ZOOMの 最新エフェクター G2.1Nuを K-A- Zが試す! ! (デトロックス) DAW 対応のマルチ・エフェクターを次々と発表してくれる ZOOM から、最新のモデルが登場。デトロックスで活躍中の K-A-Z に協力 してもらい、注目のドライヴ・サウンドを、すべて試奏してもらった! ◎ K-A-Z(カズ) 元シャム・シェイドの栄喜とともにデトロックスで 活動する重低音ギタリスト。ヘヴィなリフだけではなく、速弾きはもち ろんのこと、テクニカルで多彩なプレイにも定評があり、昨年、行な われた黒夢の武道館ライヴではサポート・ギタリストを担当。清春が 再始動させたサッズへの参加も決まり、その他でも、カイキゲッキョ クをはじめ多数のバンドで強力なプレイを披露している。最近、なん と8弦ギターを入手し、前代未聞のさらなる重低音リフが開発される ことは必至だ! 3月に発売されたデトロックスの最新作でも、強力 なギター・プレイを炸裂。くわしくは、39 ページを! 注目の歪み30種類をすべて弾き倒してしまいました! G2.1Nu 最大の注目は、30 種類の ドライヴ・エフェクトだ。往年の名機 から最近のヒット・モデルまで、アン プやエフェクターを多数シミュレートし ている。さらに、ZOOMならではのド ライヴ・エフェクトなど、その音色は、 じつに多彩。ここでは、K-A-Zに、す べてのドライヴ・エフェクトを試奏して もらった! 〈FD Combo〉 フェンダーの通称ブ ラック・パネルと呼ば れる65 年製のツイン・リバーブをシ ミュレート。 K-A-Z:全体的に、かなりいい感じでシ ミュレートされていますね。ダイレクト・ モードでキャビネットの種類を選択でき るんだけど、これがおもしろいんです。 個人的には、ハムバッキングのギター を使っているからか、MATCHED (タ イプに応じて最適化されたキャビネット の設定)よりもTWEEDのほうがシャリ れほど低域が出てこないんですよ。 〈US Bluse〉 59 年 製 の フ ェ ン ダー・ベースマンのブ ライト・チャンネルをモデリングした エフェクト。 K-A-Z:けっこう歪みますね。音的に は、ブルージーなテイストがたっぷりの トーンで、ギターのヴォリュームを絞っ て弾いたりすると、いかにもブルースが 合いそうなサウンドになる。デジタル系 のエフェクトって、ギター側のヴォリュー ムを絞ったりすると、音が途切れたりし ちゃうんだけど、このG2.1Nuは、しっ 歪ませていても、ギター側のヴォリュー ムを絞るとクリーンっ みに、STACKにすると、低域が出てく るので、ツイン・リバーブで低音が欲し いというなら、これを選ぶとおもしろい。 本物を使うことではありえないローが出 てきて、ツイン・リバーブに欲しいなと 思っていた部分を補ってくれます。 〈VX Combo〉 ヴォックス の 名 機 AC30TBXを モ デ リ ング。トップ・ブースト・ユニットと呼 ぽい音になる。 〈BG Crunch〉 メサ・ブギーの3 号機であり、グラ フィック・イコライザーに3チャンネル を装備したマークIIIをシミュレート。 いサウンドをしていますね。 〈MS Crunch〉 プレキシの愛称 で も 知 ら れ るヴィン テージ・マーシャルの代表的モデル、 1959スーパーリード100だ。 K-A-Z:オールドのマーシャルというと 歪まないわ音は暴れるわで大変だった イメージがあるんだけど、これはすごく まとまって弾きやすい音になってます。 ヴィンテージのマーシャルにオーバード ライブをカマしてあるぐらいな感じ。音 的には、中音域にすごく特徴があって 厚みがある。ホントに心地よく歪んでく れるので、もし昔のマーシャルっぽく弾 くなら、ゲインを下げ目にして弾くと雰 囲気が出るんじゃないかな。