基盤研究(S)中間報告書_Long_version

科学研究費助成事業(基盤研究(S)
)公表用資料
〔平成28年度研究進捗評価用〕
平成 25 年度採択分
平成28年 2 月 11 日現在
活性酸素を制御するバイオマテリアルの構築 A Design of Novel Biomaterials which Scavenge
ReactiveOxygenSpeciesandTheirApplications
課題番号:25220203
長崎 幸夫(NAGASAKIYUKIO)
○○大学・大学院○○研究科・教授
研究の概要
代謝可能な中分子量ポリマーに抗酸化能を創り込み、正常な細胞の電子伝達系などのレドック
ス反応を妨害せず、病気に起因する活性酸素種を選択的に消去する新しい材料を設計し、ナノ
メディシンとして評価するとともに、癒着防止剤、腹膜透析、幹細胞分離など、様々なバイオ
関連材料として評価し、高い性能を確認した。患者に優しい新バイオマテリアルが期待される。
研
究
分
野:生体機能材料
キ ー ワ ー ド:活性酸素種、高分子ミセル、酸化ストレス、電子伝達系、ナノメディシン
1.研究開始当初の背景
過剰に産生される活性酸素(ROS)が様々な
疾病の原因として重要な役割を果たすことが
明らかになってきた。活性酸素を消去するに
はビタミン C や E、抗酸化剤など様々あるも
のの、低分子抗酸化物質は非特異的に拡散し、
生体に必要な活性酸素をも消去するため、使
用には限界がある。我々は、活性酸素種が正
常なエネルギーを産生するとともに様々な疾
病にも関与する「諸刃の剣」であることに着
目し、高分子に抗酸可能を創り込むというア
イディアで酸化ストレスを低減する材料を設
計することが狙いである。
2.研究の目的
正常な ROS の産生を妨げず、過剰に産
生する ROS を 選択的に消去するため、代
謝可能な中分子量ポリマーに ROS 消去能
を創り込む新しいバオマテリアルの設計
を進めてきた。具体的には図 1 に示すよう
に、自己組織化能や環境応答能を有する高分
子に触媒的に活性酸素消去能を有するニトロ
キシドラジカルを導入し、ミトコンドリア内
の正規電子伝達系を阻害せず、マクロファー
ジや好中球が過剰に産生する ROS を選択的
に消去するレドックス高分子材料を設計し、
その自己組織化によるナノ粒子(レドックス
ナノ粒子と略記)が脳や腎臓血管の梗塞、再灌
流によって生じる ROS の消去のみならず、潰
瘍性大腸炎様々な疾患部位に送達し、そこで
過剰に産生される悪玉活性酸素を効果的に消
去し、副作用の少ない新しいナノメディシン
(レドックスポリマー薬)として働くことを示
してきた。これらの材料は生体内治療のみな
らず、機材表面にコーティングすることによ
り、血液細胞の材料接触活性化を抑制するこ
とや ROS 消去能と老廃物吸着能を併せ持つ
腹膜透析用レドックス吸着剤などに展開し、
新しい生体機能材料として機能することなど
を示してきた。本研究では我々が設計してき
たニトロキシドラジカル含有高分子材料を中
心に ROS 消去型高分子による、革新的医療技
術の開発を目指すことを目的としている。
3.研究の方法
本研究では、これまで申請者らが見いだし
てきたニトロキシドラジカル含有高分子を
ベースにレドックス反応性を示すナノ粒子、
シリカ含有ナノ粒子、フラワー粒子を設計し、
その物理化学特性、毒性および悪玉活性酸素
消去能を評価するとともに動物モデルにお
ける評価を行い、効果を検証した。特に活性
酸素消去能と疾患治療効果の相関とともに
代謝や副作用に関する検討も進めた。インジ
ェクタブルゲルは歯周病や臓器癒着防止剤、
局所 DDS 等としての評価を行った。レドッ
クス吸着剤は腹膜透析を中心に、経口 DDS
としての評価も行った。レドックス型表面コ
ーティング剤は血液凝固評価を行うととも
に細胞分離培養床など、これまで問題であっ
た細胞と材料の接触に伴う活性化をアクテ
ィブに抑制する新しい医療デバイスの創出
を行った。
1
p
04
1N
04
CH304P
H3C
H3C
n
S
CH3
H
(
H
R-(CH2CH2O)m-(CH2CH)n-H
R = H or EtO2CH
X = N or O
