稲作技術情報 - JAしおざわ

JAしおざわ 営農情報誌
あ ぜ み ち
No.2
平成25年4月15日
営 農 セ ン タ ー TEL 782-1171
稲作技術情報
∼品質V字回復宣言∼
1.
土づくり・本田準備・田植え作業計画
今年度は、昨年の品質低下を踏まえ、土づくりの継続・作土深15cmの確保を目標
に掲げ、皆様より実践していただき品質 V 字回復をめざしたいと思います。
雪解け後の春作業については、土づくりから始め、圃場状態にあった土づくり資材
(ケイ酸・有機質など)の投入をお願いいたします。(2∼3 P を参照)また、本田準
備として登熟期の高温に負けないよう根域の拡大を目的に、作土深15cmの確保を目標
に耕起を行いましょう。
2.
消雪日予想(4月8現在)
4月 8 日現在の消雪予想をお伝えします。作業計画の作成・変更にご活用ください。
地 域
計 測 地 点
積雪量(cm)
上 野
塩 沢
岩之下
消雪予想日
80
4 月 20 日
180
4 月 28 日
一之沢 130 4 月 24 日
神 立
湯 沢
80
芝 原 110 旭 原
40
4 月 20 日
4 月 23 日
4 月 16 日
※上記の予想は、あくまでも予想です。今後の気温・地形・実際の積雪量により、変化します。
育苗初期∼中期の注意点
・催芽、出芽の温度は、
30℃以下になるようにしましょう。
・異常高温、低温・霜注意報などに注意し、適切な温度管理を行ってください。
・残雪が育苗場所に隣接する場合は、風の温度が低くなります。肩の開閉は、外気温
に注意して行ってください。
・緑化期間中の異常高温によりシート内が 40℃以上になった場合、一旦シートを
また、表土が乾く場合は、表面が軽く湿る
外し温度を下げるようにしてください。
程度に灌水を行い、
夕方再度シートをかけ保温をしてください。
ー1ー
3.
土づくり特集
出展 新潟県農林水産部発行 「新潟米」おいしい米作りのポイントより
昨年の品質低下を踏まえ、異常高温に強い稲作りを目指すために、もう一度土づくり
の重要性を認識していただき、土づくり肥料の散布、作土深15cmの確保を行い、登熟期
後半の根の活力維持、根域の拡大を図りましょう。
(1)高温条件下での品質向上対策
高温条件下の稲は、根からの水吸収が抑えられ葉から熱が逃げず、葉温が上昇
してしまいます。稲体がこのような状態になると、光合成の能力が低下し、米の
中に十分なでんぷんを蓄えられず、米が白く(心白・腹白・背白・基白など)見え、
品質低下を招きます。この状態を軽減する方法として、ケイ酸質肥料の施用と
登熟後半の窒素栄養確保が挙げられます。
①ケイ酸質肥料の効果
以前から知られていた効果・・・・・・・・・・①病害虫に強くなる。
②葉の受光態勢が良くなる。
③倒伏に強くなる。
プラス
高温条件下での品質低下防止
ケイ酸無施用区
40
乳白粒
18:00
対照区
16:00
常温区
ケイ酸肥料区
8;00 10:00 12:00 14:00
高温区
対照区
常温区
20
ケイ酸肥料区
ケイ酸施用区
対照区
25
着色粒が減少
ケイ酸肥料区
30
高温年に乳白粒や
対照区
8℃
6
5
4
3
2
1
0
ケイ酸肥料区
葉温︵℃︶
35
発生率︵%︶
ケイ酸の施用で、葉温が低下
高温区
着色粒
図 2 高温条件における葉温に及ぼす
図 3 高温条件におけるケイ酸施用が
ケイ酸の効果
玄米品質に及ぼす効果
(参照:「金田ら , ケイ酸質肥料が高温処理水稲の葉温・気孔コンダクタンス・ケイ
酸吸収に及ぼす影響 , 日本土壌肥料学雑誌第 81 巻 ,2010」)
