平成25年度 成果報告概要(PDF:8735KB)

平成 26 年度 第 1 回 Hokuriku Women Researchers Network ワークショップ
共同研究スタートアップ支援事業
成果報告 講演要旨集
日 時 平成26年6月14日(土) 10:00∼12:10
会 場 石川県政記念 しいのき迎賓館 3階 セミナールームA
主催 金沢大学
文部科学省科学技術人材育成費補助事業「女性研究者研究活動支援事業(拠点型)」
平成26年度第 1 回 Hokuriku Women Researchers’Network ワークショップ
「共同研究スタートアップ支援事業」成果報告会プログラム
---------- 10:00 ~ 10:10 --------------------------------------------------------------------------------開会挨拶
向
智里 金沢大学理事(統括・改革・研究・財務担当)
---------- 10:10 ~ 10:30 --------------------------------------------------------------------------------ヒト乳癌臨床検体スフェア培養細胞内シグナル伝達のリアルタイム可視化
後藤 典子 (金沢大学がん進展制御研究所)
*清川 悦子(金沢医科大学医学部病理学Ⅰ)
---------- 10:30 ~ 10:50 --------------------------------------------------------------------------------看護技術の安全性を向上させるハンディタイプ超音波画像診断装置の臨床適応調査
*須釜 淳子(金沢大学医薬保健研究域保健学系)
紺家 千津子(金沢医科大学看護学部)
木森 佳子(石川県立看護大学)
臺
美佐子(金沢大学医薬保健研究域保健学系)
西澤 知江(金沢大学医薬保健研究域保健学系)
---------- 10:50 ~ 11:10 --------------------------------------------------------------------------------外国人の日本語 IT リテラシー習得を目指した研究
-外国人日本語学習者の E メールにおける読み手への配慮の表し方を中心-
*深澤のぞみ(金沢大学人間社会研究域歴史言語文化学系)
濱田 美和(富山大学国際交流センター)
桑原 陽子(福井大学国際交流センター)
---------- 11:10 ~ 11:20
休憩 -------------------------------------------------------------------------
---------- 11:20 ~ 11:40 --------------------------------------------------------------------------------福井県坂井市に産する安山岩の風化および土壌の酸性雨による変化の鉱物科学的ならびに
微生物化学的研究と植生との関係
*濵田 麻希(金沢大学理工研究域自然システム学系)
福山 厚子(福井大学 University Research Administration オフィス)
---------- 11:40 ~ 12:00 --------------------------------------------------------------------------------高次クロマチン構造による染色体機能ドメイン構築機構の解明
*目黒 牧子(金沢大学学際科学実験センター遺伝子研究施設)
奥村(井波)真弓(福井大学工学部技術部)
沖
昌也(福井大学大学院工学研究科)
---------- 12:00 ~12:10 --------------------------------------------------------------------------------総括・閉会挨拶
池本 良子 金沢大学学長補佐(男女共同参画推進担当)
人名の*印は口頭発表者を示します.
ヒト乳癌臨床検体スフェア培養細胞内
シグナル伝達のリアルタイム可視化
金沢大学 がん進展制御研究所 後藤典子
金沢医科大学 医学部 病理学I 清川悦子
研究計画
1.ヒト乳癌臨床検体由来の癌細胞を不死化
2.各種バイオセンサーを導入
3.細胞をスフェア培養
4.顕微鏡で観察
5.癌幹細胞の可視化
リン酸化酵素ERKは
信号伝達の主要な経路である
増殖因子
細胞
形質膜
EGF受容体群
Ras
MAPキナーゼ
(ERK)
細胞増殖・分化・遊走
背景説明:ERK活性と乳がん
高いERK活性
予後不良
• ERKによって活性化される
CyclinD1ががん幹細胞の
自己再生に必要である。
Jeselsohn, R., et al., 2010
• ERKによるNotchの活性化が
がんの悪性化を引き起こす。
Izrailit, J., et al., et al., 2013
高いERK活性
予後良好
• ERK活性が高いと、再発が少ない。
Milde-Langosch, K., et al., 2005
