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JIKEN CENTER NEWS
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2002 FEBRUARY
平成14年2月15日発行 毎月1回15日発行(通巻317号) 昭和51年5月27日 第三種郵便物認可
自研センターのインターネット ホームページ
アドレスは、http://jikencenter.co.jp/です。
ご利用下さい。
目次
テクノセミナー:ついに始まった国産車のモジュール化「アウトソー
リペア インフォメーションS:作業方法に関する
シング化(外部調達)+機能統合モジュール(部品統合)」 ・・・2
ワンポイントアドバイス ・19
第15回自研センター「一般提案」募集 ・・・・・・・6
「構造調査シリーズ」新刊のご案内 ・・・・・・・20
リサーチNOW:ニッサン プリメーラ
(P12型)の
リサーチチング ザ スケルトンズ:トヨタ ノア(60G系)/
センタ マッド ガード取外しについて ・・7
ヴォクシー(60G系)・・・21
リサーチレポート:クーラー パイプの接続方法について ・・9
指数テーブルマニュアル作業項目の解説 _25_ ・12
2001年度技術顧問懇談会開催 ・・・・・・・・・22
お客様相談室レポート:2001年10月版「指数テーブルマニュアル」
「2002年2月号」発行のご紹介 ・・・・23
の変更箇所について ・・・・・・13
自研センター来訪者一覧 ・・・・・・・・・・・・23
2001年RCAR会議の技術発表一覧(その2)・・・・14
1 ∼□
8
別冊 新型車情報:qスズキ MRワゴン(MF21S) ・・・・□
韓国自動車技術研究所(KART:韓国のリサーチセンター)
との技術交流会議を開催 ・・・・17
日本アウダテックス社指数テーブル
1 ∼□
8
wスバル シボレー クルーズ(LA-HR51S)・□
TECHNO
SEMINAR
ついに始まった国産車のモジュール化
『アウト ソーシング化(外部調達)
+機能統合モジュール(部品統合)』
モジュール化の歴史を振り返ってみると、
ヨーロッパで
国内のカー メーカーの取り組みは、
車体構造を大きく変え
20年くらい前から始まりました。モジュール化の最大の目
ない範囲でのアウト ソーシング化を進めるという域を出る
的は、
作業負担の大きい部品を車体から切り離し、
作業しや
ことはありませんでした。
すい場所であらかじめ組み立て、
組み上がったサブ アセン
ところが日産は今回、
車体構造を大きく変えるモジュール
ブリ品を一括して車体に組み付ければ、
作業者の負担やスト
を導入し、
開発・生産を部品メーカーにアウト ソーシングし
レスによる作業ミスが大幅に減少できるなど、
組み立て作業
たことで、
これまでの国内のモジュール化の常識を打ち破っ
時の負担低減であり、
これがモジュール化の出発点になった
たことになります。
と思われます。
ところが最近では、
モジュール化の目的が軽労化に代わり、
日産の新型スカイラインと北米専用車のアルティマにフ
ロント エンド、
コック ピット、
ルーフ、
ドアの四つのモジュ
コスト削減に変わってきました。
自動車産業のグローバル化
ールを採用しました。
(図1参照)
その中で唯一、機能統合型
(合併や提携など)の中で、部品の内製率の高さと、それに伴
のモジュールと言えるのがフロント エンド モジュール(ラ
うコスト高に悩んでいたヨーロッパのカー メーカー各社は、
ジエータ周りのフレーム、
ラジエータ、
コンデンサ、
ファン、
部品の製造を人件費の低い部品メーカーにモジュール単位
シュラウド、ランプ、
バンパ補強材などを一体化)
です。
従来
で外注し、
カー メーカーの部品内製率や組み立て工数を下
は、ラジエータ回りのフレームは車体と一体で、
複数の鋼製
げることをモジュール化の主眼におくことになってきまし
部品を溶接やネジ留めで結合した構成でした。
この部分を樹
た(最たる例として、
97年に発売されたゴルフ4は、モジュ
脂化したことにより部品点数の削減(約4割)
とコスト削減、
ール化とグループ内でのプラット ホーム共通化を柱にコス
軽量化が可能になりました。
ト削減で、
品質や性能を大幅に向上させたにもかかわらず、
価格を4%引き下げた)
。
新型スカイラインのフロント エンド モジュール(一体フ
レーム)
30%強化のPP
(ポリプ
の材質は、ガラス繊維(GF)
ヨーロッパのモジュールを活発に研究した国内のカー メ
ロピレン)
の射出成形品(半溶融状態の原料を一点から型に
ーカーも結局導入は一部にとどまり、
今日に至るまで状況は
放射状に出し成形された部品)
とし、
複数の部品を一体化し