図のようにケイ酸質肥料を散布するとケイ酸吸収が多くなり、根の水分
吸収力が向上します。これにより稲体の蒸散量が増え、葉温の上昇が抑え
られ登熟が向上します。
ー2ー
②登熟後半の窒素栄養確保(有機質資材投入)
登熟後半の栄養状態により、乳白粒や胴割れ粒の発生割合に影響があります。
土壌窒素が継続して供給されるように、有機質資材を継続的に施用しましょう。
☆有機質肥料の種類による効果の違い☆
分解が早い
分解がゆっくり
とん太くん ( 豚ぷん堆肥 )
発酵ケイフン
べこの堆肥(牛ふん堆肥)
牛ふん籾がら堆肥
みのり堆肥 VS
稲わら堆肥
ワールドエース
肥料成分 少 肥料成分 多
◎ケイ酸質土づくり肥料
★ニューソイル元気 20kg入り
特徴
苦土重焼燐とケイ酸加里を配合。
施肥量が少なく省力的。
また肥料成分の吸収率が他と比べ高く、
(4倍位)施肥効
率が良い。
(リン酸14、加里5、苦土4、ケイ酸17)
10a当り40∼60kg(2∼3袋)
2,761円
★魚沼ロマン土づくり 20kg入り
特徴
60kg投入で堆肥500kgと同等の腐植酸を含みます。
秋落ち田・地力の低い圃場に適します。
(リン酸7、苦土9、ケイ酸18、腐植酸20、アルカリ24)
10a当り40∼60kg(2∼3袋)
2,362円
◎有機質土づくり肥料
★ワールドエースペレット 15kg入り 有機100%
特徴
カニ穀
・豆粕・鶏糞を含んだ資材です。
土壌の団粒化・根ばり向上に役立ちます。
特におすすめ
(窒素3.3、リン酸5.0、加里2.7、マグネシウム1.0)
10a当り45∼60kg(3∼4袋)
ー3ー
525円
4.
本田準備計画
(1)畦塗り・耕起・代かき ∼気象変動に強い稲づくり∼
育苗計画と併せて、無理のない作業計画を立て耕起・代かきを行って下さい。
◎畦 塗 り……漏水防止(渇水対策)・水深確保を目的として、保温的水管理・
除草効果の向上を図りましょう。
◎基肥施用……詳しくは 6 ページを参照。
(全層施肥の場合)
◎耕 起……過湿状態での作業は避け、
なるべく乾いた状態で行いましょう。
目標:耕土深は 15cm を目指し、稲の根張りが深くできる状態にしましょう
目標:耕土深は15cmを目指し、稲の根張りが深くできる状態にしましょう
ポイント! 粗目に耕し、耕 土を乾し、乾 土 効 果を引き出しましょう。
× ○
PTO回転数が高いほど
細かい土に
低いほど粗い土になる
注 意!
トラクターの車速にもよりますが、PTOギアを1又は2速でロータリーを回転させてください。
回転が早いと、負担がかかり、ロータリー爪の摩耗増大につながります。
Q.田んぼの四隅が高くなってしまいます。どうしたら解消できるでしょうか?
ロータリーには正転しかないものと、逆転できる「正逆転ロータリー」
があります。逆転できる場合は、逆転を使います。逆転させると、隅の土
が高くなることがありません。逆転にして2メートルほどで正転に戻
して下さい。
逆転が無い場合は、隅に寄せた時に前進させずその場で空転させます。
そして、深く掘り下げて、その状態でロータリーの回転を止めて2メートル
ほど前進すると、土はロータリーに挟まれたままになるので隅を低くする
ことが出来ます。
ー4ー
◎代かき……田面の水量を少なく
(高い所が出る程度)、
粘土質土壌は練りすぎに注意
し、砂質土壌は丁寧に行いながら、
できるだけ均平にならしましょう。
目標:田植えの2∼3日前を目処に終了させ、土を落ち着かせましょう。
水持ちの悪い圃場では、中代かき(深め)を行ない、3日程土を落ち
ポイント! 着かせ、その後仕上げ代かき(浅め)を行なってください。
注 意!