• ERK1/2の活性は腫瘍の大きさと
負に相関する。
Svensson, S., et al., 2006
リン酸化酵素の活性をモニターする
FRETバイオセンサー
蛍光共鳴エネルギー移動
433 nm
CFP
低
433 nm
YFP
T
基質
領域
ERK
=
475 nm
P
FRET
530nm
P
結合
領域
FRET効率=YFP/CFP
高
マウス乳癌モデルにおけるERKの活性化の可視化
FRETマウス
• CAGプロモータ下で
FRETバイオセンサーを発現する
MMTV-Neuマウス
• MMTVプロモーター下で野生型Neu
(rat)を過剰発現する
=HER2陽性乳がんの
• 生後6ヶ月から乳腺上皮がんを発症
MMTV-Neu
Kumagai@Kyoto Univ., Oncogene 2014
乳がんは不均一なERK活性を示す。
CFP
HE染色
FRET/CFP
1.2
1
0.8
0.6
0.6
0
1
2
3
4
Time (hour)
5
6
1.6
ERK活性
Kumagai@Kyoto Univ., Oncogene 2014
ERKhigh細胞はERKlow細胞に比べ
tumorsphere形成能が低い。
EKAREV (+)
2
0
2
Tumorsphere formation
efficiency (%)
ERKhigh
3 4 5
CFP (log10)
ERKlow
0
ERKhigh
400 800
FRET/CFP
0
ERKlow
8
0
Tumorsphere
1.2
0.8
浮遊培養 2週間
80
0
400 800 0
FRET/CFP
Tumorsphere formation
efficiency (%)
3
Tumor formation
efficiency(%)
4
EKAREV (+) 8
60
Count
YFP (log10)
5
400 800
FRET/CFP
P = 0.0002
1.2 (7/9)
0.8
Tumorsphere formation efficiency (%)
40
0.4
(2/8)0.4
Tumoresphereの数
X 100
=0
0
撒いた細胞の数
0
high
low
high
lowhigh
ERK
ERKlow
ERK
ERK
ERK
ERK
ERKhigh細胞はERKlow細胞に比べ、
がん形成能が低い。
EKAREV (+)
3
2
0
ERKhigh
3 4 5
CFP (log10)
0
ERKhigh
400 800
FRET/CFP
0
ERKlow
8
0
0
400 800 0
FRET/CFP
400 800
FRET/CFP
(7/9)
1.2
0.8
0.4
0
3ヶ月
high
low
Tumor formation
efficiency (%)
morsphere formation
efficiency (%)
2
ERKlow
umor formation
efficiency(%)
4
EKAREV (+) 8
60
Count
YFP (log10)
5
80
80
40
0
(7/9)
40
(2/8)
0
high
(2/8)
ERKhigh
low
ERKlow
ERK活性とがん細胞の幹細胞性は逆相関する。
200
100
Tumorsphere formation
efficiency (%)
0
0.2
0.4
0.6
ERK activity
250
200
150
100
50
0
CD61
150
CD49f level
CD24 level
CD24
CD61 level
300
CD49f
100
0
0.2
0.4
0.6
ERK activity
50
0
0
0.2
0.4 0.6
ERK activity
1.5
1.0
0.5
0
0
0.2
0.4
0.6
ERK activity
#1_PD0325901
#2_PD0325901
#3_PD0325901
#4_PD0325901
#5_Control
#6_Control
高いERK活性
予後不良
• ERKによって活性化される
CyclinD1ががん幹細胞の
自己再生に必要である。
Jeselsohn, R., et al., 2010
• ERKによるNotchの活性化が
がんの悪性化を引き起こす。
高いERK活性
予後良好
• ERK活性が高いと、再発が少ない。
Milde-Langosch, K., et al., 2005
• ERK1/2の活性は腫瘍の大きさと
負に相関する。
Svensson, S., et al., 2006
Izrailit, J., et al., et al., 2013
MMTV-Neuマウスに発生する乳がんでは:
低いERK活性=がん幹細胞
 ERK活性はがん細胞の幹細胞性と逆相関
 ERK活性を抑制→
幹細胞マーカー(CD24、CD61)の発現上昇
ヒト検体からスフィア培養
スフェア
がん細胞
EGF+bFGF
+B27サプリ
Heregulinにより誘導した
乳がん臨床検体由来の
スフェア培養細胞
100 μm
Gotoh st al., PNAS, 109, p6584, 2012、
遺伝子の細胞への導入方法
ゲノムへの組み込み
目的蛋白質の発現
プラスミド
無
一過性
ウイルス
有
恒常的