X
m
N
O
R
O
O
)
O
)(
,
図1悪玉活性酸素種を選択的に除去する新しいレドックス高分子の設計
4.これまでの成果
4.1 安全性:図 1 に示すように、自己組織化
能や環境応答能を有する高分子に触媒的に
活性酸素消去能を有するニトロキシドラジ
カル(TEMPO)を導入したレドックスポリマ
ーを設計した。これは中分子量のため、細胞
膜やミトコンドリア膜を通りにくく、したが
ってミトコンドリア内の正規電子伝達系を
阻害せず、マクロファージや好中球が過剰に
産生する悪玉活性酸素種を選択的に消去す
るレドックスポリマーナノメディシンとし
て機能する。このレドックスポリマーは水に
溶ける部分と溶けない部分を併せ持つため
水中で自己組織化してナノ粒子となる(レド
ックスナノ粒子、RNP と略記する)。低分子
抗酸化剤(この場合 TEMPOL)がゼブラフィ
ッシュを 100%死滅させてしまう濃度条件で、
RNP は 100%生存する驚異的安全性を示すこ
とを確認した(図 2)。また、マウスにおいて
低分子 TEMPOL を投与すると生存率 0%のド
ーズ条件で、RNP 投与では 100%生存してい
る こ と を 確 認 し た (PLOS ONE, 10(5):
e0126013 (2015))。
4.1 レドックスインジェクタブルゲル(RIG):
上述のナノ粒子の設計をさらに進めて活性
酸素種を効果的に消去するレドックスイン
ジェクタブルゲル(RIG)を作製した。図 3 に示
すように A-B 型の親-疎水性ブロック共重合
体に変えてニトロキシドラジカルを有する
ポリアミン-PEG-ポリアミン型のトリブロッ
ク共重合体を合成し、ポリアニオンと複合さ
せることによりポリイオンコンプレックス
(PIC)を駆動力とするフラワータイプのミセ
図 2.ゼブラフィッシュに対する抗酸化剤の効果(低分子抗酸化
剤によって 5 日後に 100%死んでしまう条件で、ナノ粒子化す
るとほぼ 100%生存している。図内の蛍光写真はミトコンドリ
アの健康状態(赤い蛍光は健康なミトコンドリア)を表す
ルを形成する。これは、温度上昇により親水
性の PEG ループが不安定化し、またイオン強
度の上昇に伴って PIC が不安定化して一部壊
れて粒子同士が架橋することでゲル化する。
RIG を歯周病モデルラットの歯周ポケット
に投与すると効果的にゲル化し、歯周病に伴
う炎症を継続的な ROS 消去により低減せし
め、破骨細胞の増殖を抑制し、歯槽骨の吸収
を 抑 制 し う る こ と を 確 認 し た (Biomaterials,
76, 292(2016)、図 4)。RIG が破骨細胞の増殖
抑制するという結果は、歯周病のみならず、
例えば骨粗しょう症などへの展開も期待で
きる。癌免疫療法は新しい抗癌治療法として
2
図 3.生体環境に応答して溶液からゲルに変化する
ゲル(RIG)による局所活性酸素消去
図 7 シリカ含有レドックスナノ粒子(siRNP)の作製
図 4.RIG による歯周骨吸収抑制効果
図 5.IL-12@RIG の皮下投与による腫瘍増殖抑制効果
図 6.RIG スプレーによる腹膜組織の炎症抑制効果
(TALC による腹膜の厚膜化が RIG 処理で完全に抑
制)
図 8 siRNP 含有腹膜透析液による腹膜炎症抑制効果
(上)、両腎臓摘出マウスに対する血中の BUN および
ク レ ア チ ニ ン 除 去 効 率 ( 下 )( 市 販 の 腹 膜 透 析 液
(vehicle)に対して siRNP は有意に毒素を除去してい
ることを確認した。
有望であるものの、例えば注目されている
IL-12 などは ROS を産生して強い肝毒性を示
すなど、問題が明らかになりつつある。RIG
はポリイオンコンプレックスが駆動力とな
っているため、様々なタンパク質を効率よく
かつ安定に封入することができることから、
この IL-12 を RIG に内包せしめ、皮下投与に
より高い腫瘍増殖抑制効果を示すことを確
認した(Biomaterials,84, 210(2016)、図 5)。さ
らに、RIG 自身が ROS を消去するため、肝毒
性等の副作用を強く低減することがわかっ
た。開腹手術後の臓器癒着が大きな問題にな
