クールジャパン政策について

クールジャパン政策について
平成27年1月
経済産業省
生活文化創造産業課
1.クールジャパン政策の目的
1
1-1.クールジャパンのねらい
内需減少等の厳しい経済環境
自動車、家電・電子機器等の従来型産業に加えて、「衣」「食」「住」や
コンテンツ(アニメ、ドラマ、音楽等)をはじめ、日本の文化やライフスタ
イルの魅力を付加価値に変える (「日本の魅力」の事業展開)
新興国等の旺盛な海外需要を獲得し、日本の経済成長
(企業の活躍・雇用創出)につなげる
世界のクリエイティブ
産業の市場規模
イメージ
コンテンツ
ファッション
932.4兆円
約2倍
衣食住関連
関連商品
販売等への
波及効果!
地域産品等
463.9兆円
サービス
出典:A.T.カーニー分析のクールジャパン関連市場
本物を求める
観光客の訪日増
(インバウンド)
“クールジャパン”を体現する日本企業の
海外需要開拓・拡大を本格化!
2
1-2.我が国クールジャパン政策の経緯
平成19年 5月
第一次安倍政権において、甘利経済産業大臣が「感性価値創造イニシアティブ」を策定。製品や
サービスにまつわるストーリーを、日本の魅力・価値を高めるものとして推進。
平成19年 6月
経済成長戦略大綱の改訂の際に、「感性価値創造の推進」を掲げ、平成20年度から、平成22年
度までを、「感性価値創造イヤー」として、重点的に推進した。
平成22年 6月
経済産業省に、「クール・ジャパン海外戦略室」を創設。
平成23年 7月
経済産業省に、クール・ジャパン戦略室を改組・拡大し「クリエイティブ産業課(生活文化創造産業
課)」を創設。
平成24年12月
第二次安倍政権において、はじめて「クールジャパン戦略担当大臣」が置かれ、稲田大臣が任命さ
れる。
平成25年 2月
内閣総理大臣決裁により、クールジャパン戦略担当大臣を議長とする「クールジャパン推進会議」
が設置(菅原経済産業副大臣が構成員)。
平成25年 5月
クールジャパン推進会議においてアクションプランをとりまとめ・公表。
平成25年 6月
「海外需要開拓支援機構法(クールジャパン機構法)」が成立。
茂木経済産業大臣の下、「クリエイティブ産業国際展開懇談会(座長:依田巽 ギャガ(株)代表取
締役会長)」において中間取りまとめをとりまとめ・公表。
平成25年11月
「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」が設立。
3
1-3.クールジャパン関係府省の役割
【山口 クールジャパン戦略担当大臣】
内閣官房
内閣府
政府行政各部の総合調整/広報 など
総務省
農林水産省
経済産業省
・電気通信業・放送業の振興
・放送コンテンツの振興
・ICT活用の推進 など
「放送」
の海外展開
ジャパン
チャンネル
文部科学省
(文化庁)
・オリンピック
・文化芸術の振興
・文化財の保存・活用 など
「日本食」
の海外展開
・ファッション、デザイン、コンテンツ
などのクリエイティブ産業の振興
・ビジネス展開支援
・国際博覧会(2015年ミラノ万博等)
など
◆JETRO
◆クールジャパン機構
2020年
オリンピック
パラリンピック
地域資源を活か
した「観光」
ローカル
クールジャパン
在外公館を
活用した
情報発信
外務省
(在外公館)
・外国における日本文化紹介
・国際文化交流 など
・農業の6次産業化
/地域ブランド化
・農林水産物の輸出促進
など
◆JICA
◆国際交流基金
国土交通省
(観光庁)
・訪日促進
・国際会議の誘致
・国際観光人材の育成
・地域観光の振興 など
◆JNTO
4
1-4.各国のクリエイティブ関連産業振興施策
 コンテンツ産業は他産業への波及効果も高く、成長可能性のある重要産業であること
から、各国がしのぎを削って支援を行っている。
米国 : 「Trade Follows the Films」の下、官民協調によるコンテンツ産業振興と輸出促進。
 第一次大戦後、「Trade Follows the Films」(商務省:映画を1フィート海外に出す度に、他の商品が1ドル売れる)、
という考え方の下、映画産業の振興と、映画を利用した米国製品の輸出を促進。
 米上院外交委員会 「Conlon Report (1959年)」の中では、日本のメディア環境の充実や、日本文化が変化・標準化の過程
にあることに着目。大衆文芸・娯楽を、日本の中間層が対価を払える値段でより多く提供するべき、としている。
英国 : 「クール・ブリタニカ」の下、創造産業育成に注力。金融機能強化と車の両輪。
 「クール・ブリタニカ」のスローガンを掲げ(1998年)、創造産業戦略を積極展開。2001年には、デジタルコンテンツをGDP比
10%産業にする目標を提示。
 「Creative Britain(2008年)」では、クリエイティブ人材の育成・ビジネスの発展や、知的財産権の創造と保護等を内容とす
る、クリエイティブ産業発展のための戦略を公表。
仏国 : 伝統的に強力な文化産業政策を「デジタル・フランス」により更に強化。
 1980年代から、文化関連の予算額が拡大し、諸外国と比較しても高い水準を維持。映画を中心に、業界内に資源が再配
分される仕組みが構築されており、各種の補助金・税制優遇制度が特徴的。
 『デジタル・フランス2012』(2008年10月)を公表。創造産業育成や新技術によるコンテンツ制作への支援などを強化。
中国 : 「文化産業振興計画」の下、中国文化産業投資基金を設立し、文化産業支援を実施。
 中華人民共和国中央人民政府は、文化産業振興計画を発表(2009年9月)。その目標として「地域・業種を超えた経営の
実施による強力な市場競争力の保持生産高100億元(約1300億円)超の企業形成」を掲示。
 「中国文化産業投資基金」を2011年に設立。出版、映画、テレビ、インターネット等の産業に投資予定。政府が資金を呼び
水として、他からも資金を呼び込み、文化産業の振興を図るのが目的。資金規模は200億元(約2500億円)。
韓国 : 韓流ブームによる韓国製品の競争力強化も視野に、コンテンツ産業を集中的に育成。
 「文化大統領宣言(1998年)」の中で、「2007年までに世界5大コンテンツ大国」の目標を提示。コンテンツ振興ファンド設立
(約500億円)。
 韓流の長期的な成長のために、「代表的文化芸術コンテンツの育成」、「文化芸術を先導する専門人材の養成」、「文化芸
術と産業技術による創造」、「韓流持続化に向けた文化芸術の交流」を内容とする、文化芸術振興策「世界とともにする大
韓民国文化芸術発展戦略(2012年)」を発表。
