展示リスト - 大阪学院大学

企画展示「夏目漱石に学ぶ 『自分』探し」 展示リスト
展示期間:2016/10/1~11/30 展示場所:企画展示コーナー②(学習用資料向かい側)
タイトル
吾輩は猫である
「吾輩は猫である。名前はまだない。」という書き出しで始まる、漱石最初の長編小説。英語教師・苦沙
弥先生の家に迷い込んだ一匹の飼い猫の目を通して、人間社会を風刺的に描いている。
坊っちゃん
負けん気と正義感の強い「坊っちゃん」は四国の中学校に数学教師として赴任する。わんぱくな生徒たち
と、偽善的な大人たちを相手に大騒動を繰り広げる。作者の実体験をもとに描かれた、ユーモアにあふれ
た作品。
3
草枕
―山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい―。俗世から離れようと旅をする画家は、山中の温泉宿で那美という美しい
女に出会う。
4
坑夫
「本当の人間は妙に纏めにくいものだ。」十九歳の家出青年が巡る、“地獄”の鉱山と自らの心の深み。
漱石文学の真の問題作。
三四郎
東京の大学に入学した小川三四郎は、自由気儘な女性里見美禰子に出会い、彼女に強く惹かれてゆく。
青春の一時期において誰もが経験する、学問、友情、恋愛への不安や戸惑いを、三四郎の恋愛から失恋に
至る過程の中に描く。
それから
主人公の代助は三十歳を過ぎても親からの仕送りを受けて優雅に暮らしている「高等遊民」である。
かつて親友に譲った三千代と再会して、人妻である彼女との愛を貫く決心をする。愛を代償に社会から
葬られる夫婦はどうなるのか。
7
門
「誠の愛」ゆえに社会の片隅に押しやられた宗助とお米は、罪の重荷にひしがれながら背をかがめるよう
にひっそりと生きている。宗助は「心の実質」が太くなるものを欲して参禅するが悟れない。
これは求道者としての漱石じしんの反映である。
8
彼岸過迄
誠実だが行動力のない内向的性格の須永と、純粋な感情を持ち恐れるところなく行動する彼の従妹の千代
子。二人の恋愛問題を主軸に、自意識をもてあます内向的な近代知識人の苦悩を描く。
行人
女性というものに哲学的な懐疑をもつ一郎は、妻の愛情を疑うあまり、弟に自分の妻と一晩他所で泊って
くれと頼む。知に煩わされて、人を信ずる事の出来ない主人公の、苦悩と悲哀と、それにさいなまれる
運命的生活が描かれる。
こころ
恋人を得るために親友を裏切り、自殺へと追いこんだ。その過去の罪悪感に苦しみ、自らもまた死を選ぶ
「先生」…。愛と偽善、誠実の意味を追究した傑作。
11
硝子戸の中
自分を語ることに寡黙であった漱石が「自分以外にあまり関係のない詰らぬ」事を書くとことわって書い
た連作エッセー。記憶の底に沈んでいる体験や回想に光をあてることで静謐にして一種不思議な明るさに
満ちた表現世界を生み出している。
12
道草
留学から帰国し、大学の教師になった健三。著作に打ち込む健三を、妻は偏屈者と思っている。そんな健
三のもとに、縁が切れたはずの養父が金の無心に来て…。漱石の自伝的小説。
明暗
平凡な毎日を送る津田には、妻お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。ある日突然
津田を捨て、自分の友人に嫁いでいった清子が、一人温泉場に滞在していることを知った津田は、秘かに
彼女の元へと向かった…。濃密な人間ドラマの中にエゴイズムのゆくすえを描いて、日本近代小説の最高
峰となった漱石未完の絶筆。
14
I am a cat
"I Am a Cat", satirizes the foolishness of upper-middle-class Japanese society during the Meiji
era. With acerbic wit and sardonic perspective, it follows the whimsical adventures of a
world-weary stray kitten who comments on the follies and foibles of the people around him.
15
Botchan
"Botchan", like The Adventures of Huckleberry Finn or The Catcher in the Rye, is a classic of
its kind, a sly, funny, poignant tale about a young mans rebellion against the system.
16
Sanshiro
"Sanshiro" is a subtle portrait of first love, tradition, and modernization, and the idealism of
youth against the cynicism of middle age.
17
And Then
"And Then" tells the story of Daisuke, a young Japanese man struggling with his personal
purpose and identity, as well as the changing social landscape of Meiji-era Japan.
Mon
Sosuke and Oyone scrape out a quiet existence on the margins of Tokyo.While an unlikely
new friendship appears to offer a way out of this bind. It also soon threatens to dredge up a
past that could once again force them to flee the capital.
19
Kokoro
No collection of Japanese literature is complete without Soseki Natsume's "Kokoro". Divided
into three parts "Sensei and I", "My Parents and I" and "Sensei and His Testament" the novel
explores the themes of loneliness and isolation.
20
Grass on the wayside (Michikusa) dramatic inclinations yet retains the passion for which his work is known.
21
Light and darkness
1
2
5
6
漱
石
の
作
品
・
S
o
s
e
k
i
9
10
'
s
13
w
o
r
k
s
内容紹介
18
"Grass on the wayside" was his only autobiographical novel. In this, Soseki subtly tempers his
Light and Darkness, Soseki’s last – and unfinished – study of a young couple, Tsuda and his
wife O-Nobu, is widely acknowledged to be the best novel of modern Japan.