こちらは キャビをMATCHEDで鳴らすとモダン な感じになって、STACKを選ぶと暴 れた感じになって、ヴィンテージ・マー シャルっぽい。 〈MS Drive〉 マーシャルの定番モ デ ルJCM2000 の シ ミュレート。モデルとなっているのは、 2000のDSL-100でリード・チャン K-A-Z:トーンのかかりが、めちゃめちゃ いいですね ! これまでの機種とは段違 いに効きます。トーンを上げていくと、 グワァ∼とハイが出てくる。音的には、 80 年代のアメリカン・ハード・ロックの ニオイがします。 〈HW Stack〉 ばれるゲインを稼ぐユニットが搭載さ れているモデルだ。 K-A-Z:ゲインをフルにして試してみた んだけど、振り幅が FD Comboより広 いですね。ゲインのかかり具合とかが、 アンプのタイプごとに違う設定がされて いるようで、そのあたりもおもしろい。 VX Comboの場合は、ゲインは上げす 56 キャビはMATCHEDで充分にそれっ ぽいサウンドが出ます。不思議なこと に、こちらはSTACKを選んでも、そ かりとヴォリュームに付いてきますね。 シャリしてフェンダーっぽかった。ちな ぎないほうが、いい感じで、中域の出 方がヴォックスっぽくなりますね。なん となく軽いニュアンスというか、思わ ずニヤっとさせられます (笑) 。これは、 ブ リティッシュ 系 ならではの湿ったトーンが特徴のハイ ワット・カスタム100をシミュレート。 K-A-Z:これは歪みまくるという感じで はなく、軽い方向のトーンが特徴です。 ロー・ミッドあたりの出方が、これまで 試奏してきたタイプとは違ってギラギラ しているのではなく、ホントに湿った感 じというかね。コードの分離がすごくい ■問い合わせ:㈱ズーム (http://www.zoom.co.jp) ネルのサウンドだ。 K-A-Z:基本的には、MS Crunchに近 いトーンを持っていると思います。そこ に、ゲインと倍音を現代的にしたサウン ドですね。ゲイン・ツマミの幅がマー シャルらしくて、50ぐらいからあまり変 わらなくなってる (笑) 。ソロとかでサス ティンが欲しいのであれば 80ぐらいに して、バッキングでは50 ∼ 60ぐらいが いいと思います。トーンのツマミは、上 げていくとすごくハイが抜けてきます ね。これも、ギター側のヴォリューム調 整で歪みの量を変えられるのがいいで す。キャビネットは、特に俺みたいにダ G2.1Nu ¥19,950 ライン録音に最適な ダイレクト・モードを搭載 DAWなどのでのダイレクトなラ イン・レコーディングに最適なダイレ クト・モードを装備。ボタンひとつで モードに入れるので、セッティングの 切り替えが容易にできる! K-A-Z:音の締まり方が、オンとオ フではかなり違う。マイクでアンプ を拾ったような雰囲気を出してくれ ボ タ ン ひと つ で、 てます。ライン直で録るような、ジャ キャビネット・ シミュ リジャリした部分がカットされて、ラ レータが作動 インっぽさをなくしてくれますね。 ゼンスをドカンと上げたような高域の出 方がいいですね。ロー・チューニング のギターでも、高域がシャリっと出てく れているので、低音のコードに行っても 音が濁らずに出てくれてフレーズが見え やすい。これぐらいになってくると、か 中低域が出過ぎてしま う感じになる。ゲイン は、60 以 降、 ほ と ん ど変わりません。それ も、レクチらしいとい うか (笑) 。でも、ソロ を弾くなら、ゲインを 上げると伸びやかで弾 きやすい。本物のレク チって、重低音のイメージが強くてソロ が弾きにくい印象があるんだけど、こ れはゲインの調整しだいでソロもいけま すね。 ここからは、エフェクターのモデリ ングなので、アンプに接続して試奏を 行なった。 〈OverDrive〉 ウン・チューニングしているギタリスト にはSTACKのほうがローの出方が抜 群にいいです。 