5
1-5.主要国におけるクリエイティブ産業の市場規模:コンテンツ分野
 映画・アニメ・TV番組・ゲーム・書籍等のコンテンツ産業の国内市場規模は約12兆円で、
米国に次いで世界第2位の規模(2012年)。近年は、少子・高齢化や景気の停滞により
成長は横ばい。
 今後の持続的な成長のためには、日本のコンテンツの価値を活かし、海外からの収益を
獲得していくことが重要。
国内コンテンツ市場の全体像(2013年)
映像
4.5兆円
映像ソフト
約0.5兆円
音楽・音声
1.3兆円
音楽ソフト
約0.4兆円
ゲーム
1.5兆円
ゲームソフト
約0.3兆円
テレビ放送・
関連サービス
約3.5兆円
その他
(配信・ステージ)
約0.3兆円
コンサート入場料
0.2兆円
ラジオ関連
サービス
0.1兆円
携帯電話・イン
ターネット配信
約0.1兆円
(単位:10億US$)
図書・新聞・画像・テキスト
4.6兆円
700
書籍
約0.8兆円
600
米国
500
カラオケ
約0.5兆円
映画
約0.2兆円
主要国のコンテンツ市場規模(2012年)
オンラインゲーム
約0.7兆円
雑誌
約1.1兆円
400
アジア太平洋
フリーペーパー
約0.2兆円
携帯電話向け
ゲーム
約0.1兆円
新聞
約1.6兆円
300
200
中国
100
アーケードゲーム
約0.4兆円
その他
約0.9兆円
日本
韓国
インド
0
2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
出典:デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2014」
出典:PWC「Global Entertainment and Media Outlook:2012-2016」 *2012以降は予測値
(注)本調査についてはデジタルコンテンツ白書の調査範囲と異なり、広告代や
インターネットプロバイダ料金等も含まれる。
6
1-5.主要国におけるクリエイティブ産業の市場規模:ファッション分野
 主要国におけるファッション市場規模は、2013年に206兆円、2020年には325兆円へ成長。
- 中華圏は2020年までに60兆円拡大し、113兆円の世界最大の市場へと成長。
- 東南アジア圏は大きく成長するも、2020年時点で8兆円程度にとどまり、規模は限定的。
- 北米圏は堅調に成長。2020年までに10兆円拡大し、63兆円の市場規模に。
- 西欧圏は2020年時点で40兆円と一定の市場規模があるものの、成長は限定的。
中華圏
(単位:兆円)
18地域合計
50兆円⇒113兆円
成長余地:119兆円
(約60兆円増)
350
325
300
250
東南アジア圏
4兆円⇒8兆円
(約4兆円増)
北米圏
西欧圏
53兆円⇒63兆円
37兆円⇒40兆円
(約10兆円増)
(約3兆円増)
(1)
(単位:兆円)
2020年まで
の増加分(予測)
2013
103.9
206
200
150
63.5
100
50
0
2013 2020
25.0
18.9
12.2
5.9
日本
韓国
23.5
中国
3.5
2.9
香港
台湾
1.3
4.0
シンガ インド
ポール ネシア
(1) ファッション市場規模は、衣類、靴、鞄、時計、ジュエリー、美容品を含む
(2 )サウジアラビアの市場規模は鞄・時計・ジュエリーを含まない
Source: Euromonitor, A.T. Kearney分析
2.9
タイ
インド
米国
英国
8.5
8.4
20.8
11.3
イタリア フランス ドイツ
4.6
ブラ
ジル
ロシア
3.2
南ア サウジ
フリカ アラビア
(2)
7
1-5.主要国におけるクリエイティブ産業の市場規模:食分野
 2020年には米国を抜き中国が世界最大市場となり、追って米国、ブラジルと続く。
 成長率では中国、インド、ブラジル、ロシアが10%以上と高い。
 各国とも外食化の傾向が見込まれる。
食市場(外食+加工食品+飲料)
United Kingdom
3%
(10億US$)
240
Russia
Germany
4%
341
10%
356
241
408
140
France
United States
対象国全体
7068
2020
2009
366
4%
11%
1032
2009
2009
2020
Vietnam
1639
8%
2020
2009
2020
5%
2009
394
2009
Singapore
Thailand
2009
Brazil
2020
India
2020
386
11%
747
122
242
2009
2009
2020
6%
8%
11%
■ 外食
■ 飲料
■ 加工食品
2020
2020
229
2009
96
39
542
Italy
3463
2020
China
231
1633
7%
2009
4%
40
91
2009
2020
11
21
2009
2020
Indonesia
2020
10%
CAGR(2009 - 2020)
47
133
出所: 経済産業省資料よりPwC分析
2009
PwC
2020
8
1-5.外国人訪日の現状(旅行者数、訪問目的)
 訪日外国人数はこの10年で倍増し、昨年度は1000万人の大台を突破。
 外国人の訪日目的は、日本食を食べること、買い物等、 消費傾向が高いものが上位に
ある一方、ビジネス目的での訪日も見られる。
訪日外国人旅行者数の推移
日本滞在時に実施した活動次回実施したい活動
(訪日外国人アンケート結果)
2倍に増加
万人
VJ開始
※日本政府観光局(JNTO)調査結果をもとに当省作成
(出典)訪日外国人消費動向調査(平成25年)(観光庁)
9
1-5.外国人訪日の現状(消費額・訪問地域)
 日本国内での旅行者1人当たりの消費支出は、オーストラリア、フランス、ロシア等が多
く、アジア圏では中国が約19万円と、他を大きく引き離している。
 訪問地域は三大都市圏と、食や景観、レジャーなどの観光資源が豊富な北海道、沖縄
が多い。
訪日外国人1人当たりの旅行前及び旅行中支出(国籍・地域別)
(出展)訪日外国人消費動向調査(平成25年)(観光庁)
都道府県別外国人延べ宿泊者数(平成25年1月~12月)
(出典)宿泊旅行統計調査(平成25年)(観光庁)
10
2.クールジャパン戦略の取り組み
11
2-1.クールジャパン推進に向けた3段階
日本の文化的な魅力を活かして、ビジネスにつなげていくために、クールジャパンを3つの
段階に分類して支援を実施。
① 日本の魅力を発信することにより、海外において日本ブームを創出する段階