ほとんど変わりませんでした。すなわち三つの要因である
ました。
一方、
北米専用車のアルティマの材質は、GF30%強
「作業負担の軽減」
「カー メーカーと部品メーカーの労働コ
ストの差」
「部品メーカーへのアウト ソーシングによる内製
化率引き下げ」
のいずれもが、
国内では当てはまらないとさ
れてきました。
化ナイロン66を採用し、鋼製補強材を内部にインサートし
ています。
この材質構成の違いは、スカイラインがFR
(フロント エ
ンジン・リア ドライブ)
に対し、アルティマがFF
(フロント
国内においては、
「負担の大きい作業に対しては、
作業者が
エンジン・フロント ドライブ)
を採用していることに起因し
優秀であり、
ミスが少なく、
無断欠勤も少ない」
「労働コスト
ています。
スカイラインの場合、
エンジンやサスペンション
の差は、
ヨーロッパよりも小さいため組み立て作業を部品メ
を取り付けるメンバをフロント サイド フレームに取り付
ーカーに移管するメリットが少ない」
「国内のカー メーカー
けており、
エンジンやサスペンションの荷重はフロント エ
の外製率は、既にかなり高い(70%∼80%)
ので、これ以上
ンド モジュールにはかかりません。
ところが、
アルティマは
アウト ソーシング化を進める必要がない」
これら三つの条
エンジンを搭載するフレームがエンジン ルームの下中央を
件が当てはまらないことに加え、
モジュール化が逆にコスト
前後に走っており、
このフレームの前端は、
フロント エンド
上昇を招くことになりました。
こうした事情からこれまでの
モジュールに組み付けられています。
つまりエンジン等の荷
2
自研センターニュース 2002年2月号
図1
新型スカイラインに採用された四つのモジュール
q
w
コック ピット モジュール
ルーフ モジュール
アシスト グリップ
q樹脂製クリップ
w金属製クリップ
フロント エンド モジュール
ドア モジュール
重がフロント エンド モジュールに加わる構造のため、
スカ
イライン用よりも高い強度が要求されたことが、材質の違
の向上にもつながると思われます。
ルーフ モジュールは、室内の天井トリム材にランプ類や、
いにつながったと思われます。将来は、バンパやグリルまで
ワイヤー ハーネス、カード ケース、インシュレータ
(吸音材)
、
盛り込む構想があるそうです。
ルーフ サイド ブラケット(衝突時などに頭部を保護する樹
ドア モジュールは、ドアのインナー機構部品を取り付け
脂製部材)
、アシスト グリップ(3個)を一体化しています。
る基板(キャリア)にウィンド レギュレータ、スピーカー、
トリム材は、スタンパブル シート( ガラス長繊維強化PP
ワイヤー ハーネスなどを一体化させています。新型スカイ
(ポリプロピレン)シートを加熱・プレス成形したもの)の
ライン、アルティマ、新型シーマ、新型ステージアとほぼ同
基板に、表皮の布を張り付けて作成されています。アシスト
じモジュールが採用されて共通性を持つことにより、従来
グリップは、ルーフのドア開口部の上にあるハンドルで、高
車種ごとにかかっていた設計、実験にかかる工数をほぼゼ
齢者などが車内に乗り込む際にこのアシスト グリップにつ
ロにできることから目に見えないコストの削減を達成して
かまって全体重をかけることがあるため、アシスト グリッ
います。
プには100kgの荷重に耐えることが要求されます。アシス
コックピット モジュールは、インパネ、エアコン、ダク
ト グリップの固定方法は、金属製のクリップと樹脂製のク
ト、メータ、オーディオ、エア バッグ、ステアリング コラ
リップを組み合わせ、樹脂製クリップはアシスト グリップ
ムなどを作業しやすい場所で組み上げた後、完成したモジ
とルーフ トリムの間を結合して、金属製クリップがアシス
ュールを車内に取り付けています。これにより工数の短縮
ト グリップを車体側に固定する構造(アシスト グリップの
(部品点数の20%減)
、コストの削減、不良率の低減を達成し
根元を押し込むだけで二つの箇所は同時に結合される)を
ました。今回のインストルメント部には、上下二分割構造が
取り入れられ、上側は簡単に外せるようになっており、開口
部からハーネスの結合箇所がよく見えるためメンテナンス
(図1内のアシストグリップ参照)
採用しています。
なお、マツダは2002年初頭に発売する新型車「アテンザ」
で機能統合型モジュールとしてフロント エンド モジュー
自研センターニュース 2002年2月号
3
ル、ドア モジュール、コック ピット モジュール、センター
マツダは、個々の部品レベルでは部品メーカーに可能な
パネル モジュール、フューエル タンク モジュールの五つ
限りアウト ソーシングする方針を打ち出していますが、
モ