〈PV Drive〉 エ デ ィ・ ヴ ァ ン・ ヘ イレン の シ グ ネ イ チャー・モデルとして世界に広まった ピーヴィーの5150。その初代モデル をシミュレートしている。 なりサウンドが近代的になってきます。 〈DZ Drive〉 今や、モダン・アン プの代表モデルと言っ ても過言ではないディーゼルのハー バーをモデリング。ダウン・チューニ ングにもピッタリの重低音が特徴だ。 K-A-Z:ディーゼルらしく、上品であり ながら押しの強い歪みが出せてます ね。元々ディーゼルって、歪みのトーン リ感は、思わずsus4とかを弾きたくな る。これもキメが細かい歪みで、プレ が、マーシャルなどの鋭角な感じでは なくマイルドなんだけど、音の固まり感 がすごくあって迫力もあるという感じな んです。その雰囲気が出せてる。やっ フェクターとして使えるじゃないです か。すごいOD-1 っぽい ! セッション ぱりダウン・チューニングも、すごく合 ふつうにエフェクターとして使えるし、 G2.1Nu って知らなかったらOD-1だと K-A-Z:お! 5150だ (笑) 。このドンシャ スティーヴ・ヴァイ監修プリセットを 含む100プリセットを装備 G2.1Nu には、実戦的なものから、有名 ギタリストの音をシミュレートとしたプリセッ トが多数搭載されている。エディもあれば、 初期のイングヴェイにランディ・ローズ、ダイ ムバッグに、カート・コバーンなどなど、プ リセットを選んで弾いているだけでも、かな り楽しい。 さらに、あのスティーヴ・ヴァイ監修によ るプリセットも20 種収 録。こちらの感 想 は?? K-A-Z:ヴ ァイの プ リ セ ット の 中 で も、 「Dreamdrg」というがおもしろいですね。 ヴォリューム奏法的な音を作ってくれて、ピッ 的楽器試奏会 ●エフェクト・モジュール:9 ●エフェクト・タイプ:83(COMP→Compressor、 Rack Comp、M Comp。WAH/EFX→Auto Wah、Resonance、Booster、Tremolo、 Phaser、Ring Mod、Slow Attack、Octave、Pedal Vox、Pedal Cry。ZNR→ZNR、 Noise Gate、Dirty Gate。DRIVE→本文参照。EQUALIZER→6 BAND EQUALIZER。 MODULATION→Chorus、Vintage CE、Stereo Chorus、Ensemble、Phase、 Flanger、Vibrato、Step、Dynamic Flanger、Cry、Detune、Pitch Shift、Mono Pitch、HPS、Pedal Pitch、Comb Filter、Air、Dynamic Delay、Tape Echo、Delay、 Modulation Delay。DELAY→Delay、Echo、Ping Pong Delay、Analog Delay、Reverse Delay。REVERB→Hall、Room、Spring、Arena、Tiled Room、Early Reflection、Multi Tap Delay。TOTAL→Patch Level、RTM ●パッチ・メモリ:ユーザー100+プリセット 100=合計200 ●サンプリング周波数:96kHz ●A/D変換:24ビット64倍オーバー・ サンプリング ●D/A変換:24ビット64倍オーバー・サンプリング ●信号処理:32ビッ ト ●周波数特性:20Hz∼40kHz +1.0dB −3.0dB (10kΩ負荷時) ●ディスプレ イ:128×64ドット(バックライト付きグラフィックLCD) ●入力:標準フォン・ジャッ ク ●定格入力レベル:−20dBm ●入力インピーダンス:1MΩ ●出力:標準ステレオ・ フォン・ジャック (ライン/ヘッドフォン兼用) ●最大出力レベル:+5dBm(出力負荷イ ンピーダンス:10kΩ以上時) ●ヘッドフォン出力:20mW+20mW (32Ω負荷時) ● コントロール入力:エクスプレッション・ペダル、フット・スイッチ ●USBインターフェー ス:16bit、32kHz/44.1kHz/48kHz ●対応OS:Windows XP/Vista/7、Mac OS X v10.4/10.5/10.6 ●S/N:120dB ●ノイズフロア:−100dBm ●電源:単3電池× 4、ACアダプタ(AD-16:DC9V/センターマイナス/500mA)、USBバスパワー ●電池 寿命:6.5時間 (アルカリ電池使用時) ●外形寸法:169(縦)×260(横)×67(高 さ)mm ●重量(電池含まず):1,300g ➡ ズーム キングの最初のタッチの音を消してくれま す。逆回転みたいな効果にもなってくれる。 ピッキングした音は出てこないんですよ。あ と、 「Wreckles」も、いかにもヴァイという か( 笑 )。このプリセットも、ピッキングの感 じでワウのかかりが変わるようで、とにかく 変わっていて、弾いている姿を見ないと、ど うやって弾いているかもわからないんじゃな いかな? 全体的に、すごくエフェクティヴ で、曲中で、一瞬出てきたり、楽曲の中でア クセント的に使うと、すごくいいんじゃない ですかね。こういう飛び道具が最初から入っ ているというのは、うれしいです。 います。 〈BG Drive〉 2000 年 前 後 の モ ダン・ヘヴィ系バンド が、愛用したことで知られるメサ・ブ ギーのデュアル・レクティファイアー のシミュレート。 K-A-Z:お∼、DZ Driveからガラっと 変わった ! ニュー・メタルが出てきた 頃の音ですね。あの頃、誰しもが出し ていた音 (笑) 。これまでの試奏は、トー ンのツマミを12 時ぐらいの位置で弾い ていたんだけど、これは3 時ぐらいにし て弾くといい感じです。12 時ぐらいだ と、レクチの特徴なんだけど、ちょっと 絶版となった今でも多くの ギタリストに愛されているボ スのOD-1だ。 K-A-Z:アンプのほうで軽く歪ませて、 G2.1Nuをブースター的に使って弾いて みたんだけど、デジタル臭さがないの に驚かされました。これ、ぜんぜんエ とかあの時にOD-1だけ持っていって弾 くのね。そのいつもの音がしてくれる。 思うぐらい、かなり、いい線いってます よ。G2.1Nuはノイズ・ゲートが入ってい るから、OD-1 使ってるのにノイズがな いっていうのもおもしろい。 〈T Scream〉 アイバニーズから発売された オーバードライブの名機チュー ブ・スクリーマーの初代ヴァージョン をモデリング。 K-A-Z:ミッドにすごい特徴が出てきま すね。チューブ・スクリーマーっぽいと いうか、チューブ・スクリーマーのキャ ラクターが、いちばん出ているところに 焦点を合わせた感じ。チューブ・スク リーマーの中域が好きな人にはたまら ないんじゃないでしょうか。 〈Governor〉 88 年に発売されると同時 に、多くのギタリストが飛び ついたマーシャルのディストーション・ エフェクター、ガヴァナー。その初期 イギリス製モデルをシミュレート。 K-A-Z:ガヴァナーならではというか、 高域の歪みのツブが、すごく細かいサ ウンドですね。とくにマーシャルのアン プで鳴らすと、いかにもガヴァナーとい う音が再現されます。中域から高域の ファットさは、いかにもですよ。 〈Dist +〉 ランディ・ローズが使用し ていたということで知られる MXRのディストーション+ のモデリン グだ。 K-A-Z:高域のヌケがよくて、ギラギラ したディストーションなので、そのキャ ラクターが好きな人にはたまらないサウ ンドです。