② 現地で関連商品、サービス等を販売する段階
③ 観光政策などと連携しつつ、日本に関心を持っていただいた外国人を実際に日本に呼び
込むことで消費を促す段階
<戦略的海外展開>
①日本ブーム創出
日本の魅力の
効果的発信
日本に対する興味・関心を高める
機会の創出
(1)コンテンツの海外展開及び
ローカライズ支援
・J-LOP
(2)日本でのイベント開催及び
海外情報発信
(3)海賊版対策の強化
②現地で稼ぐ
現地で稼ぐための
プラットフォーム構築
③日本で消費
日本に呼び込み
大きく消費を促す
日本のコンテンツ専用チャンネルの確保 ビジット・ジャパンをはじめと
や商業施設等における関連商品の販売 する外国人観光客・ビジネス客の
集客
(1)製品開発・チームづくり
・プロデューサー派遣
(1)日本でのイベント開催及び
(2)現地企業とのマッチング・テストマー
海外情報発信
ケティング
(2)観光庁・JNTOと連携した
(3)リスクマネーの供給
海外情報発信
・クールジャパン機構の設立
(4)日本公庫による資金供給
(3)地域資源の発掘・磨き上げ
12
2-2.クリエイティブ産業の海外展開における課題と対応
 コンテンツ、ファッション、ものづくり、伝統的工芸品、食など我が国の生活文化や価値観を
体現した商品やサービスは海外で高い評価を受けており、潜在的に高い国際競争力を有
するもの。
 一方、こうした産業は、正規ルートでの流通拡大を通じた認知度向上、海外の消費者ニー
ズへのきめ細かな対応や、海外現地における販路開拓等の課題に直面。特に資金力や経
験の少ない中小企業にとって、こうした課題への対応は一層困難。
対応策
 海外での正規流通の拡大を通じたコンテンツの普及促進。また、海外での事業経験、海外ニーズに関
する知見や販路ネットワークを有するプロデューサーへの活動支援により、商材の発掘、海外ニーズ
をふまえた商材の磨き上げ、海外への情報発信等を促進。
-J-LOP支援事業
-JAPANブランドプロデュース支援事業
 海外現地企業とのビジネスマッチングの実施や海外テストマーケティングへの支援、アンテナショップ
の開設により、クールジャパン関連企業による海外販路開拓を後押し。
-クールジャパンワールドトライアル事業
-テストマーケティング等支援事業
-伝統的工芸品のブランドイメージ確立に向けたアンテナショップの設置
 日本発の多くのクールジャパン企業の海外進出に資するプラットフォーム型事業等に対してリスクマ
ネーを供給するクールジャパン機構を設立。
13
2-3.ローカライズ&プロモーション支援
 ジャパンチャンネルの拡大にあわせ、海外放送・配信可能なコンテンツを飛躍的に増加させる
ため、コンテンツの海外展開に必要な支援を実施中(155億円)
(⇒交付決定:平成27年3月まで、支払い:平成27年12月まで)
◆ローカライズ支援 :コンテンツを現地の言語や文化に合わせるために要する費用を補助(95億円)
◆プロモーション支援 :番組宣伝等の現地イベントのプロモーション等に要する費用を補助(60億円)
 交付決定件数:3,375件(平成26年12月末時点)
ローカライズ
アニメ
電子コミック
プロモーション
ドラえもんを有効活用した
企業プロモーション実施例
SHARP×ドラえもん
『ちびまる子ちゃん』
発信国・地域:中国
日本アニメーション・インターナ
ショナル株式会社
『ドラえもん』
発信国・地域:英語圏(全世界)
株式会社藤子・F・不二雄プロ
ASEAN諸国向けに制作した、ドラえもん
が家電製品の高性能・高品質をアピール
するCMを各国主要メディア向けに放送。
海外見本市への出展例
JAPAN EXPO
フランス・パリで開催されるヨー
ロッパ最大の日本文化とエン
ターテイメントの祭典「JAPAN
EXPO 2014」(7/2‐6開催)におけ
る日本のコンテンツの共同出
展、プロモーションを支援。
海外におけるイベントの参加例
カンヌ映画祭(5/15‐26)
© Fujiko‐Pro
© SAKURA PRODUCTION / NIPPON ANIMATION
放送チャンネル
○『そして父になる』(GAGA)
第66回カンヌ国際映画祭コ
ンペティション部門において
審査委員賞を受賞
世界最大の映画の祭典である、カンヌ映画祭のコンペ
ティション部門等に選出された日本映画について、映
画祭におけるプロモーション (映画出演者や監督等
への現地記者会見やレセプション開催等)を支援。
『Channel JAPAN』
『WAKUWAKU JAPAN』
発信国・地域:アジア広域
発信国・地域:インドネシア
日経・TBSスマートメディア
スカパーJSAT
各コンテンツ⾒本市への出展⽀援(BtoB, BtoC)
・MIPTV、MIPCOM(フランス)
・AFM/アメリカン・フィルム・マーケット(アメリカ)
・AFA/アニメ・フェスティバル・アジア(シンガポールほか)
14
2-3.J-LOPを活用したビジネス革新(事例)
 北海道テレビは、J-LOPにより質の高いローカライズを実施できたことで海外での放
送を次々と実現。
 番組と連動したキャンペーンを行うことでアンテナショップの売上は前年比で約3
割向上。
「LOVE HOKKAIDO」(ラブ北海道)
海外での放送を次々と実現
コンテンツと地域物産との相乗効果
○J‐LOPを活用し、費用をかけて「質の高い」ローカライズ
を 実現していたことで、ビジネス機会が拡大
○上海国際チャンネル向けで、高い視聴率を保持して
いたため、他国番組に対する検閲が厳しい中国の
国営放送CCTVのウェブチャンネルCNTVで放送予定。
○番組と連動したキャンペーンを行うことで、カムイン
北海道(明治屋内)の売上が前年比で約3割アップ
実績
シンガポール
上海
台湾
ベトナム
ペルー
カンボジア
ハワイ
CNTV・インドネシア・タイ
放送開始
2013年3月
2013年6月
2013年8月
2014年2月
2014年4月
※下線は
2014年7月
J-LOPの
2014年10月予定
支援を実施
2014年11月予定
○シンガポールにある道産食品アンテナショップ、
カムイン北海道(明治屋内)では、北海道フェアと
番組を連動させ、番組関連商品を告知。
- 道東特集⇔道東フェア(サンマ・カニ等)
- 道南特集⇔道南フェア(イカめし等)
15
2-3.【参考】民間企業によるジャパン・チャンネル創設の動き
 アニメ、エンタメ、文化全般を継続発信する“ジャパン・チャンネル”が、アジア中心に各国で
立ち上がりつつある。
※赤枠は2010年以降に
開局したチャンネル