レトロウイルス
レンチウイルス
よく使われているもの
増殖していない細胞
への組み込み
レトロ
マウス白血病ウイルス 無
(MuLV)
レンチ
ヒト免疫不全ウイルス
(HIV)
有
ERK活性は
正常乳腺細胞より癌細胞で低い
MCF10A:ヒト培養乳腺細胞
MDA-MB-231:ヒト由来乳癌細胞
1.8
FRET/CFP(FRET効率)
=ERK活性化
1.7
1.6
1.5
3903/10A
HA-3903/10A
1.4
3903/231
1.3
HA-3903/231
1.2
1.1
1
EGF
-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20
min
乳腺
細胞
乳がん
細胞
看護技術の安全性を向上させるハンディタイプ超音波画像診断装置の臨床適応調査
医薬保健研究域附属健康増進科学センター 須釜淳子
1.研究の背景と目的
CT、MRI、超音波画像診断装置等の医療画像解析の技術革新により体内の可視化が容易となり、
診断・治療の精度と安全性が着実に向上している。一方、看護では注射、採血等の技術で体内の
アセスメントを必要としながら、未だに医療技術の導入がなされず経験知によっているため、技
術の精度と安全性は看護師個々の力量に大きく影響される。医療が高度化・複雑化し、かつ在宅
医療が推進される現状において、看護も確実・安全なケア技術提供のために非侵襲的にリアルタ
イムに身体内部をアセスメントできる超音波画像診断装置を取り入れることが喫緊の課題であ
る。
上記の背景をもとに、ハンディタイプ超音波画像診断装置の臨床看護への応用に展開するため
の基盤となる研究を行う。研究期間内には以下のことを明らかにする。①病院、介護福祉施設、
在宅に勤務する看護師を対象にインタビューし、体内のアセスメントが必要な看護技術について、
具体的行為・頻度・アセスメント内容とアセスメント結果に基づくケア内容について明らかにす
る。②患者を対象に、超音波画像が有用なケア場面(褥瘡を含むスキンケア、注射、助産診断、
排尿ケア)における既存機器とハンディタイプ超音波画像診断装置との画像鮮明度、画面の観察
しやすさ、操作性を比較する。
申請者らは既にポータブル型超音波診断装置を用いて、褥瘡、カテーテル穿刺用静脈、浮腫の
看護アセスメントを行うことの有用性を報告してきたが、臨床への普及が進まないのが実状であ
る。より普及させるための臨床研究が今後必要と考え、本共同研究を開始する。すでにハンディ
タイプ超音波画像診断装置に関するセミナーを開催し、臨床調査に関する準備を整えている。
臨床看護で求められるアセスメント機器の条件は、最少・最軽量でポケットに入れて携帯がで
き、いつでもどこでもすばやく使用できることである。本共同研究により多用な臨床看護技術に
おけるハンディタイプ超音波画像診断装置へのニーズとニーズに対する適合性が明らかになれ
ば、看護技術の安全性向上のツールとしての実証研究への展開が期待される。また、現在のハン
ディタイプ超音波画像診断装置は医師の診療補助を目的に開発されているため、看護アセスメン
トに必要な機能を必ずしも有していない可能性が考えられる。看護アセスメントに必要な機能を
装備したハンディタイプ超音波画像診断装置開発の基礎資料となり、企業との共同研究も開始す
る計画である。
共同研究に使用したハンディタイプ超音波画像診断装置
簡易超音波装置 SONIMAGE P3(CONICA MINORLTA)
ディスプレユニット(11.5cm×6.8 ㎝)とプローブユニットから構
成されている。重さ 392g。手のひらサイズの超音波画像診断装置で、
聴診器のようにもち運びができる。内蔵バッテリーで駆動し、通常
の使用環境では約 2 時間の連続使用が可能である。タッチ式ディス
プレイとタッチぺンによる操作が可能である。
B モードに加え、動きのある部位を時系列で観察できる M モード
表示や、血流を観察できる PW モード表示を搭載している。また、残尿量を評価できる膀胱容
量計測機能や、M モードは波形、PW ドプラ波形による心拍数計測機能も有している。
2.研究成果
具体的な項目は下記の 2 点である。
① 医療施設、介護保険施設等におけるハンディタイプ超音波診断画像装置へのニーズ調査
② 超音波画像が有用なケア場面におけるポータブル型超音波画像診断装置とハンディタイプ超
音波画像診断装置との比較
医療施設、介護保険施設等におけるハンディタイプ超音波診断画像装置へのニーズ調査
対象:据置型またはポータブル型超音波診断装置の使用経験がある看護師 4 名
方法:フォーカスグループインタビュー
それぞれの臨床実践において、ハンディタイプ超音波画像診断装置をどのような場面で活
用したいかについて自由に討議した。
結果:褥瘡・創傷領域、助産領域、血管穿刺、排尿ケアにおいて、ハンディタイプ超音波診断画
像装置へのニーズが確認された(表)。
分野
ニーズ
褥瘡・創傷領域
・訪問看護およびベッドサイドで使用したい
・Deep tissue injury の有無。有の場合は損傷を受けた組織の深さと
範囲の検知
・ポケットの有無・有の場合は深さと走行
・ポケット内壊死組織の有無の観察
・ピンホール褥瘡の深部組織損傷の経過観察
・創傷ハイリスク皮膚である浮腫の観察