最近のドギツイというか下品 な歪みというのではなく、クリアで整理 されたパリっとした歪みですね。 〈Dist 1〉 これまた、ディストーション の代名詞的存在として君臨し、 現在も発売されているボスのDS-1の シミュレート。 K-A-Z:これは、太いトーンを出してく れるディストーションですね。すごくサ スティンも効いて伸びやかになる。高校 生の時に使っていたんだけど、すごく懐 かしい音。これ、1 個あれば、どんな に歪まないアンプでも弾きやすく歪んで くれるという。とにかく、高域のかかり がいいのでソロも弾きやすいです。 〈Squeak〉 LAメタル全盛時、多くの ギタリストが愛用したプロコ のラットをシミュレート。 K-A-Z:懐かしい ! アンプをクリーン にして弾くとキラびやかでパリっとした ディストーション・サウンドが得られて、 アンプをやや歪ませて使うと、一気に ものすごく太い音のディストーション・ サウンドになる。アンプのセッティング で、ぜんぜんキャラクターが違うエフェ クターになりますね∼。基本的には太 い音が特徴なので、使い道によって、 おもしろいですよ。 〈FuzzSmile〉 円形のシェイプが印象的 なダラス・アービタのファズ・ フェイスのシミュレート。ジミ・ヘンド リックスが愛用していたことでも知ら れる60 年代のモデルだ。 K-A-Z:イッキに60 ∼ 70 年代の音にな ります (笑) 。ファズって、高い音域のフ レーズを弾いても太い音を出してくれる んですよね。ハイ・ポジションでチョー キングすると、このコンプ感がたまらな い。それと、ファズって弾くのが難しい イメージがあったんだけど、これはファ ズなのにソロもついてきて弾きやすい です。 〈GreatMuff〉 多くのギタリストに愛され 続けているエレクトロ・ハー モニックスのビッグ・マフ。これは、 70 年代前半の通称ラムズ・ヘッドと呼 ばれるモデルのシミュレートだ。 K-A-Z:ミッドからローの音域をグンと 上げて、わざとコモったトーンにしてい るようなサウンドが特徴ですね。サス ティンの伸び具合がすごい。アンプに つないで弾けば、サスティナーがいら ないぐらい永遠に伸びてくれます。歪 み的には、ディストーションとファズの 中間で、コードを弾くとツブの荒い歪み が得られます。 〈MetalWRLD〉 ボスの歪み系エフェクターの 中でも最強の部類に入る歪み を出してくれたMT-2、メタル・ゾーン をシミュレート。 K-A-Z:もろドンシャリの音になりま す。昔は、ふつうのアンプでここまでド ンシャリにできなかったから、発売さ 57 的楽器試奏会 K-A-Z:どクリーンですね。なにも脚 色されていないトーンで、これをアンプ につなげれば、そのアンプの特性がそ のまま出るんじゃないですか。G2.1Nu レートでは、重低音ばかりじゃなくて、 もっと弾きやすくパリっとしたハイも出 で、コーラスをかけてみたんだけど、エ フェクトのノリがすごくいいサウンドで せる。メタル・ゾーンのままだとキャラ が決まっちゃっているので使いにくいと す。デジタルならではのエフェクターが キレイにかかります。 いう人も、G2.1Nuではトーンのツマミ しだいで、いろいろと応用できそう。 〈HotBox〉 〈Z WILD〉 オーバードライブを さらにブーストさせた 真空管を内蔵したマッチレ スのペダル・プリアンプ、ホッ ト・ボックスをシミュレート。 K-A-Z:低域の歪みが、すごくいいで すね。アンプから伝わる床の振動がす ごい。これ、完全にデジタル臭さがな いですよ。デジタルのマルチ・エフェク ターの音とは思えない。今、アンプをク リーン・セッティングにしているんだけ ど、G2.1Nuを使っていると知らなけれ ば、アンプ直で歪ませていると思える 音ですよね。 続いて、G2.1Nu 独自のドライヴ・ エフェクト・セクションだ。