<トレンド情報番組枠>
「JAPAN in Motion」
フランス(2009年)【TSSプロダクション】
日本の観光、料理、音楽、ファッション、
音楽情報をフランスのケーブルTV局「No
Life」で流す番組。
<アニメチャンネル>
<放送チャンネル>
「Animax」
欧州、東南アジア、インド、韓国、台
湾、香港 (1998年)
【ソニーピクチャーズ、サンライズ、東映アニメ、
トムス、日本アドシステムズ】
衛星・ケーブルを通じた日本アニメ中心
のテレビチャンネルと関連グッズのEC事
業。
「NHK WORLD」
全世界(1995年/2009年)
【日本国際放送】
NHK予算及び政府の交付金に
よって運営される英語国際テ
レビ放送。
<アニメ配信サイト・EC>
「DAISUKI.net」
北米 WEB (2013年5月)
【ADK、アニプレックス、サンライズ、東映ア
ニメーションなど7社】
海外向けに主力アニメコンテンツの動
画配信及びアニメ関連商材の販売
を行うプラットフォーム。
<ビジネス情報番組枠>
「Channel JAPAN」
シンガポール・台湾・インド・WEB
(2012年4月)
【日経新聞、TBS】
日本のビジネス・経済情報や流行・
文化、テクノロジーなどを紹介する番
組枠。
<放送チャンネル>
<放送チャンネル>
「Nigeria Taiyo Channel」
ナイジェリア(2014年内予定)
【太陽インダストリーアフリカ】
アニメを中心とした日本コンテンツを
現地地上波で紹介する番組枠。
「TV3Asia」
カンボジア(2014年7月)
【トライアジアグループ】
現地地上波テレビ局TV3を買収し、
日本コンテンツ専門のテレビチャンネルを
立ち上げ。
<電子コミック>
「Gramedia Digital Comics」
インドネシア(2013年11月)
日本のマンガを電子化し、インドネシア
の大手Gramediaメディアグループのweb
サイトを通じ、利用者が増加している
スマートフォン・タブレット向けに配信。
<放送チャンネル>
「WAKUWAKU JAPAN」
インドネシア、ミャンマー⇒ロシア等
【スカパーJSAT】
(2014年2月インドネシア、
6月ミャンマー)
現地有料放送最大手と提携、日本の放送
約50社と連携し、現地語による日本番組
専門の衛星放送チャンネルを立ち上げ。
出典:各社プレスリリース等を基に経済産業省作成
16
2-4.製品開発・チームづくり<プロデュース活動支援
潜在力のある地方の地域資源(ものづくり、おもてなし、伝統的工芸品、食、観光など)と、海
外での事業経験やマー ケットに関する専門知識を有するプロデューサーとが連携し、海外
展開にチャレンジ。 (26年度は合計16プロジェクト を採択)
平成26年度事業の一例
JAPANブランド・プロデュース支援事業
伝統の有田焼を海外のライフ
スタイルにあわせた新ブラン
ドを開発。世界的なラグジュ
アリーブランドを目指す。
【有田製窯(株):佐賀】
地域ブランド「播州刃物」を創
設し、世界中の匠・マイスター
の手へ届ける。
【(株)田中マイスターを中心とす
る鍜冶屋コンソーシアム:兵庫】
自動車部品メーカーが、グ
ローバルトップを目指し、
最新バーツール「BIRDY.」
を開発。カクテルの本場欧州
へ挑戦!
【横山興業(株):愛知】
200年以上続く有田焼窯元「弥左エ
門窯」が欧州のマーケットプロデュー
サーと連携し、「ARITA PORCELAIN
LAB」として、フランス・パリでイメージ
を高めながら販路を開拓。
250年続く、刃物産地兵庫県「播州」が、
プロデューサーが中心となり、海外を目
指し、産地ブランド「播州刃物」を新設。
手作業で一点一点丁寧に仕上げた刃物
をパリやNYなどで販路開拓。あわせて、
鍛冶屋の技の後継者の確保をねらう。
下請けではない、自社ブランドを作りた
いと、金属加工・研磨の高い技術力を
生かした、新製品バーツール「BIRDY.」
を開発。海外PRの実績が豊富な外国
人プロデューサーと連携し、本場イギリ
ス・ドイツでの販路を開拓。
17
2-5.クールジャパンワールドトライアル事業
 クールジャパン関連企業による新興国の見本市等への出展を支援すると共に、現地流通
企業などとの商談会を実施。併せて、国内外のメディアを通じた同イベント及び出展商材の
効果的なPRや、現地の販路拡大・海外展開を推進するためのセミナーを実施。
 本年度はインド、インドネシア、ベトナム、メキシコ、ロシアの5カ国で実施。 (昨年度は6カ国)
〈26年度 年間スケジュール予定〉
和食をメインテーマに市内のデパートま
たはショッピングモールで、商材の展示、
現地バイヤーとの商談会を実施。
インド最大級の国際トレードショー(来場者150万人)
にてクールジャパンラウンジを開設し、クールジャパ
ン商材を出展。
メキシコ・メキシコシティ
平成27年1月30日~2月3日
インド・デリー
平成26年11月14日~28日
8月
9月
10月
食関連産業を扱う展示会PROD
EXPOにおいてJAPAN EXPO
IN RUSSIAパビリオンを設置。
11月
12月
1月
ロシア・モスクワ③
平成27年2月9日~13日
2月
3月
…
.
インドネシア・ジャカルタ
平成26年8月15日~17日
ロシア・モスクワ①
平成26年9月23日~26日
AFA(Anime Festival Asia)2014の会
場にクールジャパンラウンジを開設
し、総合的にクールジャパン商材のイ
ンドネシア市場への進出を支援。
ロシア・モスクワ②
平成26年11月29日~30日
ベトナム・ホーチミン
平成27年1月9日~11日
インドネシア・ジャカルタ
平成27年2月6日~8日
イオンベトナム2号店と連携し、センターエ
リア等にクールジャパンラウンジを開設し、
クールジャパン商材の進出を支援。
ロシア事業第1弾では、酒類・バー業界の展示会
MOSCOW BAR SHOW内に、第2弾ではファッ
ション、ポップカルチャーのロシアへの浸透を図る
イベント「J-FEST」においてパビリオンを設置。
大型商業施設FX Sudirmanにおい
て、クールジャパンラウンジを開設し、
ビューティ、ファッションを中心とした
クールジャパン商材の進出を支援。
18
2-5.【参考】 昨年度の実施例
(クールジャパンワールドトライアル2013:ミラノ)
ミラノ市内において、ファッション・雑貨などを中心とした日本製品を展示・プレゼンテーション
する事により、クールジャパン商材(地域産品、ものづくり、ファッション等)の海外展開を促進。