っているため、RIG をスプレーにして臓器表
面に塗布すると、物理的隔離のみならず、開
腹による ROS の影響を低減させることによ
り、現状利用されているセプラフィルムに比
較してきわめて高い臓器癒着抑制効果を発
揮することを確認した(Biomaterials, 69, 195,
(2015)、図 6)。これは後述するように、ROS
が血液を活性化し、臓器間ののりとして働く
ことを RIG が抑えた結果と結論づけられる。
このように RIG は単体として歯周病薬にな
るだけで無く、DDS 用担体、医療用癒着防止
剤などとして期待されることから、大学の発
明を社会に還元し、実用化を目指すテーマと
して期待される。
4.3 吸着能の高いレドックスナノ粒子(siRNP)
の作製:RNP コア中にシリカを内封させるこ
とにより siRNP を作製し、添加剤にすると、
透析液内に浸出した老廃物分子を吸着するこ
とで腹膜液交換回数を減らすだけでなく、
ROS による被褒性腹膜硬化症を抑制し、QOL
の 高 い 腹 膜 透 析 法 を 開 発 し た (Biomaterials
Science, 2, 522 (2014))。さらに吸着能の高いレ
ドックスナノ粒子は薬物の安定な封入が可能
となり、経口 DDS 用材料として高い効果を示
す こ と を 確 認 し た (J.Drug Targeting, 22,
638(2914))。
4.4 レドックスポリマーによる医用デバイス
表面処理:ポリマーを表面にコーティングし
た材料を全血に投入してもまったく血液の活
性化が起こらず、血栓が生成しないことを確
認した(J. Clin. Biochem. Nut., 54, 166(2014) )。
CD34 抗体とともにコーティングするとマウ
ス胎児から採取した増血幹細胞を高い未分化
状 態 で 精 製 す る こ と に 成 功 し た (J.
Biom.Mat.Res., Part A, 103, 2815(2015))。
4.5 抗がん剤アジュバント:癌三大療法の一つ
として癌化学療法はひろく行なわれているも
のの、最大の問題点として、癌が重篤疾患で
あったため、抗癌剤に強い副作用があっても
認可されてきたと言う歴史があり、心臓毒性
や消化管毒性など極めて強い副作用が惹起さ
れ、多くの患者を苦しめている。RNP を併用
すると、腫瘍近傍の ROS を消去することによ
図 9.ニトロキシドラジカル含有レドックスポリ
マーのバイオマテリアルへの展開 a)表面コーテ
ィングによりマウス血液との接触でも殆ど活性
化せず、血栓を生じない、b)ニトロキシドラジカ
ル導入量に対して血中の血小板や白血球の消費
が完全に抑制されている)
図 10 アゾキシメタン/DSS 誘起大腸癌モデルマウ
スに対する RNP0 の効果. a)大腸癌モデルマウス
に対する RNPO およびイリノテカン併用効果(イ
リノテカンの効かない低濃度で RNPO を併用する
と腫瘍増殖抑制効果が顕著に表れる。)、b)イリノ
テカンによる消化管障害(イリノテカン投与によ
り強い下痢が見られるが、RNPO 併用投与で優位
に抑制されている。)
り抗癌剤に対する抵抗性を低下させ、治療効
果を増強させるとともに、消化管等の炎症を
劇的に低下させるなど、副作用低下に寄与し、
患者に優しい新しい抗癌治療を達成した
(Molecular
Pharmaceutics,
in
press,
Biomaterials, 55, 54 (2015), J. Contro. Rel., 209,
10(2015))。
4.6 慢性疾患に対する RNP の経口投与効果:
本研究を開始する前までに潰瘍性大腸炎や加
齢促進マウスに対する RNP の効果を明らか
nanotherapeutics in the inflamed colon
reducing inflammation with dose-response
efficacy, Journal of Controlled Release,
Volume 210, 28 July 2015, Pages 19-25 (doi:
10.1016/j.jconrel.2015.05.275).
