第17回 日本 化 学 療 法 学 会 総 会 一般講演II G

第17回 G-61∼69 腎
毒
日本 化 学 療 法 学 会 総 会
期
日
昭 和44年4月24∼26日
会
場
大 阪厚生年 金会館
会
長
大
久
保
一 般 講 演II
滉(関 西 医 大 教 授)
濃 度 は 前 者 で16mcg/ml,後
性
者 で10∼13mcg/mlが
当 期 間 持 続 した もの と思 わ れ た 。 な お,GMの
G-61) 腎機 能 障 害 患 者 にた いす る ゲ ン
相
副作用 と
して の 脱 毛 は 記 載 が な く本 症 で は じめ て と思 わ れ る。
タ マ イ シ ン投 与 に つい て
G-62) 吉 岡
一 ・松 田 一 郎
腎 機 能 不 全 時 の抗 生 剤 の動 態
(第5報)
村 山 隆 志 ・新 川 詔 夫
土 田
北海 道大 学医学部小児科学教室
腎不 全 患 者 の管 理 に あ た つ て は,GMの
投与 が必要 な
とい われ て い る の で,投 与 法 に は 充 分 な 注 意 が必 要 で あ
Macrolide系,及
(LCM),
健康 小 児1名,腎
疾 患 で は あ るが 腎 機 能 の正 常 と思 わ
れ るもの4名,種
々 の程 度 に 腎 機 能 障 害 を み とめ る もの
5名 の合 計10名
にGM1mg/kgを1回
筋 注 して,そ
の後 の血 中 濃 度 の 消 長 を 検 索 した 。 注 射 後1時
間 か らの
び そ の 近縁 物 質 で あ る,Lincomycin
Clinimycin
LCMは500mg,CLM,
せ,そ
れ ぞ れ3例
常 群 で はLCM,
り,そ の 値 は3.2∼9.4mcg/mlで,腎
常者(腎 健 者)の の あ いだ に差 異 を 認 め な か つた 。 しか
3.6時
し,血 中 濃 度 の 低 下 は 腎 不 全 者 で は 遅 れ,半 減 期 間 が 腎
GFR
健者 で は1.0∼1.4時
度 推 移 はRFMの
症例6は2.0時
間,15.5m1/分
ml/分 の症 例8で
別後 の 症 例10で
は27時
の症 例7で は12時
間,1m1/分
は,そ れ ぞ れ38お
間,5
つ内服 さ
に つ い て の 平 均 血 中濃 度 は,腎 機 能 正
RFMの
い ず れ も1mcg/m1以
の
びRifampicin(RFM)
RFMは300mgず
測 定 では,い ず れ の 場 合 も最 高 血 中 濃 度 は1時 間 目に あ
間 で あ つ た の に,GFR70ml/分
(CLM)及
の 腎 機 能 不全 時 の 体 内 動態 に つ い て比 較 検 討 した 。
ml,LCMは4.7mcg/mlで
不 全 者 と腎 機 能 正
信
新潟大 学医学部木下 内科 教室
局面 が時 々お こつ て くる が,こ の 抗 生 物 質 は毒 性 が 強 い
ろ う。
亮 ・山 作 房 之 輔
木 下 康 民 ・渡 部
間,RFM
ピ ー ク は1.9mcg/ml,2.3mcg/
あ つ た が,12時
間 後 に は/
下 に な り,血 中濃 度 半 減 期 はCLM
4.6時
10ml/min.以
間,LCM6.0時
間であつた。
下 の腎 機 能 高 度 障 害 群 の平 均 血 中 濃
ピ ーク が39mcg/mlに
の 血 中濃 度 半減 期 は10.5時
上 昇 し,LCM
間 に 延 長 した ほ か 正 常 群 と
の症 例9お
よび腎
大 差 な か つ た 。9時 間 ま で の 平 均 尿 中 回収 率 は,正 常 群
よび42時
間 であ
で はCLM,RFMは10∼15%程
度,LCMは1%で
あ
つた 。 これ ら の 数 値 を 整 理 す る と両 者 の 対 数 値 のあ い だ
つ た が,腎 機 能 高 度 障 害 群 の 尿 中 回 収 率 は3剤
と も正 常
に直 線 的 の相 関 が あ る よ うで,具
群 の数 分 の1な い し1/10に
約3%,
体 的 に い う と,GFR
減 少 し,RFMは
値が あ る 数字 以 下 に 低 下 す る と,半 減 期 も急 激 に 延 長 し
CLMは1%,LCMは0.4%で
は じめ る こ とが わ か る。
機 能 低 下 に伴 な い 相 当 減 少 す るに もか か わ らず,血
す な わ ち,腎 不全 患 者 にGMを
投 与 す る 時 は,患 者
個 々の 腎 機 能 を 考 え て 量 と間 隔 を決 定 す べ きで,量
mg/kgで
は1
よ く,投 与 間 隔 は 半減 期 の2倍 以 上 と す べ き
で あ ろ う。 半減 期 はGFRか
ら上 記 の 関 係 に よ り計 算 可
あ り,尿 中 回収 率 は 腎
中濃
度 よ り,半減 期 延 長 が 著 明 で な い こ とが 共 通 して お り,す
で に 報 告 し たPenicillin系,Cephalosporin系,Aminoglycoside系
群,並
抗 生 剤 と異 な る点 で あ つ た 。Macroiide
び に そ の 近 縁 物 質 は 内服 時 に は 吸 収 の状 態 に よ り
能 な ので,GFRを
参考 に す る と よい 。 す な わ ち,10∼
血 中 濃 度,尿 中 回 収 率 に個 人 差 が 大 き い の で,注 射 用
30ml/分 で は24時
間 ご と,10ml/分
LCMを
以 下 で は48時
ご と,人 工 透 析 患 者 では 週2回 透 析 後,な
間
どが 目安 に な
用 い腎 機 能 正常 群,高
度 障 害 群,Kiil型
血 中濃 度 は 高 度 障 害 群 で最 も高 く,次
る。
次 に,症 例8の 経 過 中,1カ
月 の 間 隔 で カ ニ ュー レ部
い で 血液 透析
群 正 常 群 の順 とな り,血 中濃 度半 減 期 に は 大 差 な く,高
の化 膿 症 と緑 膿 菌 性 敗 血 症 を合 併 し,そ れ ぞ れ の場 合
度 障 害 群 の 尿 中 回 収 率 は 正 常 群 の 約1/5に
GMを780mgお
ら にKUNIN等
の 方 法 でLCMク
142ml/min.,高
度 障 害 群 では 正 常 群 の 約1/2に
よび680mg,合
計1,460mg使
用 し
た。 そ の 結果,難 聴 と脱毛 を 副 作 用 と して 認 め た 。 血 中
人工 腎
血 液 透 析 群 に 於 け る動 態 の詳 細 を 検 討 した 。
減 少 した。 さ
リア ラ ンス(Cs)は,
減 少 し,
CHEMOTHERAPY
354
正 常 群 のLCM腎
JULY
ク リア ラ ンスCrは77m1/min.で,
高 度 障 害 群 で は 約1/20に
著 減 した が,Cs-Cr,す
なわ ち
G-64) ら高 度障 害 群 のCsを
急 性 腎 不 全 の発 生 病 理 に 関す る
研 究(第3報)
腎 外 ク リア ラ ン スは 両 群 で ほ ぼ 等 し く,血 液 透 析 群 の
Csか
1970
引 い た 値16ml/min.がLCM
KM・ アル ギ ン酸 ソーダ併用に よる急性腎
の 人 工 腎 ク リア ラ ン ス値 と考 え られ た 。
不全 の細 胞化学的研究
正 常 群 の血 中 か らの 減 少 率 に 対 す る腎 か ら の 減 少 率 の
割 合,す
な わ ちKr/Ksは0.54,高
結 局,LCMの
腎 外 排 泄 は 正 常 群 で は 約50%に
高 度 障 害 群 で は93%を
Macrolide系
上 田 豊 史 ・高 松 忠 二 ・森 田一 喜 朗
度 障 害 群0.07で,
後 藤 宏 一 郎 ・平 田
対 し,
占め る こ とが 判 明 した 。
九州大学泌尿器科
及 び近 縁 物 質 の 腎 外 排 泄 の 大 部 分 は肝 を
i経て 胆 汁 中へ の 排 泄 が 考 え られ る の で,RFM300mg内
服 時 の血 中 濃 度,尿
中排 泄 を,Al-p,GPTを
弘 ・平 田 耕 造
百 瀬 俊 郎
KM・ ア ル ギ ン酸 ソ ー ダ併 用 に よ る急 性 腎 不 全 の 発 生
指 標 と した
病 理 追 求 の た め,障
害 腎 の 細 胞 化 学 的 研 究 を行 な つ た。
肝 機 能 障 害 を有 す る4例 につ い て 比較 検 討 した が,RFM
実 験 動 物 は 家 兎 を 用 い,KM筋
内 服 時 の血 中濃 度,尿 中 排 泄量 と臨 床 検 査 と して 用 い ら
滴 静 注 に よ り急 性 腎不 全 を 惹 起 せ しめ,障 害 腎 に つ い て
れ るAl-P,GPTの
簾 糖 密 度 勾 配 法 に よ り細 胞 分 画 を 行 な つ た 。 な おKM
〔
追加〕
間に相関は認 められなかつた。
清 水 喜 八 郎(東 大 吉 利 内科)
Rifampicinは
注,ア
ル ギ ン酸 ソー ダ点
お よび ア ル ギ ン酸 ソ ーダ の 腎 細 胞 内 と り込 み は3H標
肝 に お い てdesacetyl-rifampicinに
識
代 謝 され る わ け で,肝 障 害 が あ る と,そ の代 謝 は お さえ
薬 剤 を 用 い て 追 求 した が,こ の 結 果KM,ア
ル ギ ン酸 ソ
ー ダ の 同 時 投 与 に よ り両 薬 剤 と も腎 に おけ る細 胞 内 と り
ち れ る の で,血 中 濃 度 と肝 障 害 との 間 に 関 係 あ る よ うに
込 み は 増 加 す る。 ま た,と
考 え られ る。 ま た そ の 代 謝 も個 入 差 が あ る と思 うの で,
い て,lysosomeに
そ の点 に つ い て 考 慮 して 検 討 を お こな つ て い た だ き た
い。
り込 まれ た 薬 剤 は 細 胞 内 に お
濃 縮 され る と い う こ とを 確 認 した 。
次 に 正常 腎 お よ び障 害 後30分
を,数
か ら24時
間 ま で の腎
回 の 冷 凍 遠 心 に よつ て 穎 粒 成 分 と可 溶 成 分 に分 画
し,そ の 各 々に つ い て酸 性 フ ォ ス フ ア タ0ゼ の活 性 値 を
G-63) 抗 菌 製 剤 の 腎 毒 性 の研 究
第1報
測 定 した 。 この 実 験 に よ り障 害 腎 で も障 害 後12時
カ ナ マ イ シ ンーアル ギ ン酸 ソ ー ダ障 害 腎
に おけ る各種 酵素系 の変 動
大 越 正 秋 ・名 出頼 男 ・川 村
酸Naの
activityは
こ の酵 素 を 保 持 して い るlysosomeに
不 変 である
変化が起つ ている
こ とを 示 す もの と考 え る。
な お,lysosome分
併 用 に よ る,急 性 腎
不 全 に つ い ては 先 年 来 研 究 が 進 め ら れ て 来 てい る。
我 々は,こ
の酵 素 のtotal
の 細 胞 内 局 在 性 が変 化 す る,す なわ ち,穎 粒 成 分
か ら 可溶 成 分 に 移 行 して い る こ とを 認 め た 。 こ の こ とは
猛
新 村 研 二 ・中 薗 昌 明
慶大泌尿器科
Kanamycinと
ら い まで は,こ
が,そ
間 く
の系 を 用 い,急 性 腎 不 全 時 に お こ る各 種 酵
素 系 の 変 動 を 検 討 した の で 発 表 す る。
画 に つ い て37℃,10分
間incubate
後 の 測 定 値 をavailable
activityと
的 変化 を 観 察 した が,こ
の 値 は 障 害 腎 で上 昇 して お り,
lysosome膜
して と り,そ の経 時
の安 定 性 が失 な わ れ て い る こ とを 確 かめ た 。
わ れ わ れ は 上 記 の実 験 に よ り,こ のModelに
先 ず ラ ッテ にKanamycinとalgin酸Naを
お ける
投与 し
薬 剤 の 細 胞 内 第1攻 撃 点 は,近 位 尿 細 管 細 胞 のlysosome
脱 水 状 態 とし,実 験 的 腎 障 害 を起 こ した 。 次 に,こ の障
で あ り,こ の 構 造 の破 壊 に よ る加 水 分 解 酵 素 の放 出,そ
害 腎 に関 し,腎 組 織 呼 吸glutaminase,
phatase,
LDH,
aminoxidase等
alkaline
phos-
の 活 性 変 動 を生 化 学 的
して そ れ に よ る細 胞 の 自 家融 解 的 過 程 が,尿 細 管 上 皮 細
胞 の変 性,壊 死 に重 要 な 意 味 を 有 す る こ とを 認 め た 。
に 追 求 した 。 また 肝 の 組 織 呼 吸 との 比 較 に お い て,こ の
〔質 問 〕
種 の毒 性 の 腎 に 対 す る臓 器 特 異 性 に つ い て も検 討 した 。
1)
KMと
木 下 康 民(新 大 二 内)
ア ル ギ ン酸 ソ ー ダが 尿 細 管 腔 で結 合,沈
を 生 ず る こ とが,腎
澱
傷 害 惹 起 を ど の よ うな機 序 で ひ き お
こす の か。 この よ うな 結 合 沈 澱 物 が 尿 細 管 に 吸収 され る
とは 思 え な い が。
2)
も し,こ の 結 合 沈 澱 物 が 腎傷 害 のTriggerで
る とい う こ とで あ れ ば 真 の傷 害 機 序 は ど うで あ る か。
〔
答〕
平 田 薪 造(九
大 泌 尿)
あ
VOL,
1)
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
尿 細管 腔 で生 じた 巨大 な 重 合 物 が そ の ま ま細 胞 内
に と り込 まれ る とは 考 え ら れ な い 。 細 胞 内 で 障 害 を 起 す
の は こ の 重 合 物 で は な くKM単
独 で あ る とい う こ と も
充 分 に考 え られ る。 た だ こ の管 腔 の 閉 塞 が 薬 物 の細 胞 内
と り込 み に 重 要 なfactorと
someが
2)
な り細 胞 内 で の 変 化 はlyso-
355
れ ばanvitroとinvivoの
3)
ス テ ロ イ ドに よ る ラ イ ソ ゾ ー ム 活 性 の 抑 制 は こ の
腎 不 全 発 生 防 止 に 我 々 も興 味 を も つ て い る が,こ
つ い て は,も
主 で あ る と考 え て お る 。
新 村 研 二(慶
InvitroでArgimateを
内 加 水 分 解 酵 素 の 関 与 を 考 慮 に 入 れ な け れ ば 説 明 し難 い
よ り キ レ ー トの 状 態 でKMの
ので は ない か。
ら れ る と考 え る 。
基 底 膜 の 変 化 は 全 く な く,shockな
4)
G-65) 刷 子 縁 の 崩 壊 は か な りみ られ た が,そ
後 藤 宏一 郎 ・平 田
上 皮 細 胞 自体 の 内 部 構 造 の変 化 は認 め な か つ た 。
島
博(久
い す る,私
ついて電顕的に追求
してい る。
平 田 耕 造(九
た しか にreversibleで
もす で に 光 顕,電
あ る 。7日
顕 で,は
目に み た 腎組織 で
つ き りした 尿 細 管 上 皮 細 胞 の
と考 え る 。
中 薗 昌 明(慶
phaseのactivity
Soluble
phaseに
室 で はsteroidに
〔答 〕
てactivityの
定 の 法 則性 を もつ て 結 合 す る こ と を し り,こ
の結合 力
の 生 じる こ とを 知 り,こ れ が ア ミ ノ糖 類 抗 生 物 質 の 化学
activityは
的 特 性 と関 係 が あ るの で は な い か と考 え て い る。
〔
質問〕
低 下 を み て い る が,こ
平
田 耕 造(九
activityは
は た しか に
間位 ま
だ い た い 同 一 で有 意 の差 は認 め ら
〔
答〕
山作 房 之 輔(新 大 木 下 内科)
ア ル ギ ン酸 ソー ダ と併 用 時 の 腎 毒 性 発 生 のKMと
KDMの
量 的 関係 は7日
mg/kgで
れ な かつ た 。
平
Invitroで
大 泌 尿)
ど の程 度 の 差 が あ る か。
大 泌 尿)
か な り の ば ら つ き が あ つ た 。 し か し 障 害 後24時
〔質 問 〕
大 越 正 秋(慶
ア ル ギ ソ酸 ソ ー ダ併 用 時 の 腎 毒 性 はKMとKDMで
酸 性 フ オ ス フ ァ タ ー ゼ のfreeactivityに
田 耕 造(九
kgで
大 泌 尿)
の02uptakeはinvivoで
全 く異 な つ た 成 績 で あ つ た が,こ
のそれ と
の 点 は ど の よ うに 考 え
尿 細 管 上 皮 細 胞 の 崩 壊 が あ れ ば,O2
下 す る の は 当 然 で あ り,O2
uptakeの
の で は な か ろ うか 。 わ れ わ れ は1次
uptakeが
低 下 は2次
低
的 なも
的 な変化 は や は
り
変 化 で あ る と考 え て お る 。 こ の よ うに 考 え
∼10日 間 併 用 時 にKMは150
は 激 しい 腎 不 全 を 起 こ し,KDMは100mg/
は 同 様 の 変 化 を呈 す るが50mg/kgで
は著 明 な腎
不 全 は 発 生 しな か つ た。
〔質 問 〕
KMア
てお られ る か。
lysosomeの
vitroで ア ル ギ ン酸 ソ ー ダ と一
尿 細 管 上 は細 胞 に あ る程 度 共 通 した 特 殊 な 形 態 学 的 変化
入 つ て く るenzyme
の 点 は ど うか 。
2)
ミノ糖 類 抗 生 物 質 はin
与 し,早 期 の段 階 に お け る超 微 細 構 造 に つ い て検 討 し,
他 の 薬 剤 に よつ て 影 響 さ れ る こ と は な い か 。 私 達 の 研 究
1)
血 清 化 学 的,組 織 学 的 検 討 を 加 え,ま た,い つ ぼ う,ア
は な い か と考 え て い る。 な お ア ミ ノ糖 抗 生 物 質 を単 独 投
大 泌 尿)
phosphataseのSoluble
は 相 当 に ば らつ い てい な い か。
で はtotal
回ア ミ
が,ア ル ギ ン酸 ソ ーダ との 併 用 時 に は,意 味 が あ るの で
〔質 問 〕
2)
併 用 に よ るほ ぼ 確 実 に 急
ノ糖 類 抗 生 物 質 に つ い てそ の 腎 に 対 す る影 響 に つ い て,
大 泌 尿)
再 生像 が み られ た 。 これ は臨 床 的 経験 か ら も確 実 な こ と
Alk.
アル ギ ン酸 ソ ー ダ とKMの
性 腎 不 全 を惹 起 し うる こ とは 報 告 して い るが,今
〔答 〕
1)
九州大泌尿器 科
も の か ど うか お 伺
共 も 現 在Gentamicinに
弘 ・平 田 耕 造
百 瀬 俊 郎
大 泌)
腎 の 組 織 学 的 変 化 はreversibleな
急 性 腎不 全 の 発 生 病 理 に か んす
上 田 豊 史 ・高 松 忠 二 ・森 田一 喜 朗
た ゼ ラ チ ン製 剤 単 独 で も 高 度 に 起 る が,
鮫
さえ
ア ミノ糖類抗生物質 の腎毒 性につ いて
に よ る も の で は な い か と考 え る 。 こ れ は ア ル ギ ン 酸 ソ ー
〔質 問 〕
結 合に
毒 性 発 揮 が 一 時,お
る 研 究(第4報)
の原因 につ
論 を 得 て い ない 。 私 個 人 と して は 機 械 的 な力
ダ単 独 で も,ま
毒
ど のfactorは
考 え て い な い0
い て は,結
大 泌 尿)
加 え る こ とに よ りKMの
性 が 一 時 お さ え ら れ る の はArginateとKMの
細 胞 の 変 化 は 起 ら な い と考 え る 。 こ の 点 で もlysosome
3)
の点 に
う少 し考 察 し な け れ ば な ら な い 。
〔答 〕
単 な る尿 細 管 腔 の閉 塞 で あれ ば この よ うに急 激 な
相 違 も解 釈 が し易 い の で は
な か ろ う か0
山作 房 之 輔(新 大 木 下 内 科)
ル ギ ン酸 ソー ダ併 用 時 の腎 毒 性 は 両 者 が 結 合 し
な け れ ば 起 ら な い か。 低 分 子 デ キ ス トラ ンKMと
時 に も腎 毒 性 が 増 強 す る が,デ
キ ス トラ ソに はCOONa
が 存 在 し な い こ とを ど う解 釈 され るか 。
〔答 〕
併用
平 田 耕 造(九 大 泌 尿)
CHEMOTHERAPY
356
KMア
JULY
ル ギ ン酸 ソー ダ併 用 に よ る障 害 腎 で は,両 薬 剤
が 正 位 尿 細 管 管 腔 内 で 結 合 し,閉 塞 を起 す こ とが 重 要 な
因 子 で あ る と考 え る。KMとDextranと
なfactomが
問 題 で あ り,KMア
G-66) 間的
ル ギ ン酸 ソ ー ダ の 結 合
鮫 島
上
田
泰 ・松 本 文 夫 ・中 村
斉
藤
篤 ・野 田 一 雄 ・大 森 雅 久
東 京 慈 恵 会医 科 大 学 上 田 内 科
博(久 大 泌 尿)
ル ギ ソ酸 ソ ー ダ併 用 に よ る腎 障 害 は リバ ー シ ブ
腎 毒 性 を有 す る抗 生 剤 は 多 く,そ の 程 度 に も強 弱 が あ
ル な もの か ど うか 。 も し リバー シ ブル とす れ ば 正常 の 状
るが,今
態 に戻 る の に どの くら い の期 間 を 要 す るか 。 わ れ わ れ は
Colistin(CL),
Gentamicinに
よ る腎 障 害 に つ い て この 問 題 を 検 討 し て
い る。
(CER),
回 は 腎 毒 性 が 中等 度 な い し軽 度 の 抗 生 剤 か ら
〔
答〕
平 田 耕 造(九
大 泌 尿)
Aminosidin
Kanamycin
cycline(TC)を
Reversibleと
(KM),
(AMD),
Gentamicin
体 重130g前
例 死 亡 した 訳 では な く,1週
間 目 の腎 組 織 で は す で に,
透 圧,尿
素 窒 素,腎 組 織 所 見 に つ い て 検 討 した 。 併 用 投
与 群 は1)KM+CL群,2)CL+GM群,3)AMD+TC
りみ られ た。 これ ら の事 実 か ら この 種 の腎 障 害 は 充 分 に
群,4)KM+TC群,5)CER+KM群
考 え る が,こ れ は 今 ま で のわ れ わ れ の 臨 床
例 か らみ て も確 実 であ る。
ア ル ギ ン酸 輸 液 時 に 腎毒 性 抗 生 物 質 が 投 与 さ れ る と腎
不 全 を 起 す こ とが 明 らか に な つ て きた 。 ア ル ギ ン酸 輸 液
は 我 が 教室 に お い て 研 究 開 発 され た も の であ る の で,特
量 を 使 用 した 。
の問 題 の 発 生
1)
尿 滲 透 圧:各 群 と も投 与5∼7日
∼57%の
2)
低 下を認めた。
尿 蛋 白:単 独 投 与 群 の うちCER,KM,GM,TCが
投 与3週 間 後 で も尿 蛋 白陰 性 で あ つ た の に 比 し,併 用 群
で は 各 群 と も投 与2週
され る とこ ろ が 大 きか つ た こ とを,特 に この 席 か ら お 礼
した 。
申上 げ た い 。
3)
ナ マ イ シ ン併 用 時 の 腎 不 全 発 生
々は か ね て よ り
1つ の 構 想 を もつ て 研 究 して きた 。 す な わ ち,ア ル ギ ン
酸 の マ ノ マ ー と構 造 類 似 の 物 質 を ア ル ギ ン酸 と共 存 させ
目 よ り尿 滲 透 圧
の低 下 を示 し,単 独 投 与 群 に 比 し併 用 投 与 群 で 強 く36
機 転 に つ い て は,特 に 九 大 泌 尿 器科 の 研 究 に よつ て 啓 発
さ て,ア ル ギ ン酸,カ
独 投 与 群 で は10倍
成 績:
(九大 井 口外 科)
を 予 防 す るた め の1つ の 手 段 と して,我
の5群 で,別 に 各
抗 生 剤 単 独 投 与 群 も作 成 した。 投 与 量 は 併 用 群 で は ヒ ト
常 用 投 与 量 の5倍,単
潔 ・池 田 恵 一 ・高 椋 正 俊
間 目よ り尿 蛋 白 は痕 跡 ∼陽 性 を 示
尿 素 窒 素:併 用 群 で は投 与2週
や や 上 昇 し,3週
間 目 よ りBUNは,
間 後 の変 化 は単 独投 与 群 よ り高 くCL
+KMi群,CL+GM群,AMD+TC群
で は35∼45mg/
dlで あ つ た。
4)
腎 組 織 所 見:単 独 投 与 群 に比 し,併 用 群 は 腎組 織
る こ とに よ り,カ ナ マ イ シ ソ とア ル ギ ン酸 との 結 合 を 阻
変 化 が 強 く,と くにKM+CL群
止 させ よ う とす る もの で あ る。 そ の結 果,グ
膨 化,空 胞 変 性 が 著 しく一 部 に壊 死 を認 め た。
ル ク ロン酸
ソー ダ,サ ル チ ル酸 ソ ー ダ,酷 酸 ソー ダは,い ず れ も ア
ル ギ ン酸,カ
ず
間 筋 注 し,尿 蛋 白,尿 滲
光 顕 的 に も,電 顕 的 に も尿 細 管 上 皮 細 胞 の再 生 像 が か な
に 我 々 は この 点 に 関 心 を もつ て い る が,こ
Tetm-
後 の ウ ィス ター 系 ラ ッ トを 各 群10匹
つ 用 い,下 記 方 法 で連 続21日
井口
(GM),
の 影 響 に つ い て 検 討 を 行 な つ た。
考 え る。 わ れ わ れ が 障 害 腎 作 製 の た
障 害 を 起 して は い るが,全
〔追 加 〕
Cephaloridine
選 択 し,こ れ ら薬 剤 の 併 用 に よ る 腎 へ
め に使 用 した 量 で,100%に
reversibleと
昇
古屋千鶴 子
は 大 き な特 長 を もつ た 変 化 で あ る。
〔質 問 〕
抗 生 剤 の 腎 毒 性 に か ん す る研 究
の 併 用 に よる
腎 障 害 も本 質 的 に は 同 一 の も のか も 知 れ な い が,時
KMア
1970
ナ マ イ シ ソ結 合 を阻 止 す る こ と が わ か つ
で尿 細 管上 皮 の 脱 落,
以 上,各 抗 生 剤 に つ い て単 独 投 与 群 と併 用 群 に つ い て
諸 検 討 を 行 な つ た が,一 般 に併 用 群 に腎 障害 の 程 度 が強
た。 生 体 に 大 量 用 い て も副 作 用 が な い とい う見 地 か ら,
く認 め られ た 。 この 点 か ら病 腎 は もち ろ ん,健 腎 に お い
グル ク ロ ン酸 ソー ダを アル ギ ン酸 ソー ダに10:1の
て も,腎 毒 性 の あ る抗 生 剤 を併 用 す る際 は,充 分 な考 慮
割で
溶 解 させ た もの を用 い た 場 合,九 大 百 瀬 教 授 開 発 の実 験
的 腎 不 全 発 生 実 験 に お い て,腎 不 全 の 発 生 を 認 め なか つ
た。 今 後 の臨 床 問 題 解 決 策 の1つ
る もの と考 え,研 究 を 続 け た い。
と して,研 究 の価 値 あ
を 払 うべ き で あ る。
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
357
ず れ も蛋 白尿,血
G-67) 抗 生 剤 の 腎 毒 性 に関 す る 研 究
尿 が 出 現 し た。BUNの
上 昇,KDM
の 血 中 蓄 積 は単 独 群 で み られ なか つ た が,併 用 群 で著 明
(第4報)
で あ つ た 。 腎 組 織 像:KDM単
独 群 で はKM単
独群 と
ほ ぼ 同 様 の所 見 で あ り,併 用 群 で は各 々の 変 化 が 加 わ つ
木 下 康 民 ・山 作 房 之 輔 ・和 田十 次
た所 見 で あ つ た。
江 部 達 夫 ・薄 田 芳 丸 ・北 原 克 之
武田
以 上 の実 験 成 績 は,臨 床 上KDMやKMをPlasma
元
expanderと
新潟大学第2内 科
私共 はKMま
た はKDMと
ア ル ギ ン酸 ソーダ を 併 用
す る こ とに よ り,腎 傷 害,主
す る こ とを報 告 した が,さ
抗 生 剤 で あ るSMと
びKM,
KDMま
に 近 位 尿 細 管 の 傷害 が 増 強
ら に 同 じAminoglycoside系
ア ル ギ ン酸 ソー ダ と の 併 用,お
た はSMと
併 用 す る場 合,ア ル ギ ン酸 ソー ダ の み で な
く,デ キ ス トラ ン の併 用 に よつ て も腎 毒 性 の 増 強 が 考 え
られ る こ と,い つ ぼ う,同 じAminoglycoside系
剤 で もSMで
抗生
は ほ とん ど増 強 さ れ な い で あ ろ う こ とを
示 唆 す る もの と考 え る。
よ
低 分 子 デ キ ス トラ ン との併
〔討 論 〕
大 越 正 秋(慶 大 泌 尿)
KMとKDMの
毒 性 を 比 較 す る さ い常 用 使 用 量 に比
用 に よる腎 傷 害 に つ い て,家 兎 を 用 い て実 験 を 行 な い,
例 した 量 で 実 験 して頂 け る と臨 床 上 有 益 で あ る と 考 え
比 較 検 討 した 。1)0.4%ア
る。
問 静 注 群,10%低
ル ギ ン酸 ソー ダ50ml
分 子 デ キ ス トラ ン50 ml
群:両 群 と も に蛋 白尿,白
10属
10日 間 静 注
尿 は ほ とん ど出現 せ ず,BUN
〔
答〕
KDM
武 田
100 mg/kg筋
元(新
大2内)
注 群 とKM300mg/kg筋
注群 と
の 上 昇 は 全 く認 め な か つ た。 腎組 織 像:ア ル ギ ン酸 ソ ー
比 較 して も腎 傷 害 は ほ ぼ 同 様 の所 見 を 呈 す る の で,抗 菌
ダ 単 独 群 で は 主 に 近 位 尿 細 管 の上 皮 が 変 性3崩 壊 して,
力 よ りXDMの
頴 粒状 な い し硝 子 様 物 質 の充 満 した 個所 が 見 られ た 。 こ
は,そ
の 物質 はPAS染
色強 陽 性 で,一 部 ヘ マ トキ シ リ ンに淡
染 す る もの もあ つ た 。 低 分 子 デ キ ス トラ ン単 独 群 で は局
在 性 に著 明 鶴
い わ ゆ るOsmotiC nephrosisの
像 を呈
投 与 量 が 少 な くて も,や
う と う毒 性 が 強 い と考 え られ る。
〔討 論 〕
1)
は りKDMで
加 藤 繁 次(東
京歯 大 外 科)
一 昨 年 東 国本 化 学 療 法 学 会総 会 に 於 い て,カ ナ マ
イ シ ン,テ
トラサ イ ク リソ,ア
ミノ酸加 ア ル ギ ン酸 ソー
した が,尿 細 管 に 穎 粒 状 な い し硝 子 様 物 質 は 認 め られ な
ダの 併 用 で術 後 急 性 腎 不 全 が6例
か つ た 。2)SM
ル
死 亡 した の で こ の併 用 の 危 険 であ る こ とを 本 学 会 に始 め
分 子 デ キ ス トラ ン
て 述 べ 問 題 を 呈 出 した が,昨 年 これ の動 物 実 験 を 行 な
500 mg/kg 10日
ギ ン酸 ソー ダ10日
間 筋 注群,sM,ア
間 併 用 群,SM低
10日 間 併 用 群:こ
れ らの3群 で は 尿 所 見 に ほ と ん ど異
常 を 認 め ず,8UNの
上 昇 も認 め られ なか つ た 。SMの
血 中 蓄 積 は 軽 度 で あ つ た。 腎 組 織 像:SM単
位 尿 細 管 の 上 皮 は 空 胞 形 成,稀
独 群では近
に 穎 粒 状 壊 死 に 陥 り,尿
細 管 腔 内 に 尿 円 柱 を 容 れ た と ころ が あ つ た が,そ
はKDM,KMに
くらべ て 極 く軽 度 で あ つ た 。 併 用 群 で
は 各 々 の変 化 が 加 わ つ た 所 見 で あ つ た。3)KM
.kg10日
の傷害
問 筋 注 群,KM,ア
用 群,KM,低
150mg/
ル ギ ン酸 ソ ー ダ10日
分 子 デ キ ス トラ ン10日
間併
間 併 用 群:KM
い,KMと
に 発 生 し,う ち2例 が
他 の代 用 血 漿 剤 との 併 規 も危 険 で あ る こ とを
発 表 した 。 そ の さ い,KMと
ア ミ ノ酸 加 デ キ ス トラ ンが
腎 不 全 の 発 生 の危 険 が 多 い こ とを 述 べ た が,そ の 実 験 は
や つ て お られ るか 。
2)
私 もア ミノ酸 加 デ キ ス トラ ンが,KMと
の併用に
よ り,先 生 と同 じ ぐ ら い の率 で,急 性 腎 不 全 が 発 生 す る
結 果 を 得 て お る。
〔追 加 〕
上 田 豊 史(九
大 泌 尿)
ア ミノ酸 加 デ キ ス トラ ン とKMの
併用 時におけ る 腎
単 独 群 で は尿 所 見 に ほ とん ど異 常 を 認 め ず,併 用 群 では
不 全 発 生 頻 度 につ き家 兎 に つ い て の動 物 実 験 の 結 果 を追
蛋 白尿,血
加 した 。
尿 が 出現 した 。BUNの
上 昇,KMの
血 中蓄
積 は 単 独 群 で認 め られ なか つ た が,併 用 群 で著 明 で あ つ
た 。 腎 組 織 縁:KM単
独 群 で は 近 位 尿 細 管 の上 皮 は 空 胞
G-68) 腎 障 害 の3例
形 成 に 陥 り,一部 硝 子 滴 変 性,穎 粒 状 壊 死 な どが認 め られ
た。尿細管腔には硝子様乃至穎 粒状の尿円柱を 容れた と
井上
ころ が あ つ た が,ヘ マ トキ シ リンに 淡 染 す る も の は な か
150 mg/kg
7日 間 筋 注群,KDM
アル ギ ソ酸 ソ ーダ7日 間 併 用 群,KDM
分 子 デ キ ス トラ ン10日
間 併 用 群:こ
100 mg/kg,
100 mg/kg,低
れ らの3群
ではい
博 ・沢 江 義 郎 ・白 石 元 治
九州大学 第一内科
つ た。 併 用 群 で は 各 々の 変 化 が 加 わ つ た 所 見 で あ つ た ◎
4) KDM
カ ナ マ イ シ ソに よ る と思 わ れ る
近 年,Kanamycin(KM)の
告 が な され て い る が,わ
KMに
腎 毒 性 に つ い て多 くの 報
れ わ れ も この2年 間 に3例 の
よ る と思 わ れ る腎 障 害 例 を 経 験 し た の で 報 告 す
CHEMOTHERAPY
358
る。
以 上,3例
第1例T.
F.77才,男
付 き,約1年
。 約20年
前 か ら不 整 脈 に 気
半 前 か ら 心 不 全 症 状 を 呈 し た が,入
加 療 に よ り消 失 し た 。 し か し,自
状 を き た し た た め,再
入 院 時,浮
mm
JULY
び 入 院 した 。
腫 が 著 明 で,脈
Hg,胸
院安静
宅 療 養 で再 び 心 不 全 症
水 貯 溜,肺
整,血
圧98/56
うつ 血,が
硬 化 性 心 臓 病 に よ る 不 心 全 と 診 断,体
用 し た と こ ろ,KM投
400m1,4日
温38℃
ml/日
で,BuN値
BUN値
目 に は31.5mg/dlに
M.
53才,女
間 筋 注 し た と こ ろ,尿
に浮腫 を き た
り,KMに
1週
し,尿
まで 回 復
間 の経 口
所 見 は 軽 快 し た が,顔
第3例K.
Y.
面
沈 渣 に は穎 粒 円柱 な どの 所 見 が あ
18才,女
疸 指 数90)と
あ る。 した が つ て 腎毒 性 抗 生 剤 の 使 用 量 は正 常 の2/3∼
減 ら して 用 い るべ き で あ ろ う。
2)
腎 毒 性 抗 生 剤 間 の 併 用 は健 腎 と病 腎 の 場 合 で 違 う
か 。 薬 剤 の 組 合 せ につ い て は充 分 考 慮 す る必 要 が あ る。
え ぱ 慢 性 腎 孟 腎 炎)で は こ
の 併 用 は慎 重 に か つ,使 用 量 をへ ら して 用 い る必 要 が あ
るo
抗生 剤の骨髄毒作用 について
長 谷 州 弥 人
らに
科へ入院
沈 値1時
肝 腫 が あ り,
は ビ リル ビ ソ 尿 で あ る ほ か 著 変 な く,
末 梢 血 は 白 血 球 増 多(24,000)好
間14
mm,
酸 球 増 多(11%)が
CRP強
成 績 で は,Al-P,GPTお
陽 性 で,肝
よ びLDHの
あ
機能検査
上 昇 が み られ た。
慶応 義塾大学医学部 内科
抗 生 物 質 に よ る骨 髄 傷 害 の 臨 床 例 の報 告 は少 な くな い
2.09/日
とAB-PC2.09/日
向 な く,全
般 状 態 改 善 し た が,KM投
尿 量850m1/日,800ml/日
直 ち にKM投
腫 が 出 現
5.3 mg/dlと
し,BUN
上 昇 し,12日
目に は 無 尿 と な
剖 検 で は 腎 近 位 尿 細 管 上 皮 が 腫 大 膨 化 な い し穎 粒 状 変
腔 は 狭 窄,な
家 の 報 告 に あ るKM障
来 使 用 され て い る方 法 と とも に新 た に骨 髄 培 養 に よ る方
法 を 検 討 した の で 報 告 す る。
ウ サ ギ にCPま
血球,白
た はTPを
毎 日500搬9投
与 しそ の
血 球,血 小 板 を 測 定 し,さ ら に血 漿 鉄,
骨 髄 の赤 芽球 の%を
測 定 した が,10日
な い し30日
間
かに硝子 様物質が認 め ら
害 腎 の 所 見 に一 致 し て い
トに は危 険
の 可能 性 が あ る。
次 に ウサ ギ に毎 日30mg/kgのCPま
清
水 腫 を 来 た して死 亡 した 。
性 が 認 め ら れ,管
と と も に,従
期 観 察 とい う欠 点 と,鋭 敏 で な い こ と と,ヒ
与9日
目尿 量70ml/
100mg/dl,血
私 は 共 同研 究 者 安 藤,桜 井,板 津,陳
に 有 意 の 変 動 を み る こ とが 出 来 な か つ た 。 こ の方 法 は長
と減 少 し た の で,
与 を 中 止 し た が,翌11日
日 と著 減 し,浮
creatinine
熱 の傾
身 状 態 悪 化 を 防 止 す る た めDexamethasone
を 使 用 し た と こ ろ,一
目,10日目
と を 併 用 し た が,解
きわ め て まれ で あ る。
間,赤
敗 血 症 に 中 毒 性 肝 炎 を 合 併 し た も の と 考 え て,KM
た。
とえ 腎
障 害 が な い と思 わ れ て も高 年 者 の生 理 的 腎機 能 の 低 下 が
G-69) の 発 熱 を き た し,さ
状 改 善 の 傾 向 な く,内
度 の 黄 疸(黄
検 査 成 績 で は,尿
れ,諸
泰(慈 大 上 田 内科)
が,骨 髄 傷 害 作 用 の 有 無 を 検 す る方 法 を検 討 した もの は
入 院 時,強
り,肺
上 田
中 止 し た と こ ろ,
した 。
り,赤
明できな
高 年 者 に 腎毒 性 抗 生 剤 を 用 い る とき は,た
間 後 に は黄 疸 も出 現 した。 種 々の
治 療 が 行 な わ れ た が,症
博(九 大 一 内)
子高校生。 穿 孔 性 虫垂 炎手
頃 か ら 最 高40℃
麻 疹 様 発 疹 を み,1週
井 上
と くに腎 障 害 の あ る患 者(例
ら に1.0
間 後 に は 浮 腫 な どの 異 常 所 見 が 消 失 した 。
術 の 後20日
〔
答〕
敗 血 症 例 の 起 炎 菌 の検 出 は こ こ ろみ た が,証
1/2に
間,さ
よ る 腎 障 害 と 考 え,KMを
経 験 が あ つ た らお き き した い。
〔
追 加〕
前 後 とな り,
間,0.69,2日
投 与 で 治 癒 し な い た めKM2.09,4日
グ ラ ム陰 性 桿 菌 敗 血 症 の とき第1選 択 はKM十CL
1)
。大 腸菌 に よ る 急性膀胱炎
が あ り,DMC-TC1.29,2日
小 林 章 男(千 大)
血 液 培 養 の 結 果 ど ん な菌 が 分離 され た か。 グ ラ ム
か つ た。
よ る 腎 障 害 と考 え られ た 。
第2例N.
9,8日
ち にKM
目 に は122mng/dlに
量 も1,500m1/日
も 漸 減 し,18日
目に 尿 量
後 数 日 間 は 尿 量600∼1,000
が 上 昇 し,7日
ま で 達 し た 。 そ の 後,尿
し,KMに
量 で
著二
減 した の で,直
投 与 を 中 止 し た 。 し か し,以
1)
2)
で肋 膜 炎
与 開 始 よ り3日
目 に は120m1と
〔質 問 〕
と思 わ れ る が,安 全 な投 与 量 お よび 期 間 につ い て何 か 御
認 め られ,
の 可 能 性 も 考 え ら れ た た め,KMを2.09/日,総
4.09使
よ る と思 わ れ る腎 障 害 症 例 を報 告
した 。
陰 性 桿 菌 は い か が で あ る か。
搏30,不
うつ 血,肝
のKMに
1970
口 また は 筋 注 で投 与 し,1週
失 時 間 を 観 察 した。50%消
た はTPを
後 に59Feの
経
血 漿からの消
失 時 間 を み る と,経
口投 与
群 の一 部 に軽 度 の延 長 を 認 め た 。
こ の ウ サ ギ に 引 き続 きCPま
た はTPの
間 続 行 し,そ の 間 の 赤 血 球 へ の59Feの
た 。 そ の結 果,や
投 与 を2週
摂取率を 観 察 し
は り経 口投 与 群 の0部 に摂 取 率 の やや
低 い もの が み られ た 。 こ の 方法 は や や 鋭 敏 で あ るが,ヒ
VOL,
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
トに とつ て は危 険 を伴 な う可 能 性 が あ る。
患 者 に つ い てCPま
た はTP投
そ こで,タ
与 例 に つ い て網 赤 血
球 の 変 動 を観 察 した 。 投 与 中 にそ の減 少 の傾 向が み られ
るが,中 止 す る と回 復 の傾 向が み ら れ る。 この 方 法 は簡
単 で あ るが,他 の 条 件 に左 右 さ れ る可 能 性 も多 い。
トまた は ウサ ギ を 骨 髄 穿 刺 し,そ
の骨 髄 液 を組 織培 養 し,そ れ に被 検 体 を 加 え24時
に59FeのHemeへ
間後
の 摂 取 率 を比 較 す る方 法 で あ る。
初 め に ヒ トの 骨 髄 を 用 い て検 討 した。 健 康 人 お よ び薬
物 に よ る再 生 不 良 性 貧 血 患 者 の 回復 期 の 骨 髄 を用 い,CP,
TPの
種 々の 濃 度 を 加 えた 。3者 の 間 に 明 か な差 異 を み
とめ る こ とが 出 来 な か つ た 。 か っCPで
上,TPで
は32mcg/ml以
は64mg/ml以
ンデ リー ル 併 用 時 のPC血
討 し,次 の結 果 を 得 た 。
(1)
ウ サ ギ に お け るMCI-PC血
mg/kg
はMCI-PC20
P.o.で
max時
mg/kg
中濃度増加 に 必 要
i.m.の
ときTDL
や や 認 め ら れ50mg/kg
時 約10mcg/ml,併
24
P. o.で
用 時 約20mcg/m1と
単独
な り,約2倍
点 で高 くな る。
(2)
fiDL経
口投 与 後,MCI-PCの
濃 度 変 化 とを 調 べ る とTDL投
投与 時期 と血 中
与 後1∼6hrの
問 にPC
を 投 与 す る と血 中 濃 度 増 加 が認 め られ る(ウ サ ギ)。
(3)
MCI-PCは
る。TDLを
上 で抑 制 作 用 が み と め られ
中 濃 度 増 加 の原
因 に つ き,両 薬 剤 の 血 清 蛋 白結 合 との 関 連 性 を 中心 に 検
なTDL量
そ こで われ わ れ は 骨 髄 培 養 法 を採 用 して 検 討 す る こ と
に した。 す な わ ち,ヒ
359
血 清 と の共 存 に 於 い て 力 価 が 低 下 す
共 存 させ る こ とに よ りこれ を 回復 で き ぬ か
検 討 した 。 ウ サ ギ血 清 を 用 い てTDL共
存下 に お け る
た。 例 数 が少 い の で,薬 物 傷 害 の骨 髄 は と くに これ ら の
MCI-PCの
薬 物 に過 敏 で あ るか 否 か の 結 論 は さ し控 え た い 。
血 清 中 に 於 け る 力価 低 下 の 回復 は 認 め られ なか つ た。
次 に各 種 疾 患 にCPを
投 与 前,投 与 後 の血 清 を こ の方
(4)
力 価 を測 定 した がTDLに
TDL投
よ りMCI-PCの
与 ウ サ ギか ら血 清 を と りMCI-PCを
加
法 で検 討 した。 結 果 は 肝 硬 変 の 症 例 で投 与 後 の 血 清 が 投
え てTDL投
与 前 の血 清 に比 し,抑 制 作 用 を み とめ たが,他
の 回 復 が 生 じるか 検 討 した が 投 与 前 血 清 と同 じ力価 を示
の症例 で
は差 異 が なか つ た。
した 。
最 後 に ウ サ ギ骨 髄 を 用 い,各 種 抗 生 剤 の作 用 を 比 較 し
た 。PC, ABPC,
NAで
与 前 血 清 と比 較 し,力 価 の 血 清 に よ る低 下
CER, SM, KMで
は高 濃 度 で の み,CL,
は 影 響 な く,CP, EM, TC,
Amphotericin
Bで
は 比較
(5)
が,い
蛋 白結 合 の 異 な る各 種PCに
つ い て検 討 した
ず れ も血 中 濃 度 の増 加 が 同 程 度 に 認 め られ た 。
(6)
尿 中 排 泄,胆
汁 中 排 泄 が抑 制 され て 血 中 濃 度 が
的 低 濃 度 で も抑 制作 用 が み とめ られ た 。 しか し,さ らに
増 加 した の か を 明確 に す るた め,こ
多 くの段 階 の濃 度 を 用 い て 比 較 す る必 要 が あ ろ う。 要 す
た が 単 独 と併 用 時 に 於 い て 有 意 差 は 認 め られ なか つ た。
る に,こ の方 法 は抗 生 剤 の 体 内 分 布 や 代 謝 に 関 係 な く,
(7)ブ
れ ら排 泄 量 を し らべ
タ ゾ リジ ン も血 中 濃 度 の 増 加 が 認 め られ た。
直 接 に骨髄 に影 響 を 及 ぼ す か 否 か の検 査 が 可 能 で あ る
しか し同 一 方 法 で ベ ン ジダ ミ ンは変 化 は 認 め られ なか つ
し,ま た ヒ トの骨 髄 に 対 す る影 響 を 危 険 な しに 行 な え る
た。
利 点 が あ る。 しか し個 体 差,種
属差や実験条件 その他を
さ らに 検 討 す べ き点 が あ る の で,さ
らに 研 究 を続 行 した
い。
以 上,TDL併
用 時 の血 中濃 度 増 加 は 蛋 白 と の 結 合 性
に 関連 は 認 め られ ず,ま
た 尿 中,胆
汁 排 潅 の抑 倒 に よ る
結 果 で もな か つ た 。 こ の 原 因 は 組 織 へ の吸 収,排
G-70∼79併
G-70) Tanderil併
用,そ の 他
PCの
用 時 のPenicillin
組 織 へ の 移 行 速 度 を 少 しお さ え る結 果 生 じ る の で
は な いか と推 定 して い る。
類 の 生 体 内 濃 度 変 化 に つ い て
西 田
G-71)非
実 ・河 島 新 一 郎 ・村 川 武 雄
響(第2報)
血清蛋 白 へ の 結
合 性 につ い て検 討 を 行 な い,そ の 結 合 は 可逆 的 で あ つ
て,血 清 蛋 白 との結 合 の 高 い 他 の 薬 剤 が共 存 す る こ と に
よ り,PCの
え られ る。
同 ・三 木 文 雄 ・東
朋嗣
岩崎
蜷 ・尾 崎 達 郎 ・杉 山 浩 士
大 阪市大第一 内科
も し,こ の よ うな現 象 が 生 体 内 に お い て も生 じ るな ら
ば,血 清 蛋 白 との結 合 性 の 高 い タ ンデ リー ル をPCと
羽田
塩 田憲 三
結 合 が 低 下 す る こ とを す で に 報 告 した。
用 した 場 合,PCの
ス テ ロイ ド性 抗 炎 症 剤 の 急 性
感 染症 及 び 抗 生 剤 療 法 に 及 ぼ す 影
藤沢薬品中央研究所
私 達 は,各 種Peniciiiin類(PC)の
泄,移
行 を 動 力学 的 に 扱 か う必 要 が あ る。 現 時 点 で はTDLが
併
血 中 濃 度 が 高 ま る の で は な い か と考
昨 年 の 本 総 会 に お い て,Oxyphenbutazone及
colome投
濃 度 を,抗
与 時 のPC-G及
びTCの
びBu-
吸 収,排 泄,臓 器 内
炎症 剤 非 投 与 対 照 と比 較 した 結 果,PC-Gの
CHEMOTHERAPY
360
血 清 中 及 び組 織 内 濃 度 が,抗
炎 症 剤 投 与 に よ り上 昇 す る
JULY
1970
以 上 の 成 績 は,細 胞 壁 作 用 物 質 で あ るPC系,Cephalos-
こ とを認 め,ま た 抗 炎 症 剤 投与 に よつ て家 兎 網 内 系 機 能
porinC系
は 特 に 変化 せ ず,い つ ぼ う,マ ウ ス実 験 的 敗 血 症 に 対 す
る従 来 のinvitro成
凝PC-Gの
の報 告 並 び に 中沢 らの成 績 と本 質 的 に異 な る もの で は な
延 命 効 果 は 抗 炎 症 剤 に よ り,か え つ て 低 下 す
抗 生 剤 と リゾチ ー ム との 併 用 効 果 が あ る とす
績 と一 致 す る も の で あ り,諸 外 国
い。 向 後 臨 床 の場 で の この 事 実 を 解 明 した い と考 え て い
る成 績 を報 告 した 。
今 回 は,非 ス テ ロ イ ド性 抗 炎 症 剤 投 与,グ
ロ コ コル チ
る。
コ イ ド投 与 及 び そ れ ら の抗 炎症 剤 非 投 与 対 照 動 物 に お い
〔質 問 〕
て
1.
樋 口 正 士(久 大 泌)
細 菌 細 胞 壁 合 成 阻 害 剤 の抗 生 剤 とLysozymeの
抗体産 生能
2)
血 清 蛋 白 の 諸 種 抗 生 剤 に 対 す る結 合 能
2.
ブ菌 性 皮 下 感 染 症 に対 す る抗 生 剤 の効 果
〔答 〕
染 症 治 療 に か ん す る諸 因子 を 比 較 し,抗 炎症 剤 投
治 療 終 了 後 長 期 の 観 察 は 本 実 験 で は行 な つ て い な い。
3)
等,感
用 療 法 時 のBactemial
L-formの
併
1)
出現 具 合 は。
投与中止 後の再検は。
横 山 紘 一(東 北 大 中村 内科)
与 の感 染 症 に対 す る影 響 を さ ら に 検 討 した 成 績 を報 告 す
L型 菌 に 対 して は,今 回 の 動 物 実 験 で は実 験 し て い な
る。
い。
G-72) 〔答 〕
抗 生 剤 と リ ゾ チ ー ム の 併 用 効 果,
動物実験 を中心に
中 村
松 本 慶 蔵(東
L-formに
北 大 中 村 内科)
つ い て は 実 際 上 なか な か分 離 が 困難 で あ る
が,human
levelの ほ うが む しろ面 白 い の で そ の 点 解
明 した い と考 え て い る。 この 実 験 は10日
隆 ・松 本 慶 蔵
る。5日
間追 跡 して あ
間治 療 で あ る。
横 山 紘 一 ・西 岡 き よ
東北大学 中村内科
G-73) 細 菌 溶 解 酵 素 で あ る リ ゾチ ー ムは,in
viuoに
抗 生 剤 と酵 素 剤 との 併 用 に 関 す
る 検 討,特
お いて
も種 々 な効 果 が 挙 げ られ て い る。
にProctaseと
の併用
につい て
私 共 は最 近 開 発 さ れ た 抗 生 物 質4剤(Cephalexin,
MFI-PC,
Clinimycin,
Doxycycline)と
の併 用 効 果 に 関 し,Mouseブ
勿vivo治
リゾチ ー ム と
療 実 験 を 行 な つ た。
実 験 方法:平
均 体 重10
mg/mlの
治 ・深 谷 一 太 ・友 利 玄 一
東大医科研 内科
蛋 白 分 解 酵 素 は抗 生 剤 と併 用 して そ の 病 巣 内 滲 透 性 を
g,dd系
用 した 。 黄 色 ブ 菌Smith株
ヨ ンに て0.2
北本
ドウ 球 菌 感 染 系 を 用 い た
マ ウ スを1群6匹
を 用 い て2%ム
使
チ ン加 ブ イ
菌 液 を 作 製 し,そ の0.5
mlを
充 進 せ しめ,治 療 上 有 利 に 働 く こ とが実 験 的 に み とめ ら
れ て い る。 酵 素 と し て は 従 来Trypsin,
Streptokinaseな
マ ウ ス 腹腔 内 に 接 種 した 。抗 生 剤 及 び リ ゾチ ー ムの 投 与
Aspergillus
は,初
ctaseに つ い て,2,3の
日は ブ 菌 接 種 直 後,2日
目 よ り1日1回
日間 行 な つ た 。抗 生 剤 は全 て経 口投 与 で,リ
腹 腔 内 或 い は 筋 注 投 与 を 行 な い,リ
500mg/kgと
投与 を 計5
ゾチ ー ムは
ゾチ ーム 投与 量 は
した 。 治 療 効 果 の判 定 は マ ウ ス の 生 存 日
数 で行 な つ た 。
結 論:マ
Bromelain,
どが と り あ げ ら れ て い る が,今 度
nigerの
生 産 す る蛋 白分 解 酵 素 で あ るPro抗 生 剤 との 併 用 を 実 験 的 に 試 み
た の でそ の成 績 を 述 べ る。
ブ イ ヨ ン中 にPmoctaseを
入 れ,経 過 を 追 つ て 吸 光 度
を 測 定 しブ ドウ球 菌 の 発 育 を観 察 す る と,Proctase添
加 群 で は初 期 の 発 育 が か な り抑 制 され た が,後 に 到 つ て
ウス ー ブ菌 系 感 染 の 場 で は,
差 は み とめ ら れ な くな つ た 。MCI-PC
0.4mcg/ml含
有
(1)
リゾチ ー ム単 独 で の 治 療 効 果 は な い 。
培 地 で 比 較 す る と,後 期 に 到 つ て の菌 の 発 育 がPmoctase
(2)
リゾチ ー ム と の併 用 効 果 は 抗 生 剤 に よ り差 が あ
添 加 群 の ほ うで か な り著 しか つ た。
り,最 も明 瞭 な の はCephalexinで,軽
果 の推 定 され る も の はMFI-PCで
Doxycyclineに
(3)
度 な が ら併 用 効
あ り,Clinimycin,
お い て は 併 用 効 果 は 認 め られ な か つ た 。
併 用 効 果 が 明 らか なCephalexinに
お い て は,
黄 色 ブ ドウ球 菌 のMCI-FCに
対 す る感 受 性 に お よ ぼ
す 酵 素 剤 添 加 の影 響 を み る と,Trypsin添
tase添 加 で平 板2∼3枚
み とめ ら れ た 。 同 様 のMIC値
部 位 と リゾチ ー ム接 種 部 位 が 同 一 の場 で,こ
行 なつ た もの で は,TrypsinでMIC値
果 は 著 明 で あ る。
ら にPmoc-
の 差 を 示 した もの が 僅 か なが ら
リ ゾチ ー ム接 種 部 位 に よ り併 用 効 果 は 異 な るが,菌 接 種
とに 併 用 効
加 でMIC値
は 平 板1枚 小 とな つ た も の が 多 くみ られ,さ
のが み とめ られ た が,Proctase添
測 定 をAB-PCに
つ いて
の小 となつ た も
加 で は あ ま り変 動 を
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
示 さなか つ た。CPに
つ い て 行 なつ た成 績 で は,Proctase
添 加 に よ り明 瞭 な 相 違 を み とめ る に は到 ら な か つ た 。
SPMに
つ い て行 な つ た 成 績 で は,6株
MIC値
が 対 照 に 比 して は るか に小 さ く,平 板 で3∼4枚
に お い て そ の
中 に あ る こ とを 追 加 す る。 脳,脊
〔
追 加〕
徳 田 安 章(信
変 動 を み て い るが,こ
マ ウス の黄 色 ブ ドウ球 菌 皮 下 感 染 に お け る酵 素 剤 の 影
る とMICに
Methodで
響 を み る た め,前 処 置 と してProctase,Proctaseと
大 皮)
種 酵 素 剤 併 用 に お け るMICの
の 場 合 にLysozymeを
併 用 させ
お い て の 感 性 度 の増 強 が著 しい。 先 生 の
御 追 試 を願 い た い 。
比 に含 有 す る も の,Bromelain
G-74) の3者 の 同量 を4日 間経 口投 与 して か ら菌 を 接 種 し,直
後 にMCI-PC10
mg/kgを1回
経 口投 与 し て,そ
(実験的骨髄 炎におけ る骨 内菌数パ ターン よ りの
処 置 群 に比 して膿 瘍 が い くぶ ん 小 で あ つ た。 各 酵 素 に よ
る差 は み られ な か つ た。 同 様 な 実 験 をCPを
用いて行 な
つ た と こ ろ,同 様 に酵 素 剤前 処 置 群 では,同
等の膿瘍阻
感 染 成 立 に お よぼ す ス テ ロイ ド
の影響
の膿
瘍 形 成 阻 止 効 果 を み る と,酵 素 剤 前 処 置 群 で は す べ て 無
考察)
林
一
郎
都立広尾病院整 形外科
止 効 果 の 増 強 をみ とめ た。
Proctase投
髄,関 門 の 抗 生 物 質 透
過 性 は 抗 生 物 質 の種 類 に よ つ て 相 異 す る。
我 々 も演 者 と同 様,各
の差 を 示 した こ とが 注 目 され た 。
Pancreatinを1:5の
361
田
与 に よる マ ウス 臓 器 内 濃 度 の消 長 へ の 影
所
一
郎
横浜市大細 菌
響 をMCI-PCに
つ い て み る と,臓 器 に よ りや や 差 を み
とめ るが,と
く に対 照 との 間 に著 しい 差 は な い よ うで あ
黄 色 ブ 菌 を マ ウス に 静 注 し,血 行 性 に 骨 髄 炎 を つ く る
つ い て 同 様 の比 較 を 行 な つ た と こ ろ で
と き,感 染 の成 立 の 可否 が 骨 内 の菌 数 の パ タ ー ンか ら説
つ た 。AB-PCに
は,全 体 的 にProctase前
処 置 群 で濃 度 は 低 値 を 示 し
た。
明 可 能 で あ り,感 染 成 立 は 菌 侵 入 後36時
間 ま で に決 定
され る こ とは さ き に報 告 した 。 ス テ 官イ ド投 与 に よ り感
抗 生 剤 との併 用 効 果 を 数
染 成 立 が どの よ うに影 響 を うけ るか を 知 るた め に,実 験
種 の 実 験 に お い て 検 討 し,一 般 的 に そ の併 用 は好 ま しい
以 上,Proctaseと2,3の
的 骨 髄 炎 で ス テ ロ イ ドを投 与 して 骨 内 の菌 数 増 殖 の パ タ
ー ンを 追 跡 した 。
成 績 を うる こ とを み とめ た 。
〔質 問 〕
星 野 保 夫(東
マ ウ スにEQP-3株
洋 醸 造)
私 達 の実 験 的 経 験 か ら,キ モ ト リプ シ ン他Protease
下 で は 大 腿 骨 に感 染 が 生 じな いが,106以
と共 に 抗 生 物 質 で治 療 を行 な う場 合
1)
菌 のみ 全 身 感 染(Staphylo.お
2)
〃+protease
3)
〃+protease+抗
上 記3群 で,2)に
の黄 色 ブ 菌 を 静 注 す る と,105以
上では 感染 が
成 立 す る。 こ の関 係 は ス テ ロ イ ド投 与 で も変 ら な か つ
よびDiplo.)
た 。 感 染 成 立 に は 短 期 間 の ス テ ロ イ ド投 与 は 決 定 的 な影
響 を与 え な い と云 え る。 しか し菌 数 増 殖 の パ タ ー ンに は
生物質
お い て感 染 が 早 く,1)に
著 明 な 変 化 が み られ た 。 無 処 置 の マ ウ スにEQP-3株
して2)の
の
黄 色 ブ 菌 を 静 注 す る と12時
間 ま で菌 数 は 増 加 す る が,
死 亡 に 至 る 日数 が 早 い 現 象 を認 め て い る。 ど の よ うに 考
生 体 の抵 抗 に 遭 偶 して12時
間 以 後 は減 少 を は じめ る。
え た ら良 う しい か 。 な おin
vivoに つ い て は1966年
の
36時
J. A.に 報 告 して あ る。 田 所 先 生 の方 法 のStaphylo.局
所
ロ イ ドを投 与 し た 群 で は,菌 数 が 最 初 に な る時 期 が 約
感 染 で は 感 染 が 早 や ま る よ うな こ とは な い か 。
〔答〕
北 本
治(東
20時
大 医 科 研)
間 で 最 低 に 達 し,こ れ 以 後 は再 び 増 加 す る。 ス テ
間 お くれ る。 い わ ば 菌 の 増 殖 が ゆ る や か で あ る。
菌 数 が最 小 に な つ て,ふ た た び 増 加 に転 じ る時 期 を もつ
酵 素 剤 併 用 で は 諸 種 の反 応 が あ り,プ ラ ス とマ イ ナ ス
て,感
染 の 成 立 が 確 定 した 時 期 と考 え ら れ る。 この 時 期
の 両 面 が あ る。 共 同 研 究 者 の深 谷 の 示 した のは ブ菌 に よ
は ス テ ロイ ド投 与 群 で は ほ ぼ50時
る膿 瘍 形 成 の抑 制 に お け る酵 素 剤 併 用 の プ ラ ス の一 面 で
時 間 お くれ て い る。 感 染 の成 立 の 確 定 が お くれ て い る と
間 後 で あ つ て,約15
あ る。 田 所 法 に よ り,膿 瘍 形 成 の程 度 を 評 価 す る とき 動
考 え ら れ る。
物 を 殺 して し ま い,死 亡 率 は 別 途 に み る外 な か つ た。 死
ス テ ロイ ドが 感 染 の炎 症 反 応 を 非 特 異 的 に お さえ るた
亡 率 で は マ イ ナ スに な る とい う こ と も あ り う る と 思 う
め に,感 染 発 生 の発 見 が お くれ て,治 療 を お く らす 点 が
が,今 後 さ らに 追 究 した い。
従 来 よ り指 摘 され て き た。 こ の ほ か に も,ス テ ロ イ ド
〔追 加 〕
柴 田 清 人(名
が 感 染 の成 立 自体 を お く らせ て い る面 も考 え な くて は な
市 大1外)
抗 生 物 質 と蛋 白分 解 酵 素 の 併 用 に よ り抗 生 物 質 濃 度 の
増 強 す るの は 炎 症 の あ る組 織,ま
た は そ の浸 出液,体
液
ら な い。
パ タ ー ンの 形 か らみ て,ス
テ ロ イ ドは生 体 の 防 禦 反 応
CHEMOTHERAPY
362
JULY
1970
の 出現 を お くらせ る と と もに,そ れ を や や 弱 い も の に し
法 を考 案 した 。TLC法
て い る。 しか し この 点 は 感 染 の成 立 を 左 右 す るほ どの も
で0.2m1で
の で は な い 。 ス テ ロイ ドが 感 染 に さ い し,生 体 に不 利 に
PC 0.04 mcg/ml,MPI-PC
働 くの は,む
法 は従 来 慣 用 され て い る感 受 性 の 異 な る2種 の菌 を 用 い
しろ ひ とた び 成 立 した 感 染 症 の 場 合 で あ
る。
に よ る測 定 に は 試 料 血 液 は 全 血
出来 る。 ま た 測 定 可 能 な最 低 濃 度 はAB0.1 mcg/mlで
あ つ た 。TLC
る方 法 よ り簡 便 で あ る。
〔
質問〕
三 木 文 雄(大
Acetateの
4)
阪 市 大1内)
形 で 投 与 さ れ た ス テ ロイ ドは 吸 収 が か な り
TLC分
い たDisc法
離 測 定 法 と感 受 性 の 異 な る2種
に よる 分離 測 定 法 に よつ て得 た 測 定 値 を 血
遅 延 す るの で は な い か と考 え られ る が,感 染 実 験 施 行 時
液 お よび 尿 につ い て 比 較 した 。 そ の結 果,両
骨 中 の ス テ ロ イ ド濃 度 は どの 程 度 に 達 して い る の か 。
る値 に 大 き な差 は な か つ た 。
Freealcoho1の
ス テ ロイ ドを 実 験 に使 用 す るほ うが適 当
で は な い か と思 う。
〔
答〕
5)
成 人6例,乳
B-121を
林
一 郎(広 尾 病 院 整 形 外 科)
児2例,幼
測定法に よ
児2例,計10例
筋 注 投 与 した 後,両PCの
に つ き,
血 液 あ るい は 尿 中 濃
度 を 測 定 した 。 そ の 結 果,AB-PCま
ス テ ロ イ ドの骨 中濃 度 は 測 定 し て い な い。 プ レ ドニ ソ
の菌 を用
た はMPI-PCを
単
独 で投 与 した 時 の 値 とほ とん ど差 は な か つ た 。
ロ ンア セ テ ー トは 吸 収 が お くれ る点 は ご指 摘 の と お り
で,そ の た め に 後 半 の 実 験 は デ キ サ メ サ ゾ ン に 変 更 し
G-76) AB-PCとMCI-PCのThin
layer
た。
chromatography-Bioauto-
graphy系
G-75) Aminobenzyl-Penicillin,
村 川 武 雄 ・西 田
thylphenylisoxazolyl-Penicillin合
に よ る分 離 定 量
Me-
実
藤沢 薬品中央研究所
剤 に 関 す る 研 究
五 島 瑳 智 子
藤 井 良 知 ・紺 野 昌 俊
東大分院 小児科
東邦大微生物
藤 井 良 知 ・紺 野 昌 俊
熊 谷 道 彦 ・中 村 浩 一・
東京大分院小児科
浅 野 昌 子 ・松 崎 明 紀
私 達 は,昨 年 の 化学 療 法 学 会,細 菌 学 会 に 於 い て,
万有製薬 目黒第3研 究課
広 域 ペ ニ シ リ ンAminobenzyl-Penicillin
AB-PC,MCI-PC併
(AB-PC)
と
い,次
合 剤 に 関 す る基 礎 的 検 討 を 行 な
の よ うな 結 果 を 得 る こ と が 出 来 た 。
1)
In
Staph,
vitroに
aureus
お い て,新
50株
た に患 者
AB-PC
: MPI-PC
せ は32株
2:1,
した
AB-PC
1:1
: MPI-PC
の
(B-121),
1:2の
Shigella,
aureus
flexneri等
Smith,
組合
E.