タイトル
漱
石
と
「
自
分
」
探
し
22
漱石人生論集
夏目漱石
23
社会と自分 - 漱石自選講演集 -
夏目漱石
漱石自ら精選した六篇の講演に「私の個人主義」を併録。創造的な生を若者に呼びかけ
た力強い言葉が胸を揺さぶる、今あらためて読みたい名講演集。
24
漱石の実験 - 現代をどう生きるか -
松元寛
生涯を通して漱石が試みつづけたものを、その時代的背景と作品から浮きぼりにし、
現代を生きる私たちの心の奥に照射する。
25
漱石を読みなおす
小森陽一
19世紀末から20世紀の戦争の時代にあって、個々人の「個性」を置きかえ不可能な差異
として認め、「自己本位」の孤独な闘いに生きた漱石。彼の生涯と文学を新たにたどり
なおし、その魅力を鮮やかにくみあげたフレッシュな再入門書。
26
漱石という人 - 吾輩は吾輩である -
駒尺喜美
人間の生き方を求め、上層知識人や文学愛好家ではなく「ただの人」に向かって作品を
書き続けた漱石。彼の魅力を作品と人生の足取りから分析する。
亀山佳明
個人として生きることの難しい近代日本社会において、個人主義を貫こうとした漱石。
その苦闘の足跡を彼の作品のなかにたどり、日本人にとって個人であることの現代的意
味を問うユニークな試み。
阿部謹也
古来から、日本人の生き方を支配してきた「世間」という枠組。夏目漱石らが描こうと
したその本質とは。西洋の「社会」と「個人」を追究してきた歴史家の視点から問い直
す。
泉谷閑示
気鋭の精神科医が豊富な臨床経験をもとに、日本語に潜む神経症性を徹底分析。
漱石が思索した「他律の個人主義」を参考に、近代的な輸入概念である「個人」「社
会」といったものについて、あらためて考える。
漱石日記
夏目漱石
漱石は明治三十二、三年から大正五年の死の年まで全集版で800ページを超す大部の
日記や断片を残している。ここにはそのうちからイギリス留学中の日記、修善寺大患時
の日記など7篇の日記を収録。人間漱石の内奥の声が響いてくる。
夏目漱石の手紙
中島国彦
長島裕子
漱石をしっかり読んでみたい、という人には、小説もいいけれど、一度漱石の手紙を
読むことをおすすめする。漱石の代表的な手紙を年代順に並べ、その若き日の手紙から
順にたどることによって、漱石の歩みを理解する。
川島幸希
漱石は、子どもの頃、英語嫌いだった。だが、英語教師になるまでに至る。漱石が作っ
た入試問題、授業方法、教え子との交流などから、現代にも通じる英語教育論を明らか
にする。
ダミアン・フラナガン
夏目漱石を「小説の王様」と評す英国人の著者が、日本語で記した漱石論。「漱石作品
はこれまで誤解されてきた」とするなど、創見に富んだ内容となっている。
三好行雄 編
多くの視点から漱石の姿を探る事典。人物像から作品・作家論までわかりやすく整理さ
れている。漱石を深く知るには欠かせない。
27
29
30
31
漱
石
と
海
外
留
学
内容紹介
雑誌への寄稿、「私の個人主義」などの講演、さらに妻・鏡子や正岡子規などの友人、
芥川龍之介など門下生に宛てた書簡を編集。人間と人生を深く洞察した漱石ならではの
警句と知恵に満ちた書。
28
漱
石
を
知
る
著者
夏目漱石と個人主義
-「自律」の個人主義から「他律」の個人主義へ-
「世間」とは何か
「私」を生きるための言葉
-日本語と個人主義-
32
英語教師夏目漱石
33
日本人が知らない夏目漱石
34
夏目漱石事典
35
名作早わかり夏目漱石全作品
36
漱石と英語
37
38
小石川文学研究会 編
大村喜吉
漱石のロンドン風景
漱石の留学とハムレット
-比較文学の視点から-
出口保夫
アンドリュー・ワット
代表作22作品の概要とエピソードが満載の早わかりダイジェスト版。何から読もうか
迷う時に手に取りたい1冊。
英文学者、英語教師、留学体験と、漱石の人生と英語は切り離して考えることはできな
いものだった。英語との密接な関係と作品への影響が解き明かされる。
漱石の見たロンドンは、まさに「黄金時代」のロンドンだった。彼の見た風景を視覚的
に楽しむことができる1冊。人々、町並、日常生活に至るまで漱石の感じたロンドンを目
にすることができる。
仁木久恵
第一部では、シェイクスピアの観点から、作品の実体を明らかにする。
第二部では、『ハムレット』と近代の日本を代表する作家達との関わりについて論じら
れている。
39
英文学者夏目漱石
亀井俊介
文学の「根本」を追求すべく、英国へと留学した漱石。その学問世界を解き明かすと同
時に、多彩な彼の文学世界が学問研究の成果の上に花開いたことを、精緻に生き生きと
語りつくす。
40
自転車に乗る漱石 百年前のロンドン
清水一嘉
留学生としてロンドンに滞在した夏目漱石。彼の眼で見たロンドンの風景が描き出され
る。
大阪学院大学図書館 ※展示期間中、記載の図書は全て「企画展示コーナー②(学習用資料向かい側)」に配置しています。