I-10 改善事例 (体細胞 ) 体 細 胞 の トラ ブ ル を改 善 す る た め に 、 農協 職 員 、 N O S A I 、普 及 セ ン タ ー の 支 援 を受 け搾 乳 立 会 を含 め て行 っ た 取 り組 み を紹 介 します 。今 回 の 事 例 は 、改 善 の 取 り組 み に よ り体 細 胞 が 低 下 し、 そ の 後 、 出荷 乳 量 、体 細 胞 数 が 安 定 的 に推 移 して い る農 場 の 事 例 を紹 介 します 。 1 . 農 場 の 概 況 と改 善 までの経 過 フ リー ス トー ル で の 飼 養 管 理 、搾 農場概 況 : 乳 は旧 牛 舎 で 入 れ 替 え搾 乳 、搾 乳 牛 頭 数 は 8 0 頭 、 2 名 で搾 乳 改 善 まで の 経 過 : 平 成 1 4 年 6 月 2 4 日 搾 乳 立 会 ・乳 汁検 査 実 施 ・細 菌 検 査 結 果 : 黄 色 ブ ドウ球 菌 ( S A : 伝 染性 2 8 頭 35%) 環境性 乳房炎菌 ( O S , C N S , C O : 環 境性 2 9 頭 36%) コ リネバ クテ リウ ム ボ ビス ( c B : 伝 染 性 1 3 頭 16%) * S A の 感 染 が 多 い 牛 群 で した。 一 平 成 1 4 年 7 月 1 2 日 改 善 内容 の 検 討 、 部 治療 開始 平 成 1 4 年 7 月 3 1 日 搾 乳 手 順 を最 終確 認 2 . 改 善 までの 出荷 乳 量 と体 細 胞 数 の 推 移 -81- 舅員轍磨瑠り層孝 威 慶″ ry_― Fttπ 100% 亀甚♂ スコア2 以 下 ( f 事 細 胞 数 7 0 万 以 下) 、即 日 ∼ 4 ( 体 彗 胞撤 7 _ 1 ∼2 0 2 万 ) 、スコ ハ 以上( 1 本 細胞t t 2 0 0 万 以 上) 90% 80% % り ニ ア ス コア の 割 合 % ス]P3∼ イ 鶴 % % 10% 一ωヽ00ヽN〓 〇いヽ口∞ヽmm 一いヽ0一ヽコ∞ 口∞ヽ口いヽ二∞ 一いヽロロヽN一 0一ヽ一一ヽヨω 一いヽ一0ヽい一 一”ヽ口静﹂時〓 Oωヽ0一ヽ”一 一時ヽ一時ヽ一〇 一やヽ二〓ヽ一一 一いヽ一口ヽ“一 一“ヽ口一ヽ”“ 〇“ヽO∞ヽい一 〇mヽい﹁ヽい〓 一いヽ口いヽN” 乳検検定 日 ・改 善 前 は 、 ス コ ア 2 以 下 の 割 合 が 2 0 % と 少 な く、 ス コ ア 5 以 上 が 4 0 % 強 を 占 め て い た 。 ・改 善 実 行 中 は 、乳 房 炎 治 療 と搾 乳 手 法 改 善 に よる新 規 乳 房 炎感 染 防止 を 同時 進 行 させ た 。 ・また、s A 感 染 牛 を特 定 し、 隔離 して 搾 乳 を行 っ た 。 ・改 善 1 年 後 で 、 ス コ ア 2 以 下 の 割 合 は 4 0 % 前 後 、 ス コ ア 5 以 上 は 2 0 % 以 下 に な り、 バ ル ク体 細 胞 数 も 2 0 万 前 後 で 安 定 す る よ う に な っ た 。 3 . 改 善提案 の内容 ( 1 ) 搾 乳手法 変更 ・改 善 前 の 搾 乳 手 順 荒 拭 き→ 1 頭 1 布 で 清 拭 → 装 着 → マ シ ンス トリ ップ→ 離 脱 → ポ ス トデ ッ ピ ン グ ( 清拭作 業 と装 着 。