に 対 して も両 者 の 相 乗 作 用 が
Smith,
moniae等
3)
る の で,両PCを
Kleb. pneumoniae,
E. coli,
つ た 。 水 飽 和-n-ブ
Dipl. pneu-
Bioassayす
TLC→SPot部
る 方 法,イ
てTLC→Bioauto等
タ ノ ー ル を展 開 溶 媒 と した シ リカ ゲ
リカ ゲ ルTLC)で
両
者 を 分 離 し,さ
ら にBioautography(Sarcina
1001
行 な う こ と に よ り両 者 を 分 離 定 量 す る 方
S-508)を
lutea
をか き とり
ー ス トマ ン ク ロマ グ ラム を用 い
に つ い て 検 討 し,イ ー ス トマ ン ク
る 方 法 が,尿 中
(方 法)
(イ)
分離定量 について検討 を 行 な
ル に よ る 薄 層 ク ロ マ トグ ラ フ ィ ー(シ
存
血 中濃度の測定 に良い結果を得た。
に相乗作用がみ られた。
AB-PC,MPI-PCの
対 し感 受
分 離 定 量 す る方 法 に つ い て寒 天 電 気 泳
ロマ グ ラ ムを 用 い てTLC→Bioautoす
マ ウ ス に お け る 感 染 防 禦 実 験 に お い て も,Staph.
aureus
定 量 法 は,そ れ ぞ れ のPCに
動,PPC→BioautograPhy,
Kleb. pneumoniae,
み られ た 。
2)
今 ま で 両PCの
性 の異 な る試 験 菌 を用 い て 行 な つ てい た が,両PC共
下 で は,試 験 菌 の 感 受 性 に影 響 を与 え る こ と も考 え られ
に対 して 両 者 の 相 乗 作 用 が み られ た 。
そ の 他Staph.
coli,
: MPI-PC
中 に お け る両 ペ ニ シ リン の分 離
定 量 法 に つ い て 検 討 を 加 え,満 足 す べ き結 果 が 得 られ た
の で報 告 す る。
よ り 分 離
に 対 す るAB-PCとMPI-PCと
抗 菌 性 試 験 の 結 果,AB-PC
報 告 した 。
ひ きつ づ ぎ,尿 中,血
耐 ブ 菌 に も有 効 な ペ ニ シ リ ン,MethylphenylisoxazolylPenicillin(MPI-PC)の
用 に お け る相 剰 効 果 に つ い て す で に
PCI
前処理
血 清 試 料,血 清 稀 釈 標 準 液 は2倍 量 の エ タ ノ ール を 加
え,そ
の上 液 を 用 い る。
尿 は 推 定 力価10
で 稀 釈 す る。
(ロ)
標 準液
mcg/mlに
な る よ うbuffer(pH7)
VOL.
18
No.
CHEMOTHERAPY
4
血 清 試 料 用 は 血 清 稀 釈 で,尿 中試 料 はbuffer稀
標準 液 を 作 成 す る(濃 度25,
(ハ)
12.5,
釈 で
6.25, 3.1 mcg/ml)。
イ ー ス トマ ン ク ロ マ グ ラムNo.6061を
従 がつ て,展 開 剤,ブ
用 い,常
法に
タ ノー ル:酢 酸:水(5:1:4)を
用 い上 昇 法 で 展 開 す る。Spotは
正 確 に 一 定 量(5∼15μ1
こへB.
subtilis ATcc
104∼105個/m1に
な る よ う接 種 した 寒 天 培 地(ク
1%,寒
エ キ ス0.3%,ポ
天1%,肉
さ2∼3mmの
作
(ホ)
PC-GとTanderilの
実 験 を 前 に や つ た が,併 用
く下 る傾 向 が あ る点 は 如 何 。
の寒 天 平 板 に密 着
で1夜 培 養 す る。
力価 算 出
Bioautogramの
1)
エ ン酸
寒 天 平 板 を作 る(泡 を 防 ぐた
間 後,は が して,37℃
じよ
真 下 啓 明(北 大2内)
時PC-Gの
リペ プ トン0.5%)を
トグ ラ ムを 乾 燥 させ た 後,こ
同 様 の 性 状 を も つ もの は,同
6633を
め,あ らか じめ消 泡 剤 アデ カ ノ ール を1滴 加 え て お く)。
させ1∼2時
他 の 薬 剤 も,PCと
〔質 問 〕
板 ガ ラス に ホ ウの 木(1.5cm角)で
成 した 木 枠 を のせ て,そ
血 管 透 過 性 の差 異 に つ い て ど の よ
うな 挙 動 を示 す と思 わ れ る。
Bioautography
厚 さ3mmの
低 下 とPenicillinの
与時 の諸物質の血管 透 過 性 の
〔
答〕
れ てい るの で,そ の3倍 量 用 い る)ず つ つ け る。
ク#マ
移 行 の抑 制 が 高 い 血 中濃 度 を 示 す 原 因 で あ る とは 考 え難
うに 考 え てお られ る か。
の範 囲 が 適 当 。 た だ し,血 清 試料 は エ タ ノ ー ル で稀 釈 さ
流 しこみ,厚
示 す こ とを 認 め た。 血 中 か ら 組 織 内 へ のPenicillinの
い 点 もあ る。Tanderil投
TLC
(ニ)
363
濃 度 は 上 昇 が 早 く高 くな る点 は 同 じ だ が 早
2)
筋 注 部 位 か らのPC-Gの
3)
TDLとPC投
吸収 に 影 響 は な い か。
与 時期 との 関 係 は ど うか。
〔
答〕
TDLとPCの
投 与 時 期 に よ り,高 まつ た もの が 早 く
減 少 す る傾 向 は 認 め られ る。 そ れ はTDL投
与 後PC投
与 が お そ い とそ の傾 向 が あ る。
阻 止 径 を 測 定 し,他 のBioassay同
〔追 加 〕
様 に 力 価 を 算 出 す る。
藤 井 良 知(東 大 分 院)
最 近 抗 生 物 質 合 剤 の 再 検 討 が 問 題 とな つ て い るが,こ
以 上 の 方 法 で得 られ た値 はPC総
量 で あ る。Free量
れ らTLS分
離 定 量 法 の 実 用 化 に よつ て 合 剤 の有 意 性 の
は 血 清 試 料 を 限 外 炉 過 し,そ の 炉 液 に つ い てbuffer稀
有 無 の 検 討 が進 む と考 え られ,同
時 に 抗 生 物 質 併 用 の意
釈 標 準 液 の 検 量 線 で算 出す る。
義 の 検 討 に も応 用 さ れ,invitroで
知 られ た 相 乗 作 用 を
ウサ ギ を用 い,両PCの
濃 度 を 測 定 した 。Spot量
0.5 mcg/mlで
尿 中,血 中 濃 度,ヒ
トの 血 中
を 適 当 に す る こ と に よ り,
も充 分 に 測 定 で き る。 また,ク
生 体 内 で 考 え る こ と も可 能 とな る と考 え られ る の で,本
法 の 追 試 と普 及 を望 み た い 。
ロマ グ ラ
ム シ ー トの種 類,展 開 剤 を適 当 に 選 ぶ こ とに よ り,他 の
G-77)
Methylchlorophenyl-isoxazolylPenicillin
抗 生 物 質 の混 合 物 の分 離 定 量 も可 能 で あ る。
〔
質問〕
Tanderil併
笹 原 邦 宏(三 共)
cillin併
用 時 の 血 中 濃 度 の増 加,持
続 化 傾 向 の原
L Aminobenzyl-Peni用 療法に関す る研究
(そ の3)
因 は,吸 収 後 の 組 織 移 行 の 抑 制 に よ る の で は な い か との
推 論 で あ る が 併 用 時 の 体 内 利 用 率 の増 加 は な い か,ま
は,と
青 河 寛 次
神戸 中央 病院産婦入科
た
くに 高 い 貯 蔵 臓 器 組 織 を既 に 実 験 証 明 され て い た
山
らお 教 え ね が い た い。
〔
答〕
今 回 はPCの
蛋 白結 合性 との 関 連 を し らべ た も の で あ
MCI-PCとAB-PC併
ち,今
び,尿 中 排 泄,胆 汁 排 泄 へ の影 響 も な く,そ の原 因 は 現
studyを
在 検 討 中 で あ るが,組 織 へ の 移 行 速 度 が,や や お さえ ら
て 法 に よ り,尿
れ る のみ で,効 果 が で る とい うこ とで,こ
た はAB-PCを1日2.09ず
の程 度 の 増 加
が予 想 され る。 ご指 摘 の 点 は 差 は 尿 中 排 泄 総 量 等 か ら認
め られ ぬ と思 わ れ る。
Tanderil併
邦
彦
用 療 法 に 関 す る一 連 の 研 究 の う
つ て,そ れ に 関 係 が な い こ とを 明 らか に した こ と,お よ
〔質問 〕
路
近畿母児感 染症 センタ一
路 感 染 に つ きComparative
用 時 のPenicillinの
血 中 濃 度 はPeni-
AB-PC投
う ち,合
double
blind
実 施 し た 成 績 を 報 告 す る 。 来 院 順 無 差 別 割 り当
続7日
路 感 染 に 対 し,両
者 合 剤Ampicloxま
つ 静 脈 内 投 与 し,各
群30
間 治 療 成 績 を 検 討 した 。
全 症 例 に お け る 有 効 率 は,Ampiclox投
三 木 久 雄(大 阪 市 大 一 内)
cillin静 注 時 に もTarideril非
例,連
回 は,尿
与 群:37.5%で,両
与 群:50.0%,
群 間 に 有 意 差 な く,こ
の
併 性 尿 路 感 染 に は そ れ ぞ れ36.4%,16.7%で
投 与 時 よ り高 値 を とる こ
あ る。 ま た,混
とを 私 共 も認 め て い るが,そ の 際 諸 組 織 内 濃 度 も高 値 を
Ampicloxi群:70.0
合 感 染:10例
及 び12例
%,AB-PC群:16.7
の 有 効 率 は,
%で,こ
の さ
CHEMOTHERAPY
364
JULY
1970
い は 併 用 効 果 に有 意 差 を み とめ た。 大 腸 菌 感 染 に は55.0
懸 濁 水 性 の もの が あ るが,血
%,35.0
比 して低 い 。 この よ うな点 を 考慮 して 製 剤 化 され た も の
%,ブ
菌 感 染 症 に は66.7
%,16.7
%の 有 効 率
で あ る。
以 上 の比 較 実 験 成 績 か ら,MCI-PCとAB-PC併
用効
中 濃 度 はCP
succinateに
がArginine
Chloramphenicol
は,無 臭,苦
味 を 有 す る 白色 ま た は 微 黄 色 の 微 細 針 状 結
succinateで
果 は,混 合 感 染 症 ・合 併 性 感 染 に 対 し有 意 義 な こ とが 推
晶 で,水 溶 性 で あ り,エ タ ノー ル難 溶,ア
定 され た 。
ゼ ン,エ ー テ ル 不 溶 で あ る。
G-78) に お い て 使 用 す る機 会 を 得 た の で報 告 す る。
MS一 抗 原 に 関 す る 研 究(III)
1. 血 中 濃 度
MS-抗 原の毒素 中和反応
本 剤1.0
3時 間,6時
添 田 百 枝 ・山 本 い し
防衛 庁技術研究本部第二 研究所
山
弘
そ の1つ
0,926 mcg/mlで
ticactivityを
抗 原 の 薬 理 作 用 の 検 討 を 行 な つ た 結 果,
見 出 し た 。 こ の 作 用 をMS一
cut
抗 原 の 力価 測
method(CCM)を
をCCMに
さ ら にMS一
抗 原 のAnti
haemolytic
mcg/ml,8時
4.08 mcg/ml,5時
間 値5.85mcg/ml,3時
間 値2.77
mcg/ml,10時
2. 臨 床 成 績
類61例
gを 腎 筋 また は 三 角 筋 内
に 注 射 し,小 児 科 領 域 に お い て は,1回250∼500mg
を 轄 筋 内 に注 射 した。 使 用 総 量 は,婦 人 科 で は4∼14g
haemolytic
activityと
そ の
小 児 科 で は250mg∼9.09に
及 ん で い る。 疾 患 と して
1例),子
activityと
治 療 成 績 の
間 に相 関 が 認 め られ た 。
例),附
宮 内 膜 炎4例(ブ
属 器 炎4例(ブ
検 出),腎
Chloramphenicol
臨 床 的 検 討
南
薫 ・砂 田 裕 科
伊 藤 達 也 ・斎 藤 忠 明
昭 和 大 学 医 学 部 産 婦 人科
中 沢
進 ・佐
藤
肇
同大 医 学 部 小 児 科
静 脈注 射 用 と して広 く使 用 さ れ て い るChloramphenicol succinateは
速 か な血 中 濃 度 の 上 昇 を来 す た め 汎
用 さ れ て い るが,反 面 血 中 濃 度 の持 続 性 が 乏 しい た め,
これ を筋 注 して い る場 合 もあ り,ま た 小 児 科 領 域 に お い
て は,静 注 を し難 い こ とか ら,こ れ を筋 注 に 利 用 して い
る場 合 もあ る。 しか しな が ら,こ れ を 筋 注 した 場 合 は 局
所 の疹 痛 が 比 較 的 強 く,い つ ぼ う,筋 注 用 製 剤 と して は
ドウ球 菌 検 出
菌 検 出1例,大
菌 検 出1例),乳
孟 炎1例(大
検 出4例)で,有
腸 菌 検 出),膀
効12例(70・6%),無
腸 菌 検 出1
腺 炎1例(ブ
胱 炎5例(大
効4例,疑
例 の結 果 を 得 た 。 小 児 科 で は,有 効55例(90%),無
2例,疑
張
児科 領 域
に 対 し,本 剤 を使 用 した。 産 婦
MS一 抗 原 のAnti-haemolytic
succinateの
間値
間 値1.26
あつた。
は,産 婦 人 科 で は産 褥 子 宮 内 感 染2例(ブ
Arginine
よ り11才
腎 筋 内 に 注 射 し た が,そ
臨 床 成 績 と対 比 させ 相 関 の 有 無 を 検 討 し た 。 そ の 結 果
G-79) 間,
間 目 に あ り,懸
りも高 い。 小 児 に お い て は,6才
人 科 領 域 に お い て は,1回1.0
activity
よ り 測 定 した 。
抗 原 のAnti
間,3.07
の平 均
mc,g/ml,3
産 婦 人 科 領 域 の感 染 症6種 類,計17例,小
して 感 性 ブ ド ウ 球 菌 毒 素(Terajima
用 い,MS一
間,7.365
あ つ て,Peakは1時
に わ た る4例 に1回0.5gを
の 感 染 症11種
考 案 した 。
strain)を
濁 用CPよ
mcg/mlで
対 す るAntihaemoly-
定 に 応 用 す る こ と を 検 討 しCup
Haemotoxinと
mcg/ml,1時
の 平 均 血 中 濃 度 は1時
抗 原 と命 名 した 。
と し て,Haemotoxinに
間,
間 目の 血 中 濃 度 を溶 連 菌COOK株
時 間5.485mcg/ml,6時
田 は ア レル ギ ー性 疾 患 々者 の 尿 成 分 中 か
そ の 後,MS一
間,8時
を 検定 菌 とす る重 層 法 に よ り測 定 した 。 婦 人4名
ら ア レ ル ギ ー 性 疾 患 に 対 し治 療 効 果 を 有 す る 物 質 を 見 出
し,MS一
gを 腎 筋 内 に注 射 し,注 射 後30分,1時
値 は,30分,4.60
日立化成(山 崎)研 究部
1965年,添
セ トン,ベ ン
わ れ わ れ は,本 剤 を 臨 床 的 に,産 婦 人 科,小 児 科 領 域
ア レ ル ギ ー 性 疾 患 の 新 治 療 剤,
住
あ る。 本 剤
問4例
菌
腸菌
問1
効
の結 果 を 得 た 。
副 作 用 と して は,と
の有 無 に つ い て,詳
くに 注 射 局 所 の 疹 痛,硬 結,浸 潤
し く問 診 し,ま た 観 察 した が,産 婦
人 科 領 域 で 附 属 器 炎 に1日2回6日
に,治 療 後 約1週 間,注
間 使 用 した症 例1例
射 部 位 に軽 い硬 結 が触 れ た もの
1例 が あ つ た 。 疹 痛 に つ い て は,多
くは あ ま り痛 くな い
か,ま た は 他 の 注 射 剤 と同 じ程 度 とい う訴 え が主 で あ つ
た 。 小 児 科 領 域 で も副 作用 は ほ とん どなか つ た。
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
G-80∼84結
365
菌 陰 性 化 を認 め ず,手 術 例 を含 め て も24名,35.8%に
核
しか す ぎ な い。 排 菌 持 続 の も の は67名
G-81) 内科
本 院 に お け る6年
間の肺結核入
に認 め られ,初
院 患 老 の 結 核 菌 の薬 剤 耐 性 に つ い
認 め,初
て
あ る。
久内
治 ・藤 井 徹 也 ・宮 崎 忠 博
中14名20.9%
回治 療 群 と既 治 療 群 の 間 に は 有 意 の差 を
回治 療 の 充 分 な る治 療 の必 要 を痛 感 した 次 第 で
G-82) 鈴 木秀 夫 ・渡 辺 一 功 ・中 沢 信 八
新 抗 結 核 剤Tuberactinに
関す
る実 験 的 研 究
池本秀雄
臨床病理
小 酒 井
立
望
新 抗 結 核 性 抗 生 物 質Tuberactinに
の うち,入 院 時 菌 陽 性 で 耐 性
抗 酸 性 菌 保 存 株 お よ びTuberactin未
検 査 を施 行 した症 例 は132例
で あ る。 これ に つ き薬 剤 感
分 離 株 に 対 す るin
vitro抗
vitro耐
違,選 択 薬 剤 と治 療 効 果 との 関 係 な どを 検 討 した 。
果 に つ い て 検 討 し た 。(1)人
年 令,性 別 を み る と初 回 治 療 群 では 男 子50名,女
治 療 群 で は 男子49名,女
で あ る。 男 女 比 は3対1で
子18名
子
とほ ぼ 同 数
男 子 が 多 い。 年 令 別 で は 初 回
治療 群 で は20∼29才,50∼59才
療 群 では 男 女 共 に40∼69才
台 に か け て 多 く,既 治
台 に 多 く若 年 層 は 少 な か つ
療群 が67名
の患 者 中,初 回 治 療 群 は65名,既
対 す る完 全,不 完 全 耐 性 の 状 況 は,
初 回治 療 群 で は,SM,
INHの
てあ ま り変 動 が な い 。PASは
る。既 治 療 群 で はSMの
あ るが,PAS,
mcg/ml耐
同INH10
mcg/ml耐
剤耐 性1/65(1.5
%),INH1剤
る。PASとINH,
SMとPAS
耐 性 は1/65(1.5
耐 性2/65(3.5
PAS2剤
%),INH耐
耐 性3/67(4.5
2/67(3.0 %)に
(12.3 %)に
あ
性9/67(13.4
性6/67(8.9
%),
2剤 耐 性4/67
耐 性 は な く,3剤
耐 性 を,既 治 療 群 で は26/67(38.8
耐性 は
%)に
耐
初 回治 療 群 と既 治 療 群 の耐 性 の 有 無 に よ る治 療 効 果 は
共 に耐 性 の な い もの
菌 陰 性 化 して い る。 手 術 例 も含 め
中54名83.1%が
菌 陰 性 化 して い る。 既 治
療 群 で は これ に比 して死 亡 が7名,10.4%み
3剤 共 耐 性 な き場 合 で も67名
中16名23.9%に
ら れ る。
しか
ず れ も5∼
mcg/ml耐
性 株 に 対 し て は,そ
れ ぞ れ50
性 株 に 対 し て は い ず れ も2.5
mcg/mlで
型 結 核 菌Flamingo株,Kirchberg株
mcg/mlで
対 し て は,Ii群10mcg/
mlで
菌 性 抗 酸 菌(M.
あ り,雑
M. 607)に
に対 し
あ つ た 。 非 定 型 抗 酸 菌(I
よ び25
mcg/ml,III群
い ず れ も25
phlei,
対 し て は,グ
mcg/mlで
M.
mcg/
smegmatis,
リセ リ ンブ イ ヨ ン培
あ つ た 。 以 上 の抗 菌 力 に
時 に 同 じ実 験 条 件 で 調 べ たVMの
抗菌 力
と 大 略 同 じ態 度 を 示 した 。(2)fiuberactin未
結 核 患 者 分 離 株7株
mcg/ml(5株)な
い し10
mcg/mlの2株
の も の も あ り),む
し ろCPM耐
mcg/ml,CPM
CPM,
mcg/ml
VM感
受 性 と
受 性 はKM耐
性 で も5mcg/ml感
性
性
性 が 高度 とな る に つ れ
受 性 低 下 を 示 す 傾 向 を 示 し た 。VM感
一 の 態 度 を 示 し た 。(3)H37Rv株
10
mcg/ml,CPM25
の 相 関 関 係 に つ い て,Tuberactin感
mcg/ml耐
体培 地
mcg/ml(2株)のMICを
はKM25
性 お よ びKM100
と相 関 せ ず(KM100
使 用の肺
に 対 す る 抗 菌 力 はDubos液
耐 性 を 示 し た 。 同 時 に 調 べ たKM,
て,感
mc ,g/
性 株 に つ い て も50
ml,II群10お
示 し,10
性 株,
原 株 お よ びRAMP
群1株,II群2株,III群2株)に
で5
性
上 と 感 受 性 低 下 を 示 す 。CPM・RAMP
て は い ず れ も25
mcg/ml耐
初 回治 療 群 で は死 亡 例 が な く,3剤
体 培 地 で,い
型 結 核 菌Ravenel株
つ い て は,同
%),SMと
性菌 を認 め る。
ると65名
mcg/ml以
地 に て い ず れ も10
認 め た 。 す な わ ち 初 回治 療 群 で は8/65
で は46名70.8%が
mc,g/ml耐
ml,100
M. Fakes,
耐 性 は2/65(3.1
%),SMとINH
(4.0%),PASとINHの2剤
%)で
1
2剤 耐 性 は な く,SMと
%),3剤
認 め る。 既 治 療 群 で はSM耐
性2/67(3.0
PAS
cg/ml耐
性 株 に 対 す るMCは,10%
VM100
あ り,鳥
性 株,
性 株,同INH・RAMP耐
耐 性 株 お よ びKM・CPM・RAMP耐
完 全 耐 性 頻 度 は減 少 の 傾 向 が
%),
性 株,同KM100m
あ る 。H37RvCPM100
100 mcg/ml耐
用効
株,同
140mcg/ml耐
牛 血 清 ア ル ブ ミ ン加Dubos液
増 加 して い る よ うに 思 え.
vitro併
型 結 核 菌H37Rv原
mcg/ml耐
mcg/ml,牛
耐 性 は2/65(3.1
使用の肺結核患者
種 抗 結 核 剤 と のin
性 株,同KM・RAMP耐
々の
量 継 代 法 に よ るin
性 株,同PAS
株,同RAMP100
耐 性 頻 度 は各 年 度 を 通 じ
INHは 初 回治 療 群 に 比 して 増 加 して い る。
初 回 治 療 群 でSM1剤
INHの2剤
治
で あ る。
SM, PAS, INHに
PAS耐
SM100
2.5mcg/mlで
た。
%)に
性 獲 得 状 況,他
つ い て,種
菌 力,増
受 性,耐 性 パ タ ー ンを 調 べ,初 回 治 療 群 と既 治 療 群 の相
6年 間 の132名
夫
ま で の6年 間 に 本 院 に
か ら43年12月
入 院 した 肺 結 核 患者575例
15名,既
暉
大阪府立病院 内科
順天堂大学
昭和38年1月
花
受 性 とは 同
に つ い てTuberactin
CHEMoTHERAPY
366
JULY
の 抗 菌 力 に対 す る培 地 差,接 種 菌 量 に よ る影 響 を 調 べ
加 濃 度1,000mcg/ml,C)凍
た 。a)Dubos液
m1。1%小
体 培 地 お よび10%牛
加Kirchner半
た が1%
流 動 寒 天 で は5mcg/mlのMICで
KH2PO4加
H37Rv10-3mg接
感受性
流動寒天 に お い て
種 で は5mcg/mlのMICで
種 で は25mcg/mlと
る。(4)10%牛
あ るが,
抗 菌 力 が 低 く表 現 され
血 清 アル ブ ミン加Dubos液
い て,増 量 継 代 法 に よ りH37Rv株
100 mcg/ml耐
よ び4代
体 培地を用
原 株 お よび 同RAMP
性株 のTuberactin耐
そ れ ぞ れ 継 代3お
あ るが,そ
あつ
小 川 培 地 で は25mcg/mlと
が 低 く表 現 さ れ る。b)Kirchner半
10-1m9接
血 清 ア ル ブ ミン
性 を獲 得 せ しめ た 。
まで は 耐 性 獲 得 は ゆ るや か で
れ 以 後 は 階 段 的 に 耐 性 上 昇 を示 し,7代
お よ び25 mcg/ml耐
耐 性 獲 得 状 況 を 検 討 し た が,Tuberactin耐
用 効 果 をH37Rv株
効 果 を示 し,EBと
CSと
他種抗 結核剤
に つ い て,Dubos液
体 培 地 を 用 い て 検 討 したoRAMPと
天 培 地90
も軽 度 の 併 用 効 果 を 示 した が,TH,
ml,KM添
加
ml(29)に
比 率 に加 え,ホ モ ジ ナ イ ズ
rpm20分
間遠 沈 し,そ の上 清 を定 量 測定
した。
測 定 結 果 。 各10例
に つ き実 験 した と ころ,ほ
一 致 した 成 績 を示 し,A培
地 は128mcg/ml,B培
200mcg/ml,C培
mlの
地 は40
mcg/ml,D培
とん ど
地は
地 は50mcg/
結 果 を 認 め た 。 す な わ ちAは12.8%,Bは20%,
生 物 学 的 活性 濃度 を 示 した 。 生
卵 を 用 いた 対 照 は70∼160mcg/mlと
極 め て バ ラ ツキ が
大 き くそ の不 均 一 性 が 認 め られ た。19力
は殆 ど併 用 効 果 を示 さな か つ た 。
6時 間4∼6.5mcg/ml,12時
mcg/mlで
射
間
あ つ た。
結
KM耐
価 のKM注
の血 中 濃 度 は1時 間30∼40mcg/ml,3
時 間15∼20mcg/ml,
は いず れ も1.5
G-83) 霊 菌 を 試 験 菌 と し生 物 学 的 定 量
mcg/ml,
に 供 し,生 卵 を用 い る小 川 法 を 同 様 な 方 法 に よ り対 照 と
後 の成 人10例
は 或 る程 度 の 併 用
血 清10
れ ら の 組 成 培 地2
生 理 食 塩 水 を1:1∼1:3の
した 後2,000
溜 水100
加 濃 度1,000
ml,馬
mcg/mlで,こ
Cは4%,Dは50%の
性 獲 得 と大
略 同 じ傾 向 を 示 した 。(5)Tuberactinと
のinvitro併
後50
性 を示 した 。同 時 に 同 じ方 法 でVM
濃 度100
結卵 黄 末35g,蒸
川 原 液40ml,KM添
D) Kirchner寒
1970
論
性 検 査 法 に 関 して は,秋 葉,戸
田,柳 沢 等 を 初
め とす る研 究 委 員 会 の 報 告 が あ り,ま た小 川(辰),小
川
法(重 層 法)に よ る結 核 菌 耐 性 培 地
(政)等 は菌 の 発 育 を 中 心 と し耐 性 菌 の 比 率 と培 地 素 材 の
内KM活
検 討 を発 表 して い る。 金 沢 は 平 板 濾 紙 法 の 測 定 に よ りマ
性 濃 度 の検 討
ラ カ イ ト緑 が 阻 止力 に 及 ぼ す 影 響 を報 告 して い るが,本
新
井
蔵
吉
法 の試 験 菌 霊 菌 で は,そ
昭和大学 医学 部中央研究検査所
の影 響 を 認 め な か つ た 。 す な わ
ち 耐 性 検 査 培 地 内 の 薬 剤 の均 等 化 は,重 要 な る こ とで あ
結 核菌 の 培 地 素 材 と して 卵 液 が 用 い られ て い るが,と
く に卵 白 は 粘 性 が 強 い た め 耐 性 検 査 の 際,薬
剤の均等化
を 阻害 す る大 き な欠 点 を もつ て い る。 演 者 は卵 液 を 凍 結
り,凍 結 乾 燥 卵 末 を 培 地 素 材 と して用 い る こ とは,基 礎
的 に も臨 床 効 果 の 判 定 に も意 義 あ る もの と考 え る。 本 実
験 に お い て は硫 酸Kanamycinの
乾 燥 す る こ と に よ り,こ の 欠 点 であ る粘 性 の み を 消 滅 さ
〔
質 問〕
せ 他 の 特 質 は す べ て保 有 す る培 地 素 材 を 開 発 す る こ とに
対 照 と され た 従 来 の1%KM耐
成 功 し,昨 秋 日本 臨 床 病 理 学 会 総 会 でSM耐
つ い て 報 告 した が,今
Kanamycin(KM)結
性 検 査に
回 は こ の凍 結 乾 燥 卵 末 を 使 用
核 菌 耐 性 培 地 内 のKM活
Serratia marcescensを
性濃度を
試 験 菌 と す る重 層 定 量 法 に よ り
測 定 用 基 礎 培 地 はLア
スパ ラ ギ ン10g,ブ
天109(13ifco),蒸
ドウ糖5g,
溜 水1,000
で こ の 基 礎 培 地100
mlに1%フ
メチ レ ン青3
菌 培 養 液10倍0.5
ml,霊
標 準 末 を使 用 した。
厚(九
大 胸 部 研)
性培地 で は力価が極
め て 不 安 定 で あ る が撹 拝 は何 回 く らい 行 な つ てお られ る
のか 。
〔
答〕
新 井 蔵 吉(昭 大 中 央 検)
対 照 の 小 川 培 地 は 市 販 のKM耐
性検査培地を 重層定
量 し,き わ め て バ ラ ツキ が あ つ た た め,自 家 製 の もの に
測 定 した そ の結 果 を報 告 す る。
食 塩2g,寒
篠 田
ml,pH
マ ル 酸3
ml,0.1
よ り測 定 したo撹 拝 は滅 菌 ガ ラ ス棒 に よ りマ ヵ ラ イ ト緑
7.0
の混 合 を 目標 と し100回 以 上 撹 拝 した。 生 卵 の場 合 は1
%
度 に 卵 白 薬 剤 が 吸 着 す る と均 等 化 を 妨 たげ る た め,こ れ
ml。 こ の 簡 単
らの 点 は さ らに 考 慮 し検 討 した い 。
な 合 成 培 地 を型 の とお り測 定 用 試 験 管 に 分 注 し前 回 同様
〔
質 問〕
の 測 定 方 法 に した が つ て 実 施 した 。
各 培 地 を 用 い て実 際 に 菌 株 の 感 受 性 検 査 を行 なつ た成
実 験 培 地 組 成 はA)凍
ml,1%小
緑 各3
川 原 液50
ml,KM添
末20g,蒸
結 乾 燥 全 卵 末30
ml,グ
加 濃 度1,000
溜 水100ml。1%小
g,蒸
リセ リ ン2%マ
mcg/ml,B)凍
川 原 液50
溜 水100
ラ カイ ト
結卵 白
ml,KM添
河 盛 勇 造(国 立 泉 北 病 院)
績 は如何。
〔答 〕
新 井 蔵 吉(昭 大 中 央 検)
今 回 は 培 地 素 材 を全 卵,卵
白,卵 黄 と分 割 し,不 活 性
化 の 検 討 を 目的 と した研 究 で あ り,耐 性 菌 と され て い る
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
367
菌 株 を中心 に菌 の 発 育 に よ る結 果 判定 は 重 要 な る問 題 点
Doxycycline
であ り,今 後 検 討 した い 。 演 者 は薬 剤 が 均 等 化 され て い
の 梅 毒 患 者 に 使 用 し,そ の血 清 反 応 の変 化 お よび 副 作 用
な い耐性 検 査 培 地,す な わ ち耐 性 基 準 が1 mcg/ml前
に つ い て 検 討 した 。
後
の パ ラ ツキを 特 に 憂 慮 す る も の で あ る。
G-84) Nitro-thiazo1誘
32.644
Baに
新 鮮 梅 毒 を 主 とす る6例
こ の薬 剤 は,従 来 のTetracycline系
抗生物質 に 比 し
て 脂 溶 性 が 高 く,経 口 投与 で 消 化 管 か ら の 吸 収 能 が き わ
導 体CIBA
よ り治 療 し た 急 性 日
本住血吸虫病 患者の長期観察成 績
につい て
倉田
(Vibramycin)を
め て良 好 で あ る こ とか ら,梅 毒 患 者 に た い して1日200
mg,3∼4週
間連 日投 与 を1ク
ール と し,血 清 反 応 の 推
移 を 観 察 した 。 症 例 数 が乏 し く,観 察 期 間 が 短 か い の も
あ るが,本
剤 使 用 直 後 か ら速 や か に 症 状 は 消 失 し,血 清
反 応 も陰 性 化 しは じめ,短 期 間 で,治 療 追 加 の 不 必 要 な
誠 ・野 守 正 司 ・津 田 頴 彦
抗 体 価 に まで 低 下 した こ とは 注 目に値 す る。 こ の こ と
西 村 亮 徳 ・長 岡祥 二 ・倉 田光 雄
久留米大学倉 田内科
は,現 在 まで の 種 々 の抗 生 物 質 に よ る治 療 に く らべ て,
は るか に 少量 の薬 量 で 駆 梅 効 果 を 期 待 で き る も の で あ る
我 々は急 性 日本 住 血 吸 虫 病 患 者4名
導 体CIBA
32.644 Ba 20mg/k9を,7日
にNitmothiazol誘
間 経 口投 与 し,
こ と を物 語 つ て い る。
内 服 中 に悪 心,食 欲 不振 な どの 胃腸 障 害 を 訴 えた も の
長 期 に わ た り経 過 を 観 察 した 。 な お 同 患 者 は 経 過 中 の再
も あ つ た が,1ク
感 染 を否 定 し得 る。 これ ら の症 例 は,治 療 前 全 例 に弛 張
検 尿,肝 機 能 に つ い て も検 討 した が,副 作 用 と思 わ れ る
熱,軟 便,下 痢 を 認 め,糞 便 検 査 で は 日虫 卵 を検 出 し,
異 常 な所 見 は 見 いだ さな か つ た 。
肝 腫 を 触 知 した 。 また 血 中 白血 球 数,好 酸 球 数,血 清 γ
も な く消 失 し,血 液 像,
K-1∼8 制癌剤 の基礎 的方面
グ ロブ リン値,血 清 アル カ リ性 フ ォ ス フ ァタ ー ゼ 活 性 値,
血 清 トラ ン ス ア ミナ ーゼ 活 性 値 は い ず れ も増 加 を 認 め
ー ル終 了 後,ま
K-1) Acid
た。
phosphatase活
性 を利 用す
る 制 癌 剤 適 応 判 定 法(APD法)に
本 剤投 与 開 始 後,発 熱 は3日
便 中 日虫 卵 の 排 出 は7∼10日
目に は 完 全 に下 熱 し,糞
ついて
後 に 消 失 した 。 肝 腫 大 は2
週 頃 よ り3カ 月 頃 ま で に 回復 し,白 血 球 数 は1例 を の ぞ
近 藤 達 平 ・今 泉 宗 久 ・関
いて3週 か ら正 常 値 とな り,好 酸 球 数 は8週 頃 か らす べ
名古屋大学第二 外科
て正 常 値 に 復 した 。 血 清 γグ ロブ リン値 は10週
正 常 値 に 復 した が,1例
頃か ら
は増 加 の 状 態 を 維 持 し,ま た 血
清 アル カ リ性 フ ォス フ ァタ ーゼ 活 性 値 は7週 頃 か ら,血
rラ ン ス ア ミナ ーゼ 活 性 値 は4週 頃 か ら正 常 値 に 復 し
た。1年 後 に再 検 を行 な つ た が,検 便 に て全 例 虫 卵 を 認
め なか つ た 。 好 酸 球 数 お よび 血 清 γグ ロ ブ リン値 は1例
のみ 増 加 して いた が,そ
の 他 の 症 例 で は正 常 値 を 示 し
た。3年 後 の 検 査 で は4例 中3例 は 諸 検 査 で 正 常 に 復 し
て いた が,上 述 の1例 の み,直 腸 生 検 で虫 卵(全 て 死 卵)
を認 め,好 酸 球 数 お よび 血 清 トラ ン ス ア ミナ ーゼ 活 性 値
で は増 加 が み られ た 。 な お この 患 者 で は 検 査 施 行 前 約2
カ月 程 前 一 時,黄 疸,発 熱,食
欲 不 振 等 の症 状 を来 した
こ とが あ つ た 。
癌 化 学 療 法 に於 い て,腫 瘍 に 有 効 で,宿 主 に 副 作 用 の
な い 制 癌 剤 の 選 択 は重 要 な 問 題 で あ り,私 共 は 従 来 か ら
琉 珀 酸 脱 水 素 酵 素 を利 用 す る方 法(SDI注)を
た が,酵 素 活 性 を 利 用 す る方 法 は1種
試み てき
類の酵素のみで判
定 す るの は 不 充 分 で あ るの で,さ
ら に,細 胞 の 融 解 壊 死
過 程 に 関 係 の深 いLysosome内
のAcid
を 利 用 す る方 法(APD法)を
APD法
phosphatase
用 い て比 較 検 討 した 。
bateし
の 手 技 は腫 瘍 細 胞 浮 遊 液 と制 癌 剤 とをIncuて,LowxY法
の 変 法 でAcid
活 性 を 測 定 し,蛋 白量 をLOWRYの
性 値 を 出 し,Contro1の
Index(D.
phosphataseの
方 法 で 測 つ て,比 活
比 活 性 値 と比 較 して,Deviation
I.)に よ り判 定 す る方 法 を とつ た 。
固 形 腫 瘍 の 細 胞 浮 遊 液 作 用 は 腫 瘍 組 織 片 を 細 切 し,私
G-85 梅
G-85) 和雄
Doxycycline
毒
共 の 考 案 したCrusherを
(Vibramycin)の
EHRLICH腫
はPBS,培
梅 毒 に た い す る効 果
養 温 度 は37℃,培
要 緬 胞 教 は1ml当
占 部 治 邦 ・柿 添 富 久 子
久 留米大学皮膚科
今 回,わ れ われ は,Methacyclineか
ら合 成 さ れ た
養 時 間 は3時 間,至 適 必
り400×104個
効 果 の 判 定 はD.I.が25以
50以
用 いた。
瘍 細 胞 を 用 いた 基 礎 実 験 よ り,培 養 溶 液
であつた。
上 を有 効 と考 え られ るが,
上 を 有 効 と判 定 す るほ うが 安 全 で あ る。 た だ し,
生 存 細 胞 の 少 な い 細 胞 浮 遊 液 は マ イ ナ ス を示 す傾 向が あ
CHEMOTHERAPY
3 6 8
JULY
1970
る。
In vitro及 びin
胞,EHRLICH腫
vavo実 験 に 於 て,AH-130腫
瘍細
瘍 細 胞 お よ び吉 田 肉 腫,Nitromin感
性 株 に つ い て 実 施 した 結 果,in
K-2) 制 癌剤濃 度について
受
vitro実 験 でAPD法
高 圧 酸 素 療 法下 の 血 中 及 び 尿 中 の
は
大 越 正 秋 ・田崎
遊 離 腹 水癌 と固 形 腫 瘍 の 間 に ほ ぼ 一 致 した 結 果 が 得 ら れ
た 。 またAPD法
お よ びSDI法
松 永 重 昂 ・河 村 信夫 ・矢 島 暎 夫
に よ る 制 癌 剤 の適 応 順
木 村茂三
序 が 一 致 す る も の と,一 致 し な い もの が あ るが,両 者 が
一 致 して ,有 効 あ るい は 無 効 と判 定 さ れ た 制 癌 剤 はin
励o実
験 の 効 果 と ほ ぼ 一 致 した 。両 者 が 一 致 し な い もの
はinuiuo実
験 の 効 果 と必 ず し も0致 しな か つ た 。
臨 床 例 に つ い て も,APD法
及 びSDI法
寛 ・尾 関 全 彦
慶応義塾大学 医学 部泌尿器科学教室
我 々 は膀 胱 腫 瘍 組 織 が 高圧 酸 素 下 で は 平 圧 下 よ りも長
く生 存 す る こ とを 実 験 的 に確 認 し,す で に 発 表 した こ と
に よ る制 癌 剤
が あ る。 そ の理 由 と して 高圧 酸 素 下 で は 腫 瘍 の分 裂 増 殖
の 適 応 順 序 が一 致 す る も の と,一 致 しな い も の が あ るが,
が 盛 ん に 行 な わ れ る こ と,好 気 性 代 謝 の 行 なわ れ る こ と
両 者 が 一 致 して有 効 と判 定 され た 制 癌 剤 は 臨 床 的 に も効
等 が 考 え ら れ る。 さ ら に 高圧 酸 素 下 で は 腫 瘍 細 胞 の
果 を 認 め た 。 両 者 が 一 致 し な い場 合 は 臨 床 的 に必 ず し も
DNA合
効 果 は0定 で な い が,両 者 無 効 と判 定 され た も の は ほ と
代 謝 機 構 が 変 化 して い る,等
ん ど臨 床 的 に効 果 は 認 め られ な か つ た 。
を根 拠 に して 高 圧 酸 素 下 で制 癌 剤 の 大 量 間 激 投 与 を数 例
従 つ て,現 今 で 使 用 され て い る制 癌 剤 の適 応 判 定 を よ
り正 確 に す るた め に は,APD法
用 す るほ うが 望 ま しい が,さ
お よびSDI法
の患 者 に試 み,そ
作 用 が 少 な い,薬 剤 の
も考 え られ る。 こ ら の理 論
の 臨 床 経 過,副
作 用 の有 無,制 癌 剤 の
両者 を併
血 中 お よび 尿 中 濃 度 の 測 定 を行 な い,こ の 療 法 に対 す る
ら に,症 例 を 重 ね て検 討 し
生 体 の 反応 が 平 圧 下 と異 な る か否 か を み た 。 条 件 は大 気
考 察 す る。
〔討 論 〕
成 が 助 長 され る とか,副
2気 圧 で 高圧 酸 素 室 を 使 い 純 酸 素 を 吸 入 させ た も の でf
江 崎 柳 節(名
市 大1外)
制 癌 剤 と して はMitomycin
判 定 に 用 うる薬 剤 濃 度 は 一 定 量 で あ るが これ に は 問 題
が あ る と考 え られ る。 我 々 のprimary
受 性 テ ス トで もin
cultureで
vitroで の 感 受 性 薬 剤 がin
の感
vivoで
は 無 効 で あつ た もの が しば しば あ る。 これ を検 討 す る と
C, Endoxan,
5-Fluorourac-
ilを 使 つ て み た 。 そ の結 果,症 例 数 は 少 な い が,制 癌 剤
の血 中濃 度 の 勾 配 は 平 圧 下 とあ ま り変 らず,症 状 は 自覚
的 に改 善 され る例 も あ る こ とが判 つ た 。 副 作 用 と して の
貧 血,白
血球 減 少 は 個 人 差 が 強 く,平 圧 下 と比 して どち
判 定 に 用 い た 量 の 薬 剤 が 組 織 内移 行 して い な い こ とが 多
らが 有 利 と も判 定 不 能 で あ つ た が,重 篤 な 感 染 等 を来 た
い。 そ こで わ れ わ れ は 前 以 つ て組 織 内 移 行 量 を測 定 し,
した もの は な か つ た 。 血 中濃 度 の 変 化 が 平 圧 下 とほ ぼ 同
そ れ に 相 当す る力 価 の 薬 剤 を作 用 させ てい る。 これ に よ
つ て感 受 性 と効 果 が 一 致 す る率 が 多 い よ うに 思 わ れ る。
〔追 加 〕
(1)
藤 本
茂(千 大 綿 貫 外 科)
動 物 実 験 でSolid
tumomとAscites
後 こ れ に よ る療 法 を 進 め て行 く根 拠 に もな る し,そ の時
tumorの
間 で,前 者 の酵 素 活 性 が 低 い と云 う報 告 で あ る が,私 達
で も ほ ぼ 同 じ結 果 が 出 て お る。
(2)
腹 水 肝 癌AH130を
Solidtumorで
使 い,TCA
cycle関
係酵
は壊死 になつた細胞 が ど うして
も入 り,こ れ は 酵 素 活 性 が0に
b)
蛋 白 定 量(Lowry法)で
な る。
は こ の壊 死 に なつ た 細
胞 の 蛋 白 も ひ つ か か つ て来 る た め,上 記 の 結 果 が 出 た も
の と解 釈 して お る。
の生 体 の 反 応 の予 測 も しや す い とい うこ と に な る。 予 後
に つ い て は さ らに 多 くの症 例 を か さね な け れ ば 確 実 な判
定 は 無 理 で あ る。 な お,危 険 性 は 充 分 の注 意 で さ け得 る
素 を 測 定 した。
a)
じ とい う こ とは,生 体 の ほ うの 条 件 が 変 化 してい る と考
え られ る高 圧 酸 素 下 で は,治 療 上 有 利 な 条 件 であ り,今
と考 え て い る。
〔
討 論〕
藤 田
MMC
注 後5∼10分
mlと
30 mg静
言 う値 は,少
bioassay法
MMCは
の 血 中 濃 度 が0,4
mcg/
し低 過 ぎ る よ うで あ る が,測 定 法 は
で あ る か。
肝 乳 剤 を 用 い た実 験 で は,嫌
metabolismが
bolismが
浩(国 立 が ん セ ン ター)
気 性 の環 境 で
促 進 され る ので,高 圧 酸 素 下 で はmeta
お そ くな り血 中 濃 度 の 低 下 率 が 小 に な る よ う
に 考 え られ るが,平 圧 下 の血 中 濃 度 と比 較 検 討 され た か 。
VOL.
18.
No.
CHEMOTHERAPY
4
369
血(全 肺 野 出 血2例)を
K-3) 制 癌 剤 の マ ウ ス に お け る末 梢 血 及
び 毛 細 血 管 抵 抗 に及 ぼす 影 響 に つ い
5-FU
50mg/kgで
は4日
が 全 肺 野 出 血 は1例
て
斎 藤 達 雄 ・涌 井
檜 森
ず,500mg/k露
昭
巽 ・菅 原 一 布
と して,出 血 傾 向 の 出
り著 明 な
現 が 指摘 され て お り,こ れ は 主 と して薬 剤 の 造 血 障 害 に
目で は10例
例)た
が8日
に 出血 を 認 め た
目は 正 常 対 照 群 と 差 二
を 認 め
で は10例
は4日
目,8日
目に は6例
で8日
出 血5例)50mg/kgよ
東北大抗酸菌病研究所癌 化学療法部門
癌 の化 学 療 法 を 阻 む 要 因 の1つ
認 め,100mcg/kgよ
出 血 傾 向 が み られ た 。
中9例 に 出血 を 認 め(全 肺 野
り強 い 出 血 傾 向を 認 め た。CHRM
中8例 に 出 血 を 認 め(全
肺 野 出 血5
自は 正 常 対 照 群 と差 を 認 め ず,PSも4日
目共 に 差 を 認 め な か つ た 。 一 般 に薬 剤 投 与 初 期
に 毛 細 血 管 抵 抗 の 減 弱 が 強 く以 後 軽 減 され る こ とが 認 め
由来 す る栓 球 減 少 の た め と され て い る。 今 回我 々は 体 重
られ た 。5-FU投
20,g前 後 のdd系
雄性正常 マウスに各種制癌剤 を 投 与
抵 抗 性 とが ほ ぼ 比 例 関 係 に あ る傾 向 を 認 め た。 以 上,制
与 に お い て 栓 球 数 の減 少 と 肺 毛 細 血 管
して,末 檎 血(主
と して栓 球 数 及 び 白血 球 数)並 び に 肺
癌 剤 に よ る 出 血 傾 向 の原 因 と して は 栓 球 減 少 の み な らず
毛 細血 抵 抗 に 及 ぼ す 影 響 を 検 索 し,制 癌 剤 投与 時 の 出血
毛 細 血 管 の抵 抗 性 の 因 子 も 関与 して い る こ とが 推 察 され
傾 向 に造 血 臓 器 障 害 と共 に 毛 細 血 管 抵 抗 減 弱 の 因 子 が 如
た。
〔
追加〕
何 に関 与 して い るか 検 討 を加 え た 。
1) マ イ トマ イ シ ンc(MMc)100
2) 5-Fluorouracll(5-FU)50
mcg/kg,1
mg/kg,
mg/kg,500 m/kg,3)
か ら,Mitomycin
クロモ マ イ シ ンA3(CHRM)600 mcg/,4)プ
ゾロ ン(Ps)15
mg/kgを
管 抵抗 試 験 は4日
レ ドニ
各 々マ ウ ス の腹 腔 内 に1回 投
与 し,末 梢 血 は 薬 剤 投 与 後2日
目,8日
木 村 禧 代 二(国 立 が ん セ ソ ター)
家 兎 を 用 い た 実 験 成 績 お よび 白 血 病 に於 け る臨 床 成 績
目毎 に4回 行 な い 毛 細 血
Cは
ほ とん どす べ て の 出 血 性素因
に 関 与 す る 因 子 を 減 少 させ る が,副
Fibrinogen値
素::関
腎 皮 質 ホ ル モ ンは
の 減 少 を 除 く とほ とん どす べ て の 出 血 性
与 す る因 子 を改 善 す る。
目に施 行 した 。
栓 球 数 に及 ぼ す 影 響 は,MMC,
CHRMに
於 い て は2日
目に 減 少 し4日 目に は 回復 に 向 い,6日
K-4) Cade
aloeの
抗 腫瘍性に関す る
添
百
研究
目以 降 減 少 傾 向
にあ るが著 明 な 変 動 は 示 さ な か つ た 。 しか しMMC100
mcg/kgよ
りMMC
1 mg/kgが2日
が著 明 で あ つ た 。PSは
kgで
は4日
目に や や 減 少 傾 向
は4日
目に著 明 な 減 少 を示 し 全 例5
日目 まで に 死 亡 した 。 白血 球 数 はPS以
に あ りMMCで
と1 mg/kgに
は6日
外 全て減少傾 向
目頃 か ら減 少 す るが100
mcg/kg
は 大 きな 差 は 認 め な か つ た 。CHRMで
2貝 目に 著 明 に減 少 し以 後 回 復 に 向 うがMMCよ
い減 少 傾 向に あつ た 。5-FU50mg/k9は4日
減 少 し以 後 回 復 に 向 うが500mg/kgで
は
圏 に最 も
は 著明な減少 を
示 した。
で 行 な い,判 定
ール(比 重0.91)及
び99%ア
ル コー ル(0.80)溶
ルコ
液
を用 い て そ の 液 中 に 於 け る肺 の浮 き沈 み に よ る肺 比 重 法
も行 なつ た 。 正 常 マ ウ スは10例
mcg/kgで
に1/4,1例
は4日
出血 は2例),8日
に1/2の
目に は10例
目で は6例
し)を 認 めた 。MMClmg/kgで
血 を認 め(全 肺 野 出 血4例),ま
中7例 は 肺 出 血 を認 め
出 血 を 認 め た 。MMC
100
皮 膚 の保 健 防 護 剤 と して
凍 傷 お よび 昆 虫 刺 傷 に対 す る治 療 効 果 だ け で
な く軽 度 の 抗 菌 力 を 有 し,と
くにPsendomonas
aerngi-
対 しか な り著 明 な 殺 菌 効 果 を有 す る こ と に つ い
て 報 告 した 。
今 回 は 間 宮 製 薬 か ら提 供 され た 凍 結 融 解 液 の 凍 結 乾 燥
粉 末 を アル コー ル で 分 画 し,す で にAloeの
知 られ て い るAloin,
1と
肺 毛細 血 管 抵 抗 試 験 はMAJOVSKI法
ず,2例
前 報 に 於 い て,Cape aloeが
また 火 傷
nosaに
り強
は右 肺 で 肉 眼 的所 見 並 び に 水(比 重1.00),55%ア
枝
防衛 庁技術 研究本部第二研 究所
変 化 を認 め な い が5FU50mg/
目ま で減 少 し以 後 回復 に 向 うが 減 少 傾 向 に
あ り500魚9/kgで
田
Aloe, Emodin等
成 分 と して
を含 むFraction
まだ 成 分 が 明 ら か で な いFraction2,3,4の4つ
のFractionに
たCup
分 画 し,そ のFraction
cut methodに
に於 い てEHRLICH
4が 私 の 考 案 し
よ る活 性 が 高 く,し か もin"i砂
ascites tumorお
よびSarcoma
の も の
を さ らに アル コー ル 分 画 し,酷 酸 鉛 処 理,さ
らに は
SephadexG25の
ヵ ラ ム処 理 に よ り精 製 分 離 を 行 な い抄
中8例 に 出 血 を(全 肺 野
ほ ぼ 単 一 と思 われ る物 質 を 得 た 。 こ の も の がCup
に 出 血(全 肺 野 出 血 例 な
methodで
高 い活 性 を 示 す と と も にin
EHRLICH
ascites tumorな
は4日
た8日
目に は 全 例 に 出
目で も8例
に 出
180
に 対 し抗 腫 瘍 性 を 示 す こ とを 見 出 した の で,こ
vivoに
ら び にSarcoma
cut
於 いて
180に 対
しか な り強 い 抗 腫 瘍 性 〓 有 す る こ とを 見 出 した 。 構 造 等
CHEMoTHERAPY
370
に つ い て は現 在 検 討 中 で あ る。
JULY
い つ ぼ う,こ の 種 多 糖 体 はHostに
1970
対 す る毒 性 が ほ と
ん ど問 題 に な ら ない こ とを特 徴 と し,腹 腔 内投 与 に 関 す
K-5) 植 物 多 糖 体 の 分 画 と,そ
の抗 腫 瘍
性 に 関 す る 研 究(第6報)
岡
に よ り発 現 す る急 性 毒 性 を 経 験 す るに 到 つ た。 しか も こ
捨 己 ・熊 野 伸 子 ・佐 藤 和 男
れ が 現 在 まで に報 告 され て い る一 連 の こ の種 多糖 体 に も
中 井 肪 之 ・栗 田健 吉 ・大 泉 耕 太 郎
林
共 通 の もの で あ る こ とが 観 察 され た4)。 以 来 この毒 性 を
泉
東 北大,抗 研,内 科
克 服 す るた め 種 々検 討 を 重 ね た 結 果,こ れ に答 え る もの
の1つ
玉 利 勤 治 郎 ・松 田 和 雄
物 を 得 るに 到 つ
較 した 結 果,CM化
物 で は1,500mg/kg静
傾 向が み られ た が,静 脈 内 投 与(100mg/kg/day×10)に
よつ て は ほ ぼ 同 程 度 の 効 果 が 観 察 され,こ
用 を 認 め たCandidrx
性 は 全 くnegativeで
あ つ た 。 作 用 機 作 に 関 す る実 験 成
あ る との 結 論 に到 つ た 経 過 は す
1)
第16回
2)
日本 癌 学 会 総 会 記 事P. 259(1968)
者 に よ り報 告 され て い る一 連 の この 種 多 糖 体 画 分 の 有 効
3)
Gann
成 分 を 概 観 して み る と,抗 腫 瘍 性 発 現 に とつ て あ る特 定
4)癌
の 種 類 の糖 は 必 ず しも不 可 欠 の 条 件 では な い とい う想 定
が よ り確 か な もの に 思 わ れ るに 到 つ た 。
そ こで 次 に 分 子 の大 き さ,な い しは 重 合 度,結 合 様 式
60(3)(1969)掲
K-6) Dのin
uitroの
作用 につい
て
来 の 本有効画
有 沢 永 二 ・大 西 峰 雄 ・里 見
高 井 新 一 郎 ・東
来 の そ れ とは 分
隆
弘 ・陣 内伝 之 助
大阪大学 陣内外科
子 の微 細 構 造 を 異 にす る こ とが 免 疫 学 的 方 法 に よ り最 近
抗原性
わ れ わ れ は 腫 瘍 組 織 の 核酸 合 成 に 対 す る抑 制 効 果 を指
子 の 側 鎖 で あ る こ とが 証 明
標 と した 制 癌 剤 感 受 性 試 験 を 考 按 し,数 年 前 か ら基 礎 的
明 ら か に され て お り,い つ ぼ う,酵 母mannanの
さ れ て い る こ とか ら,少 な く と も酵 母mannanの
場合
そ の抗 腫 瘍 性 発 現 の た め に は,酵 母 の種 類 如 何 を 問 わ ず
mannoseの
糖 類 の抗
核 酸 の 生 合 成 に 対 す るactinomycin
来 の 対 応 す る画 分 と の 比 較 を試
を 左 右 す るの はmannan分
載 予定
癌 効 果 の 批 判"
ず れ に も抗 腫 瘍 性 が 認 め られ た。Candida
由 来 のmannanとSaccharomyces由
日本 化 学 療 法 学 会総 会 発 表(1968)
の基 礎 的 研 究 班 主 催Symposlum"多
あ る い は立 体 構 造 と の関 連 性 の 如 何 が 問 題 とな る。 まず
分 子 構 造 との 関 連 に お い て,Candida由
の 場 合 に も毒
績 は 割 愛 した 。
で に 報 告 した と こ ろ で あ る1,2,3)。
著 者 ら お よび 他 の 研 究
み た結 果,い
つ ぼ う,そ の
抗 腫 瘍 性 は 腹 腔 内 投与 で は も との画 分 よ り幾 分 低 下 す る
utilis熱 水 抽 出物 に 関 す る一 連 の成 績 か ら,そ の 有 効 成
分 とSacchczromyces由
脈 内 投与 に
よつ て も,な ん ら毒 性 の 発 現 を 認 め ず,い
宮 尾 興 平
エ ーザイK. K.
分 が α型 のmannanで
の
導 入 が証 明 され た 製 品 に つ い て,毒 性 と抗 腫 瘍 性 とを 比
武
小 川 和 鋭 ・清 岡 繁 夫
山陽パ ルプK.K.
最 も強 力 な 抗Sarcoma 180作
と してCarboxymethyl(CM)化
た 。 す な わ ち,赤 外 線 吸 収 ス ペ ク トル の 上 にCM基
東北大,農 学部
平 井 秀 夫 ・小 熊
る限 りわ れ わ れ の成 績 も一致 す る もの で あつ た が,た ま
た ま投 与 ル ー トに よる 効果 の 比 較 に 際 して,静 脈 内投 与
α-(1→6)結 合 か ら な る主 鎖 と そ れ よ り分 岐
な 実 験 を 行 な い,そ
方 法 は,ま
した α-(1→2)結 合 の 側 鎖 を 含 め た 基 本 構 造 がessential
厚 さ500μ
な もの の よ うに思 わ れ る。
TC199の
次 に 分 子 の大 き さ との 関 連 如 何 に つ い て,ま ず 本 有 効
画 分 の 硫 酸 に よ る部 分 加 水 分 解 の 後MtOHに
よ る分 別
せ,さ
ず 切 除 材 料 か らStadieRiggsのslicerで
の 切 片 を作 り,20%非
ら に14C-formateを
た 。 そ の 後,取
NHAUSER法
MtOH沈
活 性 をliquid
180作 用 が 明 ら
働化牛血清添加培地
な か で 各 種 制 癌 剤 を37.5℃
沈 殿 を 行 な つ て3区 分 を 得 た 。 こ れ ら の 中70∼90%
殿 区 分 で は,そ の 抗Sarcoma
の成 績 に基 ず い て,臨 床 へ の応 用 を
試 み て き た。
で4時 問 作 用 さ
添 加 して1時 間incubateし
り出 した 腫 瘍 切 片 か らSCHMIDT-THAN-
でRNA
,DNA分
画 を 得 て,各 分 画 の 放 射
scintillateon counterで
測 定 す る もの で
か に 低 下 す る事 実 が 観 察 され た。 い つ ぼ う,こ の 区 分 は,
霜
も と の画 分 の約1/6の
大 きさの分子構成 である こ とか
あ る。
ら,抗 腫 瘍 性 発現 の た め に は 分 子 の あ る程 度 以上 の 大 き
この 方 法 を 用 い て感 受 性 試 験 を 行 な い,in
さ が 要 求 され る可 能 性 が 伺 わ れ た 。
と腫 瘤 の 変 化 を主 体 に して 判 定 した 臨 床 効 果 との対 比 を
現 在 まで,悪 性 リ ンパ 腫,乳 癌,胃 癌 な ど約40例
に
vitroの 成 績
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
行 な つ た 。 そ の 結 果,感
一 致 す る も の が86%で
受 性 試 験 の 成 績 と臨 床 効 果 と が
あ り,こ の 試 験 法 に よ り適 応 制
癌 剤 を 充 分 選 択 し う る 成 績 を 得 て い る 。 さ ら に,感
371
静 脈 内 に 投 与 し て 癌 細 胞 のCellcycleの
受性
術 前 動 脈 内 投 与 は 手 術 数 日前 に 膀 上 数cmの
試 験 の臨 床 的 応 用 の範 囲 を拡 げ るた め に そ の 方 法 の 簡 便
cmの
化 や,適
浸 潤,腹
応 薬 剤 の 種 類 を 増 や す こ と な ど に つ い て,種
の 検 討 を 行 な つ て お り,今
回 は,actinomycin
に つ い て の 基 礎 的 な 検 討 を 試 み,次
々
D(Act.
D)
の よ う な成績を得
ま ず,腹
Dと4時
水 肝 癌AHI
30の
浮 遊 細 胞 を,各
間preincubationし,各
添 加 し,さ
と し て3H-uridineで
Act. Dは0.2
濃 度 のAct,
種 のlabelledprecur-
ら に1時
間incubateし
に 対 す る影 響 を み た 。RNA合
て,核
膜,肝
へ の 転 移,腹
gastroepiploica
Polyethylene
水 の 有 無 等 々 を 観 察 し た 後,
dextraに
tubeを
処 に 約3
発 巣 の 大 き さ ・漿 膜 へ の
内 径1.0∼1.2mmの
順 行 性 或 い は 逆 行 性 に 挿 入 し,次
も,14C-formateを
mcg/mlの
用 い て も,
mcg/mlの
した 場 合 に も,DNA合
した 場 合
成 はuridzneをprecursorと
前6∼24時
類 のAntidote
11例,静
脈 内 投 与 症 例 は6例
で あ る。 手 術 時 執 刀 直 前
metaphaseの
説 と に 依 れ ば,赤
cycleは1∼2日
間 と し,
5mg/kg,1∼
間 に 行 な つ た 。 動 脈 内 投与 症 例 は
合 とKILLMANの
timeを1時
墨4C-fommateをprecursomと
2回,術
濃 度 でDNA
作用 時間に よる核酸合成 に及
繧 す 影 響 を み る と,preincubation
で あ り穎 粒 球 系 細 胞 の そ れ は1∼4日
と な り他 の 方 法 で 求 め た 値 と ほ ぼ 一 致 し た 。 手 術 時 摘 出
し た 標 本 か ら 十 二 指 腸 ・胃 幽 門 部 ・胃 体 部 の 正 常 と考 え
ら れ る 粘 膜 と腫 瘤 を 直 ち に 切 除 し 中 性Formalinに
色 或 い はFeulgen染
,RNAお
よ び
し たRNA合
成抑
剤 投 与 症 例 の 対 照 と し て 術 前 無 処 置 の 胃 癌 ・胃 潰 瘍 症 例
のArrested
間 に す る と,RNA,DNA合
成 と も著
明 に 抑 制 され た 。 こ れ ら の 点 に つ い て は,今
後 さ ら に検
み な ら ず,DNAへ
の と
"/込 み に 対 して も 影 響 を 与 え る こ と を 認 め た 。
130,AH
種 を 用 い,in vitroでAct.