プロジェクト概要及び成果等
①事業概要
写真
WHITE 展示ブースにて
 ミラノ市内に「JP HOME」(ショールーム)を設置すると共に、大型展示会「WHITE」
内にてファッション、雑貨を中心とした展示、オープニング・レセプション及び商談会
を実施。
 イタリアを中心に、各国から集まったファッション・メディア関係者に、広く日本の商材
をアピール。会場では、松島経済産業副大臣がトップセールスを実施。
<成果>
・ 実施期間
・ 参加企業数
・ 来場者数
・ 商談成立数
・ メディア露出
JP HOME
2014年1月11日(土)~1月24日(金)
49社
「WHITE」展示ゾーン 500名以上(初日のみ)、
ショールーム「JP HOME」 約1,000名以上
総マッチング数80件、うち 2件成立、12件商談中
現地新聞に複数掲出された他、フランスメディアでも取り上げられた。
②事業から得たノウハウ
・ ニーズは高いが、関税コスト等のため原価の2~3倍での売価設定が必要となるなどの障壁が存在。
・ 日本商材の販路開拓のためには、継続して日本のものづくり・商材の魅力を紹介していく場を設けることが
重要。
・ 各国のファッション・メディア関係者が多く集まる、ミラノ・ファッション・ウィーク期間中のアピールは有効。
③今後の計画
・ ショールーム「JP HOME」の運営を担当したJAPANPROXY社が自社事業として継続運営することが決定。
また、ショールームを拠点に、引き続き日本商材を取扱う取組みを検討。
・ 事業を通じた、ミラノ市政・メディア等とのつながりを基盤に、ミラノ万博に向けた取り組みを仕掛けたい。
19
2-6.海外テストマーケティング
我が国の生活文化の特色を活かした魅力ある商品・サービスを新興国市場に展開すべく、
地域の中小企業等の販路構築等に向けたテストマーケティング(試験販売)を支援。
(26年度は計4件のプロジェクトを採択。いずれも東南アジアで実施。)
平成26年度事業の一例
「タイ地上波ゴールデンタイムドラマを
利用したタイ向け九州物産輸出促進事業」
コンテンツ×地域産品
海外で、放送される番組と連動した、日本の地域産品
の販売・プロモーションの展開。
タイの地上波で放送される連続ドラマ「Kol Kimono(邦
訳:きもの秘伝)」は、九州で全ての撮影が行われ、ドラマ
の中に、九州の食や風景(佐賀を中心とする、温泉、伝統
工芸産地、琴演奏など)が登場する。この放送と合わせ、
現地バンコクでの物販キャンペーンを展開する。
⼩売店や
レストラン
コンテンツ×食
観光・地域活性
化
海外販路開拓に
よる取引先増加
番組内で出てきた
メニューを
「ドラマメニュー」
として販売
タイ地上波テレビドラマと連動
「Growing with Asia」
Jリーグ×日系企業×現地日系小売店
Jクラブと連携し、サッカースクールを実施。日本のメソッド
を活用したサッカースクールビジネスが成立するポイント
を見極めていく。同時に各Jクラブの責任企業であるグ
ローバル企業と連携・連動し、商品PR及び販促を行なう。
韓国・中国企業の製品等との差別化を図り、日本製品へ
の好感度を持ってもらうため、現地で人気があるサッカー
コンテンツを活用。将来的な日本製品の販売促進につな
げていく。またJクラブグッズ販売も実施し、商品群、価格、
クオリティなど現地で売れるための知見を得る。
インドネシア
×
ベトナム
×
タイ
×
× ショッピングモール
日系企業
日系企業
× ショッピングモール
× ショッピングモール
新メニュー開発
による定着化
新たなPR手法の
確立
20
2-7.伝統的工芸品のブランドイメージ確立に向けたアンテナショップ
 昨今海外から寄せられる日本の伝統的工芸品に対する関心を一時のブームに終わら
せることなく、日本食やアニメ等と同様に海外市場において一定の地位を確立させて
いく取組が必要。「感覚的な興味」から「伝統的工芸品への理解・愛着」へ移行させる。
 特に、伝統的工芸品は中小零細企業が多く、単独で取り組むことには限界があり、「伝
統的工芸品」という枠の中でコンソーシアムを組むことが必要。また、手工業品である
ことから価格帯が高くなってしまうため、製造過程や歴史的背景も含めて丁寧に説明
し、理解を得ることが重要。
日本の伝統的工芸品を一元的に集めて展示・テスト販売するアンテナショップ(DENSAN
SHOP)を海外主要都市に設置し、BtoC市場に向けた長期的なマーケティングを実施。
今後の事業展開イメージ
アンテナショップの概要
■概ね数週間毎に企画を変更し、日本の多様
な伝統的工芸品を紹介。
日本の伝統的工芸品のブ
ランドを広める現地拠点化
陶器
2年目以降:海外のバイ
ヤーへ波及効果が高い
フランスへ展開
1年目:ミラノで試行的に実施
※ミラノ万博と連動
織
塗
彫
・・・
■平成27年度はミラノ万博(テーマ:「食」)の
開催年であり、ジャパンパビリオンと連携し、
来客の相乗効果を高めることが可能。
(注:ミラノ万博への来場予想人数は約2000
万人)
※イメージ
■現地メディア、影響力のあるショップやバイ
ヤーとの業務提携を行い伝統的工芸品の
ブランドイメージ定着を図る。
21
2-8.日本政策金融公庫の海外展開資金(クールジャパン関連)
クールジャパン特別利率融資のスキーム
対象者・要件
■対象者:
海外展開事業を行うものであって、クールジャパンの推進
に資するいずれかの事業を行う場合には特別利率を適用。
事業スキーム
(株)日本政策金融公庫
融資(特別利率)
 海外直接投資:特別利率③(基準利率-0.9%)(※)
 海外直接投資以外:特別利率①(基準利率-0.4%)
中小企業・小規模事業者
※日本政策金融公庫の審査を受けることが必要
イ クールジャパン機構の出資等を受ける事業に直接的
に参画する事業者
(例) ・機構が運営に関与するモール等への出店者
・上記出店者と直接的に取引をする者
等
ロ 国の補助金等のうち、クールジャパンの推進に資する
ものとして以下を受けた実績がある事業者
(平成24年度~平成26年度に下記事業の補助金を受けたもの)
・JAPANブランド育成支援事業
・クール・ジャパン戦略推進事業等
・クールジャパン芽の発掘・連携促進事業
・クールジャパン・コンテンツ海外展開等促進事業
・伝統的工芸品産業支援補助金
など
※特別利率③の適用については、別途、国内従業員の雇用維持等、一定の要件に
該当する必要あり。上記イ、ロのクールジャパンに該当しない場合においても、
海外直接投資であって国内従業員の雇用の維持等、一定の要件を満たせば、
特別利率②(基準利率-0.6%)が適用可能。