離 脱 作 業 が 分 担 され て 行 われ て い た ) ・改 善 後 の 搾 乳 手 順 プ レデ ッ ピ ン グ→ 前搾 り→ 脱水 タオル 清 拭 → 装 着 → 離 脱 → ポ ス トデ ッ ピ ン グヘ と手 順 を変 更 手 順 変 更 に伴 い 特 に注 意 した 点 プ レデ ッ ピ ン グ の コ ン タ ク ト時 間 の 確 保 → 乳 頭 刺 激 を意 識 す る → 前 搾 りを十 分 に 行 20∼ 30秒 つ 装 着 時 間 の厳 守 → 前 搾 りか ら 1 分 間 離 脱 タ イ ミン グ を改 善 → マ シ ン ス トリ ッ プ を 最 小 限 にす る ( 健康 牛 の 残 乳 は 気 に しな い ) 1 頭 1 布 、 手 袋 の 着 用 、 手 の 消 毒 、 デ ッ ピ ン グ容 器 を ス プ レー か ら ノ ン 搾 乳衛生改善 → リ タ ー ン デ ッパ ー ヘ 変 更 -82-― (2)ミ ル カーの改善 ・リ フ トロ ス の 改 善 → フ ロ ー ト式乳量 セ ンサ ー の 撤去、 乳房 炎検 知 フ イル タ ー の 撤 去 ・ユ ニ ッ トの ね じれ 改 善 → ミ ル クホ ー ス をサ ポ ー ト る タイ トナ ー の す 使用 ( 3 ) 細 菌 検 査 の 所 見 に よる提 案 。治 療 → 乳 検 デ ー タ、 産次 、 乳期 、治療 歴 、細 菌 の 種 類 に応 じた 治療 指 針 の 決 定 。S A 伝 播 防止 → ミ ル カ ー 、 人 の 手 に よる伝 播 防止 。今 後 の 分 娩 牛 の S A 検 査 の徹 底 4 . 搾 乳立 会 を受 けた 農 場 主 の 方 に伺 い ま した Q . 搾 乳立 会 を受 けよ うと した動機 は何 です か ? A . 平 成 1 4 年 度 青 年 部 の 活 動 の 中 で乳 質 改善 の 一 環 と して、搾 乳立 会 を受 けてみ な い か と話 が あ ったの と、乳質 が か な り悪 か った か ら。 Q . 搾 乳立 会 を受 けて ど うで した か ? A . J A O N O S A I ・普 及 セ ン タ ー の 提 案 を受 け、乳房 炎 の 予 防 に対 し理 解 が深 まった 。結 果 的 に 良 か った と思 う。 Q . 搾 乳 立会 の 前 ・直後 ・現 在 の 治療 と淘汰 の 状 況 を教 えて下 さい 。 は治療 も淘汰 もそれ な りで 、直後 は治療 も か な り多 くな り、 淘汰 も S A を 先 に どん どん出 して い た 。現 在 は淘 汰 は少 な く、治療 も l ヶ 月に 3 ∼ 4 頭 です ん で い ます 。 A.前 Q . 搾 乳立 会 前 と直後 で変 更 した点 をす べ て教 えて下 さい 。 A . 上 記 の 搾 乳手 法 を変 更 しただ けです 。 Q . 苦 労 した事 を教 えて下 さい。 A.SA(黄 色 ブ ドウ球 菌 ) 牛 の 別 搾 りで す。 ( 打合 せ 後 、 l ヶ 月間 は搾 乳 時 間 が 倍 ! ? ) Q . 今 後 に 向 けて一 言 。 A . ま ず は、 S A 牛 の撲減 です。 Q . 皆 さんに向 けて一言。 A . 自 分 一 人で解決 出来 な い事 もあると思 います。搾乳立会 を受 けて自分が継続 してやれば、 何 か変化 があると思 います。 5 。 今 回の改善 のポ イ ン ト 多 くの 農場 で 改 善提 案 を行 つて い ます が 、手 間 の か か る事 や お金 の か か る部 分 の 改 善 は省 略 し て しま い 、 思 う よ うな改 善 が 見 られ な い 事 が 多 い もの で す 。 しか し、 この 農場 で は地 道 に基 本 的 な搾 乳 手 法 を実践 し、 ゴ ー ルで あ る乳 房 炎 の 予 防 に成 功 した こ と と思 い ます 。 体 細 胞 数 を削 減 す る た め に は 早期 治 療 は もち ろ ん で す が 、搾 乳 手 法 ・飼 養 環 境 を改 善 し、新 規 感 染 させ な い こ とが 最 も重 要 で す 。 皆 さん も、乳 房 炎 の 予 防 的 な手 法 ・環 境 の 再 確 認 をお こな う ため 、搾 乳 立 会 を受 け てみ て下 さ い 。 -83-
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