を 検 討 した 。AH
Dの
130で
vivoに
よび吉 田 肉
核酸 合成に対す る影響
はRNA,
に 抑 制 さ れ る の に 対 し,AH
程 度 は 弱 く,in
7974お
DNA合
7974,吉
お い てAct.
成 と もに 著 明
田肉腫では抑制 の
Dの
線 で み た 成 績 と よ く対 応 して お り,Act.
効 果 を生存 曲
Dに
あ つ た が,本
割 合 は,十
つ い て も,
indexよ
二 指 腸 ・胃 幽 門
剤 投 与 症 例 で は そ れ ぞ れ5.1∼8.2
%,4.4∼9.8%,2.7∼7.3%で
Dは14Gformateをprecursor
水 肝 癌AH
2.1%で
metaphaseの
色 を 行 な つ た。 本
部 ・胃 体 部 で そ れ ぞ れ2・1∼2・9%,1.8∼2.7%,1.4∼
そ こ で,腹
よる
固 定 後H-E染
Liontimeを4時
と す る こ と に よ つ て,RNAの
割
血 球 系 細 胞 のCell
制 に み ら れ る ほ ど著 明 な 抑 制 は な か つ た が,preincuba-
討 を 必 要 と す る が,Act.
blueの
約
与 終 了 前 後 に3種
の 胸 骨 穿 刺 に よ る 骨 髄 像 のArrested
成 抑 制 は い つ そ う明 ら か に 認 め
Dの
か け て 投 与 し,投
し てDNA合
合 成 抑 制 が 認 め ら れ る が,14C-formateをprecursorと
ら れ た 。 さ ら にAct.
180分
を 点 滴 静 注 し た 。 静 脈 内 投 与 は0.15∼0.4
濃 度 で著 明 な 抑 制 効 果 を 示 し
成 に 対 す る 影 響 を み る と,0.2
を 結 紮 し 閉 腹 す る 。 薬 剤 流 入 の 程 度 はEvans
注 入 に よ り 確 認 し た 。Vinblastineは6∼12mgを
酸合成
成 に 対 し て は,precursor
た 。 ま た,3H-thymidineをprecursorと
ANA合
A.
正 中 小 切 開 を 行 な い,原
い で 腫 瘤 内へ の 薬 剤 流 入 度 を高 め るた め に 大網 へ の 分 枝
た。
sorを
測 定 と癌 細 胞
増 殖 の 抑 制 に関 して検 討 を 加 え た 。
あ
り,こ
のMitotic
りそ れ ぞ れ の 部 位 の 粘 膜 細 胞 のCell
cycleを
算 出 す る と,そ
れ ぞ れ ほ ぼ4∼5日,4.5∼5,5日,5∼
8日
の 方 法 で 求 め た 値 と良 く一 致 し て お り,
と な り,他
本 法 の 妥 当 性 が裏 付 け られ た 。
本 剤 投 与 に よ る 胃 癌 細 胞 の 変 化 は 典 型 的 なMetaphase
arrestの
状 態,Ball
metaphase,Clumped
等 か ら さ ら に 進 ん で 全 く破 壊 され て
たChromosomeを
metaphase
「ば ら ば ら 」 に な つ
持 つ た 細 胞 も多 く見 られ るた め 悪 性
核 酸 合 成 抑 制 を 指 標 と す る 感 受 性 試 験 が 可 能 で あ る と思
腫 瘍 細 胞 の増 殖 抑 制 あ る い は 崩 壊 す る 目的 は 充 分 に 達 せ
わ れ る。
られ て い る。
K-7) 術 前Vinblastine投
与 に よ る癌 細
胞 の世 代 時 間 測 定 に つ い て
次 い で 胃 癌 細 胞 のMitotic
indexは0.9∼10,6%と
正 常 胃 十 二 指 腸 粘 膜 に 較 べ て 分 布 が 広 い た めCell
も 約5∼100日
Mitotic
cycle
くら い の間 に 分 布 して い る。
indexが3%以
下 は17例
中8例
で 他 の9例
足 立 倫 康 ・綿 貫 重 雄 ・伊 藤 健 次 郎
藤本
茂 ・今 留
榎 本 勝 之 ・前 島
斉藤
滉 ・朱
淳 ・渡 辺
顎
清 ・大 河 原 邦 夫
明 仁 ・野 村 泰 将
千葉大学医学部綿貫外科
胃 癌17症
例 に 術 前 にVinvlastineを
は4.1∼10.6%で
あ つ た 。3%以
Nondividing
めCell
∼25.0日
compartmentと
cycleも100日
前 後 で あ る が,他
の 間 に 分 布 し て い る 。3%以
例 は10.6∼15.1日
動 脈 内或い は
下 の8例
算 出 され た 。
の 内2例
は
見 られ る組 織 群 が 多 い た
の 間 で あ り,4例
の6例
上 の9例
は5.0∼8.6日
は16.7
の 内5
と
CHEMOTHERAPY
372
以 上,Vinblastineの
腫 瘍 細 胞 のCell
cycleが
時間内 に
測定可能 であ るた め患者 の予
1.
木 村 嬉 代 二(国
Cell
cycleの
と,長 時 間 血 中 に 存 在 す る こ と,尿 か ら 排 泄 率 が 高 率 で
24時 間 以 内 に33%以
れ る こ と等,多
立 が ん セ ン タ ー 病 院)
がVinca
え る が,Vinflastine使
alkaloidよ
り適 当 と考
用 には 何 か 特 別 の 目的 が あ る
等に高濃度証明 さ
くの 興 味 あ る特 徴 が 見 出 され て い る。
い つ ぼ う,Bleomycinの
研 究 に は コ ル ヒ チ ン 系 の 抗 癌 剤,
例 え ばColcemid等
上 が 尿 か ら 回収 され る こ と,臓 器
内 分 布 を抗 菌 性 で 測 定 す る と皮 膚,肺
後 判 定 の 重 要 な 指 標 と な り得 る 。
〔質 問 〕
臓 器 内 分 布 をBioassay法
よ り測 定 した 値 とH3-Bleomycinの
測 定 した 値 とは0致
Myeloid系
Erythroid系
てcell
は 骨 髄 芽 球,前
は 塩 基 性 赤 芽 球,多
cycleを
び2,3の
髄 球,
染性赤芽球 等に分類 し
しな い 点 が あ る。
1)
藤
Co1cemidに
本
茂(千
2.
cutのdataが
Myeloid
し てArrested
が 約4∼5倍
3.
3)
た。 後 者 の ほ う
く ら い 高 いMitotlc
今 後,骨
rateを
D等
に比 し弱 い。
紋 筋,睾 丸,血 球 等 に
不 活 性 化 率 の差 は そ れ ほ ど大 き くな い。
cell groupと
metaphaseをcountし
Actinomycin
臓 器 別 で は 脾,肝,胃,横
比 較 的 弱 い 。 しか し不 活 性 化 の 強 い臓 器 と弱 い臓 器 との
得 ら れ た も の と 思 う。
cell groupとErythroid
5 Fu,
各 臓 器 毎 の組 織 乳 剤 に よ る不 活 性 化
よ る不 活 性 化 が 比 較 的強 く,肺 や 皮 膚 に よる不 活 性 化 は
売 し て い な い の で 出 来 な か つ た 。 お そ ら くVinblastine
よ りclear
2)
在発
不 活 性 化(抗
つ き実 験 し,次 の結 果 を 得 た 。
Bleomycinの
はMMC,
大 綿 貫 外 科)
よ る 方 法 も試 み た か つ た が,現
回 は 各種 組 織 乳 剤 及
化 学薬 品 に よ るBleomycinの
菌 性 の 低 下)に
観 察 され た い。
〔答 〕
1.
骨 髄 球,骨
に
放射性活性 に よ り
これ らの 原 因 を解 明 す るた め,今
か。
2.
1970
果 か ら,本 剤 は他 の 抗癌 剤 に 比 し最 高 血 中 濃 度 が 高 い こ
術 前 投 与 は 術 前 に癌 細 胞 の 破 壊
な い し増 殖 抑 剃 の 効 果 を 発 揮 す る と 同 時 に,短
JULY
Bleomycinの
不 活 性 化 は 反 応 温 度 が 高 い ほ ど著 明
で あ る(100℃>56℃>37℃>0℃)。
示 した 。
4)
髄 血 の標 本 を 見 直 した い 。
肝 乳 剤 を用 い た実 験 では 組 織 を 蒸 留 水 で 透 析 して
も,不 活 性 化 能 は 完全 に は 消 失 しな い。
K-8) HeLa細
Cの
胞 に 及 ぼ すMitomycin
5)
6)
加
藤
純
彦
徳 島大学耳鼻科
7)
N
徳 島大学中研 電顕室
CのHeLa細
C
胞 の微
細 構 造 に 及 ぼ す 影 響 を 電 子 顕 微 鏡 所 見 を 指 標 と しで 観察
して,次
(1)
Mitomycin
Cを
作 用 させ たHeLa細
先 ず 核 小 体 に著 朋 な 変 化 が み られ,次
胞 に は,
い で糸 粒体 に 現 わ
核 小 体 の 変 化 は 塊 状 凝 集 化,容
(2)
Mitomycin
CのHeLaに
量 の減 少 で あ る。
及ぼす影 響には直接
果 と間 接 効 果 が あ る。
K-9∼21 等 のSH物
8)
マ ウ ス を 用 い てBleomycinの
田
条 件 で 検 討 す る と,Glutathion,
rateはCysteine処
以 上 の 成 績 か ら,組
a-Thlola処
不 活 性 化 に つ い て
浩 ・沢 部 孝 昭
織 乳 剤 に よ るBleomycinの
性 化 は 組 織 中 の 化 学 物 質 とBleomycinと
た,本
剤 はSH基
不活
の 吸 着,結
合
お よ びPhosphateと
強 い 親和 性 を 示 す こ とが 判 明 した 。
〔質 問 〕
星
野
章(愛
知 県 が ん セ ン タ ー)
対す る
Mitomycin
Thiof
C耐
TEPA,
Nitromin等
性 株 はBieomycinと
の耐 性 株 お よ び
不完全 な 交叉耐
作 用 が アル キ ル 化
剤 と 類 似 し て い る こ と を 推 定 し て い る。 演 者 の 成 績 か ら
土 田 裕 子 ・木 村 禧 代 二
Bleomycinの
理 群 の
置 群 に 比 し大 で あ る 。
わ れ わ れ は 吉 田 肉 腫 の 耐 性 株 のBleomycinに
国 立 が ん セ ソ タ ー臨 床 検 査 部,細 菌,内
示
急 性 毒 性 を 各種 の
性 を 示 す こ と を 認 め,Bleomycinの
藤
存 在 下 でincu-
交 叉 耐 性 を検 討 した所 アル キ ル化 剤 の耐 性 株 す な わ ち
ブ レオ マ イ シ ン そ の 他 臨 床
Bleomycinの
質 とPhosphateの
され る所 見 が得 ら れ た 。
Endoxan,
K-9) α-Thiola, Glutathion,
る と 不 活 性 化 さ れ る 。 こ の 場 合 も,3),5)に
に よ り生 じ,ま
れ,空 胞 形 成 は さ ら に遅 れ て 発 現 す る。
質 を 添 加 したDNAにBleo-
BleomycinはCysteine,
Survival
の成 績 を得 た 。
のSH物
加 え る と,そ の 抗 菌 性 は 減 弱 す る。
bateす
胞 の培 養 液 に100mcg/mlのmitomycin
を一 定 時 間 作 用 させ,mitomycin
Cysteine等
S204
a2
不 活 性 化 はCup+や
よ り抑 翻 され る。
mycinを
藤 本 道 正 ・樫 山 達 夫
HeLa細
肝 乳 剤 に よ るBleomycinの
Zn++に
影 響 に 関す る電 子 顕 微 鏡 的 研 究
Bleomycinの
科
体液中及び臓器 内の濃度分布 の実 験 結
〔答 〕
作 用 機 序 は 如何 な る もの と考 え るか 。
藤
田
浩(国
ブ レ オ マ イ シ ン は,SHやphosphateと
立 が ん セ ン タ ー)
の強 い 親和
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
性 を 有 す る こ とな ど か らalkyl化
がalkyl化
剤 と 似 て い る が,「B1
剤 で あ る か ど うか 」に 関 し て は 未 だ 判 ら な い 。
〔質 問 〕
江 崎 柳 節(名
不 活 性 化 をantimicrobial
そ の 不 活 性 化 の 薬 剤 でcytologicな
測 定 した 場 合,
藤
田
浩(国
と し て,ど
膚 癌1例
で あ り,Bleつ 静 注 した が,
shot注
入を試みた。
臨 床 的 効 果 と して 新 鮮 例 の舌 癌,陰 茎 癌 の 各1例
宮 頸 癌 鎖 骨 上 窩 転 移2例
症 例 で は,舌 癌 の2例,皮
立 が ん セ ン タ ー)
共 は 今 回 は抗 菌 活 性 の 不 活 性 化 を 指 標
の 組 織 と ど の く ら い 結 合 す る か,ど
質 と強 い 親 和 性 を 有 す る か,を
鮮 例),皮
原 則 と して,週2回15m9ず
に著
で はCo60治
療 を 併 用 し,一 時 的 に 腫 瘤 の消 失 を み た 。 そ の他 の再 発
ブ レ オ マ イ シ ンは 抗 癌 活 性 と抗 菌 活 性 の 両 方 を 持 つ て
い る 。 そ こ で,私
茎 癌1例(新
効 が 認 め られ,子
面 のinactivation
と一 致 す る 関 係 に あ る か ど う か 。
〔答 〕
3例),陰
omycinは
症 例 に よ り動 脈 持 続 注 入,one
市 大1外)
activityで
373
の化学物
主 目的 と して検 討 した の
で あ る。
膚 癌 の1例 を 除 き,一 時 的 の
効 果 が 認 め られ た 。
この うち,投 与 前 後 の 病 理 組 織 像 を 検 討 で きた 症 例 は,
新 鮮 な 舌 癌,陰 茎 癌 の 各1例
と再 発 舌 癌 の3例 で あ る。
新 鮮 舌 癌 の症 例 で は,治 療 前 の 組 織 像 は,角 化 扁 平 上
皮 癌 で あ り,Bleomycin45mg投
抗 菌 活 性 の 失 な わ れ た ブ レオ マ イ シ ン が,抗
癌 活性を
浮 腫 性 変 化,胞
与 後 で は,癌 胞 巣 の
体 の 空 胞 形 成 が 認 め ら れ た 。60mg投
失 な つ て い る か ど うか は 動 物 腫 瘍 を 用 い て 現 在 実 験 中 で
与 後 か ら潰 瘍 の 縮 小 を み た こ と と,他 の症 例 に お け る変
あ る。
化 を 考 え あ わ せBleomycin投
〔討 論 〕
梅 沢 浜 夫(予
BleomycinはRSHが
反 応 したDNAに
の 結 果DNAの
与 初 期 の変 化 と 考 え る。
一 時 的 効 果 の あ つ た 再 発 舌 癌(角 化 扁 平 上 皮 癌)で は
研)
反 応 し,そ
鎖 に き れ め が 入 る 。 重 鎖 のDNAを1
Bleomycin持
続 動 注180
mg,静
注120
め て低
癌 組 織 の 崩 壊 が 著 明 で,浮 腫 状 の変 化 が あ り,癌 細 胞 核
き られ て い る こ とが わ か る 。 こ の 濃 度 は
の染 色性 が 低 下 し,核 質 は 一 様 に うす く染 色 され,核 構
濃 度 でDNAが
細 胞 分 裂 阻 害 よ り低 濃 度 で 起 こ る 。 こ れ がBleomycin
造 が不 明 瞭 に なつ て い る。Bleomycinを
の 作用 機 転 で あ る。 藤 田 博 士 の 組 織 の不 活 化 の現 象 も上
た 場 合 の 変 化 を考 え る。
記 と 同 じ要 因 で 起 こ る と 思 わ れ る 。Bleomycinの
に 関 し,Bleomycinは7個
ら で き,こ
造 は わ か つ て い る が,ア
み られ な い 。 ま た,ア
れ ら構 成 成 分 の 構
ル キ ル 化 を 起 こ す とい う作 用 は
ル キ ル 化 の 阻 害 とい う こ と も特 に
現 在 考 え る き そ は な い 。Bleomycinの
てPermeabilityと
構造
の ア ミ ン,L-gulose,3-0-
Carbamoy1-D-mannoseか
交叉耐 性 に つ い
そ の 細 胞 のInactivationの
両 面 を
考 え て実 験 して 欲 しい 。
Bleomycin治
科
婦人科
相 当 量 投与 し
供 覧 の 第3症 例 は,両 鼠 径 リ ンパ 節 に 転 移 の あ る 大 き
な 新鮮 陰 茎 癌 で,未 分 化 型 の 扁 平 上 皮 癌 で あ る。Bleomycin
495 mg静
注 した が,臨 床 的 に95m9投
与時よ
り腫 瘤 の縮 小 が あ り,著 効 が あ つ た 。 頻 回 に お こな つ た
生 検 標 本 で は,前 例 と同 様 も し くは そ れ 以 上 の 変化 が あ
り,癌 細 胞 の 崩壊 は 強 か つ た 。 しか し0部 で は あ るが,
390mg投
与 時 に お い て も変 化 の な い 部 分 が 証 明 さ れ,
この 部 の組 織 像 は,投 与 前 に み た もの と異 な る型 の もの
療症例 の病 理組織
学的検 討
外
で あ つ た 。 この こ とは,1つ
あ る場 合,併
の 症 例 で も異 な る組 織 型 の
用療 法 の必 要 を 考 え させ た 。
以 上,供 覧 したBleomycin投
大 向 良 和 ・鄭
則 之
富 山 要 介 ・芝
茂
以 上,要
約 す るにBleomycin投
早 期 に,胞 巣 の 浮 腫 性 変 化,胞
田 守 陳 哉 ・森 山 郁 子
扁平 上 皮 癌 に対 す るBleomycinの
与 後 の組 織 像 の 変 化 は,
他 の 再 発 舌 癌 に も軽 度 な が ら認 め られ た 。
後には核 の変化一
松 本 精 二 ・須 川
借
大阪大学 微生物病研究所臨床研究 部
与 に よつ て,比 較 的
体 の 空 胞 形 成 が み られ,
核 の膨 大,染
色 性 の低 下 が あ り,一
様 に うす く染 色 され 核 構 造 が 不 明 に な る一
が 先 行 し癌
細 胞 の 崩 壊 が お こ る と考 え,こ れ は 梅 沢 ら に よつ て,明
秀れた効果 はすで
らか に され たBleomycinのDNA合
成 阻碍の機作 に よ
に報 告 され て い る。 わ れ わ れ も早 くか らそ の成 績 を 追 試
る と思 わ れ る。 こ の よ うな変 化 を 生 検 に よ り認 め れ ば,
してい るが,と
Bleomycinの
くに投 与 前 後 の 病 理 組 織 学 的 所 見 を 検 討
効 果 を 予 測 し得 る と考 え る。
し,比 較 的 早 期 か ら特 異 的 な 変 化 の あ る こ とを認 め た の
〔
質 問〕
で報 告す る。
皮 膚 癌 に 対 す るBleomycinの
扁平上 皮 癌 で,Bleomycin
癌4例(う
,
与 し,
臨 床 的 に0時 的 の効 果 を得 た が,投 与 後 の 組 織 像 で は,
鎖 に す る ア ル カ リ蔗 糖 匂 ば い 法 で し らべ る と,極
K-10) mg投
ち 新 鮮 例1例),子
200 mg以
上 投 与 例 は,舌
宮 頸 癌7例(う
ち新鮮 例
徳 田 安 章(信 大 皮 膚 科)
治 療 経 過 に応 じて の 生
検 に よる組 織 変 化 を 追 究 す る と,確 か に 演 者 の 述 べ られ
た よ うな細 胞 質 の 空 胞 様 変 化 が 見 られ るが,い
つ ぼ う,
CHEMOTHERAPY
374
リンパ 管 内 の 転 移 しつ つ あ る と思 わ れ る癌 細 胞 に は ほ と
ん ど変 化 が 見 られ な い 。 こ の 点 演 者 の見 解 を 伺 い た い 。
〔
答〕
大 向 良 和(阪
転 移 巣 に はBleomycinが
ンパ 節
効 果 が 低 い と考 え る。 こ の こ
とはわ れ わ れ の 症 例 で も認 め られ た こ とで あ る。
ろ,陰 茎 原 発 巣 は95
ンパ 節 は200mg投
mg投
与 した と こ
与 に よ り縮 小 し始 め た が リ
与 した 頃 か ら縮 小 し始 め た 。 組 織 学
的 に み て も陰 茎 原 発 腫 瘍 に対 す る効 果 の ほ うが リンパ 節
木 村 嬉 代 二(国 立 が ん セ ン タ ー病 院)
演 者 の 示 され た 組 織 像 の 変 化 は わ れ わ れ の 化 学 療 法 の
効 果 を判 定 す るた め の組 織 学 的 規 準 に従 が え ば 第1度
胞
成 を特 異 的 に 抑 制 す る と報 告 し て い る 。In
vivoに お い て も投 与 した ブ レオ マ イ シ ンは 皮 フ に高 濃 度
に 分 布 し,そ こ で 核 酸 合 成 系 に何 ん らか の形 で抑 制 的 に
今 回 の 我 々 の実 験 は ブ レオマ イ シ ン投 与 後 の 早 期 の 細
胞 変 化 を,と
くに メチ ル コ ラ ン トレ ンで 誘 発 した マ ウ ス
の 皮 フ腫 瘍 を 中心 に,光 顕 的 ま た は電 顕 的 に さ らに オ ー
トラ ジ オ グ ラ フ ィ ーを 用 い て検 索 した 。
ブ レオ マ イ シ ン投 与 後 光 顕 的 に は 皮 フ癌 の 基 底 細 胞 ま
た は 棘 細 胞 層 で塩 基 性 の低 下,と
転 移 のそ れ よ り強 か つ た 。
〔質 問 〕
発 見 者 の 梅 沢 等 に よ る とブ レオ マ イ シ ンはHela細
働 き,そ れ が 制 癌 作 用 の 本 能 で あ ろ う と思 わ れ る。
ひ じ よ うに 大 き な陰 茎 癌 で両 ソケ イ リンパ 節 転 移 を 伴
な つ て い た が,こ れ にBleomycin495mg投
1970
多 い。
のDNA合
大 微 研 外 科)
リ ンパ管 内 腫 瘍 細 胞 の問 題 は わ か らな い が,リ
JULY
に
くに 核 の 塩 基 性 低 下 が
目だ つ た 。 さ ら に 核 は 膨 化 し核 小体 が 目だ つ た 。
電 顕 的 に も核 の 変 化 が著 明 で ク ロ ニ チ ンが 減 少 し核質
の電 子 密 度 が 著 る し く低 下 して い た 。 こ の変 化 は ブ レオ
相 当 す る と考 え られ る。 患 者 の 予 後 は ど うか 良 く検 討 し
マ イ シ ンの 作 用 を うけ 細 胞 で はDNAの
存在様式 に何ん
て欲 しい 。
ら か の 変 化 が お こ る可 能 性 を 示 唆 す る も の と思 わ れ る 。
〔答 〕
大 向 良 和(阪 大 微 研 外 科)
こ の ク ロマ チ ンの 減 少 と と もに しば しば 核 小 体 の変 化 が
Bleomycinの
効 果 が 強 く組 織 的 に み て 全 く癌 細 胞 が 消
見 られ た 。 核 小 体 は 縮 少 し球 形 化 しnucleolar
失 し結 合 織 で置 換 え られ た よ うな 部 分 は 多 く み ら れ た
が,そ
の よ うなSlideは
はBleomycinが
本 日お 見 せ し な か つ た 。 本 日
どの よ うに して 癌 細 胞 の 崩 壊 を もた ら
す か とい う点 を 明 らか に す るSlideを
Bleomycinの
示 した 。
効 果 あ る組 織 型 と し て 分 化 型 の 扁 平 上
segrega-
tionの 形 を とる。
こ れ はmibosomal
SRNAの
RNAのprecursomで
あ る45
合 成 障 害 を意 味 す る も ので あ る が,こ れ は ブ レ
オ マ イ シ ンに よ りDNAのdenaturationが
お こ りDNA
の イ型 活 性 が低 下 した た め な の か,ま た は ブ レオマ イ シ
皮 癌 を あ げ た い 。 未 分 化 型 に な るほ ど効 果 は な い と考 え
ンが ア クチ ノマ イ シ ンD等 と同 様 に 直 接的 にRNApoly-
て い る,症 例 数 は 少 な い の で 確 言 で き な い。
meraseの
ま た演 説 で のべ た よ うに 大 きな 癌 で は組 織 型 を 異 にす
る 部 分 が な い 。 そ れ に よ りBleomycinの
効果が異 なる
場 合 が あ り併 用 療 法 を考 え ね ば な らない 。 小 さな 癌 は 比
較 的Unifommで
あ る の でBleomycinだ
け よ く効 果 が
活 性 を 抑 制 して い るの か は 不 明 で あ る。
しか し とに か くribosomalRNAの
合 成 は 低 下 して お
り光 顕 的 に は 細 胞 質 の塩 基 性 低 下,電 顕 的 に はribosome
の減 少 と し て認 め ら れ る もの と思 わ れ る。
H3-uridineを
用 い て行 な つ た オ ー トラ ジ オ グ ラフ ィ
ー の基 底 細 胞 核 に お け るgramcounting結
ある。
どの よ うな程 度 で 癌 細 胞 は 死 滅 す る か は 明 らか で な い
が,Slideで 示 した 胞 体 の空 胞 形 式 程 度 な らばreversible
で あ るが,た だ い ま述 べ た 核 の変 化 が で て くる とinrerersibleで
dineの
と りこみ はbleomycin投
に 比 し60%に
以 上,マ
この よ うな変 化 は 初 期
か らお こ る こ と よ り早 期 のbiopsyに
よ りそ の 効 果 の あ
ウス の 皮 膚 腫 瘍 に つ い て で あ るが,ク
ブ レオ マ イ シ ン投 与 後 マ ウ ス の 肝 細 胞 核 は 著 明 に膨 化
し核 小 体 は ち りぢ りに 分 散 して い た 。
nucleolar segregationカ
マ ウス 皮 膚 癌 に 対 す る ブ レオ マ
イ シ ソ の電 顕 的 研 究
与 後3時
勝
洋
札幌医大病理
ブ レオマ イシ ンは扁平上皮癌 に対 し著 明な制癌作用 を
示 すが,そ の作用機序 の精 細につ いては未 だ不明 の点 が
ミ
見 られ た 。
In nitroで も 同 様 でBHK
間 か ら核 の膨 化,ク
segregateonが
川
ロマ チ
ヒ トの舌 癌 に つ い て も ブ レオ マ イ シ ン に よ る 治 療 後
る型 を 予 言 し得 る と考 え てい る 。
小
間 でcontroi
低 下 して い た 。
ンお よ び核 小 体 の 変 化 は 他 の細 胞 系 に も見 られ た 。
あ る と思 わ れ る。
な お 追 加 す る がBleomycinの
K-11) 与 後24時
果 で はumi-
21で
は ブ レオマ イ シ ン投
ロマ チ ンの減 少,nucleolar
見 られ た 。
以 上 の 変 化 は どの よ うな 生 化 学 的 変 化 と対 応 す る か は
不 明 で あ るが ブ レオ マ イ シ ンは 何 ん らか の形 で 核酸 合 成
系 に 作 用 し核 酸 合成 を 障 害 す る こ とを示 咳 す る所 見 と思
わ れ る。
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
〔質 問 〕
木 村 嬉 代 二(国
Bleomycin投
立 が ん セ ン タ ー 病 院)
与 後 細 胞 質 内 に 変 化 は 認 め られ な い か 。
〔答 〕
小 川 勝 洋(札
医 大2病
tion)等
出 現,FCD(focal
degrada-
ブ レオ マ イ シ ンに よる 肺癌 の 治 療
岡
捨 己 ・佐 藤 和 男
中 井 鮪 之 ・栗 田 健 吉
外科
橋 本 邦 久 ・押 部 光 正
東北大学抗酸菌病 研究所
市 川,梅 沢 両 先 生 は,ブ
月 に な るが 胸 部X線
写 真 そ の他 で何 ら再 発 の
徴 候 の な い著 効 例 であ る。
症 例2は,59才
の男 子 で,咳 蹴 を 主 訴 と し て 来 院 。
胸 部X線 写 真 で は,右 肺 上 野 の 無 気 肺 像 を呈 し,気 管 支
遅 れ て あ らわ れ る よ う に 思 わ れ る 。
内科
写 真 で消 失 し,
気 管 支 造 影 上 陰 影 欠 損 像 も改 善 し,気 管 支 鏡 下 で,腫 瘤
退 院 後9ヵ
cytoPlasmic
の 変 性 性 変 化 が 見 ら れ る が これ ら は 核 の 変 化 に
K-12) 肺 門 上 部 の腫 瘤 状 陰 影 無 気 肺 陰 影 は,X線
が 完 全 に消 失 し,上 葉 支 口 は 開 通 し,自 覚 症 状 も消 失 し,
理)
細 胞 質 に もmitochondriaのswellingやsecondary
lysosomeの
375
造 影 で は,右 主 気 管 支 に 巨 大 な 陰 影 欠 損 が み られ,肺
ス
キ ャ ンニ ソ グで も患 側 血 流 の 著 明 減 少 を み た の で,ブ
レ
オ マ イ シ ソを2ク
ー ル 使 用 した とこ ろ,無 気 肺 陰 影 の改
善,気 管 支 造 影 上 陰 影 欠 損 の 著 明 改 善 と共 に,肺
スキ ャ
ン ニ ン グで も患 側 血 流 の著 明 増 加 がみ られ,同 時 に 肺 機
能 面 で 換 気 の 改 善 を み た 有 効 例 で,退 院 後7ヵ 月 現 在,
健 康 に過 して お る。
レオ マ イ シ ンが 扁 平 上 皮 癌 に
有 効 で あ る こ と と,肺 に 高 濃 度 に分 布 し,し か も不 活 性
以 上,総
括 す る と,ブ
化 され 難 い とい う点 か らブ レオ マ イ シ ンが 肺 癌 に も有 効
〔質 問 〕
で あ ろ う と推 論 さ れ て お るが,我
Bleomycinの
々は これ まで,切 除 不
レオ マ イ シ ンは 扁 平 上 皮 癌 の構
造 を 有 す る肺 癌 に,極 め て 有 効 で あ る と考 え られ る。
栗 田 宗 次(愛 知 県 が ん セ ン ター 内 科)
治 療 成 績 に お い て 肺 原 発 の扁 平上 皮 癌
能 の原 発 性 肺 癌 で,気 管 支 鏡 下 の 生検 或 い は 撰 択 的 気 管
に は か な り効 果 が 認 め られ る が,肺 以 外 の原 発 の 扁 平 上
支 洗 灘 法 に よ り,組 織 学 的 に,扁 平 上 皮 癌 と診 断 さ れ た
皮 癌 の肺 転 移 例 に つ い て有 効 例 は 認 め られ な か つ た か,
12症
この よ うな転 移 性 肺 扁 平 上 皮 癌 に 対 す るBleomycinの
例 に,ブ
mgを1ク
レオ マ イ シ ン30mg週2回
静 注 し,300
ール と した 単 独 療 法 を試 み た 。
効 果 の判 定 は,未 だ 観 察 期 間 が短 か く,生 命 延 長 効 果
を 検 討 す る段 階 まで 到 つ て い な い の で,治 療 前 後 の 胸 部
適 応は如何。
〔答 〕
佐 藤 和 男(東
転 移 性 肺 癌 に は,今
北 大 抗 研 内 科)
の と ころ 使 用 して い な い 。
X線 写 真 所 見,気 管 支 造 影 所 見,気 管 支 鏡 下 の 腫 瘤 の 大
き さ,1311-MAAに
よる肺 ス キ ャ ンか ら の肺 内 動 肱 血 分
K-13) 悪 性 腫 瘍 に 対 す るBleomycinの
効 果,特
布,肺 活 量,最 大 換 気 量 を含 め た 肺 機 能 検 査 成 績 等 を 指
標 と して 効 果 の 判 定 を行 な つ た 。X線 写 真 上 陰影 の 改 善
を み た もの6例,気
もの4例,気
の4例,肺
合 判 定 す る と,著 効1例,有
効2例,や
の他 の各 種 悪 性 腫
や 有 効4例,無
っ い て報 告 す る。Bleomycinは15∼30m9を
に対 す るBleomycinの
治療成 績に
週2回1
副 作 用 等 の た め 投 与 を継 続 し得 な か つ た症 例 を 除 き総 量
熱,皮
膚 硬 化,脱 毛 等
障 害 は な く,心 配 さ れ た 肺 線 維 症 もみ ら れ
く投 薬 に耐 え られ た 。
の 婦 人 で,血
150∼300 mgを
投 与 した 。
悪 性 リンパ 腫 は9例
め られ た が,さ
中4例(44.4%)に
ら に細 網 肉 腫,リ
Hodgkin氏
疾,胸
痛 を 主 訴 と して
病 は2例 中1例
他覚 効果が認
ンパ 肉腫,Hodgkin氏
病 に分 類 し検 討 す る と,細 網 肉 腫 は4例
次 に有 効 で あ つ た 症 例 を 紹 介 す る。
症例1は,74才
の計34例
癌14例,そ
瘍11例
が主 な もの で,他 の 制 癌 剤 で しば しば み られ る血 液 像 の
ず,良
悪 性 リ ンパ腫9例,肺
あ り,効 果 を綜
で あつ た 。
副 作 用 と して は,食 思 不振,発
悪 化,肝,腎
愛 知 県 が ん セ ン タ ー病 院 内 科
管支鏡 下で腫瘤の消失 または縮小をみた も
例,肺 機 能 成 績 の 向 上 を み た も のが2例
効5例
太 田 和 雄 ・栗 田 宗 次
管 支 造 影 で,陰 影 欠 損 の改 善 を み た
ス キ ャ ンニ ング で 血 流 の改 善 を み た も の3
に 悪 性 リンパ 腫 に 対 して
中3例(75%),
に腫 瘍 の 消 失,或
す る他 覚 効 果 が 認 め られ た が,リ
い は 縮少
ンパ 肉腫 の3例 は 無 効
来 院 。 胸 部X線 写 真 で は,右 肺 門 上 部 に 腫 瘤 陰 影 と,そ
で あ つ た 。 細 網 肉腫 の1例 はMETT療
れ に続 く無 気 肺 像 を 認 め,気 管 支 鏡 下 で は,右 上 葉 支 口
量 間敏 療 法,Vincristineを
法,Endoxan大
は 腫 瘤 で 完 全 に 閉 塞 され,気 管 支 造 影 で も右 主 気 管 支 に
れ ぞれ 寛 解 が 得 られ た 後 の再 増 悪 時 に お い てBleomycin
含 む 多 剤 併 用 療 法 に よ りそ
巨 大 な 陰 影 欠 損 が 認 め られ,癌 性 浸 潤 が 気 管 分 岐 部 まで
に よ り著 効 が 得 られ た 。 ま た,悪 性 リ ンパ 腫 の 有 効 例 は
に 及 び,切 除 不 能 と診 断 され,組
い ず れ も1∼2回
織 診 で 扁 平 上 皮 癌 と判
明 した の で,ブ レオ マ イ シ ン1ク ール を 使 用 した と ころ,
注 射 後 に 腫 瘍 の 縮 少 傾 向 が 認 め られ た 。
従 が つ て,悪 性 リ ンパ腫 に 対 す るBieomycinの
効 果 は,
CHEMOTHERAPY
376
と くに 細 網 肉 腫,お
よびHodgkin氏
病 において期待 し
得 る と考 え ら れ る。
肺 癌 は14例
%)に
JULY
症 例 を 認 め た の で そ の 概 略 を 述 べ る。
治 療 対 象 は 悪性 腫 瘍 患 者 計25例
中1例(7.1%)に
mycin
他 覚 効 果,3例(21.4
自覚 効 果 が 認 め られ た 。 そ の 組 織 型 に よ り扁 平 上
皮 癌,腺 癌,未 分 化 癌 に 分 類 し検 討 す る と,扁 平 上 皮 癌
の9例 中1例(11.1%)に
胸 部 レ線 上 腫 瘍 の 縮少 した 他
覚 効 果,3例(33.3%)に
胸 痛,咳
果 が 認 め られ たが,腺
噺 の減 少 した 自覚 効
癌,未 分 化 癌 で は いず れ も無 効 で
あつた。
1回15mgを
中3例(27.3%)に
=果が認 め られ た 。 す な わ ち,Ewing腫
瘍 の1例
で,こ れ ら にBleo-
週2回 或 いは 隔 日に徐 々に静 脈 内
に 投与 し,総 計300mgを1ク
ール と し,な お癌 患 者 の
場 合 は 原 則 と して線 維 芽 細 胞 抑 制 剤 との併 用 を行 な つ た,
先 ず癌 患 者11例
中効 果 判 定 可 能 な も の は7例 で,癌
化 学 療 法 効 果 判 定 基 準 に 従 が つ て判 定 を 行 な つ た と こ
ろ,軽 快4例,不
変2例,悪
剤 と の併 用 で は あ るが,か
そ の他 の 悪 性 腫 瘍 は11例
1970
化1例
で,線 維 芽 細 胞 抑 制
な り軽 快 例 が 認 め られ た 。 う
他覚 効
ち 原 発 性 肺 癌 は5例 中 軽 快2例,不
に皮下
軽 快 の1例 は 扁 平 上 皮 癌 で あ つ た 。 転 移 性 肺 癌 の1例 は
変2例,悪
化1例
で,
転 移 腫 瘤 の 消 失 す る著 効 が 得 られ,女 子 外 陰 部 扁 平 上 皮
子 宮 癌(腺 癌)か
癌 の1例 に リンパ 節 転 移 の 縮 少,ま
ンパ 節 移 転 お よび 皮 下 腫 瘤 の 縮 少 が 認 め ら れ た 。 しか
明 らか な 改 善 を認 め た 。 甲状 腺 癌 の1例 は 腫 大 頸 部 リン
パ 腺 の 縮 小 を 認 め,軽 快 が 示 され た 。 そ の 他,癌 性 腹 膜 炎
し,舌 癌 ・歯 齪 癌 ・直 腸 癌 ・子 宮 癌(い ず れ も扁 平 上 皮
2例 に 用 い た が,い ず れ も 胃癌 手 術 後 の再 発 で 本 剤 に よ
癌)・ 腎 癌 お よ び 唾 液 腺 癌 の 各1例
た,腎 癌 の1例
にリ
の肺 転 移 に は 無 効 で
あ つ た 。 ま た,後 腹 膜 腫 瘍 ・縦 隔 腫 瘍 の各1例
は,副 作
用 の た め 早 期 に投 与 を 中止 し無 効 で あ つ た 。
副 作 用 と して は,34例
毛4例(11.8%),発
例(2.9%)が
中,発 熱24例(70.6%),脱
疹 ・皮 膚 硬 化 ・嘔 吐 ・ショ ッ ク各1
認 め られ た 。 な お,治 療 前 後 の血 清 生 化 学
検 査 所 見 や 血 液 所 見 に 著 明 な変 化 は 認 め られ な か つ た 。
血 液 所 見 に お い て は,前 治 療 で あ る他 種 抗 癌 剤 に よ る 白
」
血球 数 や 栓 球 数 の減 少 が,Bleomycin投
与中 に か か わ
ら ず 正 常 値 に回 復 す る こ とが しば しば 認 め られ た 。
〔質 問 〕
岩 森
吾 々はK33の
茂(広
大 原 医 研 外 科)
演 題 で 抗 癌 性 抗 生 剤連 用 とア レル ギ ー
とい う問 題 を,提 起 して み た 。 そ の 中 にBleomycln連
用 時 の 重 篤 シ ョ ッ ク1例 が 含 まれ て お り,吾 々 は これ を
idiosynerasyと
考 え た。
演 者 の 報 告 の 中 に 副 作 用 と してShock
て お る が,Bleo.初
たShock時
回投 与 後 か,連 用 中 に 起 つ た か,ま
栗 田 宗 次(愛 知 県 が ん セ ン タ0内 科)
Bleomycinに
よ る シ ョ ッ クの1例 は,初
回 注 射 後数
分 で チ ア ノ ーゼ,血 圧 低 下 が 認 め られ た。
K-14) ブ レオ マ イ シ ン に よ る 悪 性 腫 瘍
の治 療
骨 肉 腫 の 肺 転 移 の1例 で は これ ま で に各 種 制 癌 剤,Co,
照 射 な どす べ て無 効 で あ つ た が,本 剤 に よ り 自,他 覚 的
の 改 善 を 明 らか に 認 め た 。 縦 隔 洞 腫 瘍 の1例 は お そ ら く
は悪 性 リンパ 腫 と考 え られ る が,本 剤 に よ り明 らか な改
善 が 示 され た 。
悪 性 リンパ腫5例(細
リ ンパ 肉腫1例)で
西 崎 良 知 ・白井 孝 一 ・高 田宏 美
国政 郁 哉
我 々はBleomycinを
内 科 領 域 の 悪 性 腫 瘍 患 者(癌,
悪 性 リンパ 腫,白 血 病 な ど)に 使 用 し,或 る程 度有 効 な
ジ キ ン氏 病2例,
は 共 に一 般 に 比 較 的 早 期 か ら奏 効 し,
化,消 失 を認 め る こ とが
多 く,現 在 の と こ ろ,す べ て に 多 少 と も有 効 で,寛 解 導
入 に役 立 つ もの と考 え られ る。
各 種 白血 病7例(急
病1例,急
が,そ
性 骨 髄 性 白 血 病2例,単
性 リンパ 性 白血 病2例,慢
球 性 白血
性 リンパ 性 白 血 病
は本 剤 に よ り一 様 に 白 血病 細 胞 の 減 少 を 認 め る
の 程 度 は まち ま ち で,現 在 ま で に 完 全 寛 解 に 達 し
た 症 例 は 経 験 して い な い け れ ども,慢 性 リンパ性 白 血 病
で は か な り効 果 的 で あ り,ま た 急 性 骨 髄 性 白 血 病 で も骨
髄 芽 球 の 減 少 が 明 らか に 示 され た 。 な お急 性 リンパ 性 白
血 病 で は2例
と も末 期 で 副 作 用 な どの た め 効 果 は 不 明 で
あつた 。
副 作 用 は25例
神 経 炎1例,静
中 発 熱5例,口
脈 炎1例
内炎3例,脱
毛2例,
を 認 め た が,発 熱 を来 した5例
は 間葉 性 腫 瘍 で あ つ た 。 また 肺 線 維 症 とか造 血 障
碍 な どを来 した も の は認 め られ な か つ た 。
副 作 用 に 関 連 して正 常 家 兎 骨 髄 の組 織 培 養 に 本 剤 の添
加 を 行 な つ た と こ ろ,高 濃 度 に 於 い て さ え も増 生 の抑 制
を認 め ず,ま た 正
岡山大学平木 内科
網 肉 腫2例,ホ
腫 大 リ ンパ腺 の 著 明 な縮 小,軟
中4例
木 村 郁 郎 ・守 谷 欣 明 ・大 璽 泰 亮
囲 の短 縮 を 認 め た が,い ず れ も末 期 癌
の 様 相 を 呈 し充 分 な効 果 を 認 め る こ とが 出来 な か つ た 。
2例)で
1例 が 含 ま れ
の 状 態 につ い て お 知 らせ 頂 き た い 。
〔
答〕
り腹 水 の 減 少,腹
らの 転 移 で あ るが,軽 快 し胸 部 レ線 上
海触 の 骨 髄 組 織 培 養 に於 け る巨 核球
機 能 に 対 して も全 く影 響 を 認 め ず,白 血 球 系,栓 球 系 に
対 す る影 響 は 先 ず 認 め ら れ な い 結 果 を 得 た 。
さ ら に 我 々は 実 験 的 にBleomycinと
他 の制 癌 剤 との
VOL.
18.
No.
CHEMOTHERAPY
4
併 用 につ い て 検 討 し,目 下EHRLICH腹
に つ いてMitomycin
水癌 及び固型癌
Cと の 併 用 に よる延 命 効 果 を 見 出
してお り,目 下 臨 床 応 用 を 考 慮 中 で あ る。
〔
追加〕
377
〔答 〕
木 村 禧 代 二(国 立 が ん セ ソ ター)
悪 性 淋 巴 腫 で は ホ ヂ キ ン病 に 著 効 例 が 多 く7例 中6例
に効 果 が 認 め られ た。 細 網 肉 腫 に対 す る効 果 は45%位
に認 め られ る。 淋 巴 肉 腫 で は2例
舟 橋 国 博(名 市 大1外)
癌 の 化 学 療 法 に は,如 何 に適 格 な 制 癌 剤 を 投 与 す る か
と同 時 に,如 何 に 病 巣 内 に高 濃 度 の 制 癌 剤 を 浸 透 さ せ る
か とい うこ とが 大 切 で あ る。 教 室 で は適 確 な 制 癌 剤 の投
れ た 。 またCLLに
中1例 に 効 果 が認 め ら
現 在 使 用 中 で あ る が,か な りの効 果
が期 待 され る と考 え られ る。
特 徴 的 な こ とは効 果 の 得 られ た症 例 は 投 与 後 早 期,す
与 に 関 して,手 術 時 摘 出 した 癌 組 織 を 初 代 培 養 に 移 し
なわ ち1∼2回
て,in
5回 以 上 の 投 与 で 効 果 の 認 め られ な い 症 例 で は そ の後 投
vitroで の 制癌 剤 の 感 受 性 を 見 て お る。 ま た 高
濃 度 に 病 巣 内 に 薬 剤 を 浸 透 させ る 目的 で 従 来 か ら,蛋 白
分 解 酵素 を併 用 し て お る。 症 例 はBmochogenic
nomaとColon
Krebsで
投 与 で 腫 瘤 縮 少 が認 め られ る こ とで あ り,
与 を継 続 して も余 り効 果 を 期 待 し得 な い 。
camci-
あ る が,そ れ を 培 養 下 に て 各
K-15) Cyclophosphamide
(Endoxan)
種 制癌 剤 の胸 水 中 お よび 腹 水 中 移 行 濃 度 で 作 用 させ て見
の 大 量 投 与 が 著 効 を 奏 した 卵 巣 未 分 化
る と,Bmochogenic
胚 細 胞 腫 の 肋 膜 転 移 の1症
carcinomaの
癌 細 胞 に 対 し てBLM
(1γ)は 著 明 な細 胞 抑 制 効 果 と見 てお る が,Colon
に つ い て み る と5FU(10r)が
金 尾 昌 明 ・大 谷 逸 男
著 明 な細 胞 抑 制 効 果 が あ
る が,BLM(0.5r)MMC(0.1r)の
濃度 では抑制効果 は
認 め られ な か つ た 。 以 上,BLMのin
vitroで
例 と無 効 例 を示 した が,教 室 で はin
例
Krebs
の有 効
vitroで の 感 受 性
京 都 府 立 医科 大 学 産 婦 人 科(主 任,徳
卵 巣 末 分 化 胚 細 胞 腫(Dysgerminoma
田 源 市 教 授)
ovarii)は
組織
学 的 に は 悪 性 で あ るが 臨 床 的 に は 良 性 の経 過 を た ど る こ
薬 剤 の投 与 が臨 床 的 に もあ る程 度 効 果 を見 て お り,今 後
とが 多 く中 間 群 に分 類 され る。 好 発 年 令 が20才
症 例 を重 ね て検 討 した い 。
較 的 若 年 者 に 多 い こ と もあ つ て そ の 治 療 法 に つ い て も意
〔追 加 〕
1)
岡
捨 己(東 北 大 抗 研)
見 が 分 か れ る と ころ で あ る。 わ れ わ れ は 今 回,昭 和41
肺 癌 を 中 心 型 と末 梢 型 に 分 け る と,中 心型 の 扁 平
上 皮 癌 に 有 効 例 が多 い。
2)
切 除 不 能 で あつ て も決 して 末 期 の もの で な い もの
組 織 診 を 気 管 支 鏡,選
択的気管支洗潅 法で行なつ
市 川 篤 二(国
立 東 京 第1病 院)
ブ レオが 扁平 上 皮 癌 の特 効 薬 で あ ろ う とい う私 の 推 論
は 昭 和43年10月
右 附 属 器 摘 出 術 の み を行 な つ て 外 来 に て経 過 観
の第6回
月 後 の43年2.月
本 人 が 来 院 せ ぬ 内 に,6月
日本 癌 治 療 学 会 総 会 の シ ン
に再 発,手 術 を き ら い
に は膀 直 下 まで の腹 水 を伴 な
う下 腹 部 腫 瘤 と右 肺 野 の3/4以
て お り,剖 検,切 除 例 で,角 化 の 程 度 をみ て は い な い 。
〔追 加 〕
年11月
察 中,1年3ヵ
に 使 用 して い る が有 効 例 が 多 い 。
3)
台 と比
上 に も及 ぶ 胸 水 を伴 な う
肋 膜 転移 を 来 た して 入 院 した 症 例 に つ い てEndoxan500
mgを5日
間 隔 で35回
計17,500m9静
注 投 与 と膣 上
部 切 断術 の 施 行 を行 な つ た と こ ろ,奇 蹟 的 に 治 癒 し,12
月24日
退 院 させ る こ とが で きた 。Endoxanが
劇 的 に効
果 を 発揮 した 症 例 と して そ の 詳 細 に つ い て 報 告 す る 。
ポ ジ ウ ムに お い て 臨 床 各 科 か ら認 め られ た も の と考 え て
い る。 本 日のK
11∼14の
報 告 と,そ れ に 関 す る討 論 の
K-16) 大 量 腹 水 を 伴 な う原 発 性 卵 巣 癌
内 容 か ら も同 じ こ とが 推 察 され る が,末 期 で ない 症 例 に
に 対 す る5-Fu及
試 み られ る よ うに な る と,こ の 点 が い つ そ う明 確 に な る
療 法(中 間 報 告)
びMMCの
併用
も の と思 う。 ま た 扁 平 上 皮 癌 以 外 の適 応 症 とし て慢 性 淋
巴 性 白血 病,細
馬 淵
学 ・浅 井
賢
西宮 市明和 病院産婦人科
網 肉 腫,悪 性 ジ ンパ腫 な どが 検 討 され て
来 た こ とは喜 ば しい こ とで あ るが,癌 腫 に 限 定 した 場 合,
扁 平 上 皮 癌 が適 応 症 の 主 軸 で あ る こ とは動 か な い とこ ろ
で あ ろ う。
婦,2回
経 産。 昭 和43年5,月,某
膜 炎 の 疑 に て 当 院 内 科 入 院 。 体 重49.5
只 今,肺 に於 け る転 移 癌 へ の 効 果 が 討 論 され た が,子 宮
頸 癌 肺 転 移 に対 す る有 効 例 が,第16回
和43年)で
46才,主
東 大 泌 尿 器 科(高
安,阿
の 本 会 総 会(昭
曽氏 等)か
左 胸 水並 び に 著 明 に腹 水 を 認 め 腹 囲87
医 か ら腹
kg。
cm。 利 尿 剤,
副 腎 皮 質 ホ ル モ ン,蛋 白 同 化 ホ ル モ ンの投 与 並 び に 腹 水
ら報 告
穿 刺 に よ り,8月 上 旬,左 胸 水 の 消 失 並 び に腹 水 の や や 減
され て い る し,前 述 の シ ンポ ジ ウ ムで も陰 茎 癌 を 集 計 し
少 を 認 め た が,再 び 腹 水 の貯 溜増 強 し,右 胸 水 も認 め た 。
た 広 川(東 一)が,陰
8月 中 旬 の胸 部X線
茎 癌 の肺 転 移 の1例
つ て 消 失 した と報 告 してい る。
が ブ レオ に よ
に は,と
写 真 は 右 胸 水 並 び に 腹 水 の貯 溜 以 外
くに悪 性 腫 瘍 の 存 在 並 び に 通過 障 碍 が な い。
CHEMOTHERAPY
378
JULY
1970
腹 水 の パ パ ニ コ ロー染 色 陰 性,結 核 菌 の培 養 も陰 性 。
8月 下 旬,腹 腔 鏡 に よ り左 卵 巣 に相 当 す る部 に表 面 乳 携
K-17) 新 制 癌 剤PC-B-45の
臨 床 的研 究
状 の腫 瘍 を 認 め,当 科 受 診 。 両 側 卵 巣 の 悪 性 腫 瘍 と推 定
内科
す るが 腹 水 著 明 の た め,詳 細 は 不 明 。 術 前 摘 出不 能 と考
え た が 腫 瘍 の本 体 究 明 の た め,9月5日
し約6Lの
大 橋 泰 彦 ・中 尾
試 験 開腹 術 施 行
放射線科
腹 水 排 除 と と も に 腫 瘍 組 織 の一 部試 験 切 除
を 行 な い,腹
腔 内 にMMC
黒 川 利 雄 ・服 部 隆 延 ・古 江
10 mgを
病理
注 入 した 。 な お,
津 屋
子 宮 と密 に 癒 着 し大 網 と も帯 状 の 癒 着 を 呈 し,右 卵 巣 は
後 面 は 不 明 で あ る が小 鷲 卵 大 で 左 とほ ぼ 同 様 の 所 見 。
肝 臓 は 表 面,砂
癌研究会附属病院
悪 性 腫 瘍 患 者 に 丹 毒 を感 染 さ せ,そ の 腫 瘍 が 急 速 に消
失 した と い う報 告 は100年
本 肇 教 授 はSLS産
toxinを
cellのRNA系
触 診 上 と くに異 常 は な か つ た。
か に した 。 そ してBBM緩
熱 処理 に よつ て20倍
1週 間 後 か ら,5-Fu
これ をPC-B-45と
交 互 投 与 開始,5-Fu3
28mg投
2回 計8,000
mg,MMC14回
計
与 に よ り右 胸 水 の 消 失 を 認 め た 。 一 時,白 血 球
並 び に 栓 球 数 の 減 少 を認 め た の で両 者 の投 与 を 休 止 し,
セ フ ァ ラ ンチ ン静 注 並 び にBenzoyl
acetateを
もに,再
carbinol trimethyl
経 口投 与 し,白 血 球 並 び に 栓 球 数 の 改 善 と と
び前2者
の 投 与 を再 開 した とこ ろ,胸 水 及 び 腹
水 の貯 溜 は全 く見 られ ず,腫
瘍 の や や 縮 少 す るの を 明 ら
か に認 め た 。 試 験 開腹 術 後 か ら昭 和44年2月12日
まで
の 制 癌 剤 の 総 投 与 量 は,5-Fu
合計
13,250 mg,MMC
腔 内 に10mg注
1日2
入,合
1日250
mg,33回
mg,53回
計66
計76mgで
重 増 加 等)を 得,長
本 例 は,下 痢,悪 心,嘔
に腹
あ る。 投 与 後,胸
水 並 び に 腹 水 の 貯 溜 は全 く抑 制 され,一
(食思,体
mg,別
般 状 態 の改 善
期間の多量投 与を す る も
吐,脱 毛 等 の副 作 用 は 認 め られ
なか つ た 。
衝 液,高
濃 度 のPC処
理,
の 制 癌 力 を有 す る 菌 製 剤 を 創 製 し,
名付けた。
そ こで 我 々は1年
患 者 に 対 して,投
半 前 か ら こ のPC-B-45を
悪性腫瘍
与 を 試 み た の で 報 告 す る。
投 与 症 例 は いず れ も再 発 あ る い は 末期 の 悪 性 腫 瘍 であ
る。
胃 癌12例,乳
癌8例,肝
胆 道 系 癌6例
そ の 他 で あ る。
45例 の症 例 の うち,他 覚 的 改 善 を認 め た もの は17例,
す な わ ち37.8%で
あ つ た 。 投 与 方法 は 局 所 投 与,胸 腔
内,腹 腔 内,皮 下 静 脈 内 と多 岐 に わ た っ てい る。
投 与 量 は1.8KEか
ら880 KEに
及 ぶ が,投 与 量 と効
果 と の間 に は 直 接 の 関 係 が み ら れ な か つ た 。
次 に 副 作 用 で あ るが,38℃
%に
以 上 の 発 熱 が33例,73.3
み ら れ た 。 中 に は40℃
くは3∼4時
以 上 の もの も あ る が,多
間 で 下 降 す る。 そ の他,痛
涌,白 血 球 増 加,
貧 血 が一 部 の 症 例 にみ られ た 。
以 上,臨
投 与 中 の 血 液 像 並 び に 臨 床 検 査 成 績 に つ い て 見 る と,
岡
機構 を特異的に死滅 させ る こ と を 明 ら
組 織 所 見 は 乳 嚇 状 癌 で 著 明 の 核 分 裂 が 認 め られ る。
隔 日
経 て,1954年
生 能 を 有 す るA群 溶 連 菌 がCancer
くに 腫 瘍 等 の発 生 は な く,胃 そ の 他 臓 器 に も視 診 並 び に
2 mgを
前 に さか の ぼ る。
そ の 後CoLEYのMixed
粒 状 で ザ ラ ザ ラ した 感 じで あ る が,と
250 mgとMMC
旭 ・五 島 英 迫
菅 野 晴 夫 ・青 木 幹 雄
左 卵 巣 は ほ ぼ 乳 児頭 大 で 表 面 静 詠 努 張 し,一 部 脆 弱 で 出
血 し易 い 小 乳 階 状 の 部 分 を含 む 大 脳 様 腫 瘍 で 小 腸 並 び に
尚
功
床 的 効 果 は 現 在 まで の と こ ろ,他 の制 癌 剤 を
しの ぐ とは 云 え な い が,極 め て 微 量 の 静 脈 内 投 与 に よつ
白血 球 並 び に 栓 球 数 に つ い ては 一 時 減 少 を 来 した が,投
て 速 や か に 抗 腫 瘍 効 果 を もた らす 症 例 が あ る こ とは注 目
与 の休 止 並 び に セ フ ァ ラ ン チ ン及 びB.
に 値 す る。
に よ り改 善 され,そ
C. T. A.の
投与
の 後 も と くに 本 療 法 の中 止 の止 む な
今 後PC-B-45の
制 癌 因 子 の 精 製,分 離 の 問題,発
熱
き に至 る よ うな減 少 は な か つ た 。 な お,貧 血 は経 過 と と
等 の副作用の問題
もに 進 行 した 。 ア ナ リーゼ を見 る と,制 癌 剤 投 与 に よ り
な い が,い ち お う今 日 まで の と こ ろ制 癌 剤 と して 臨 床 レ
桿 状 好 中 球 を抑 制 す る こは 明 ら か で,2月4日
は 正常 。 蛋 白分 画,G.
O. T., G. P. T.値
好 転 し,特 に α2の 改 善 が 著 明,T.
の骨髄像
も本 療 法 に よ り
E. G.は 最 大 弾 性 度
は 漸 次 増 大 して い るが,臨 床 検査 所 見 並 び に0般 臨 床 経
過 と照 し合 せ て,と くに悪 化 して い る とは 考 え られ な い 。
投 与 量 の 問 題 等 解 決 しな け れ ば な ら
ベ ル で検 討 を 加 え る こ とが 出 来,そ れ な りの効 果 を もた
らす こ とが 出 来 る薬 剤 で あ る と云 え よ う。
〔追 加 〕PC-B-45の
村田
使用経験
勇 ・広 野 禎 介(富
山 県 立 中 央 病 院 外 科)
岡 本 教 授 に よ り開 発 され た 新 しい 制 癌 剤PC-B-45を
臨 床 例 に 使 用 した の で,追 加 報 告 す る。
現 在 まで にPC-B-45を
使 用 した 症 例 は72例
の 内訳 は,腫 瘍 内 局 所 投 与12例,乳
所 投 与4例,手
で,そ
癌 に 対 す る術 前 局
術 時 腹 腔 内 腫 瘍 に 対 す る局 所 投 与14例,
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
癌性 腹 水 に対 す る腹 腔 内 投 与13例,点
身 投 与27例,そ
PC-B-45の
の他2例
滴 静 注 に よ る全
で あ る。
連 日内服 を 原 則 と し,投 与 量 は 平 均16.4g,最
g,投
腫 瘍 内 局 所 注 射 に よ り,注 射 部 位 の 腫 瘍
細 胞 が 壊 死 に お ち い る こ とは,す
379
で に 報 告 され て い る。
高53.2
与 期 間 は 休 薬 期 間 も含 め て 普 通 半 年 ∼1年
であつ
た。
マ イ トマ イ シ ンCの 副作 用 と して は,と
くに 重 篤 な も
局 所 投 与 を 行 な つ た 自験 例 に お い て も,腫 瘍 細 胞 の 崩
の は 認 め な か つ た 。 エ ン ドキ サ ンの長 期 投 与 の 副 作 用 で
壊,腫 蕩 の 縮 小 な ど,臨 床 的 お よび 病 理 組 織 的 に,か な
は 食 欲 不 振,嘔 気 等 の 胃 障 害 が 第1に
りな 効 果 を み とめ えた 。
れ に よつ て 中 止 の 止 む な きに 至 る こ と は稀 で あ る。 継 続
点 滴 静 注 に よ る全 身 投 与 に つ い て は,現 在 な お,そ
の
す れ ば 慣 れ る もの が 多 い 。 白血 球 減 少 に つ い て は3,000/
投 与 量,投 与 期 間 に 一 定 の基 準 が な く,さ ら に検 討 を 要
cmmを
す る と考 え られ るが,わ れ わ れ は,1回
2,500/cmmを
ら5.0K.
E.を500
ccの5%ブ
量0.5K.
E.か
ドウ糖 また は ラ クテ ー
ト・ リン ゲル 液 に 稀 釈 し,ゆ つ く り と 点 滴 静 注 を 行 な
い,隔
日 また は 週2回
の割 合 で,10回
して い る。 副 作 用 と しては,投
や や 下 回 る 程 度 で 持 続 す る も の も 多 い の で,
限 度 と して,こ れ 以 下 に な れ ば0時 投 薬
を 中止 す る。2∼4週
間 の 休 薬 で再 度 投 薬 可 能 の 場 合 が
多 い。
な い し15回
投与
マ イ トマ イ シ ンCお よび エ ン ドキ サ ンの 両 者 あ る い は
与 後,悪 感 戦 標,発
熱が
い ず れ か 単 独 療 法 を手 術 と併 用 した が,併 用 群 の5年 生
み られ た が,投 与 前 に 抗 ヒス タ ミン剤,解 熱 剤 な どを 併
存 率 は87%,非
用 す る こ とに よ り,多 くの症 例 は 発 熱 を 最 小 限 に お さえ
5年 治 癒 率 で は 併 用 群82%,非
え た。
明 らかな差が認め られた。
全身 投 与27例
あ げ られ るが,こ
の効 果 に 関 して は,対 象 が 主 と して 進
併 用 群69%,ま
た再 発生存例を除 いた
併 用 群53%で
これ を わ れ わ れ の 提 唱 す る組 織 学 的 病 期 分 類 のstage
行 癌,末 期 癌 で あつ た こ と,症 例 数 も少 な く,ま た 投 与
別 に み る と,stage
して か らの 観 察 期 間 も不 充 分 な こ とな どか ら,現 段 階 で
%に
は,断 定 は 難 か しい が,臨 床 的 に 多 少 とも効 果 が あ つ た
は 化 学 療 法 併 用 群 の5年 生 存 率 及 び5年
と考 え られ る症 例 を11例
ぞ れ78%と69%,非
み とめ て い る。 と くに,悪 性
リンパ 腫,肉 腫 症 例 で は,腺 瘍 の 縮 小,0般
状態の改善
が み られ,投 与 後 の生 検 に お い て も,腫 瘍 細 胞 の 消 失 を
み とめ た 症 例 も あ り,きわ め て 良 好 な る効 果 を え て い るo
以 上,PC-B-45を
使 用 した72例
を 行 な つ た が,PC-B-45の
今 後,さ
らに,そ
に つ き,種
々検 討
臨 床 的 使 用 に さ い して は,
の投 与 量,投
与 期 間,投 与 方 法,投 与
対 象 な どを 検 討 す る こ とに よ り,い つ そ う強 力 な る制 限
作 用 が 期 待 し うる もの と考 え る。
両 者 に
%で
1及 び2で
は 併 用,非 併 用 群 とも100
近 く差 が ほ とん どみ ら れ な い が,stage
3及 び4で
治 癒 率 は,そ
れ
併 用 群 で は そ れ ぞ れ48%と26
両 者 の 差 は,い
ま た 術 後3年
つ そ う明 確 で あ つ た 。
目の 状態 を,マ
ン ドキ サ ン併 用 群,そ
イ トマ イ シ ンCお
よび エ
れ ぞ れ の 単 独 使 用 群,対 象 群 の4
つ に分 け て み る と,化 学 療 法 群 は いず れ も対 象 群 に比 し
成 績 が 良 い が,中
で もマ イ トマ イ シ ンCお よび エ ン ドキ
サ ン両 者 の 併 用 群 が 最 も優 秀 で あつ た 。 この 差 もstage
3及 び4の 症 例 で著 る しい 。
こ の よ うな 術 後 成 績 の 差 は 術 後1∼2年
目に 大 き く現
わ れ る が,再 発 及 び 死 亡 の 時 期 を 併 用 群 と非 併 用 群 とで
K-19) 乳 癌 の根 治 手 術 に 併 用 せ る 化 学
療 法 の効 果
比 較 して み る と,非 併 用 群 で は 術 後1∼2年
以 内に再発
死 亡 す る もの が 多 く,併 用 群 で は そ の 時 期 が2年
以後に
な る も の が 多 い 。 す な わ ち 手 術 に対 す る化 学 療 法 の 併 用
神 前 五 郎 ・寺 沢 敏 夫 ・岩 永
剛
谷 口健 三 ・日下 部 博 ・土 井
修
は,そ
の 治 癒 率 を 高 め る と と も に,再 発 時 期 を 遅 延 させ
る 効 果 の あ る こ とが 明 らか と なつ た 。
小 山 博 記 ・高 木 英幸 ・高 橋 良 和
K-20) 大阪府立 成人病 センター外科
大 阪 府 立 成 人 病 セ ンタ ー に お い て 根 治 手 術 を うけ た 乳
癌 患 者 の うち,術 後3年
Adjuvant
以上 経 過 した101例
chemotherapyの
にっ い て
効 果 を 検 討 した 。
使 用 薬 剤 は マ イ トマ イ シ ンC及 び エ ン ドキ サ ンで,マ
イ トマ イ シ ンCは 術 直 後,術 後3日
各10m9ず
つ 静 肱 内 へone
shotで
目及 び5日
目の3回,
投与す るのを 原 則
と した 。
エ ン ドキサ ンは 術 後2∼4週
目か ら始 め,1日100mg
胃 癌 症 例 に 対 す るMethotrexate
の術 前 動 脈 内投 与 の 検 討
藤本
茂 ・綿 貫 重 雄 ・伊 藤 健 次郎
今留
淳 ・渡 辺
前島
朱
顎 ・榎 本 勝 之
清 ・大 河 原 邦 夫 ・斉 藤
滉
明仁 ・野 村 泰 将 ・足 立 倫 康
千 葉大学医学部綿貫 外科
胃癌13症 例 に対 して術前にMethotrexateを
投与 し
CHEMOTHERAPY
380
胃 癌 細 胞 に 対 す る 本 薬 剤 の 抗 腫 瘍 作 用 をDNA合
成阻害
よ り検 討 し た 。
手 術 時 に 摘 出 した 切 除 標 本 か ら 直 ち に 小 切 片 を 切 取 り
投 入 し,そ
の 厚 さ に 薄 切 し 次 い で1.0
dine(Radiochemical
Ci/mM)を
の 中 で 腫 瘍 組 織 は1
μc/mlのTritiated
Centre,
含 む37℃
Amersham,
のRinger液
つ1時
間incubateし
た 後,中
Sakura
NR-M2に
よ るDipPingの
で あ り,Percent
of
行 性 と逆 行 性 挿 管 で は 前 者 の ほ う が 十 二 指 腸 粘 膜
England,
〔質 問 〕
神 前 五 郎(大
cellの
阪府立成人病 センター
外 科)
行 ないっ
(1)
Grain
固 定,
(2)
Labeling
後H-E染
り安 全 な 投 与 方 法 と 考 え
られ た 。
色 を 行
た め に は30∼40日
countは
細 胞 何 個 に つ い て 計 測 した か 。
indexの
〔答 〕
(1)
消 長 は ど うで あつ た か。
藤
Grain
な い し200個
の 露 出 と した 。
本
茂(千
葉 大 学 綿 貫 外 科)
countはincorporateし
て い る 細 胞100
行 な つ て お る 。Incorporated
い 場 合 は 標 準 偏 差 の 算 定 に 便 利 な49な
Methotrexateの
動 脈 内 投 与 は 次 の と お りで あ る 。
手 術 数 日 前 に 腰 椎 麻 酔 に よ り 膀 上 数cmの
小 切 開 を 加 え,腹
tubeを
cellの
い し36個
少 な
をか
ぞ え て お る。
処 に 約3
(2)
腔 内 の 所 見 を 観 察 し た 後,A.