7. Akiko Eguchi, Toru Yoshitomi, Milos Lazic,
Casey D. Johnson, Long Binh Vong, Alexander
Wree, Davide Povero, Bettina G. Papouchado,
Yukio Nagasaki, Ariel E. Feldstein, Redox
nanoparticles as a novel treatment approach for
inflammation and fibrosis associated with
nonalcoholic steatohepatitis, Nanomedicine,
Vol. 10, No. 17, Pages 2697-2708.(2015) (doi:
10.2217/nnm.15.87)
8. Sindhu Thangavel, Toru Yoshitomi, Meena
Kishore Sakharkar and Yukio Nagasaki, Redox
nanoparticles inhibit curcumin oxidative
degradation and enhance its therapeuc effect on
prostate cancer, Journal of Controlled Release,
Volume 209, 10 July 2015, Pages 110-119 (doi:
10.1016/j.jconrel.2015.04.025 )
9. Hiroyuki Nakagawa, Yoko Matsumoto, Yu
Matsumoto,Yoshihiro Miwa, Yukio Nagasaki,
Design of high-performance anti-adhesion
agent using injectable gel with an
anti-oxidative stress function, Biomaterials,
Vol.
69,165-173
(2015)
(doi:
10.1016/j.biomaterials.2015.08.018).
10.
Shiro Ishii, Junya Kaneko, and Yukio
Nagasaki, Dual stimuli-responsive redox-active
injectable gel by polyion complex based flower
micelles
for
biomedical
applications,
Macromolecules, 2015, 48, 3088−3094 (doi:
10.1021/acs.macromol.5b00305).
11.
M. Bednarowicz, B. Dobosz, R.
Krzyminiewski, M. Hałupka-Bryl, Y. Nagasaki,
ESR
Studies
of
Redox–Active
PMNT-PEG-PMNT
Polymer,
Materials
Chemistry and Physics, Volume 161, 1 July
2015,
Pages
250-255
(doi:
10.1016/j.matchemphys.2015.05.045).
12.
Pennapa Chonpathompikunlert, Toru
Yoshitomi,
Long Binh Vong,
Natsuka
Imaizumi, Yuki Ozaki, Yukio Nagasaki ,
Recovery of Cognitive Dysfunction via Orally
Administered
Redox-polymer
Nanotherapeutics in SAMP8 mice, PLoS ONE,
10(5):
e0126013
(2015).
(doi:
10.1371/journal.pone.0126013)
13.
Long Binh Vong, Toru Yoshitomim
Hirofumi Matsui, and Yukio Nagasaki,
Development of an oral nanotherapeutics using
redox nanoparticles for treatment of
colitis-associated colon cancer, Biomaterials,
Vol.
55,
54-63
(2015)
(doi:
10.1016/j.biomaterials.2015.03.037)
14.