個性的な ものからオーソドックスなもの、そし て思わずニヤリとさせられてしまうも のなど、かなりおもしろいエフェクト となっている。 〈Z Clean〉 ドライヴ・モジュー ルをバイパスしたよう サウンド。 K-A-Z:歪ませたアンプに使ってみた んだけど、音がすごく締まるようなオー バードライブ・サウンドになってくれま すね。耳に痛い高域を抑えてるとのこ となんだけど、まさにそうで、ダウン・ チューニングのギターだったら、もう少 し高域を足して使うといい気もします。 〈Z MP1〉 プリアンプの名機で あるADAのMP1とマ ーシャルJCM800の組み合わせを元 に作ったサウンド。シングルコイルの リア・ピックアップと組み合わせること で真価を発揮するそうだ。 K-A-Z:これ、けっこう実戦的に使える 音ですよ。低域から高域までキレイに 歪んでくれている。ギターのヴォリュー ムを絞ると歪みも減るし、すごく実戦的 に使えます。 〈Z Bottom〉 低域を前面に押し出 したオリジナル・ドラ なクリーン・サウンドが特徴。 イヴ・サウンド。パワー・コードを使っ たリフにピッタリの歪みだ。 K-A-Z:お∼、ローが出て、すごくモダ ンなサウンドになりますね。かなり低音 の迫力があるから、ダウン・チューニン グのギターで使うとミュートして弾いた 時のローの残る感じがたまらないです。 〈Z Dream〉 メサ・ブギーのレク チファイアー、ロード・ キング・シリーズ IIのリード・チャンネ ルをベースに作り出されたハイ・ゲイ ン・サウンド。 K-A-Z:この高音の感じがレクチです ね∼。レクチというとダウン・チューニ ングで使いたくなるんだけど、このエ フェクトをアンプで鳴らして使う時は、 EQの低域部分を整理するとグッと締ま りますよ。エフェクターで歪ませている というより、アンプ・シミュレータ的な 音がしますね。 〈Z Scream〉 全域においてバラン スのいい歪みが得られ るオリジナル・ハイ・ゲイン・サウンド。 オール・ジャンルに使える歪みだ。 K-A-Z:ツブが荒くてマーシャル的な歪 みのトーンですね。解説にもあるよう に、マーシャルを使ってモダンなサウン ドを作った感じです。 〈Z NEOS〉 あのブライアン・メ イが愛用した、ヴォッ クスのAC30TBXモディファイ・モデ PCとの連動で、DTMにも最適! 専用アプリでわかりやすい音作りが可能 PCと の 連 動 が 魅 力 の G2.1Nu。 無 償ダウン・ロードできる Edit & Share を使うと、PCを使っていな がらにしてアナログ的なエディットが 可能となる。各エフェクターのオン/ オフやツマミの操作、さらに最新のプ リセットをオン・ラインで入手も可能! K-A-Z:いま使っている、どのエフェク CUBASE LE4が付録! オーディオ・インターフェイスとして すぐにレコーディングができる G2.1Nuには、DAWソフトである CUBASE LE4が 同 梱されているの で、PCさえあれば、購入したその日 からPCを使ったレコーディングが可 能。ダイレクト・モードの真価も、こ こで発揮される! 兄弟機種G2Nuも登場! 今回、紹介したG2.1Nuには、G2Nuという 兄弟機種がある。こちらは、ペダル部分がない だけで、搭載エフェクトなどはまったく同じ。さ らに、コンパクトだぞ! G2Nu 58 ¥15,750 トがオンになっているのかとか、ツマ ミはどうなのかとか、すごくわかりやす い。G2.1Nuのほうのツマミを動かすと、 それと連動して“Edit&Share”のツマ ミが動くという、連動しているところも 思わずニヤリとしてしまいます。 ルをシミュレートしたサウンド。 K-A-Z:けっこう歪みます。キメが細か い歪みで、弱く弾くと歪まないし、強く 弾くと歪むというピッキングのニュアン スに反応してくれる音ですね。