9astroePiploicadextraに
thylene
れ は手 術操 作 に 起 因 す る癌
に 対 す る 障 害 が 少 な い の で,よ
た め の 露 出 は7∼10日
labeled
た,順
に 入 れ,JoHNsoN
性Formalinで
な い 検 鏡 した 。Graincountの
mm
thymi-
法 に 準 拠 し てCO2加02-Gasでbubblingを
cmの
殖 を ほ ぼ 停 止 さ せ て お り,こ
1970
転 移 を 防 止 す る の に 役 立 つ で あ ろ う と推定 され る。 ま
Ringer液(37℃)に
5.0
JULY
Labeling
indexは
に 較 べ て1/3∼1/10く
術 前 投 与 の も の は,control
らい に 落 ち て お る。
内 径1.0∼1.2mmのPolye-
挿 入 し,腫
瘍 に 対 す る大 網 へ の 分 枝 を
K-21)胃
癌 患 者 に 於 け る化 学 療 法 の 検 討
結 紮 し て 腫 瘍 内 へ の 薬 剤 流 入 度 を 高 め た 後,0.02%
Evans
blue20∼40m1の
閉 腹 す る 。Methotrexateは30∼50
mgを
以 内 に2∼3回Infusionpumpに
よ り180分
continuousに
中 島 佐 一 ・寺 脇 朝 治 ・横 田 義輝
注 入 に よ り注 入 領 域 を 確 認 し
注 入 し,注
入 終 了1時
術 前48時
奈 良医大第一外科
間
か け て
間 後 にFolinic
acid
を 筋 注 した 。
昭 和36年
以 来,奈
例 に っ い て,そ
良 医 大 第 一 外 科 で取 扱 つ た 胃癌 症
の 術後 遠 隔 成 績 を 報 告 す る と共 に延 命 効
果 か らみ た マ イ トマ イ シ ンCの 制 癌 性 お よび 副 作 用 に 関
す る2,3の
本 剤 投 与 の 対 照 と し て 術 前 無 処 置 の 胃 癌 ・胃 潰 瘍18
症 例 の 胃 十 二 指 腸 粘 膜 のGrain
±2.9,9.2±1.0(mean
countは
か ら43年3
月 まで7年 間 に取 扱 つ た 胃癌 症 例 は,842例
そ れ ぞ れ13.8
value±standard
知 見 を 報 告 す る。 昭 和36年
で,切 除 数
deviation)で
601例,切
移 リンパ 節 は
る と,Stage
癌 組織は主病
ま た 制 癌 剤 を投 与 しな か つ た 症 例 は,237例
であつた。
巣 と転 移 リ ン パ 節 の 間 に 有 意 差 を 認 め な い 。 癌 組 織 の そ
MMC投
間,総 量40
れ は0.5∼8.8%の
mg,或
あ る の に 対 し,胃
18.1土3.7で
癌 組 織 は17.0±4.8,転
あ つ た 。Labeling
間 に 分 布 し て い る 。 以 上 のSilver
grainのcountは
200個
摂 り込 ん で い る 細 胞 を100な
い し
に つ い て 行 なつ た 。
Methotrexate術
逆 行 性 挿 管3例
の そ れ は2.5±0.5で
逆 行 性 で は2.1±0.3で
blueの
青 染 部 位 の2つ
対 し,
あ り,胃
grainが
粘膜細胞
全 例0に
あ つ た 。 い つ ぼ う,癌
対 し,
組織 では
注 入 で青 染 した 青 染 部 位 と青 染 し な い非
に 分 け て検 討 した 。 青 染 部 位 の 内 胃癌 組
織 は1.2±0.2のGrain
は 検 鏡 し た4症
の十
countが5.8±0.4に
で は 順 行 性 挿 管 症 例 はSilver
countを
例 全 例 に 全 くGrainを
非 青 染 部 位 で は,胃
示 し,転
移 リ ンパ 節
認 めな か つ た。
癌 組 織 が2.3±0.4のGrain
count
を 示 し た の に 対 し転 移 リ ン パ 節 の そ れ は3.4±0.3で
つ た 。Labeling
以 上,術
あ る。 これ を病 期 分類 か らみ
IVが 多 く,477例
与 方 法 と して は,2mg連
い は10mg週2回,4日
量 間漱 投 与,お
で,約5割
日20日
強 で あ る。
間,総 量40mgの
よび2日 間 に40
mgを
大
投 与 す る大 量 衝
撃 療 法 を 行 なつ て来 た 。 この 各 々 につ い て,病 期 分 類 別
前 投 与 例 中 順 行 性 挿 管 の10例
二 指 腸 粘 膜 細 胞 のGrain
Evans
indexは
除 率81.1%で
indexは0.01∼0.4%で
前 動 脈 内Methotrexate投
あ
あつた。
与は踵瘍 細胞の増
に3年 間 の 術 後 遠 隔成 績 を 求 め た とこ ろ,胃 切 除 の み 行
なつ た 群 で は,3年
Stage II
後 の 遠 隔 成 績 は,Stage
60%,Stage III 33.3%,Stag IV
つ た 。 い つ ぼ う,2mg連
10%で
続 投 与 群 で は,MMC非
群 の そ れ とほ ぼ 同様 で,MMCに
ず,大
I 100%,
あ
投与
よ る 延 命 効 果 は み られ
量 間 漱 投 与 群 で も,非 投 与群 との 間 に 有 意 な差 は
み られ な か つ た 。 大量 衝 撃 投 与 群 に於 い て は,Stage
に 於 い て,2年
後,3年
後 遠 隔 成 績 で,非 投 与 群 に 比 し
て,や や 有 効 な よ うで あ る。 な おStage III,IVお
手 術 不 能 例 に於 い て は,ほ
い 。 い つ ぼ う,Sage
症 例 が,MMC大
II
よび
とん ど延 命 効 果 は み ら れ な
IVで 腹 水 が 貯 溜 し て い る よ うな
量 衝 撃 療 法 で,術 後5年 後 の 現 在 な お
健 在 で あ る もの もあ り,ま た骨 髄 移 植 との 併 用 例 に 於 い
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
て,Stage IVで
或 る程 度 の 有 効 性 が 認 め ら れ た が,全
体 と して,達 隔 成 績 でMMCの
制 癌 性 を 判 定 す る と,
必ず しも良 い成 績 で は な い 。 また,MMCの
あ つ た 。Thio-inosineの
イ ル ス 接 種 後3日
下 の 減 少 症 は,大 量 間
う も の か,あ
撃 投 与30.7%で
あ り,栓 球 数15万
以下減 少 症 は24.4%,27.5%で
あ る。 肝 機 能 障 害 例 は
蛋 白,赤 血 球 の 出現 は 共 に18%前
後で
目か ら 治 療 を 開 始 し て も,16日
目か
抑 制 が,ウ
イ ル ス の増 殖 の 抑 制 に伴 な
るい は ウ イ ル ス増 殖 に起 因 す る 病 変 現 象 の
抑 制 な の か を 明 ら か に す る 目 的 で,脾
内 ウイ ル ス増 殖 を
測 定 し た 。FFU
1 mlで
Thio-inosineは
ウ イ ル ス 接 種 量 が10MID50の
あつた 。 自覚 的 副 作 用 は,食 欲 不 振,嘔 気 嘔 吐,下 痢 等,
53.7%,MID50の
消化 器 障 害 は,大 量 間 激 投 与 群 に よ り高 率 に み ら れ,全
の 場 合94.3%の
身 倦怠,脱 毛 等 は,衝 撃 投 与 に 多 く認 め たo副 作 用 の 持
の 抑 制 がsplenomegary抑
続 性 お よび そ の 恢 復 に つ い て み る と,白 血 球 減 少 お よび
効 果 はRauscherウ
ら投 与 を 開 始 し て も得 ら れ る 。 これ ら の ウイ ル ス に よ る
splenomegaryの
的副作 用 で は,白 血 球 数3000以
5.4%,7.5%尿
mg/kgで
月以内に現われた他 覚
に よる副 作 用 を 検 討 す る と,1カ
激 投与37.8%,衝
投 与 方法 別
381
ま たL
ウ イ ル ス 増 殖 量 を 測 定 す る と,
場 合 に89.5%,そ
場 合 に
し て10/1MID5a.
抑 制 を 示 す の で,Thio-inosineの
こ
制 の 主 因 と考 え ら れ る 。
1210細 胞 増 殖 に 伴 な うCDF1ま
た はBDF1マ
栓球 数 減 少 と もに 間 激 投 与 群 で 長 く持 続 し,衝 撃 投 与 群
ウ ス の 生 存 日数 を 薬 物 投 与 に よ つ て 延 長 す る と,そ
に くらべ,恢 復 が お くれ た 。 次 にMMC投
小 有 効 量 はThio-inosineが18.5mg/kg,6-MPが7.5
与 後1月 以
上 たつ て 出 現 す る遅 発 毒 性 に つ い て は,白 血 球 減 少 は,
m9/k9で
間漱投 与 お よび 衝 撃投 与 と もに 約7%で
135,6-MPで1/51で
少 は3.3%,2.6%で
あ り,栓 球 数 減
あ つ た 。 肝 機 能 障 害 は と もに1例
つ つ み られ たo結 論 と して は,現 段 階 に於 い て は,MMC
の最
こ れ か ら 算 出 し た 係 数 はThio-inosineで1/
あつた。
〔質 問 〕
星
野
章(愛 知 が ん セ ン タ ー研 究 所)
6MPと6MP-ribosideの
耐 性 化 の態 度 が 異 な る との
を どの よ うな方 法 で 投 与 して も,そ の効 果 は 極 く限 られ
報 告 さ れ た が 両 者 の 耐 性 機 構 に 差 が あ る と考 え ら れ る
た症 例 に のみ 見 ら れ るに 過 ぎな い の で あ る 。今 後,骨 髄
かoSKIのdataに
移 植や,そ
ribosideは
の他 宿 主 免 疫 能 力 を 賦 活 す る方 法 を 駆 使 し
神 前 五 郎(大
阪 府 立 成 人 病 セ ン ター
〔答 〕
豊
島
6-MPRは6-MPと
外 科)
術 後 比 較 的 早 期 に 死 亡 例 が あ る よ うに 見 受 け ら れ た
が,死 因 は 制 癌 剤 の投 与 に 関 係 す る もの か,そ
れ と もそ
分6-MPRそ
文 献 に み る とBROCKMANの
MPRの
我 々 の 今 日 ま で のdataも
す べ き もの と吾 々 は考 え て い る。
る が,さ
用,副
報 告 以 外 は6-MPと6-
そ の よ うな 傾 向 が 強 い の で あ。
長 谷 川 弥 人(慶
大 内 科)
わ れ わ れ も 急 性 骨 髄 性 白 血 病5例
K-22) 白 血 病 の 化 学 療 法(1)
6-Mercaptopurine
Rauscherウ
用 し た 。6-MP100mg投
胞増殖に対
御 指 摘 の よ うな,と
〔答 〕
豊 島
滋
・藤 田 晴 久
・難 波 幸 男
6-Mercaptopurine
riboside(Thio-inosine)のMurine
イ ル ス とL-1210細
胞 増 殖 に 対 す る効 果 に
っ い て 検 討 し たoThio-inosineの
mg/kgで
mg/kg,6-Mercaptopurineの
約1/7で
Rauscherウ
くに 胃 腸 障 害 が つ よ い と い う感 じ は
マ ウ ス腹 腔 内投 与 の
そ れ は380
あ る。
イ ル ス接 種 初 期 か ら 投 与 した 場 合 の 最 小
有 効 量 は6MPで100mg/kg,Thio-inosineで
藤 田 晴 久(慶
6-MPとthio-inosineに
慶 大 ・医 ・薬 化 学 研 究 所
LD 50は2,500
与 と ほ ぼ 同 じ よ うに 白 血 球 数
未 だ うけ て い な い 。 さ らに検 討 した い と考 え て い る。
す る効 果
Leukemiaウ
に 本 剤 を300mg使
の 減 少 骨 髄 芽 球 の 減 少 を み と め て い る 。 しか し木 村 先 生
riboside(Thio-inosine)の
イ ル ス 及 びL-1210細
うな ら部
全 交 叉 で は な い と思 う。
らに 詳 細 に 検 討 して 答 を 出 した い と思 つ て い る 。
〔追 加 〕
作 用
る 部,
間 に 完 全 な 交 叉 耐 性 を 認 め る と い う報 告 が 多 い 。,
の 副作 用 に よつ て患 者 を失 な うこ とのな い よ う充 分 警 戒
白 血 病,併
大 医 薬 化 学 研2研)
の も の と し て 作 用 す る 。 も し,そ
分 的 交 叉 耐 性 が 成 立 す る が,完
で治 せ る可 能 性 の あ る患 者 を対 象 とす る関 係 上,制
癌剤
滋(慶
な り作 用 す る の み で な く,あ
の他 に あ るの か 。 手 術 と制 癌 剤 の 併 用 療 法 は,手 術 だ け
K-22∼35 耐 性 株 に6MP-
考 え られ て い る。
て 胃癌 の治 療 成 績 向 上 に 努 力 した い と考 え る。
〔
追 加〕
よ れ ば6MPの
交 叉 耐 性 を 示 し そ の 作 用 機 序 は ほ ぼ 等 しい と
は312
大 薬 化 学 研)
耐 性 のL
1210
cellはcross
resistanceを
示 す 報 告 が あ り,ま
て お る が,個
々 の 酵 素 系 を 詳 細 に 調 べ る と異 な る 点 も あ
るか と現在 検 討 中 で あ る。
た 私 共 も 同 じ結 果 を 得
CHEMOTHERAPY
382
K-23) inosine)の
riboside(Thio-
体 内分布
豊
島
1210白
血 病 に 於 け る効 果 と交 叉 耐性
略 す)の
体 内 分 布 をH3-ラ
ベ
よ び 尿,糞
べ た 。 各 臓 器 はPETROFFの
はBCNUの
便 濃 度 に つ い て調
方 法 で 消 化 し,液
体 シ ンチ
レー シ ョン スペ ク トロフ ォ トメ ー タ ー に よ り そ れ ら の
測 定 した 。
先 ず 血 中 濃 度 はH3-TIの
経 口 投 与 後1
ら 換 算 す れ ぽ,吸
収 さ れ たThioinosineの60%以
の も の が24hr以
内 に 尿 中 に 排 泄 され て い る と考 え ら れ
る 。 各 主 要 臓 器 で は 肝,腎,胃
上
お よ び 脳 が 多 く,次
いで
宮 が 続 く。 脾 へ の 分 布 は 比 較 的 早 く,
他 の 臓 器 へ の 分 布 はThioinosineの
ピ ー ク に 達 す る の に 対 し,脾
投 与 後2∼3hmで
で はThioinosineの
最 高 値 に 達 し て い る 。こ の こ と はThioinosine
高 い こ と を 示 し て い る と 思 う。 そ れ
で あ り,ま
た そ の毒 性
の 低 い 原 因 で もあ る と考 え られ る。
木 村 禧 代 二(国
のCMLに
た 。Thio-inosineの
応 用 し た 結 果,ほ
ぼ6
同 様 の 結 果 が 認 め られ た 。2倍
以 上 の 量 で は 胃 腸 障 害 が6-MPに
に 対 す る 交 叉 耐 性 に つ い て 検 討 し た 。(方 法)吉
ら 連 日10日
kg及
比 しや や 強 く 認 め ら れ
臓器 内分布に関 す る演者 の成績で
日5回BCNUの20
で,ラ
ベ ル6-MPRの
滋(慶
ウ ス腹 腔 内 に 感 性 株 また
個 を 移 植 し,24時
mg/kg,10
mg/kgを
%以
大 薬 化 学 研2研)
胃腸 障 碍 の 症 例 を 知 らな か つ た の
胃腸 へ の 分 布 を そ の よ うに意 味 づ
間 後 か ら隔
腹 腔 内投 与 し
少 量 の エ タ ノ ー ル で 溶 解 し,生
塩 水 で 規 定 投 与 量 に 稀 釈 し た 。(成 績)吉
上 で30日
与 で 延 命 率100
下 の 投 与 量 で は 延 命 率50%以
効 で あ つ た 。Endoxan耐
mg/kg投
性 株(EX-R)に
与 群 は50%以
ラ ッ ト も み ら れ 有 効 で あ り,交
と 考 え ら れ る が,今
上 で30日
どの 投 与 量 に 対 して も 無
対 し て もBCNUは
け た こ と が な い 。 先 生 の 御 経 験 の 御 発 言 か ら考 察 を 試 み
Amethopterin耐
た い と 思 う。
の20mg/kg投
は291%以
5-Fluomovracilの
1210に
両耐 性 株 に対 し
著 効 で あ り交 叉 耐 性 を 示 さ
お い て は 感 性 株 に 対 し てBCNUの
延 命 率 は27%と
た が,10mg/kgで
性 株(MC-
無 効 で 完 全 交 叉 耐 性 を 示 した 。
mg/kgで
な か つ た 。L
生存す る
叉 耐 性 を 示 す よ うな成 積
効 で 完 全 交 叉 耐 性 を 示 し た 。MitomycinC耐
20mg/kgで
下 で無
対 して は10
後 さ ら に 検 討 を 加 え た い 。Tespamin
耐 性 株(TeS-R)はBCNUの
R)に
理食
田 肉腫 に お い て
以 上 生 存 す る ラ ッ トもみ られ 著 効 を示 し
た が,5mg/kg以
て はBCNUの10
島
1マ
は 各 耐 性 株 の 細 胞100万
6-Mercaptopurine,
豊
mg/
腹 腔 内 に 投 与 し 平 均 生 存 日数 の 対
で は 体 重18∼22gのBDF
て 考 え て よ いか 。
私 共 は6-MPRの
間後か
mg/kg,2.5
照 群 に 対 す る 延 命 率 か ら 効 果 を 判 定 した 。 ま たL1210
は 胃腸 に 於 け る 分 布 量 が 高 い が これ と臨 床 成 績 を 関 連 し
〔答 〕
個 を 移 植 し,72時
mg/kg,5
び1mg/kgを
田肉 腫 に
呑 竜 ラ ッ ト腹 腔 内 に 感 性 株
間BCNuの10
mg/kg,5
立 が ん セ ソ タ ー 病 院)
5-
各 耐 性 株 のBCNU
は 感 性 株 に 対 し てBCNU10mg/kg投
化 管 よ り比 較 的 低 い パ ー セ ン トで 吸 収 さ れ た
効 果 を 現 わ す1因
6-Mercaptopurine,
5-Fiuorouracil,の
た 。 な おBCNUは
投 与
ウ ス 白 血 病(L
1210のAmethopterin,6-
ま た は 各 耐 性 株 の 細 胞100万
あ りltotal
1210マ
C,
各 耐 性 株,L
で に
す ぎ な い 。 し か し腸 管 か ら の 吸 収 量 か
量 でsMPと
Mitomycin
Fluorouracilの
つ い て は 体 重100∼120gの
と し て 約6%に
〔質 問 〕
Tespamin,
で
で に 約25%で
同
感 性 株 に 対 す る 効 果 お よ び 吉 田 肉 種 のEndoxan,
下 次
ら24hrま
mustardと
有 す る 誘 導 体 で あ る。 我 々
hmで,す
約3%,6hrか
Thio-inosineを5例
1210)の
groupを
吉 田 肉 腫 お よ びL
最 高 値 に 達 し,以
第 に 減 少 し て ゆ く。 尿 中 へ の 排 泄 は 投 与 後6hrま
Thioinosineが
合 物 でnitrogen
Mercaptopurine,
に 充 分 血 中 に 認 め ら れ,2hrで
の 脾 へ のaffinityの
(目 的)1,3-bis(2-Chloroethyl)-1-nitrosourea(BCNU)
じ くchloroethyl
間 を 追 つ て 放 血 致 死 さ せ,H3の
器 内 濃 度,お
脾,肺,心,膵,子
章 ・加 藤 武 俊
はUreaのnitroso化
マ ウ ス にH3-TIを500mg/kg(0.03mc/
madioactivityを
野
愛 知 県 が ん セ ソ ター 研 究 所 化 学 療 法 部
同 様 の 抗 白血 病 作 用 を 有 す る
下,TIと
血 中 濃 度,臓
MPの2倍
吉 田 肉 腫 及 びL
大 羽 弘 行 ・太 田 和 雄
口 投 与 し,時
故 に,消
(BCNU)の
星
ICR-JCR系
後1hrで
sourea
藤 田 晴 久 ・戸 根 木 尚 子
用 い て検 討 した 。
10g)経
1, 3-bis(2-chloroethyl)-1-nitro-
慶応大学 医学部薬化学研究所
fihioinosine(以
1970
に つ い て
滋 ・瀬 戸 淑 子
6-Mercoptopurineと
ルTIを
K-24)
白 血 病 の 化 学 療 法(II)
H3-ラ ベ ル6-mercaptopurine
JULY
毒 性 を 示 しや や 有 効 で あ つ
は 延 命 率 は173%で
性 株(L
有効であつた。
1210/MTX-R)で
与 で 延 命 率194%以
上 で 著 効 を 示 し,こ
上,10
はBCNU
mg/kgで
の成績は感性 株 のそ れ
VOL.
18.
No.
CHEMOTHERAPY
4
に 比 しす ぐ れ て お りColiateral
る 。fi-Mercagtopurin耐
もBCNUは
vityを
R)で
Sensitivityを
性 株(L
著 効 で1VifiX-Rと
1210/6MP-R)に
対 して
同 様 にCollateral
示 し た 。5-Fluorouracil耐
はBCNUの20
示 して い
性 株(L
Sensiti1210/5
mg/kg,10mg/kg共
LD50/2治
療 群 で は 特 に 著 明 な延 命 効 果 は 認 め ら れ な か
つた 。
次 にMMCとCM-A3の2剤
ま た はEDXま
FU-
に有効で交
混 合 を 基 に して,MTX,
た は6MPを
行 な つ た 。 そ の結 果,3剤
併 用 し た3剤
吉 田 肉 腫 感 性 株 に 著 効 を 示 し た 。EX-RはBCNUに
不
完 全 交 叉 耐 性 を示 した 。 ま
も良 く17.5%の
完 全 交 叉 耐 性 を 示 し た 。 以 上 の こ とか ら,BCNUは
加え た 場 合
併 用 した 場 合135%の
延 命率が得 ら
153%で6MPを
アル
1.5LD50で
チ ル 化 剤 と類 似 し た 作 用 を 有 す る と 考 え ら れ る が,EX-
で186%,MMC+CM+EDXが178%,MMC+CM+
6MPの
不 完 全 交 叉 耐 性 を 示 した こ とか ら そ の 他 の 作 用 も 有
MTX-R,
6 MP-R,
Collateral
あ り,以
後 検 討 す る 。 ま たL
5 FLT-Aの
Sensitivityを
1210で
は
各 耐 性 株 がBCNUに
示 し た こ とは 興 味 あ る知 見 で
適 応
に示 唆 を 与 え る もの と考 え る。
対 す る制
癌 剤 の併 用 効 果 に つ い て
LD 50
く,体 重 減 少 な どか ら も明 らか に 毒 性 が現 わ れ て い る 。
す な わ ち,3剤
併 用 す る こ とに よつ て毒 性 が 軽 減 し,効
次 に 異 な つ た 薬 剤 を 順 次 用 い る リレ ー療 法 を行 な つ た
と ころ,薬 剤 の組 合 せ 方 に よつ て170%以
+CM+EDX,MTX+ED+CMの
がLD50/2量
藤樹
上 の延 命 効 果
組 合 せ で 投 与 した 薬 剤
に もか か わ らず200%以
上 の延命率が 認め
られ た 。 そ こ で これ らの 薬 剤 の組 合 せ で 反 復 治 療 を 行 な
北 里研究所癌化学療法 部
う,い わ ゆ るcyclic
白血 病 に 対 して化 学 療 法 は 不 可 欠 の 治療 手 段 で あ り,
結
告 され る よ うに なつ て来 た が 未 だ 充 分 とは 言 え な い 。 そ
L-x210
と して 制 癌 剤 の 治 療 係 数 が 低 い こ とが 挙 げ
therapyを
行 な うな らば よ り以 上
の 効 果 が 得 られ る の で は な い か と思 わ れ る 。
制 癌剤 の 開発 及 び 使 用 方 法 の 検 討 等 か ら長 期 寛 解 例 が 報
の 原 因 の1つ
の薬 剤 で し か も総 投 与 量1.5
が 認 め られ た 例 が 多 く,特 にMTX+EDX+MC,MTX
巌 ・前 川 とせ ・小 宮 山 寛 機
星 野 寿 雄 ・秦
れ た 。 ち な み に1つ
ず れ も高 い 延 命 率 が 得 ら
果 が 増 強 す る こ とが 認 め られ た 。
マ ウ ス 白 血 病L -1210に
梅沢
併 用群 が176%と,い
組合せ
で 治 療 した 群 で は 生 存 日数 が 対 照 群 よ り短 い も の が 多
上 の 成 績 は 白 血 病 治 療 に お け るBCNUの
K-25) 併せ て総 投与量が
治 療 した 場 合MMC+CM+MTXの
Rと
す る こ と が 推 測 され,今
混合療法 が 最
延 命 率 が 得 られEDXを
れ た 。 次 い で 各 薬 剤 のLD50/2を3剤
た ア ル チ ル 化 剤 と 交 叉 耐 性 を 示 すMC-gもBCNUに
併用 療 法 を
併 せ た 総 投 与 量 がLD50/2で
治 療 した 場 合MMC+CM+MTXの3剤
叉 耐 性 を 示 さ な か つ た 。(結 論)BCNUは10mg/kgで
完 全 な 交 叉 耐 性 をTeS-Rは
383
語
治 療 に 於 い て2剤 併 用 療 法 は 薬 量 が 少 な い と
特 に 治 療 効 果 の 増 加 は 認 め られ な か つ た が3剤
併用療法
られ よ う。 す な わ ち,毒 性 量 附 近 ま で 用 い な け れ ば す ぐ
に 於 い ては 薬 剤 の 組 合 せ に よつ て 明 らか に 治 療 効 果 の 増
れ た 効果 が 得 られ に く く,し た が つ て 副 作 用 の 出現 が 危
加 が 認 め られ 毒 性 も低 減 した 。 また3剤 療 法 に 於 い て は
惧 され る。 今 回我 々は そ の 効 果 が 人 癌 に 対 す る効 果 と近
混 合 す る よ り,順 次 使 用 す る リレ ー療 法 の ほ うが よい 成
似 して い る3L-1210を
績 が 得 られ た 。
用 い て 単 剤 療 法 と,2お
よ び3
剤併 用療 法 につ い て 実 験 的 に 比 較 検 討 した の で,そ
の成
〔追 加 〕
星 野
績 を報 告す る 。
1群5∼10匹
細 胞105個
回連 日10日
所)
の209前
後 のCDF1マ
を 腹 腔 に 移 植 し,24時
ウス にL-1210
間 後 か ら1日1
間 腹 腔 注 射 で 治 療 し,延
命 効 果 を し らべ
た。
併 用 効 果 を 問 題 にす る場 合 に は 薬 剤 の投 与 量 は 重 要 な
factorで
あ り,LD
50よ りそ の投 与 量 を 機 械 的 に 算 出 し
投 与 す る よ りは ま ず 各 薬 剤 のoptimal
doseを
求 め て,
そ れ か ら薬 剤 の投 与 量 を 定 め る のが 適 当 で は な い か と考
薬 剤 は現 在 臨 床 に使 用 され て い る中 か らMTX,EDX,
5FU,MMC,VCR,CM-A3,6MP,NMOの8種
類 を 用い
た。 そ の結 果,単 剤 で総 投 与量1/2LD50で
で は対照 群 の生 存 日数 を100と
治療 した 群
す る とMTX投
与群で
150%と 最 も 良い 延 命 率 が 得 ら れ,以 下EDX140%5
'FU
,MMC,VCR,CM,6MP,NMOで
あつた。
rそ
章(愛 知 県 が ん セ ン タ ー研 究
こで我 々はMMCを
基 と し て 各薬 剤 を 組 合 せ た2
・
剤 併 用療 法 を行 なつ た と こ ろ
,2剤
併 せ た総 投 与 量 が
え る。
〔答 〕
梅沢
巌,前
川 とせ(北 研)
先 生 の御 発 言 の とお りoptimal
doseは
我hも 経 験 し
て い る。 今 回 は毒 性 との 問 題 が あつ た た めoptimal
よ りもLD50に
〔質 問 〕
重 点 を お き実 験 を 行 な つ た 。
豊 島
滋(慶
大薬 化 学 研2研)
2剤 また は3剤 を 併 用 す る時,例
と1/4LD50のBを
dose
加 え て1/2LD50と
え ぽ1/4LD
50のA
表 示 され て い る
CHEMOTHERAPY
384
JULY
が,実 際 に測 定す ると毒性が上 る時 も下 る時 もあ ると思
示 す こ と を述 べ た 。 そ れ で,今
う。毒性 が下 り,効 果が増加 した とい うような組合せは
なかつたか。
PSの3者
〔答〕
梅 沢
巌(北 研)
実験 していない。今後 検討 してみた い と思 う。
K-26) 癌 の各 種 併 用 療 法 に 関 す る 臨 床
2者 併 用療 法 の 臨 床 効 果 は,5-FU+CHRM22例
の そ れ は43%,両
の平 均 有 効 率 は56%で,と
くに,5-FU+CHRMの
弘 ・檜 森
巽
成績 である。
朝 村 光 雄 ・小 林
泰 ・野 崎 久 男
久 ・姜
MMCの
のそれ は
の平 均 有 効 率 は56%で
比較 的 良 好 な
平 均 投 与 回 数 お よび 平 均 投 与 総 量 はMMC+
は13.3回,79.6mg,MMC+CHRM+PS
で は8.6回,51.6mgで
健 栄 ・工 藤 俊 雄
多 剤 併 用 療 法 に 比 し長 期 間 の
投与が可能 である。
祥 ・氏 家 重 紀 ・春 日井 貴 子
副 作 用 は5-FU+CHRMま
義 人 ・加 藤 昭 彦 ・菊 地 九 二 三
た はCHS+PSで
減 少 が 少 な く,食 思 不 振,悪
菅 原 伸 夫 ・市 川 恒 次
MMC+CHRMま
東北大 学抗酸菌病研 究所癌化学療法 部門
は 白血 球
心嘔 吐 等 の 副 作 用 が 多 い 。
た はCHS+PSで
は多剤併用療法ほ ど
で は ない が 白血 球 減 少 が み られ る 。
に よ る多 剤 併 用 療 法 な ら び に2∼3者
延 命 効 果 は5-FU-CHS,MMC+CHRM+PSに
て,多
併 用 療 法 を施 行 し,比 較 検 討 した 。
5∼6者 併 用 療 法 に つ い て は,本 学 会 総 会 を は じめ と し
々発 表 した が,使
者38例
CHS+PSで
金 丸 竜 之 介 ・吉 川 順 一 ・菅 原 一 布
て,度
併 用 療 法 の臨 床 効 果 は,MMC+CHRM+PS15
横 山 正 和 ・高 橋
我 々は5∼6者
有
例 の 有 効 率 は57%,MMC+CHS+PS23例
昭
林
者31例
効 率 は,前 述 の6者 併 用 療 法 の そ れ に 匹 敵 す る 成績 で あ
斎 藤 達 雄 ・大 平 貞 雄 ・涌 井
前 沢
の有 効
率 は67%,5-FU+CHS9例
54%,両
青 木
回 はMMC+CHRM+
併 用 療 法 に つ い て も,改 め て 検 討 を 加 え た 。
るo3者
的研究
1970
用 薬 剤 はMitomycinC(MMC),
おい
少 の 生 存 期 間 の 延 長 が み られ た が,充 分 な 成 績 で
は な い。
以 上,5∼6者
併 用 療 法 お よび2∼3者
併 用 療 法 の成 績
5-Fluorouracil
(5-FU) , N-N'-Diethylene-N"-ethylN"- (l, 3, 4-thiazol-2-yl)
Phosphoramide
(Azetepa) ,
に つ い て報 告 した が,両 群 共,臨 床 効 果 で はす ぐれ た 成
Chromomycin
果 の 点 か らは まだ 充 分 で は な く,こ の方 面 か らの 再検 討
A3-hemisuccinate
(CHS) ,
Podophyl-
10toxinbeta-D-benzylidene-glucocide(SP-G)お
Prednisolone(PS)の6者
で あ り,5者
よび
K-27) 除 い た 。 本 多 剤 療 法 施 行 症 例 は6者58例,
5者31例
で 胃癌 症 例 が 最 も 多 い 。 有 効 率 は 前 者67.4
者75%で
のMMC平
均 投 与 回 数 は7.3回,総
血 球 減 少 が 最 も 多 く,6者
量44mg,後
者の
で63.9%,5者
本 療 法 の延 命 効果 は,5者
後 生 存 期 間 が 対 照 に 比 し延 長 して い る が,決
して満 足 す
べ き成 績 で は な い 。
章 ・加 藤 武 俊
天 羽 弘 行 ・太 田 和 雄
癌 化 学 療 法 に お い て そ の 治 療 効 果 を 高 め る た め,各
吉 田 肉腫 移 植 呑 竜 ラ ッ トに 各種 制 癌 剤 を 投 与 し,そ の
にLifespanの
た はCHSの2者
延 長 が み られ た の で,
併用療法につ いて臨
床 的 に 検 討 を 加 えた 。 また,昭 和41年
の本学会総 会に
併 用療法の臨床効果 に
つ い て 発 表 し,従 来 の 併 用 療 法 に比 し,す
ぐれ た 成 績 を
1210マ
種
ウ ス 白血 病 を 用 い て
基 礎 的 検 討 を 行 なつ た 。
体 重18∼229のBDF1マ
病 細 胞100万
延 命 効 果 を 比 較 検 討 した 成 績 で,5-FU+Chromomycin
お い て,MMC+CHS+PSの3者
野
薬 剤 の 併 用 療 法 に つ い てL
併 用 に お け る化 学 療 法 開 始
併 用
愛 知 県 が ん セ ン ター研 究 所 化学 療 法 部
み られ た 。
本 療 法 中 止 の理 由 は 白血 球 減 少 が 最 も多 く,本 療 法 の
5-Fluorouracil,
法 に 関 す る基 礎 的 研 究
星
で54.8%を
続 行を阻む隆路 である。
C,
Arabinosideの3者
MFC療
あ る。 副 作 用 は 両 者 共,白
占 め る 。 下 痢 は それ ぞ れ36.2%,19.4%に
5-FU+CHRMま
Mitomycin
Cytosine
両 者 共 す ぐれ た 成績 を示 した 。 前 者 で
そ れ は7.9回,47.5mgで
As(CHRM)群
が 必 要 で あ るo
併用療法 で は
Azetepaを
%,後
績 を あ げ な が ら,癌 化 学 療 法 の 究 極 の 目的 で あ る延 命 効
を 腹 腔 内 に 投 与 し,対
求 め,各
血
間 か ら 隔 日10回
薬剤
照 群 に 対 す る生 存 日数 の延 長 率 を
薬 剤 及 び 併 用 療 法 の 効 果 を 判 定 した 。
ま ずAmethopterin
MP),
ウ ス 腹 腔 内 にL1210白
個 を 移 植 し,24時
(MTX),
5-Fluorouracil
Daunomycin
(DM),
Arabinoside
(CA)の
す な わ ち,MTX
6-Mercaptopurine
(5-FU),
Mitomycin
Vinblastine
(VLB),
各 薬 剤 のoptimal
3mg/kg,
6 MP
C
doseを
40 mg/kg,
(6(MC),
Cytosine
求めた。
5 FU
25
VOL.
mg/kg,
CA
CHEMOTHERAPY
18.
NO.
MC
2mg/kg,
20 mg/kgで
4
DM
1 mg/kg,
ALB
1.5 mg/kg,
あつた。
doseの1/2量
を 組 合 せ て,
投 与 す る 併 用 療 法 を 行 な い,そ れ ら の
効果 を 単独 薬 剤 のoptimaldose投
た。 各種 の組 合 せ20組
所)
動 物 腫 瘍に お け るoptimal
つい で 各薬 剤 のoptimal
同時に 隔 日10回
385
与 の効 果 と 比 較 し
の うち,5FU+MC,5FU+CA,
CA+MC,CA+6MP,CA+DMの5組
果を示 した 。 そ の他 の組 合 せ の 大 部 分 は相 加 効果 を 示 し
た。
合 比 に つ い て は 或 る程 度 臨 床 的 投 与 量 に お い て も平 行 す
る の で は な い か と考 え て い る。
木 村A代
Cytosine
各薬剤は互い に
何 な る役 割 を 演 ず るか 。
星 野
はDNA合
はす ぐれ た 効 果 が 期 待 で き る の で は な い か と考 え,MC+
Thymidilateの
5FU+CAの3者
また はTDP→TTPの
す なわ ちcAのoptimal
つ い て検 討 した 。
doseの1/2量(10mg/kg)
章(愛 知 が ん セ ソ ター)
相 乗 効 果 発 現 の 機 序 に つ い て は 不 明 な点 が 多 い がCA
相 乗 効果 を 示 す こ とか ら,こ れ ら薬 剤 の3者 併 用 療 法 に
併 用 療 法(MFC)に
成 のCytidilateの
よ び5Fuのoptimal
doseの1/2量,1/4
量,1/8量
をそれぞれ組合せ て同時投与に よる併 用療法
合 成 経 路 を,5FUは
合 成 経 路 を,MCはDNA
polymerise
経路 を阻害す ること が 知 られ て
お り,い ず れ もDNA合
とMcお
二(国 立 が ん セ ン タ ー病 院)
arabinosideセ ま相 乗 効 果 を い う場 に 於 い て 如
〔
答〕
以上 の組 合 せ の うちMC,5FU,CAの
りた だ ち に 臨 床 投
薬 量 を 定 め る こ と は 出来 な い が 相 乗 効 果 を示 す 薬 剤 の配
〔
質 問〕
の組 合 せ が 相 乗 効
doseよ
成 経 路 のPyrimidineの
合成 を
強 く阻 害 す るの で,こ
の よ うな 作 用 が 相 乗 的 にDNA合
成 阻 害 に 発 揮 され,相
乗 効 果 を示 す と考 え る。 相 乗 効 果
を 行 なつ た と こ ろ,い ず れ の ス ケ ジ ュ ー ル に お い て も強
が 得 られ る薬 剤 の組 合 せ は あ ま り作 用 機 序 の 異 な る も の
い相 乗 効 果 を 認 め た 。
よ り もや や 近 い経 路 を 阻 害 す る薬 剤 が よい の で は な い か
さ らに 最 もす ぐれ た 効 果 を示 す 組 合 せ を 求 め る た め,
MC,5FU,CAの
各 薬剤 の 投 与 量 につ い て 検 討 し た 。 す
なわ ちGOLDIN等(Cancer
法 に基 づ き,各
FU
25mg/kg,
Res., 29, 950, 1968)の 方
薬 剤 のoptimal
CA
20mg/kgを
doSe MC
2mg/kg,5
と考 え て い る。
〔
質 問〕
藤 田
FUとCAの
併用効果 で
は 協 力 作 用 は 得 られ て い な い 。5 FUが
正 三 角 形 の頂 点 に お き,
正三 角 形 の 中 の 点 か ら各 辺 へ の 垂 線 の 長 さを もつ て 組 合
相 当 す る よ うに 混 合 し,単 独,2者
併
有 効 で,CAが
全 く無 効 の動 物 腫 瘍 で 同 じ よ うな 相 乗 効 果 が 現 わ れ るか
〔
答〕
星 野
せ薬 剤 の 量 を 算 出 し,常 に併 用 薬 剤 の 総 和 が 単 独 薬 剤 の
optimal doseに
浩(国 立 が ん セ ン タ0)
私 共 は 細 菌 細 胞 を用 い て,5
章(愛
知 県 が ん セ ン タ ー研 究
所)
吉 田 肉 腫 はCAに
全 く無 効 で あ る が こ の 吉 田 肉腫 に
用 の効 果 と比 較 し,最 も強 い 相 乗 効 果 を示 す 薬 剤 量 の 組
MC,5FU,CAの3者
合せ を 求 め た 。
ま た は そ の2倍 を用 い て 行 なつ た と ころ,相 乗 効 果 は認
す な わ ちMC,
1/3量(Mco.67
mg/kg)を
5 FU,CAのoptimal
mg/kg,5
Fu8.33
doseの
mg/kg,
各々 の
CA6.67
組 合 せ た 併 用 投 与 で は延 命 率522%以
治療 マ ウ スの80%が60日
め られ ず,相 加 的 で あ つ た 。 この 点 に 関 して はCAの
以 上 生 存 す る とい う,す ぐ
Uの1/4量(6.25
mg/kg)の
与 量 を 増 加 して 検 討 して み た い と考 え て い る。
K-28) 制 癌 剤 併 用 投 与 の 意 義 並 び に 形
式 に つ い て の 考 察
mg/kg),CAの1/4量(5
組 合 せ,お
よびMC1/4量(0・5mg/kg),5
古 江
尚 ・服 部 隆 延 ・大 橋 泰 彦
中尾
功 ・小 泉 博 人 ・横 山
FUの1/4量(6.25mg/kg),CAの1/2量(10mg/kg)
の組 合 せ の 併 用 投 与 で は,い
ずれ も延 命 率400%以
山 名 卓 爾 ・金
上で
以上 の3者 併 用 療 法 は 単独 投 与,さ
ら に は2者 併 用 療
(1)
例 中,種
ては 今後 さ らに 検 討 を 加 え た い 。
(白血 病,悪
斎 藤 達 雄(東 北 大 抗 酸 菌 病 研)
doseを
きめ て 行 な う方 法 を 興 味
々の 併 用(Steroidは
癌 剤 併 用 投 与 の 意 義 と形 式 に つ い て 検 討 を 加 えた 。 併 用
投 与 の形 式 はMMC2mgと5FU
51例,こ
床 に どの よ うに 移 した ら良 い と考 え られ る か 。
MMC,5FU,CHSに
星 野
章(愛 知 県 が ん セ ン タ ー研 究
の進行癌
除 く)を 行 なつ た179例
性 リンパ 腫 な どは 除 く)を 中 心 と して,制
深 く拝 聴 した が,こ れ らの 動 物 実 験 に お け る 成 績 を,臨
〔
答〕
孟 和
癌 研 内 科 で化 学 療 法 を うけ た1,011例
法 よ りもす ぐれ て い る 。 な お 相 乗 効 果 発 現 の機 序 に つ い
各 種薬 剤 のoptimal
正
癌 研 内 科
強 い相 乗 効 果 を 示 した 。
〔質 問〕
投
上 で,
れた 相 乗 効 果 を 示 した 。 次 い でMCの1/2量(].mg/
kg),5F
併 用 療 法 を それ ぞれ の 最 少 有 効 量
れ に さ らにCHS3mgを
250 mg連
さ ら にEndoxanを100mg加
た もの16例,MMCとEndoxan
日静 注
加 え た もの75例,
8例(以
え
上す べ て静
CHEMOTHERAPY
386
注),そ
の 他29例
(2)
効 果:他
Endoxan
である。
覚 的改 善(腫 瘤 の 縮 少)の
,5 FU,MMC各
割 合 は,
JULY
K-29) 悪 性 腫 瘍 に 対 す るMitomycinC,
5 FU,
単独 投 与,各 形 式 の 併 用 投 与
Cytosine
の 間 で ほ と ん ど差 が 認 め られ な い 。 た だ しか し併 用 投 与
3者
群 に お い て は,消
的 研 究(第1報)
化 器 癌,原 発 病 巣,径5cm以
上 の大
1970
arabinosideに
併 用 療 法(MFC)に
よる
関 す る臨床
き い 病 巣 に 対 す る 効 果 が,単 独 投 与 群 よ り もや や す ぐれ
太 田 和 雄 ・栗 田 宗 次
て い る。 生 存 期 間(治 療 開 始 か ら死 亡 ま で)は 無 効 群 と
有 効 群 と の 間 に 大 きな 差 が あ る が,各 薬 剤,各
L 1210白
用 投 与 の間 に著 差 を 認 め な い 。 強 い て 言 え ばEndoxan
血 病 に お い て,Mitomycin
Fluorouracil
を 加 え た 併 用 群 の 特 に無 効 群 に お い てや や 短 か い 。
1例 あた りの 薬 剤 の平 均 投 与 総 量 は,各 薬 剤(Endoxan,
5FU,MMC)と
愛 知 県 が ん セ ン タ ー第2内 科
形 式 の併
(FU),
Cytosine
応 用 した 。 方 法 はMC
mg/kg(500
始 ま で の平 均 投 与 総 量 は併 用 に よつ て もほ と ん ど低 下 し
20%20
な い 。 た だEndoxanを
用 の な い 限 り8∼10回
加 え る こ とに よつ て,MMCの
ら25
mgに)低
下す る
白 血 球 減 少:そ の 頻 度 はEndoxan,MMC単
独,
併 用 群 の 間 で 著差 を 認 め な い 。 白血 球 減 少(3,000)に
い
mg/50
kg),CA
静 注 し,副 作
投 与 を 目標 と した 。MFC療
行 なつ た 手 術 不 能 の 末期 癌25症
例 の 中,5回
法を
以上投与
例 につ い て 検 討 した 結 果,他 覚 的 腫 瘍 効果 は著
効21%,有
%,他
10
0.8mg/kg(40mg/50kg)を
ccの ブ ドウ糖 に 同 時 溶 解,週2回
の19症
にす ぎない。
(3)
併
0.08 mg/kg(4mg/50kg),FU
多 少 低 くな る の は 当然 で あ る が,い つ ぼ う,効 果 発 現 開
mgか
(CA)の
用 が 相 乗 効 果 を示 した 成 績 か ら,こ の3者 併 用 を臨 床 に
も,そ れ ぞ れ の 単 独 投 与 群 と比 較 す る と
必 要 投 与 総 量 が 軽 度(30
C(MC),5-
arabinoside
効32%,自
覚 的 効 果 は 著 効16%,有
覚 自覚 総 合 し て 著 効21%,有
効21
効37%,計58%
た る まで の 各 薬 剤 の 投 与 総 量 は 併 用 に よつ て 低 下 す る
に な ん らか の 効果 を 認 め た 。 癌 治 療 学 会 判 定 基 準 で は 軽
(Endoxanは4,000mg→2,500
快53%,不
41 mg)。 特 にMMCを
加}る
mg,MMC50mg→
中 心 と し た 併 用 にEndoxanを
変37%,悪
副 作 用 も高頻 度 に み られ,特
こ とに よつ て,こ の 値 は,い つ そ う低 下 す る し,
色 素値60%以
2,00037%,2,000以
下 を み る と,MMC単
10∼3万21%,3万
独,MMC+5FU,MMC+5FU+
間 に差 が な い が,MMCにEndoxanを
加}た 群
各 薬 剤,併 用 の 間 に全 く差 が な い 。
64%,下
覚 的 副 佐 甲 出現 時
小板 数 減 少
あつた。消
化 器 症 状 と し て 食 欲 不 振 強 度 な も の16%,軽
の47%,計63%,悪
自覚 的 副 作 用:そ の 頻 度,自
血 球 数 減 少4,000∼
下52%計89%,血
以 下58%,計79%で
で は,低 下 の 経 過 が 早 い 。 た だ 白 血 球 数恢 復 の 曲線 は,
(4)
あ つ た 。 いつ ぼ う,
に 血 液 学 的 副 作 用 が 強 く血
下 の 減 少21%,白
また 白血 球 減 少 の頻 度 も高 くな る 。 白 血 球 数 の経 時 的 低
CHSの
化10%で
心 嘔 吐 強 度11%,軽
痢 強 度16%,軽
度16%,計32%で
そ の 他,脱 毛16%,パ
度 なも
度53%,計
あつ た 。
ー キ ン ソ ン病 様 症 状,低 血 圧 発
投 与総 量 は,各 薬 剤 の 単 独 投 与,各 形 式 の 併 用 投 与 の 階
作,色 素 沈 着,喀 血,皮
に ほ とん ど差 を 認 め ず,併 用 に よつ て 自覚 的 副 作 用 が,
こ のMFC療
早 く,且 つ 強 くあ らわ れ る こ とは な い 。
に 注 目す べ き は 高 度 の 大 き さ と拡 が りを持 つ 末 期 癌 に 対
効 果出現開始時 投与総量
/投与総量
(5)
比 が 小 さ い こ とは,
下 温 血 各1例 ず つ 認 め られ た 。
法 の 腫瘍 効 果 は か な り強 い もの が あ り,特
して も効 果 を示 す こ とで あ る。 いつ ぼ うに お い て は 副 作
用 も また 著 る し く,殊 に 血 液 学 的 副 作 用 の た め 長 期 治 療
制 癌 剤 の 好 ま しい1つ の 条 件 と考 え ら れ る 。 この 比 は
の 困難 性 を 示 す こ とで あ る。 著 る しい腫 瘍 効 果 が 得 られ
Endoxan,
て も,血 液 学 的 副 作 用 の た め 治 療 中 止後,比
5 FU, MMCの
群 で はEndoxan,
間 に ほ と ん ど差 が な い が,併 用
5 FU, MMCの
どれ を とつ て も,当 然
この 比 は大 き くな る。
(6)
較的早期に
再 発 を 見 た 例 も少 な くな い 。 後 述 す る2症 例 な どは,中
途 で 一 時 休 薬 或 い は 投 与 間 隔 を 延 ばす こ とに よつ て 長 期
制 癌 剤 併 用 の本 質 的 意 義 につ い て 結 論 を のべ る
投 与 を 行 な い 得 た こ とが,こ
うい う良 好 な 効 果 を 得 た 原
に は な お時 期 尚 早 で あ る が,今 後 も 引 き続 き充 分 な検 討
因 と も考 え られ る 。 従 が つ て 現 在 投 与 間 隔 を 週1回
に 値 す る とい え よ う。 な お 併 用 形 式 につ い て は,わ
る方 法 お よび各 薬 剤 の 半 量 を 用 い る 方 法 に つ い て 検 討 を
で はMMCを
が,こ
が国
中 心 と した 投 与 が 主 と して 行 なわ れ て い る
れ に さ ら にAlkylatiing
agentで
あ るEndoxan
を 加 える こ とにつ い て は,な お慎 重 な 検 討 が の ぞ ま しい 。
とす
行 なつ て い る 。
症 例142才,女
。 子 宮 癌 肺 リ ンパ節 転 移 で,肺 に
7.8×7.1cmの
主 腫 瘤 影 を 始 め とす る多 数 の転 移 巣 が あ
り,MFC計13回
投 与 に よ り,主 腫 瘤 は2.0×2.0cm
に,他 は 消 失 し,く る み 大 の 頸 部 リ ンパ 節 消 失,小 児 頭
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
387
大 の子宮 癌 腫 瘤 は抵 抗 を 触 れ る のみ とな つ た 。 また3回
撃 療 法 単独 群 をA群
投 与後 子宮 頸 部生 検 に よ り 著 る し い 腫 瘍 細 胞 の崩 壊 を
B群,最
み,7回
投 与 後 の生 検 で は 腫 瘍 は 消 失 して い た 。 副 作用
用 例 をC群
として 投与 時 時 々食 欲 不 振,悪 心 嘔 吐 を み た 。 また パ ー
疸 等,MMC衝
キ ン ソ ン病 様 症 状 が 出 た。 また 白 血 球,血 小 板 数 の 著 る
引
しい減 少 の た め13回
で投 与 を 中 止 した
。
量,5FU併
症例243才,男
。 後 腹 膜未 分 化 肉腫 で右 腹 部 に 巨
大 な腫 瘤 と腹 水 を認 め,MFCに
よ り腹 水 消 失 し,腫 瘤
と し,次 い で 同種 骨 髄 移 植 併 用 例 を
近 のMMC衝
撃 療 法,同 種 骨 髄 移 植,5FU併
と し,さ らに 高 度 の 動 脈 硬 化,心
用,ま
た は5FU単
と した 。 各 群 に つ い て そ の 延 命 効 果 を 比 較 して み る と,
r群 に 比 し明 らか にC,D群,特
効 果 は著 明 で2年4ヵ
にC群 に お け る延 命
月 に 及 ぶ 末 期 胃 癌例 も経 験 して い
る。 以 下 症 例 に つ い て 述 べ た い 。 症 例:38L'・
注 目す べ きは 骨 髄,末 檎 血 中 に 出 現 して い た 肉 腫 細 胞 が
43,4,子
3回 投 与 以 後 は 消 失 した こ とで あ る。 現 在2週
術 不 能 と診 断 され,当
維 持投 与 で合 計16回
の
投 与 を 行 な つ た 。 副 作 用 は3回 投
与 後強 い 食 欲 不 振,悪 心,嘔
吐,下 痢 を み た 。 休 薬 後 再
宮 癌,骨 盤,直
腸,肺 転 移,癌
科 に てMMC大
改 善 を み,4週
後 退 院 。 以 後,外
×2/週 を 長 期 に併 用,そ
少 もみ られ なか つ た。
追 加,各
木 村 郁 郎(岡
性 腹 膜 炎 に て手
量 衝 撃 療 法,及
々総 量30,000
来 に て5FU500mg
の 間MMC10mg/2週
mg,132
mgに
を適 宜
達 し,1年
現 在 元 気 に 通 院 中 で あ る。 な お,X-Pに
大 平 木 内科)
3者 併 用 療 法 に お け る 造 血 障 碍 に つ い て,そ
の 回復 ま
で の期 間 を それ ぞ れ の 単 独 投 与 の場 合 と比 較 され て お ら
女 性 。S
び 同 種 骨 髄 移 植 施 行 。 腰 痛,腹 水 等 著 明 な 自他 覚 所 見 の
治 療 時 に は副 作 用 は み な か つ た 。 ま た 白 血 球,血 小 板 減
〔質問 〕
歓大
独 施 行 した もの をD群
はほ とん ど消 失,一 般 状 態 は 極 め て 良 好 とな つ た 。 特 に
に1回
筋 障 碍,黄
撃 療 法 の 適 応 外 と考 え られMMC問
移 像 の 改 善 を認 め た 。 以 上,MMC大
長 期5FU併
後 の
も 著 明 な肺 転
量 衝撃 療 法,及
び
用 に 関 す る 我 々の 症 例 に つ い て 追 加 した 。
れ た ら,御 教 え 下 さ い 。
〔
答〕
MFC療
太 田 和 雄(愛
知県 が ん セ ンタ ー)
K-30) も程 度 もは げ しい もの で あ り,中 止 後 は 自然 に 恢 復 す る
藤 田
が そ の程 度 は単 独 薬 剤 に く らべ て悪 い と思 う。 投 与 量,
MFC併
〔
答〕
MFC療
用 療 法 は,先 生 が これ まで 行 な わ れ たMETT
臨 床 に 於 け る 多 剤 併 用 療 法 に 用 い られ る抗 癌 剤 の組 合
せ を 合 理 的 に 実 施 す るた め の 根 拠 に 関 して は 担 癌 動 物 の
太 田 和 雄(愛 知 県 が ん セ ン タ ー)
法 に く らべ て 確 か
に 強 い と思 う。 殊 に 相 当 の大 き さ と拡 が りを もつ 進 展 癌
に も効 果 を期 待 し得 る場 合 が あ る。 しか し副 作 用 も強 い
生 存 率 の 延 長 を 中心 と して 実 験 が 成 され て い るが,な
演 者 らは 今 回は 細 胞 を 用 い そ の 抗 菌 性 の 増 強 或 い は 減
弱 を 指 標 と して,5FUと
もて る併 用 療 法 とな る と考 え て い る。
は 拮 抗 作 用 を 検 討 した 。
量 衝撃 療 法 及 び5FU長
期併用例 に
各 種 抗 癌 剤 との 間 の協 力或 い
用 い た 細 菌 は 黄 色 ブ 菌,八 連 球 菌,枯
肺 炎 肝 菌,緑 膿 菌 の6種,12株
坪 井 重 雄 ・梶 原 哲 郎 ・鎌 田 哲 郎(東 京 女 子 医
大 第 二 病 院 外 科)
癌の 化学 療 法 に お いて は臨 床効 果 は もち ろん の こ と,
延 命,特 にい わ ゆ る末 期 癌 の延 命 効 果 を 得 る こ とは な か
な か困難 で あ る。 我 々 は既 に 第14回
とお り,速 効 性 制 癌 剤MMC
本 学 会 で発 表 した
1 mg/kg大
量 衝 撃 療i法に
5FUと
草 菌,大 腸 菌,
である。
そ れ ぞ れ 組 合 せ 用 い た 薬 剤 はMMC,
Daunomycin,
Actinomycin
arabinoside,
6 MPで
D, Tayamycin,
Bleomycin,
Cystasine
あ る。
実 験 方 法 は 通 常 の 抗 菌 性 抗 生 物 質 の 協 同作 用 を 検 討 す
る際 に 採 られ る 方 法 に 従 が つ た 。 す な わ ち,単 剤 及 び 合
剤 に つ い てMICの
測 定,両 剤 を2倍 階 段 稀 釈 し各 種 組
より臨 床症 状 の寛 解 を得 た例 に 作 用 機 序 の異 な る代 謝 拮
合 せ た 寒 天培 地 上 の 菌 の発 育 状 況,増 殖 曲線,発
抗 性制 癌剤5FUを
帯 の 拡 大 或 い は縮 少 等 を 観 察 した 。
長 期 に渉 り併 用 し,著 明 な延 命 効 果
を得 てい る の で追 加 した い。 施 行 症 例 は 殆 ん ど が 胃 癌 を
主 に消 化器 癌 であ り,そ の他 乳 癌,子 宮 癌,肺 癌 等 手 術
不 能末 期 癌 で あ る。 これ ら 症 例 を 初 期 のMMC大
量衝
お
不 明 の 点 が 少 な くな い 。
の で今 後 投与 量,投 与 間 隔 を 検 討 す る こ とに よ り希 望 の
〔追加 〕MMC大
ついて
昇 ・沢 部 孝 昭
木 村禧代二
国立が んセ ンター ・臨床検査 部,細 菌,内 科
斉 藤 達 雄(東 北 大抗 酸 菌 病 研)
法 の腫 瘍 効 果 はMETT療
浩 ・中 山
内 田 恒 代 ・青 木 光 子 ・土 田裕 子
投 与 間 隔 を検 討 す る 必 要 が あ り,検 討 中 で あ る。
併 用療 法 に く らべ て優 れ た も の と考 え られ るか 。
各 種 抗 癌 剤 との 併 用 効 果
に 関 す る実 験 的 研 究
法 に よる 白血 球,血 小 板 数 の 減 少 は そ の 頻 度
〔
質 問〕
5FUと
育阻止
結 果:
1)
5 FUとMMC,
5 FUとBleomycinと
の組合せ
で は 大 部 分 の 細 菌 に対 して 著 明 な協 力 作用 を 示 す こ とが
CHEMOTHERAPY
3 8 8
判 明 した 。 す な わ ち単 独 よ りも合 剤 に 於 け るMICの
下,各
低
種 濃 度 組 合 せ 培 地 上 で の 菌 の発 育 状 況 か ら,〓 の
JULY
原 発 不 明 の 後 腹 膜 腫 瘍1,計12例
は 胃癌5例(2例
1970
で あ り,大 量 併 用 群
は癌 性 腹膜 炎 を 併 発),肺 癌,甲 状 腺 癌,
部 分 の〓 の 領 域 へ の階 段 状 の 喰 い 込 み,増 殖 曲 線 に 於 け
骨 肉腫 肺 転 移,原 発 不 明 単純 癌 の 頸 椎 及 び 頸 部 リンパ 腺
る1/2+1/2合
転 移 各1例 の 計9例
剤 の 増 殖 率 の 低 下,カ
ヅプ法 で,両 剤 の
境 界 線 に み られ る発 育 阻 止 帯 の 拡 大,融 合 等 の 所 見 か ら
5 FUとMMC,5
FUとBleomycinの
協 用は相乗作用
と考 え られ る 。
2)
間 は3.2カ
で あ る が,少 量 併 用 群 の 平 均 投 与 期
月 で,投 与 総 量 の 平 均 は44mgで
いつ ぼ う,大 量 投 与群 の平 均 投 与 期 間 は2.9カ
総 量 は平 均65mgで
5Fu+Daunomycinの
組 合 せ で は2,3の
細菌で
あつた。
者 は1.5倍
月,投 与
あ り,従 が つ て ほ ぼ 同 一 期 間 に 後
量 のMMCが
投 与 され て い る 。 療 化 学 療 法
か な り著 明 な協 力 作 用 でみ ら れ た が,そ の 程 度 は1)に
効 果 判 定 委 員 会 試 案 に 従 が つ た 効 果 判 定 を 行 な う と少 量
比 しか な り弱 く,軽 度 の 相 乗 作用,或
併 用 群 は 軽 快3,不
いは相加 作用を示
す に と ど まつ た 。
3)
変6,悪
併 用 群 では 軽 快4,不
5 FUとActinomycin
D,
5 FUとToyomycin
化3で あ り,い つ ぼ う大 量
変3,悪
化2と 有 効 率 は 後 老 が よ
り高 い よ うで あ る 。 少 量 併 用 群 の 肺癌 の1例,大
群 の 胃癌 の2例 は そ れ ぞ れ15カ
の 程 度 であ り,2,3の
コ ン トロ ール 中 で あ り,投 与 総 量 及 び 投 与 期 間 と治 療 効
細 菌 で は 相 加 作 用 も認 め られ な か
つ た。
4)
月,14カ
量併用
の 組 合 せ で は 併 用 効 果 は さ ら に 弱 く,主 と して相 加 作 用
月,10カ
月
果 は 並 行 す る よ うに 思 わ れ る。
5FLT+Cyrosine
arabinoside,5
FU+6MPの
合 せ で は 協 力 作 用 は 全 く認 め られ ず,一
殖 曲 線 の 上 昇,発
育 阻 止 円 の縮 少,組
組
部 の 細 菌 で,増
合 せ 培 地 で の〓 の
い つ ぼ う,両 投 与 法 の 宿 主 に 与 え る影 響 を見 る と白 血
球 減 少(3,000以
下)は
少 量 併 用 群 で は12例
中1例,
大 量 投与 群 で は9例 中4例 に 見 ら れ前 者 で は ほ とん どの
領 域 の 喰 い 込 み 等 か ら,軽 度 なが ら拮 抗 現 象 を呈 す る こ
例 が2週 の 休 薬 で 旧値 に 復 す るが 後 者 で は 回復 に1∼1.5