助産領域
・家庭訪問およびベッドサイドで使用したい
・胎児の発育観察とそれに基づく妊婦教育
・妊娠経過中の胎児の異常の早期発見と妊婦への心理的ケア
・乳腺の発育と母乳分泌との関係
・分娩早期の排尿ケア
血管穿刺(静脈)
排尿ケア
・訪問看護およびベッドサイドで使用したい
・駆血時に可視化できない血管への穿刺(深さ、走行の確認)
・留置時のカテーテル先端位置の確認
・訪問看護、介護保険施設、ベッドサイドで使用したい
・尿失禁患者への膀胱内尿量測定
・排尿誘導または導尿の必要性の判断に使用
超音波画像が有用なケア場面(血管穿刺)におけるポータブル型超音波画像診断装置とハンディ
タイプ超音波画像診断装置との比較
対象:50 代健康女性 1 名。左肘窩部
方法:静脈留置に使用される肘窩部静脈の画像をポータブル型超音波画像診断装置とハンディタ
イプ超音波画像診断装置とで獲得する。ポータブル型超音波画像診断装置の画像目標画像として
ハンディタイプ超音波画像診断装置画像の明瞭さ、描出可能な組織深度を比較した。
ポータブル型超音波画像診断装置には、Nobuls(日立アロカメディカル)を使用した。使用した
プローブはリニア型、周波数 5~18MHz である。
結果:
ポータブル型超音波診断装装置による画像
短軸像画像
短軸像では血管は“円形”に観察できる。静脈と動脈の鑑別は、プローブを強く皮膚に押し当
てた時に、形状が変形するのが静脈、円形を保つのが動脈である。
長軸像
長軸画像では血管は体表に平行に走行する像が観察できる。
ハンディタイプ超音波診断装装置による画像
今回使用したプローブが体腔用に開発されているためゲルによって深度を調整して撮像した。
短軸像:
ポータブル型超音波画像診断装置による画像と異なり、皮膚、皮下組織、筋層の構造の判別が
不明であった。また、短軸像で観察される血管を特異的に示す“円形”画像は観察されなかった。
3.今後の発展
寿命の延伸、医療の高度化・複雑化に伴い、様々な場面で看護師がおこなうケアにおいても安
全を保証することが要求されている。このためには科学的に患者の身体をアセスメトする、すな
わちフィジカルアセスメント技術の向上が必要である。超音波診断装置の使用経験がある看護師
を対象としたフォーカスグループインタビュー結果からも、看護において身体内部の可視化ニー
ズがあることが明らかとなった。また、これらは医師が行う鑑別診断、病態の把握目的とは異な
り、看護独自の目的を達成するために必要な身体内部の可視化ニーズであり、ニーズ適合した超
音波診断装置の開発が必要である。試用したプローブは体腔内部用であったため、深度を補正す
ゲルを用いて、肘窩部状静脈の撮像を試みたが妥当な画像が得られなかった。看護においては、
表在観察に適したリニア型プローブの開発が必須である。また、現在のプローブを使用した体腔
内、具体的には膀胱内尿量観察を、その適合性を検討する。
超音波診断装置を使用する場に関するニーズは、在宅やベッドサイドで利用できることであっ
た。つまり。容易に運べる大きさと重量の装置であることが、看護技術の中に超音波診断装置を
用いたフィジカルアセスメント技術の普及には欠かせず、今回の装置はその条件をクリアしてい
ると言える。ユニホームのポケットに入るまたは訪問鞄の中に入る大きさと重さであれば、患者
の日常生活の場であるベッドサイドや家庭に気軽に持参でき、フィジカルアセスメントに使用で
きる。また内蔵型バッテリーで駆動できることもベッドサイドを移動しながら患者アセスメント
しなくてはならない看護師にとっては有用である。
今後共同研究グループでは、申請者を中心にハンディタイプ超音波画像診断装置の臨床評価の
継続とその成果のフィーバックをメーカーに行うため、1 回/2 ヶ月の頻度でミーティングを実
施する。最終的には、ハンディタイプ超音波画像診断装置使用による安全性の向上、看護の質向
上のエビデンス研究を行う。特に安全性の向上についてエビデンスが実証できれば、侵襲を伴う
看護技術、例えば静脈内注射の穿刺時または観察時にハンディタイプ超音波画像診断装置使用に
対する診療報酬算定も視野に入れることが可能となる。
平成26年度 Hokuriku Women Researchers’ Network ワークショップ 第1回共同研究スタートアップ支援事業成果報告会
研究代表者:深澤のぞみ(金沢大学国際学類) 共同研究者:濱田 美和(富山大学国際交流センター) 共同研究者:桑原 陽子(福井大学国際交流センター)
研究協力者:古本裕子(名古屋学院大学 非常勤講師
問題の所在と背景:
!  現在の日本社会は,多文化共生社会を推進
◦  →日本人住民と外国人住民とが互いに共生する社会
日本語力を持つ外国人が増加しているが,さらに高
い日本語力を身につけ,高度外国人人材として活
躍するようになっている
!  外国人日本語使用者が高度に社会的,あるいは専
門的な活動をするためには,日本語でのITリテラ
シーは必須の能力
!  特に,Eメールは,多くの場面で用いられるため,習
得が重要
! 
問題の所在と背景:
!  Eメールの特徴
◦  現代生活で欠かせないコミュニケーション手段
◦  短い文章で内容を伝え,状況に応じた読み手への配慮を
含まなければならない
! 