ふつう思 いきり歪ませると、ちょっと弾いただけ でもバコ∼ンときちゃうけど、これは優 しいタッチで弾くと、そのまま表現して くれる。デジタル・マルチで、ここまで 表現してくれるのは、すごいですね。 〈Lead〉 明るい歪みに特 徴 があるディストーショ ン・サウンド。ソロ時のサウンドに最 適で、ハード・ロックからフュージョン まで、幅広く対応できる。 K-A-Z:ソロを弾くと、マイケル・シェ ンカーが、ワウを途中で止めて出して いるような中音域が特徴の音です。シェ ンカー好きには、たまらないです (笑) 。 〈ExtremeDS〉 あえてデジタル臭さ とデジタル特有のエッ ジを強調したサウンドで、強力に歪み まくるディストーション・サウンド。 K-A-Z:デジロック向きの歪みですね。 俺は、けっこう好きな音ですよ。 “この 曲はデジタルっぽいよな”という時に使 いたいキレのある歪みです。 〈Aco.Sim〉 エレキしか持っていないと いうギタリストには、かなり うれしいアコースティック・シミュレー タも内蔵。 K-A-Z:フロント・ピックアップを使っ て弾くと、ピエゾを使ったアコギのよう な音がします。ふつうにアコギの音が するから、レコーディングの時、素人が マイクを立てて録るなら、これで充分 でしょう。ライヴの時とか、曲の一部に アコギのパートがある場合、これを使 えばスタンドにアコギを立てたりして弾 かなくてもいいですよね∼。ちょいヴォ リュームを絞ると、よりアコギっぽい感 じがします。 G2.1Nu総評は?! K-A-Z:まず、これだけ多彩なエフェクトが 入っていたり音が作れるというのに、基本的 には 3 つのツマミで音を作っていくというの がわかりやすくていいですよね。それに、ペ ダルにいろいろアサインできるので、ライヴ やスタジオでも実戦的なんですよ。もちろ ん、DTM に興味を持っている方には、すご く入りやすいしわかりやすいモデルだと思う し、音の種類が豊富だから、これをキッカ ケに DTM に入るというのもいいと思う。リ ズム・マシーンとかルーパーが付いているか ら、ひとり遊びもできるんですよ。スタジオ 練習とかライヴだけじゃなく、DTM もやり たいけど難しいって思っている方には、かな り入りやすいモデルなんじゃないかな。あと は、OD-1のモデリングとか、そのままエフェ クターのひとつとして使える音も入っていて、 かなり小さいので、ギターのソフト・ケース に入れてセッションとかにも持って行けるよ ね。仕事で行く時とか、どんなアンプが置 いてあるかわからないから、こういうエフェ クターがあると、これ一台で旅ができちゃう ( 笑 )。ちょっと昔で考えたら、16U ぐらい のラックを組まないとできないような、 ヘッド・ アンプも何台も使わないと無理な音が、こ んな小さなマルチでできるんだもんね、便 基本的には、3つのツマミでエディット していくというわかりやすさが魅力 ➡ れた時、かなり衝撃的でね。今で言う と、レクチとかディーゼルのアンプの音 をエフェクターでガンバってみたような 感じです (笑) 。でも、G2.1Nuのシミュ 利になったよね∼。 あと、今回は試せなかったんだけど、バン ドのアンサンブルの中で、どうかってことな んだよね。バンドの中で弾く時は、今回、お もしろかったドライヴ系のエフェクトより、違 うエフェクトのほうがよかったりとかあると 思うんだ。あと、家で好みの音を作ってお けば、基本的にはどんなアンプでも、自分 の音を出してくれるから、例えば“マーシャ ルの時はこのプリセット” 、 “JC の時はこれ” 、 “ヒュース & ケトナーの時は、このエフェク ターで”という、それぞれのアンプの特性を 考えてシミュレートした音をプリセットしてお けば、どんな場面でも対応できますよね。
© Copyright 2024 Paperzz