田面が不均一になると、田植え時の活着の遅延・欠株の発生、除草剤の効果低下または、
薬害の発生につながる可能性があります。
◎代かき後の雑草対策
雑草種子は、田んぼへの入水後すぐに発芽できる状態になります。
代かき∼田植えまでの期間が7日間以上空いてしまう場合には、初期除草剤を使用し、
雑草の発生を抑えましょう。
※代かき∼田植えまでの間が7日以内の場合は、初期除草剤が使えませんので、ご注意下さい。
Q.田面の高低差を直すよい方法はありませんか?
代かきをする際に、ある程度直すことができます。田んぼに入水後、
土が軟らかくなったところで行います。ハローの回転を止め、土を
引っ張ることができますので、高いところから、低いところへ徐々
に動かしていきます。完全に修正するには、
3年程度かかりますが、
ダンプを使用しなくても均平にできる利点があります。
ー5ー
(2)基肥の施用(全層施肥)
過繁茂させず、良質茎を必要本数確保できる適正な基肥量を施用しましょう。特に
基肥窒素量は6月下旬までは残さず、稲の色がさめ、穂肥が十分施用できる量に
設定しましょう。
◎10アールあたり施肥量目安
土壌タイプ
粘土質の湿田
作土の下に れきのある水田
黒ボク土
成分量
窒素(N) リン酸(P)
2∼3Kg
4∼10Kg
3∼4Kg
4.
8∼10.
0Kg
保存版!
加里(k)
4.
5∼6.
0Kg
☆肥料成分の求め方☆
肥料の袋に書いてある窒素(N)
・リン酸(P)
・加里(K)の成分率(%)から成分量(kg)を求めましょう。
計算式は、1袋の重さ
(kg)
×成分率(%)
=成分量(kg) で計算します。
(この計算式は、
すべての肥料の計算に使えます。
)
「有機30魚沼ロマン 500 号」1袋(20kg)の肥料成分量は下の表のようになります。
1袋(20kg)あたり成分率(%)
1袋(20kg)あたり成分量(kg)
窒素(N)
15%
リン酸(P)
10%
加里(K)
10%
窒素(N)
成分量に
直すと
リン酸(P)
加里(K)
3kg
2kg
2kg
なので、10アール当たり窒素成分3kを施用したい場合は、「有機 30 魚沼ロマン 500 号」を
1袋(20kg)施用すればよいことになります。
★ おすすめ資材① ★
肥料名
有機30
魚沼ロマン500号
有機30
魚沼ロマン
元肥一発
成分量(%)
特 徴
N(チッソ) P(リン酸) K(カリ)
15
15
10
8
10
7
窒素成分量の内、有機由来窒素を
3割含む 30%減化学栽培用元肥。
元肥一発肥料(穂肥省略)。
穂肥期に合わせるように窒素が溶け
出す。作業省力化資材。※側条施肥可能
ー6ー
価 格
2,971円
3,475円
5.田植え作業計画
(1)田植え∼適正移植は5月10日以降∼
近年、夏場の高温日が増えてきています。出穂時に高温に遭遇すると、米の品質低下
を招きます。目標出穂日が8月10日頃になるように適正移植を行いましょう!