一定の日本語力を有する外国人にとっても,習得は
容易ではない
その理由
◦  Eメール自体が,新しいコミュニケーション手段であるため,
必ずしも定型が定まっていない
◦  読み手への配慮の仕方や度合いには,文化差などの要因
がある可能性
◦  日本語教育においても,指導法が確立していない
研究目的:
!  外国人日本語学習者が,Eメールの中で読み手へ
の配慮をどのように実現しているを明らかにする
◦  読み手への配慮の実現方法の特徴
◦  日本語母語話者によるメールでの配慮実現方法との違い
本研究では,読み手への配慮が必要な状況として
「断り」を取り上げる
!  「断り」のEメールにおける読み手への配慮の具体
的方法と,これらが,何に起因するのかを調査分析
→適切なメールを書くための指導方法の開発へ
! 
「断り」は,人間関係に亀裂を生む可能性のある言
語行為であり,慎重に実行する必要がある
!  対面でも困難な状況であるが,母語以外の言語で,
Eメールで「断り」を伝えるのは,難しい
!  日本語教育においても,重要なテーマ
! 
◦  藤森(1994,1995):談話完成テストを用いた,中国人日本
語学習者,韓国人日本語学習者の 「断り」とプラグマティッ
ク・トランスファーの影響を検証
◦  濱田他(2013):中国人日本語学習者の「断り」の理由の述
べ方の特徴を日本語母語話者と比較して明らかにした
研究方法:
!  外国人日本語学習者のうち,今回は中国人日本語
学習者を取り上げる
① 
② 
③ 
④ 
! 
提示した状況で実際に「断り」のメールを書いてもらう
書いたEメールについてインタビュー
書かれたメールとインタビューの結果を分析
Politeness理論の視点を用いての考察
→外国人に対する日本語ITリテラシー習得のため
の支援方法を検討し,将来的には具体的な提案を
行う
! 
調査対象者:メールの書き方が未習で,かつ日本語
力が中級以上の中国人日本語学習者31人
提示した状況:すでに引き受けていた学会のア
ルバイトを,国の友人が来日するため,学会1
週間前になって,担当の教員に断る
調査①:上記の状況に適合したEメールを書いてもらう
!  調査②:自分が書いたEメールについてのインタビュー
!  調査③:同じ状況で日本語母語話者が書いた,典型的
な日本語のメールを提示し,評価と感想を述べてもらう
! 
きりだし
(話題提示)
状況説明
本田先生
(理由)
△△学部1年の××です。
1週間後に開催される学会で,本田先生のお手伝
いをさせていただく予定だったのですが, 意向表明
(断り)
国から友人が来日することになり,
アルバイトをすることができなくなってしまいました。
学会直前に,私事でご迷惑をおかけしてしまい, 責任
承認
本当に申し訳ございません。
また別の機会にぜひお手伝いさせてください。 謝罪
どうかよろしくお願いいたします。
関係維持
「断り」の際には,「理由」をどう述べるかが,読み手
への配慮の実現方法として,重要な要素となる
!  →本研究では,「理由」の述べ方を中心に考察
!  「理由」を述べた部分を,Eメールから抜き出して,
データベース化して,中国人日本語学習者の特徴を
分析
!  インタビューで,そのように「理由」を書いた訳を聞く
! 
実は,来週中国の友人が来日するため,
提示した
状況には
なかった
情報が 1つ付加
彼を迎えに行かなければならないです。 (データ番号:h1)
3つ付加
1週間後,中国の友人が日本に尋ねてくれて, 初めて日本に来て,そして日本語も全然知らないので
付き合わなければならないです。(y1)
! 
このように,理由として,最初に提示された状況に
なかった情報が付け加えられたケースが,31人中
19人(61%)にのぼった。
昨日国の親友からメールがきまして,スピーチコンテス
トのために金沢に一週間来るようです。ちょうど学会の
時間と重なってしまいました。スピーチの活動は2日で
終わりますが,彼女がせっかく初めて日本にきまして,
ぜひ,1週間ぐらい日本で見学したがるそうです。日本
に知り合いが私しかいないですが,彼女一人で日本で
旅行するのはやはり心配しますので,彼女に付き合お
うと思っております。 (f4) インタビュー結果:もともと失礼な理由なので,それを
弱める内容が必要。詳しい理由を書く必要がある。
約束したのに,学会の直前に断るなら,その理由を
はっきり十分に言う必要がある。(y4)
!  弱い理由では断れない。遊びを理由に断ることがで
きない。たとえ,理由が大学の行事であっても,いっ
たん了承したことを断るには,きちんとした理由が必
要。(f1)
!  (新たな情報を付け加えなかったケース) 中国語でならたくさん書く。日本人は推測してくれる。
長く書くと迷惑と日本に来てから聞いた。 (h4)
!  十分で,詳細な「理由」が必要だとした
インタビューの内容が多かった。
! 
中国人日本語学習者は,「断り」の理由を,提示さ
れた状況の他に,別の情報を新たに付け加えて,
詳細に説明する傾向が見られた
!  濱田他(2013)において,「中国人は日本人に比
較して,理由を重ねたり複数文で詳しく理由を述
べている」と報告していることと一致
!  中国人日本語学習者へのインタビューから明らか
になったこと
! 