とが 判 明 した 。
カ 月 を 要 し,そ の 中 の1例 は 急 激 なPancytopeniaを
K-31) し病 像 の 悪 化 を 招 来 した 。Hb量,体
癌 の 多 剤 併 用 療 法
重,血
来
清 アルブ ミ
ン量 に 関 して は 特 に両 群 に 差 は 認 め られ な い。 血 清 鉄 は
線 維 芽 細 胞 抑 制 剤 に 対 す る併 用 制 癌 剤 の量 的
少 量 併 用 群 で は 効 果 の 発 現 と共 に 上 昇す る よ う で あ る
検討
が,大 量 併 用 群 で は 貧 血 を 来 す と共 に血 清 鉄 の 高 度 上 昇
を 見,強
木 村 郁 郎 ・守 谷 欣 明 ・大 慶 泰 亮
西 崎 良 知 ・白 井 孝 一 ・高 田 宏 美
る が,大 量 投 与 群 で は 投 与 開始 後,一 時 期 急 な 上 昇 を 来
国 政郁 哉
す もの が あ り,腫 瘍 崩 壊 物 が 肝 に対 して糖 蛋 白 合成 を 捉
岡 山 大 学 平 木 内科
線 維 芽 細 胞 抑 制 剤Chloroquineあ
い 骨 髄 障 害 を 思 わ す 症 例 が2例 経 験 され た 。 ま
た 血 清 シ ア ル酸 の 変 動 は 両 群 共 に 軽快 例 で は 低 下 して 来
進 さす と考 え る と興 味 深 い 。
る い はChloroquine
MMCを
前 述 の 基 礎 投 与 剤 と併 用 す る こ とに よ り比 較
と各 種 制 癌 剤 の 併用 に よ る悪 性 腫 瘍 の 治 療 効 果 に 関 して
的 少 量 で効 果 が 期 待 で き,副 作用 の発 現 率 も低 い よ うで
は,す で に 本 学 会 に お い て 報 告 した 。 そ の 後Chloroqu-
あ る。 従 が っ て 開 始 療 法 と して は 有 効 率 の 高 い 大量 併 用
ineに 加 え てPhytonadione及
を 行 な い,効 果 を 得 た 場 合 は 維 持 療 法 と して,あ る い は
びPrednisoloneを
基礎
投 与 剤 と し,そ れ に 各 種 制 癌 剤 を組 合 せ た4者 併 用 療 法
副 作 用 で 大 量 併用 が 不 可 能 な 場 合,あ
を 行 な い か な りの 好 成 績 を 得 て い る 。 現 在 で は さ ら に
態 が 悪 く大 量 併用 が 望 ま し くな い場 合 な どに 少量 併用 の
Mitomycin
意 義 が あ る と思 わ れ る 。
C(以 下,MMC)+5-FU,
あ る い は5-FTJ+Bleomycinを
た5者
MMC+Bleomycin前 述 の 基 礎 投 与 剤 に加 え
併 用 療 法 を検 討 中 で あ り,動 物 実 験 で は 併 用 効 果
が 認 め られ つ つ あ る。
投 与量,投
使 用 した 例 を 選 び
与 方 法 に よる 治 療 効 果 あ る い は 宿 主
に 及 ぼ す 影 響 に つ い て検 討 を 加 え た 。MMCの
して2mg/日
(以下,少
投与法 と
を2週 間 の間 隔 で5日 間 連 続 投 与 し た 群
量 併 用 群)と1回20mgを2週
い は10mg週1回
K-32) 制 癌 剤 の 効 果 増 強 及 び 副 作 用 防
止 に 対 す る研 究
今 回 は 併 用 制 癌 剤 と してMMCを
MMCの
る い は ま た全 身状
投 与 群(以 下,大
が あ る。 少 量 併 用 群 の 内 訳 は肺 癌5,胃
問 に1回 あ る
量 併 用 群)の2群
癌4,肝
癌2,
梶 原 哲 郎 ・坪 井 重 雄 ・鎌 田 哲 郎
丸 野 敏 次 郎 ・国 吉
昇
東 京 女 子 医大 附 属 第 二 病 院 外 科
制 癌 剤 の 副 作 用,特 に 骨 髄 障 碍 は 制 癌 剤 の 投 与 量,投
与 期 間,投 与 間 隔 に 著 る しい影 響 を 与 え 投 与 量 の 減 少,投
与 期 間 の短 縮,投
与 間 隔 の 延 長 を もた ら し宿 主 を 死 に 郵
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
389
らせ るた め,出 来 るだ け 早 く骨 髄 の 障 碍 を 防 ぎ,再 生 を
〔追 加 〕
意 図 しなけ れ ば な らな い 。 我 々は マ イ トマ イ シ ンC大 量
我 々 は 制癌 剤 の 効 果 向上 の た め に,宿 主 側 を賦 活 さ せ
衝撃 療 法施 行 後,骨 髄 移 殖 を 併 用 して そ の 副 作 用 を 最 少
る方 法,す
限に して来 た が,今
回 は チ トク ロー ムC製 剤 の 内服 薬 を
剤 を1abe1し
投 与 す る こ とに よ り骨 髄 細 胞 の 増 生 を 促 進 させ,骨 髄 細
えてい る。
胞 減 弱 防止 に 効 果 を 認 め た の で 報 告 した 。 さ ら に マ イ ト
〔質 問 〕
マイ シ ンCの 効 果 を 増 強 させ る た め デ キ ス トラ ン硫 酸 を
(1)
併 用 してそ の 効 果 と生 体 の 線 溶 系 に 及 ぼ す 影 響 を検 討 し
て見 た。
1)
中20例
施 行後 チ トク ロ ー ムC錠,6∼9錠
て 行 く方 向に 研 究 を 進 め て 行 き た い と 考
伊 藤 健 次郎(千
大 一 外)
管 吸 収 に 関 して ど うお 考 え か 。
チ トク ロ ー ムCの 注 射薬 を 制 癌 剤 に 併 用 され た
経験が あるか。
マ イ トマ イ シ ンC大 量 衝 撃療 法 を 施 行 し骨 髄 移 殖 を 行
な つた 末 期 癌 患 者40例
な わ ち 制 癌 剤 以外 の賦 活 す るで あ ろ う各 種 薬
チ トク ロ ー ムCの 内 服 を 用 い られ た が 本 剤 の 腸
(2)
チ トク ロ ー ムC製 剤 内 服 薬 の 効 果 判 定
坪 井 重 雄(東 京 女 医 大 第2病 院 外 科)
〔答 〕
梶 原 哲 郎(東
を 対 象 群 と した 。 本 法
を 投 与 した10例
を第
京 女 子 医 大 第2病
院外
科)
チ トク ロ ー ムC錠 剤 の腸 管 吸 収 は 認 め られ て い る。 チ
2群 と して1週 毎 に 赤 血 球,白 血 球,栓 球,網 状 球,出 血,
トク ロー ムCの 注 射 の制 癌 剤 に 対 す る副 作 用 防 止 に 対 す
凝 固時 間 を 測 定 して 比 較 検 討 した 。 第3群
る効 果 は既 に 多 くの 報 告 が あ り認 め られ て い る。 今 回 特
mg/週2回
は5FU500
投与を本法施行後長期 に行なつてい る症 例に
チ トク ロ ー ムC錠 を 投 与 して,投 与 前2カ
月 と投 与 後4
に チ トク ロ ー ムCの 内 服 薬 を 取 りあ げ た の は 外 来 で マ イ
トマ イ シ ソC大 量 衝 撃 療 法 施 行 後5FU500mg/週2回
カ 月の 検 査 結 果 を 比 較 検 討 した 。 骨 髄 像 の 変 化 と平 行 し
の 間隔 投 与 を 行 なつ て い る 症 例 は,注 射 が施 行 で き ない
て 出現 す る網 状 球 の 変 化 は対 象 第1群 で は 本 法 施 行 第
た め 内 服 錠 に て 投 与 し,そ の 効 果 を 認 め て い る 。
1,2週
で 減 少,第3週
で 恢 復 し,第4,5週
で投 与 前 に
も どる。 第2群
も 同様 の傾 向 を示 す が 第3週
く,第4,5週
で高 い価 を示 す 。 第3群
の回復が早
K-33)抗
では内服薬投与
岩
前 で は網 状 球 の価 は低 く投 与 後 か ら高 い 価 を示 す 。 白 血
球 の変 動 で は 第1群,第2群
森
茂 ・永 田 信 雄 ・浜 田 克 裕
浜 井 雄 一 郎 ・丸 山 寛 二
と も網 状 球 と同様 の 変 化 を
示 す が 両 群 に 有 意 の差 は 認 め な い 。 第3群
癌 性 抗 生 剤 連 用 と ア レル ギ ー
広 島大原医研外科
で は5FU長
期 投与 に よ り白血 球 の 減 少 傾 向 が 見 え るが チ トク ロ ー ム
一 般 に 癌進 展 に 応 じ広 義 の 抗 体 産 生 能 が 低 下 し或 い は
C錠 の投 与 に よ り増 加 し4カ 月 経 過 して も減 少 の 傾 向 が
抗 原 抗 体 反 応 が,な ん らか の機 作 で 抑 制 され る こ とは 移
見 え ない 。 栓 球 の 変 動 は 白血 球 と同 様 で あ る。 赤 血球,
植 同種 皮膚 生 着 の 事 実 や 末期 癌 患 者 に て検 討 され た 「ツ」
出血,凝 固 時 間 の 変動 は 制 癌 剤 の 投 与 で 著 明 な 変 動 は 認
反 応 が 漸 次陰 性 化 して 行 く事 実 か ら納 得 され る 。
め な い。 以 上,チ
トク ロー ムC錠 の 投 与 に よ り第2,3
群 に おけ る網 状 球 の増 加,第3群
の増 加 が 著 明 であ り,チ
に お け る 白血 球,栓
この よ うな 担 癌 体 に 制 癌 剤 が 連 用 され る場 合,制
球
トク ロー ムC錠 に よ る骨 髄 細 胞
の賦 活 が 認 め られ た 。
2)
自体 の免 疫 抑 制 作 用 も併 せ 考 え そ のallergy誘
癌剤
発 の危
惧 は な い よ うに 思 え る。 しか しな が ら以 下 の4症 例 は た
ん に 制 癌 剤 の 副 作 用 と して見 逃 しが た い点 が あ り検 討 し
て 頂 きた い 。
制 癌 剤 に 併 用 した デ キ ス トラ ン硫 酸 の効 果
制 癌 剤 の 効 果 を 増 強 さ せ る 目的 で,デ キ ス トラ ン硫 酸
症 例160才,女
。 胃全 別 術 後40mgのMMCが
を 併用 して そ の効 果 を検 討 した 。未 だ 症 例 も少 な く,経 過
静 注 投 与 され,約70日
も短 いの で 効 果 を 判 定 す る の は 後 日に して,今 回 は 線 溶
与 を始 め た と こ ろ2日
系 の変 動 を 測 定 した 。 マ イ トマ イ シ ンC大 量 衝 撃 療 法 で
顔 面,頸
は デ キ ス トラ ン硫 酸 の1,500mg点
頑 固 に 持 続 した 。 皮 膚 科 受 診 に て 薬 剤 過 敏 症 の 一 型 で あ
例 で は 内服 錠1,350mgの
gen量,Euglobulin溶
滴,5FU長
期 投与
連 日投 与 を 行 なつ て,Fiblino解 時 間,Fiblin平
板 法,Fiblin
平 板 加熱 法 等 で線 溶 系 の価 を 測 定 した 。 そ の結 果,デ
キ
後,MMC錠1日4mg経
口投
目に,な ん ら他 に 誘 因 な く,突 然
部 の 熱 感 と,奪 麻 疹 様 発 疹,軽 度 の黄 疸 が 生 じ
る こ とが 判 つ た 。
症 例251才,女
。 ア レル ギ ーの 既 往 は な い 。 右 再
発 性 耳 下 腺 癌 に 対 しCo60,Bleomycin療
ス トラ ン硫 酸 お よ び制 癌 剤 併用 に よ り線 溶 酵 素 活性 価 の
た 。BMC155mg投
上 昇が 認 め られ て い る。 この結 果 が 悪 性 腫 瘍 治 療 の 上 で
加,こ
いか に効 果 を あ らわ す か は今 後 と も慎 重 に 検 討 して 行 き
つ た が 軽 度 で あ つ た 。 約3ヵ
た い と考 え る。
画 しBMC
与,1ヵ
月 半 後,さ
法が 行な わ れ
らに195mg追
の 時 点 に 於 い て色 素 沈 着,手 指 舌炎 シ ビ レ感 が あ
15mg投
月 後 第3回
目の ク ール を 企
与 した と ころ,注 射 直 後 か ら過 去
CHEMOTHERAPY
390
に み られ な か つ た 著 明 な 顔 面 の 浮 腫 と シ ビ レ感,顔
経 麻 痺 が 突 然 し た 。 こ れ はBMCallergyと
がDrugに
対 す るidiosyncrasyの
JULY
面神
云 い 難 い
K-34) 38才,女
淋 巴 腺 転 移(原
与 を 開 始 し た と こ ろ,回
対 しBMC
30 mg週1回
投
を 重 ね る に 従 が つ てBMC静
注
に も と ず く 副 作 用 が 増 強 し,第5回
抑 制,Cyanose,悪
が 突 然 し た 。 本 例 もdrug
idiosyncrasyの
短 期 間 内に
。allergy体
腹 内 投 与,1ヵ
さ らに2ヵ
mgが
清 ・大 河 原 邦 夫 ・斎
朱
質で は な い。 虫卵 も
月 後14mg静
顎 ・榎 本 勝 之
來 竹 桃 科 植 物Vinea
滉
rosea Linn.か
ら抽 出 され る 多
抗 腫 瘍 性 を 持 っVinblastine
sulfate
の 作 用 機 序 と副 作 用 に つ い て検 討 した 。
肝 癌AH130を
kgを
状 が 発 症 し,癌
藤
千 葉 大 学 医 学 部 綿 貫 外科
In vivaの 実 験 … …Donryu雄
後MMC
注 投 与 され た 。
月 後 吻 合 部 再 発 の疑 い で,再 入 院 しMMC30
腹 腔 内 に 投 与 され た が,ileus症
辺
明 仁 ・野 村 泰 将 ・足 立 倫 康
くのAlkaloid中
証 明 さ れ て い な い 。 姑 息 的 胃 切 除 術 が 施 さ れ,術
54 mg腔
淳 ・渡
前島
状
増 強 して 来 た も の と 考 え た い 。
症 例443才,女
茂 ・綿 貫 重 雄 ・伊 藤 健 次 郎
今留
注射時 に著明な心動
感 戦 標 を 伴 な う重 篤 なShock症
sulfateの
藤 本
。 神 経 質 な 患 者 で あ る。 両 鼠 径 部
発 不 明)に
制 癌 剤Vinblastine
作 用 機 序 と副 作 用 防 止 に 関 す る検 討
増 強 と云 え な い だ ろ
うか 。
症 例3
190
移 植 して6日
性 白 鼠 の腹 腔 内 に 腹 水
目にVinblastine
腹 腔 内 に投 与 した 後 のArrested
消 長 は,投
与後12時
1.0mg/
metaphaseの
間 ま で は ほ ぼ 直 線 的 に 増 加 す るが
性 腹 膜 炎 と して 試 験 的 開 腹 術 を 行 な つ た とこ ろ,空 腸 の
最 高 値 は投 与後14∼18時
spontaneous
の 体 外 排 泄 と体 内 で の 代 謝 変換 の 因 子 を 除 外 す るた め,
perforationに
よ る汎 発性 腹 膜 炎 で あ る こ
とが 判 つ た 。 す な わ ち 小 指 頭 大 円 形 壊 死 穿 孔 部 が1ヵ 所
間 くら い で あ つ た 。 次 に 本 剤
In vitroの 実 験 … … を 行 な つ た 。 腹 腔 内移 植5∼6日
に み られ,そ の他 腸 管 に全 く病 変 な く,あ た か もallergy
目の腹 水 肝 癌AH
起 原 を 思 わ せ た 。 しか し組 織 像 で は 変 性 像 強 くCrohn
serumに
130をEAGLE'SMEM+20%
氏病 等 を 思 わ せ る所 見 は認 め な か つ た 。 小 腸 の 特 発 性 穿
本 剤0.01,0.05,0.1,1.0μg/ml添
孔 の 大 半 は 原 因 不 明 の場 合 が 多 く,本 例 も同 様 の こ とが
を追 及 した 。AH
云え る がMMC治
は30時
点,な
療 再 開 後,速 か に 発 症 した と思 わ れ る
ん らか の 因果 性 を 求 め る こ とも不 可 能 で は ない 。
以 上4症
例 は い ず れ も薬 剤 連 用 に も とつ く或 い は 薬 剤
の 再 投 与時 に 発 症 す る定 型 的 な 薬 剤 過 敏 症,す
なわち免
て もAH1
30細
のArrested
のMitotic
検 討 して み る と,BMC投
と も考 え られ る が,MMC投
MMCに
与 例 の 場 合,薬 剤 自体 の 作 用
与 例 の 場 合,患
者 自体 の
対 す る ア レル ギ ー の 獲 得 も否 定 で き な い 。 す な
次 に 胃癌 症 例 に対 して 本 剤4.5∼24mg(平
時 間 前 後,穎
粒 球 系 細 胞 が24時
metaphaseが
場合の よ
を 表 わ すidiosyncrasyを
も 広義 の 範 疇 に 入 れ て,以
上
4症 例 か ら吾 々は 抗 癌 性 抗 生 剤 連 用 と薬 物 過 敏 症 発 生 の
可能 性 と言 う問 題 を と り上 げ て み た 。 そ の 確 認 に は今 後
こ うい う症 例 が 再 び 経 験 され た 場 合,仮
の 諸 検 査 が 必 要 と思わ れ る。
説 の 上 にた つ て
均16mg)
rateと
間 前 後 でArrested
最 高 と な り,以 後 漸 減 した 。Arrested
の1/5∼1/10で
者 が 普 通 量 に 敏 感 に 反 応 し,よ り著 明 な 副 作 用
間後でほ
間 後 で ほ ぼ50%
静 注 後 の 経 時 的 の 骨 髄 細 胞 の 変 化 は赤 血 球 系 細 胞 が18
metaphase
うに,患
増 加 率 は 添 加24時
た 経 時的
あ る こ とを示 して い る。
り,か つ 薬 剤 本 来 の 薬 剤 作用 と無 関 係 で あ る 点,ア
ギ ー と疑 が う こ とが で き る 。 もち ろんBMCの
time
rateを 示 した 。 こ れ は 本 剤 の 作用 が 一 部 は
わ ち既 往 に 同 種 薬 剤 が 投 与 され,一 定 期 間後 発 症 して お
レル
胞 の 増 殖 は 全 く見 られ ず,ま
metaphaseの
reversibleで
分 承 知 して お る 。 しか しな が ら薬 物 過 敏 症 発 生 要 因 か ら
加 後 の経 時 的 変 化
この 実 験 で のDoubling
ぼ 直 線 的 に 増 加 し,最 高 値 は 添 加30時
疫 学 的 機 序 が 加 わ つ て 発 生 す る と考 え ら れ るDrugal決 め つ け難 い こ とは 充
130の
行 な い,
間 前 後 であ つ た 。 本 剤 添 加 後 は 最 低 濃 度 に 於 い
lergyな
い しhypersensitivityと
Calf
よる 静 置 培 養(pH7.2∼7.4,37℃)を
rateは
穎 粒 球 系 細 胞 の ほ うが 赤 血 球 系 細 胞
あ つ た 。 ま た,穎 粒 球 系 細 胞metaphase
そ の 後 の 白血 球 減 少 は 消 長 を共 に して い る の で
術 直 前 のmetaphase
rateよ
りそ の 後 の 白 血 球 減 少 を 確
実 に 予 測 し得 た 。
本 剤 の 副 作 用 は,白 血 球 減 少,嘔 気(こ れ は 注 射 時 に
一 時 的 に 現 わ れ る)
,食 思 不 振,指 趾 のParesthesia,
Parasympathicolytic
effect(便 秘,口 内乾 燥 感 等 々),
口 内 炎,脱 毛,発 熱 等 々で あ り,特 に 白血 球 減 少 は 静脈
内 投 与14症
例 全 例 に 発 来 し,そ の減 少 率 も約55%に
及 ん だ 。 いつ ぼ う,本 剤 はTCAcycleか
Ornithine
Urea
cycleへ
らKrebsの
の代謝経路 を阻害す る こ とに
よ りそ の 抗 腫 瘍 性 を 発揮 す る と言 わ れ て お り,そ のた め
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
この経 路 に あ た る物 質 の投 与 で そ の 抗 腫 瘍 性 と副 作 用 を
低 下 させ る こ とが 可能 で あ る 。 動 脈 内に 本 剤 を 投 与 した
11症
例 で は 投 与1∼2時
間 後 か らAntidoteと
れ るGlutamicacid,
Asparticacid,
考 え ら
Ornithineを
滴 静 注 す る こ と に よ り抗 腫 瘍 性 を 失 わ ず に,副
点
作用 のみ
391
〈結果 〉
thio-TEPA
3mcg/9を10日
ponseは,生
に も 認 め ら れ ず,Parasympathicolytic
primingに
Paresthesiaも
指趾 の
認 め られ な か つ た 。 これ らか ら本 剤 を動
脈 内 に 投 与 し 次 い で 静 脈 内 にAntidoteを
投 与 す れ ば,
6mcg/96日
食 水 を 注 射 した 対 照 群 よ り高 値 を 示 し,
る結 果 を え た 。
1次 免疫 直 後 か らMMC2mcg/9ま
こ とが 可 能 で あ り,こ
で は 著 明 なsecondary
〔質 問 〕
伊 藤 健 次 郎.(千
Vinblastineに
対 す るantidoteの
藤
Antidotesと
本
用 い方 を 臨 床 的 に
Glutamic
b)
Ornithine
c)
Aspartic
は,致
死量 に 近 い 薬 剤 量 で も,
抑 制 しな い とい え る 。
2次 免 疫 の前 後 に わ た り,MMC2mcg/9ま
大 綿 貫 外 科)
TEPA6mcg/gを6日
して は
a)
低 下 が み られ た の に
で は 依 然 と して 対 照 群 よ り高 い 抗 体 価 を
死 亡 例 が あ り,MMCで
primingを
茂(千
responseの
示 した 。 この 実 験 で は,両 群 にそ れ ぞ れ70%,50%の
説 明 して い た だ きた い 。
〔答 〕
た はthio-TEPA
間 連 続 して 投 与 す る と,thio-TEPA群
反 し,MMC群
大 一 外)
た はthio-TEPA
た い す る制 癌 剤 の む しろ促 進 的 効果 を 示 唆 す
6mcg/gを6日
剤 の効 果 を いつ そ う高 め る こ とが 可 能 と思 わ れ る。
1mcg/9ま
間 連 日注 射 した 各 群 のsecondaryres-
局 所 に の み 抗 腫 瘍 効 果 を 発 揮 し全 身 の 副 作 用 を 防 止 す る
の 両 者 の投 与 間 隔 の 検 討 に よ り本
間,ま た は,
間 連 日注 射 した 各 群 お よび,1
次 免 疫 の直 後 よ りMMC
を 防 止 す る こ と に 成 功 し た 。 す な わ ち 白 血 球 減 少 は1例
effectと
正 常動物の場合
1次 免 疫 の 前 日 ま でMMC2mcg/g6日
dary
acid(0.5%)を100∼200cc
た はthio-
間 投 与 す る と,両 群 と もに,secon-
responseの
発 現 が 遅 れ,薬
剤投与中 および投与後
少 な く と も3日 間 に わ た るlag phaseが
の 結 果 は,薬
acid}(5%)を40∼100cc
普 通 は 点 滴 静 注 す る。
認め られた。 こ
剤 の 作 用 機 序 に 関 連 して 興 味 深 い 。 この 抑
制 は,MMC群
お よ びthio-TEPA群
いずれ において
も0時 的 か つ 可逆 的 で あ り,以 後 の 抗 体 価 は,む
K-35) 抗 体 産 生 に お よぼ す 制 癌 剤 の 影 響
弥 生 恵 司 ・森
東
武
担 癌 動 物 の場 合
貞 ・伊 藤 英 太 郎
EATC皮
弘 ・陣 内 伝 之 助
下 移 植 後7日
TEPA
6mcg/gを4日
を示 す もの が あ り,制 癌 剤 の 投 与 に さい して は腫 瘍 ・宿
thio.TEPAは
主相 関 へ の 影 響 を 充 分 に考 慮 しな け れ ば な ら な い 。
の で あ るが,そ
私 た ち は 臨 床 的 立 場 か ら もつ と も ポ ピ ュラ ー な 制 癌 剤
C (MMC)と,免
疫抑 制作用
が よ く知 られ て い る ア ル キ ル 化 剤 の 中 か らthio-TEPA
を 選 び,そ の抗 体 産 生 抑 制 効 果 を 比 較 しな が ら,正 常 動
実 験 動 物 に はddOマ
群 に はEHRLICH腹
抗 原 と しては,結
incomplete
ウ ス δを 用 い,担 癌
水 癌(EATC)の107を
皮 下 移 植 した 。
晶 細菌 ア ミラ ーゼ を用 いFREUNDS's
adjuvantと
目に2次
と もに 腹 腔 内 に 注 射,1回
間連 日投 与 す る と,こ
注射
の 場 合
腫 瘍 に 対 して 著 明な 効 果 を示 さな か つ た
のsecondary
responseは,担
癌 非投与
群 よ りや や 抑 制 を うけ て い る こ とが 認 め られ た 。
以 上 の よ うな制 癌 剤 に よ る 抗 体 産 生 能 の変 動 の機 序 に
つ い て は,今
〔
討論〕
後 な お,検 討 して い きた い と考 え て い る。
服 部 隆 延(癌 研 内 科)
抗 体 産 生 能 を 論 ず る場 合,1種
物 と担 癌 動 物 のそ れ ぞ れ に つ い て 詳 細 に検 討 した 。
〈 方法 〉
免 疫,21日
て 低 下 が み ら れ るが,担 癌 動物 に1次 免 疫 直 後 か らthio-
制 癌 剤 に は 本 来 の 制 癌 作用 の ほ か に 抗 体 産 生 抑 制 作 用
で あ るmitomycin
目に1次
免 疫 を した 群 の 抗 体 産 生 能 は,正 常 動 物 の対 照 群 に 比 し
大阪大学 陣内外科
の1つ
しろ 対
照 よ り高 値 で あつ た 。
類 の抗 原 抗 体 反 応 の み
か ら推 論 す る の は早 計 で あ る。 血 清 抗 体,細
胞 抗 体 の各
種 の反 応 か ら論 ず べ き で あ る。 我 々 の 成 績 で は 各 種 の抗
癌 剤 が 担 癌 剤 の抗 体 産 生 能 を 抑 制 す る こ とを み て い る。
〔
追 加〕
森
武 貞(阪 大 陣 内外 科)
注 射 を行 な つ
細 胞 性 抗 体 へ の影 響 は 現 在 実 験 の準 備 を す す め て い る
た。 抗 体価 は,岡 田 ・浜 岡 らの 方 法 に 準 じて 測 定 を行 な
段 階 で あ り,今 回 は液 性 抗 体 へ の影 響 を ま ず報 告 した 。
い,被 検 血清 を標 準 ア ミラ ーゼ 液 とincubateし
た とき
わ れ わ れ の 用 い た ア ミラ ーゼ を 抗 原 とす る方 法 は 抗 体 価
の ア ミラー ゼ 活 性 の 減 少 を 測 定 す る こ とに よ り,き わ め
を 酵 素 活 性 と し て捉 え る た め きわ め て鋭 敏 で あ り,得 ら
て鋭 敏 に知 りえた 。
れ た デ ー タの 信 用 度 が 高 い もの で あ る。
後20日(担
癌 で は14日)お
1実 験 群 に は,15∼20匹
体価 は,3つ
い て第2回
の マ ウス を 用 い,1血
清 の抗
の異 な る稀 釈 に つ い て測 定 して 確 認 した 。
CHEMOTHERAPY
392
R1∼22リ
JULY
め られ た 。 上 記 の 痙 攣 は,Penicillin-Gに
フ ァマイシ ンAMP
1970
比 較 す る と軽
度 であつた。
R-1) 新 し い リフ ァマ イ シソ 誘 導 体
"Rifampicin"に
関 す る細 菌 学 的研
以 上 の とお り,RPは
びeholinergicな
中等 量 で循 環 機 能 抑 制 作 用 お よ
作 用 を しめ す も の と考 え られ る。
究(第3報)
R-3) Rifampicinに
(誌上発表)
中 沢 昭 三 ・目方
関 す る薬 理 学 的 研
究(第2報)体
内 分 布
勇 ・石 山正 光
(誌上 発表)
大 槻 雅 子 ・木 村 圭 子 ・須 田武 雄
中 塚 正 行 ・荒 谷 春 恵
仙 波 久 美 子 ・松 本 健 介
京都薬科 大学微生物学教室
Rifampicinの
河 野 静 子 ・平 川 三 洋
広 島 大学 医 学 部 薬 理 学
抗菌 ス ペ ク トラ ム,臨 床 分 離 株 に 対 す
る 感 受 性,交 叉 耐 性,抗 菌 作用 に 及 ぼ す 諸 因 子 の 影 響,
抗 菌 作 用 の型 式,耐 性 獲 得,マ
ウ ス実 験 的 感 染 症 に 対 す
る 治 療 実 験 な どに つ い て は 昨 年 秋 の 第15回
法 学 会 東 日本 支 部 総 会 な らび に 第16回
日本 化 学 療
同学 会 中 日本 支
部 総 会 に 於 い て そ れ ぞ れ 続 報 し,新 しい タ イ プ の 抗 生 物
質 で あ る本 物 質 が 既 知 薬 剤 と交 叉 耐 性 を 示 さず,そ
と くに グ ラ ム陽 性 菌 群 に 対 してin
して
vitro, in vivoに 於 い
Rifampicinの
し,つ ぎ の結 果 を 得 た 。
1)
清)お
究(第1報)急
関 す る薬 理 学 的 研
性 毒 性 と一 般 薬 理 作 用
Chloroformに
よび777mg/kg(P.o.)で
基 礎 お よ び 臨 床 検
討
(誌上 発表)
真 下 啓 明 ・加 藤 康 道 ・斎 藤
あつた。
酔 家 兎 の 呼 吸 ・血 圧 に 対 し,RP20
血 圧 は 下 降(14∼18mmHg)し,呼
玲
桜 庭 喬 匠 ・松 本 義 孝 ・田 中 一 志
吸は ほ と
松 井 克 彦 ・矢 島
ん ど影 響 され な か つ た 。 上 記 の血 圧 下 降 作 用 は,At.(1
mg/kg)の
あ り,そ の ほ ぼ 半 量 に 活 性 が
対 す る 分 配 係 数 はpH6.0で24.58
雄 性 マ ウ スに 対 す るLD50は,563mg/kg
ヒ2)Urethane麻
mg/kgで
限 外 炉 過 法 に よ り,血 清 蛋 白お よび 肝microsome
R-4)Rifampicinの
広 島 大 学 医学 部 薬 理 学
(i.P.)お
仔 血 清/母 体 血 清)で
で脂溶性 である。
中 塚 正 行 ・荒 谷 春 恵
dd系
仔/母 体 清
み られ た 。
大 西 黎 子 ・河 野 静 子
1)
よび ラ ッ トで は19.78%(胎
との 結 合 率 は ほ ぼ90%で
4)
(誌上 発表)
胎 仔 内移 行 率 は マ ウス で は14.47%(胎
あつた。
3)
Rifampicinに
遅 れ て いた 。
も比 較 的 高 値 を しめ し,持 続 性 で あ る こ とが うか が わ れ
2)
R-2) し,漸 減 す る。 各 臓 器 内
い つ ぼ う,肝 臓 内 濃 度 は 血 清 内 濃 度 が 低 下 す る時 期 に
そ の 特 性 と して 強 い 殺 菌 的 作 用 を 有 し,ま た 自然 耐 性 細
要 な知 見 に つ い て も 報 告 した が,
皮 下 注 射 し た 際,血 中 濃
∼1時 間 をPeakと
濃 度 は 血 中濃 度 よ り もひ く く,Peakは
た。
今 回 は そ の 後 に 得 られ た 知 見 に つ い て 追 加 報 告 す る 。
マ ウ ス に100mg/kgを
度 は30分
て ひ じ よ うに有 効 で あ る こ と を認 め た 。 さ らに 本 物 質 が
胞 の 出 現 な どの2,3重
体 内 分 布 を 生 物 学 的 測 定 法 に よ り検 討
敢
北海道大学医学 部第二内科
前 処 置 に よ り消 失 した 。 摘 出 ガ マ心 臓 お よび
富
沢
磨 須
美
モ ル モ ヅ ト心 房 に対 し,い ず れ もそ の 自動 運 動 に 影 響 を
与 え な い 。 し か し,家 兎耳 殻 血 管 灌 流 量 をRP
上 で 増 加 し,血 管 拡 張 の 傾 向 をみ とめ た 。
摘 出家 兎 お よび モ ル モ ッ ト腸 管 に 対 し,い ず れ もRP
2×10-4で
そ の 自動 運 動 お よび 筋 緊 張 を 充 進 し た 。 上 記
充 進 作 用 はAt.(10-5)に
次 に,RPlmg/kgを
札幌北辰病 院
10-4以
よ り消 失 した 。
家 兎大 槽 内 に 注 入 した 際,呼 吸
促 進 お よび 血 圧 上 昇 に 伴 なつ て 比 較 的 著 明 な痙 攣 が み と
Rifamycinの
誘 導 体 で あ るAifampicinに
つ いて以
下 の 点 を 検 討 した の で 報 告 す る。
1)
黄 色 ブ ドウ球 菌 お よび 大 腸 菌 に 対 す る 抗 菌 力 。
2)
ヒ トに300mg経
口投 与 時 の血 中 濃 度 お よび 尿 中
排 泄。
3)
イ ヌに静 注 お よび 十 二 指 腸 内 投 与 時 の 血 中 濃 度 と
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
尿 中排泄 お よび 胆 汁 中濃 度,お
半減 時間,各
4)
よび これ か ら求 めた 血 中
ク リア ラ ン ス値 。
393
臨 床 使 用 例 と して71歳
ラ ッ トに 筋 注 時 の 組 織 内 濃 度 お よび イ ヌ に静 注 時
の組 織内 濃 度 。
た 。 本 例 で24時 間 蓄 尿 に よる 尿 中 濃 度 は120∼310mcg/
ウ シ血清 蛋 白 に 対 す る結 合 率 。
m1,回
6)
臨床例。
14.5mcg/ml,便
Rifampicin
AMP(Rifampicin)
収 率 は15・6∼22.9%に
R-6) 治 ・深 谷 一 太 ・友 利 玄 一
東 大 医科 研 内 科
Rifampicinに
田
泰 ・松 本 文 夫 ・中 村
斎
藤
篤 ・野 田 一 雄 ・大 森 雅 久
を,化 学 療 法 学 会 標
感 受 性 の 鈍 い 株 が約10%程
つ い て 以下 の 諸 検 討 を行 な つ た の で 報
告 す る。
1)
きわ め て す ぐれ た 値 を示 し た が,中 に1.6∼6.3
病 巣 由来Coagulase陽
2)
吸 収,排 泄
示 し,高 濃
3)
臓 器内濃度
度の とこ ろで 発 育 をみ と め る現 象 が と きに 観 察 され た 。
4)
臨床成績
は.E.coliで6.3∼25,
R-7) Klebsiellaで25∼>100,Enterobaeterで25∼100,
Proteusmirabilisで6.3∼12.5,Proteusvu18α
25,Pseudomanasで
は25∼>100mcg/mlに
牲 ブ 菌,大 腸 菌,肺
炎 桿
菌,変 形 菌 な どに 対 す る感 受 性
度 に み とめ られ
た。測 定 時 中 間 の 濃 度 で 発 育 せ ず,skipを
各 種 グ ラ ム陰 性 桿 菌 のMIC値
昇
東 京 慈 恵 会 医科 大 学 上 田 内科
Rifampicinに
のMIC値
準 法 に準 じて 測 定 す る と,大 多 数 は0.006∼0,025mcg/
mcg/mlと
か んす る研 究
上
検 討 を行 な つ
た の でそ の成 績 を 報 告 す る。
mlの
示 した 。
古屋 千鶴子
つ い て,2,3の
黄 色ブ ドウ球 菌37株
お血中濃度は
(誌 上 発 表)
(誌上 発 表)
薪抗 生 剤Rifampicinに
達 した0な
中濃 度 は45∼370mcg/9を
に関 す る研 究
北本
消 失 し,有 効 と判
定 され た 。 尿 の 着 色 を除 き 副 作 用 は み と め ら れ な か つ
5)
R-5) 女 子 腎 孟 腎炎 に1日1.2g
分4投 与 に よ り,105/mlのEl.coliが
内 科 領 域 に お け るRifampicinの
使 用 経 験
γisで
分布 し
(誌 上 発 表)
た。
黄 色 ブ ドウ球 菌:グ
よる静菌 的MIC値
との 間 に 試 験 管3∼>6本
正 孝 ・藤 森 一 平 ・小 川 順 一
伊 藤 周 治 ・島 田 佐 仲
観 察 後 に 平 板 に 塗 抹 して 菌 発 育 の 有
無 をみ る と,殺 菌 的MIC値
川崎市立病院 内科
の
開 きが み とめ られ た 。
209Pを
勝
ラ ム陰 性 桿 菌 に お い て液 体 培 地 に
Rifampicin(以
用 い る重 層 法 に よ り標 準 曲 線 を 作 製 し体 液 濃
下,RFPと
略)はRifamycin
SVを
経 て 開 発 され た 抗 生 剤 で,広 域 スペ ク トル を 有 す る と言
度 の測 定 を行 なつ た 。血 清 を 希 釈 液 と して用 い て も,緩
わ れ る 。 今 回 我 々 は 日本 抗 生 物 質 学 術 協 議 会 か ら本 剤 の
衝 液を 用い た と き と あ ま り差 は な い よ うで あ つ た 。pH
供 与 を 受 け,内 科 領域 の 各 種 感 染 症 に 使 用 す る機 会 を 得
の影響 も小 であ つ た 。
た の で そ の 成 績 を 報 告 す る。
家兎2羽 に20mg/kg経
口投 与 後 の 血 中 濃 度 は3∼4
時間後 にpeak値
が あ り,0.55mcg/mlを
half-lifeは4.3時
間 と長 か つ た 。
モル モ ッ トに80mg/kg経
示 した 。 平 均
口 投 与 時 の胆汁中濃 度は
100∼244mcg/ml,尿
中 濃 度 も80mcg/mlに
中濃 度 の100∼200倍
を 示 した 。 臓 器 内 濃 度 は 腎 ・肺 ・
肝 ・脾 の順 を 示 し,す べ て血 中濃 度 の10倍
達 し,血
程度 の高濃
度 を示 した 。
1)
緑 膿 菌8株,Cloaca
1株,Klebsiella
痢 菌10株,ブ
のMICを
Cloaca,Klebsiellaは
で は6.25∼25mcg/ml,サ
種 菌 量107で
あ る。 緑 膿 菌,
全 て12.5∼25.0mcg/ml,大
腸菌
ル モ ネ ラ は12.5∼25mcg/
示 し,グ
ラ ム陰 性 桿 菌 に 対 す る抗 菌 力 は 他 剤 に 比 して特 に 優 れ た
MICを
全 株 が0.2mcg/ml以
い低下 をみ とめ た 。
腸 菌17
ドウ球 菌10株
痢 菌 は3・12∼12・5mcg/mlのMICを
力価 の減少 を残 存 率 で,計 算値 と比 較 す る と,肝 で は
な り著 し
1株,大
平 板 希 釈 法 に よ り測 定 した 。培 地 は ハ ー トイ
ン フ ユー ジ ョン,pH7.2接
0.1%以
下,肺35%腎9%,脾17.5%と
のMIC
株,サ ル モ ネ ラ6株,赤
ml,赤
モル モ ッ トの 各 臓 器 ホ モ ジ ネ ー トとの 混 合 処 理 に よる
各 種 検 出菌53株
示 す 結 果 は 得 られ て い ない 。 ブ ドウ球 菌10株
抗 菌 力 を示 した 。
下 のMlcを
は
示 し,極 め て 優 れ た
CHEMOTHERAPY
394
2)
monas3株
一 般 感 染 症 に対 す る 効 果
気 管 支 炎,腺 窩 性 ア ン ギ ー ナ,ブ 菌 性 腸 炎,急 性 腎孟
腎 炎,慢
性 腎 孟 腎 炎,胆
嚢 炎,頸 部 リ ンパ 腺 結 核 な ど36
例 の一 般 感 染 症 に本 剤 を 使 用 した 。 投 与 量 は1日600∼
900mgを3∼4回
に 分 服 さ せ,投 与 日数 は4∼14日
あ る 。 そ の 結 果,有
効29例,無
%で
効7例
は 全 て25mcg/mlの
1970
本 菌 と しては 比 較 的 低
濃 度 で発 育 阻 止 され た 。標 準菌 に 対 す るMICはStaph.
aureus
209P
0.006mcg/ml,E.coli
NIHJ12.5mcg/ml
で あつ た 。
で
で 有 効 率 は80.6
あ つ た 。 特 に ブ菌 性 腸 炎 に は顕 著 な 効 果 を 認 め,
投 与 翌 日に は 解 熱 し,2日
JULY
後 に は下 痢 そ の 他 の 自覚 症 状
2.吸
収 ・排 泄:B.
subtilis PCI 219株
し,培 地,検 体 のpHは7.8に
に よ り,300mg内
を 検 定菌 と
補 正 し て 薄 層Cup法
服 時 の 血 中 ・尿 中 濃 度 を 測 定 した。
血 中濃 度 測 定 時 のstandardは
血 清 を用 い た 。 腎 ・肝 機
は全 く軽 快 した 。 ま た 急 性 腎 孟 腎炎 に も良 い 成 績 を 得 た
能 正 常 者3例 の 平均 血 中 濃 度 ピ ー クは2.27mcg/ml,T/
が,基 礎 疾 患 を有 す る 慢 性 腎 孟 腎炎 に は 他 の抗 生 剤 と同
24.6時
様 に 投 与 中 止 後 再 び 排 菌 を 認 め,無 効 と判 定 した 。
例 の 平 均 は ピ ー ク2・16mcg/ml,T/2
3)
細 菌 性 赤 痢 に 対 す る効 果
Sonne菌,F36,F2aに
間,尿
収 率12%,腎
よ る赤 痢 菌 保 菌 者12例
本 剤 を 投 与 した 。 投 与 量 は1日600mgを5日
に
間投 与 し
た 。 大 部 分 が 病 後 保 菌 者 で あ る た め,解 熱 効 果,下
痢回
中 回収 率(9時
間)11%,各
種 肝 疾 患4
3.3時 間,尿 中 回
機 能 障 害 者4例 の 平 均 は ピー ク2.3mcg/
ml,T/23.9時
間,尿
中 回 収 率3%,腎
時 の3例 の 平 均 はT/22.0時
不 全 で血 液透 析
間 で,血
中 濃 度 は 腎,肝
機 能 障 害 の 有 無 に拘 わ らず 大 差 な く,腎 機 能 障 害 例 で 尿
復 効 果 な どは検 討 し得 な か つ た が,排 菌 停 止 効 果 は 良 好
中排 泄 率 低 下 が 認 め られ た0以 上 の所 見 か ら本 剤 は 腎 外
で あ つ た 。 しか し12例
排 泄 が 大 で あ る と推 定 され た 。
中2例 に 再 排 菌 を認 め て い る0
な お 副 作 用 に つ い て 肝 機 能,BUN,NPNな
どを投与
3. 臨 床 例:肺 炎2例,気
前 と投 与 後 を比 較 した が 特 に 異 常 な 副 作 用 を認 め な い が,
性 腎 孟 腎 炎 の1例,計4例
本 剤 服 用 後 尿 の 赤 色 化 が 強 く,こ の 点 改 善 が 望 ま しい 。
1日900mgを
以 上 の成 績 か らRFPは
内科領域 の各種感染症 に 対 し
て 有 効 な こ とを知 つ た が,各 種 検 出 菌 のMICか
す る と,ブ
ら考 慮
ドウ球 菌 に 対 す る抗 菌 力 が 極 め て 優 れ て お
り,僅 か1例
で あ るが ブ 菌 性 腸 性 に 著 効 を示 した こ とか
管 支 腫 瘍 の 混 合 感 染1例,慢
に 本 剤 を使 用 した 。 肺 炎 で は
用 い た ブ ドウ球 菌 肺 炎 に は 有 効 で あ つ た
が,喀 疾 培 養 で咽 頭 常 在 菌 のみ を 検 出 し,1日600mg
を 用 い た 他 の1例 は 下 熱 せ ず,レ
管 支 腫 瘍 に肺 炎 を 合 併 した1例
が 下 熱 せ ず,レ
線 像 増 悪 して無 効,気
は1日600mgを
用いた
線 像 の 改 善 を見 ず 無 効,他 の 抗 生 剤 に よ
ら,今 後 ブ菌 感 染 症 の 治 療 剤 と して 期 待 し得 る と 考 え
り下 熱 した 。E. coliに よ る 慢 性 腎 孟 腎 炎 例 は1日600
る0ま た 今 回 の 症 例 は 比 較 的軽 症 な も のが 含 まれ て い る
mgを
の で,今 後 引 き 続 き症 例 を重 ね て 臨 床 効 果 を 検 討 の 予 定
で あ る。
R-8) Rifampicinの
用 い,細 菌 尿 は 消失 し,有 効 で あ つ た 。
R-9) Rifampicinの
基 礎 的 臨 床 的 研 究
(誌 上 発表)
基 礎 的 な らび に 臨
大 久 保 滉 ・藤 本 安 男 ・岡 本 緩 子
床 的 研 究
束 田 二 郎 ・牧 野 純 子
(誌上 発表)
関西医大内科
木 下 康 民 ・山 作 房 之 輔 ・土 田
亮
鈴 木 啓 元 ・武
信
田
元 ・渡 部
1.
2.
新潟大学第二 内科
1.抗
知
男
3.
家 兎 に お け るRifampicinの
4.
健 康 成 人 に 内 服 させ た 場 合 の血 中濃 度 な らび に 尿
本 化 学 療 法 学 会 規 準 に よ る 抗菌 力
試 験 の 結 果,Staphylococcus
0.006mcg/ml
のMICは
3株,Staphylococ-
のMICは0.006mcg/ml
2株 で,ブ
を認 め た 。 各 種Gram陰
∼50mcg/mlの
aureus19株
16株,0.013mcg/ml
cus epidermidis7株
0.013mcg/ml
ラ ッ トに 経 口投 与 し た 場 合 の各 臓 器 内 濃 度 の 推
移。
新潟労災病院 内科
菌 力 試 験:日
沼
対する
感受性 の測定。
北 原 克 之 ・薄 田 芳 丸
貝
病 的 材 料 か ら分離 した 菌 のRifampicinに
5株,
ドウ球 菌 に 極 め て 強 い 抗 菌 力
性 桿 菌66株
もの が55株
のMICは12.5
で大 多 数 を 占め た 。Pseudo-
胆汁内排泄。
中排 泄 。
5.
主 と して気 道 感 染 症 に対 す るRifampicinの
効 果 な らび に 副 作 用 。
臨床
VOL.
18.
R-10) NO.
CHEMOTHERAPY
4
Rifampicinに
(1) 10%牛
か んす る基 礎 的 な
獲 得 させ,そ
(誌 上 発 表)
朋 嗣 ・岩 崎
RAMP耐
峭
性 獲 得 は,始
羽田
同 ・塩 田 憲 三
KM100mcg/ml耐
後100mcg/ml耐
10mcg/ml耐
性 株,同KM・CPM耐
つ い て,
株 に つ い てPAS併
基 礎 的 検 討 を加 え る とと もに,内 科 系 感 染 症 に使 用 した
成績 を報 告 す る 。
た 。RAMP単
独 で は 継 代9代
す が,PAS併
用 に て は0.05mcg/ml耐
1) 抗 菌 力:病 巣 分 離 ブ ドウ球 菌,大 腸-菌お よび 肺 炎
抗 菌 力 を 日本化 学 療 法 学 会
標 準法 に よる寒 天 平 板 希 釈 法 に よ り測 定 した 。
Rifampicinに
た は そ れ 以下 の
よ り発 育 が 阻 止 され る 。
大 腸 菌 は12.5∼50mcg/ml,肺
mlのRifampicinに
EB併
よ り大 多 数 の 菌 株 が 発 育 を 阻 止 さ
2) 吸収 ・排 泄:健 康 成 人 に1回300mgのRifamp-
後1.05mcg/ml,6時
mcg/ml,CS併
(2) RAMP治
の 平 均 値 は30分
後trace,
間後2.02mcg/ml,4時
間 後0.86mcg/mlを
間
示 した 。
療 無 効 の 肺 結 核 患 者3症
性,小
性 気 管 支 炎1
の3例 にRifampicivを
投 与 は い ず れ も1日1200mgを4回
投 与 した 。
に 分 け,6時
間後に
経 口投 与 した 。
流 動 寒 天 培 地,1%
血
KH2-
流 動 寒 天 に て0.5mcg/
月後1例,3ヵ
月 後2例
性 で あ つ た が,
は,い ず れ もKIRCHNER
半 流 動 寒 天 に て10mcg/ml耐
性,小 川 培 地 に て50mcg/
ml以
月投 与 終 了 後,耐
上 の 耐 性 を獲 得 し,6カ
不 変 。 各 症 例 の 投 与 中 止 後 そ れ ぞ れ7ヵ
性度 は
月後,3カ
2カ 月 後 の分 離 株 も同 じ耐 性 度 のRAMP耐
性 株3株
月 後,
性 を 示 して
の2例 は 無 効 に
INH, KM,
TH, CS, CPM,
感 受 性 を そ れ ぞ れ の株 に つ い てRАMP投
(RAMP感
性)と
同INH耐
H2株
終つた。
与 患 者 よ り分 離 したRАMP耐
のSM,PAS,
EB, VM
与 前 の 分離 株
比 較 検 討 した が,感 受 性 に大 差 を 認 め
なか つ た 。 また,in
急 性 咽 頭 扁 桃 炎 は 著効 を示 した が,他
例の 喀 〓 中
性 の 推 移 を,10%牛
川 培 地 に て10mcg/ml感
(3) 上 記RAMP投
例,慢 性 気 管 支 炎1例
mcg/ml耐
いた。
な り低 値 を 示 した 。
性 咽 頭 扁 桃 炎1例,急
性 を示
性 に と ど ま り,
用 で は0.25
与 前,分 離 株 はKIRCHNER半
投 与2カ
与2時 間 後
投 与 後6時 間 内 の尿 中 回収 率 は2.23∼8.33%と,か
3) 臨 床 成績:急
に て50mcg/ml耐
よ り分 離 した 結 核 菌 のRAMP耐
m1感
icinを 経 口投 与 した場 合 の 血 清 中 濃 度 は,投
用に
PO4加 小 川 培 地 を用 い て 検 討 した 。 い ず れ も,RAMP投
れる。
1時 間 後0.24mcg/ml,2時
用 で は1
EB併
性 獲 得 遅 延 効 果 が 認 め られ
清 ア ル ブ ミ ン加KIRCНNER半
炎 桿 菌 は25∼50mcg/
に 最 高 値 を 示 す 例 が 多 く,3例
に
性 とな つ た 。
抗菌力は極 めて強
は0.1mcg/ml,ま
性 株,H2株
用 に よ つ て 著 明 に,CS,
よつ て 或 る程 度 のRAMP耐
中78株
性
性 株,同
つ い て も検 討 した が,同 様 の成 績 で あ つ た 。(b)H37Rv
新 しい 誘 導 体Rifampicinに
ブ ドウ球 菌 に 対 す るRifampicinの
υitγo
め ゆ る や か で あ るが,継 代5代 以
とな つ た 。 同時 にH37RvINH
大阪市立大学医学部第一 内科
く,82株
性を
の 際,他 種 抗 結 核 剤 併 用 に よ るRAMP耐
後 よ りす み や か とな り,継 代11代
満 ・尾 崎 達 郎 ・杉 山 浩 士
桿 菌 に対 す るRifamgzcinの
体培地 を用
のRAMP耐
性 獲 得 遅 延 効 果 に つ い て 検 討 した 。(a)H37Rv株in
赤 尾
Rifamycinの
血 清 ア ル ブ ミン加Dubos液
い て,増 量 継 代 法 に よつ てH37Rv株
ら び に 臨 床 的 研 究
三 木 文 雄 ・東
395
υitγoで作 成 したH37Rv株
性 株,同KM耐
のRAMP耐
原 株,
性 株,同KM,CPM耐
性 株,
性 株 につ い て も,そ れ ぞ れ のRAMP
感 性 原 株 と他 種 抗 結 核 剤 感 受 性 を 上 記 同 様 比 較 検討 した
副 作 用 は 特 に認 め られ な か つ た 。
が,や は り,感 受 性 に 大 差 を認 め な か つ た 。
R-11) 結 核 菌 のRifamycin
AMP耐
性
R-12) に 関す る研 究
Rifampicinに
(誌上 発 表)
(誌 上 発 表)
立
花
暉
夫
徳 臣 晴 比 古 ・副 島 林 造 ・野 津 手 晴 男
熊 本 大学 徳 臣 内 科
大 阪 府 立 病 院 内科
昨 年 の本 学 会総 会 に お い て,主
АMP(以
下,RAMPと
関 す る基 礎 的 研 究
と し てKifamycin
略 す)の 抗 結 核 菌 作 用 に つ い て
の成 績 を報 告 した が,今 回 は 結 核 菌 のRАMP耐
い て種 々検 討 した 成 績 を 報 告 す る。
性 にっ
1) 試 験 管 内 抗 菌 力:Kifampicinの
す る抗 菌 力 をHIA平
ドウ球 菌37株
中36株
病巣分離 菌 に 対
板 希 釈 法 に よ り検 討 した 結 果,ブ
が0.02∼0.08mcg/mlの
で 発 育 阻 止 を 認 め 極 め て 高 い感 受 性 を 示 した が,大
濃度
腸 菌,
396
CHEMOTHERAPY
舗 炎 桿 菌,緑
膿菌 の大 部 分 は12.5∼25mcg/mlのMIC
類 の 疾 患 に1日600∼900mgを2回
を 示 した 。
2) 血 中 濃 度:150mgお
よび300mg朝
してcup法
食前投与後
P株 を 検 定 菌 と
に よ り測 定 した 結 果,300mg投
与例 で は
2∼6時 間 で 最 高 値 を示 しそ れ ぞ れ1.75∼5.1mcg/mlで
間 後 も 半 数 以 上 が0.5mcg/m1以
KIRCHNER半
上の 濃度 を
発 育 阻 止 が 認 め られ た が,小
MICは20mcg/m1で
窩 性 扁 桃 炎 計8例 中7例
下の濃度 で
川 培 地 で は抗 菌 力 が 低 下 し
あつ た 。 さ らに 実 験 的 マ ウ ス結 核
症 に対 す る 治 療 実 験 で も,極 め て す ぐれ た 治 療 効 果 が 得
小 児 用Rifamycin
picin)に
AMP
関 す る2,3の
有 効,気 管 支 肺 炎 は3例 中 全
あ り副 作 用 は 認 め られ なか つ
3) Rifampicin
Dropsに
2カ 月∼5年3カ
月 ま で の 乳 幼 児 を 対 象 に1日 量50
mgを
(Rifam-
投 与 し,腺 窩 性 扁 桃 炎4例
は10例
中9例,膿
進 ・岡
炎 は3例 全 例 有 効,膀 胱 炎 の1例 は 無 効 で あ つ た 。 有 効
率 は95%以
上であつ た。
1,600∼3,200mgを
佐
肇 ・遠
藤
昭 和 大 学 小 児 科,都
田
炎4例
藤
一
よる治療成績
月 ま で の 乳 幼 児 を 対 象 に1日2回,
類 の 疾 患 に4∼8日
間総量
投 与 し急 性 扁 桃 炎 お よび 膿 窩 性 扁桃
中3例 著 効,急 性 気 管 支 炎,急 性 肺 炎 は5例 全 例
例 は 投 与2日
上 で あ つ た が 腺 窩 性 扁 桃 炎 の1
目か ら嘔 気 強 く投 薬 を中 止 した 。 以 上3種
類 の製 剤 を1日2回10∼12時
立 荏 原 病 院 小児 科
中
Syrupに
有 効,有 効 率 は90%以
秀
間,総 量360∼2,400
中 全 例,急 性 気 管 支 炎
痂 疹 は4例 全 例 著 効 を 示 しr急 性 肺
1日 量400∼600mgを4種
検 討
よ る 治療 成 績
に 分 け ,3∼12日
2カ 月 ∼4年10カ
(誌 上 発 表)
中 沢
有 効,腺 窩 性 扁 桃 炎,
例 有 効 で 有 効 率 は100%で
4) Rifampicin
られた。
R-13) 著 効,1例
兼 両 側 顎 下 淋 巴 節 炎 は1例
∼300m9を2回
体 培 地 で は0.2mcg/ml
流 動培 地 で は0.5mcg/ml以
投 与 し,急 性 扁 桃 炎,腺
た。
証 明 し得 た 。
3) 抗 結 核 菌 作 用:Dubos液
1970
に 分 け,4∼14日
間,総 量2,400∼8,400mgを
2, 4, 6, 12時 間 毎 に採 血 し,ブ 菌209
あ り12時
JULY
間 毎 に 投 与90∼100%の
有 効 率 を 得 る こ とが で き た 。 副 作 用 と して は嘔 吐 を1例
英
に認 め た に す ぎ なか つ た 。
都立荏原 病院伝染科
近
岡 秀
R-14) 次 郎
高 津 中央 病 院 小 児 科
新
井
蔵
小 児 科 領 域 に お け るRifamycin
AMP
(Rifampicin)の
吉
検 討
(誌 上 発 表)
昭和大学 中検細菌部
西 村 忠 史 ・浅 谷 泰 規 ・小 谷
す で に 私 達 はKifampicin
capsuleを 使 用 して の 小 児
一 般 感 染 症 な らび に 細 菌 性 赤 痢 の 治 療 成 績 につ い て 検 討
し,現 況 に お け る これ ら感 染 症 に 対 し本 剤 は 有 効 な 抗 生
泰
大阪医大小児科
小 児 科 領 域 に お い てRifamycinの
新 誘 導 体Rifam・
物 質 で あ る こ とを 報 告 して来 た 。 今 回 は 次 の2種 類 の 小
picinの 基 礎 的 並 び に臨 床 的 検討 を 行 な い 次 の 結 果 を}
児 用 製 剤 な ら び にCapsuleを
た 。 小 児 各 種 疾 患 病 巣 由 来Coagulase陽
使 用 して の長 間 隔 治 療 法 に
性 ブ菌50株,
つ い て 報 告 す る 。 小 児 用 製 剤 と して は2%Syrup,15%
大 腸 菌25株
Dropsの2種
希 釈 法 で 感 受 性 試 験 を 行 な つ た 。Coagulase陽
mg/kg前
類 とCapsule製
後10∼12時
剤 で あ る。1日 の 投 与 量20
間 の 間 隔 で1日2回
投与を 行 な
つ た。
に つ い てheart
は全 株0.78mc9/ml以
株(52%)は0.005
1) 血 中 濃 度 の 消 長
約10m9/kgのSyrupお
溶 連 菌COOK株
よびCapsuleを
内 服 させ,
よび50
mcg/mlで
mcg/mlな
3例(5∼12年)に
き が あ つ た が,Peakは1時
cinを10mg/kg1回
間 ∼3時 間 目に あ り,8時
間
そ れ ぞ れ8株(32%)で
投 与 し,投 与 後30分,1,
6, 8, 12時 間 に採 血,血
はSyrup製
量 は 投 与 後2,4,6,8,12時
剤 の 方 が や や 低 い 傾 向 が あつ た 。
3年3ヵ
capsuleに
よ る治 療 成 績
月 ∼12年 ま で の 幼 児 お よび 学 童 を 対 象 に4種
あつ た。本
吸収 ・排 泄 を 健康 小 児
つ い て 検 討 した 。 す なわ ちPifampi-
目に お い て も測 定 可 能 な血 中 濃 度 を 持 続 した 。8時 間 値
2) Piifampicin
い し以 下 の濃 度 で発 育阻
で は 感 受 性 分 布 ピー クは25お
剤 の 小 児 に 於 け るRifampicinの
濃 度 を測 定 した 。 各 被 検 者 の 血 中 濃 度 に か な りの ぼ らつ
用 い 平板
性 ブ菌 で
下 の 濃 度 で発 育阻 止 され,中26
止 さ れ た 。 大 腸 菌25株
を標 示 菌 とす る重 層 法 を も つ て,血 中
infusion agarを
2, 4,
中 濃 度 を測 定 した 。尿 中排 泄
収 し測 定 した 。 な おBacillus
間 に排 泄 さ れ た 全 尿 を 回
subtilis PCI 219を 検 定 菌
と し,川 上 鳥 居 氏 重 層 法 で 測 定 した 。 血 中 濃 度 ピ ー クは
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
投 与後2時 間 で 平 均0.96
ml,6時
間 で0.49
時 間 では0.08
mcg/ml,4時
mcg/ml,8時
mcg/mlで
mcg/
12
あ つ た 。 尿 中 排 泄 率 は12時
間 までに そ れ ぞ れ22.0%,
21.9%で
児気道 感 染 症12例
にBifampicinを
急 性咽 頭 炎3例,急
性 扁桃 炎1例,急
急 性咽 頭 ・気 管 支 炎5例,急
13∼20 mg/kgを2∼9日
用 い た鳥 居 ・川 上 式 重 層 法 で 測 定 し た。150
使 用 した 。 対 象 は
し,以 後 漸 次 減 少 し,6時
性咽頭 ・
喉 頭 炎1例 〓
与 時 は,2時
た 。300mg投
間 後 に0・97 mcg/mlでpeakを
与 時 も,2時
間 後 は0.37
間 後 に1.35
た 。 また1回300mg1日2回
間 までに重要症
間 ま で を 有 効 と し,72
の推 移 は,初
あ つ
mcg/miでpeak
mcg/mlで
あっ
の 連 続 投 与 時 の血 中 濃 度
回投 与 後2時
間 で1.27mcg/mlで,2回
目投 与 後2時 間 で1.41mcg/mlで
3回 目投 与 後2時
示
mcg/mlで
を 示 し,以 後 漸 次 減 少 し6時 間 後0.49
に は カプ セ ル で 投 与 した 。
臨 床効 果 判 定 に あた つ て は 投 与 後24時
に,Rifampicin
与 時 の 血 中濃 度 を,検 定 菌 黄 色 ブ
mg投
月 で1日Rifampicin
状 の 消失 した も の を著 効,48時
150mgと300mg投
菌209Pを
間 にわたつて投与 した。なお
に は 水 剤 で,1例
な つ て い る。 血 中濃 度 で は 健 康 成 人3人
あ つ た 。 次 に,小
性 気 管 支 炎2例,計12例
で あ る。 年 齢 は9カ 月 ∼8年2カ
12例 中11例
間 で0.78
間 で0.31mcg/ml,
397
初 回 よ りや や 高 い。
間 で1.53mcg/mlで,2回
目投 与 時
よ りわ ず か な が ら高 くな つ て い る。 尿 中 排 泄 量 は,や
は
時 間へ て も症 状 の改 善 の な い もの を 無 効 と した 。 治 療 効
り健 康 成 人3人 に つ い て150mgお
与
果 は12例
時 の 尿 中 排 泄 量 を 血 中 濃 度 測 定 と同 じ方 法 で 測 定 した 。
中 著 効1例,有
効8例,無
無 効例 の 中 急 性 咽 頭 ・喉 頭 炎(7年)症
2時 間 投 与 した が,40℃
そ れ ぞ れ9日,5日
で あ つ た.