Yutaka Ikeda, Tomoki Yoshinari, Yukio
Nagasaki, A novel biointerface that suppresses
cell morphological changes by scavenging
excess reactive oxygen species, Journal of
にしてきている。本研究では RNP の経口投与
によりアルツハイマー病モデルトランスジェ
ニックマウスに対する効果を確認した(論文
作成中)。また、非アルコール性脂肪肝炎
(Nanomedicine, 10, 2697(2015))、動脈硬化(論文
作成中)等への効果を確認した。
5.今後の計画
これまでレドックスナノ粒子(RNP)、レド
ックスインジェクタブルゲル(RIG)、シリカ封
入レドックスナノ粒子(siRNP)および表面コ
ーティング材を作製し、様々なナノメディシ
ンやバイオマテリアルとして評価を進めて
きた。本研究後半ではこれらの研究をさらに
広範に展開するとともに一酸化窒素や過酸
化水素に注目した新しいナノメディシンの
設計を進める。
6.これまでの発表論文等(受賞等も含む)
1. Long
Binh
Vong,
Yukio
Nagasaki,
Combination treatment of murine colon cancer
with doxorubicin and redox nanoparticles,
Molecular Pharmaceutics, in press. (doi:
10.1021/acs.molpharmaceut.5b00676)
2. Shiro Ishii, Junya Kaneko, Yukio Nagasaki,
Development of a long-acting, protein-loaded,
redox-active, injectable gel formed by a
polyion complex for local protein therapeutics,
Biomaterials, Volume 84, page 210-218(2016)
(doi: 10.1016/j.biomaterials.2016.01.029)
3. Makiko Saita, Junya Kaneko, Takenori Sato,
Shun-suke Takahashi, Satoko Wada-Takahashi,
Ryota
Kawamata,
Takashi
Sakura5,
Masaichi-Chang-il Lee, Nobushiro Hamada,
Katsuhiko Kimoto, Yukio Nagasaki, Novel
antioxidative nanotherapeutics in a rat
periodontitis model: Reactive oxygen species
scavenging by redox injectable gel suppresses
alveolar bone resorption, Biomaterials,
Volume 76, January 2016, Pages 292-301 (doi:
10.1016/j.biomaterials.2015.10.077).
4. Shinpei Kudo, Yukio Nagasaki, A Novel Nitric
Oxide-based Anticancer therapeutics by
Macrophage-targeted Poly(L-Arginine)-based
Nanoparticles, Journal of Controlled Release,
Vol.
217,
256–262(2015)
(doi:
10.1016/j.jconrel.2015.09.019)
5. Sinpei Kudo, Yukio Nasaki, Facile and
Quantitative Synthesis of a Poly(Ethylene
Glycol)-b-Poly(L-Arginine) Block Copolymer
and Its Use for the Preparation of Polyion
Complex Micelles with Polyanions for
Biomedical Applications, Macromolecular
Rapid Communications, Volume 36, Issue 21,
November 2015, Pages: 1916–1922 (doi:
10.1002/marc.201500224).
6. Long Binh Vong, John Mo, Bertil
Abrahamsson and Yukio Nagasaki, Specific
accumulation of orally administered redox
5
Biomedical Materials Research, Part A,
Vol.103,
Issue
9,
2815-2822.
(doi:
10.1002/jbm.a.35419)
15.
Toru Yoshitomi, Yukio Nagasaki,
Development of Silica-containing Redox
Nanoparticles for Medical Applications,
Biomaterials Science,Vol. 3, 810-815(2015)
(doi: 10.1039/C5BM00057B).
16.
Magdalena Hałupka-Bryl, Magdalena
Bednarowicz, Bernadeta Dobosz, Ryszard
Krzyminiewski, Tomasz Zalewski, Beata
Wereszczyńska,Yukio Nagasaki, Doxorubicin
loaded
PEG-bpoly(4-vinylbenzylphosphonate)
coated
magnetic iron oxide nanoparticles for targeted
drug delivery, Journal of Magnetism and
Magnetic
Materials,
Vol.