融資概要
■対象資金:設備資金及び運転資金
■貸付限度額:
(中小企業事業)直接貸付:7億2,000万円
うち特別利率の適用は2億7,000万円が限度
(国民生活事業)直接貸付:7,200万円
■貸付期間:設備資金:15年以内
運転資金:7年以内
22
2-8.【参考】クールジャパン特別利率融資 第一号案件
融資概要
企業名
(株)でんでん (京都市)
業種
雑貨販売
海外展開
事業の概
要
西陣織に使われる伝統技法である「引箔(ひきばく)」
HAKU‐OMOTE‐」をもとに、
この技術を活用したスマートフォンケースをはじめとし
たて、金銀箔の壁紙などのインテリアを販売する計画。
取引先
(予定)
・中国(香港)の商業施設Harbor Cityでの販売
・欧米の一流レストランやホテルとの取引
融資額
1000万円
その他
平成25年度クールジャパン芽の発掘・連携促進
事業(プロデューサー人材派遣事業)での採択案件
の1つ
※を核とするブランド「箔面
(輸出事業の拡大に必要な運転資金として)
(※)西陣織の箔工芸の技術一つで、金箔の退色による陰影と銀の酸化により
無数の色数を表現するもの。
23
2-9.クールジャパン機構の事業スキーム
 昨年6月に株式会社海外需要開拓支援機構法が成立し、同年11月に海外需要開拓
支援機構(クールジャパン機構)が設立された。
 機構は、リスクマネーを供給することで、民間部門では成し得なかった、海外需要獲得
の基盤となる拠点や流通網の整備などを率先して展開することとしており、機構に寄せ
られた投資案件(約100件)の精査・検討を行ってきた。
平成27年1月28日時点
[クールジャパン機構](平成25年11月創設)
出資金
406億円
政府出資
メディア・ネット空間型の流通拠点
民間企業 等
日本のTV番組・アニメ等のコンテンツ
アイドル系
ドキュメンタリー映画
放送
配信
コンソーシアム
各企業
出資 等
出資
(財投特会 等)
300億円※
リスクマネー
供給機能
※平成25,26年度
で政府予算800億
円を確保。
うち300億円を機
構に既出資。
出資
事業会社 等
アニメ
©BAKUGAN PROJECT
投資
出展:NEW PEOPLE資料
商品
販売
化粧品
など
“地域クールジャパン企業”応援
テレビ放映・配信等
+グッズ等販売
玩具
など
© BAKUGAN PROJECT
物理的空間型の流通拠点
商業施設展開・活用(ジャパン・モール)
住
民間出資
106億円
<投資対象の例>
高岡銅器
日本酒
食
コスメ
衣
出資
24
※存続期間:概ね20年程度
パティシエ・ケーキ店
ブライダルサービス
アパレルショップ
日本食レストラン
インテリアショップ
2-9.クールジャパン機構の投資案件
内容
衣
食
住
コ
衣
食
住
コ
コ
衣
食
住
コ
コ
ジャパンモール
対象国
実施企業・事業規模等
概要
中国
(寧波市)
H2Oリテイリング
杉杉集団グループ等
510億円
中国の地方新興都市において、過去最
大級の規模で先駆的な百貨店モデルを
構築。
(機構から最大110億円出資※)
ジャパンモール
マレーシア
(クアラルンプール)
三越伊勢丹HD
Isetan of Japan
19.2億円
(機構から最大10.7億円出資※)
海外向け
ジャパンコンテンツ
関連通信販売
全世界
(米国・インドネシア等)
現地テレビにおける
日本型番組の放送、
連動物販イベント事業
アジア(台湾
インドネシア
ベトナム・タイ)
多言語によるアニメ動画の
インターネット配信事業
全世界
Tokyo Otaku Mode
-
(機構から15億円出資)
吉本興業・電通・ドワンゴ等
21億円
(機構から10億円出資)
バンダイナムコHD・アサツーディーケー
主要アニメ制作会社
40億円
(機構から10億円出資)
食
食
日本食材
コールドチェーン
日本食フードタウン事業
日本ロジテム・川崎汽船
15億円
ベトナム
(ホーチミン)
(機構から最大9.26億円出資※)
シンガポール
(一社)日本外食ベンチャー海外展開
推進協会代表理事 等
10億円
(機構から最大7億円出資※)
食
外食産業及び日本食材の
海外展開基盤整備事業
※1月28日時点
北米
欧州
豪州
力の源HD 等
29億円
(機構から7億円出資、
最大13億円融資)
※支援決定額については、上限額となっており、為替の影響等により金額に変動がある。
90%以上を日系商材としたASEAN初
の全館クールジャパンの「ショーケース」
を構築。
マンガ・アニメのSNSの有名サイトと連
携した、インターネットによるブランド発
信・物販拠点を構築。
日本の制作ノウハウを活用した番組を
地上波で放送し、その連動イベントや物
販を展開。
世界最大規模の日本アニメの動画配信
と関連グッズを通信販売するサイトを本
格展開。
東南アジアにおける日本食材展開の基
盤となるコールドチェーン構築事業。
地域外食ベンチャー等を集約し「集客
力」「クオリティ」等で差別化。日本の食
材と食文化を世界に向け発信。
欧米豪における高級ダイニング形式の
一風堂の展開支援を通じた日本酒・焼
酎等の普及促進及び現地製造した具
材の外販による日系外食展開支援。25
2-9.【参考】グローバル支援ネットワークの構築(業務提携)
 日本企業の海外展開支援のため、クールジャパンに関わる関係機関との提携し、各国の規制情報・人的ネットワークの提供や、
川上から川下までの一気通貫での支援を可能とする、グローバル支援ネットワークを構築する。
①海外55カ国で73の海外事務所を有し、各国投資規制等に精通するJETROと業務提携し、グローバルネットワークを構築。
②オールジャパンで放送コンテンツを展開するBEAJと業務提携し、放送コンテンツ(番組等)の製作・発信・現地物販を一気通
貫で支援する体制を整備。
③インバウンドの要としてVisit Japan を展開する日本政府観光局(JNTO)と業務提携し、イベント・プロモーションと出資事業
の双方を効果的に活用できる体制を整備。
④九州・山口地域の産学官にわたる幅広いネットワークを有する九州経済連合会と業務連携し、地域の魅力ある商材、サービ
スの海外需要開拓と地域経済の成長・発展を推進。
[JETRO※との業務提携]
<本年3月13日>
~JETROの強み~
①国内外における事務所
を起点とする地元密着
型の広範な人的ネット
ワーク
(海外事務所 56カ国7
4事務所、国内事務所
東京・大阪の本部のほ
か40の地方事務所)
②投資支援活動の中で蓄
積された貿易投資に関
わる各国の規制情報や