◦  十分な理由が必要
◦  詳細な理由が必要
◦  「強い」理由が必要
! 
! 
ポライトネス理論 Brown&Levinson(1987), Politeness:
Some Universals in Language Usage. Cambridge
University Press.
「フェイス」(FACE) 人が誰でも持っている基本的な欲求
◦  ネガティブ・フェイス(negative face)他者に踏み込まれたくないという欲求
◦  ポジティブ・フェイス(positive face)他者によく思われたいという欲求
! 
! 
コミュニケーションを行う場合、自分と相手と双方の「フェイス」
にどう配慮するかという問題が生ずる。この際の「調節機能」が
「ポライトネス」である(滝浦2008)。
「断り」のような行為は,フェイスを脅かす行為(FTA:Face
Threatening Act)
◦  相手のネガティブ・フェイスを脅かす行為
◦  同時に自分のポジティブ・フェイスを脅かす行為でもある
中国人日本語学習者が詳細に理由を述べること
相手のフェイスを侵す代償として,「十分な理由が必
要」「詳細な理由が必要」「強い理由が必要」と考えて
いる
!  つまり,ポジティブ・ポライトネス・ストラテジー(ストラテ
ジー13 理由を述べる)を多用していることの現れでは
ないか
! 
! 
日本語のEメールに「理由」を詳細に書いた場合,
「自己弁護のし過ぎ」「くどい」といった印象につなが
る可能性がある
◦  Eメールにおける読み手への配慮の表し方には,文化差が
存在する可能性がある
◦  文化差の存在への意識化が必要
本発表では,「理由」の述べ方を取り上げたが,他
の要素についても,分析が必要
!  調査3の,日本語の典型的なEメールについてのイ
ンタビューの分析も継続し,効果的指導法開発につ
なげていきたい
! 
! 
! 
! 
! 
! 
Brown&Levinson(1987), Politeness: Some Universals in
Language Usage. Cambridge University Press.
滝浦真人(2008)『ポライトネス入門』研究社
濱田美和他(2013)「中国人留学生と日本人大学生の断
りのEメールの比較」『富山大学人間発達科学部紀要』第
8巻第1号
藤森弘子(1994)「日本語学習者にみられるプラグマ
ティック・トランスファー ―「断り」行為の場合―」『名古
屋学院大学日本語学・日本語教育論集』第1号
藤森弘子(1995)「日本語学習者に見られる「弁明」意味
公式の形式と使用 ―中国人・韓国人学習者の場合―」
『日本語教育』87号
福井県坂井市に産する安山岩の風化および土壌の酸性雨による変化の鉱物科学的研究と植生との関係
濵田麻希 1,福山厚子 2,奥野正幸 1
1 金沢大学理工研究域自然システム学系
2 福井大学 URA
はじめに
福井県坂井市三国地域では海岸沿いにクロマツが多く植樹されている.近年,三国地域ではクロ
マツの枯死が問題となっており,大気汚染(垰田,1996),生物により発生する樹木病害(清原・
重徳,1971;森本・岩崎,1972),酸性雨の観点(中根,1992;福山他,2009,2013)から研究が
行われている.しかし,クロマツなどの植物は根から栄養及び水を吸収するため,土壌の構成鉱物・
構成元素の観点からも研究をすることが必要である.この土壌の元となるのはその地域に分布する
岩石,特に火山岩類である安山岩である.この安山岩が風化しどのような特徴的な鉱物が残存する
のか,その際にどのような元素が雨水に溶け出して吸収されるのかを知ることも,周辺地域の植生
と地質との関係性を解明するためには重要であると考える.従って本研究においては,まず坂井市
のクロマツなどの植生が分布する地域の安山岩を採取し,風化過程と植生の枯死との関係について
解明する.鉱物学的な観点から解明することを目的とする.
結果・考察
松の枯死と土壌,岩石の風化の関係を検討するために,福井県坂井市において申請者(浜田)は
共同研究者(福山),アドバイザーとして奥野教授とともに土壌及び岩石のサンプリングを行った.
採取地点は図 1 に示すとおりである.海岸線付近の J 地点では松の枯死は見られない.J 地点にお
いて 3 か所から土壌を採取,岩石を 1 試料採取した.海岸より 600m ほど内陸側の A,B,C 地点
では全ての松が枯死しており,そのほとんどが倒木となっている.
それぞれの地点において第一層目として表層から 10cm 程度の土壌,第二層目として表層から
20cm 程度の土壌を採取した.また岩石が近くにある場合,それらも採取を行った.図 2 はそれぞ
れの地点で採取した岩石と土壌写真である.
図 1 試料採取地点(福山他,2009 に加筆)
土壌,岩石を採取した地点を赤丸で示す.