(心白粒)
を行わないようにしましょう。
※極端な早植え(GW前・中)
目標 5月10日∼5月26日(最盛期5月19日)
植え付け基準
植付け株数 基 準
50∼60株/坪
植付け本数(1株) 植付け深さ
3∼4本
2∼3cm
・苗は、丈が 12cm 程度のズングリ苗を選びましょう。
(50∼60 株 / 坪)
ポイント! ・株間を広くとり、密植の植え付けは避けましょう。
・植え傷みを避けるため、悪天候(低温・強風)は避け、できるだけ暖か
い日を選び実施しましょう。
植え付け深さ模式図
※補植について
1列の中で、連続3株以上の欠株がなければ、補植の必要は
ありません。
ー7ー
(2)側条施肥
肥料が根の近くに施用されるため利用効率が高く、全層施肥に比べ10∼30%減肥
でき、初期成育も旺盛になります。当JA管内でも広く定着しています。
★おすすめ資材②★
肥料名
成分量(%)
特 徴
N(チッソ) P(リン酸) K(カリ)
価 格
有機30魚沼ロマン
側条専用粒状
12
15
12
窒素成分量の内、有機由来窒素を
3割含む 30%減化学栽培用の側条
専用肥料。
3,234円
魚沼ロマン
有機専用
10
14
10
有機質を多く含み、窒素成分の内
50%が有機由来窒素。緩行性窒素
を配合。 3,118円
有機30魚沼ロマン
元肥一発
魚沼ロマン
ペーストS220
15
8
7
12
12
10
元肥一発肥料(穂肥省略)。 穂肥期に合わせるように窒素が溶け
3,475円
出す。作業省力化資材。 ※側条施肥可能 魚沼地域に適したペースト状側条
施肥専用肥料。
3,549円
※魚沼ロマンペーストによる側条施肥では
肥料の流亡が少なく、
施肥部分における施肥濃度が高く、肥料の利用率が高まる
等の特徴があります。このため施肥量は全層施肥より10∼30%減肥して下さい。
★有機30魚沼ロマン側条専用粒状(緩効性チッソ入り肥料)では、この必要はありません。★
施肥設計について
ポイント! 8月中に倒伏する田んぼは、基肥の施肥量を見直しましょう。
基肥1回の施肥はその年の気候により収量・品質に差が出やすくなります。
側条施肥の施肥量・投入量設定の注意事項
側条施肥を行う場合、肥料投入部のローター部分が年々磨耗して施肥量が変化して
いきます。植え付け前に、必ず実際の施肥量を確認してください。
また、比重の軽い肥料(有機30魚沼ロマン・魚沼ロマン元肥一発など)は、1回に入る
投入量が少なくなります。設定に注意して作業を行ってください。
※磨耗の度合い・投入量設定は、田植え機・メーカーごとに様々です。
ご不明な点・設定に不安がある方は、
JAしおざわ 農機センター(TEL782-0036)までご連絡ください。
ー8ー
(3)病害虫防除
箱処理剤等を有効に使用して、いもち病・イネミズゾウムシ・イネドロオイムシ等を効果的
に防除しましょう。
おすすめ商品
Dr.オリゼフェルテラ粒剤
50g/ 箱
スタークル粒剤
50g/ 箱
いもち病・害虫
3,748円(1kg)
いもち病・害虫
3,790円(1kg)
箱施用
※
50g/ 箱
緑化期∼移植当日
Dr.オリゼプリンス粒剤
2,184円(1kg)
※散布量不足で充分な効果が出ていない例が多くあります。散布量は正確に!