例 は1日300mg,
の発 熱 続 行,KM,
た 。 なお 急 性 咽 頭 ・気 管 支 炎2例
mgを
効3例
CPで
150mg投
治i癒し
に は1日200mg,240
%で
与 時 は1日
間 投 与 した が 症 状 の改 善 に5
の排 泄 量22.5mgで,排
あ り,300mg投
排 泄 率18%で
よ び300mg投
与 時 は1日
泄 率15
の排 泄 総 量54mgで
あ つ た 。 体 液 中 濃 度 で は,53才
の 女 性,
乳 癌 術 後 に 腋 窩 部 に リ ンパ 痩 が で きた 患 者 に っ い て,
日間を 要 した 。 副 作 用 と して は急 性気 管 支 炎(2年1カ
Rifamgicin350mg内
月)の 症 例 で 下 痢 症 状 を認 め た が 治 療 を 中 止 す る ほ どで
菌PCI219を
は なか つ た 。 しか し乳 児で は と くに 下 着 の 着 色 汚 染 が指
お 合 わ せ て 検 定 菌 黄 色 ブ 菌209Pを
摘 され た 。
式 重 層 法 で血 中 濃 度 を 測 定 した 。 そ の結 果 リンパ 液 中 濃
R-15) Rifampicinに
度 は3時
関 す る 基 礎 的,臨
用 い た 鳥 居 ・川 上
間 後 に0.52mcg/mlでpeakを
示 し,血 中 濃
で あ つ た 。 ま た 乳 汁 中濃 度 を28才
の 授 乳 中 の 女 性 に つ い て 同 様 に して 測 定 した 結 果,投 与
(誌上 発 表)
後3時
領 域 に68.3%と
田清 人)
よつ て産 生 され た,M
対 す る感受性
よびそれ以下の
最 も多 く,濃 度 を 増 す に 従 が い 菌 株 は
減 少 し3.2mcg/mlに1.7%分
布 し6.3mcg/m1以
上
の 領 域 に は菌 株 を み な か つ た 。 また 病 巣 分 離 の 大 腸 菌
に 属 す る半 合 成 抗 生 剤 で あ るRifampicinは
30株 に つ い て み る と,す べ て12.5mcg/mi以
核 菌 等 に 有 効 で あ る と言 わ れ て い る 。
我 々は 今 回Rifampicinに
に つ い て,Pifampicinに
分 布 を 調 査 した と こ ろ,0.2mcg/mlお
名 古 屋 市 立 大 学 医 学 部 第1外 科
Streptomyces mediteraneiに
示 し,血 中 濃 度 に
な り低 い 濃 度 で あ つ た 。 さ ら に病 巣 分 離 の 病
原 性 ブ菌60株
伊 藤 忠 夫 ・水 野 貴 男
(主任:柴
間 で0.63mcg/mlでpeakを
くらべ,か
柴 田 清 人 ・加 藤 剛 美
グ ラム陽 性菌,結
用 い た 大 久 保 式 帯 培 養 法 で 測 定 した 。 な
度 に くらべ 約1/2弱
床 的 研 究
mycin族
服 時 の リンパ 液 中 の 濃 度 を 検 定
つ い て,外 科 的 感 染 症 に使 用
し,そ の 臨床 効 果 に つ い て 検 討 し,併 せ て 血 中 濃 度,尿
し,12.5mcg/mlに36.7%あ
上 に30%分
上 に分布
り,ま た100mcg/ml以
布 して い る。 な お 感 受 性 測 定 は 平 板 稀 釈 法
で行なつた。
中排泄 率,体 液 中濃 度 お よび 病 原 性 ブ ドウ球 菌 に 対 す る
感受性 を 調査 した 。 臨床 使 用 効 果 は 〓,膿 瘍,蜂
等 の外科 的 感 染症22例
窩織炎
R-16) 臨 床 成 績
に 使 用 し,各 症 例 の 投 与 方 法 は
1回 量300mg,1日2回
と,1回
量150mg1日4回
の
2通 りで 経 口投 与 した.効
果 判 定 は 投 与 後3∼5日
膿汁 の減 少,発 赤 腫 脹,疼
痛等の症状が改 善された場合
(誌 上 発 表)
で,
藤 本 幹 夫 ・酒 井 克 次
大 阪 市 立 大 学 第2外
有効 と し,改 善 をみ な い場 合 を 無 効 と した 。 使 用 症 例22
例 中17例
に有 効 を認 め,有
与総 量最 高6gで
効 率77.3%で
あつた。投
あ るが 認 む べ き 副 作 用 は な か つ た 。
ただ 尿が 赤 色 に着 色 され たが,投
外 科 領 域 に お け るRifampicinの
与 中 止 後 は 正 常 な尿 と
外 科 領 域 に お け る感 染 症15例
した 。
科学
にRifampicinを
試用
CHEMOTHERAPY
398
JULY
1970
ブ 球 菌 に 対 す る抗 菌 力 は 極 め て よ く,そ の ほ とん どが
R-17) 産 婦 人 科 領 域 に お け るRifampicin
0.39∼ ≦0.09 mcg/mlの
の検 討
問 に 分 布 して い た 。 大 腸 菌 に 対
す る 抗 菌 力 は わ る く25∼6.25
mcg/mlの
間 に 分 布 して
いた。
(誌上 発 表)
4. 副 作 用
水 野 重 光 ・松 田 静 治 ・森 操 七 郎
特 記 す べ き もの を 認 め な か つ た 。
佐 野 慎 一 ・上 山 卓 也
R-20) 順 天 堂 大 学 医学 部 産 婦 人 科
今 回 吾 々はStreptomyces
mediterraneiか
た 新 抗 生 物 質Rifampicinを
内 感 染 症,尿
産 婦 人 科 領 域 感 染 症(骨 盤
(誌上 発表)
路 感 染 症 な ど)に使 用 す る機 会 を 得 た の で,
中濃 度,臍 帯 血,乳
三 辺 武 右 衛 門 ・村 上 温 子 ・西 崎 恵 子
関東逓信病院 耳鼻咽喉科
汁 内 移 行 な どの 測 定 結 果 を
徐
併 せ て報 告す る。
R-18) よ る耳 鼻 咽 喉 科 感
染症 の 治 療 成 績
ら産 生 され
治 療 効 果 に つ い て 検 討 す る ほ か,ブ 菌 な どに 対 す る抗 菌
作 用,血
Rifampicinに
慶
一
郎
臨床検査 科
泌 尿 器 科 領 域 に お け るRifampicin
本 剤 のStaph.
の 応 用
aureus
をBiophotometerを
209 P株 に 対 す る増 殖 阻 止、
作用
用 い て 増 殖 曲線 か ら検 討 した 。 ま
た 本 剤 に よ る耳 鼻 咽 喉 科 感 染 症 の 治療 成 績,副 作 用 な ど
(誌 上 発 表)
に つ い て述 べ る 。
大 越 正 秋 ・名 出 頼 男
川 村
R-21) 猛 ・長 久 保 一 朗
我 々は,新 種 抗 生 物 質Rifampicinの
菌 学 的 研 究,吸 収 排 泄)を
AMP
(Rifampicin)
の 眼 科 的 応 用
慶 大泌尿器科
於 け る適 応 症 を 知 るた め,今
Rifamycin
泌尿器科領域 に
回,先 ず,基
(誌上 発表)
礎 的 検 討(細
三 国 政 吉 ・大 石 正 夫 ・周 田 茂 雄
加 え た の で 報 告 す る。
今 井 正 雄 ・高 橋 篁 子
R-19) 尿 路 感 染 症 に 対 す るRifampicin
新潟大学 眼科教室
の応 用
Rifampicinの
眼 科 的 応 用 の た め,基 礎 的 な らび に臨
床 的 実 験 を 行 な つ た 成 績 を報 告 す る 。
(誌 上 発 表)
1. 最 小 発 育 阻 止 濃 度
石 神 喪 次 ・原
信 二 ・三 田 俊 彦
教 室 保 存 の 眼 感 染 症 の主 な 起 炎 菌8菌 種34株
神戸大学泌尿器 科
Rafamycinの
る感 受 性 はKOCH-WHEKS菌0.0006
新 しい 誘 導 体 で あ るRafampic短
を各
AXENFELD菌0.04∼0.16
種 尿 路 感 染 症 に 作 用 し,そ の 臨 床 効 果 を 観 察 す る と とも
mcg/m1,ジ
に,経
ml,レ
口投 与 時 の血 中 濃 度 を 測 定 し,ま た 併 せ て 尿 路 か
ら 分 離 した 各 種 菌 に対 す る抗 菌 力 を も検 索 した の で 報 告
0.04 mcg/mlお
炎 球 菌0.08∼5
mcg/ml,淋
ンサ 球 菌0.08∼5mcg/m1,ブ
MORAX-
菌0.01mcg/
ドウ 球 菌0.01∼
よび 緑 膿 菌100∼>100
mcg/mlで
あ る。
2. ブ ドウ球 菌 感 受 性
す る。
1. 臨 床 成 績
臨 床 分 離 の ブ ドウ球 菌92株 の 感 受 性 は0.0006∼0.0097
16例 の 尿 路 感 染 症 に 使 用 し,著 効8例,有
無 効4例,有
mcg/ml,肺
フ テ リー菌0.01
に対す
mcg/ml,
効 率75%の
効4例,
300 mg内
服 投 与 後 の 血 中濃 度
の ピ ー クは2時
間 後 に あ り,そ れ ぞ れ0.37
0.8
そ の 後 漸 次 減 少 し,持 続 は10時
認 め られ た 。
3. 抗 菌 力
mcg/ml
これ を 占 め る。
3. 血 中濃 度
150 mg,
mcg/mlで
範 囲 に 分 布 し,分 布 の 山 は0.0048
に あ り38株(41.3%)が
成 績 を得 た 。
2. 血 中 濃 度
Rifampicin
mcg/m1の
mcg/ml,
間 まで
健 康 成 人2例 に 本 剤300mgl回
中濃 度 は,2時
12時
間 後peak(平
間 後 は 平 均1.15
経 口投 与 した 後 の血
均6.4mcg/ml)に
mcg/mlで
達 し,
あつた。
4. 眼 内 濃 度
白 色 成 熟 家 兎 に 本 剤150
mgを
経 口投 与 し,眼 内 移 行
VOL.
18.
No.4
CHEMOTHERAPY の状 況を 調 べ た 。
a)
球 菌 お よびR因 子 に よるAB-PC耐
前房水内移行
mlお
間0.84mcg/
間 後peakで2.13mcg/ml,8時
よび12時
A-2)
間1.06mcg/
間 後0.1mcg/mlで
新 し い 合 成 ペ ニ シ リ ン"Aminocyclohexyl-Penicillin(AC-98)"に
あ る。 同 時 に 測 定
した血 清 濃 度 との 比,房 水/血 清 比 はpeak時
関 す る細 菌 学 的 研 究
で8.1%
で あつ た 。
b)
性 菌 に 対 す る作 用 な
どを 検 討 し,興 味 あ る成 績 を 得 た の で 報 告 す る。
前 房 水 内濃 度 は1時 間0.4mcg/ml,2時
ml,4時
399
(誌 上 発 表)
眼組織内移 行
前 房 内濃 度 のpeak時(4時
間 後)の
測定 した 。 眼 瞼,球 結 膜,外
虹 彩 毛 様 体,網 脈 絡 膜,そ
中 沢 昭 三 ・小 野 尚 子 ・西 野 武 志
眼 組織 内 濃 度 を
大 矢 依 子 ・高 田 昭 子 ・端 野 順 子
眼 筋 等 外 眼 部 は もち ろん,
右 田洋 子
の 他 眼 内部 の各 組 織 へ も良 好
京都薬科 大学微生物学 教室
の移 行 濃 度 が 得 られ た 。
これ ら眼 内 移 行 は各 種 合 成PC群
お よびCephalospo-
抗 菌 スペ ク トラム,臨 床 分 離 株 に対 す る感 受 性,交 叉
rin系 の 薬 剤 の そ れ と類 似 の成 績 で あ る 。
耐 性,抗 菌 作 用 に 及 ぼ す 諸 因 子 の 影 響,抗 菌 作 用 の 型
5. 臨 床 成 績
式,耐
各 種 前 眼 部 化 膿症10例
(150mg),1日4回,小
に 対 し 本 剤1回1カ
児 の1例
には1日2回
プ セル
投 与 して
治癒 した 。
性 獲 得,マ
ウ ス 実 験 的 感 染 症 に 対 す る治 療 実 験 な
どの 諸 方 面 に つ い て 既 知 合 成 ペ ニ シ リンAminobenzyl
Penicillin(AB-PC)と
比 較 検 討 した 結 果,in
感 受 性(MIC)はAB-PCの
3∼10日
間 に 総 量0.9∼6.0gを
用 い て 有 効 率70%
vitroの
ほ うが優 れ て い る が,in
vivoに 於 け る マ ウス 実 験 的 感 染 症 の 治 療 実 験 に 於 て は
の成 績 で あ る。
2,3の
細 菌 に対 してAB-PCよ
りも優 れ た 治 療 効 果 が
副 作用 は1例 に も認 め られ な か つ た 。
認 め られ,本 物 質 の 吸 収 ・体 内 分 布 ・排 泄 な どの特 性 が
R-22)皮
大 き く影 響 を及 ぼ して い る もの と思 わ れ る。
膚 科 領 域 に 於 け るRifampicin
の 検 討
A-3)
AG98の
基 礎 的 臨 床 的 研 究
(誌 上 発 表)
(誌 上 発 表)
樋 口 謙 太 郎 ・五 島 応 安 ・栗 田 諒 一
真 下 啓 明 ・加 藤 康 道 ・斉 藤
九州大学皮膚科教室
Pifampicinの
桜 庭 喬 匠 ・松 本 義 孝 ・田 中 一 志
試 験 管 内 の 抗 菌 力,ブ
ドー 球 菌 マ ウ ス
松 井 克 彦 ・出 内 秀 人
皮下 感 染 治 療実 験 お よび 臨 床 成 績 につ い て の べ る 。
病 原分 離 の ブ ドー 球菌78種
のMICは
北 海 道 大 学 第 二 内科
に た い す る,Rifampicin
す べ て0.2mcg/ml以
下 であつた。治療実験
で も極 め てす ぐれ た 効 果 を しめ した 。
臨 床成 績 は13例
A-1)
新 合 成PC剤AC-98に
1.平
に 使 用 し有 効 の成 績 を お さめ た が 抗
つ い て以 下 の 検 討 を 行 なつ た 。
板 希 釈 法 で 各 種 細 菌 に対 す るMICを
た 。 黄 色 ブ 菌49株
菌 力 に匹 敵 す る ほ ど著 明 で は なか つ た 。
A1∼19
玲
測 定 し
に つ い て は>100mcg/mlが20株
あ り,そ れ 以 下 で は12.5mcg/mlが8株,25mcg/ml
が8株 で あつ た 。PC-Gと
の 交 叉 性 では,PC-Gが>100
ア ミ ノサ イ ク ロヘ キ シ ル ペ ニ シ リン
mcg/mlの
(AC-98)
の が 半 数 ほ どあつ た が,逆 の 場 合 の も の もあ つ た 。 大 腸
Aminocyclohexyl
菌14株
penicillinの
菌6株
試 験 管 内抗 菌 力 に つ い て
三
橋
汁 中,尿
49.3%で
群馬大微 生物
新 合 成 ペ ニ シ リンAminocyclohexyl
ヌに15mg/kg注
あ つ た。緑 膿
あつ た 。
後 の 血 中,胆
汁中濃度 と胆
中排 泄 を みた 。 胆 汁 中 濃 度 は 血 中濃 度 の10倍
程 度 で あ つ た 。5時
進
下の も
で は 大 部 分 が>100mcg/mlで
は す べ てが>100mc9/mlで
2.イ
(誌上 発 表)
株 の 中 で,AC-98が100mcg/ml以
他 のPC系
間 ま で で 胆 汁 中へ0.47%,尿
薬 剤 に くら べ,胆
中へ
汁への移行が少
なかつた。
penicillinの
種細 菌 に 対 す る試 験 管 内 抗 菌 力,Penicillh耐
各
性 ブ ドウ
3.ラ
ッ トに100mg/kg経
肝 〓 腎>血 漿>肺>脾>筋
口投 与 後 の 組 織 内 濃 度 は
肉の順 であつた。
400 CHEMOTHERAPY
4. ヒ トに500mg経
peakで
口投 与 後 の 血 中 濃 度 は1時
平 均18.7mcg/mlで
あ り,6時
間が
間 で測 定不 能 で
あ つ た 。 尿 中 回 収 率 は6時 間 ま で で 平 均50.3%で
あつ
た。
1970
1. 病 的 材 料 か ら分 離 した 菌 のAC-98に
対 す る 感受
性 と,他 の ペ ニ シ リ ンに 対 す る感 受 性 との 比 較 検 討 。
2. ラ ッ トに 経 口投 与 時 の 各 臓 器 内濃 度 の 推 移 。
3. 家 兎 に お け る 胆 汁 内 排 泄 。
5. 蛋 白結 合 率 を セ ロ フ ァ ンバ ッグ透 析 法 で 調 べ た 。
ウ シ血 清 を 用 い,4℃48時
間 の透 析 で は0%で
同 一 条 件 で 行 な つ たPC-Gは37.7%で
6. PC-Gと
あつた。
に よ りPC-G抗
降 線 が で きた 。PC-Gと
AB-PCと
あつた。
成 が あ り,
A-6) Aminocyclohexyl
penicillinに
か
んす る基 礎 的 な ら び に 臨 床 的 研 究
て い た 。 定 量 沈 降 反 応 で,
の 免 疫 学 的 交 叉 性 はPC-Gを100と
AC-98は61.8%で
用。
体 と の 間 に 明 瞭 な沈
の 間 で はspur形
の 間 で はfusionし
4. 健 康 成 人 に 投 与 した 場 合 の 血 中 濃 度 な ら び に尿 中
排 泄量。
5. 種 々感 染 症 に 対 す る臨 床 治 療 効 果 な ら び に 副 作
の 免 疫 学 的 交 叉 性 に つ い て 検 討 した 。
OUCHTERLOWY法
PC-Gと
JULY
す る と
(誌 上 発 表)
あつ た 。
7. 呼 吸 器 感 染 症9例,尿
路 感 染 症6例
効 果 を検 討 した 。 投 与 量 は1日250mg4回/g投
原 則 と した 。 投 与 日数 は5∼44日
感 染 症 は 有 効6例,や
効2例
で あつ た 。 無 効 例 は い
mirabilis,
あ つ た 。 副 作 用 と し て3例 に 胃
腸 障 害 が あ つ た 。1例
は 症 状 の 程 度 が 強 く5日 間 で投 与
を 中止 した 。
朋 嗣 ・岩 崎
哨
赤尾
満 ・尾 崎 達 郎 ・杉 山 浩 士
羽 田
同 ・塩 田 憲 三
大 阪 市 大 医 学 部 第一 内科
明1例 で あ つ た 。 尿
ず れ も急 性 膀 胱 炎 で 起 炎 菌 は1例 はProteus
他 の1例 はKlebsiellaで
与を
問 であ つ た。呼吸器
や 有 効2例,不
路 感 染 症 で は 有 効4例,無
三 木 文 雄 ・東
について臨床
新 し い 合 成 ペ ニ シ リ ン6-(1-Aminocyclohexane
carboxamido)penicillanic
acid
penicillin,以 下AC-PCと
略 す)に
(Aminocyclohexyl
つ い て,2,3の
基
礎 的 検 討 を加 え る と と もに,内 科 系 感 染 症 に 使 用 した 成
績 を 報 告 す る。
1) 抗 菌 力:病 巣 か ら分 離 した ブ ドウ球 菌,大 腸 菌 お
A-4) AC-98に
か んす る研 究
よび 肺 炎 桿 菌 に対 す るAC-PCの
びIsoxazolyl系
(誌 上 発 表)
上 田
泰 ・中 村
斎藤
篤 ・野 田r・
ブ ドウ球 菌 は ほ とん ど全 て0.1∼0.78mcg/mlの
大森雅 久
のIsoxazolyl系
AC-PCに
東 京 慈 恵 会 医 科 大 学 上 田 内科
合 成PCに
る。
AB-PCとAC-PCの
形 菌 な どに 対 す る感 受 性,Ampicillinと
2) 吸 収 ・排 泄Ampicillinと
の比較
の比 較
3) 臓 器 内膿 度
4) 臨 床 成 績,副
A-5) 抗 菌 力 を 比 較 す る と,AB-PC耐
濃 度 に よ り発 育
を 阻 止 され る菌 が か な り存 在 す るが,い
感 性 菌 に 於 い て はAC-PCの
つ ぼ うAB-PC
抗菌 力 がAB-PCよ
大 腸 菌 は6.25∼12.5mcg/mlのAB-PCに
基 礎 的 臨 床 的 研 究
滉 ・藤 本 安 男 ・岡 本 緩 子
束 田 二 郎 ・牧 野 純 子
関西医大内科
新 しい 合 成 ペ ニ シ リ ンAC-98に
関 して 実 験 研 究 した の で報 告 す る 。
つ い て,次 の 事 項 に
よ り発 育
対 して は 全 て100mcg/mlま
た は そ れ 以 上 の 耐 性 を 示 し,肺 炎 桿 菌 はAB-PC,AC-PC
双 方 に 対 して100mcg/ml以
上 の 耐 性 を 示 した 。
2) 吸 収 ・排 泄:AC-PC1回
(誌上 発 表)
りか な
り劣 る傾 向 を 認 め た 。
が 阻 止 され た がAC-PCに
作用
AC-98の
大久保
広 く分 布
上 の 耐 性 菌 も存 在 す る。
性 菌 でAC-PCの3.12∼50mcg/mlの
性 ブ 菌,大 腸 菌,肺 炎 桿
濃度
よ り発 育 阻 止 さ れ る が,
対 す る感 受 性 は0.2∼50mcg/mlと
し,少 数 な が ら100mcg/ml以
AC-98 に つ い て 以 下 の 諸 検 討 を 行 な つ た の で 報 告 す
1) 病 巣 由来Coagulase陽
よ
測 定 法 は いず れ も 日本 化 学 療 法 学 会標 準 法 で あ る。
昇 ・松 本 文 夫
古屋千鶴 子
菌,変
抗 菌 力 をAB-PCお
合 成 ペ ニ シ リンの 抗 菌 力 と比 較 した 。
度 の ピー クは 投 与 後30∼60分
3例 の 平 均 値 は30分
経 口投 与 時 の 血 清 中 濃
に 存 在 し,250mg投
後10.20mcg/ml,1時
mcgfml,2時
間 後2.04mcg/ml,4時
mg投
の 平 均 値 は30分
与3例
間 後8.86mcg/ml,2時
traceを 示 した 。
与
間 後4.18
間 後trace,500
後10.45mcg/ml,1時
間 後2.86mcg/ml,4時
間後
VOL.
18. No.4
CHEMOTHERAPY 6時 間 内 の 尿 中 回 収 率 は250mg投
1例,急
化 膿 症4例,胆
性 膀 胱 炎1例,計15例
管 支 拡 張 症5例,
嚢 炎1例,腎
孟腎炎
にAC-PCを
投 与量 は4例 の み1日1g,他
投 与 した 。
は1日2gを
そ れ ぞ れ4
回 に分 け6時 間 毎 の 投 与 で あ る 。
染4例 中2例 は 有 効,2例
は 著効,肺 化 膿 症4例
は 著効,Hemophilus感
は 著 効,Hemophilus感
Proteus
中,肺 炎 球 菌 と ブ菌 の混 合 感 染 例
染3例 中2例
は 有 効,1例
無効
性膀胱
炎 は 著 効 を,腎 孟 腎 炎 は無 効 の 成 績 を示 した 。
中著 効6例,有
効5例,無
劣 り,感 受 性 分 布 に お い てAC-98は12.5mcg/mlで
8株,100mcg/ml以
の成 績 で あ る。
AB-PCの
は 投 与3日
目に 食 欲不 振,胸 や け,
上 腹 部 不 快 感 を訴 え た た め 投 薬 を 中 止 し,他 の1例
は
間 継 続 時 に上 腹 部 痛 を 訴 え た が,1日1g
に 減量 後 消 失 した 。 この2例
の他,特
で,AB-Pcで
感 受 性 相 関 を み る と,E.
抗 菌 力 は5濃 度 段 階 劣 る よ う
対 して はAC-98の
PCに
度 段 階 劣 つ た 。 健 康 小 児4例 に つ い
比 し4∼5濃
subtilisPSI-219を
lanic
carboxamido
acid)(AC-98)の
抗 菌 力 はAB-
検 定 菌 と して 重 層 法 で,
(2例)と250mg(2例)投
間 で500mg投
与(食 事 後2時
で 平均9.1mcg/ml,250mg投
与 で は1時 間 で4.3mcg/
排 泄 率 は 健 康 小 児2例 に つ い て測 定 した 。 す なわ ち500
mg
1回 投 与 後 の尿 中 排 泄 率 は6時
あつ た 。 治 療 成 績 は,急
間 ま で に86.9%,
性 咽 頭 炎3例,急
性
性 大 腸 炎2例,急
性
消 化 不 良 症4例,急
性 腸 炎2例,急
膀 胱 炎1例,計12例
に つ い て検 討 した 。す な わ ちAC-98
中4例
に 分 服2∼9日
間使用 し
には カ プ セ ル で,8例
に は散 剤 で
投 与 した 。 な お 効 果 判 定 は 著 者 らの 規 準 に 則 つ た 。 治 療
検 討
効 果 は 著 効2例,有
で 腸 管 系 疾 患8例
西 村 忠 史 ・浅 谷 泰 規 ・小 谷
間)で は2時 間 後
間 後 で は ほ とん ど測 定 不 能 で あ つ た 。 尿 中
た 。 な お12例
penicil-
1回500mg
与 した 。 血 中濃 度 ピ ー ク は
1日40∼50mg/kgを1日4回
小 児 科 領 域 に お け る6-(1-Aminocyclohexane
coliで は 高 度 耐 性 菌
で あ る。Proteusに
74.2%で
に 副 作 用 は認 め ら
れ なか つ た 。
A-7) は1.56mcg/
対 す るAC-98,
間 に相 関 が み られ た がAB-PC感
受 性 に対 して はAC-98の
mlで,6時
副 作 用 と して,1例
上7株
5株 で あつ た 。E. coli, Proteusに
1∼2時
効4例
劣つた。
抗 菌 力 はAB-PCに
血 中濃 度,尿 中 排 泄 量 を 測 定 した 。AC-98
尿 路 感 染 症 例 は とも に大 腸 菌 感 染 で あ るが,急
以 上,全 症 例15例
は7株(29.2%)で
22株 に 対 して もAC-98の
てBacillus
ブ 菌 に よ る胆 嚢 炎 は著 効 を示 した 。
い し以 上
coliに 対 す る抗 菌 力 はAB-PCに
はAC-98,AB-PCの
は 無 効 の 成 績 を 示 した 。 肺 炎
の成 績 で あ る。
1日2g20日
AC-98のE.
ml
急性 気 管 支 炎2例 は 著 効 お よび 有 効 を 示 し,気 管 支 拡
張症 の うち 肺 炎 球 菌 感 染 の1例
は 最 小 発 育 阻 止 濃 度100mcg/mlな
の もの21株(87.5%),AB-PCで
示 した 。
3) 臨 床 成 績:急 性 気 管 支 炎2例,気
気 管支 肺 炎1例,肺
AC-98で
与 群,500mg投
与 群そ れ ぞ れ 平 均55.5%,58.9%を
401
泰
効7例,無
効3例 で 有 効 率 は75%
で は 有 効 は5例 で あ つ た 。 な お 副 作 用
と考 え られ る も の は 認 め られ なか つ た 。
大 阪 医 大 小 児科
新 合成 ペ ニ シ リンAC-98に
つ い て検 討 を 加 え 次 の 結
果 を え た 。 病 巣 由 来Coagulase陽
性 ブ 菌42株
に大腸 菌24株
に対 す るAC-98の
抗 菌 力 をheart
fusion agarを
用 い,寒 天 平 板 希 釈 法 で 測 定 し,同 時 に
AB-PC,PC-Gの
外 科 領 域 に お け るAC-98に
な らび
に 対 す るAC-98感
(誌 上 発 表)
岩 本 英 男 ・川 上
AB-PC,PC-Gで
最小 発 育 阻 止
い し以 上 の も の が6株
は そ れ ぞ れ13株,27株
98とPC-G,AB-PCの
で あ つ た 。AC-
感 受 性 相 関 で は,PC-G高
性菌 はAC-9812.5∼25mcg/ml度
お り,PC-G感
は 劣 つ て い る 。 ま たAB-PCで
菌 で はAB-PCよ
り2∼3段
階抗菌 力
高 度 耐 性 菌 に 対 して も
り1∼2段
に 対 す るAC-98の
度耐
で 発 育 阻 止 され て
受 性 菌 で はAC-98は4∼5段
AC-98はAB-PCよ
み ら れ,
階 抗 菌 力 が 強 く,感 性
階 抗菌力 は 劣 つ た。次 に
感 受 性 分 布 を み る と,
郁
大 島 聡 彦 ・鷹 取 睦 美
日本 大 学 医 学 部 石 山 外科
受 性 分 布 に お い て,
感受 性 ピー クは12.5mcg/ml(12株)で
濃 度で100mcg/mlな
つ い て
in-
そ れ と比 較 した 。 す な わ ちCoagulase
陽 性 ブ 菌42株
E. coli24株
A-8) AC-98(6-1Aminocyclohexane
cillanic acid)に 就 い て 抗 菌 力,血
carboxamido
中濃 度,尿
peni中 排泄,
臨 床 使 用 成 績 を 検 討 した 。
1. 抗 菌 ス ペ ク トル
Staphylococcusは0.8∼3.12mcg/ml,
∼100mcg/ml以
2. 病 巣 分 離 黄 色 ブ菌(63株)の
AC-98に
mlに
%)で
E. coliは12.5
上 の 濃 度 で,発 育 が 阻 止 され た 。
感受性 分布
対 す る 感 受 性 値(MIC)は0.8∼
分 布 し,ピ ー クは12.5mcg/mlに27株(42.9
あつた。
〓100mcg/
402 CHEMOTHERAPY
3. 血 中 濃 度
500mg内
服30分
13.5mcg/mlで,6時
∼1時 間 で 最 高 濃 度 に 達 し,平 均
JULY
A-11) 産 婦 人 科 領 域 に お け るAC-98の
検 討
間 後 に は ほ と ん ど検 出 で きな か つ
た。
(誌上 発 表)
4. 尿 中 排 濃
6時 間 まで の 尿 中 回収 率 は45.6%で
徳 田 源 市 ・金 尾 昌 明
あつた。
中 野 義 雄 ・身 原 正 一
5. 臨 床 使 用 成 績
外 科 疾 患22例
にAC-98を
京 都 府 立 医科 大 学 産 婦 人 科
使 用 し,同 時 に 起 因 菌 の
(主 任:徳 田 源 市 教 授)
感 受 性 を 測 定 し,臨 床 効果 を 検 討 した 。 な お,副 作 用 と
して1例 ア レル ギ ー 性 発 疹 を 認 め た 。
A-9) 新 経 口PC剤,AC-98に
外 科 領 域 に 於 け るAC-98の
つ い て基礎的臨床的検討 を
行 なつた結果を報告す る。
使 用
1) 抗 菌 力:病 巣 か らの 分 離 菌 に つ い てAB-PC,CP,
経 験
CER,CET,CEXと
の比 較 を 行 な つ た 。
2) 血 中濃 度:尿
(誌 上 発 表)
中排 泄500mg
の 平均 血 中 濃 度 はPeakは30分
柴 田 清 人 ・加 藤 剛 美 ・伊 藤 忠 夫
時 間 ま で に241.5mcg/mlと
名古屋市 立大学医学部第一外科
(主任;柴
れ,24時
田 清 人 教 授)
ついて外科
領 域 で の臨 床 成 績 と,な ら び に若 干 の 基 礎 的検 討 を 加 え
1) 抗 菌 力,黄 色 ブ 菌,大 腸 菌 に つ い てAB-PCと
交 叉 耐 性 を 検 討 した 。 ブ 菌 で は ほ ぼAB-PCと
の
類 似 した
感 受 性 を示 した が,大 腸 菌 に対 して はAB-PCの
ほ うが
数 段 階 以 上 感 受 性 が 鋭 敏 で あつ た 。
2) 血 中 濃 度 及 び 尿 中 排 泄:AC-98
均 値 を示 し,6時
与 後6時
250mg内
服時の
間 に あ り,15.94mcg/mlの
平
3) 乳 汁 中濃 度:膀 帯 血 お よび 羊 水 移 行,性 器 内濃 度,
そ れ ぞれ に つ い て4例,6例,3例
(66.7%)に
3) 臨 床 使 用 成 績:今
使 用 し有 効13例,無
ま で に16例
効3例,不
に 使 用 し22例
効 との印象を受けた。
な お,副
A-12) 作 用 と して1例 に 発 疹 を 認 め た 。
泌 尿 器 科 領 域 に お け るAC-98の
応 用
(誌上 発 表)
あつ た 。
大 越 正 秋 ・名 出 頼 男
の外科的感 染症に
川
明1例 で あつ た 。 副 作
村
猛 ・川 上
隆
慶 大 泌 尿 器科
用 と して1例 に 発 疹 を認 め た 。
A-10) に つ い て 検 討 した 。
有 効 で あ るが,軽 症 例 の み で 重 症 例 に は 無
間 後 で は測 定 不 能 で あ つ た 。 な お,投
間 まで の 尿 中排 泄 率 は40.3%で
外 科 領 域 に お け るAC-98の
臨 床
我 々 は,6APAを
基 と して 作 られ た 新 しいsemi-syn-
thetic penicillinで
成 績
あ るAC-98の
泌尿器科領域に於け
る 応 用 の 適 否 を 知 るた め,基 礎 的(細 菌 学 的 研 究,お
(誌上 発 表)
び 吸 収 排 泄)研
市 川 久 治 郎 ・酒 井 克 治
大 阪 市 立 大 学 第2外 科
新 しい 半 合 成 ペ ニ シ リ ンAC-98の
抗 菌 力,体 液 内濃
究,お
よ
よ び急 性 感 染 症 に 対 す る試 験 投 与
を 行 なつ た の で 報 告 す る。
A-13)泌
尿 器 科 領 域 に お け るAC-98の
応 用
中 排 泄 を 検 討 した 。
な お,外 科 的 感 染 症20例
泄
あつた。
4) 臨 床 使 用 成 績:現 在 ま で35例
る 機 会 を得 た の で 報 告 す る 。
血 中 濃 度 のpeakは1時
ほ とん どの 排 泄 が 行 な わ
間 まで の 総 排 泄 量 は246.8mcg/mlで,排
率 は40.9%で
我 々 は この 度 新 合 成 ペ ニ シ リンAC-98に
1回 経 口投 与 時4例
後 に,17.3mcg/mlで
6時 間後 に は 測 定 不 能 で あ つ た 。 同 じ例 の 尿 中 排 泄 は6
水 野 貴 男 ・藤 井 修 照 ・奥 田 泰 夫
度,尿
1970
(誌 上 発 表)
に 本 剤 を試 用 し,そ の 臨 床
石 神 嚢 次 ・原
効 果 を 検 索 した の で報 告 す る 。
信 二 ・三 田 俊 彦
神 戸 大学 泌 尿 器 科
AB-PCの
新 しい 誘 導 体 で あ るAC-98を
各種尿路感
VOL.
18.
NO.4
CHEMOTHERAPY 染 症 に 使 用 し,そ の 臨 床 効 果 を 観 察 す る と と もに,経
403
口
投 与 時 の 血 中 濃 度,尿 中 排 泄 率 を測 定 し,ま た 併 せ て尿
A-15) Aminoalicyelic
Penicillinに
ょ
る耳 鼻 咽 喉 科 感 染 症 の治 療 成 績
路 か ら分 離 した 各 種 菌 に 対 す る 抗菌 力 を も検 索 した の で
報 告す る。
(誌 上 発 表)
1. 臨 床 効果
44例 の尿 路 感 染症 に 使 用 し,著 効18例,有
無 効9例,有
効 率79.5%の
三 辺 武 右 衛 門 ・村 上 温 子 ・西 崎 恵 子
効17例,
関 東 逓 信 病 院 耳 鼻 咽 喉科
成 績 を得 た 。
2. 血 中濃 度
AC-98
徐
0.5g,1.0g
1回 投 与 後 の血 中 濃 度 の ピ ー ク
は1時 間 後 に あ り,そ れ ぞ れ20.9mcg/ml,30.7mcg/
謡
を 示 し,そ の 後 急 速 に 減 少 し,持 続 は4時 間 ま で 認
め られ た 。
0.5g
郎
本 剤 のStaph,
aureus
用 をBiophotometerを
209 P株
に対 す る 増殖阻止作
用 い て 増 殖 曲 線 か ら 検 討 した 。
どに つ い て 述 べ る 。
1回 投 与 後 の 尿 中排 泄 率 は 極 め て 良 く,
6時 間 まで に50%以
A-16) 上 の排 泄 を認 め た 。
4. 抗 菌 力
新 合 成PC,
三 国 政 吉 ・大 石 正 夫 ・周 田 茂 雄
間に広 く分 布 し
て いた 。 大 腸 菌 に 対 す る抗 菌 力 はAB-PCに
で そ の 程 度 は1/2∼1/4で
今 井 正 雄 ・高 橋 篁 子
比 して不 良
新 潟大眼科教室
あつた。
感 受 性 は3.12∼>100mcg/mlの
変 形 菌 に 対 す るAC-98の
眼 科 的 応 用
比 して 同 程 度 か,倍
程 度 良 好 で あ り,0.08∼25mcg/mlの
間 に 分 布 して い た 。
感 受 性 は12.5∼>100mcg/
間 に 分 布 して お り,緑 膿 菌 は す べ て100mcg/ml
以 上 の 耐 性 を 示 した 。
AC-PCの
眼 科 的応 用 に 関 す る基 礎 的 な らび に 臨 床 的
実験 を行なつた。
1) 教 室 保 存 株 に対 す るAC-PCの
抗菌 力は次の とお
り で あ る 。K-W菌25mcg/ml,M-A菌0.025∼0.05
5. 副 作用
mcg/ml,肺
特記 す べ き も の を 認 め な か つ た 。
0.78∼3.13mcg/ml,淋
A-14) Aminocyclohexyl-
PC(AC-PC)の
ブ 菌 に 対 す る 抗 菌 力 はAB-PCに
mlの
一
耳 鼻 咽 喉 科 感 染 症 の 治 療 を 行 なつ た 治療 成 績,副 作 用 な
3. 尿 中排 泄 率
AC-98
慶
臨 床 検 査科
AC-98の
基 礎 と臨 床
炎 球 菌0.2∼6.25mcg/ml,ジ
フ テ リー 菌
菌0.39mcg/ml,レ
0.1∼12.5mcg/ml,ブ
ンサ 球 菌
ド ウ 球 菌0.78∼25mcg/ml,緑
膿 菌>100mcg/ml。
(誌 上 発 表)
新
島
端
2) 病 巣 分 離 のStaph.
0.78∼ ≧100mcg/mlに
夫
mlに
岡山大学泌尿器科
難
波
克
基 礎 的 にAC-98の
お よびAB-PCとMCI-PCの
50株 に 対 す る 感 受 性 は
あ り11株(22%)が
これ を 占め て い る 。AB-PC
との 交 叉 関 係 をみ る と,AB-PC高
一
度 耐 性株 に はAC-PC
も高 度 耐 性 を示 し,両 者 間 に 交叉 耐 性 を 認 め た 。
岡 山 市 立 市 民病 院
AC-98を
aur.
分 布 し,分 布 の 山 は12.5mcg/
3) 健 康 成 人2名
に 本 剤500mg1回
経 口投 与 して 血
排 泄 お よび 吸 収,抗 菌 力
中 濃 度 の 推 移 を 検 査 し た 。Peakは1時
相 関,動
15.7mcg/mlの
濃 度 を 示 し,4時
間 後 は 測 定 不 能 で あ つ た 。Cross-over
物 に お け る臓 器
内濃 度 を 検 討 し,さ らに 臨 床 的 に尿 路 感 染 症 に 使 用 し,
認 め た が,6時
か な りの 有 効 症 例 を 認 め た の で 報 告 す る 。 な お 詳 細 は 原
で測 定 したAB-PCの
著 に ゆず る。
2.7mcg/mlを
peakに
成 績 で は,peakは2時
示 し,6時
す なわ ちAC-PCで
間 後 あ らわ れ
間 後 も0.4mcg/mlを
間 後 も0.5mcg/mlを
はAB-PCに
間 後 で
認めた。
くらべ て よ り速 や か に
達 して 高 濃 度 を示 す が,持 続 が短 か い と い う こ
とが 知 られ た 。
4) 成 熟 家 兎 を 用 い て 本 剤 の 眼 内移 行 を 調 べ た 。ACPC
50mg/kgを
経 口投 与 した 際 の 前 房 内濃 度 は1時
後peak値5.0mcg/mlが
間
得 ら れ,以 後 比 較 的速 や か
に 減 少 して4時 間 後 に は4.4mcg/mlと
な り,6時
間後
404 CHEMOTHERAPY
に は測 定 不 能 で あ つ た 。 同 時 に 測 定 した 血 中 濃 度 と の
比,前 房,血
清 比 はpeak時
で16.5%と
比 較 の た め 行 なつ たAB-PC投
2時 間 後 にpeakに
な る。
後 漸 減 して6
時 間 後 も測 定 可 能 で あつ た 。
す な わ ちAC-PCの
マ ウ ス の 皮 下 感 染 治 療 実 験 ではAB-PCと
な つ た が フ ァー ジ型81の
与 時 の前 房 内 濃 度 で は
達 し(1.4mcg/ml),以
JULY
A-19) 前 房 内移 行 はAC-PCに
速 や か に 高 濃 度 に 達 し(peak時
くらべ て
約3.6倍),以
後急速 に
同 様 の効 果 が み られ た 。
新 合 成 ペ ニ シ リ ン 剤Aminocy-
(誌上 発 表)
次 に 同様 経 口投 与 後AC-PC,AB-PCそ
れ ぞ れ のpeak
時 に眼 球 摘 出 して眼 組 織 内 濃 度 を 調 べ た 。AC-PCで
百 瀬 俊 郎 ・熊 沢 浄 一 ・楢 橋 勝 利
は
日高 正 昭 ・清 原 宏 彦
前 眼 部 お よび 眼 内部 組 織 に 良 好 な 移 行 濃 度 を示 した 。 そ
約2∼5倍
九 州 大 学 泌 尿器 科
の高 濃 度 が 認 め られ た 。
5) 臨 床 成 績
嚢 炎,慢
広 域 性PCと
麦 粒 腫5例,眼
性 涙 嚢 炎 各1例,角
瞼 膿 瘍2例,急
性涙
膜 浸 潤,角 膜 潰 瘍 各1例,
角 膜 異 物2例 お よび 穿 孔 性 外 傷3例
の全25例
で あ る。
して はAB-PCが
す でに普遍化 して お
り,そ の 優 秀 性 は 広 く認 め られ て い る 。 今 回 武 田 製薬 か
ら同 様 に広 域 性 の 新 合 成PC剤AC-98が
と して投 与 して み た 。 急 性 膀 胱 炎11例,急
小 児 に1回250mg,1日2回
4例,単
麦 粒 腫 に は3∼6日
や 効2,無
を 使 用 して2例
投 与 した 。
間,2.5∼69投
効2の
与 し て 著 効3,
結 果 を 得 た 。 眼 瞼 膿 瘍 は79
と も有 効 で あ つ た 。 急 性 涙 嚢 炎 に は79
で 著 効 を 認 め,慢 性 涙 嚢 炎 の1例 は6g内
服で効 果 を
示 した 。 角 膜 浸 潤,角 膜 潰 瘍 に は そ れ ぞ れ7gを
使 用
開 発 され,提
供 を うけ た の で主 と して 外 来 の単 純 性 尿 路 感 染 症 を 対 象
これ らに 対 して 本 剤 を成 人 に は1回250mg,1日4回,
有 効7,や
よ る
尿 路 感 染 症 の治 療 経 過
の 態 度 を示 した 。
外 麦 粒腫9例,内
対し
の感 染 実 験 で は ほ と
clohexyl-Penicillin(AC-98)に
減 少 して 持 続 が 短 い こ とは 先 の 血 中 濃 度 に お け る と同 様
してAB-PCの
対 比 して 行
感 染 治 療 で はAB-PCに
て若 干 そ の成 績 が お とつ た 。 他3種
ん どAB-PCと
1970
純 性 尿 道 炎2例,合
例 の 合 計20例
で あ る。 臨 床 効 果 の 判 定 基 準 は 従 来 か ら
わ れ わ れ が 用 い て き た 方 法,す な わ ち1)自
し,2)尿
性腎孟腎炎
併 症 を 有す る慢 性 膀 胱 炎3
所 見 が 正 常 化 し,3)尿
覚症 が軽 快
中 細 菌,尿 道 分 泌 物 中
細 菌 が 消 失 した も の を著 効 と し,こ の3条 件 の うち1な
い し2条 件 を 満 足 す る もの を 有 効,い ず れ の条 件 も満 足
して 治癒 させ た 。 角 膜 異 物 除 去 後 お よび 穿 孔 性 外 傷 に 対
しな い もの を 無 効 とす る 方 法 を 用 いた 。 そ の結 果,著
して も 本 剤 は 感 染 防 止 に有 効 で あ つ た 。 副 作 用 と して2
9例,有
例 に軽 い 胃腸 障 害 を み た ほ か 重 篤 な も の は1例
た 。 単 純 性 の と くに 急 性 の もの は 自然 治 癒 の傾 向が 強 い
もみ られ
な か つ た。
A-17) もの で あ るが,こ
ciohexyl-Peniciilin(AG-98)の
続 した も の は6株,菌
肇
皮 膚 科 領 域 に 於 け るAC-98の
交 代 現 象 を 来 した も の1株
交 代1株
で あ り,グ ラム陽 性 球
な お,副 作 用 は 全 例 に認 め な か つ た 。
検
(誌上 発 表)
樋 口 謙 太 郎 ・五 島 応 安 ・栗 田 諒 一
九 州大 学 皮 膚 科
ドー球 菌 マ ウ ス 皮 下 感
中消
続1株 で あ つ た 。 広 域 性 の も の
で あ る こ とが これ か ら も判 る。
討
染 治 療 実 験 成 績 お よび 臨 床 成 績 に つ い て の べ る。
続5株,菌
菌 群4株 中 消 失3株,存
詳 細 は 原 著 で 報 告 す る。
試 験 管 内抗 菌 力,ブ
株,存
失11株,存
岡山大学 皮膚科
AC-98の
効
なつ
の こ とを 考 慮 に 入 れ て も充 分 の 効果 を
で あ つ た 。 菌 種 別 に み る とグ ラ ム陰 性 桿 菌 群17株
谷 奥 喜 平 ・荒 田 次 郎 ・藤 田 慎 一
薫 ・小 玉
とな り有 効 率 は75%と
細 菌 学 的 な効 果 を検 討 して み る と消 失 した も の は14
治 験
(誌上 発 表)
徳 丸 伸 之 ・三 好
効5例
あ げ て い る と考 え られ る 。
皮 膚 科 領 域 に お け るAminocy-
A-18) 効6例,無
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
M1∼25ミ
M-1) ノサ イ ク リン
405
M-3) Minocyclineに
新 し い テ トラ サ イ ク リ ン 誘 導 体
"Minocycline"に
関 す る薬 理 学 的 研
究(第2報)体
内 分 布
関 す る 細 菌 学 的
(誌上 発 表)
研 究
中 塚 正 行 ・荒 谷 春 恵 ・河 野 静 子
(誌 上 発 表)
建 石 英 樹 ・藤 田 元 二
中 沢 昭 三 ・小 野 尚 子 ・ 目片
広 島 大 学 医 学 部 薬 理学
勇
西 野 武 志 ・西 田 克 次 ・藤 田 吉 彦
山 田 勝 人 ・和 島
Minocyclineの
剛
京 都 薬 科 大学 微 生 物 学
1) 血 清 内 濃 度 に く ら べ 各 臓 器 内,組 織 内 濃 度 は 高
抗 菌 ス ペ ク トラ ム,臨 床 分離 株 に 対 す る感 受 性,交
叉
耐 性,抗 菌 作 用 に 及 ぼ す 諸 因 子 の 影 響,抗 菌 作 用 の 作 用
型式,耐
泄,マ
性 獲 得,ラ
体 内 分 布 を マ ウ ス お よび ラ ッ トに つ い
て検 討 した 。
ッ トに 於 け る 吸 収 ・体 内 分布 ・排
ウス 実 験 的 感 染 症 に 対 す る 治 療 実 験 な ど の諸 方 面
く,肝 臓 か ら相 当量 が胆 汁 内 排 泄 され る 。 尿 中 排 泄 は き
わめ て少ない。
肝 臓chloroform抽
出画 分 濃 度 はBuffer抽
よ りも 大 で あ り,肝 臓 内lipipに
に つ い て既 知 テ トラサ イ ク リ ン系 抗 生 物 質Tetracycline
が 生 物 学 的 活 性 を 失 なつ て い な い こ とを,薄
お よ びDemethylchlortetracyclineと
グ ラ フ ィか ら知 つ た 。
果,殺 菌 的 作 用 お よびTC耐
比較 検 討 した 結
性菌 に 対 す る 有 効 性 な ど
従 来 の テ トラサ イ ク リン系 抗 生 物 質 に は 見 られ な か つ た
2,3の
新 しい 特性 を 持 つ た 優 れ た 抗 生 物 質 で あ る こ とを
確 認 した 。
M-2) 薬 理 学 的 研 究(第
性 毒 性 お よび 一 般 薬 理 作 用
(誌 上 発 表)
の 他 の 臓 器 お よび 組 織 で は 貯 溜 され なか つ た 。
仔 血 清/母 体 血 清)で
M-4) Minocyclineの
(誌 上 発 表)
真 下 啓 明 ・加 藤 康 道 ・斎 藤
急 性 毒 性(マ ウス お よび ラ ッ ト),(〓,
松 井 克 彦 ・出 内 秀 人
LD 50は マ ウス で は2.050mg/kg(PO-〓),1,710mg/
北海道大学 第二内科
kg(PO-〓),243mg/kg(IP-〓),229mg/kg(IP-♀),
佐
お よび ラ ッ トで は2,000mg/kg<(PO-〓,♀),367mg/
作 用 を しめ し,作 用態 度 は 同一
傾 向 で あ る が最 少 作 用濃 度 は 概 して 同一 程 度 か また は,
や や大 きい 傾 向 が み られ,し
た が つ て,毒 性 の 少 な い 秀
れ た 広領 域 作 用抗 生 物 質 の1つ
と考 え られ る 。
藤
幹
弥
札 幌市 立 病 院
あ り,経 口適 用 群 で
古
き らか に高 値 を しめ し毒 性
川
博
釧 路 市 立病 院
が 低 い 。 な お動 物 の 種 お よび 性 に よ る差 は ほ とん どみ ら
と同 様 にCholinergicな
玲
松 本 義 孝 ・桜 庭 喬 匠 ・田 中 一 志
♀),お よび 一 般 薬 理 作 用 に つ い て検 討 した 。
れ なか つ た 。つ ぎ に一 般 薬 理 作 用 で は 他 のTetracycline
基 礎 お よび 臨 床 研
究
広 島大 学 医学 部 薬 理 学
は 非 経 口適 用 群 に く らべ,あ
の結合率 は大き
い が,そ の 過 半 量 は 生 物 学 的 活 性 を しめ した 。
大 西 黎 子 ・河 野 静 子
kg(Ip-〓),331mg/kg(IP-♀)で
仔/母 体
あつた。
中 塚 正 行 ・荒 谷 春 恵
Minocyclineの
層 ク ロマ ト
3) 胎 仔 内 移 行 率 は マ ウ ス で は66.27%(胎
4) 血 清 蛋 白 お よび 肝microsomeと
1報)急
の大部分
2) 連 続 経 口投 与 の際,肝 臓 内 濃 度 は や や 持 続 的 で あ
るが,そ
血 清),お よ び ラ ッ トで は8.7%(胎
Minocyclineの
出のそれ
貯 溜 され,そ
Minocyciineに
っ い て 以 下 の点 を検 討 した の で報 告 す
る。
1. 黄 色 ブ ドウ球 菌 お よび 大 腸 菌 に 対 す る抗 菌 力。
2. ヒ トに200mg
排 泄,尿
1回 経 口投 与 後 の 血 中 濃 度 と尿 中
中濃度。
3. イ ヌに 静 注 時 の 血 中,尿 中,胆 汁 中濃 度 と 回収 率,
お よび 各 ク リア ラ ンス値 と減 少 率,な
4. ラ ッ トに20mg筋
に静注 時の組織濃度。
らびに分布容積。
注 時 の 組 織 濃 度,お
よび イ ヌ
CHEMOTHERAPY
406
5. イ ヌに 門 脈 内投 与 時 の 肝 静 脈 濃 度 と胆 汁 排 泄 お よ
び 肝 内 濃 度 をTCと
比較。
JULY
1970
目さ れ た 。 マ ウ ス臓 器 ホ モ ジネ ー ト処 理 に よ る 力価 減 少
を 残 存 率 で 示 す と,各 臓 器 ほ ぼ 同等 で30∼50%と
6. 組 織 に よ る不 活 性 化 を ラ ッ ト組 織 を 用 い て検 討 。
なつ
た。
ヒ トの血 中濃 度 に お よぼ す 食 餌 の影 響 を 牛乳 と同 時 に
7. 金 属 イ オ ンに よる 抗 菌 力 の変 化 を 検 討 。
8. ウ シ血 清 を 用 い て 蛋 白結 合 率 を セ ロ フ ァ ン嚢 法,
MINO
200mgを
投 与 した と き と,空 腹 時投 与 とを 比 較
す る と,牛 乳 との 同 時 投 与 に よ り血 中 濃 度値 の 全 体 的 な
限 外 〓 過 法 お よ び超 遠 心 法 で 比 較 。
9. 臨 床 例 の検 討 。
低 下 を み とめ た が,そ
ヒ トにMINO
10. 副 作 用
のパ タ ー ンは 不 変 で あ つ た 。
200mg
1回 投 与 後104時
間 まで の尿
中 ・便 中総 排 泄 量 を 測 定 す る と,平 均 して 尿 中 へ は22.8
M-5) Minocyclineに
関す る研 究
%,便
中 へ3.0%,計25.8%が
MINO投
北本
治 ・深 谷0太
・友 利 玄 一
臨 床 的 に 呼 吸 器 感 染 症4例 全 例 有 効,腎 孟 炎3例
導 体Minocyclineに
諸 剤 と比 較 しつ つ2,3の
与 例 の便 中 濃 度 は だ い た い10∼40mcg/9と
比 較 的低 値 で あ つ た 。
東 大 医 科 研 内科
新 しいTC誘
つ い て,既 存TC
検 討 を行 な つ た 成 績 を 報 告 す
る。
例 に 有 効,大 腸 炎1例
黄 色 ブ ドウ球 菌 の 感 受 性 を 化 学 療 法学 会 標 準 法 に よ り
≧0.2mcg/mlに
た 。TC感
受 性 菌 で は 他 のTC剤
が,TC耐
性 菌 で は,TCに
に 比 し4∼5枚
分布 し
との差 は 少 な か つ た
M-6) demethyl
TC
(誌上 発表)
菌 作 用 を み る と,そ の 差 は
五 味 二 郎 ・青 柳 昭 雄 ・富 岡
一
小 穴 正 治 ・満 野 嘉 造 ・河 合
健
山 田淑 儿
に お よん だ 。
与 群 が もつ と もす ぐれ た 成 績 を収
めた。
用 い る 重 層 法 に て,
緩 衝 液 希 釈 に て 作 製 した 。 馬 血 清 希 釈 で は 阻 止 帯 が 高 濃
度 で 短 縮 し,低 濃 度 で 延 長 を示 した 。Cup法
B. subtilis, B. cereus, Staph. aureusを
で試 験 菌 を
用 い て比 較 した
が,曲 線 の 変 動 は 少 なか つ た 。
ヒ トに初 回200mg,12時
た と き の血 中 濃 度 はpeak
0.5mcg/ml程
間 毎 に100mgず
1.2mcg/ml程
つ投与 し
度,bottom
間の尿中排泄量 は投与量 の
あつた。
ついて基礎 ならびに臨床的検討を行 な
I試
験 管 内 抗 菌 力:本 学 会 指 定 の 平 板希 釈 法 に よ り
Coaglase陽
性 ブ菌55株
に対 す る 本 剤 の 試 験 管 内抗 菌
力 を,TC,DQTC,DMCTと
mlの
比 較 し な が ら 測 定 した 。
性 ブ 菌 に対 す る 本 剤 のMICは25∼0.2mcg/
問 に 分 布 した 。 また0.8mcg/ml以
下 のMICを
示 した 株 の 割 合 は,本 剤 に つ い て は55株
%)で
あ つ た の に 対 し,TCで
34株(61.8%),DMCT
中47株(85
は30株(54.5%),DOTC
33株(60%)で
あ り,本 剤 は
最 もす ぐれ た 成 績 で あつ た 。 またTC100mcg/ml以
犬 に15mg/kg経
口投 与 した と き の 胆 汁 中 ・尿 中濃
度 は 同 程 度 で とも に 血 中 濃 度 の 約10倍
中 濃 度 のpeakは
tetracycline
つたので報告 する。
Coaglase陽
度 で だ い た い 維 持 され,蓄 積 を み と め な
か つ た 。 この と き最 初12時
6.1%で
7-Dimethylamino-6-deoxy-6-demethyl
(Minocycline)に
濃 度 測 定 用標 準 曲 線 を,209Pを
山田幸寛
慶 応 大 学 五 味 内科
マ ウス の 黄 色 ブ ドウ球 菌 感 染 に おけ る膿 瘍 阻 止 効 果 を
比 較 す る と,MINO投
基
り小 さ い 値 を 示
した 。
液 体 培 地 を 用 い て制 菌,殺
(Minocycline)の
礎 な らび に 臨 床 的 研 究
は0.8∼>100mcg/mlに
性 菌 で は い くぶ んTCよ
1回 次 い で100mg
7-Dimethyiamino-6-deoxy-6-
の差 で す ぐれ て い た 。 各 種 グ ラ ム陰 性 桿
分 布 し,TC耐
5∼8管
200mg
まい ・嘔 気 が 起 り,投 薬 中 止 に よ り
軽 快 した 。
比 し 平 板7∼8枚,DOTC
菌 の感 受 性 は種 々で,MIC値
中2
有 効 と され た 。 副 作 用 と して は1
例(37才,女)にMINO
数 回 服 用 後 か ら,め
測 定 す る と,多 くの 株 は1.6∼
回 収 され,残 余 は 不 明
で あつ た 。
(誌上 発表)
を み とめ た 。血
麻 酔 の 影 響 もあ つ て18時
間 後 に あ り,
47時 間 ま で 検 出 され た 。
マ ウ ス に40mg/kg経
に 高 度 耐 性 を示 す15株
mcg/ml以
値 は肝 ・脾 ・血 清 ・肺 ・腎 の 順 と な り,腎 の 低 濃 度 が 注
下 のす ぐれ たMICを
上
に 対 して 本剤 は0.8
しめ した 。
II マ ウス 実 験 的 ブ菌 感 染 症 に 対 す る治 療 効 果,Coaglase陽
口投 与 時 の 臓 器 内濃 度 のpeak
の うち10株
性 ブ 菌 を ブ イ ヨ ン中 で24時 間 増 菌 し,5%Gas-
tric mucin溶
液 に10%の
割 合 に 混 じ,こ の0.5mlを
マ ウ ス腹 腔 内 に 接種 した 。 感 染30分
後 に,本 剤,TC,
VOL.
18.
DOTCを
NO.
CHEMOTHERAPY
4
447
そ れ ぞ れ1回 経 口投 与 し,生 残 率 か ら こ の3
者 の治 療 効果 を 比 較 検討 し た 。TC感
無 治療 コ ン トロー ル群 は 感 染36時
%及
び90%の
感 染36時
受 性 ブ菌 感 染 群:
間 後 ま で に全 て 死 亡
した の に対 し本剤0.5mg,1mg投
4. 臨 床 成 績
5. 副 作 用
与 群 は それ ぞ れ70
生 残 率 を 示 した 。TC耐
M-8) Minocyclineの
性 ブ 菌 感 染 群:
(誌上 発 表)
間 後 ま で に コ ン トロ ール 群 は半 数 が死 亡 した
の に対 し,本 剤1mg,2mg投
与 群 と も に100%の
大 久保
生
残 率 を示 した 。 以上 の成 績 は い ず れ もTC,DOTC群
滉 ・藤 本 安 男 ・岡 本 緩 子
束 田 二 郎 ・牧 野 純 子
に
関 西 医 大 内科
比 し若 干 す ぐれ て い た 。
III 血 清 蛋 白 と の 結 合 に つ い て:平 衡 透 析 法 に よ り本
1. 病 的 材 料 か ら分 離 した ブ ドウ球 菌 お よび 大 腸 菌 の
剤 と馬 血 清 蛋 白 の結 合 率 を 測 定 した 。 す なわ ちVisking
Minocyciineに
Tubeを
す る感 受 性 との 比 較 。
用 い 内 液 を 本 剤10mcg/mlの
液 をpH7.4の
リン酸Bufferと
透 析 を行 な い,Cook株
馬 血 清 溶 液,外
し,9℃48時
cycline系
OTC
22.6%,
あつ た 。 同 時 に 測 定 し たTC
DMCT
55.6%,
る と,本 剤 は他 のTC系
DOTC
抗 生 物 質 のそ れ との比 較 。
4. 健 康 成 人 に 投 与 した場 合 の 血 中 濃 度 な ら び に 尿 中
28.8%,
59.6%と
対
3. 家 兎 に お け る胆 汁 内排 泄 。
濃 度 を測 定 し結 合 率 を 算 出 した 。 本 剤 の馬 血 清 蛋 白 との
結 合 率 は65%で
対 す る 感 受 性 と他 のTetracyclineに
2. ラ ッ トに 経 口投 与時 の 臓 器 内濃 度 と,他 のTetra-
間平衡
を用 い て 重 層 法 に よ り内 外 液 中
基 礎 的 臨 床 的 効 果
比 較す
排泄。
5. 各 種 感 染 症 に対 す るMinocyclineの
薬 剤 よ り高 率 に 血 清 蛋 白 と結
臨床 効 果 。
合 す る。
IV 血 中濃 度 な ら び に 尿 中 回 収 率:健 康 成 人 男 子5例
に本 剤200mgを
朝 食 後30分
度 お よび 尿 中 回収 率 をCook株
を 用 いた 重 層 法 に よ り測
間0.4mcg/mlで
尿 中 回収 率 は7.7%と
臨 床 成 績:主
Minocyclineに
(誌上 発表)
間0.7,6時
三 木 文 雄 ・東
あ つ た 。24時 閥 まで の
低率 であつた。
と して 呼 吸 器 感 染 症 患 者20例
に本剤を
した が,一 部 の症 例 に は400mg/日
羽田
同 ・塩 田 憲 三
大 阪 市 立 大 学 医 学 部 第 一 内科
を
Tetracyclineの
効4例(20%),
demethyl-6-deoxy
不 明3例(15%)で
は いず れ も本 剤
Minoと
2∼3錠
服 用 後 目ま い を うつ た え た 症 例 で あ る 。 目 まい
重 篤 と思 わ れ る副 作 用 は み とめ られ な か つ た 。
Minocyclineに
関 す る研 究
新 しい誘 導 体,7-Dimethylamino-6tetracycline;
Minocycline(以
下,
略 す)に つ い て 基 礎 的 検 討 を 加 え る と 共 に 内 科
系 感 染 症 に使 用 した 成 績 を 報 告 す る 。
は投 与 中 止 後 た だ ち に 消 失 して い る。 な お 目ま い の 他,
M-7) 嶋
満 ・尾 碕 達 郎 ・杉 山 浩 士
投 与 した 。 効 果 は有 効13例(65%),無
あ つ た 。 不 明の3例
朋 嗣 ・岩 崎
赤 尾
投 与 し,臨 床 効 果 を 検討 し た 。 投 与 量 は初 日300mg2
日以 後200mgと
か んす る基 礎 的 な
らび に 臨 床 的 研 究
に 内 服 させ た 際 の血 中 濃
定 し た 。 平 均 血 中濃 度 は1時 間0.2,3時
間0.5,12時
M-9) 1) 抗 菌 力:病 巣 分 離 ブ ドウ球 菌,大 腸 菌,肺 炎 桿 菌
お よび 赤 痢 菌 に 対 す るMino,
Doxycyclineお
よびTC
の 抗 菌 力 を比 較 した 。 測 定 法 は いず れ も 日本 化 学 療 法 学
会標準法 である。
ブ 菌 はMinocyclineに
(誌 上 発 表)
上
斎
田
藤
泰 ・松 本 文 夫 ・中 村
昇
篤 ・野 田 一.雄 ・嶋 田 甚 五 郎
古 屋 千 鶴 子 ・大 森 雅 久
存 在 し,TC
100mcg/mlま
6.25mcg/ml以
感 受 性 を 示 す3群
が
た はそ れ 以 上 の 耐 性 でMino
下 で 発 育 が 阻 止 され る 菌 が か な り存 在
大 腸 菌,肺 炎 桿 菌,赤 痢 菌 に お い て は,TC感
ついて下記の事項につ いて検討を加え
た の で報 告 す る。
対 す るMinoの
TC
1. 抗 菌 力
100mcg/ml以
mcg/mlに
2. 吸 収 ・排 泄 ・臓 器 内濃 度
3. 発 蛍 光 能 を 応 用 したMinocyclineの
対 して0.39mcg/ml,3.12∼
よび50mcg/mlの
す る。
東 京 慈 恵 会 医 科 大 学 上 田 内科
Minocyclineに
6.25mcg/mlお
Minoの
体 内分布
抗 菌 力 はTCよ
り2∼3段
性菌 に
上 の耐 性 菌 も大 部 分Mino
階 劣 る が,
50∼100
よ り発 育 が 阻 止 され る。
抗 菌 力 とDoxycyclineの
認 め られ な い 。
抗菌力に は大 差 が
CHEMOTHERAPY
408
2) 吸 収 ・排 泄:Mino
の ピ ー ク は,多
100mg投
1回 経 口投 与 時 の 血 清 中 濃 度
くの 場 合 投 与 後1∼2時
与 時 は0.74∼0.78mcg/ml,200m9投
は1.0∼3.0mcg/mlを
し,24時
与群 は0.35∼0.84mcg/mlを
示 した 。
与 群 で は平 均4.8%で
な お,初 回200mg,以
Minoを
後24時
投 与 した1例
内服2時
ブ 菌 に よ る空 洞 切 開 術 後 創 面 感 染 に対 しMNC内
に つ い て,MNCに
よ るMIC以
間 毎 に100mgの
にMinoを
よ るMIC
(誌 上 発 表)
化膿 症1例,肺
藤 井 良 知 ・紺 野 昌 俊 ・周 田 一 穂
投 与 した 。 初 回投
あ り,以 後12ま
八森
た は24時
啓 ・生 方 公 子
東 大分院小児科
中2例 は 著 効,1例
炎 は 著 効,気 管 支 拡 張症3例
は 副 作 用 のた め
よ る慢 性 気 管 支
中Hemophilusに
炎 桿 菌 を 分離 した1例
よ る もの
は有 効,緑 膿 菌 を 分 離
は 判 定 不 能 に終 つ た 。 気 管 支 喘 息4例
中2例 は
1. 抗 菌 力 につ い て
小 児 の 急 性 気道 感 染 症 の咽 頭 か ら 分 離 され た コア グ ラ
ー ゼ陽 性 ブ 菌 に つ い て,TCお
よ びDOTCと
の交叉耐
性 の有 無 を し らべ た 。 そ の 結 果A)TC,DOTC,Minocycline3剤
にMICが
高 濃 度 で あ る群 と,B)TC,DOTC
肺 炎 球 菌 の 感 染 例 で あ り共 に 著 効,大 腸 菌 を 分 離 した1
に 対 して はMICが
例 も 著 効 を 収 め た が,Enterabacterを
分 離 し た1例
低 濃 度 で あ る 群 と,C)TCに
有 効 の成 績 で あ る 。 細 菌 性 肺 炎4例
中 肺 炎 球 菌 に よ る2
は
よ る1例 は 著 効 を 収 め,悪 性 リンパ
は 有効 の 成 績 で あ り,PAPも
収 め た 。Hemophilusに
著効を
よ る 肺 化 膿 症 は 著 効,肺 癌 混 合
感 染 は 無 効 に終 つ た 。
Minocyclineに
高 濃 度 でMinocyclineに
は低 濃 度 で あ る群 と,D)3剤
度 で あ る群 との4群
の菌 株 は,ブ
対 しては
は 高 濃 度 で,DOTCと
と も低濃
に大 別 で きる 。 この 中A)とB)の
ロ フ ァー ジ に よるTC耐
群
性 導 入 可 能 な株 で
あつた。
2. 吸 収 排 泄 に つ い て
中著 効12例,有
効3例,無
効1例,効
果
の成 績 で あ る。
副 作 用 と して,1例
上 にTCに
の基 礎 的 臨 床 的 検 討
性 気 管 支 炎1例,
効 果 判 定 不 能 に 終 つ た 。Hemophilusに
全 症 例18例
服に
与 後 分離 菌 株
小 児 科 領 域 に 於 け るMinocycline
つ 経 口投 与 した 。
急 性 気 管 支 炎3例
判 定 不 能2例
のMNC投
の 上 昇 が 認 め られ た 。
染 を 伴 な つ た 気 管 支 喘 息4例,細
与 量 は い ず れ も200mgで
腫 に 併 発 した1例
服後 にお
らか な発 育 阻 止 力 が 認 め られ た 。
ある。
発 性 異 型 肺 炎1例,肺
例,Hemophilusに
250
性 ブ 菌 に 対 す るMNC
間 後 血 清 の抗 菌 力 を 見 る と400mg内
M-11) 癌 混 合 感 染1例,計18例
した1例
服2時 間 後 の血 清 中 濃 度 はTC
の 血 清 中濃 度 は0.38∼2.18mcg/
気 管 支 拡 張 症3例,感
は 著 効,肺
200mg内
服 後 に ほ ぼ 匹 敵 した 。TC耐
よ る 治療 を 試 み た が,内1例
3) 臨 床 成 績:急 性 気 管 支 炎3例,慢
間 毎 に100mgず
MNC
mg内
与 群 で は 平 均5.4
間 を 維 持 した 。
菌 性 肺 炎4例,原
1970
育 を 阻 止 した 。
い て の み,明
与 群 は0.13∼0.19mcg/ml,
24時 間 内 の 尿 中 回 収 率 は100mg投
%,200mg投
与時
示 し,そ の 後 きわ め て徐 々に 減 少
間 後 も100m9投
200mg投
mlの
間 後 に 存在 し,
JULY
小 児 に4mg/kg,2mg/kg経
口服 用 さ せ,血
中濃 度
お よ び 尿 中 排 泄 率 を測 定 した 。 血 中 濃 度 はpeakは
に 悪 心,1例
に 食 欲 不 振 を来 た し,
と もに 投 薬 不 能 に陥 つ た 以 外,認 む べ き 副 作 用 は 現 わ れ
な かつた。
ぞ れ2.8mcg/ml,2.0mcg/ml前
15%前
それ
後 で 尿 中 の 排 泄 は5
後 で あ る。
3. 主 と して マ イ コプ ラス マ 肺 炎 に 使 用 した 成 績 に つ
い て。
M-10) Minocyciineに
関 す る臨 床 的 研
M-12) 究
外 科 領 域 に お け るMinocycline
に つ い て
(誌上 発 表)
(誌上 発表)
河 盛 勇 造 ・西 沢 夏 生 ・福 原
隆
岩 本 英 男 ・川
国立泉北病院
Minocyclim(MNC)の
試 験 管 内抗 菌 力 を,日
日本 大 学 医学 部 石 山 外 科
Minocyclineに
TCと
1. 抗 菌 スペ ク トル
ほ ぼ 同 程 度 の 抗 菌 力 を 認 め た 。 且 つTCな
性 を 有 す る2株
に も0.78mcg/mlで
どに
発
郁
大 島 聰 彦 ・鷹 取 睦 美
本化 学
療 法 学 会 標 準 法 に よ り検 討 した 結 果,ブ 菌 に 対 して0.20
∼0.78mcg/mlのMICを
示 し,DMCTよ
りや や 劣 り,
100mcg/ml耐
上
従 来 のTC系
就 い て 以 下 の 検 討 を行 なつ た 。
薬 剤 に 比 し,1∼2濃
度段 階 優 れ た 抗 菌
CHEMOTHERAPY
VOL.18.NO.4
力 を示 した 。
409
外 科 的 感 染 症20例
2. 病 巣 分 離 黄 色 ブ 菌(59株)の
全株 が0.4∼50mcg/mlの
感 受性 分 布
て も有 効 で あつ た 症 例 が2,3み
間 に 分布 し,100mcg/ml
以 上 の耐 性 株 を 認 め ず,い わ ゆ る2峰 性 を 示 さ な か つ
た。
3. 病 巣 分離 大腸 菌(25株)の
Tetracyclineと
外 科 領 域 に お け るMinocycline
相 互 交 叉 耐 性 を示 した 。
(誌 上 発 表)
中 平 公 士 ・酒 井 克 治 ・岡 本 源 八
服 後2時 間 で 最 高 血 中 濃 度 平 均1.10mcg/
mlに 達 し,12時
間 後 に も0.52mcg/mlと
つ た 。 尿 中 回収 率(6時
られ た 。 副 作 用 と して
の臨 床 試 用 成 績
よび そ れ 以上 に 分 布 し,
4. 血 中 濃 度,尿 中 排 泄
200mg内
大 阪 市 立 大 学 第2外 科
持続的 で あ
間 まで)は 平 均1.95%と
低か
外 科 的 感 染 症 か ら分 離 され た 病 巣 由 来 黄 色 ブ菌82株
に対 す るMinocyclineの
つた。
抗 菌 力 を 測 定 した 。 さ ら に,4
5. 胆 汁 内濃 度
例 の健 康 成 人 を も ち い,Minocycline
内服 後2∼6時
投 与 後 の 血 中 濃 度 を 測 定 した 。 そ の結 果,投
間 で 血 中 濃 度 の20∼30倍
の高 濃 度 に
に 平 均1.69mcg/mlの
排 泄 され た 。
200mg1回
24時 間 後 に お い て もな お,0.45mcg/mlの
外科 疾 患20例
持 長 して い た 。 ま た,200mg投
に 使 用 し有 効 率75%で,副
作用 とし
べ た と こ ろ,24時
て 胃腸 症 状 を 認 め た.