を採用します。ただし、日産と異なり、フューエル タンク
ジュールに関しては部品メーカーに任せられるまでには時
モジュール以外の四つのモジュールをすべて内製化する予
間がかかると見ています。次世代のモジュールでは機能統
定です。
合とコスト削減を一層進めていき、結果として日産とマツ
ダは、
『アウト ソーシング化+機能統合モジュール』を取り
ヨーロッパでは、自動車の修理費用が高いため、修理費用
込むことになっていくと思われます。
を低減できる構造かどうかで、車両保険の等級が変わって
それでは、日産とマツダ以外の国内のカー メーカーは、
今
きます。アテンザはヨーロッパでも発売される車種なので、
修理費用が低減できる構造にする必要があります。このた
後どうなっていくのか。ホンダと富士重工業はモジュール
めの対策として一般的なのは、前面衝突の際にフロント エ
化の検討はしつつも、アウト ソーシング化には慎重な姿勢
ンド モジュールだけが破壊して、その後部にある車体が損
を示しています。一方で三菱自動車工業はアウト ソーシン
傷を受けないようにする方法であります。今回のフロント
グ化を推進する意向をにじませています。トヨタは検討中
エンド モジュールは、樹脂の一体構造になっているので、
衝
で、まだ全社的な方針として外部に発表はされていません。
突時の損傷波及を効率よくコントロールできるため車体側
よって具体的な方向性について最終的におちつくところは
の補強が省けたとのことです。
まだ見えていない今日この頃であります。
(図2参照)
図2
最近におけるモジュールの導入状況 (2001年12月現在)
車 種
部 品
シーマ
プリメーラ
スカイライン
01年1月発売
01年1月発売
01年6月発売
フロントエンドモジュール
アルティマ
01年8月発売
(北米専用)
◎
◎
○
○
◎ ・・・ 機能統合モジュール化 ○ ・・・ モジュール化
ステージア
プリウス
01年10月発売
97年発売
ハリアー
カローラ
00年8月発売
アテンザ
Zカー
02年発売予定
(マツダ)
02年発売予定
(三菱)
(ドイツMMC) 97年秋発売
大幅な
モジュール
生産を導入
予定
ホワイトボ
デーもモジ
ュール化さ
れ最終組み
立てのみカ
ーメーカー
が担当
スマート
ゴルフ4
◎
リヤエンドモジュール
リフトゲートモジュール
ピックアップボックス
コックピットモジュール
◎
○
センターパネルモジュール
○
○
◎
ワイパーモジュール
オーバーヘッド(ルーフ)モジュール
○
○
カーペットモジュール
パッケージトレイモジュール
シートモジュール
ドアモジュール
○
○
○
○
○
◎
フロア/トンネルコンソールモジュール
ブロア&エアコンユニットモジュール
モジュール
化とプラッ
トフォーム
の共通化
○
リヤサスペンションモジュール
ホイール/タイヤモジュール
インテークマニホールドモジュール
○
フロントサス&パワートレーンモジュール
ラジエータファンシュラウドモジュール
○
フロントエキゾーストモジュール
フューエルデリバリーモジュール
◎
チューブバンドルモジュール
ローリングシャシーモジュール
※モジュール【module】 :全体の組立の中へはめ込める部分またはその基準尺度
※アセンブリ【assembly】:共通の目的を持つ機械部品の組み立て集合体
※機 能 統 合 モ ジ ュ ー ル:モジュールを構成する部品の構造や機能を一体化し部品点数を
減らしてコストや質量を低減した製品
*資料:日経メカニカル・ニュース
4
自研センターニュース 2002年2月号
自研センターとしては、
修理性の観点からモジュール化に
ともなう部品補給形態ならびに構造の相違点を把握し、合
図3
理的な修理作業工程の精査を重ね、
情報の提供に努めていき
たいと思っています。
(図3参照)
モジュール化にともなう部品補給形態の新旧比較例
のラジエーター コ
たとえば、
旧型スカイライン(R34系)
され、
作業効率が向上すると思われます。
(図4参照)
ア サポート(鋼板製の分割補給と一体補給)
が溶接付けに
今後の課題として、
部分損傷時の合成樹脂部品の補修性な
対し、新型スカイライン
(V35系)
では、ラジエーター コア
らびに損傷波及にともなう鋼板部位やメカニカル装着部品
サポート(合成樹脂製の一体補給)がボルト付けになって
の損傷修理性など効果的な修理方法の調査研究に取り組ん
おり、
部品脱着または取替時に左右フロント フェンダーと
でいきたいと考えております。
クーラー コンデンサーおよびラジエーターを残したまま作
業ができることから、
旧型と比べ付帯および付随作業が省略
自研センターニュース 2002年2月号
5
図4
モジュール化にともなう作業項目の比較例 (2001年12月現在)
R34(旧型スカイライン)
作業項目No.