(4)コシヒカリBLに対応した「いもち病」防除
コシヒカリBLに変更後、いもち病による大きな減収等の被害は、ほとんど確認され
ていません。
しかし、いもち病がなくなった訳ではなく、抑えられている状態ですので、
引き続き「いもち病」防除をお願いいたします。
近年、県内で低抗性品種を浸す、いもち病菌が多く発生いたしました。いもち病の密
度を下げる意味も含め「葉いもち」防除をお願いします。
★いもち病の防除は、育苗箱施用剤等による葉いもち 1 回防除。
★地域で問題となる害虫(殺虫剤)との組み合せも考慮。
粒剤
・フェルテラ:イネミズ・イネドロ・ニカ・イネアオムシ
Dr オリゼフェルテラ粒剤
※ニカ・ウンカ・イナゴ・イネアオムシは
必要に応じて防除を実施
殺虫剤
・いずれの防除体系も「葉いもち病」防除を 1 回の実施となります。
・上記の防除体系は『コシヒカリ BL』のものであり、それ以外の品種
(従来コシヒカリ・こしいぶき・こがねもち等)は、葉いもち・
穂いもちの防除を確実に実施ください。
ー9ー
生産履歴記帳運動の取り組みについて
1 生産履歴の記帳意義
栽培の経過を記帳することによって、肥料・農薬の適正使用や品質向上に向けた
取り組み等を確認することができます。
①農産物の安全の確保
②消費者・取引先への安心の提供
③万一の食品危害に際しての生産者の「無実の証明」
2 安全・安心で高品質な「新潟米」生産に向けて
①種子は新潟県種子協会が供給する「指定採種ほ産種子」を100%使用し、種子更新を
徹底しましょう。
②農薬は安全使用基準を遵守して使用しましょう。
③施肥は栽培指針に基づき、適期・適量に行ないましょう。
3 生産履歴の記帳方法
生産者から栽培管理状況・肥料の施肥量、農薬の散布量等を安全・安心「新潟米」
記録カードに記帳していただきます。
①別途配布する安全・安心「新潟米」記録カードに品種別に記帳して下さい。
②記帳は栽培経過に基づき、正確に行ないましょう。
(肥料・農薬等の商品名、施肥量及び散布量)
4 JA米について
コシヒカリ こしいぶき こがねもち
わたぼうし 越淡麗
①JAと出荷契約し、JA(全農)に出荷した米穀。
②新潟県種子協会(または他県種子協会)から供給され、100%種子更新された
米穀。 ※コシヒカリについては新潟県種子協会が供給するコシヒカリBL種子による米穀。
③登録検査機関で受検し、2等(もち米・酒米は3等)以上に検査格付された米穀。
④JAの栽培指導に基づき、農薬安全使用基準遵守と品質向上を目指した栽培が行
われ、栽培履歴記帳が確認された米穀。
▲
次の要件
を満たし
た米穀が
「JA米」
となります。
▲
25年産米の対象品種
は次の5銘柄です。
お知らせ
栽培記録カードは、
4月1日の文書配送で配布させていただきました。
コシヒカリ栽培基準(例)と共に配布いたしましたので、これを参考にご記入をお願い
いたします。記録カードは、例年同様の4枚複写で、1年間に3回(7・9・11月)の提出と
なります。回収についは、職員が訪問日にて行いますのでよろしくお願いいたします。
※圃場管理も含め、全て委託されている場合、委託先を記入して、7月分提出時に
11月分まで一括して提出していただいて結構です。
ー10ー
園芸技術情報
雪が消えたら農作業が始まります。今年度の作付け計画を立てましょう。
毎年、同じ畑に同じ野菜や同じ仲間(科)の野菜を栽培すると、病害虫の被害を受けやす
くなったり、生育が妨げられてしまうことを連作障害や忌地(いやち)と言います。
例えば、ナス科のナスとジャガイモを2年続けて同じ畑で栽培すると、センチュウ類の
被害や青枯病などになりやすく、またアブラナ科の場合は、根こぶ病の発生が多くなります。
(1)連作によって起こる主な病虫害
アブラナ科野菜
・根こぶ病:根にコブがつく・生育後半にしおれが