384,
320-327(2015)(doi: 10.1002/jbm.a.35419).
17.
Mao Toyoda, Susumu Hama, Yutaka
Ikeda, Yukio Nagasaki, Kentaro Kogure,
Anti-cancer vaccination by transdermal
delivery of antigen peptide-loaded nanogels via
iontophoresis, International Journal of
Pharmaceutics, Vol. 483, Issue 1-2,
110-114(2015)
(doi:
10.1016/j.ijpharm.2015.02.024).
18.
Toru Yoshitomi, Yukio Nagasaki,
ROS-scavenging Nanomedicine for Treatment
of Oxidative Stress Injuries, Advanced
Healthcare Materials, Vol.3, Issue 8,
p.1149-1161(2014)
(doi:
10.1002/adhm.201300576)
19.
Yutaka Ikeda, Yukio Nagasaki, Impacts
of PEGylation on the gene-delivery system,
Journal of Applied Polymer Science, Vol.131,
Issue
9,
40293
May
5
doi:
(10.1002/app.40293).
20.
Madoka Shimizu, Toru Yoshitomi,
Yukio
Nagasaki,
The
Behavior
of
ROS-Scavenging Nanoparticles in Blood,
Journal of Clinical Biochemistry and
Nutrition, Vol.54, No.3, 166-173(2014) (doi:
10.3164/jcbn.13-85).
21.
Md. Amran Hossain, Mayo Yamashita,
Long Binh Vong, Yutaka Ikeda and Yukio
Nagasaki, Silica-installed redox nanoparticles
for novel oral nanotherapeutics- Improvement
in intestinal delivery with anti-inflammatory
effects, Journal of Drug Targeting, Vol. 22,
No.
7,
Pages
638-647(2014)
(doi:10.3109/1061186X.2014.928716).
22.
Magdalena Hałupka-Bryl, Kei Asai,
Sindhu Thangavel, Magdalena Bednarowicz,
Ryszard Krzyminiewski, Yukio Nagasaki,
Synthesis and in vitro and in vivo evaluations
of
poly(ethylene
glycol)-block-poly(4vinylbenzylphosphonate)
magnetic
nanoparticles containing doxorubicin as a
potential targeted drug delivery system,
Colloids and Surface B: Biointerfaces, Vol.
118,
140-147(2014)
(doi:
0.1016/j.colsurfb.2014.03.025)
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Thangavel
Lakshmipriya,Yukichi
Horiguchi,
and
Yukio
Nagasaki,
Co-immobilized
poly(ethylene
glycol)-block-polyamines promote sensitivity
and restrict biofouling on gold sensor surface
for detecting Factor IX in human plasma,
Analyst, Vol. 139(16), 3977-3985(2014) (doi:
10.1039/c4an00168k).
24.
Toru Yoshitomi, Kazuhiro Kuramochi,
Long
Binh
Vong,
Yukio
Nagasaki,
Development of nitroxide radicals-containing
polymer for scavenging ROS from cigarette
smoke, Science and Technology for Advanced
Materials,
15,
035002(2014)
(doi:
10.1088/1468-6996/15/3/035002)
25.
Long Binh Vong, Toru Yoshitomi,
Kazuya Morikawa, Shinji Saito, Hirofumi
Matsui,
Yukio
Nagasaki,
Oral
nanotherapeutics: Effect of redox nanoparticle
on microflora in mice with dextran sodium
sulfate-induced
colitis,
Journal
of
Gastroenterology, Volume 49, Issue 5, Page
806-813
(2014)
(doi:
10.1007/s00535-013-0836-8)
26.
Yukichi Horiguchi, Naoki Nakayama,
Naoki
Kanayama,
Yukio
Nagasaki,
Sulfobetaine-terminated PEG Improves the
Qualities of an Immunosensing Surface,
Biomaterials
Science,
Vol.2.,
No.6.,
819-826(2914)(doi:10.1039/c3bm60212e)
27.