与後
血 中濃 度 が
与 後 の 尿 中排 泄 を し ら
間 内 の平 均 排 泄 率 は3.64%で
あ っ
た。
外 科 領 域 に 於 け るMinocycline
外 科 的 感 染 症 患 者20例
の 基 礎 的 並 び に 臨 床 的 使 用 成 績
にMinocyclineを
投 与 し,そ の 臨 床 効 果 を検 討 した が,ほ
Minocyclineに
(誌 上 発 表)
か わ らず,本
伊 藤 忠 夫 ・藤 井 修 照
経 口的 に
とん どの 症 例 は
よ く反 応 し高 い 有 効 率 が え られ た 。 これ
ら の症 例 の な か に は 起 因 ブ菌 がTC耐
柴 田 清 人 ・花 井 卓 雅 ・加 藤 剛 美
性 で あ つ た に もか
剤 が 著 効 を示 した 症 例 もふ くまれ て い る。
しか し,臨 床 治 験 例 の うち,本 剤 投 与 後 に嘔 吐,胸 や
名 古 屋 市 立大 学 第 一 外 科 学
我 々は 今 回Tetracycline系
経 口
与3時 間 後
高 い 血 中 濃 度 が え ら れ,投
6. 臨 床 使 用 成 績
M-13) 効3例 の
性 菌に対 し
は 胸 や け,悪 心 が1例 ず つ み られ た 。
M-14) 感 受 性 分布
全 株 が3。12∼100mcg/mlお
に 使 用 し有 効17例,無
成 績 で あつ た 。 この 中 に はTetracycline耐
け,食 欲 不 振 お よび 胃部 不 快 感 な どの 症 状 を訴 え た もの
新 抗 生 剤Minocycline
が あ る。
に 就い て 外 科 領 域 に 於 け る基 礎 的 並 び に 臨 床 的 検 討 を加
M-15) え た ので 報 告 す る。
1) 抗 菌 力:黄 色 ブ 菌 で はMinocyclineはfietracyclineに 較 べ て3∼4段
産 婦 人 科 領 域 に お け るMinocyclineに
階 鋭 敏 に な つ て い る。 大 腸 菌
水 野 重 光 ・高 田 道 夫
に 関 して は この 両 老 は 相 関 関 係 が み られ た 。
佐 野 慎 一 ・上 山 卓 也
2) 血 中濃 度 お よ び尿 中 排 泄
Minocycline
peakに
200mg内
達 し1.5mcg/ml前
順天堂大学 医学部産婦人科学 教室
服 時 の 血 中 濃 度 は3時 間 で
後 の 値 を 示 し,24時
測 定 可 能 で あつ た 。 また 投 与 後24時
率 は5%前
関す る研 究
間で も
間 まで の尿 中 排 泄
後であつた。
3) 胆 汁 中 移 行 濃 度
臨 床例 に 於 い て の 胆 汁 中移 行 濃 度 は 血 中 濃 度 の5∼15
倍 の値 を 示 した 。
Minocyclineに
つ い て基 礎 的,臨 床 的 研 究 を行 な い,
次 の成 績 を え た 。
1. 感 受 性
Minocyclineの
mcg/mlの
病 原 ブ菌 に 対 す るMICは0.19∼1.56
間 に 分布 し,TC,DMCT,MOTC,DOTC耐
4) 脳 脊髄 液 中 移 行 濃 度
AB-PC,CP,KM,SMのMICと
脳脊 髄 液 中 移 行 濃 度 は 臨 床 例 に 於 い て血 中 濃 度 の 平 均
MICに
30%前
後 の値 を 示 し,ア ク ロマ イ シ ンの 場 合 の10%以
下 に較 べ て 良好 な移 行 を示 した 。
5) 臨 床使 用 成 績
性
の ブ 菌 に も 良 好 な 感 受 性 を 示 した 。 な おCER,CEX,PC,
も比 較 し た がCERの
近 い値 が え られ た 。E. coliに 対 す る 感 受 性 分 布
は100mcg/mlと3,12mcg/mlと
TC系
抗 生 物 質 とほ ぼ 同 程 度 のMICを
2. 体 液,臓 器 内濃 度
の 両 極 端 に あ り他 の
示 した 。
CHEMOTHERAPY
410
1) 血 中 濃 度
200mg
検定菌
よ り化 学 療 法学 会 規 準
に 従 が い測 定 した 。 最 高血 中 濃 度 は2∼4時
5.4∼3.4mcg/mlを
示 し,12時
∼0.8mcg/ml認
間 に あ り
間 後 に お い て もな お0.6
め られ た 。
2) 尿 中 排 泄
値
感 染 症9例
効2例,有
に 使 用 し,著 二
効2例,有
性 の尿 路
効3例,無
有 効 率55.5%の,全
体 と して24例
用 し,著 効14例,有
効4例,無
Mino
100mg,200mg
mcg/mlを
3) 性 器 内濃 度
1回 経 口投 与 後4∼5時
内濃 度 は6.2∼2.1mcg/miと
間 の子 宮,卵
巣,卵
管
比 較 的 高 い 値 を 示 した 。
効4例,
の尿 路 感 染 症 に使
効6例,有
効 率75%
1回 経 口投 与 後 の 血 中 濃 度 の
1回 経 口投 与 後50分
mcg/ml,2時
間30分
の膀 帯 血 中 濃 度 は0.19
後0.59mcg/ml,そ
あ っ
た。
200 mg
1回 経 口投 与 後 の 尿 中 排泄 を 健 康 成 人2
24時
間 まで の 排 泄 率 は健 康 成 人 で は10∼20%,腎
間 に あ り(9.6mcg),12時
あっ
IV 抗 菌 力
投 与 で4∼6時
間 に おけ る 総 移 行 量 は17.9
あつた 。
黄 色 ブ 球 菌,大 腸 菌 に 対 す る抗 菌 力 は 従 来 のTCに
比
して 良 好 で あ り,特 に ブ 球 菌 に 対 して は2倍 な い し3倍
3. 臨 床 成 績
程 度 す ぐれ た 抗 菌 力 を 示 した 。
内性 器 感 染7例,頸
管 淋1例,外
孟 炎6例,計35例
陰膿 瘍2例,膀
胱炎
に 初 回200mg,以
間 お きに100mg投
後12
V 副 作 用
24例
の 臨 床 治 験 例 の うち,2例
に 食 欲 不 振,胸 や け を
訴 えた。
与 を 行 な い,約80%
の 治 療 成 績 を 得 た 。 また 検 出菌 に つ い てMICを
測 定 し,
M-17) 臨 床 効 果 と比 較 検 討 した 。
Minocyciineに
関 す る 基 礎 的 な
らび に 臨 床 的 研究
4. 副 作 用
他 のTC系
機
崩 症 例 で は18.7%で
た。
乳 汁 中移 行 量 の ピ ー クは200mg,1回
時 間 か ら24時
崩症 例1例 に つ い て 検 討
を行 なつた。
能 低 下 症 例 で は10.3%,尿
5) 乳 汁 中移 行
間まで
III 尿 中 排 泄
例,腎 機 能 の低 下 症 例1例,尿
の 際 の羊水
中 濃 度 は そ れ ぞれ0.37mcg/ml,0.7,2mcg/mlで
示 し,以 後 漸 次 減 少 し,持 続 は24時
認 め られ た 。
Mino
4) 膀 帯 血,羊 水 中 濃 度
19例,腎
に 使 用 し,著 効12例,
効 率86.6%,TC耐
ピ ー クは3時 間 後 に あ り,そ れ ぞ れ2.0mcg/ml,4.7
を 示 した 。
mcgで
性 の尿 路 感 染 症15例
有 効1例,無
II 血 中濃 度
あ り,き わ だ つ た 排 泄 ピー クは 認 め られ ず,低
200mg
TC感
の成績を得た。
血 中 濃 度 測 定 例 に お け る尿 中排 泄 は9.6∼3.9%(24時
200mg
1970
I 臨 床 効 果
1回 経 口投 与 時 の血 中 濃 度 を209Pを
とす る重 層 法(培 地pH7.0)に
間)で
JULY
薬 剤 同 様 胃腸 障 害 が 認 め られ た が,投 与 を
(誌上 発表)
中 止 す る ほ どの 障 害 例 は 認 め られ な か つ た 。 しか し本 剤
で は 眩 量 を訴 え る もの が35例
中5例 に 認 め られ,そ
岩 沢 武 彦 ・木
の
程 度 は 投 与 継 続 が 不 可 能 な もの か ら軽 度 の も の まで あ り
一 定 せ ず ,諸 検 査 に お い て も確 た る原 因 は つ か み え な か
つた。今後 の検討が必要 である。
戸
勉
札 幌逓信病院耳鼻咽喉科
新Tetracycline系
誘 導 体Minocyclineの
中 耳 炎 耳 漏 分離 のCoagulase陽
抗菌 力 は
性 ブ ドウ球 菌 株 に 対 し
て,0.19∼1.56mcg/ml(93.3%)と12.5∼50mcg/ml
M-16)尿
路 感 染 症 に 対 す るMinocyciine
の 応 用
(6.7%)と
の2峰 性 の 感 受 性 分布 が み られ,と くに0.19
mcg/ml(45%)にMICが
集 中 し,他TC系6剤
と比
較 して 格 段 とす ぐれ て い た 。 また,病 巣 分 離 の溶 血 性 レ
石 神 嚢 次 ・原
信 二 ・三 田 俊 彦
神戸 大泌尿器科
MinocyclineをTC感
性,TC耐
ンサ 球 菌,緑 膿 菌,変
形 菌,大 腸 菌 に つ いて も抗 菌 力を
調 べ た 。 そ の他,抗 菌 力 に お よぼ す 諸 因 子 の影 響,ブ
性 菌に よ る 各種尿
ウ球 菌 に対 す る 他TC系
ド
薬 剤 との 感 受 性 相 関,5mg/ml
路 感 染症 に 使 用 し,そ の 臨 床 効 果 を観 察 す る と と も に,
水 溶 液 の安 定性 に つ い て も述 べ る。 健 常 成 人 のMim
経 口投 与 時 の血 中濃 度,尿 中 排 泄 率 を 測 定 し,ま た 併 せ
200mg内
て 尿 路 か ら分 離 した 黄 色 ブ 球 菌,大 腸 菌 に 対 す る 抗 菌 力
ml)に
を も検 索 した の で報 告 す る 。
定 可能(0.85mcg/mi)で
服 後 の 血 中 濃 度 は,2時
間 後 にPeak(2.6mcg/
達 し,以 後 漸 減 し始 め た が,な
お24時
あ つ た 。 ま た,Mino
間 後 も測
200mg
CHEMOTHERAPY
VOL.18.NO.4
内服(Crossover)と
健 常成 人 のMino
泄率 は5.3%の
慢 性 副 鼻洞 炎 例 と も比 較 検 討 した 。
200 mg内
服12時
411
受 性 の検 討 を 行 な つ た 。
間 までの尿 中総排
低 率 で あつ た。Mino
200 mg内
M-20) 服 後の
手術 例 の 口蓋 扁 桃,上 顎 洞 粘 膜 組 織 内濃 度 は,血 清 濃 度
と対 比 して 高 い 移 行 が 認 め られ た 。 さ ら に,Minoの
量的 測定 と同 時 にTCの
Minoを
経 口的 お よび 局 所 的(耳 浴)に
使 用 した 結 果,
きわ め て 良好 な 治療 成 績 を お さめ え た 。 本剤 投 与 に よ る
臨床 的 副 作用 の発 現 は まつ た く経 験 しなか つ た 。 また,
Mino 200 mg
1週 間 以 内 の 投 与 例 で は,Audiogramに
Minocyclineに
よ る耳 鼻 咽 喉 科
本 剤 のStaph,
一
菌 ス ペ ク トル はTCと
々の 抗 菌 力 で はTCよ
り1∼2段
前 眼 部 化 膿 症 か ら分 離 したCoagulase陽
の 感 受 性 は ≦0.1∼2.5mcg/mlの
の 山 は0.25mcg/mlに
に 対 す る増 殖 阻 止 作 用
用 い て 増 殖 曲線 か ら検 討 し た 。 ま
の 治療 成 績,副 作 用 な どに つ い て 述 べ る。
階す
性 ブ菌93株
範 囲 に 分 布 し,分 布
あつ て79株(84.9%)が
これ
を 占 め る。
TCに
≧50mcg/mlと
∼2.5mcg/mlに
高 度 耐 性 の4株 は,本
剤 の0.5
て 発 育 を 阻 止 され て い る。
3. 血 中濃 度
健 康 成 人 に 本 剤200
Minocyclineの
ドウ球 菌0.2∼1mcg/ml
2. ブ ドウ球 菌 感 受 性
た 本剤 に よ る耳 鼻 咽 喉 科 感染 症 の 治 療 を 行 な い,こ れ ら
M-19) 菌0.1mcg/ml.
ぐれ て い る も の が 多 い 。
郎
209 P株
炎 球 菌0.1
ブ テ リー菌0.5mcg/ml,淋
同 様 で あ るが,個
臨床 検査科
auyeus
に つ い て 感 受 性 を 調 べ,TC
レ ンサ 球 菌0.1∼5mcg/ml,ブ
関東逓信病院耳鼻 咽喉科
同
教 室 保 存 の8菌 種34株
お よび 緑 膿 菌50mcg/mlで,抗
三 辺 武 右 衛 門 ・村 上 温 子 ・西 崎 恵 子
慶
眼 科 的 応 用 の た め,基 礎 的 な らび に 臨
1. 最 小 発 育 阻 止 濃 度
mcg/ml,ジ
(誌 上 発 表)
徐
Minocyclineの
床 的 実 験 を 行 な つ た 成 績 を 報 告 す る。
Morax-Axenfeld菌0.1∼0.25mcg/ml,肺
感 染 症 の 治 療 成 績
をBiophotometerを
新 潟大学眼科教室
の そ れ と 比 較 し た 。Koch-Weeks菌0.25mcg/ml,
は何 ら悪 影 響 は認 め られ な か つ た 。
M-18) 今 井 正 雄 ・高 橋 篁 子
形態 学 的 分 布 状 態 に つ い て も発 表
す る。耳 鼻 咽 喉 科 領 域 に お け る 代 表 的 感 染 症 に 対 して,
眼 科 的 応 用
三 国 政 吉 ・大 石 正 夫 ・周 田 茂 雄
定
発 蛍 光性 を 利 用 して 蛍 光 顕 微 鏡
的観 察 に よ りMinoの
Minocyciineの
眼 科 的 応 用 に 関
mg
1回 経 口投 与 後 の血 中 濃 度 は.
1時 間 後2.30mcg/mlのpeakに
す る 研 究
0.54mcg/mlの
達 し,24時
間後なお
移 行 濃 度 が 得 られ た 。
4. 眼 内移 行
(誌 上 発 表)
白色 成 熟 家 兎 に 本 剤 を投 与 し,眼 内 移 行 の 状 況 を 調 べ
葉 田 野 博 ・高 橋 信 夫 ・斎 藤 武 久
た。
東 北 大 学 眼 科(主 任:桐 沢 長 徳 教 授)
Minocyclineの
a) 前 房 内濃 度
眼 科 的 応 用 に 関 し,次 の 項 目に つ き検
1) 眼 起 炎 菌 と くに 病 原 性 ブ ドウ球 菌(保 存 株)に 対
の抗 生物 質 との 交 叉 耐 性 検
達 し,24時
2) 家 兎 に50mg/kg,100mg/kg経
口投 与 し,そ の
間 後 も測 定 可 能 で あ る 。
局 所 投 与 に よる 前 房 内 濃 度 のpeakは3mg/0.3ml
結 膜 下 注 射 で1時 間 後(0.98mcg/ml),0.5%液
は2時 間 後(0.39mcg/ml)で
討。
3) 健 康 成 人 に100mg,200mgをcross
overし
て
投 与 し,そ の 血 中 濃 度 を測 定 し,そ の 眼 内移 行 を 推 定 し
点眼 で
ある。
b) 眼 組 織 内 濃 度
各 投 与 法 に よる 前 房 内濃 度 のpeak時
眼 内移 行 お よび 血 中 濃 度 の検 討 。
に お け る組 織 内
濃 度 を 検 査 した 。
100 mg経
口投 与2時 間 後 で は 眼 瞼,外 眼 筋 等,前 眼 部
は も ち ろ ん,眼 内 部 の 肛 彩 毛 様 体 お よび 網 脈 絡 膜 に も 前
た。
4) 眼 感 染 症 に初 日300mg投
100mgを
口投 与 に よ る 前 房 内濃 度 は2時 間 後peak
(0.11mcg/ml)に
討 を加 え た の で,そ の 成 績 を報 告 す る 。
す る感 受性 お よび 他 のTC系
100mg経
与,以
後12時
間毎に
原 則 と し,そ の 効 果 を 検 討 した 。 ま た 併 せ て
感 染 症 か ら 分離 した 起 炎 菌 のMinocyclineに
対 す る感
眼 部 に匹 敵 す る移 行 濃 度 が得 られ た 。
局 所 投 与 で は 外 眼 部 に 高 濃 度 の 移 行 が み られ,眼
へ は結 膜 下 注 射 で 網 脈 絡 膜,点
内部
眼 で は肛 彩 毛 様 体 へ の移
CHEMOTHERAPY
412
行 が 良好 で あ つ た 。
Doxycycline投
与 に よ る前 房 内 濃 度 のpeak時
におけ
JULY
M-23) 皮 膚 科 領 域 に お け るMinocycline
の検 討
る眼 組 織 内 濃 度 と比 較 す る に,一 般 にMinocyclineの
砥 うが 良好 の 移 行 を 示 し,特 に 点 眼 の際 の 角膜 へ の 移 行
(誌 上 発 表)
が す ぐれ て い た 。
樋 口 謙 太 郎 ・五 島 応 安 ・稟 田 諒 一
5. 臨 床 成 績
各 種 化 膿 性 眼 疾 患16例
(小 児1例
九州大学皮膚科
に 対 し,本 剤 を 初 回200mg
は100mg),以
後12時
さ せ て治 療 し,有 効14例
間 毎 に100mg内
服
であつた。
Minocyclineの
あ つ た が,
投 与 中止 に 至 らな か つ た 。
がTC
関 す る研 究
感 染 治 療 実 験 はTCの
臣
上 の 耐 性 菌5株
mlのMICを
てTCと
比 較 した 。DMTC
中,2株
100 mcg/ml以
が3.2mcg/ml,3株
が1.6mcg/
の ブ ドー 球 菌 に つ い
下の
では効果 が み ら れ
臨 床 成 績 は13例
の ぞ く12例
に 投 与 し頭 部 の 難 治 性 潰 瘍 の1例 を
に 効 果 が み られ た 。 そ の 効 果 発 現 は 若 干 他
の 有 効 な 抗 生物 質 に 比 して遅 い か の 印 象 を うけ た が 脂 腺
を 中心 と した 感 染 症 で はPC系,セ
フ ァ ロ ス ポ リン系 薬
剤 に 比 して 効果 は著 明 で あつ た 。
の 比 較 を した 。
2) 血 中 濃 度 お よび尿 中 排 泄:健 康 成 人4例
cyclineを
にMino-
M-24) 1.95mcg/mlの
最 高 に達 した 。 尿 中 排 泄 量 は12時
Minocyclineの
基 礎 的 お よび 臨
床 的 研 究
経 口 投 与 した 。 血 中 濃 度 は2時 間 後 に 平 均
平 均5.08mgで
間で
(誌上 発表)
あつ た 。
3) 水 庖 内濃 度:人
伊 藤 秀 夫 ・曽 田 忠 雄 ・名 倉 英 明
の 火 傷 水 庖 と カ レタ リス 発 疸 膏 に
中 島 民 雄 ・南 雲 正 男
よる 水疸 内 濃 度 を 測 定 した 。
4) 血 清 蛋 白 結 合 率:セ
で 測定 し56.3∼61.4%の
5) 臨 床 成 績:痛
東 京 医 科 歯 科 大 学 第2口
ロ フ ァ ン嚢 を 使 用 す る透 析 法
結合率 であつた。
な ど数 種 の 膿 皮 症 患 者 に 使 用 し,臨
床 効 果 に つ い て 検 討 した 。
M-22) 0.39mcg/ml以
なか つた。
について寒天平板希 釈法で感受性試 験
示 した 。 また57株
感 受 性 菌,高 度 耐 性 菌 にわ け て
で は や や 劣 り,1.56mcg/mlの1株
1) 試 験 管 内抗 菌 力:各 種 膿 皮 症 の 病 巣 か ら 分離 した
を 行 な いDM-TCと
下 で あ つ
2株 の 感 染 で は 著 明 な効 果 が み られ た が,0.78mcg/ml
滝 川 市 立病 院
ブ ドー球 菌46株
上 の 高 度 耐 性 菌 に 対 して もMinoす べ て3.12mcg/ml以
行 な つ た が,MinocyclineのMIC
北 海 道 大 学 医学 部 皮 膚 科
秀
100 mcg/ml以
皮
それ と比 較 検 討 した が,MIC
た。
三 浦 祐 晶 ・水 元 俊 裕
木
につ い てTCの
cyclineのMICは
(誌上 発表)
芝
ウ ス皮 下 感 染 治 療
試 験 管 内 抗 菌 力 で は病 巣 分 離 の 黄 色 ブ 菌56株,表
ブ菌12株
Minocyclineに
試 験 管 内 抗 菌 力,マ
実 験 成 績 お よび 臨 床 成 績 に つ い て のべ る。
副 作 用 と して 食 欲 不 振 を 訴 え た も のが1例
M-21) 1970
Minocyclineに
腔外科
つ い て 下 記 の よ うな 研 究 を 行 な つ た 。
1) 抗 菌 力 に つ い て
口腔 領 域 化 膿 巣 か らの 分 離 菌 株 に つ い て,TC,OTC,
皮 膚 科 領 域 に お け るMinocycline
MOTC,DMCT,DOOTCお
よ びMinocyclineに
感 受 性 試 験 を 行 な つ たOMinocyclineに
の 使 用 経 験
mcg/ml以
(誌上 発 表)
徳 丸 伸 之 ・三 好
薫 ・小 玉
肇
岡山 大学 皮 膚 科
詳 細 は 原著 と して 報 告 す る 。 一 部 は,シ
「ミノ サ イ ク リン」 皮 膚 科,追
上 に 耐 性 を 示 した1株 を の ぞ く30株 が ≦0.2
6.25mcg/mlに
谷 奥 喜 平 ・荒 田 次 郎 ・藤 田 慎 一
分 布 し,そ
0.4mcg/ml以
加 に 記 した 。
の う ち16株(51.5%)が
下 に 感 受 性 を示 し,DOOTCと
ほ ぼ同様
の 結 果 で あ つ た 。顎 部 放 線 菌 症 由来 の放 線 菌24株
Minocyclineに
DOOTCな
の
対 す る感 受 性 試 験 の 結 果 は21株(87.5
%)が0.4mcg/ml以
ンポ ジ ウ ムII
対す る
対 して は100
下 の 感受 性 を示 し,MOTC,DMCT,
ど と抗 菌 力 に差 は み られ な か つ た 。
2) 吸 収,排 泄,体
(イ)成 人 男 子5人
内分布について
にMinocycline200mgを1回
経
CHEMOTHERAPY
VOL.18.NO.4
413
口投 与 した と きの 血 中,耳 下 腺 お よび 混 合 唾 液 内濃 度 を
試 験 管 内 抗 菌 力 を 求 め た 。 そ の 結 果,標
測 定 した 。血 中 濃 度 は1時 間 値2.8mcg/ml,6時
て は4剤
1.5mcg/ml,12時
間値0.9mcg/mlで
唾 液 内濃 度 は1時 間値0.32mcg/ml,6時
ml,12時
間 値0,09mcg/mlで
%,14.7%,10.0%で
mcg/mlで
mycinな
間値
あ つ た 。耳 下 腺
間 値0.22mc9/
血 中 濃 度 の8.7%で,DOOTC,Kanendo-
対 して は 約8倍 以 上MINOがTCよ
考 え られ るStreet.
mitisの44菌
口腔 内 感 染 病 巣 か ら 分 離 培 養 した 。 つ い で これ らに4剤
μg/mlの
濃 度 で 約5∼10%の
MINOは64%の
お よび授 乳 期 の ラ ッ トに20mg/kgの
腹 腔 内 に注 射 した と きの,そ の 胎 児 お よ
高 い 発 育 抑 制 率 を示 した 。
臨 床 的 に は,急 性 顎 骨 骨 髄 炎10症
感 染 症31症
と,歯 や 骨 な どの 硬 組 織 にMinocyclineの
み倍 量 と して 内服 投与 した 結 果,転
(ハ)Minocyclineお
xyapatiteお
rumか
よ びDMCTに
よび ヒ ト象 牙 質 粉 末処 理前 後 のUV
Hydroxyapatiteの
CMCTの
吸 着 率 は64%,象
3)
spect-
C1∼45
あ り,
に
程 度 の もの を 有 効,効
金
果
沢
が14例
で35例
中26例,約74%にDMCTと
効
同等
各 種 細 菌98株
(30μg)を
に つ い て平 板 キ シ ャ ク法 と デ ィ ス ク法
行 な い,MICと
か あ るい は そ れ 以 上 の 効 果 が み とめ られ た 。 智 歯 周 囲 炎
す1次
お よ び歯 槽 骨 炎 群 で は,3日
10.0 log MIC,2)遅
前 後 の 投 与 で急 性 症 状 が 消
裕 ・倉 又 利 夫
新潟鉄道病 院
が 判 然 と しな い も のお よび副 作 用 の た め 投 与 を 中 止 した
もの を 不 明 と して判 定 した 。 成 績 は著 効 が12例,有
度 測 定
(誌 上 発 表)
使 用 し,炎 症 症 状 の 改 善 状態 か らDMCT
よ り秀 れ て い る もの を 著二
効,同
天
な ら び に ブ 菌 の 不 活 化 能)
顎 洞 炎,顎 下 腺 炎
お よび 顎 関 節 炎 な ど の 口腔 領 域 の化 膿 性 疾 患35例
基 礎 的 検 討(寒
平 板 拡 散 法 に よ る 感 受 性,濃
臨床
Minocyclineを
にのみ軽 い
セ フ ァ レキ シ ン
C-1)Cephalexinの
対 して や や 低 い 値 を 示 した 。
智歯 周 囲 炎,歯 槽 骨 炎,顎 骨 炎,上
が 有 効,う ち9例 は 著 効
目 まい,嘔 気 を認 め た 。
合成
牙 質 で は85%で,
吸 着率 は そ れ ぞ れ73%と93%で
MinocyclineはDMCTに
の み で,23例
日の
機 の 明 らか な25例
で あ つ た 。 い つ ぼ う,副 作 用 と して は,1例
つ い て 合 成Hydro-
ら そ の 吸 着 率 を 求 め た 。Minocyclineの
例 を 含 む 当科 領 域
例 にMINOを1日1回100mg,初
中,無 効 は2例
蛍 光 が み られ た 。
外 の3剤 は0.2
発 育 抑 制 で あ つ た が,
び乳 児 に つ い て 蛍 光 顕 微 鏡 に よ り組 織 学 的 に 観 察 す る
沈 着 を示 す
とも
株 を 智歯 周 囲 炎 な ど
の感 受 性 分 布 を 検 索 した 結 果,MINO以
ど とほ ぼ 同 様 の 結 果 で あ つ た 。
(ロ)妊 娠18日
cariosa 2 H 2 Aに
準細菌株につ い
下 の 濃 度 に 有 効,N.dento-
り有 効 で あ つ た 。 次 に 口腔 内 感 染 症 の病 原 菌 の1つ
そ れ ぞ れ 血 中濃 度 の11.4
あ り,混 合 唾 液 で は6時 間 値0.13
Minocyclineを
と も0.2μg/ml以
阻 止 円 直 径(D)の
回帰 式 を 求 め,1)1夜16時
関 係 を示
間 培 養D=26.6-
発 菌 に 対 す る 遅 延 判 定(24時
失 す る例 が 多 か つ た 。 急 性 の 顎 炎 お よ び上 顎 洞 炎 な どの
場 合 で も,主 症 状 の 改善 が比 較 的 早 くみ られ る もの が 多
間 判 定D=17.9-5.3
log MIC,
かつ た が,他 の 抗 生物 質 の 治 療 を 受 け て慢 性 化 の み られ
22.5-8.6
え た 。 測 定 値 変 動 範 囲(棄 却 限 界
る症 例 では,Minocyclineも
α=0.05)は
長 期 間 の投 与 が 必 要 で あ つ
た。 副 作 用 は4例 に み られ た 。 い ず れ も 胃 部不 快 感 また
は嘔 気 な どの 軽度 の 胃 症 状 で,投 与 の 中 止 に よ り消 失 し
た。
M-25)
(誌 上 発 表)
健 一
間 判 定D=
ィス ク法1)に
対一
あ つ た。
subtilis PCI 219株
を検定 菌
とす る薄 層 カ ップ 法 を 行 な つ た 。0.6μ9/ml以
濃 度 測 定 法 と してはB.
上測定可
間 以 上2μg/ml以
服で
上 の濃度持
続 が み られ た 。500mg内
服 後 の 尿 中 濃 度 は ピー ク1,300
∼2,500μg/mlで,12時
間 で 尿 中 回 収 率 は100%に
近
ま た ブ 菌 の 本 剤 不 活 化 能 を検 した が,PC-G,CET,CER
不 活 化 株 に も本 剤 に対 す る明 らか な 不 活 化 能 は 証 し得 な
腔外科
標 準 グ ラ ム陽 性 球 菌,口 腔 内常 在 各 菌 株 な ど12株
用 い,MINO,DMCT,TC,DOXYの
4)5∼6時
い値 を示 した 。
橘 樹 俊 英 ・野 田 和 生
東 京 医 科 歯 科 大 学 第1口
厚 菌 接種 に よる3∼4時
キ シ ャ ク法2.0∼0.5,デ
し3.0∼0.33で
ピ ー ク7∼20μg/ml,4時
に お け る使 用 経 験
正 ・清 水 正 嗣 ・道
log MICを
3)濃
能 で,本 剤 は 内服 に よ り良 く吸 収 さ れ,500mg内
ミ ノ サ イ ク リソ の 口 腔 外 科 領 域
上野
log MIC,
間)
D=32.4-12.3
か つ た 。 しか しKlebsiella,
を
計4種 の 抗 生 物 質 の
産 生 グ ラ ム(-)桿
E. coliな
ど β-1actamase
菌 と相 乗 作 用 が 明 ら か に み られ た の
で,程 度 は 低 い が β-lactamaseに
よ る不 活 化 が 想 定 さ
CHEMOTHERAPY
414
れ た。
JULY
C-4)
C-2)
Cephalexin(Lilly)の
臨 床 材 料 か ら分 離 し た 各 種 病 原 細
菌 のCephalexin,
Cephaioridine感
西 村 治 雄 ・島 岡
磯野
登 ・田 中
井
Cephaiexin(Lilly)は,ceghaloglycinと
望
順天堂 大臨床病理
小
与 後 の 吸 収 ・排 泄 は極 め て 良 好 で あ る と いわ れ て い る 。
栗
豊
子
同
中検
C系
半 合 成 新 抗 生 物 質 で,経
血 レ ンサ
球 菌,黄 色 ブ ドウ球 菌,Heamophilus,大
Klebsiella,緑 膿 菌,嫌 気 性 菌 各 種,計 約450株
腸 菌,
のCEX,
いず れ の 菌 種 に お い て も,MICはCERの
く,と くに 好 気 性 グ ラ ム陽 性 球 菌,嫌
れ,pHが
気 性 菌 はCERの
培 地 のpH,接
小 さ くな り,ま た
接 種 菌 量 が 少 な くな る に 従 が いMICが
を,黄 色 ブ ドウ球 菌,腸
小 さ くな る こ と
球 菌,大 腸 菌 を 用 い た 実 験 か ら
確 かめた。
C-3)
炎 双 球 菌 に45mg/kg,肺
腸 菌 に38mg/kgを
炎桿菌 に
示 し,cephaloglycin
に 匹 敵 す る抗 感 染 力 を 有 して い る 。1回 投 与 後 の 人 体 に
250mg投
種 菌量 に よつ て影 響 さ
酸 性 側 で 著 る し くMICが
50は,肺
於 け る血 中 濃 度 の ピ ー クは,投
た は そ れ 以 下 の もの が 多 い。
C系 抗 生
を示 した 。 マ ウス で の 実 験 的 感 染 症 に対 る る経 口投 与 法
32mg/kg,大
ほ うが 小 さ
のCephalosprin
物 質 と同 様 に 殺 菌 的 作 用 を 有 し,抗 菌 像 は広 範 囲 抗 菌 像
に よ るED
受 性 を 平 板 希 釈 法 に よつ て測 定 した 。
MICがCEXの1/4ま
口投
そ こで,私 等 は こ の 抗 生 物 質 に 関 す る実 験 的 評 価 を 行 な
つ た と こ ろ,抗 菌 作 用 は,他
CEXのMICは
同 様 に,経
口用cephalasporin
最 近 各 種 臨 床 材 料 か ら 分離 した 肺 炎 球 菌,溶
DER感
融
淳 ・亀 田 康 雄
塩 野 義 製薬 株 式 会 社 ・研 究 所
(誌上 発 表)
球 菌,腸
実 験 的 評 価
(誌上 発 表)
受 性 の 比 較
小 酒
1970
与 後1時 間 で,そ の 値 は
与 で は 平 均7.4mcg/ml,500mg投
均17.4mcg/mlで
内で90%以
与では平
あ つ た 。尿 中 排 泄 は 投 与 後8時 間 以
上 が 排 泄 され,極
め て 優 秀 な 吸 収 ・排 泄 を
示 す こ とが 認 め られ た 。 同 時 に,経
口投 与 後 の人 尿 で の
ペ ーパ ー グ ラ ム ・パ イ オ ア ウ トグ ラ フでcephalexinそ
の も の と して 排 泄 され る こ とが 確 認 され た 。
な お,cup法
新 し い 合 成 セ フ ァ ロ ス ポ リ ンC系
抗 生 物 質"Cephaiexin"に
菌 と してB.
関 す る 細
に よるこの抗生物質の力価検定には被検
subtilis ATCC
6633(PCI
219)を
用 いる こ
とが 適 当 で あ つ た 。
菌 学 的 研 究
C-5)
Cephalexinの
基 礎 的 臨 床 的 研 究
(誌上 発 表)
(誌 上 発 表)
中 沢 昭 三 ・小 野 尚 子 ・西 野 武 志
真 下 啓 明 ・加 藤 康 道 ・斉 藤
大 久 保 幸 子 ・辻 千 寿 子
抗 菌 ス ペ ク トラ ム,臨 床 分 離 株 に 対 す る感 受性,交
耐 性,抗
菌 作 用 に 及 ぼ す 諸 因 子 の 影 響,抗
型 式,耐 性 獲 得,マ
感 受 性(MIC)は
Cephaloridine(CER),
比 較 検 討 した結 果,in
グ ラ ム陽 性 菌 群 に つ い て はCET,
よ り劣 るが グ ラム 陰 性 桿 菌 群 で はCET,
優 れCEGと
CERよ
CER
りや や
ほ ぼ 同 程 度 で あ つ た 。 経 口投 与 に よる マ ウ
ス実 験 的 感 染 症 の 治 療 実 験 に 於 い てはCERの
Cephalosporin
注射時に
C系
の経 口剤Cephalexinに
ついて以
下の検討を行 なつた。
1.黄
vitroの
最
北 海 道 大 学 第二 内科
菌作用の作用
な ど の 諸 方 面 に つ い て既 知 合 成 セ プ ア ロス ポ リンC系 統
Cephaloglycin(CEG)と
松 井 克 彦 ・出 内 秀 人 ・矢 島
叉
ウ ス 実験 的 感 染 症 に対 す る 治 療 実 験
生 物 質CePhalothin(CET),
玲
桜 庭 喬 匠 ・松 本 義 孝 ・田 中 一 志
京 都 薬 科 大学 微 生 物 学
色 ブ菌49株
した 。3.2mcg/ml
mlが11株
CETのMICは,CERで
下 に 全 株 が あ り,CETで
測定
15株,12.5mcg/
で あ つ た 。>100mcg/mlが1株
同 時 測 定 し たCER,
mcg/ml以
に つ い て 平 板 希 釈 法 でMICを
19株6.3mcg/ml
あ つ た。
は6.3
は0,4mcg/mlに
於 け る 優 れ た 治 療 効 果 と比 較 す る とや や 劣 る が,投 与
peakが あ つ た 。 大 腸 菌14株 で はCERに
く らべ て2
∼4倍 のMICの
低 下 を み た 。CETに
く らべ る と や や
量,投
良 いMICを
与 間 隔 な どの投 与 方 法 の 工 夫 に よ りそ の 有 効 性 が
認 め られ た 。
mlで
示 した 。 緑 膿 菌6株
あつた。
で は 全 株 が>100mcg/
CHEMOTHERAPY
VOL.18.NO.4
2.
イ ヌに100mg/kg胃
415
内投 与 後 の 血 中 濃 度 は5時
C-7)
間 まで ほ と ん ど測 定 で き な か つ た 。 胆 汁 中 濃 度 は最 高
42mcg/mlを
示 し,尿 中 濃 度 は 最 高185mcg/mlで
つ た。10mg/kg静
あ
注 で は 血 中濃 度 に くらべ,胆
C剤
異 な る と ころ で あ る 。 尿 中 へ は4時 間 で53.1%の
ヒ トに500mg
Cephalexinの
な つ た成 績 を 報 告 す る。
あ つ た 。 尿 中 回収 率 は
抗 原 性 につ い てPC-Gと
の免疫学
体
した と き,Cephalexinは27.7
尿 路 感染 症11例,呼
吸 器 感 染 症4例,胆
投 与 日数 は5∼24日
道感染
間で ある。
が無効であつた。無 効
例 は1例 は慢 性 膀 胱 炎 で 起 炎 菌 はProteus
valgarisで
菌 に菌 交 代 した もの で あつ た。 呼 吸 器 感 染 症 は2例
が有
は無効であつた。無 効例は肺
腫 瘍 の混 合 感 染 例 で あつ た 。 胆 道 感 染 症 の1例
は有効で
あ つ た。 副 作 用 は 特 別 な もの は な か つ た 。
の 培 地 を 用 い る方 法 と,pH
Cephaiexinの
基 礎 的 臨 床 的 研 究
化学療 法学会標準法
はpH6.5の
と きMIC
は逆 に 大 とな つ て あ ら
大 腸 菌 に つ い て も同 様 にCEX.CETで
と きMIC値
が 小 で あ り,CERで
はpH6.5の
は こ の 逆 を示 した 。
各 種 グ ラ ム陰 性 桿 菌 の 感 受 性 値 はCEX・CER・CET3者
間 に あ ま り著 しい 差 を み とめ な か つ た 。
に よ り種 々で あ つ た 。
菌 発 育 期 にLysozymeを
添 加 してそ の 影 響 を み た が,
菌 株 に よ り発 育 が 抑 制 され る よ うな 結 果 を うる こ と も あ
つ た が,あ
ま り明瞭 な 影 響 の み られ な い 場 合 も あつ た 。
経 口投 与 し,CER
40mg/kg筋
注 群 と比 較 して そ
の 膿 瘍 形 成 阻 止 効 果 を み る と,ほ ぼ 匹 敵 す る成 績 を収 め
隆 ・松 本 慶 蔵
る こ とが で き た 。Lysozymeを
前 処 置 と して2mgな
し4 mg
口投 与 を 行 な つ て 各群 を
3回 筋 注 し,CEX経
比 較 す る と,Lysozyme
横 山 紘 一 ・西 岡 き よ
4 mg前
い
処 置 群 でわ ず か に膿 瘍
が 小 さ い と思 わ れ た 。 大 腸 菌 で 行 な つ た 実 験 で は 対 照 と
東 北 大学 中 村 内 科
Cephaiexinの
く
マ ウス に 黄 色 ブ ドウ球 菌 を 皮 下 接 種 し,CEX200mg/
(誌 上 発 表)
中 村
7.2の
とを 比 較 す る と,CEX.CETで
kgを
C-6)
に 比 して,い
制 菌 ・殺 菌 作 用 の 模 様 を液 体 培 地 で 検 討 した が,菌 株
あつ た 。 他 の1例 は 腎 孟 腎 炎 で起 炎菌 は 大 腸 菌 か ら緑 膿
が や や 有 効,1例
は 他 の2剤
検 討を行
わ され た 。
あつた。
尿路 感 染 症 で は9例 が 有 効,2例
黄 色 ブ ドウ球 菌 のMIC値
値 が 小 で あ る に対 して,CERで
に つ い て 臨 床 効 果 の検 討 を 行 な つ た 。
投 与 量 は1日1∼2gで
比 較 しな が ら2,3の
ぶ ん 劣 る 成 績 で あつ た 。 本 剤 提 供 時 推 奨 され たpH6.5
あつた。
あつ た 。 な おCETは87.3%で
効,1例
つ い て,Cephaloridine(CER),
1回 経 口投 与 後 の 血 中 濃 度 は2時
に 対 してPC-Gを100と
症1例 の 計16例
の新 しい 経 口投 与 可 能 な誘 導 体Ce-
phalexin(CEX)に
の順 で あ つ た 。
的 交叉 性 につ い て定 量 沈 降 反 応 で 検 討 し た 。PC-G抗
6.
東大医科研 内科
Cephalothin(CET)と
6時 間 まで で 平 均45.6%で
%で
治 ・深 谷 一 太 ・友 利 玄 一
排泄
口投 与 後 の組 織 内 濃 度 は
間 が最 高 で 平 均14.1mcg/mlで
5.
北本
Cephalosporin系
肝 〓 腎>血 漿>肺>脾
4.
(誌 上 発 表)
と
が あつ た 。
ラ ッ トに100mg/kg経
関す る研 究
汁中濃
度 は高 か つ た 。 この こ とは 他 のCephalosporin
3.
Cephaiexinに
差 をみ とめ な か つ た 。
ブ ドウ球 菌 に 対 す る 効 果 をMICに
て
濃 度 測 定 用 標 準 曲 線 は ブ ドウ球 菌7,447株
検 討 し,臓 器 内濃 度 は ラ ッテ を 用 い て 検 討 した 。Cepha-
層 法 に よ り,pH
loridineに 比 較 し,抗 菌 力 は 低 い。
た。
マ ウス ・ブ ドウ球 菌 感 染 系 を 場 と し,リ
ゾチ ー ム との
犬 に CEX
を 用 い る重
7.4燐 酸 緩 衝 液 を 希 釈 液 と して 作 製 し
100 mg/kgを
経 口投 与 し た と き血 中 濃 度
併 用効 果 を検 討 した が,極 め て 著 明 な効 果 増 強 を 認 め 得
は 麻 酔 下 の た め か 長 時 間 に わ た り維 持 され た 。 題 汁 中濃
た 点は,注
度 は 血 中 濃 度 の約5倍,尿
目に値 す る 。
臨床 的 に は13症
例 に応 用 し,尿 路 感 染 症 に 有 効 な 成
績 を 得た とは い.え,Ceghaloridineに
比較 す る と,あ ら
中 濃 度 は数 十 倍 の 高 濃 度 に達
した 。
マ ウ ス にCEX
200 mg/kg経
口投 与 後 の 臓 器 内濃 度
ゆ る疾患 群 で 効 果 は 低 い 。 経 口剤 と して 注 目す べ き も の
は 腎 に き わ め て 高 濃 度 を 検 出 した が,他 の 臓 器 で は 血 中
とは い え,今 後 の 薬 剤 と して の新 展 開 を 要 す る もの と い
濃 度 よ り低 値 で あ り,脳 か ら は 認 め え な か つ た 。
え よう。
ヒ トに1日2g分4経
口投 与 時,24時
間蓄尿 の 尿 中
濃 度 は きわ め て高 く,排 泄 率 は と き に80%に
或 る1例 で は 排 泄 率 に 日差 が 著 し く0.4∼40%に
達 した 。
わたつ
CHEMOTHERAPY
416
た 。便 中 濃 度 は 比 較 的 低 値 で あ り,BUN30
例 で は血 中 濃 度 が34mcg/mlと
mg/dlの1
全 例 有 効,呼
吸器感染症
1970
層 法 に よ り測 定 した 。 な お この 際StandardCurveは,
血 中 濃 度 測 定 に は,薬
高かつた 。
臨 床 使 用 成 績 で は 腎 孟 炎4例
JULY
剤 をpooled
serumで
の を,尿 中 回収 率 測 定 に は 薬 剤 をpH
希 釈 した も
7.4のBufferで
3例 中,肺 炎 の1例 は 無 効,他 の2例 有 効,大 腸 炎 全 例 有
希 釈 した もの を用 い た が,こ の 両 者 の間 に は著 しい差 は
効,ア
み とめ ら れ な か つ た 。1時 間 後 の 血 中 濃 度 は 最 高22
ンギ ー ナ1例 有 効,リ
ンパ 節 炎1例
は 無 効,SBE
の1例 も 無 効 と判 定 され た 。1例 に 食 欲 不振,胃
が 訴 え られ た 以 外 は,副
C-8)
部膨満
作 用 は み とめ られ な か つ た 。
Cephalexinに
か んす る研 究
9.9mcg/mlで
は,6時
あ り,6時
上 田
泰 ・松 本 文 夫 ・中 村
斉 藤
篤 ・野 田 一 雄 ・大 森 雅 久
回収 され,6∼
排 出 され た に す ぎな か つ た 。
III 血 清 蛋 白 との 結 合 率:平 衡 透 析 法 を 用 い て本 剤 と
昇
馬 血 清 蛋 白 との 結 合 率 を 測 定 した 。 す な わ ちVisking
Tubeを
ml,外
東 京 慈 恵 会 医 科 大 学 上 田 内科
用 い,内 液 を 本 剤10mcg/mlの
液 をpH
℃48時
つ い て 以 下 の諸 検 討 を 行 な つ た の で 報
告 す る。
7.4の
馬 血 清 溶 液4
リ ン 酸Buffer
16mlと
間 平衡 透 析 を行 な つ た 後,内,外
をCOOK株
性 ブ 菌,大
腸 菌,肺
炎桿
菌 な ど に対 す る 本 剤 の 感 受 性
吸 収 お よび 排 泄
3)
臓 器 内濃 度
4)
本 剤 の腎 に お よぼ す 影 響, CET,
5)
臨 床 成 績,副
C-9)
の69.3%に
IV
2)
して,9
液中薬剤濃度
を 用 い た 重 層法 に よ り測 定 し結 合 率 を 算 出 し
た 。 本 剤 の 馬 血 清 蛋 白 と の 結 合 率 は39.9%で
病 巣 由 来Coagulase陽
間
間 後 で は1例 が1.1mcg/ml
間 まで に 投 与 量 の82∼100%が
12時 間 の 間 に は3∼9が
古 屋千鶴子
1)
あ つ た 。 平 均 血 中 濃 度 は1時 間12.6,2時
を 示 した の み で 他 は 測 定 不 能 で あ つ た 。 尿 中へ の排 出
(誌 上 発 表)
Cephalexinに
mcg/mlで
あ りCER
比 し低 率 で あつ た 。
臨 床 成 績:各 種 感 染 症 患 者15例
に 本 剤1日2g
を 投 与 し臨 床 効 果 を 検 討 した 。 症 例 は,気 管 支 拡 張 症4
例,気 管 支 炎6例,肺
CERと
の比 較
作用
白 血 病+急
炎1例,肺
関す る 基 礎 な らび
に 臨 床 的 研 究
の うち2例
孟 炎2例,
性 咽 頭 炎1例 で あ る。 投 与期 間 は4∼35日
あ る。15例 中 有 効12例,無
Cephalexinに
膿 瘍1例,腎
効3例
は 気 管 支 拡 張 症,1例
副 作 用 と して は,腎 孟 炎 の1例
で
で あ つ た 。 無 効3例
は気 管 支 炎 で あ つ た 。
に 薬 疹 を み とめ た が 投 与
中 止 後 す み や か に 発 疹 は 消 失 して い る 。 ま た,白 血 病+
急 性 咽 頭 炎 の 症 例 は,本 剤 を35日
(誌上 発 表)
五 味 二 郎 ・青 柳 昭 雄 ・富 岡
一
小 穴 正 治 ・満 野 嘉 造 ・河 合
健
山 田 淑 儿 ・山 田 幸 寛
間の長期にわたつて
使 用 した 例 で あ るが,投 与 開 始 後20日
が 上 昇 し,35日
目に は, GOT,
目にGOT,
GPT共300単
GPT
位以上 と
な つ た た め 投 与 を 中 止 した 。 中止 後 約2週 間 で,GOT,
GPTは
正 常 化 して い る。
慶応大学五味 内科
Cephalexinに
つ い て基 礎 な らび に 臨 床 的 検 討 を 行 な
試 験 管 内抗 菌 力:本 学 会 指 定 の平 板 希 釈 法 に よ り
Coaglase陽
性 ブ 菌55株
12株,3.1mcg/ml
3株,100mcg/ml以
100mcg/ml以
上5株 で あつ
新 抗 生 物 質Cephalexinの
提供を う
け,内 科 分 野 でみ られ た 各 種 の 感 染 症 に 使 用 し,一 部 の
症 例 に つ い て は 薬 剤 投 与 後 の 血 中 濃 度 を 測 定 し,次 の よ
血 中 濃 度 お よび 尿 中 回収 率:健 康 成 人 男 子4例 に
朝 食 後30分
Cephalosporin系
上 に 高度耐性を示 し
完 全 な 交 叉 耐 性 を 有 す る もの と考 え られ た 。
本 剤500mgを
国立東京 第一病院内科
お と る成 績 で
た 株 に 対 して は,本 剤 も また 耐 性 で あ り本 剤 とCERは
II
古 屋 暁 一 ・国 吉 昭 英
9株,12.5mcg/
比 較 して,い ず れ も2∼8倍
あ つ た 。 またCER
(誌上 発 表)
分 布 は1.6mcg/ml
17株,6.2mcg/ml
9株,25mcg/ml
た がCERに
内 科領 域 に お け る
に 対 す る本 剤 の抗 菌 力 をCER
と比 較 しな が ら検 討 した 。MICの
ml
Cephalexinの
使 用 経 験
つ た の で 報 告 す る。
I
C-10)
に 内 服 せ しめ た 際 の 血 中 濃
度 な らび に尿 中 回収 率 をStreet. hemolyticus Dこ よる 重
うな 結 果 を 得 た 。
疾 患 は,呼 吸 器 感 染 症8例,尿
路 感 染 症3例,急
性 リ
ンパ 腺 炎,胆
の う炎,亜 急 性 細 菌 性 心 内膜 炎 お の お の1
例,計14例
である。
薬 剤 投 与 法 は,CEX-Sカ
プ セ ル(250mg)経
口 で,1
VOL.
18.
NO.
CHEMOTHERAPY
4
日量1.0∼4.5g,大
多 数 は1。0∼2。Og(分4,毎6時
間)
で ある。
の 基 礎 的検 討 な らび に 内科 領 域 の 感 染 症 に対 す る 本 剤 使
用 の 成 績 に つ い て の 結 果 を報 告 す る。
臨 床効 果 の 判 定 は,一 般 臨 床 所 見,各
動 を 基礎 と して,な
種検査成績 の変
るべ く客 観 的 に これ を 行 な つ た 。
そ の結 果,呼 吸 器 感 染 症 で は8例 中6例 に 有 効,尿 路
感 染症 は3例 す べ て に 有 効,胆
認 めて 然 るべ き,何
の う炎1例
も また 有 効 と
らか の 臨 床 所 見 も し くは 検 査 成 績 の
改 善 が み られ た 。 急 性 リンパ 腺 炎(系 統 的)の1例
は効
果 不 明,呼 吸 器 感染 症 の2例 お よび 亜 急 性 細 菌 性 心 内
膜 炎 の1例 で は 無 効 と判 定 され た 。 後 者 は 血 液 中 か ら
Staph. epidermidisが1回
の み 分 離 され た が,発 熱,貧
血,脾 腫,白 血 球 増 多,好 中 球 増 多,心 雑 音 な どが 認 め
られ,臨 床 的 に は 定 型 的 なSBEで,分
耐性(Disc)で
CEXは
417
あ つ た(事
初 め2.0g,3日
与 され た が,全
離 菌 はCERに
後,他 剤 で 完 治 して い る)。
間,つ
いで4.5g,3.5日
間投
く何 ら の症 状 改 善 が 認 め られ て い な い 。
副 作 用 と して,食 思 不 振,嘔
気 が 各1例
にみ られ た 。
調 べ た 範 囲 内 で は 肝 機 能 ・腎 機 能 に 障 害 は な か つ た 。
CEX1g経
口投 与 後,血
ピ ー クは60∼120分
中濃 度 を7例 で 測 定 し た が,
の 間 に あ り,平 均26.0
mcg/ml程
度 で あ り,お よそ6時 間 で 痕 跡 とな る 。喀 疾 量 の 多 い気
管 支炎 の1例 で1g投
与 後,1∼2時
に集 め た喀疾中 の
濃 度 を測 定 した が検 出 で きな か つ た 。
C-11)
Cephalexinの
(誌上 発 表)
血 中 濃 度B.
プ 法 に よ り,健 康 人3例
井
洗
に み られ,最
高21
つ い て以 下 の 諸 検 討 を 行 な
12.5mcg/ml,4時
の比 較 。
2)
250mgお
3)
内科 領 域 諸 種 感 染 症 に 対 す る臨 床 成 績 。
C-12)
よび500mg投
与 時 の吸 収 お よび 排 泄 。
間後
間 後 には平均
め,8時
間後 は
測 定 され な か つ た 。
b)
尿中排泄
尿 中 排 泄 に つ い て は1 g 1回 内服 で,
4時 間 後 に80%前
後,8時
間 で は98%く
らい 排 泄 を
認めた。
c)
抗菌力
尿 路 感 染 の 原 因菌 で あ る.E. coli 10株
に つ い て,本 剤 お よ び他 の 抗 生 剤 の感 受 性 を 調 べ た 。
CEXに
つ い て は10株
中8株
が12.5mcg/mlのMIC
で あ り,他 の2株 は3.23,25mcg/mlで
II
あつ た 。
臨床 的検討
尿 路 感 染18例,気
PAD3例,気
道 感 染14例(気
管 支 拡 張 症1例,腺
亜 急 性 細 菌 性 心 内 膜 炎2例,敗
胆 の う炎1例
と,37例
管 支 肺 炎5例,
窩 性 ア ン ギ ー ナ5例),
血 症1例,食
中毒1例,
の 感 染 症 に 本 剤 を 使 用 した 。
投 与 方 法 は症 例 に よ り異 な つ て い る が1日 に1.0∼3.0
例 に は4.0∼8.0gの
ら長 き は52日
大 量 を 用 い た 。 投 与 期 間 は4日 か
間 に及 ん で い る 。
中13例
有 効,5例
が無効で あ
管 支 拡 張症1例,
とす べ て 有 効 で あ り,PAPの3
細 菌 性 心 内膜 炎2例 の うち1例 に 本 剤 を4920日
間,
8932日
間 内服 さ せ て 治 癒 させ た 。他 の1例 は無 効 で あ
ンテ ロパ クタ ー に よ る)1例 に 本 剤1g
を 内 服 させ た が無 効 で あ つ た 。 そ の他 ネ ズ ミチ フ ス菌 に
よる 食 中 毒1例
も有 効 で あ り,急 性 胆 の う炎1例 は 他 の
抗 生 剤 を 併 用 して そ れ に よ る効 果 も考 え られ た の で これ
も 無 判 定 と した 。 以 上37例
効 率),無
内 科 領 域 に お け るCephaiexin投
効7例,無
中 有 効26例(70.3%の
有
判 定4例 で あつ た 。
しか しな が ら,症 例 数 も比 較 的 少 な く これ だ け の 結 果
与 の経 験
か ら 本 剤 の 評 価 を 下 す に は 早 計 で あ るが,亜 急 性 細 菌 性
(誌上 発 表)
勝
達 し,2時
間 後 に3mcg/ml認
つ た 。 敗 血 症(エ
CEGと
空 腹 時 に1
例 は 本 疾 患 の 自然 経 過 を 考 慮 して 無 判 定 と した 。亜 急 性
コア グ ラー ゼ 陽 性 ブ ドウ球 菌 お よび 大腸 菌 に 対 す
CET,
につ い て 本 剤19を
mcg/mlに
腺 窩 性 ア ンギ ー ナ5例
つ た。
る抗 菌 力 のCER,
を 用 いたカ ッ
回 内服 して そ の 血 中 濃 度 を 測 定 した 。 ピ ー クは1時
成 績 は 尿 路 感 染18例
東京共済病院 内科
1)
subtilis PCI 219株
り,気 道 感 染 で は 気 管 支 肺 炎5例,気
可 部 順 三 郎 ・中 沢 浩 亮
新 抗 生 剤Cephalexinに
基礎 的検討
a)
9を 用 い た のが 大 部 分 で あ り,亜 急 性 細 菌 性 心 内膜 炎2
基 礎 的 臨 床 的 検 討
中 川 圭 一 ・福
I
心 内膜 炎 の1例
筆 に 値 す る と思 わ れ る。
正 孝 ・藤 森 一 平 ・小 川 順 一
副 作 用 に つ い て は,か
伊 藤 周 治 ・島 田 佐 仲
るが,特
川 崎 市 立 病 院 内科
CephalexinはCephalosporin系
に本 剤 の み の 内 服 で 軽 快 さ せ た こ とは 特
抗 生 剤 の1つ
な り大 量 長 期 間 用 い た症 例 もあ
に 認 め られ ず,2例
にS-GOT,S-GPTの
上昇
が み とめ られ た が,本 剤 の 影響 に よ る もの か ど うか は 極
と して
登 場 し,経 口投 与 可 能 な 点 を 特 徴 と され る 。我 々は 本 剤
め て 疑 わ しい。
CHEMOTHERAPY
418
C-13)
Cephalexinの
JULY
桃 炎1例
基 礎 的 な らび に 臨
やや有
は全 て 無 効 で あ つ た 。 異 型 肺炎 は病 原
体 検 索 を 行 な つ て い な い が,寒 冷 凝 集 反 応 が 上 昇 して お
り,Virusに
(誌 上 発 表)
CEXの
木 下 康 民 ・山 作 房 之 輔 ・薄 田 芳 丸
土 田
有 効,急 性 腎 孟 炎2例 中1例 有 効,1例
効,異 型 肺 炎2例
床 的 研 究
1970
亮 ・渡
部
信 ・武 田
C-14)
知
用の適 応 外
元
新 潟 大 学 第 二 内科
沼
よる にせよ
の 疾 患 と思 わ れ た 。
北 原 克 之 。鈴 木 啓 元
貝
よる に せ よ, Mycoptasmaに
作 用 機 序 で は 無 効 で あ るべ きで,使
Cephalexinお
よ びCephaioglycin
に 関 す る 基 礎 的 臨 床 的 研 究(続
男
報)
(誌上 発表)
新 潟 労 災病 院 内 科
1.
岸 川 基 明 ・後 藤 幸 夫 ・山 本 俊 幸
抗 菌 力:日 本 化 学 療 法 学 会 の 規 準 に よる 抗 菌 力 試
小 沼
験 の結 果,Staphylococcus
aureus 19株 のMICは0.78
∼6.25mcg/mlで,う
ち14株
は3.12mcg/mlで
あつ
た 。 各 種 グ ラ ム陰 性 桿 菌63株
1株,6.25mcg/ml
8株,12.5mcg/ml
8株,50mcg/ml
1株,100mcg/ml
ml
24株 で,グ
2.
私 共 は 第16回
ず つ にCEX
kg/dayを60日
209 P<0.78mcg/
よび200mg/
吸 収 ・排 泄:B.