指数値
部品名称
希望小売価格(円)
V35(新型スカイライン)
付随項目No.
(配線、配管、付属品等は除く)
指数値総合計 作業項目No.
B125
1.10
ラジエーターコアアッパーサポート
4,400
B010+B040+B060
+B100×2+M010+
M020(A/TorM/T)
B130
1.10
片側ラジエーターコアサイドサポート
5,300
B010+B040
+B100+M010
+M020(A/TorM/T)
4.30(M/T)
4.50(A/T)
ラジエーターコアアッパーサポート
4,400
B131
1.60
4.50(M/T)
4.70(A/T)
片側ラジエーターコアサイドサポート
5,300
B010+B040+B060
+B100×2+M010
+M020(A/TorM/T)
ラジエーターコアロアサポート
6,100
B010+M010
+M020(A/TorM/T)
4.10(M/T)
4.30(A/T)
B135
1.60
5.10(M/T)
5.30(A/T)
B140
片側ラジエーターコアサイドサポート
B137
5,300
2.10
B140
2.30
B141
2.10
ラジエーターコアロアサポート
6,100
ラジエーターコアサポートAssy
21,100
ラジエーターコアアッパーサポート
4,400
両側ラジエーターコアサイドサポート
2×5,300
B010+B040
+B100+M010
+M020(A/TorM/T)
B010+B040+B060
+B100×2+M010
+M020(A/TorM/T)
B010+B040+B060
+B100×2+M010
+M020(A/TorM/T)
指数値
部品名称
0.70
ラジエーターコアサポートAssy
付随項目No.
希望小売価格(円)
21,600
(配線、配管、付属品等は除く)
指数値総合計
B010+B030+B040
2.20
(※特徴として、クー
(ディスタン
ラーコンデンサーと
スセンサー
ラジエーターを残し
付は0.10増)
て作業ができる。)
5.30(M/T)
5.50(A/T)
6.30(M/T)
6.50(A/T)
6.10(M/T)
6.30(A/T)
[ 項目No.の補足説明 ]
※ B010(フロントバンパ脱着)
、B030(フロントグリルキット脱着または取替)
、B040(ヘッドランプAssy脱着または取替)
、B060(フード脱着)
、M010(コンデンサAssy脱着または取替)
、M020(ラジエータAssy脱着ま
たは取替)
※ B125∼B141の作業において、B010、B030、B040、B060項目に適宜共通性あり。
※ R34であれば、B125∼B131の作業において、M010、M020項目の省略の可能性あり。 R34であれば、B135∼B141の作業において、M010、M020項目に共通性あり。
第15回自研センター
自研センターでは、2002年「一般提案」募集を行います。日
頃、損害調査業務を進める上で、損傷車の復元修理に関連
して気づかれた改善策、創意工夫、アイデア、実際の取り
(4)損傷性、修理性の向上に関する提案
補給部品の形態、取り付け方法など。
w 募集期間
組み例などをご提案願います。皆さんの現場の体験に基づ
平成14年1月7日∼2月末。
いたあるいは日頃お考えになっているアイデアをお待ちし
送付先
e 応募資格
ております。
q テーマ
損害保険会社の社員、損害調査会社の
(1)自由課題
アジャスターおよび社員。
ただし、損傷車の復元修理に関することに限ります。
(2)立会い・見積技法の改善提案
r 送付先
〒272-0001 市川市二俣678-28
損傷部位・範囲の確認方法、見積の適正化、迅速化な
どに関するもの。
(株)自研センター提案事務局
TEL 047-328-9123(総務企画部内)
(3)損傷車の復元修理についての改善提案
合理的な修理方法、工具、機具、治具などの改善案など。
*詳細につきましては本誌2001年12月号をご覧ください。
6
自研センターニュース 2002年2月号
RESEARCH
RESEARCH
リサーチ ナウ
ニッサンプリメーラ
(P12型)
の
センタ マッドガード取外しについて
ニッサン プリメーラ(P12型)
のフロント フェンダ を脱着する際にはセンタ マッド ガードの取外し
が必要ですが、
クリップのボデーへのはめ込みが強く、
無理に力を加えて取り外そうとした場合、高額