発生し生育が止まる。
いおう おうか
・萎黄病:葉が黄化し、落葉する。 ナス科野菜 根こぶ病
・青 枯 病 :実がとれる頃に全体がしおれ、収穫不能になる。
はんしんいちょう
・半身萎凋病:実がとれる頃に株の半分がしおれる。
えきびょう
・疫病:茎葉や実が軟化して腐る。
・ジャガイモそうか病:果皮がかさぶた状になる。 ジャガイモ:そうか病 ジャガイモ:疫 病 ナス:半身萎凋病 ウリ科野菜
・センチュウ:根に無数のコブがつき、収穫後半にしおれ、収穫不能になります。
ー11ー
(2)栄養バランスについて
同じ野菜を連作すると同じ肥料分だけが作物に吸収され、微量要素が欠乏したり、
過剰になりやすく、バランスがくずれる。
主な野 菜 のグループ( 科 )〔 同じ仲 間 の 野 菜 〕
(科) 品 目 ナ
ス
科・・・・・なす、トマト、ピーマン、じゃがいも、とうがらし等
ア ブ ラ ナ 科・・・・・はくさい、キャベツ、かぶ、だいこん、ブロッコリー等
ウ
リ
科・・・・・きゅうり、すいか、メロン、かぼちゃ、ゆうがお等
キ
ク
科・・・・・ごぼう、レタス、しゅんぎく、ふき等
ユ
リ
科・・・・・ねぎ、にら、たまねぎ、にんにく等
セ
リ
科・・・・・にんじん、パセリ、みつば、セロリ等
マ
メ
科・・・・・さやえんどう、そらまめ、えだまめ、さやいんげん等
ア カ ザ 科・・・・・ほうれんそう・おかひじき等
サト イ モ 科・・・・・さといも、こんにゃく等
ヒ ル ガ オ 科・・・・・さつまいも・エンサイ等
ヤマノイモ科・・・・・ながいも、じねんじょ等
イ
ネ
科・・・・・とうもろこし等
ア オ イ 科・・・・・オクラ等
※太字の野菜は、同じ畑では 3 年以上作らない方がよいです。
以上のことなどから、年ごとに作物の種類を変えて、数年サイクルで畑を回していく
ことを輪作といい、連作障害回避のひとつの方法です。加えて有機質肥料の多用や微量
要素入り肥料の使用、更には土壌消毒などの方法があります。
【輪作例】
1作目 2作目
3作目
4作目
5作目
ナス科 → ウリ科 → アブラナ科 → ネギ科 → イネ科
ナス きゅうり キャベツ ネギ スィートコーン 2.土づくりをしましょう
(1)土の酸度と中和方法
土の酸度は pH(ペーハー又はピーエイチ)値で表し、pH7.0 が中性です。
pH4∼6は酸性土、pH8∼9をアルカリ土と呼びます。一般的に野菜を作る場合、
中性に近い pH6.0 ∼ 6.5 程度が理想的な土であると考えられます。日本は火山国な
ので、土は通常pH5.0 ∼ 5.5 がほとんどですので、酸度矯正が必要です。
苦土石灰(苦土炭カル)の施用量は一般的には 10 ∼ 13kg /aを目安としますが、
作物によって増減します。
ー12ー
★pH調整に必要な石灰量(1a=約1畝当たり)
矯正酸度
土壌酸度
pH
5.0 ∼ 5.5
pH5.8
pH6.4
2.5 ∼ 7.5kg
4.5 ∼ 9.0kg 6.5 ∼ 11.0kg 8.5 ∼ 13.0kg
消石灰
2.0 ∼ 5.0kg
3.0 ∼ 6.0kg
4.5 ∼ 7.5kg
6
7
5
アルカリ性
pH
タ
5.5 ∼ 8.5kg
中性
種類
酸性
酸度
葉菜類 根菜類 果菜類
タ
pH6.2
苦土炭カル
★野菜別の好酸度★
レ
pH6.0
8
ス
マ
ネ
ギ
ホ ウ レ ン ソ ウ
ア ス パ ラ ガ ス
キ
ャ
ベ
ツ
ジ ャ ガ イ モ
サ ツ マ イ モ
カ
ニ
ブ
ン
ピ
キ
ジ
ー
ュ
ト
ト
ウ
マ
限界
リ
ト
ナ
カ
ン
限界
ス
ボ
ス
チ
イ
ャ
カ
ス イ ート コ ー ン
エ
ン
ド
ウ
※じゃがいも・さつまいもの場合は、比較的酸性土壌を好みますので、酸度矯正の
ための石灰類は通常必要ありません。
(2)おもな石灰類の違いは?