【土壌及び岩石の化学分析】
採取した土壌・岩石は乾燥・粉砕を行い,強熱減量(LOI)の測定を行った.その後,化学分析
を行うため,融剤(四ホウ酸リチウム)と試料を 10:1 の割合で混合し,ガラスビードを作成し
た.蛍光 X 線分析装置は金沢大学理工学域自然システム学類に設置されている RIGAKU ZSX
Primus II を用いた.データは検量線法によって解析を行った).
分析の結果,J 及び C 地点で採取された岩石は安山岩~デイサイト質,A 地点で採取されたもの
は流紋岩質であることが分かった.しかしこれらの岩石はかなり風化しているため,このデータで
岩相を決定することはできない.したがって今後岩石薄片を作成し,記載を行うことが必要である.
また,土壌のデータにおいて,J 地点のナトリウム,リン以外の全ての分析値と A,C 地点のナ
トリウム,カルシウム,リンを除く全ての分析値は,それぞれの地点で採取した岩石の分析値とほ
ぼ同じ値を示している.これは土壌も岩石と同程度の風化を受けているということを示す.しかし
J 地点ではナトリウム,A,C 地点ではカリウムとカルシウムが著しく溶出している.以上より,
松が枯死している地点(J)と枯死が見られない地点(A,C)における土壌の組成の違いはカルシ
ウムのみであり,風化の段階でカルシウムが残存してしまうことが枯死と関連している可能性があ
る.詳しい関連性については現在考察中である.
【土壌の鉱物組み合わせ】
土壌に含まれている鉱物組み合わせを調べるために,まず石英などの沈降しやすい鉱物と粘土鉱物
を分離するために試料の水ひを行った.分離したそれぞれ二つの試料を,金沢大学理工学域自然シ
ステム学類に設置されている X 線回折装置 RIGAKU UltimaIV を用いて分析した.
得られた回折線パターンから見ると,地域間における構成鉱物の違いは見られない(図 3).主
に土壌を構成している鉱物は石英であったが,そのほかに数種類の粘土鉱物や風化せずに残った長
石も存在していることが明らかとなった.粘土鉱物はクリノクロア,ハロイサイト,モンモリロナ
イト,イライトが存在していると考えられる.しかし存在量比は著しく石英に富んでいる.したが
って安山岩や流紋岩など,その地域に存在する岩石が風化を受けた際に,ほとんどの一次鉱物は分
解し,粘土鉱物となっていると考えられる.
高次クロマチン構造による
染色体機能ドメイン構築機構の解明
目黒 牧子 (金沢大学学際科学実験センター)
奥村(井波)真弓 (福井大学工学部技術部)
沖 昌也 (福井大学大学院工学研究科)
共同研究スタートアップ支援事業成果報告会
平成26年6月14日(土) 石川県政記念 しいのき迎賓館
エピジェネティクスの違いにより,時期特異的,細胞特異的
な遺伝子発現制御が行われる
エピジェネティクスとは?




DNAメチル化
ヒストン修飾
高次クロマチン構造
核内配置
Spector D L J Cell Sci 2001;114:2891-2893
ヘテロクロマチン領域における遺伝子サイレンシング
遺伝子
ヘテロクロマチン領域
遺伝子発現ON
遺伝子発現OFF
境界
遺伝子発現ON
境界
PWS-IC領域によるヘテロクロマチン形成制御機構
Human 15q11-q13
MAGEL2
PWRN1 SNURF SNRPN
IPW snoRNA Genes
UBE3A ATP10C
IC
MKRN3
NDN
PWRN2
C15orf2
FISH Probe
母
父
母方15番染色体
ヒト繊維芽細胞
染色体移入
マウスA9細胞
母方15番染色体
父方15番染色体
父方15番染色体
X染色体不活性化
♂
X
♀
X
Y
1:2
遺伝子量補正
X
ヘテロクロマチン
(不活性化)
Structure of the X Chromosome and Patterns of Gene Inactivation
Spatz, et al., 2004, Nature Rev. Cancer, 4
ヘテロクロマチン領域における遺伝子サイレンシング
遺伝子
ヘテロクロマチン領域
遺伝子発現ON
遺伝子発現OFF
境界
遺伝子発現ON
境界
Mano, et al, 2013, PLOS Biol, 11
Changes in Epigenetic Gene Expression Are Regulated
in a Locus-Specific Manner
Chr.IV
ユークロマチン領域
ヘテロクロマチン領域
TRP1
HTB1
terminator
Chr.XV
EGFP
HTB1
HTB1
promoter
trp1
ユークロマチン領域
his3
HTB1
terminator
2x
mCherry HTB1
HTB1
promoter
ヘテロクロマチン領域
HIS3
Mano, et al, 2013, PLOS Biol, 11
Changes in Epigenetic Gene Expression Are Regulated
in a Locus-Specific Manner
Chr.III
ヘテロクロマチン領域
HTB1
terminator
EGFP
HTB1
HTB1
promoter
E
Ty1-LTR Ty5-LTR
Chr.XV
ユークロマチン領域
his3
HTB1
terminator
2x
mCherry HTB1
HTB1
promoter
ヘテロクロマチン領域
HIS3
Genomewide Screen for proteins with barrier function