なマッド ガード本体を損傷させてしまう可能性があり注意が必要です。
取付け構造と作業方法について紹介します。
1.センタ マッド ガード取付け構造の紹介
センタ マッド ガードはFrとRr側の2分割構造で、
スクリュー、ボルト、クリップでボデーに取り付い
ている。
裏面にクリップ
スクリュー
スクリュー
ボルト
センタ マッド ガードFr
ボルト
センタ マッド ガードRr
2.センタ マッド ガード補給部品価格
w
r
qセンタ マッド ガードFr(18,000円)
e
wセンタ マッド ガードRr(12,000円)
eクリップ(50円)
q
rグロメット(150円)
※rはボデー側クリップ取付け部
r
e
(部品価格は2001年12月現在)
3.センタ マッド ガードFrとフロント フェンダの取付
状態の紹介
センタ マッド ガードFrの内側にフロント フェン
フロント フェンダ
ダ取付けボルトが隠れているため、フロントフェン
ダを取り外す際はセンタ マッド ガードFrを取り外
す必要がある。
フロント フェンダ取付けボルト
センタ マッドFr
自研センターニュース 2002年2月号
7
4.取外し手順とポイント
qスクリューとボルトを取り外した後、工具の入
る空間を作るため手でセンタ マッド ガード端部
を少し手前に引っ張り、クリップの位置を確認
する。
wマイナス ドライバを使い、フロント フェンダに
取り付いている前側クリップから順番に丁寧に
外していく。
5.取外し手順とポイント
保護テープ
eすべてのクリップが外れたらセンタ マッド ガー
ドFrを取り外す。
※工具による傷がつかないよう、保護テープを
事前にボデーに貼っておくとよい。
損傷に応じてセンタ マッド ガードRrの取外し
を行う場合も作業方法は同様である。
6.クリップ取付構造の紹介
←:クリップはめ込み方向
クリップは取付け部にスライドさせてはめ込む構造
←
だが、はめ込み方向に統一性がない。そのためボデ
←
ー側にクリップを残した状態でセンタ マッド ガードを
スライドして容易に取り外す作業はできない。
←
←
←
←
センタ マッド ガードR rも同様の構造である。
7.クリップ取付け部の破損事例
事例1
無理にセンタ マッド ガードを引っ張って外そ
うとした事例。
事例 1
クリップ取付部が根元で破損。
事例 2
クリップ取付部が上部で破損。
破損
事例2
※ 2事例ともクリップはボデー側に取り付いたま
まの状態であった。
破損
8
自研センターニュース 2002年2月号
←
リサーチレポート
esearch
eport
クーラー パイプの接続方法について
クーラー パイプの接続方法が、
一般的な「フレアナット式」
から、
従来とは異なるクーラー パイプの接続方法
を採用したものが多く目に付くようになってきました。
今回のリサーチレポートは、
メーカー別クーラー パイプ
の接続方法とその脱着方法方について、レポートします。
トヨタ
写真1
この方式は、かなりの方が御覧になったか、または作業を
されたことがあると思います。パイプ切り離しには、専用の
SSTが必要になります。
このSSTは、高圧側専用と低圧側専用に分かれています。
高圧側SST:N0.09870−00020
低圧側SST:N0.09870−00010
SST価格:高圧、低圧とも5,500円
(写真1。高圧側SST)
[切り離し方法]
写真2 SST
1. SSTのストッパー側がパイプクランプのロック側になる
ようにセットします(SSTの挿入方向があります)。
(写真2。
SST取付け状態)
2. パイプを両手で支え、SSTを親指で押し込みます
(パイプ
に力をかけすぎて、
パイプを曲げないように注意してく
ださい)。
3. ストッパーがパイプに当たるまでSSTを戻します。
SST
4. SSTのストッパを持ち上げ、SSTとパイプクランプを一体
でパイプから抜き取ります。
5. パイプクランプをSSTから取り外し、パイプを切り離し
写真3
ます。
[接続方法]
パイプ接続後、パイプクランプで挟み込みます。接続時に
は、SSTを必要としません。
(写真3。
パイプ接続)
パイプクランプ
自研センターニュース 2002年2月号
9
ホンダ
写真4
ホンダ車では、
フィットのエバポレータ接続部分に採用さ
れています。
(写真4。
パイプ接続状態)
切離しには、
SSTを必要としませんが、
部品交換が発生し
ます。
[切り離し方法]
1.ジョイント キャップ(A)を切り取ります。
(写真5。ジョ