ノウハウ、投資事業者
の紹介
※独立行政法人日本貿易振興機構
[BEAJ※との業務提携]
<本年3月24日>
[日本政府観光局との業務提携][九州経済連合会との業務提携]
<本年9月5日>
<本年10月8日>
~BEAJの強み~
①国内の全ての放送事業
者等を繋ぐオールジャ
パンのネットワーク
(地上放送6社、衛星放
送2社のほか、日本音
楽事業者協会等の権
利者団体及び商社や
広告会社等の関係業
界が参画)
②放送コンテンツの海外
展開の促進に向けた
広範な実証事業の展
開
※一般社団法人放送コンテンツ海外展開促進機構
~日本政府観光局の強み~
①国内外における日本の国
をあげたインバウンド政
策の要(14の海外事務
所)
②国をあげたVisit Japan事
業として、国内外でイベ
ントやプロモーションを展
開し、訪日支援策の幅広
い実績とネットワークを有
す(海外の旅行博覧会等
30箇所))
~九州経済連合会の強み~
①産学官にわたる幅広い
ネットワークを通じた豊富
な地域事業者情報を持
ち、九州・山口地域の潜
在的案件を発掘
②調査研究機能、支援団体
を通じ事業者連携促進、
連携先紹介、情報提供、
事業展開アドバイスを行
い、事業組成支援を行う
26
2-10.海外に向けた情報発信
情報発信事業
 海外のインフルエンサーや、留学生をアンバサダーとして国際発進力のある国内イベン
トに招聘し、自国に日本の魅力を発信。また、訪日外国人向けに日本のユニークでクリ
エイティブなものを紹介するホームページを開設。
海外インフルエンサー招聘
2013年度はアジアのトッ
プブロガーを招聘。イベン
トや商業施設での体験を
SNSで発信。1万「Like
(いいね!)」がつくことも。
国際発信力のあるイベント
Fashion Week Tokyo
2014.10.13~10.19
今年で19回目を迎えたアジア最大
のファッションイベント。日本の高
品質な繊維素材やファッションに加
えておしゃれで楽しい街「東京」を
世界に発信。
©Japan Fashion Week Organization
留学生アンバサダー
日本コンテンツのファンである海外の若者
を、留学生・現地学生を中心に「コ・フェスタ
アンバサダー」として組織化。約150名を任
命。海外での
マーケティング
調査や、PRイベ
ントでの協力、
海外インフルエ
ンサーの認定
などに貢献。
100TOKYO
海外の人々が個性を
感じる東京・日本の
デザイン、ファッション、
アート、食、先端技術、
建築、宿泊施設、イベ
ント等カテゴリーや
ジャンルを問わず集約。
国外に発信するための
英語版WEBサイト。
第27回東京国際映画祭
2014.10.23~10.31
(C)2014 TIFF
アジア最大級の国際映画祭であり、
日本コンテンツを世界に発信する
「コ・フェスタ」の中核イベント。カンヌ
映画祭(仏)、ベルリン映画祭(独)等
と並ぶ、世界12大映画祭の1つ。
併せて、映画祭と同時期に、映像、音楽、
アニメ等を統合した国際的なコンテンツ
マーケット(Japan Content Showcase)
を開催し、海外よりバイヤーを積極的に招聘して、日本コンテンツの
海外展開を推進。2013年度は、1000名を超えるバイヤーが来場
し、商談件数は4844件となった。(今年度は現在集計中)
27
3.クールジャパン政策の
今後の展開
28
3-1.クールジャパン政策の今後の展開
クールジャパン政策の目的
 世界の価値観に共通・共鳴する日本らしさを活かした「日本のライフスタイル」のブランディ
ングを推進。
 コンテンツ、ファッション、伝統工芸、食、観光のみならず、日本のものづくり、先端的で洗練
された技術や社会システムまで含めて経済的成果を追求するとともに、社会的・文化的な
側面からも、日本全体に対する「信頼感」を日本の価値・魅力として国内外に発信し、海外
需要の獲得につなげる。
 地域を巻き込んだ取組により、ブランディング成果の全国各地への波及、地域創生を図る。
第一フェーズ(これまでの取組)
 ①日本ブームの創出、②現地で稼ぐ、③
日本への呼び込み から成る3ステップ
を基本方針に基づき施策を推進。
 クールジャパンとして海外展開を目指す
企業の意欲醸成・機会創出に視座を置い
た支援を実施。
 これまでの助成・支援案件の中から成功
事例が出始めており、全体的にも海外進
出に意欲的な事業者が増加。
 クールジャパン機構の設立により案件組
成から事業化に至るまでの各段階に応じ
た支援策を整備。
第二フェーズ(今後の主な取組)
① クールジャパン関連産業の連携等による成功事例の創出
・クールジャパン機構の出資による海外進出プラットフォーム構
築など、多様な企業や業種が連携し、クールジャパン要素を
収益化できる先進的な成功事例を着実に創出
② 地方発クールジャパン(ローカル・クールジャパン)の推進
・クールジャパンの取組を全国大に展開。観光庁、農水省等と
の連携も強化し、地域が取り組む海外に向けた地域ブランディ
ングを支援。
③ 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた政策展開
・コンテンツ関連等、各種既存イベントでの情報発信や政府全
体としての文化プログラム策定、オリンピック後のレガシーを意
識したクールな街づくりを推進。
29
3-1.クールジャパン関連産業の連携等による成功事例の創出
 日本のコンテンツは海外から高く評価されているが、海外輸出比率は5%で、成長する
アジア諸国などの需要を取り込めていないのが現状。コンテンツ単体のみでの海外展開
は収益に限界。
異業種連携の成功事例やビジネスモデルを創出することで、収益構造を強化。
コンテンツ+異業種連携による成功例
ASIA STYLE COLLECTION
(シンガポール開催)への
東京ガールズコレクションの参画
インドネシアにおける
特撮番組の共同制作
1990年代からの「仮面ライダー」シリーズ
がインドネシアで放送され、人気があっ
日本人アーティストライブに日本
ファッションブランドショーを織り交 たことを背景に、伊藤忠商事・石森プロ・
インドネシア放送局共同でインドネシア
ぜ、日本音楽・ファッションカル
チャーを発信するイベントを実施。 オリジナル特撮番組「BIMA Satria Garuda
ファッション、小物、美容などの関連 を製作。玩具などの関連商品販売や、ラ
イセンスビジネス等の周辺ビジネスを展
商品販売と連携。
開。
©2014 ITOCHU Corporation All rights reserved.