差 は な く,腎 組織 像 に 異 常 な
CEX
1,000 mg内
補 正 して 薄 層Cup法
血 中濃 度 測 定 時 のStandardは
常 者3例
により
服 時 の 血 中,尿 中 濃 度 を 測 定 した 。
血 清 を 用 いた 。 腎 機 能 正
の 平 均 血 中 濃 度 ピー クは1時 間 後 の36.5mcg/
ml,T/2は1時
間,尿
中 回 収 率(9時
増 悪 した も の を 無 効,と
リア ラ ンス70ml/min.でGFR<10ml/min.の
胱 炎2例
ク
高度腎
して 判 定 した 。
臨 床 効 果:対 象 は 主 と し て 外 来 通 院 の 咽 頭 炎
お よび 扁 桃 炎9例,気
の 計20例
管 支 炎 お よび 気 管 支 肺 炎9例,膀
の 内科 的 感 染 症 患 者 で あ る。
投 与 量 お よび 投 与 方 法 はCEX
の1例 で は1日4g)を
ら12日
間)は69%,腎
覚 症 状 の 何 れ か 一 方 の 消失 あ る い は 改 善
を み た もの を や や 有 効,症 状 の改 善 を み な い か あ る い は
CEXの
subtilis PCI 219株 を 検 定 菌 と し,
培 地,検 体 のpHは6.5に
の 判 定 に は 自,他 覚 症 状 の 消 失 あ る いは 改 善 をみ た も の
を 有 効,自,他
く,腎 毒 性 は 認 め られ な か つ た 。
3.
試験管
症 に 対 す る両 剤 の 臨 床 効 果 に つ い て 報 告 す る。 臨 床 効 果
間 内服 させ た 。 両 群 の 間 に 体 重 増 加,
実 験 終 了 屠 殺 時 のBUNに
よ びCeghaloglycin(CEG)の
内抗 菌 力,血 中 濃 度 お よび 尿 中 排 泄 な どに つ い て 発 表 し
た 。 今 回 は 主 と して 呼 吸 器 系 お よび 尿 路 系 の 内科 的 感 染
後 の 雌 雄 大 黒 ネ ズ ミ1
1,000 mg/kg/dayお
靖
本 学 会 中 日本 支 部 総 会 に お い てCepha-
lexin(CEX)お
あつ た 。
腎 毒 性 試 験:体 重150g前
群10匹
18株,25mcg/
3株,>100mcg/
aumus
25 mcg/mlで
昭 ・岡 本
名 古 屋 市 立 大 学 岸 川 内科
ラ ム陽 性 菌,陰 性 菌 の 双 方 に 抗 菌 力 を 認
め た 。 標 準 菌 のMICはStaph.
泰
岡 田 和 彦 ・春 日 井 将 夫 ・花 木 英 和
のMICは3.12mcg/ml
ml
ml, E. cali NIHJ
賢 ・堤
1日2g(た
だ し膀 胱 炎
分4投 与 し,投 与 日数 は2日 か
間 で あ る。
投 与 成 績 につ い て 前 述 の 判 定 基 準 に従 が つ て判 定 す る
と咽 頭 炎 お よび 扁 桃 炎 で は 有 効3例,や
や 有 効5例,無
機 能 障 害 例4例 の 平 均 血 中濃 度 ピ ー クは3時 間 後86mcg/
効1例 で あ り,気 管 支 炎 お よ び 気 管 支 肺 炎 で は 有 効4
ml,T/2は15.8時
例,や や 有 効4例,無
間,尿
ンス6ml/min.で,腎
中 回収 率 は4%,腎
る 血 中 濃 度 の上 昇 とT/2延
にCEX
1,000mg内
ク リア ラ
障 害 例 で は 腎 か らの 排 泄 不 良 に よ
長が認 め られ た。腎不全例
服 約3時
を 開 始 した 血 液 透 析 例3例
間 後 か らKiil型
の 平 均T/2は4時
人工 腎
間,同 様
に して行 な つ た腹 膜 灌 流 例3例
の 平 均T/2は6.3時
灌 流 液 中 へ の 回 収 率 は30%,腹
膜 ク リア ラ ンス は15ml/
min.で,人
T/2の
4.
工 透 析 に よ りCEXは
間,
血 中 か ら除 去 され,
短 縮 が 認 め られ た 。
数 は5∼55日
にCEXを
使 用 した 。
に 分 け て 内 服 さ せ,使 用 日
で あつ た 。 肺 炎6例
3例 は2例 有 効,1例
とな り,膀 胱 炎 は2例
は全 例 有 効,肺 化 膿 症
無 効,慢 性 気 管 支 炎1例
無 効,扁
とも
有効であつ た。
以 上,CEX投
与 の20症
例に つ い て有 効 率 は85%と
高 率 で あつ た が,比 較 的 重 症 で あ つ た 気 管 支 肺 炎 の2例
には無 効であつた。
CEGの
臨 床 効 果:対 象 はCEXと
桃 炎6例,気
の1例 で は1日1g)を
ら19日
同様 外 来 通 院 の扁
管 支 炎 お よび 気 管 支 肺 炎8例,膀
腎 孟 炎2例 の 計20例
胱 炎4例,
の比 較 的 軽 症 患 老 で あ る 。
投 与 量 お よび 投 与 方 法 はCEG
臨 床 例:各 種 感 染 症15例
1日 量 は2∼1gを3∼4回
効2例
1日2g(た
だ し扁桃 炎
分4投 与 し,投 与 日数 は3日 か
間 である。
投 与 成 績 は 扁 桃 炎 で は 有 効5例,や
や 有 効1例 で あ り,
気 管 支 炎 お よび 気 管 支 肺 炎 で は有 効3例,や
や 有 効4例,
CHEMOTHERAPY
VOL.18.NO.4
419
無効1例 で あ り,膀 胱 炎 お よび 腎 孟 炎 で は 有 効4例,無
桿 菌 に 対 す るCEXの
効2例 で あ つ た 。
菌 力 と比 較 した 。 感 受 性 測 定 法 は 日本 化 学 療 法 学 会標 準
以上,CEG投
CEXと
与 の20症
尿 病 お よび 前立 腺 癌 術 後(留
よびCETの
置カテー
ブ ドウ球 菌90株
CEXに
中85株
は1.56∼12.5mcg/mlの
よ り発 育 が 阻 止 され る 。 この 成 績 はCERお
テル 施 行 中)に 合 併 した 膀 胱 炎 の1例,子
宮 頸 管炎 お よ
びCETのMICが
び 膣 カ ンデ イ ダ症 に合 併 した 腎 孟 炎 の1例
な ど比 較 的 重
以 下 で あ る成 績 に比 して か な り劣 る もの で あ る。
症感 染 症 に は無 効 で あ つ た 。
副 作 用 につ い て はCEXお
中CEX投
与(4g)の
悪 気を 来 し,CEG投
よびCEG投
扁 桃 炎 の1例
与(20g)の
与 の40症
例
に 軽度 の 食 思 不 振,
扁 桃 炎 の1例 に 全 身 皮
膚 に粟 粒 大 の 皮 膚 発 疹 を来 し,CEG投
与(89)の
気管
支 炎 の1例 に 軽 度 の胸 や け を 認 め た が,何 れ も投 薬 の 中
止 に よ り速 や か に軽 快 した 。
以上 の結 果 か ら,両 剤 と もに 比 較 的 軽 症 の 内 科 的 感 染
大 腸 菌21株 中16株,肺
∼25mcg/mlのCEXに
成 績 もCERの
炎 桿 菌24株 中17株 は6.25
よ り発 育 が阻 止 さ れ る 。 この
抗 菌 力 よ りや や 劣 る も の で あ る が,ブ 菌
の 場 合 に比 してCEXとCERお
よびCETの
CEXの
抗 菌 力 は,感
た 場 合,pH
7.0に
2)
受 性 測 定 培 地 のpHを6.5に
比 して約2倍
す る 耐 性 獲 得状 態 をBHI(pH
つ た が,症 例 を 加 え て 検 討 した い。
法 に よ り検 討 した 結 果,CERお
CEXに
3)
滉 ・藤 本 安 男 ・岡 本 緩 子
ml,1時
束 田 二 郎 。牧 野 純 子
1.
7.0)を
209 P
対
用い増量継代培 養
よびCETに
比 し て,
吸 収 ・排 泄:健 康 成 人 に1回500mgのCEXを
間 後14.5mcg/ml,2時
間 後2.8mcg/ml,4時
間 後traceで
あ る。
6時 間 内 の尿 中 回 収 率 は 平 均86%を
病 的 材料 か ら分 離 の 大 腸 菌,黄 色 ブ ドウ球 菌 に対
4)
性 扁 桃 炎1例,急
ラ ッ トに 経 口投 与 時 の臓 器 内 濃 度 。
慢 性 気 管 支 炎1例,気
3.
家 兎 に お け るCephalexinの
肺 癌 に 併 発 した 肺 化 膿 症2例,急
4.
健 康 成 人 に経 口投 与 時 の 血 中 濃 度 な ら び に 尿 中 排
胱 炎2例,腎
各 種 感 染 症 に対 す るCephalexinの
は 全 て1日1.0∼2.0gで
胆 汁 内排 泄 。
臨床効果。
急 性細菌
性 気 管支 炎3例,
管 支 拡 張 症2例,気
管 支 肺 炎6例,
性 膀 胱 炎2例,腎
孟 腎 炎3例,計25例
投 与 量 は 心 内膜 炎 の1例
泄。
示 した 。
臨 床 成 績:急 性 細 菌 性 心 内 膜 炎1例,亜
性 心 内膜 炎2例,急
最 小発育阻止濃度。
2.
5.
FDA
よびCETに
対 す る 耐 性 が 速 や か に上 昇 す る成 績 を 得 た 。
間 後0.3mcg/ml,6時
関 西 医 大 内科
す るCephalexinの
aureus
CERお
経 口投 与 した 場 合 の血 清 中 濃 度 の ピ ー クは 投 与 後30分
∼1時 間 に 存 在 し,3例 の 平 均 値 は30分 後12.3mcg/
(誌上 発 表)
大久保
coli NIHJのCEX,
し
増 強 す る。
試 験 管 内耐 性 上 昇:Staphyloc.
た,臨 床 効果 に つ い て は 両 剤 の 差 は ほ とん どみ られ な か
基 礎 的 臨 床 的 研 究
間の抗菌
力 の差 は 少 な い 。
症 に対 してか な りの 効 果 が 期 待 で き る も の と考 え る 。 ま
Cephalexinの
よ
大 部 分 の ブ 菌 に 対 して0.78mcg/ml
お よびE.
C-15)
抗
法で ある。
例 に つ い て有 効 率 は85%と
同 様 高率 で あ つ た が,気 管 支 拡 張 症 に 合 併 した 気
管支炎 の1例,糖
抗 菌 力 をCERお
にCEXを
に1日4gを
あ り,1日
孟膀
投 与 した 。
投 与 した以外
量 を4分 割 し,6時
間 毎 に 経 口投 与 した 。
C-16)
Cephalexinに
か んす る基 礎 的 な
細 菌 性 心 内膜 炎 は 全 て無 効 に終 つ た が,呼 吸 器 感 染 症
らび に 臨 床 的 研 究
お よび 尿 路 感 染 症 に は か な り優 れ た 効 果 を 示 した 。
全 例25例
(誌上 発 表)
中,著 効12例,有
効5例,無
効8例
で あ る。
副 作 用 と して,細 菌 性 心 内 膜 炎 に 対 して1日4gの
三 木 文 雄 ・東
朋 嗣 ・岩 崎
哨
与 に 際 し,悪 心,嘔
赤尾
満 ・尾 崎 達 郎 ・杉 山 浩 士
腸 障 害 は な く,肝,腎
羽 田
同 ・塩 田 憲 三
は 認 め られ な か つ た 。
大 阪 市 立 大 学 医 学 部第 一 内 科
7-Aminacephalasporanic
Cephalosporin系
acidか
ら 新 し く合 成 され た
抗 生 剤Cephalexin(以
下,CEXと
投
服 に 伴 な う胃
機 能,血 液 像 に異 常 を 示 した 症 例
以 上 の成 績 に よ り,本 剤 は 経 口投 与 に よ り効 果 を 示 す
略
す)に つ い て,基 礎 的 検 討 を 加 え る と と もに,内 科 系 感
染症 に 使 用 した 成 績 を報 告 す る 。
1)
吐 を 来 た した 以 外,内
抗菌 力:病 巣 分 離 ブ ドウ球 菌,大 腸 菌 お よび 肺 炎
Cephalosporin系
抗 生 剤 で あ る がin
nitroの 抗 菌 力 お
よび 臨 床 成 績 か らみ て,重 症 感 染 症 に 対 す る効 果 はCER
或 い はCETよ
り劣 る と考 え られ る 。
CHEMOTHERAPY
420
C-17)
Cephalexinに
関す る臨 床 的 研 究
JULY
C-19)
小 児 科 領 域 に 於 け るCephalexin
の 基 礎 的 臨 床 的 検 討
(誌 上 発 表)
(誌上 発 表)
河 盛 勇 造 ・西 沢 夏 生
国立泉北病 院
Cephalexin(CEX)を
藤 井 良 知 ・紺 野 昌 俊 ・岡 田 一 穂
臨 床 に用 い る た め,予
じめ そ の
八森
啓 ・生 方 公 子
試 験 管 内 抗 菌 力 お よび 投 与 後 血 清 中 濃 度,同 血 清 抗 菌 力
を検 討 した 。 そ の結 果,ブ
菌 に 対 す るMICは,日
先 ず 小 児 科 領 域 の 感 染 症 か ら分 離 され た コア グ ラ ーぜ
よ りも 明 らか に 低 度 で あ つ た が,大 腸 菌 な ど グ ラ ム陰 性
匹敵 し た 。CEX
後 の血 清 中 濃 度 をCER
500 mg筋
前 者 で は1時 間 後 に 最 高18%程
約50
mcg/mlに
500mg内
服
注 後 と比 較 した 結 果,
度 を示 し,後 者 に よ る
比 して低 く,8時
東大分院小児科
本化
学 療 法 学 会 標 準 法 に よつ て0.78∼1.56mcg/mlで,CER
桿 菌 に対 して は,CERに
間 後 に お い て も,明
陽 性 ブ ドウ球 菌,大
lexinの
腸 菌,Klebsiellaに
抗菌 力 をCER,AB-PCお
つ い てCepha-
よび 他 の常用抗生物
質 と比 較 検 討 した 。
次 に,乳 児 お よび幼 児 ・学 童 に つ い て,Cephalexinを
1回25mg/kg経
口投 与 時 の 血 中 濃 度 お よ び尿 中排 泄 率
らか な差 が 認 め られ た 。 ま た これ ら1時 間 後 血 清 の ブ菌
を 測 定 した 。 血 中濃 度 は 乳 児 で はpeakは10
に 対 す る抗 菌 力 は,20倍
前 後,幼 児,学 童 で は20mcg/ml前
後 血 清 の40倍
希 釈 まで 証 明 され,CER投
与
の排 泄 は そ れ ぞ れ50%,70%前
希 釈 に 比 し,低 度 と判 定 され た 。
内 科 的 感 染 症8例
にCEXを
投 与 し,ほ ぼ 期 待 どお り
Cephaiexinに
C-20)
関す る基 礎 的 臨 床
小 児 科 領 域 に お け るCephaiexin
に 関 す るそ の後 の 検 討
(誌 上 発 表)
(誌 上 発 表)
中
沢
進 ・岡
佐
藤
肇 ・遠
徳 臣 晴 比 古 ・副 島 林 造 ・野 津 手 晴 男
熊 本大学徳臣内科
試 験 管 内 抗 菌 力:Cephalexin(CEX)の
菌 に対 す る抗 菌 力 をHIA平
果,ブ
都 立 荏 原 病 院 小 児 科,昭
病巣分離
近
板 希 釈 法 に よ り検 討 した 結
ドウ球 菌 で は1.6∼6.25mcg/mlで
め,CERに
2)
発育阻止を 認
新
比 しか な り抗 菌 力 の 低 下 が 認 め ら れ る が,
示 しCERと
血 中 濃度:CEX
投 与 後30分1,2,4,6時
果,1時
3)
mcg/ml以
mcg/ml)を
示 す が6
路 感 染 症5
投 与 しう 治 療 効 果 を検 討 した 結 果,7例
有 効 で あ り,特 に 副 作 用 は 認 め られ な か つ た 。
一
和 大学 小 児 科
次 郎
井
蔵
1)
吉
臨 床 分 離 株 に対 す るMIC
以 下 の 小 児 患 者 材 料 か ら分 離 した 菌 種 に 対 す るMIC
を 化 学 療 法 学 会 法 に よつ て 検 討 した 。 コア グ ラ ー ゼ 陽 性
ブ菌87株
で は ≦1.56 mcg/ml
6.25,15%,12.5,6.9%,病
下 に低 下 す る。
臨 床 治療 成 績:呼 吸 器 感 染 症4例,尿
例 にCEXを
口
間 毎 に採 血 して 測 定 した 結
間 後 に 最 高 値(12.5∼14
時 間 後 に は全 例1
よ び1,000mg経
藤
昭和大学中研細菌 部
ほ ぼ 匹 敵 す る成 績 が 得 られ た 。
500 mgお
岡 秀
秀
高津中央病院小児科
大 腸 菌,肺 炎 桿 菌 に対 して は そ れ ぞれ6.25∼50mcg/ml
のMICを
後 で あ り,尿 中 へ
後であつた。
臨 床 使 用 成 績 は,病 原 性 大腸 菌 性 下 痢 症 を 含 め て約40
的 研 究
1)
mcg/ml
例 に使 用 し,極 め て 良 好 な成 績 が 得 られ た 。
の 効 果 が 得 られ た 。
C-18)
1970
に
19.5%,3.12,57.5%,
原 大 腸 菌 で は3.12,
2.1%6.25,22.9%,12.5,60.4%,25,8.3%,赤
痢 菌60株
で は3.12,11.7%,6.25,70%,12.5,11.7
%で あ つ た 。
2)
血 中濃度
溶 連 菌Cook株
た 。4名
(15∼20mg/kg投
3)
を 標 示 菌 とす る 重 層 法 に よつ て 測 定 し
の 学童 の 平 均 血 中濃 度 は 以 下 の とお りで あ つ た
与)。
1時 間2
4
6
13.4mg/ml5.4
1.8
0.2
尿中排泄量
CHEMOTHERAPY
VOL.18.NO.4
6時 間 内に 投 与 量 の約70∼80%が
活 性 の 状 態 で排 泄
され た 。
4)
421
成 績 は,疾 患 別 に見 る と,急 性 咽 頭 炎2例
効,他
便 中 含 有 量 の測 定
1日1.25∼3.0g,2∼3回
に 分 割,1∼2日
間 投与後の
にあ
効,1例
変 更 して 回 復 した の で 無 効 と した 。 原 発
性 非 定 型 肺 炎2例
か に され た 。 便 中含 有 量 測 定 に は10倍
効
5)マ
は い ず れ も有 効,中 耳 炎 の1例
は著
また 急 性 化 膿 性 頸 部 淋 巴腺 炎 は 切 開 排 膿 を 併 用 した
後 の上 澄 を使 用 した 。
の で 判 定 不 能 と した 。 瘍 の2例 は いず れ も有 効,肺 炎 菌
ウ ス,ブ 菌 腹膜 内 感 染 治 療 成 績 の比 較
性 髄 膜 炎1例
Smith株10MLDを
0.078mg/kg間
腹 腔 内 に 感 染 後2時
間 目に40∼
のCEX,MPI-PC,Rifampicinの
行 な い 生 存 率 を 比 較 した 結果 で はCEXの
内服を
効果 が 最 も高
かつた。
6)
用
は1例 有
は や や 有 効 で あ つ た 。 肺 炎 は3例 中2例 に 有 効,
1例 はCERに
つ て低 値 で 内服 に よつ て 速 や か に 吸 収 され る こ とが 明 ら
稀 釈,10,000回
著
の1例 は 原 病 に ネ フ ロ ーゼ が あ り,CEX-T服
で薯 麻 疹 を お こ し た の で 中 止,気 管 支炎2例
便 中含 有 量 は測 定 不能 か ま た は8.5∼40mcg/g問
転15分
は,1例
は 無 効 で あ つ た 。 膀 胱 炎1例
た 。 粘 膜 性 皮 膚 症 候 群 の1例
熱5例 は い ず れ も 著 効 を 呈 した 。 以 上,有 効 率 は80%
であつた。
副 作 用 は22例
小 児 急 性 感 染 症6疾 患50例
を 本 剤 の 内服 を 主 体
と して 治 療 した 結 果 は以 下 の とお りで あ つ た 。 急 性 上 気
も菌 は 消失 し
は判 定 不 能 で あ つ た 。 狸 紅
中1例
にCEX投
与直後に蓉麻疹 を生
じた もの が あつ た 。菌 を 検 出 した もの は10例
で あ り,
耐性の ものはなかつた。
道 感 染 症 で 溶 連 菌,常 用 抗 生 剤 耐 性 ブ 菌 を起 因 菌 と した
病 型 に よ く本 剤 の 内服 は奏 効 した 。 各 種 抗 生 剤 無 反 応 の
C-22)
の基 礎 的 並 び に 臨 床 的 検 討
腺 窩 性 扁 桃 炎 に も本 剤 は著 効 を 奏 した 。 狸紅 熱 で は 翌 日
か ら平 温 に 復 し,3∼4日
小 児 科 領 域 に お け るCephalexin
目か ら 咽 頭 粘 液 培 養 上 溶 連 菌
は 消 失 した 。 気 管 支 炎,気 管 支 肺炎 で は 本 剤7∼12日
(誌 上 発 表)
間
西 村 忠 史 ・浅 谷 泰 規 ・小 谷
の 使 用 で 自,他 覚 的 所 見 は好 転 した 。 溶 連 菌 を 起 因菌 と
した 急 性 顎 下 淋 巴 腺 炎 も本 剤 約1週 間 内 外 の 投 与 に よっ
て 大 半 好 転 した 。 今 回 の 治療 症 例 か ら分 離 した 溶 連 菌 の
CEXのMICは1.56,ブ
菌 で は1.56∼3.12mcg/ml
Cephalosporin
C系
の経 口剤Cephalexin(CEX)の
小 児 科 領 域 に お け る 基 礎 的 並 び に臨 床 的 検 討 を 行 な い,
で あ つ た 。 全 症 例 に 対 す る本 剤 の 有 効 率 は 約80%で,副
次 の 結 果 を え た 。Coagulase陽
作 用 は み られ な か つ た 。この 際 の1日 の 投 与 量 は50mg/
板 希 釈 法 でCER感
kg以
上 で あ つ た 。 細 菌 性 赤 痢 に対 す る治 療 成 績 に 就 い
て は 現 在 検 討 中 で あ る。
7)
小 児 用Syrup製
小 児 用Dry
平 均)は
24時
infusion
agar
つ い て は 普 通 寒 天pH
pH 7.4で 接 種 菌 量 を 培 養
希 釈 菌 液 を 用 い,培 養 時 間 を18時
種,培
効 果 もCap.の
mcg/ml
100倍 希 釈 菌 液 接 種 時 で は培 地pH
mcg/ml
pH7.4,3.13mcg/mlで
Dry
Syrup(CEXと
して15∼20mg/kg)内
服 後 の小
児血中濃度
地pH
6.6で
は6.25mcg/ml,pH
7.4で
は12.5
6.6で1.56
培 養時間で は 差 は み
とめ られ な い 。 す なわ ち 接 種 菌 量 に 関 して は 原 液 接 種 の
1時 間3
9.2mcg/ml
C-21)
間,
間 で 実 験 を 行 な つ た 。 感 受 性 分 布 ピー クは 原 液 接
以 下 の とお りで,年 少 小 児 で も服 用 は 容 易 で あ り,臨 床
場 合 と類 似 して い た 。
について平
受 性 を し らべ,抗 菌 力 に 及 ぼ す 諸 因
菌 原液 と100倍
用 後 の 血 中 濃 度(5名
性 ブ菌32株
子 の検 討 を 行 な つ た 。 培 地pHに
6.6とheart
剤 に関 す る検 討
Syrup服
泰
大阪医大小児科
6
1.9
場 合 よ り100倍 希 釈 菌 液 接 種 の 場 合 の ほ うが2濃 度 段 階
0.5
抗 菌 力 は 強 く現 わ れ る。 次 に培 養 時 間 の抗 菌 力 に 対 す る
小 児 科 領 域 に お け るCephaiexinGlaxoの
臨 床 成 績
影 響 を み る と普 通 寒 天(pH
iogiycin(CEG)と
影 響 は み とめ られ な い が,CEGは
(誌 上 発 表)
間 培 養 で 抗 菌 力 が1段
agar(pH
水 原 春 郎 ・八
6.6)で
坂
篤
菌 力 は18時
川崎市立病院小児科
わ れ わ れ は患 児22名,男11名,女11名
1exin-Glaxo(CEX-T)を60mg/kg/dayの
な い,そ の臨 床 成 績 に つ い て検 討 した 。
7.4)で
6.6培
内服を 行
agar(pH
CEX,
ほ とん ど
原 液 接 種 時 の み24時
階 劣 る 。 ま たheart
はCEXは
原 液 接 種24時
infusion
間培養 で抗
間培 養 に 比 し,1濃 度 段 階 劣 る よ うで あ る。
と くに こ の傾 向 は 著 明 で100倍
にCepha-
はCERとCepha-
を比 較 した 場 合 とCEXは
希 釈 菌 液 接 種 時 で もpH
地 の場 合 よ りそ の 程 度 は 強 い 。Heart
CEG,
7.4)を
用 い 原 液 接 種 で24時
CER, CETの
infusion
間培養にお ける
感 性 分 布 を み る と,感 受 性 ピ ー
CHEMOTHERAPY
422
ク はCEX12.5∼25mcg/ml,CEG25mcg/ml,
0.78mcg/ml,CET
CER
0.2mcg/mlで
吸 収 ・排 泄 に つ い て は 健 康 小 児3例
菌 と した 。2例 に500
は1時
mg
を対 象 と し血 中 濃 度,
5)
hemolyticus伝
間後
1回 投 与 した 場 合12時
月 ∼6年8カ
管 系 感 染 症5例,
中13
に は 錠 剤 投 与 した 。 投 与 量 は 気
道 感 染 症 に は1日30∼65mg/kg,腸
∼82mg/kgで
散 剤 は1日4回
回 分 服2∼10日
につい て
月 の 小 児 で17例
管 系 感 染 症1日50
分 服 ,錠 剤 は1日3∼4
間 投 与 した 。 治 療 効 果 は 有 効13例,無
効4例 で 気 道 感 染 症 で は 有 効8例,無
効2例
で有 効 率 は
80%,腸
効2例
であつた。
管 系 感 染 症 で は 有 効3例,無
大 菅 志 郎 ・田 中 豊 治
慶 応 義 塾 大 学 医学 部 外 科(島 田 信 勝 教 授)
Cephalexinに
関 す る基 礎 的 お よ び 外 科 領域 に お け る
臨床 成 績 を 検 討 した の で 報 告 す る。
病 巣 由来Staph.
aur.のCEXに
対 す るMIC分
寒 天 平 板 を 用 いた100mcg/mlか
と1.56∼12.5mcg/mlに
布を
ら の倍 数 希 釈 法 で み る
存 在 し,CERと
比 較 す る と4
∼6希 釈 段 階 感 受 性 は 低 く分 布 して い る。
B. subtilis PCI-219を
成 人 男 子 に250mgお
指 示 菌 とす る重 層 法 に よ り健 康
よ び50amgを
経 口投 与 し血 中
濃 度 を経 時 的 に 追 求 した 。 各 投 与 群 と もに1∼2時
な お 副 作 用 と思 わ れ る も の は な か つ た 。
C-23)
外 科 領 域 に お け る
石 井 良 治 ・石 引 久 弥
あっ
膿 痂 疹,急 性 頸 部 リ ンパ 腺 炎 各1例,計17例
例 に は5倍 散 剤 で,4例
あつたひ
(誌上 発 表)
に対 し500
1回 投 与 時 は89%で
た 。 治療 成 績 は,気 道 感 染 症10例,腸
検 討 した 。 年 令1カ
C-24)Cephalexinの
間 まで の 排 泄 率 は それ ぞ れ
mg
に 使 用 し,有 効 率83.3%で
検 討
時 の 血 中 濃 度 ピー クは1時 間 で10.1mcg/ml,4時
73.2%,83.6%で,250
外 科 疾 患30例
間2.5mcg/ml,6時
1回 投 与
mg
あつ た 。
臨床成績
研 株 を検 定
間 後 に は ほ とん ど検 出 され な か つ た 。250 mg
に は 測 定 不 能 で あ つ た 。 尿 中排 泄 で は,2例
1970
中排泄
6時 間 まで の尿 中 回 収 率41.8∼95.8%で
1回 投 与 時 の 血 中 濃 度 ピー ク
間 平 均17,5mcg/ml,4時
4)尿
あ る 。 次 にCEXの
尿 中排 泄 量 を 測 定 した 。 す な わ ち測 定 は 川 上 ・島 居 氏 重
層 法 で 行 な いStreptococcus
JULY
に ピー クに 達 し250mg投
mg投
外 科 領 域 に お け るCephaiexinに
間後
与 群 で は6∼9mcg/ml,500
与 群 で は8∼16mcg/mlで
あ つ た 。6時 間 後 に お
い て は ほ ぼ 消 失 した が,食 後 投 与 例 で は 食 前 投 与 例 に比
つ い て
し最 高 値 は 低 い が 血 中 か らの 消 失 は ゆ るや か で あつ た 。
(誌上 発表)
川 上
表 在 性 軟 部 組織 感 染 症35例
投 与 し臨 床 効 果 を み た 。 病 巣 分 離 菌 はStaph.
郁 ・岩 本 英 男
体 とす る も の で あ つ た が,35例
大 島 聰 彦 ・鷹 取 睦 美
中28例
経 口
aur.を
主
に投 与 効果 を 認
め た 。 な お 副 作 用 は 全 例 に み られ なか つ た 。
日大 石 山 外 科
Cephaiexinに
に1日0.25∼2gを
つ い て,抗 菌 力,血 中 濃 度,尿
中排 泄,
C-25)
外 科 領 域 に 於 け
るCephalexin
臨 床 使 用 成 績 を検 討 した 。
1)
の 使 用 経 験
抗 菌 ス ペ ク トラ ム
Staphylococcusは1.56∼3.12mcg/ml,Streptococcus
は3.12∼50mcg/ml,
(誌上 発 表)
E. colilま3.12∼12.5mcg/mlで
柴 田 清 人 ・加 藤 剛 美 ・伊 藤 忠 夫
そ れ ぞ れ 発 育 を阻 止 され た 。
2)
病 巣 分 離 黄 色 ブ 菌(50株)の
全 株 がCephalexinの3.12∼25mcg/mlに
Cephalosporin
血 中濃度
空 腹 時500mg内
平 均13.6mcg/mlに
食 後500mg経
4.5mcg/mlで
田清 人 教 授)
C系 新 抗 生 物 質Cephalexinに
就 いて
我 々の 行 な つ た 基 礎 的 検 討 な らび に 外 科 臨 床 使 用 経 験 を
服 の血 中 濃 度 は,30分
達 し,6時
され な くな る。 空 腹 時250mg内
平 均8.0mcg/mlで
田泰 夫
名 古屋 市 立 大 学 第 一 外 科(主 任:柴
よつ て 発
育 が 阻 止 され た 。
3)
水 野 貴 夫 ・藤 井 修 照.奥
感受性分布
で 最高濃度
間 後 に は ほ とん ど 検 出
服 後30分
で最高濃度
あつ た 。
口 投 与 後 に は,2時
あつた。
報 告 す る。
1)
500mg経
口投 与 に よ る血 中濃 度 は1時
とな り,7.3∼15.3mcg/mlを
度 で あ つ た 。250mg経
間で最高濃度平均
示 し,9時
口投 与 で は,同 様1時
とな り,5.1∼9.2mcg/mlを
2)
尿 中 に は500mg,250mgと
間で最高
間 で は痕跡 程
間で最高
示 した 。
もに3時 間 ま で に
CHEMOTHERAPY
VOL.18.NO.4
大量 が排 泄 され,3∼9時
3)
外 科 臨床26例
間 の排 泄 量 は僅 か で あ つ た 。
に 本 剤 を 使 用 し,無 効 は2例
のみ
423
C-28)
産 婦 人 科 領 域 に お け るCephalexin
の 基 礎 的 臨 床 的 研 究
で,高 い有 効 率 を 示 し,副 作 用 は 全 く認 め られ な か つ た 。
な お本 剤 の 外 科 的 創 液 中濃 度 に 関 して も検 討 を 加 え
(誌 上 発表)
る。
水 野 重 光 ・高 田 道 夫 ・松 田 静 治
C-26)
外 科 領 域 に お け るCephalexin
森
操 七 郎 ・黒 川 徹 男 ・上 山 卓 也
の臨 床 成 績
順 天 堂 大 学 医学 部 産 婦 人 科 学 教 室
種 々 の検 索 を 行 な い,次
(誌上 発 表)
1.
橋 本 寿 雄 ・酒 井 克 治 ・岡 本 源 八
Staph. aureusに
大 阪 市 立 大 学 第2外 科
Cephalexin-Sお
3.12mcg/mlに,
よびCephalexin-Tの
病 巣 由来 細 菌
に対す る抗 菌 力,内 服 後 の血 中,尿 中,胆 汁 中 濃 度 さ ら
に尿 中排 泄 を 測 定 した 。
teasに
に 本 剤 を 投 与 し,そ の 臨
床 成績 を 検 討 した の で,分 析 して 報 告 す る。
血 中 濃 度,尿
中排 泄
1回 経 口投 与 時 の ピ ー ク は1時 間 に あ り,4時
あ る。1,000mg
1回 投 与 で は 約2倍
よ うに 高 く,6∼8時
1∼2時
新 しい抗 生 剤Cephalexin(CEX-T)を
用 い て,整 形
の 治 療 を 試 み た の で,こ
こに 報 告 す
る。
性 化膿 性 関 節 炎 お よ
性 器,膀
500mg
性 化 膿 性 滑 液嚢 炎2例,急
膀 帯 血 中 濃 度 は33例
4mcg/mlと
に 分 服,使
で,使 用 総 量 は 最 高180gで
治療 成 績 は,著 効1,有
効9,や
効 率 は14例
副 作用 に つ い て は,1例
月 の小 児
用 期 間 は 数 日か ら最
あつた。
や 有 効3,無
中10例,71%で
水,乳 汁 中濃 度
間 まで の 観 察 に お い て1mcg/ml以
に移 行 が 認 め られ,1時
投与 量 は 成 人 に 対 して は1日2∼3g,11カ
間 以 後 は急 速 に 減 少 して い る。
の検 索 に お い て,約30分
間 で1∼2mcg/ml,2時
母 体 血 中 濃 度 の 約1/2を
ま で 同 様 の 濃 度 を 維 持 して,5時
転 し,約7時
あつた。
に 胃腸 障 害 が み られ た が 投 与
示 し,以 後4時 間
間 以 後 は血 中 濃 度 と逆
達 し,以 後9時
様 の濃 度 が 維 持 され て お り,CEXは
間 まで 同
羊 水 中 に お い て安
定 で あ る。
乳 汁 中 濃 度 は6例 で は 測 定 不 能 で あ り,測 定 毎 に 全 搾
中止 後症 状 は 消失 した 。血 液,尿,肝
障 害 所 見 な どを 呈
乳 を 行 な つ た2例 で は 約2時
した もの も なか つ た 。 以 上,CEXを
種 々の疾 患に 用い
ピ ー クが 認 め られ,4時
有 効な 成 績 を お さ め た 。
で既
間で約
間 ま で 測 定 可 能 で あ る。 そ の 際 の 羊 水 中 濃
度 は2時 間 で1∼4mcg/mlに
効1,
下 と比 較
的低値 である。
性化膿
に は1日400mgを4回
判定 不能2で,有
帯血,羊
ほ とん どが そ の
測 定 時 に お け る 排 泄 ピ ー クは 約
1回 経 口投 与 に お い て 子 宮,卵 巣,卵 管 内 濃
椎 脊 髄 疾 患 お よび そ の 他 の 疾 患 に合 併 し
た 尿路 感 染 症5例 で あ る。
高60日
2)
間 に あ り,4時
度 は 約6時
性筋 炎1例,脊
間 で70∼100%と
ま ま尿 中 に排 泄 され,各
川崎市立病院整形外科
び 関節 周 囲 炎5例,急
の最高血中濃度 を
認 め るが,持 続 時 間 に は 大 差 が な い。 尿 中 排泄 率 は ひ じ
菅 野 卓 郎 ・宇 田 正 長 ・原 科 孝 雄
対 象 は 急 性 化膿 性 骨 髄 炎3例,急
は全 て 耐 性 で あ る。
体 液,臓 器 内濃 度
間 後 に は 急 速 に減 少 して8時 間 後 に は す で に 測 定 不 能 で
使 用
(誌上 発 表)
外科 的 感 染症16例
あ り,Street.
化 学 療 法 学 会 の規 準 に 従 が い,下 記 濃 度 を 測 定 した 。
1)
整 形 外 科 的 感 染 症 に 対 す る
Cephalexin(CEX-T)の
山 は1.56∼
お い て は12.5∼25mcg/mlに
500mg
C-27)
対 す るCEXのMICの
E. coliで は6.25∼12.5mcg/ml,Pro-
fecalis, Pseudomonasで
2.
また,外 科 的 感 染 症 約150例
の成績をえた。
感 受性
間 で2.8∼4.5mcg/mlと
間 ま で ほ ぼ 同 濃 度 を 維 持 し,8
時 間 では 測 定 不 能 で あ る。
3.
臨 床 効果
内性 器 感 染症13例,頸
管 淋1例,外
創 感 染4例,産
褥 乳 腺 炎3例,急
膀 胱 炎5例,子
宮 癌 術 後 尿 路 感 染4例,腎
82例 にCEX1日1.0g,1.5g,2.0g投
陰 膿 瘍4例,術
性 膀 胱 炎51例,慢
性
孟 炎4例,計
与 を行 な い 良
好 な成 績 を 得 た 。 各 種 疾 患 別 有 効 率 は 急 性 膀 胱 炎 で90
CHEMOTHERAPY
424
%以
上 と最 も す ぐ れ,慢 性 膀 胱 炎,子 宮 頸 癌 術 後 尿 路
感 染 では50∼60%,急
性 腎 孟 炎75%,内
%,外
創 化 膿75%,産
陰 膿 瘍50%,術
性 器 感 染 症80
後 尿 路 感 染 に お い て は 明 ら か に1日1.59以
宮癌術
与
な お 検 出菌 別 に 効果 を 観察 し,検 出 菌MICと
臨床 効
抗菌 力
の 比 較 を行 な つ た 。
2)
血 中 濃 度,尿
例 で 後 者 の 平 均 はPeakが1時
80.8%の
副作用
腎,肝 機 能 は 投 与 前 後 に お い て1例 を 除 き著 変 は認 め
られ ず,消 化 器 障 碍 もほ とん ど な く,皮 膚 発 疹 も認 め ら
1回 経 口投 与4
間 で15.0mcg/mlで
あ
3)
均
高 値 を 示 した 。
体 内分布
乳 汁 中 濃 度,膀 帯 血 お よび 羊 水 移 行,性 器 内濃 度 に つ
い て測 定 した 。
れ なかつた。
4)
C-29)
中排泄
1回 経 口投 与1例,1,000mg
つ た 。 尿 中 排 泄 は6時 間 まで に ほ とん ど行 な われ,平
果 とを 対 比 検 索 した 。
4.
つ い て 基 礎 的 臨 床 的 検 討 を 行 な つ た 結果
病 巣 か ら の分 離 菌 に つ い てAB-PC,AG-98,CER,CET,
500mg
で も良 好 な 成 績 を示 して い る。
1970
を 報 告 す る。
CPと
上,2.0g
程 度 の 投 与 が 必 要 で あ る が,急 性 膀 胱 炎 で は1.0g投
axa-Torii)に
1)
褥 乳 腺 炎100%
で あ る。 投 与 量 別 に み る と重 症 内 性 器 感 染 症,子
JULY
Cephalexinの
使 用 経 験
主 とし
て尿 路 感 染 症 に 対 し て
臨床 使 用 成 績
17例 中12例(70%)に
有 効 で,し か も子 宮 癌 術 後 の
難 治 性 尿路 感 染 症 に も有 効 例 を見 た 。
(誌 上 発 表)
C-31)
山本
浩 ・長 田
宏 ・浅 岡
Cephalexinに
(誌上 発 表)
川 崎 市 立病 院 産 婦 人 科
経 口投 与 可 能 な 新 し いCephalosporin
Cephalexin(CEX-T)を
尿 路 感 染 症50例
C系
青 河 寛 次 ・加 村 弘 幸
抗 生 剤,
神戸中央病院産婦 人科
に 使 用 し,
山
検 討 した 。
投 与 方 法 は 原 則 と して,1日3gを3回
原 因 菌 は 大 腸 菌15例
治 療 効 果 は,著
を含めて グラム陰性桿菌 による
効5例,有
計40例(80%)に
効28例,や
や 有 効7例,
性 菌 に よ る感 染 症 で あ つ た 。 な お4例 は 投 与 後
来 院 せ ず 判 定 不 能 に 終 つ た もの で あ る。
副 作 用 は,最 高549使
用 を 含 め て,治 療 に わ ず か に
上 昇 お よびA/G比
合 成Cephalosporin
(CEX)に
有 効 で あ つ た 。 無 効6例(12%)は
の下 降 が 認 め ら れ た 他 は,
胃腸 障 害,発 疹 等 を 来 た した 症 例 は 全 くな か つ た 。
以 上,本 剤 は 尿 路 感 染 症 に 対 して 充 分 有 効 な 薬 剤 で あ
る と考 え られ る。
1.
C内
服 剤 で あ るCephalexin
つ き,以 下 の知 見 を え た の で 報 告 す る。
体内濃度
健 康 婦 人 に つ き,Streptococcus
haemolyticusを
(Giaxo-Torii)の
検 討
(誌 上 発 表)
1回250mg,500mg,1,000mg空
食 後 投 与 で,そ のPeak
腹 時 お よび500mg
levelは それ ぞ れ5.9土1.5mcg/
ml,14.8±3.0mcg/ml,26.4土4.2mcg/mlお
土1.5mcg/m1で
間,食
あ り,Peak
後 投 与:2時
は54∼60分
よび5.4
timeは
空 腹 時 投 与:1時
間 で あ る。 す な わ ち,CEXは
中 野 義 雄 ・今 村 元 彦
京都府立医科大学産 婦人科
(主任:徳
C系
田源 市 教 授)
の 新 抗 生 物 質Cephalexin(Gla-
投与
のHalf
life
で あ る。
こ の さ い のUrinary
recovery(0∼12時)は
与 で88.9土4.7∼83.6土3.5%,食
%で
徳 田 源 市 ・金 尾 昌 明
被 検
菌 とす る重 層 法 を 用 い,そ の 体 内濃 度 を 測 定 した 。CEX
量 に した が い 血 中 に 高 濃 度 に 吸 収 さ れ,そ
産 婦 人 科 領 域 に お け るCephalexin
Cephalosporin
彦
国立舞鶴病院
も の が ほ とん ど で あ つ た 。
C-30)
邦
奥 村 次 郎 ・小 林 森 作
間 を ふ や した 。
GOTの
路
近 畿母児感染症 セン ター
に 分 服 し,4
日間 連 続 投 与 した が,症 状 に よ り投 与 量 な らび に投 与 期
CEX耐
関 す る研 究
健
空腹時投
後 投 与 で69.6土15.5
あ る。
い つ ぼ う,CEX連
続 投 与 時 に は,毎6時
間隔 で ほ ぼ
一定 の 体 内 濃 度 を 維 持 した 。
2.
抗菌作用
最 近 の 臨 床 分 離 株 の うち,病
株 を,Plate-agar法
ブ菌 お よび 大 腸 菌 各100
に よ りCEX・CER・CETに
対す る
VoL.
18. No.
4 CHEMOTHERAPY 425
感 受 性 を 測 定 した 。病 ブ 菌 に 対 しCEXは,3.12mcg/
m1 を Peak
と し1.56∼12.5mcg/m1に90%が
分 布
した 。 また,大 腸 菌 に対 し,12.5mcg/mlをPeakと
6.25∼25mc9/m1に76%が
C-34) 泌 尿 器 科 領 域 に 於 け る Cephalexin
の 応 用
し
分 布 した 。
(誌上 発 表)
3. 臨 床 試 用 成 績
の臨 床 投 与 量 を 決 め る た め,尿 路 感 染 に 対 し
大 越 正 秋 ・名 出 頼 男
blind test を 実 施 した 。 す な わ ち,非 合 併 性 尿
川
CEX
Double
路 感 染 には,CEX
1g/日 投 与 群 と29/日
の泌 尿 器 科 領 域 に お け る 応 用 と して,基 礎 的 研 究(細 菌
つ7日 間 投 与 群 で は40例
中3例,2
学 的 研 究,吸 収 排 泄)お
中5例 に 副 作 用 を み とめ,こ れ ら は
す べ て 胃 腸 症 状 で あ つ た 。 しか し,臨 床 検 査 成 績 で は,
血 液 ・肝 ・尿 な どに 特 に 異 常 を み とめ な か つ た 。
C-32) て行 な つ た 慢 性 症 を対 象 と した 治 療 経 験 を 主 と し て,発
C-35) 検 討
泌 尿 器 科 領 域 に お け るCephalexin
の 使 用 経 験
(誌上 発 表)
湯
浅
(誌上 発表)
充
雄
生 亀 芳 雄 ・工 藤 三 郎 ・小 川 秀 弥
姫 路赤十字病院産婦人科
Cephalosporin
関東逓信病院 泌尿器科
C 系 抗 生 物 質 に 属 し高 い経 口吸 収 率 を
示 す 新 抗 生 物 質 の Cephalexin
(Glaxo)
に つ い て 産婦
人 科 領 域 感 染 症 の臨 床 使 用成 績 な らび に 吸 収 排 泄,病
原
菌 に 対 す る感 受 性 等 につ い て検 討 した の で報 告 す る.ま
た 尿 中 の 代 謝 産 物 に つ い てCephaloridine,Cephalothin
等 と比 較 して Cephalexin
graph,
よび,急 性 単 純 性 尿 路 感 染 症 を
対 象 と した 治 療 経 験 を発 表 した 。 今 回 は,そ の 後 追 加 し
表 する。
産 婦 人 科 領 域 に お け るCephalexin
(Glaxo)の
慶大泌尿器科
我 々は 昨 年 の東 日本 支 部 総 会 に お い て,Cephalexin
日投 与 群 が す ぐれ て いた 。
g投 与 群 で は40例
猛 ・鈴 木 恵 三
投与群 内 に は
有 効 率 の 差 は な い が,合 併 性 尿路 感 染 に は,CEX2g/
CEX1日1gず
村
Bioautograph
に つ い てPaperChromato-
で 検 討 した の で あ わ せ て 報 告 す
我 々は 今 回,急 性 腎 盂 腎 炎,膀 胱 炎,前
立腺炎 ならび
に 単 純 性 尿 道 炎 な どの 泌 尿 器 感 染 症 に 本 剤 を 使 用 した の
で,そ の 投 与 形 式,治
療 効 果,副
作用 な どに つ い て報 告
す る が,同 時 に 本 剤 の デ ィ ス ク感 受 性 に つ い て も言 及 す
る。
C-36) Cephalexin-Glaxo使
用 成 績
る。
(誌上 発表)
C-33) 尿 路 感 染 症 に 対 す る Cephalexin
山 本 泰 秀 ・石 川 博 義
の 基 礎 的,臨
床 的 研 究
(誌 上 発 表)
西 村 洋 司 ・宮 村 隆 三
足 立 卓 三 ・高 安 久 雄
東大泌尿器科
Cephalexin
500 mg
組 織 内濃 度 をCup法
1 回 内 服 時 の 血 中,尿 中 お よび 腎
に よ つ て 健 康 人 と腎 機 能障 害 者 に
つ い て測 定 し,比 較 検 討 した 。
また 各 種 尿 路 感 染 症 に対 す る 臨床 効 果 に つ い て も検 討
を 行 なつ た の で,そ
の成 績 を 報 告 す る。
川崎市立 病院泌尿器科
Cephalexin-Glaxo
1日2g内
の 使 用 方 法 は,6時
服 を 標 準 と した 。
症 例 は,急
性 腎 盂 腎 炎8名,慢
膀 胱 炎4名,慢
性 膀 胱 炎7名,非
立 腺 炎2名,計26名
効5例 で 有 効 率 は81%で
うち 菌 の 改 善 した もの15例,無
善 した も の19例,無
急 性 疾 患12例
効6例
効6例,自
あ る。 そ の
覚症状 の改
性 疾 患14例
中
成 績であつた 。
分 離 菌 はE.coli,
な ど分 離 菌21例
性
で あつ た 。
中有 効9例(75%),慢
有 効5例(35.7%)の
ま た,CEX
性 腎 盂 腎 炎3名,急
淋 菌 性 尿 道 炎2名,前
で あ る。 使 用 成 績 は,有 効14例,
や や 有 効7例,無
E.coliは6例
間毎 1 capsule,
.Klebsiella, Pseudomonas,
中15例
Proteus
まで は グ ラ ム陰 性 桿 菌 で あ る 。
中5例 に 有 効 で あつ た 。
の精 液 移 行 濃 度 に つ い て測 定 した と こ ろ,
426 CEXは
CHEMOTHERAPY 前 立 腺 組 織 中 に 高 濃 度 に 浸透 す る こ とが 考 え ら
れ,前
立 腺 炎,尿
道 炎 の 治 療 に有 効 と思 わ れ る 。
副 作 用 に つ い て は,1例
に軽 度 の 口渇,1例
JuLYI 1970
C-39) Cephalexin
の 各 種 尿 路 感 染症 に
対 す る臨 床 効 果
に肝機能
障 碍 が 見 られ た が,投 与 中止 に よ り消 失 した 。
C-37) (誌 上 発 表)
尿 路 感 染 症 に 対 す るCephalexin
百 瀬 俊 郎 ・熊 沢 浄 一 ・楢 橋 勝 利
の 応 用
日 高 正 昭 ・清 原 宏 彦
九州大学泌尿器科
(誌 上 発 表)
石 神 嚢 次 ・原
信
合 成 セ フ ァ ロス ポ リンC製 剤 の うち,セ フ ァ ロ リジ ン,
二
セ フ ァ ロ シ ンの 尿 路 感 染 症 に対 す る有 用 性 に つ い て は す
三 田 俊 彦 ・福 田 泰 久
で に 広 く認 め ら れ て い る。 しか し これ らは 経 口投 与 で は
神戸大学泌尿器科
経 口Cephalosporin系
効 果 な く,筋 注 あ るい は 静 注 に よら ね ば な らず,外 来 症
製 剤 で あ るCephalexinを
諸
例 に は あ ま り使 用 で き な い の が 欠 点 で あ つ た 。 今 回新 し
種 の 尿 路 感 染 症 に 使 用 し,そ の 臨床 効 果 を 観 察す る と と
く経 口摂 取 可 能 の 合 成 セ フ ァ ロス ポ リンC系 製 剤 セ フ ァ
もに,経
レキ シ ンが 開 発 され た 。 わ れ わ れ も本 剤 を 各 種 尿 路 感 染
口投 与 時 の 血 中濃 度,尿
中 排 泄 率 を 測定 し,ま
た 併 せ て 尿 路 か ら 分 離 した 各 種 菌 に 対 す る抗 菌 力 を 検 索
症 に使 用 して み た 。 そ の結 果,1g投
した の で報 告 す る 。
路 感 染 症20例
1. 臨 床 効 果
路 感 染 症4例
80例 の尿 路 感 染 症 に 使 用 し,著 効56例,有
無 効13例,有
効 率83.7%の
効11例,
与 群 で は単 純 性 尿
効 率80%),複
で はす べ て 無 効 で あ つ た。2g投
中有 効7例(有
有 効3例(有
成 績を得た 。
2. 血 中濃 度
CEX
単 純 性9例
中有 効16例(有
効 率78%),複
効率27%)で
1.Og
1回 投 与 後 の血 中 濃 度 の ピー ク は
は12株
中10株
消 失2株 存 続 し,Streptococcus faecalis
1株 は 存 続 して い た 。E.coliは23株
を 示 し,そ の 後 急 速 に 減 少 し,持 続 は4時
11株,菌
間 まで 認 め ら
中 消 失8株,存
2. 尿 中 排 泄
1株 は 菌 交 代 現 象 でproteusに
回投 与 した 場 合 の尿 中排 泄 率 は 極 め て 良
間 まで に80%以
上の排泄 を認めた。
4. 抗 菌 力
1株 もProteusに
形 菌,肺 桿 菌 に 対 す る 抗 菌 力 は
学 的 治 癒 率 は18/45(40%)と
比 して 悪 く,そ の 程 度 は1/2∼1/4で
あつ た。
250mgを,30才
碍 患 者42才
は3株 中2株 存 続,
交 代 し た 。Klebsiellaの
菌 交代 を な して い た 。 す な わ ち細 菌
な お,健 康33才
ブ 球 菌,大 腸 菌,変
続
交 代 現 象 を 起 した もの4株 で あ つ た 。Proteus
は5株 す べ て 存続 しtPseudomonas
れた 。
CEXに
中
あつた。
1時 間 後 に あ り,そ れ ぞ れ16.2mcg/ml,24.5mcg/ml
く,6時
与群 で ば
雑 性11例
細 菌 学 的 な 効果 を 検 討 し て み る と,staphylococcus
0.5g,
CEX1.Og1
雑性 尿
な る。
男子1名
と39才
男 子1名
と12才
の 女 子2名
の 男 子 各1名
に本 剤500mgを
に本 剤
と高 度 腎 機 能 障
経 口投 与 し,そ
5. 副 作 用
の血 中 濃 度 と尿 中排 泄 率 を 測 定 し た 。 測 定 方 法 はStre一
特 記 す べ き もの を 認 め な か つ た 。
Ptococous hemolyticus
C-38) 泌 尿 器 科 領 域 に お け るCephalexin
D に よ る重 層 法 に よ り行 な つ た 。
全 例食 後 投 与 で あ る が250mg投
の 使 用 経 験
新 島 端 夫 ・荒 木
徹 ・近 藤 捷 嘉
岡山大学泌尿器科
94.5,99.3%を
2名 の うち1名
認 め た 。500mg投
は30分
8.0 mcg
に っ い て,基 礎 的 検 討 お よ び 臨 床 的 使 用
く に,腎 機 能 障 害 例 に 投 与 した 場 合 の 血 中濃
度 お よび 尿 中 排 泄 を検 討 した 結 果 と を報 告 した 。
な お,詳 細 は 原 著 に て 発 表 す る。
与例 で は健 康 成 人
目,他 の1名 は1時 間 目に 最 高
血 中 濃 度 に 達 し(16.4,13.2mcg/ml),尿
間 目 まで に110.8,94.3%の
の結 果,と
8.0,
/ml),尿 中 排 泄 率 は きわ め て よ く8時 間 目ま で に107.8,
(誌上 発 表)
Cephalexin
与 例 はす べ て血 中 濃度
は 投 与 後1時 間 目に 最 高 に 達 し(10.0,
排泄 率を認めた。
高 度 腎 機 能 障 碍 者1名 は30分
高 血 中濃 度 に 達 し,8時
中 排 泄 は8時
目に6.6mcg/mlの
間 目に1・5mcg/m1あ
時 間 目に もほ ぼ 同 程 度(1.6mcg/m1)の
最
つ た が32
血中濃度を認め
ていた。
な お,副 作 用 は1例
に食 欲 不 振 を み た の で あ り,投 与
中 止 に よ り翌 日か ら この 症 状 は 消 失 した 。
VOL.18.
NO.
4 CHEMOTHERAPY 427
表 的 感 染 症 に対 して,CEX
C-40) Cephalexinの
尿 路 感 染 症 に於 け
服 させ た 結 果,す
る使 用 経 験
1 日1.5∼2.Og(3∼4回)内
ぐれ た 臨 床 成 績 を え た 。 ま た,CEX内
服 に 際 して 臨 床 的 副 作 用 は まつ た く経 験 しな か つ た 。 な
お,CEX1週
(誌上 発表)
間 以 内 の短 期 間 投 与 例 で は,Audi◎gram
に は 悪 影 響 を お よぼ さ な か つ た 。
岡 元 健 一 郎 ・角 田 和 之 ・坂 本 日 朗.
C-42)
鹿 児 島 大学 泌 尿器 科 学 教 室
新経 口Cephalosporin系
種 々の尿 路 感 染 症42症
1日1g投
腎炎2例,淋
Cephalexinの
製 剤 で あ るCephalexinを
(誌 上 発 表)
例 に 投 与 した 。
与 群 で は,単 純 性 膀 胱 炎11例,急
菌 性 尿 道 炎3例,単
三 国 政 吉 ・大 石 正 夫 ・周 田 茂 雄
性腎盂
純 性 尿 道 炎1例
今 井 正 雄 ・高 橋 篁 子
の計
新潟大眼科 教室
17症 例 に 対 して は 全 例 に 著 効,有 効 を み た 。 複 雑 性 膀 胱
炎 と慢 性 腎 盂 腎 炎 の16例
中8例 に 著 効,有
無 効 であ つ た 。1日2g投
与 群 では 複 雑 性 膀 胱 炎,慢 性
腎盂 腎 炎9例
眼 科 的 応 用
効で半数は
中6例 に 著 効,有 効 を 経 験 した 。 従 が つ て
単 純性 尿 路 感 染 症 の場 合1日1g投
与 で充 分 な 効 果 を 期
Cephalexin(CEX)の
眼 科 的 応 用 に 関 す る基 礎 的 な ら
び に 臨 床 実 験 を行 な い,次 の 成 績 を 得 た 。
1) 教 室 保 存株 に 対 す るCEXの
抗菌 力 は,K-W菌
50mcg/m1,M-A菌02rncg/ml,肺
炎 球-菌1.56∼5
待 で き る と考 え る が,複 性 尿 路 感 染 症 の 場 合 は1日2g
mcg/ml,ジ
フ テ リ0菌0.39∼1.56mcg/m1,淋
投 与 のほ うが よ い と思 う。
mcg/ml,レ
ンサ 球 菌0,39∼50mcg/ml,ブ
副 作用 は1日1g投
与,2g投
与 で もほ とん どな か つ
た 。次 に基 礎 的 検 討 で は 血 中 移 行 は 吸 収 が 早 く1時 間 後
に 最 高値 を えた 。 尿 中 排 泄 は6時 間 ま で に60・6%の
収 率 を え,高 率 で あ つ た 。CEXとCERま
回
た はCET
との感 受 性 相 関 は ほ とん どす べ て の分 離 菌 に 高 度 の 相 関
2) 病 巣 分 離 のStaph.our.92株
これ を 占 め てい る 。
下 に 発 育 を阻 止 され てい る。
3) 健 康 成 人3名 に 本 剤500mgを1回
的研究
血 中 濃 度 の推 移 を 調 べ た 。3例
つ て17.0∼20,0mcg/ml(平
(誌上発表)
以 後 急 減 し て6時
岩 沢 武 彦 ・木 戸
勉
札幌逓信病院耳鼻咽 喉科
新Cephalosporin
mcg/ml)を
試験
管 内 抗菌 力 は,化 膿 性 中 耳 炎 耳 漏 分 離 の Coagulase
に 対 して,寒
mcg/m1(67%)にMICが
陽
天 平 板 希 釈 法 で0.19∼
わ た り広 く分 布 し,と
く に1.56∼6.25
集 中 して い た が,CEP
よ り感 受性 が 劣 つ て い た 。 また,病
経 口投 与 して
と もpeakは1時
間にあ
均18.7mcg/ml)に
達 し,
間 後 も0.6∼0.9mcg/m1(平
示 し,8時
均0.8
間 後 に は証 明 され な い 。
4) 眼 内移 行
C 系 抗 生 物 質Cephalexinの
性 ブ ドウ球 菌60株
に 対 す る感 受 性 は
は じめ従 来 の 各 種 抗 生 剤 に 高 度 耐 性 を 示 す 菌 株
はCEXの5mcg/ml以
関 す る基 礎 的 臨 床
あ
分 布 し,分 布 の 山 は2,5mcg/mlに
あ つ て53株(57.6%)が
PCを
C-41) Cephalexinに
よ び 緑 膿 菌>100mcg/m1で
る。
0.5∼5mcg/m1に
を認めた。
100mcg/mlに
0.78∼1.56mcg/mlお
菌0.2
ド ウ球 菌
,CET
巣分離の溶血性 レン
成 熟 家 兎眼 を 用 い て 眼 内 移 行 を 調 べ た 。 本 剤50mg/
kgを
直 接 胃腔 内 に 投 与 し た 際 の 前 房 内濃 度 は2時 間 後
peak値(2.3mcg/m1)に
も1.2mcg/m1を
達 し,以 後 漸 減 し て4時 間 後
示 し,6時
間後は測定不能 であつた。
同 時 に 測 定 した 血 中 濃 度 との比,前
39・8%で
房,血 清 比 は6.4∼
あ つ た 。 同様 経 口 投 与 後2時 間 お よ び4時 間
サ 球 菌,緑 膿 菌,変 形 菌,大 腸 菌 な どに つ い て も抗 菌 力
に そ れ ぞ れ 眼 球 を 摘 出 して眼 組 織 内 濃 度 を 測 定 した 。2
を 検 討 した 。 そ の 他,抗 菌 力 に お よぼ す 諸 因 子 の 影 響,
時 間 値 で は 前 眼 部,眼
ブ ドウ球 菌 に 対 す る CEX
度 を示 し,4時
交 叉 耐 性,CEX
とPC-G,
10mg/ml水
な ど との
溶液 の安定性につ い て も
述 べ る。 健 常 成 人 のCEX500mg内
重 層 法 で1時 間 後 にpeakに
CER, CET
服 後 の 血 中濃 度 は,
達 し,8時
間 後 に は ほ とん
ど消失 して い た 。 また,健 常 成 人 の500mg内
服後 の尿
中排 泄,組 織 内(口 蓋 扁 桃, 上 顎洞 粘 膜)移 行 濃 度 な ど
を調 べ た 結 果 に つ い て も発 表す る 。 耳 鼻 咽 喉 科 領 域 の 代
内 部組 織 と もか な り良 好 な 移 行 濃
間 値 で は2時
間値 の 約1/2量
の移行濃度
を認め た。
5) 臨床 成 績
各 種 眼 化膿 症22例
小 児 に1.0gを
に,本 剤 を 成 人 に は1日2.0g,
そ れ ぞ れ4回
分服投与 し て 経過 を 観察
した 。
Stapp.aur.に
よ る外 麦 粒 腫9例
に は4∼5日,総
量
CHEMOTHERAPY
4 2 8
4,0∼10.0g
を 使 用 して,2例
著 効,6例
効 の 成 績 が 得 ら れ た 。 内麦 粒 腫6例
間 に4.0∼12.09を
有 効,1例
に対 して は4∼6日
投 与 し 著 効1,有
効3,や
お よび 無 効1の 効 果 を示 した 。 慢 性 涙嚢 炎2例
moeoeeus
と Staph.aurを
やや
間,12∼14g内
や 効1
はPneu-
服 さ せ て2
例 と も涙 嚢 貯 溜 液 は 水 様 透 明 とな つ た 。 急 性 涙 嚢 炎 の1
例 は Staph. aur,
性 の も の で 本 剤 を7日 間,14.0g使
用 して や や 効 果 が 認 め ら れ た 。 角 膜 異 物 の2例
10.Ogを
の2例
間
投 与 し術 後 感 染 防 止 に有 効 で あ つ た 。角 膜 潰 瘍
中,Staph.
用 した が,他
our.を 検 出 した1例
の1例
は本剤が有 効に作
は グ ラ ム陰 性 桿 菌 を 証 明 した もの で
無 効であつた。
以 上,副
mcg/ml
1970
に 対 して
6.25mcg/ml21株,12.5
14 株 と そ の 大 多 数 が3.13∼12.5mcgの
間 に
あつた。
Proteus mirabilis
mlで
の3種
に 対 し て は す べ て12.5mcg/
あ つ た が 緑 膿 菌 お よ びStyept.faecalisに
は100mcg/ml以
対 して
上 の値 を しめ した 。
ブ 菌 皮 下 感 染 治 療 実 験 で はMIC3.13mcg/mlの2株,
は異 物 除
去 後 に 感 染 防 止 の た め 本 剤 を 投 与 し た も の で,5日
試 験 管 内 抗 菌 力 で は 病 巣 分 離 の 黄 ブ 菌84株
は MIC3.13mcg/m139株,
証 明 した もの で,涙 嚢 洗滌 を
併 用 しな が ら 本 剤 を6∼7日
JULY 6.25mcg/m1の1株
mcg/m1の1株
で は か な りの 効 果 を 認 め た が,12.5
で は 効 果 は 認 め られ な か つ た 。
臨 床 成 績 で は 膿 皮 症 患 者21例
に投与を行なつた。傾
向 と し て は 分 離 菌 のMIC3.13mcg/m1ま
効 果 が あ つ た が,6.25mcg/m1で
で は 明 らか な
は効果は充分ではなか
つた。
作 用 と して2例 に 食 欲 不 振 が み られ た ほか,
ア レル ギ ー そ の 他 の 重 篤 な もの は1例
もみ ら れ な か つ
12.5mcg/ml
で は 効 果 は若 干 劣 る症 例 もあ つ た 。 こ の
点 か な り動 物 実 験 の 成 績 と 一 致 し た 。
た。
C-43) 皮 膚 科 領 域 に お け るCephalexin
C-45) 産 婦 人 科 領 域 に お け る Cephalexin
の臨床的検討
の使 用 経験
(誌上発表)
(誌上 発 表)
張
谷 奥 喜 平 ・荒 田 次 郎 ・藤 原 慎 一
徳 丸 伸 之 ・三 好
薫 ・小 玉
肇
昭和大学医学 部産婦 人科
岡山大学皮 膚科
Ceghalexin
詳 細 は 原 著 と して報 告 す る。
C-44) 血 移 行 濃 度,尿
皮 膚 科 領 域 に 於 け るCephalexin
の検 討
(誌 上 発 表)
樋 口 謙 太 郎 ・五 島 応 安
村 本 修 敬 ・栗 田 諒 一
九 州 大 学 皮 膚科
Cephalexin
(CEX)の
試 験管 内抗 菌 力,ブ
マ ウス 皮 下 感 染 治 療 実 験 成 績,お
のべ る。
南 薫 ・砂 田 裕 和
伊 藤 達 也 ・斎 藤 忠 明
ドウ球 菌 の
よび 臨床 成 績 に つ い て
につ い て,血
中濃 度,母 乳 中 濃 度,臍 帯
中排 泄,産 婦 人 科 的 感 染 症 に 対 す る臨 床
効 果 を 検 討 し,報 告 す る。