イント キャップ切り取り)
*エアーまたは洗浄液などで接続部のゴミ、
異物を取り
除きます。
2.スットパ(B)を外し、レシーバとサクション パイプの接
写真5
続を外します。
[取付け時の注意点]
1.レシーバ パイプ、サクション パイプ接続部の内側シール
面にゴミ、
異物がないこと
2.ジョイント キャップ(A)、ストッパ(B)およびOリング
は、全て新品に交換すること。
(写真6。
部品補給形態。
参
考価格:高圧、低圧ともに200円)
3.Oリングは、コンプレッサ オイル( SP‐10)を塗布して
から取り付けること。
写真6
4.ストッパ(B)を取り付けてからレシーバ パイプ、サクシ
ョン パイプをロックするまでゆっくり押し込み、
抜けな
いこと。
5.ジョイント キャップ(A)を確実に取り付け、外れがない
こと。
Oリング
日産 ワンタッチ ジョイント
スカイライン(V35)ステージア(M35)に採用されてい
ます。
パイプ切離しには、SSTが必要になります。
SSTは、3種類
あります。
(写真7。SST)
φ8 :92530−89908
φ12 :92530−89912
φ16 :92530−89916 価格はいずれも、650円
10
自研センターニュース 2002年2月号
写真7
(B)
(A)
写真8
[切離し方法]
1.クリップを取り外した後、配管部分を清浄しSSTを取り付
けます。
(写真8、9、10 )
クリップ
2.SSTを配管の軸方向にスライドさせます(SSTのテーパー
部でガーター スプリングを押し広げます)
(
。写真10)
3.SSTをさらにスライドさせ、ガーター スプリングの内径
が配管(メス側)
のフレア部の外径より大きくなると、配
管(オス側)
が抜ける状態になり、
配管の取り外しができ
ます。
(写真11)
[接続方法]
1.配管接続部分を清掃し、
配管(オス側)を配管(メス側)に
写真9
挿入します。
2.クリップを配管接続部に取り付けます。この時、クリップ
にガタツキの無い事を確認します。
写真11
写真10
[パイプ接続構造]
挿入した配管(オス側)
をさら
に押込むと配管(メス側)
フレア
図1
ワンタッチジョイント接続前の状態
配管(オス側)
ワンタッチジョイント接続後の状態
ガータースプリング
配管(オス側)
ガータースプリング
部が、
ガーター スプリングを押し
広げます。
配管(メス側)
ガーター スプリングの内径が
Oリング
配管(メス側)
配管(メス側)
のフレア部の外径
より大きくなると、
ガーター スプリングがフレアを乗り越
するときは、
メス側配管を変形させないように軸方向に
え、配管(オス側)
のケージ部と配管(メス側)
のフレア部に
まっすぐ、
ゆっくりと挿入すること。
収まることで、配管接続部を固定します。
(図1)
*ガーター スプリングがフレア部を乗り越え、
配管(オ
ス側)
のケージ部と配管(メス側)
のフレア部の間に収
まると「カチッ」と音がします。
[注意事項]
¡配管のOリングは新品と交換し、取り付け時コンプレッ
¡ワンタッチジョイント接続部は「カチッ」と音がするまで
確実に差し込むこと。
¡配管接続後、オス側配管を手で引っ張り、配管接続が外れ
ないことを必ず確認すること。
¡配管接続部のクリップ取り付け後にガタツキがある際は、
爪部を配管側に引き起こし、
再度取付けを行うこと。
サオイルを塗布すること
¡配管(メス側)の接続部は薄いため、配管(オス側)を挿入
参考資料:トヨタ修理書、ホンダシャシ整備編、
日産新型車解説書
自研センターニュース 2002年2月号
11
指数テーブル マニュアル作業項目の解説
−25−
前回
(本誌2001年12月号)
は指数テーブルマニュアル
(2000年10月発行)のM070 エンジン・トランスミッショ
ン&フロント サスペンションAss'y脱着について解説
しました。
図1
M080 エンジン・トランスミッション脱着
*エンジンとトランスミッションを一体でボデーから切り離し、上側に取外す作業と
これに伴う配線・配管・付属品の縁切りおよび取付けを行う作業
*フロントパネルグループ、ラジエータおよびクーラコンデンサを取外した状態から
行う作業
今回も指数テーブル マニュアル(2001年10月発行)
を元に、メカ系の作業項目『M080 エンジン・トランス
ミッション脱着』
について解説します。
(図1)
1 . 前提条件および基本的な作業
『フロント パネル グループ、
ラジエータおよびクーラ コン