Susumu Hama, Yuki Kimura, Aya
Mikami, Kanako Shiota, Atsushi Tamura,
Yukio Nagasaki, Kiyoshi Kanamura, Kazunari
Kajimoto, Keitaro Kogure, Imperceptible
electric stimulus opens intercellular spaces in
skin, Journal of Biological Chemistry, Vol.
289
2450-2456(2014)
(doi:
10.1074/jbc.M113.514414).
28.
Chiaki Abe, Yoshihiro Uto, Ayaka
Kawasaki, Chiho Noguchi, Ryo Tanaka, Toru
Yoshitomi, Yukio Nagasaki, Yoshio Endo and
Hitoshi Horia, Evaluation of the in vivo
antioxidative activity of redox nanoparticles by
using a developing chicken egg as an
alternative animal model, Journal of
Controlled Release, Vol. 182, 67-72(2014)
(doi: 10.1016/j-jconrel.2014.03.15)
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Hironobu Yasui, Ryo Takeuchi, Tohru
Yamamori, Shunsuke Meike, Yoshinari
Nakamura, Masaki Nagane, Yasuhiro Kon,
Hiroki Murotani, Motoi Oishi, Yukio Nagasaki
and Osamu Inanami, Radiosensitization of
tumor cells through endoplasmic reticulum
stress induced by PEGylated nanogel
containing gold nanoparticles, Cancer Letter,
Vol.
347,151-158(2014)
(doi:10.1016/j.canlet.2014.02.005)
6
30.
Yukio Nagasaki, Tatsuya Yaguchi,
Takuma Matsumura, Toru Yoshitomi, Yutaka
Ikeda, Atsushi Ueda, and Aki Hirayama,
Design and use of silica-containing redox
nanoparticles, siRNP for high-performance
peritoneal dialysis, Biomaterials Science,
Vol.2,
No.4.,
522-5298(2014)
(doi:
10.1039/c3bm60236b)
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Toru Yoshitomi, Sha Sha, Long Binh
Vong,
Pennapa
Chonpathompikunlert,
Hirofumi Matsui, and Yukio Nagasaki,
Indomethacin-loaded
redox
nanoparticles
improve oral bioavailability of indomethacin
and suppress its small intestinal inflammation,
Therapeutic Delivery, 2014, Vol. 5, No. 1,
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Yukio Nagasaki, Tsuyoshi Yamazaki,
Akihiko Kikuchi, Mariko Harada-Shiba,
Elevated atherogenic index following oral
administration of quaternized polyamine
nanogels, Colloid and Surface: B, Vol. 113,
No.1.,
237-242(2014)(doi.org/10.1016/j.colsurfb.2013
.09.016)
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Min Ley Pua, Toru Yoshitomi, Pennapa,
Chonpathompikunlert, Aki Hirayama, Yukio
Nagasaki, Redox-active Injectable Gel Using
Thermo-responsive
Nanoscale
Polyion
Complex Flower Micelle for Noninvasive
Treatment of Local Inflammation, Journal of
Controlled Release, Vol. 172, No. 3,
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Yutaka
Ikeda,
Jinya
Katamachi,
Hiromichi Kawasaki, Yukio Nagasaki, Novel
protein
PEGylation
chemistry
via
glutalaldehydefunctionalized
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Chonpathompikunlert,
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Nanoparticles,
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Thangavel
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Amran Mohamed Hossain, Yutaka
Ikeda, Yukio Nagasaki, Novel Biocompatible
Nanoreactor
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Surfaces B: Biointerfaces, Vol. 102,
778–782(2013)(10.1016/j.colsurfb.2012.09.034
).
受賞
2014年11月日本潰瘍学会賞
2014年11月日本バイオマテリアル学会賞
2015 年 7 月日本 DDS 学会 永井賞
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7. ホームページ等
http://www.ims.tsukuba.ac.jp/~nagasaki_lab/me
mber/members.htm
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