Oki, et al., 2004, Mol. Cell Biol., 24
高次クロマチン構造による染色体機能ドメイン構築機構の解明
遺伝子
ヘテロクロマチン領域
遺伝子発現ON
遺伝子発現OFF
境界
遺伝子発現ON
境界
I. 出芽酵母において境界形成に関わる55個の因子の同定
(福井大・奥村・沖)
共同研究
II. 哺乳類細胞における機能解析(金沢大・目黒)
上記遺伝子のマウス相同遺伝子について,ヒト15番染色体移入マウス雑種細胞,ヒト不活性
化X染色体移入マウス雑種細胞でノックアウトを行い,高次クロマチン構造に関与する遺伝子
を同定する。
① マウスホモログが確認されたヘテロクロマチン境界境界形成候補遺伝子
Yeast
Mouse
Function
EPL1
Epc2
Polycomb protein
ADA2
Tada2a
Transcription coactivator
SGF73
Atxn7l1
Transcription coactivator
SGF29
Ccdc101
Transcription coactivator
DOT1
Dot1l
Histone methyltransferase
SNF5
Smarcb1
Chromatin remodeling complex
TBP1
Tbp
Transcription factor
MED6
Med6
RNA polII Mediator complex
HSF1
Hsf1
Heat shock transcription factor
ACA1
Atf3
Transcription activator
SWI5
Klf16
Transcription factor
HMRA1
Nkx2-9
DNA-binding protein
TFA2
Gtf2e2
RNA polII transcription initiation complex
LYS5
Aasdhppt
Phosphopantetheinyl transferase
YAP1802
Snap91
Endocytosis and clathrin cage assembly
SWA2
Dnajc6
Clathrin uncoating factor
SFP1
Jazf1
Transcription factor
YDR031W
Chchd5
Mitochondrial intermembrane space protein
計18個
PWS-IC領域によるヘテロクロマチン形成制御機構
Human 15q11-q13
MAGEL2
PWRN1 SNURF SNRPN
IPW snoRNA Genes
UBE3A ATP10C
IC
MKRN3
NDN
PWRN2
C15orf2
FISH Probe
母
父
母方15番染色体
ヒト繊維芽細胞
染色体移入
マウスA9細胞
母方15番染色体
父方15番染色体
父方15番染色体
不活性化X染色体における
Active/Inactive gene 境界形成制御機構
不活性化X染色体における発現解析
Domain
Spatz, et al., 2004, Nature Rev. Cancer, 4
C
染色体移入
D
マウスA9細胞
Gene
* Xi expression
これまでの知見
我々の結果
JADE3
RGN
NDUFB11
RBM10
UBA1
CDK16
UHX
ZNF157
ZNF41
ARAF1
0/9
0/9
0/9
0/7
9/9
7/7
4/9
0/9
0/6
0/6
+
+
-
TSPYL2
DA726336
AL599773
BF058094
SMCX/KDM5C
IQSEC2
SMC1L1
RIBC1
HADH2
HUWE1
PHF8
FAM120C
0/5
0/9
0/9
7/9
9/9
5/5
7/9
7/9
1/9
1/9
0/9
0/9
+/-?
+
+
+
+
+
-
不活性化を受けている領域を赤,不活性化から逃れる領域を紫,
クローンによりばらつきがあった領域をその他の色で示す。
活性化X染色体
不活性化X染色体
まとめ
 奥村先生,沖先生らが酵母で同定したヘテロクロマチン境界形成に関わる55個の遺伝子を
データベースで解析した結果,18個についてマウスの(哺乳類)相同遺伝子を確認した。
 それらについて,ヒト15番染色体移入マウス雑種細胞およびヒトX染色体移入細胞にてノックア
ウトを行う。(現在,CRISPR/Cas9によるノックアウトのためのコンストラクトを作成中)
 ノックアウト細胞にて高次クロマチン構造の解析及び,遺伝子発現解析を行い,哺乳類におけ
る高次クロマチン構造の構築に関わる遺伝子を同定する。
 平成26年2月7,8日に福井大学の奥村先生・沖先生に金沢大学にお越し頂き, 2月7日(金)
16:00〜17:00 宝町キャンパス金沢大学医学図書館2階十全記念スタジオにて「単一細胞追跡
システムを用いたエピジェネティックな遺伝子発現制御機構の解明」についてご講演頂いた。
2月8日(土)は当研究室にて先生方の同定したヘテロクロマチン境界形成に関わる55個の遺
伝子についての詳細な説明を受けた。また,我々の哺乳類でのホモロジーサーチの結果を踏
まえ,どの遺伝子から優先的に解析するかについて議論した。さらに,先生方に我々の実験系
について詳しく説明し,今後の研究の進め方についてディスカッションした。
Hokuriku Women Researchers Network(HWRN)事務局
金沢大学男女共同参画キャリアデザインラボラトリー