デンサを取り外した状態からの作業です。』
当該作業項目は『エンジン・トランスミッションを一体
指数に含まれる主な作業
*室内トリム・マットおよびコンソールの一部脱着
でボデーから切り離し、
上側に取外す作業とこれに伴う配
線・配管・付属品の縁切りおよび取付けを行う作業です。』
*シフトレバーの縁切りおよび組付け
*エアコン用配線・配管の脱着または縁切りおよび組付
*エンジン調整
*パワーステアリングのエア抜き
*必要範囲の付属品の脱着
2.指数に含まれる主な作業
(1)室内トリム・マットおよびコンソールの一部脱着
主な付属品
・サスペンションアッパプレース
除く作業
*エンジン関係の各センサ単体点検 脱着指数における、エンジン脱着時のエンジン コントロール
コンピュータからの配線縁切り方法は、エンジン側各センサ部
補 足
*室内トリム・マットおよび:E仕様車に伴うコントロールユニットの縁切り
コンソールの一部脱着 のために必要な範囲の脱着
等で縁切る場合と、室内エンジンコントロールコンピュータ部
で一括に縁切る場合の二通りがあります。
指数の一般的なエンジン脱着は、室内エンジン コントロー
ール、シフト レバー ホール カバーを取外し、シフト レバ
ーをトランスミッションより脱着する作業が含まれます。
ル コンピュータ部で一括に縁切る方法を採用しております。
(3)エアコン用配線・配管の脱着または縁切りおよび組付け
この場合の作業範囲としては、
室内エンジン コントロー
エンジン脱着に伴い、コンデンサ脱着後のパイプやホー
ル コンピュータ部で縁切るために、
qグラブ コンパートメ
ス類およびセンサ等の脱着または縁切りおよび組付け作業
ント ドア、
wインストルメント パネル アンダ トレー、eイ
が含まれます。
ンストルメント アンダ カバーの取外しが必要になります。
車種によってはセンタ コンソールの取外しも必要になり、
こ
(4)エンジン調整(脱着および点検・調整にかかわる以下
の作業)
れらの作業はエンジン脱着指数に含まれており(含)
作業と
q冷却水点検(リザーバ タンクの水位の点検)
して、摘要に明示されています。
wエンジン オイル点検(オイル レベル ゲージでの点検)
また、
作業効率を考慮しエンジン側各センサ部等で縁切り
eアクセル全開および戻り点検(2人作業でアクセル ワ
する方法を採用している車種もありますが、
この場合にはハ
イヤの戻りおよびスロットル全開・全閉状態の点検)
ーネスを固定しているハーネス バンドの取外しや、
必要な
rイグニッション タイミング点検(タイミングライトを
ブラケット類の取外しもエンジン脱着作業に含まれます。
(2)シフト レバーの縁切りおよび組付け
A/T車の場合シフト レバーとコネクティング ロッド間
で通常、縁切り作業になります。M/T車はセンター コンソ
12
自研センターニュース 2002年2月号
使用点検)
tエンジン ウォーミングアップ時の点検
(a.各メータ作動点検)
(b.ステアリング作動点検)
y各部漏れ点検(エンジン オイル・冷却水・燃料の漏れを
目視点検)
uアイドリング調整および排気ガス測定(アイドリング回
転数を調整、排ガス測定)
れます。
(6)必要範囲の付属品の脱着または取替
主な付属品として、サスペンション アッパ ブレースブレ
ー等の脱着または取替を含みます。
(5)パワー ステアリングのエア抜き
エンジン脱着に伴い発生するパワー ステアリングのパイ
プやホース類縁切り作業をした場合のエア抜き作業が含ま
3.除く作業
(1)エンジン関係の各センサー単体点検
お客様相談室 レポート
2001年10月版「指数テーブルマニュアル」の
変更箇所について
2001年10月に発行されました「指数テーブルマニュアル」
でした。
しかし、
外板板金修正を行う際に単独で取り
の変更箇所について概略をご紹介します。
外すケースに対応して2001年10月以降に発表される
z 背表紙に年度を追加しました。
指数についてはリヤ コンビネーション ランプ脱着
x 裏表紙に改訂履歴を追加しました。
または取替の指数項目を設定しています。
c 新たに指数化した9項目に以下のとおり対応させました。
(1)作業項目の説明(本誌2001年10月号で紹介)を掲載し
ました。
(2)Q&Aを追加・変更しました。
*P137 Q13
(A)
の波線部分を追加しました。
Q13 ヘッドランプをユニット取替する場合、
指数の算定
はどうしたら良いのですか?
