講演会概要 - 東洋Fデザイン専門学校

2016 年 2 月 6 日成宮レイさん講演会概要
2 部構成
1- コルセットとの出会い
2- 成宮レイの考えとモノつくりストーリー
1 コルセットとの出会い
○学校卒業後某アパレルメーカー2社でパタンナーとして十数年在籍。
○パタンナー時代は自分の 3 倍くらいあるミセスの L サイズパターンと格闘し
つつ初めの数年間を過ごす。入社後 5〜6 年経った頃から趣味で自分の洋服作り
をするようになるが、あまり苦手意識を持たず少しずつハードルを上げながら
オールアイテムにチャレンジしていく。
(この時の遊びがパタンナーのスキルを
上げる結果となる)
○ 退職後 SNS で知り合った方のバッグやコルセットのオーダー製作を始める。
○ この時、本格的なコルセットは作った事が無かったけれど二つ返事で受けた。
名言:パタンナーは 100%技術力:デザイナーはそこそこの力と 50%のハッタ
リだ!
○ 成宮レイの世界が始まる。(日々試行錯誤の連続)
○ コルセットの洋書を買いあさって独学で勉強。内容は英語を訳すまでもなく
洋服作りの基礎知識があれば容易に理解出来るものであった。
○ これら資料には拡大コピーするだけで使える中世ヨーロッパの貴婦人のよ
うなコルセットのパターンが多数含まれていたが、自分の作りたいモノはこ
れじゃない。と結局一からシルエットを組み立て、誰の真似でもない独自の
ラインを確立する。
名言:やらされているという感覚では慣れれば飽きてくる。
やりたいと思う事は何度でも初心になって精一杯取り組める。
2.成宮レイの考えとモノづくりストーリー
第1章
パターンが好き
○学生時代パターンは好きだったがドレーピングは嫌いだった。
○ 私のパターンデビューは今思えば小学生の時の立方体の展開図。算数嫌いの
私が唯一得意だったテーマ。人生で最も算数の成績が良かった黄金期である。
数値を組み合わせるだけの平面パターンに納得がいかなかった専門 3
年の頃、パターン論の講義を一年間受講、理論的に立体を解釈する考
え方を学んだ事が転機となり初めて納得のいく答えを見出す。
(この時
に自分はパタンナーを目指すと決めた)
名言:人には色々タイプがあるが、私はまずパターンがあり、その後に縫製を
考えるから多少無理があっても力技でこなす事もあったり。自己の経験から実
現不可能なパターンなど殆どないと日々豪語。それを実証すべく日々実践して
いる。
第2章
特注のコルセット:お客様の職業柄デザインに求められるもの:
○ 絶対に他のデザインとかぶらない事。
○ お客様の求める世界観
○ お客様に似合う事
○ お客様とは直接会って打ち合わせできない事も多いので、サイズ・顔写真・
全身写真・ライフスタイル等お客様を知る上で参考となる資料を送ってもら
い、そこから似合うデザインをイメージして提案する。
そのため、単なるデザインに留まらず全身をスタイリング出来るくらいのスタ
イリストとしての力量も必要となる。
革ひもの衣装
○ 体にハーネスを纏うイメージ!冗談から生まれた衣装
○ パターンを必要としない衣装だという事に、提案してから気がついた。
○ 革は失敗できないアイテムのため、トワルは特に念入りに。マスキングテー
プをボディにひたすら貼るという作業を繰り返してイメージを作製し、何度
もお客様との打合せを行い本番は気合いで仕上げた。
成宮レイ:リピーターのお客様からウエディングドレスの依頼
○ ウエディングドレスなのでそれなりにブライダルなデザインを提案してみ
たが、
「成宮ワールド全開のデザインでお願いします!」という予想外のダメ
出し頂く。
:改めて自分に求められるものは何か。正しく解釈する重要さを再
認識。
名言:お客様から言われた事だけでなく、自分流のアイデアを加える事で他に
はない付加価値をつける。
第3章
成宮レイのコルセットへの考え方
○ 市販のコルセットはオーバーバストかアンダーバストの範囲でデザインす
るものが主流で、そこに新しさや面白味はあまりなく、長年キャリアを積ん
だアパレルパタンナーならではの斬新なデザインを!「もっと自由に洋服の
様に表現したら」と考えるようになる。
○ これも友人との何気ない会話から生まれたもので「コルセットとミリタリ
ー」を融合させたら何故かこれが爆発的に受けた。
○ ミリタリーテイストは好きなジャンルでもあるためここぞとばかりにこれ
を展開。ミリタリーコルセットをシリーズ化させる。
ココでも名言
名言:余計な物を削ぎ落とした先に本当に美しいデザインがあり、それこそが
真にスタイリッシュなデザインである。
第4章
スチームパンク展に参加
○ twitter を通じて私の存在を知ったという主催者からの熱烈オファーを受け
てスチームパンク展に出展する事となる。
○ 装飾過多なスチームパンクは自分のテイストやコンセプトとは外れる部分
があるものの、成宮お得意の「なんちゃって◯◯」の精神で自分なりの世界
を構築。
○ 世界観の異なるジャンルの中に自己流の解釈を加える作業におもしろさ・新
しさを見出す。
○ 今後も意外性のあるイベントには積極的に参加していく予定。
第5章
写真家成宮レイ
○ 3 年前、趣味で撮影している廃墟写真の個展を東京・新宿にて開催。多くの
メディアや雑誌等でも取り上げられ大好評を博す。
○ 廃墟写真をプリントしたワンピースをネタで販売したら、廃墟を纏いたい女
子が殺到「廃墟ワンピ」が大人気に。
○ 今後もこういった写真+ファッションの融合などは色々と計画中。