①苦 土 炭 カ ル ・・・アルカリ分 55%とマグネシウム(苦土 =Mg)10%、
② 消
石
灰 ・・・アルカリ分 72%、
③マグクリー ン ・・・アルカリ分 100%とMg30%
④石 灰 窒 素 ・・・アルカリ分 55%
(苦土・・・光合成に重要の役割をはたす葉緑素の必要成分。)
ー13ー
(3)石灰チッソの使い方
石灰チッソは、石灰分とチッソ分が両方入っている「肥料農薬」です。
散布後、土の中の水分と混ざりシアナミドという化学物質が発生し、害虫に効きます。
またその後、土中に石灰とチッソとして残り肥料となります。シアナミドが分解するま
で2週間ほどかかりますので、散布直後にタネをまいたり苗を植えたりすると発芽しな
かったり枯れてしまいますので、注意が必要です。
(土壌の消毒・雑草の抑制等の効果があります。)
★主な石灰類
品 目 パッケージ
施用量
(1aあたり)
13kg
アルカリ分 55%
酸性土壌改良
土に優しい 炭カル
粒状で撒きやすい
耕 耘 後5日程 度 で
播種・定植可能
10㎏
アルカリ分 72%
酸性土壌改良
耕 耘 後1週 間 ほど
放置
8㎏
アルカリ分 100%
散布量少なくて済む
酸性土壌改良
耕 耘 後 半 月ほど
放置
13 ㎏
アルカリ分 55%
酸性土壌改良及び
殺菌作用有り
窒 素 分 も あるで 量
に注意
耕 耘 後10日 ほど
放置
おすすめ
粒状苦土炭カル
(M−10)
DL消石灰
(粉状)
粒状生石灰
(マグクリーン)
粒状石灰窒素
ー14ー
説 明
(4)石灰類と堆肥の使い方
石灰類と堆肥を同時に散布すると石灰類のアルカリ分と堆肥のチッソ分が反応して
ガス化して空気中に逃げるので、石灰類を先に散布して1週間ほど開けてから堆肥を
散布することが望ましいのです。
※鶏ふんは、リン酸分が多いので果菜類のトマト・ナス等に最適です。
(5)堆肥(有機質肥料)で土壌改良をしましょう
★有機質肥料(土づくりも兼ねる肥料)
品 目 パッケージ
施用量
説 明
3袋
発酵処理した豚ぷん
100%の堆肥。
(1aあたり)
とん太くん
なるべく元肥として、
発酵鶏ふん
2袋
土とよく混ぜて使用
すると効果的。
ワールドエース
5袋
カニ殻、けいふん、
なたね 粕 、 魚 粕を
主 原 料とし、 長 期
高 温 発 酵した有 機
質肥料。
ベコの堆肥
(発酵牛ふん)
6袋
肥育牛ふんを完全
発酵させた堆肥
みのり堆肥VS
10袋
樹皮堆肥にピートモス、
ヤシ殻、バーミキュライト、
卵殻をブレンドした土壌
改良材。カルシウム、
ミネラル等をバランス
良く含有。
※有機質肥料(堆肥)は、数年間にわたって、徐々に土壌改良を進めるものですので、
1 年で効果を期待できるものではありません。
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野菜定植準備での注意!
野菜の定植には、地温の確保が重要です。極端な早植えは、行わず、
地温15℃以上になってから定植しましょう。特に転作田においては、十分
にほ場を乾かしてから耕うん・畝たてを行い、定植の準備をしてください。
マルチ掛けは、気温の高い時に可能な限り畝が十分に湿った状態で、
行いましょう。消雪から定植までは、およそ3週間必要ですので、天候に
注意しながら作業を進めてください。
★塩沢地区 5月11日(土)午前6時∼10時まで
日時 場所/本所前駐車場
★湯沢地区 5月12日(日)午前6時∼10時まで
場所/湯沢支所構内
同時開催
野菜苗市しおざわ会場(5月11日)にて
錦鯉の即売会を開催いたします。
多くの方のご来場をお待ちしております。
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