は、フロアーブライトタイヤマーククリーナーで洗浄してください。
③汚水は直ちにゴムレーキやバキュームクリーナーで取り除きます。2~3回程度きれいなモップで水拭きした後、
乾いたモップで拭きあげて乾燥させます。
④カラクリートが乾燥後、下地の状況に応じて10ページのメンテナンス材から最適な材料を選定し塗布してください。
次回のメンテナンスの時に汚れの除去が容易になります。
メンテナンス方法は別途資料を用意していますので、必要な場合にはご請求ください。
14.その他 カラクリートの不燃性能に関して
建築確認申請時や施工後の消防検査時等に「カラクリートの不燃認定書」の提出を求められる事がありますが、
法律上、塗り床材には不燃の規定がありません。規定が無い為に試験方法が無く、測定方法がありません。
(壁や天井が対象の不燃試験方法はありますが、この試験を行なっても床の不燃評価にはなりません。)
これらの事から、塗り床材の材質に関わらず「不燃認定」は存在しません。
その為、カラクリートには「不燃認定書」はありません。
また、カラクリートの酸素指数を求められる場合がありますが、塗り床材は酸素指数法の対象ではありません。
酸素指数法は「成型品の高分子材料」や「合成樹脂類粉末」などで、「置いてあるだけで移動が行える合成
樹脂材、Pタイルやカーペットなど、すなわち、躯体の一部とはみなされにくい製品」が対象です。
不燃性能は「建築基準法の内装制限」と「消防法の防炎物品」で規制されています。
○建築基準法の「内装制限」には「不燃材・準不燃材・難燃材」の規制がありますが、これらは壁・天井・屋根の
室内に面する部分への規制であり、「床・巾木は規制対象外」です。
○消防法では「防炎規制」で防火対象物が決められており、床材では「じゅうたん等」として規制がありますが、
「塗り床材は防火対象物ではなく規制対象外」です。
根拠法令
建築基準法 第三十五条の二、建築基準法施行令 第百二十九条
消防法第八条の三第一項、消防法施行令・第四条の三第三項
これらの法令から
「カラクリート」は内装制限を受ける特殊建築物等の内装や、防炎物品を使用しなければならない高層建
築物、地下街、その他の政令で定める防火対象物にも、規制を受ける事無くご使用いただけます。
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【危険物を取り扱う建築物】
「危険物の規制に関する政令の第三章、第一節 製造所の基準、第九条の五」に
危険物を取り扱う建築物は、壁、柱、床、はり及び階段を不燃材料で造る・・・・。と記載されています。
ここで言う不燃材料は下記の材料です。
◎国土交通大臣の定めた下記 17種類の中から選定して床を造る、と言う事です。
【一 コンクリート、二 れんが、三 瓦、四 陶磁器質タイル、五 繊維強化セメント板、六 厚さが 3 ミリメートル以上の
ガラス繊維混入セメント板、七 厚さが 5 ミリメートル以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板、八 鉄鋼、九 アルミニウ
ム、十 金属板、十一 ガラス、十二 モルタル、十三 しっくい、十四 石、十五 厚さが 12 ミリメートル以上のせっこう
ボード(ボード用原紙の厚さが 0.6 ミリメートル以下のものに限る。) 、十六 ロックウール、十七 グラスウール板】
上記17種類の不燃材料の他には、『◎「国土交通大臣の認定したもの」(認定書を発行された商品)』がありま
すが、法律上、床材に不燃規定は無いので、『床材の国土交通大臣認定』は存在しません。
【カラクリートの材料としての不燃性能】
以下の2種類の試験により、カラクリートは燃えない事が確認されています。
①カラクリートの材料としての不燃性能は、「昭和45年建設省告示第1828号に規定する防火性能試験・表面試
験」において「不燃試験に合格」と認められ、成績書を有しています。この試験方法は現在、廃止されています
が、「カラクリートは燃えない事」を第三者機関による不燃試験で証明した結果として載せています。
②建築基準法における不燃材料の評価は「ISO 5660 Part 1コーンカロリーメーターによる発熱性試験の結果」
で行います。
カラクリートは第三者機関で「発熱性試験」を行い、不燃材料を定める加熱時間20分を行っても燃焼せず、
また変形・溶融・亀裂を生じない事が確認され、試験結果報告書を有しています。
ただし、前述の様に床材には不燃規定が無いので床材の不燃性能を証明する事にはなりません。
上記①②の試験は「壁・天井材の不燃材料を定める時の試験方法」により行っていますので、結果が優れてい
ても「床の不燃性能」を現す事にはなりません。
その建築物件を管轄する所轄消防署の判断に委ねられますが、この①②の不燃試験結果を元に「危険物を取
り扱う建築物」の不燃性の床仕上げ材として認められる場合があります。
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15.ホルムアルデヒドに関する規制 ホルムアルデヒド放散等級(F☆☆☆☆)関連
規制を受ける商品は告示対象建築材料を内装の仕上げ等に用いる場合です。
(規制対象となる建築材料は平成14年国土交通省告示第1113号、第1114号、第1115号で限定列挙した建築材料)
カラクリートは国土交通省の定めた告示対象外の商品です。
その為、「国土交通大臣の認定」は必要なく、規制を受ける事なく内装に使用が可能です。
日本建築仕上材工業会では「ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂及びホルムアル
デヒド系防腐剤のいずれをも使用していないJIS A 6909 表示品以外の塗材」を対象とした「自主的にホルム
アルデヒド放散等級F☆☆☆☆マークの表示を行う制度」(自主表示=自主管理規定表示)があり、この自主
表示は建築基準法では自主管理規定表示も国土交通大臣認定による表示やJISによる表示と同様に運用さ
れます。
カラクリートも告示対象外の商品ですが、自主的に第三者機関でホルムアルデヒドの放散量を測定し、日本建
築仕上材工業会にF☆☆☆☆登録をしています。
尚、日本建築仕上材工業会では工業会のホームページ記載商品を正式としていますので、カラクリートの登
録状況は上記、日本建築仕上材工業会のホームページ(www.nsk-web.org/)でご確認いただけます。
ホルムアルデヒド自主管理の法的根拠
ホルムアルデヒド自主管理登録の根拠は建築基準法・施行令・施行規則・告示には明記されていません。
国土交通省による説明会資料「建築物のシックハウス対策マニュアル p.35~p.46、p.164~p.170」の中で
「事業者団体等による建材に関する表示制度」の事が触れられていますので、法的根拠等の詳細確認が
必要な場合には、国土交通省住宅局建築指導課(TEL:03-5253-8514)にお問合せください。
以上
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