図1 薄肉部品の反転型 真空チャック方式 真空吸引 ボールエンドミル 反転型

(様式2)【ホームページ掲載用】
研究課題(テーマ)
研
究
者
航空機産業参入を目指した難削材部品製造技術の開発
所
代表者
属
学
科
等
知能デザイン工学科
職
教授
氏
前田
名
幸男
研究結果の概要
本研究開発では、CFRP や Ti 合金、Ni 耐熱合金の難削材部品を高品質・高能率に加工するた
めの実用的な製造技術を開発する。この開発により、航空機部品の高品質で低コストの製造プロ
セス構築が可能となる。
以下に研究結果の概要を示す。
① CFRP薄板翼面の加工技術開発(図1)
CFRP翼部品は薄肉部品であり、比較的剛性のある表面加工後に、その表面の反転型を作成して
真空吸着・固定する反転型真空チャック治具を設計・製作した。このチャック治具により、CFRP
翼面モデルをボールエンドミルで試加工し、翼面加工時の加工変形の抑制が可能であることを検証した。
② 同時 5 軸加工のびびり振動低減技術の開発(図2)
Ti 合金インペラーの翼面加工用工具軌跡(CL)プログラムの作成技術と翼面先端の薄肉部を加工する時
に発生するびびり振動の低減技術を開発した。これらの技術開発により、従来比で 1.6 倍に高速
化できた。
③ 難削材加工の工具寿命向上技術の開発(図3)
難削材加工の工具寿命向上に対し、工具すくい面と切屑間に高圧クーラント(圧力 7MPa)を脈動
供給し、切屑分断・潤滑効果の向上により、工具寿命を従来比 1.7 倍に向上できた。
すくい面・切屑間に供給
切屑
クーラント
ボールエンドミル
ーラ
高圧ク
工具
ント
切屑
翼面部品
枠型
反転型
工具
真空吸引
局部供給
図1 薄肉部品の反転型
真空チャック方式
図2 びびり振動抑制技術
脈動供給
図3 難削材の工具
寿命向上技術
今後の展開
本課題の研究成果は、新たな産業分野として期待される航空機関連の部品製造技術の開発であ
り、この研究成果により県内に航空機関連の部品製造の育成が期待できる。また、開発対象の
CFRP 材は自動車産業へ、Ti 合金は医療分野への波及が予想される。今後は、これらの分野の企
業との共同研究を視野に入れ、外部へ研究成果を公開する予定である。