アジア地域における
ジャパン・エンタテインメント・コンテ
ンツの創造・発信事業への出資
吉本興業㈱、㈱電通、㈱ドワンゴ等
投資金額・・・10億円
事業内容:クールジャパン・コンテン
ツを制作し、イベント・ライブ等に
ソーシャルメディア等を組み合わ
せ、アジアの国々へ紹介。アジア地
域で新たな日本ファンを獲得し、地
域企業等の優れた商品・サービス
の需要拡大を目指す。
30
3-1.地域発クールジャパンの推進(1)
 広島の映像制作会社であるTSSプロダクションは2009年より中国地方・日本の魅力を紹
介する番組「Japan in Motion」をフランスのケーブルテレビである「NO LIFE※」で放送。

※650万世帯が加入し、約1200万人が視聴可
 この番組やJAPAN EXPO等で広島をはじめとした地域の魅力を 発信。この結果、地元企業
の業績向上や広島への観光客の増加など著しい効果。
(千人)
JAPAN EXPO(仏)における
来場客数
推計
JAPAN in Motionによるプロモーション
後の「桃太郎ジーンズ※」の海外売上高
25万人以上
(人)
広島へのフランス人観光客数の推移
49,030人
(万円)
5000
3000
2000
1000
0
出典:JAPAN EXPO調べ
1900万円
590万円
’09.3
※桃太郎ジーンズ
日本製ジーンズ発祥の岡山県で
生産される純国産ジーンズブランド
放送開始から
売上約7倍
海外の日本文化について
のイベントの際に「日本の
魅力」をJapan in Motionを
使ってPR
現地で稼ぐ
日本ブーム創出
出典:広島県庁観光課「広島県観光客数の動向」
’10.3 ’11.11
出典:TSSプロダクション資料
2012年Toulose Game Show
におけるPRの様⼦
前年比
160.6%
4080万円
4000
日本で消費
2009年に行われた
同サイトの欧州の注目
観光スポット調査では20位
映像コンテンツ✕オタフクソース
広島風お好み焼きの歴史、レシピ、地元企業であるオタフクソースの美味しさ
の秘密までを番組で特集。それに加え現地向けオタフクソースの開発や現地
のストアにて販売、オタフクソースを活用した料理教室開催、イベントにおけ
るPRなどを行い、広島風お好み焼きと共にオタフクソースも戦略的な海外展
開を行っている。その結果、広島風お好み焼き店がパリにオープンされた。
外国人観光客お気に入りの観光
スポット欧州総合トップ5(2012)
順位
観光スポット
1位
宮島(広島)
2位
広島平和記念資料館(広島)
3位
金閣寺(京都)
4位
浅草寺(東京)
5位
姫路城(兵庫)
出典:トリップアドバイザー調べ
※世界最大の旅行口コミサイト
広島風お好み焼き特集
広島風お好み焼きのパリ1号店
31
3-1.地域発クールジャパンの推進(2)
 地域の強みは観光資源・食文化・地域産品。クールジャパンとして展開可能な、訪日外国
人を引きつける魅力的な素材。
 また、最近の状況として、円安傾向に加え、2020年東京オリンピックの開催決定は外国
人を呼び込む最大のチャンス。
 地域関係者が主体となって、地域の強み、生活文化を発信し、訪日外国人の地域への呼
び込み、消費促進を目指す「クールジャパンと観光との連携」が必要。
街並み整備の活用
 埼玉県川越市:伝統的建造物やものづくりを活かしたまちづくり
・地元NPO・商店街・行政等により、川越の歴史的資源を
保存・活用した「蔵の街並み」という回遊性の高い街づ
くりを実施。
・当初一番街でのみ進められていた取組が他の六商店街に
も波及し、各商店街が主体的に街作りを実施。
・名産の「川越いも」等の地域産品を活用した商品開発に
も取り組み、観光客による消費を促進。
※年間観光客数 平成7年 375万人
→平成20年 605万人
経済効果(年間消費額) 平成20年 約89億円
川越一番街商店街
★成功要因:歴史的資源である「蔵の街並み」をコンセプトとした街作り
商店街の主体的取組、地元NPO・商店街・行政等が一体となった取組
32
3-2.オリンピック・パラリンピックに向けた政策展開
 クールジャパンの効果的なPRとして、日本の魅力を海外に向け、英語をはじめとする外
国語で情報発信している政府関係機関や民間事業者同士の連携強化のためのネット
ワーク構築等に着手。
インフルエンサーを
通じた情報発信
Webサイトやイベントを通じて、
外国語で日本の魅力を情報発
信。
期間中に開催される、ファッショ
ンやデザインをはじめとする既
存のイベントや展示会に海外有
力メディア等を呼び、自国に日
本の魅力を発信してもらう。
オリパラ開催期間前後に
おけるイベントの集中開催
オリパラ施設の活用に
よるクールジャパンの発信
既存イベントを通じて、オリパラ
開催をアピールすることによる
盛り上げ。
オリパラのプレ大会・プレイベン
トと連動した、イベントの集中開
催。
【イベント実施例】
2013年3月 東京ランウェイ
(代々木第一体育館)
2013年10月 ファッションウィーク東京
( 国立競技場)
2014年 3月 東京ガールズコレクション
(代々木第一体育館)
2014年 4月 東京ガールズアワード
(代々木第一体育館)
33
3-2.オリンピック・パラリンピックに向けた政策展開
スマートコミュニティの展開
 これまでの国内4地域(横浜、豊田市、けいはんな学研都市、北九州市)におけるスマー
トコミュニティの具体的なイメージや効果が共有されつつある。また、スマートコミュニティ
を構築する上で必要となる基盤技術や標準インターフェイスが確立されつつある。
 こうした状況をふまえ、次世代エネルギー・社会システム協議会を開催し、大会を契機と
したスマートコミュニティの展開を含め、スマートコミュニティの全国展開に向けた今度の
課題を整理。
<平常時>
①エネルギー供給の効率化
スマートコミュニティ
ディマンドリスポンス等によりピーク時の
節電等を促すことで、火力発電の焚き増
し等によらず、需給を調整可能。
需要家サイドに導入された
創エネ機器を有効に活用
電力需要(kW)
従来
火力発電の焚き増し等
GE
HEMS
供給力
CEMS
今後
節電等
蓄エネ機器
省エネ機器
昼
夜
需給の状況に応じて、創エ
ネ・蓄エネ・省エネ機器等を、
快適さを損ねずに最適運転。
創エネ機器
BEMS
朝
②省エネルギー
需要を効率的に制御
<非常時>
③エネルギー供給の確保
災害時等には、再生可能エ
ネルギーやコージェネレー
ション等の分散型電源に
よって、コミュニティ内での
エネルギー供給が可能。
34
3-2.オリンピック・パラリンピックに向けた政策展開
次世代都市交通システム
 未来に向けた先進的なモビリティ社会(環境・安全、未来型モビリティ、シルバーなど)を
世界に提示する。
 東京都では、選手村の後利用をはじめとしたオリンピック・パラリンピックを契機とする開
発需要に柔軟に対応するため、「都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通に関する基本方
針」を策定し、BRTの導入を検討しており、この計画と密な連携を図る。
新幹線レベルのスムーズな加減速、乗客転倒防止
・自動走行制御
待ち時間最小でシームレスな乗継ぎ
・統合的、有機的な運行システム
速達性、定時運行性の向上
・PTPS(公共交通優先システム)の高度化
・自動走行制御
事故低減、運転負荷軽減
・自動走行技術
・高度運転支援
乗降時間短縮、乗降安全性向上
・自動走行(正着)制御
Cyber Agent
乗降時間短縮、乗客の転倒事故防止
・車椅子固縛装置
・非接触自動課金
交通流整流、渋滞・CO2低減
・C-ACC
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