(A)
Ass'y補給とユニット補給の両方の補給形態がある
車種については、
Assy取替の指数のみ作成しており、
ユニット取替におけるバルブの取替等の時間は、
この
指数では算定できません。
なお、
一部車種に見られる
v 外板板金修正の例題を変更しました。
(1)難易度の判断事例に「難易度ランクC」のケースを追加
しました。
(2)特殊な面積算定事例で「総合ランクC」の事例を入れま
した。
b 補修塗装指数の例題の車両イラストを新しくする等の変
更をしました。
n その他「Q&A」
の追加・見直しの例は以下のとおりです。
(1)P150 Q35を新規追加しました。
Q35 防錆ワックスの付加指数はどのような場合に適用
するのですか?
ように、
補給形態がユニット補給のみの車種は、
分割
(A)
付加指数の防錆ワックス加算は該当車種のボデー修
補給されている部品を組み立てる時間が、指数値に
理書等に指示されているパネルおよび部位への適用
含まれています。
が原則です。
車種やメーカーによって異なりますので
尚、
2001年10月以降に発売される指数についてはユ
必ず実車あるいはボデー修理書での確認をして下さ
ニット組替の指数がある場合には、
その旨、
指数テー
い。
ブルに表示しています。
最新版指数テーブルマニュアルは、
過去の指数に関するす
*P139 Q23
(A)
の波線部分を追加しました。
べての変更点を網羅するように編集されています。
したがっ
Q23 リヤ コンビネーション ランプ単独での脱着の指
て最新版をご利用いただければ、以前のマニュアルは不要
数はないのですか?
(A)
リヤ コンビネーション ランプが単独で損傷するケ
となります。指数の正しい理解の促進のためにも是非「指数
テーブルマニュアル」をご利用下さい。
ースは極めて稀であるため指数を設けておりません
自研センターニュース 2002年2月号
13
2001年RCAR会議の技術発表一覧
(その2)
前号に引き続き、
2001年RCAR会議での技術発表内容の概要をお伝えします。
3セーフティ
1)交通安全計画(CESVI Argentina-アルゼンチン)
Road Safety Plan
セスビ・アルゼンチンが交通安全に関して行った活動の紹介。
2)改善されたシート構造(AZT-ドイツ)
Improved Seat Design
ヘッドレスト高さとシートバックの要件をボランティア・テ
AZTが行った鞭打ち症研究の報告。
ストのビデオで説明。
新世代のシート構造(スマート、サーブ、
ボルボ)を説明。首の回転を低減す
る新しいシート構造のテストを行い、医学的な調査を行った。
3)交通安全:ヘッドレスト“大きな忘れ物”
(Centro Zaragoza-スペイン)
Road Safety:Head Restraint“The Great Forgotten”
ビデオを使い、
ヘッドレストを適切な高さに調整することの重要性を説明。
4)乗員安全性向上のための衝突テストの活用(IIHS-アメリカ)
Using Crash Testing to Improve Occupant Safety
アメリカ国民の車の安全性に関する認識は高まっている。IIHSが行ってきた、
オフセット・デフ
ォーマブル・バリアへの前面衝突テストの成果を説明。
IIHSのテストの結果を国民が見ることが出
来、乗員安全が主要な宣伝材料となったことが自動車メーカーの改善につながっている。
5)車種ごとの事故発生率と傷害発生率(VAT-フィンランド)
Accident Involvement Risk and Injury Risk Rate by Car Model
今回は特に登録年にしたがった安全性の向上に焦点を当てて調査した。
分かったことは、
最新か
つ最重量車が最も安全、
最新の重量車の攻撃性は以前より減少しているなど。
6)ヘッドレストの評価(NRMA-オーストラリア)
Head Restraint Evaluation
RCAR 基準で82車種を評価した。2001年はドライバーの習慣を調査した。2,200台以上を調べ
た結果、56%はヘッドレスト位置の調整が適切でなかった。
7)鞭打ち症-動的評価基準に向けて(IIHS,AZT,Thatcham)
Whiplash-Towards a Dynamic Standard
AZT,IIHS,GDVおよびサッチャムが共同して、新しい鞭打ち症防止機構に対応した動的試験法
を開発している。主要な課題は使用するダミーと傷害基準。Hybrid3 TRDとBioRIDを比較した
が、前者は生体忠実度が低いのに対し後者には重大な問題はない。
8)ムース(大鹿)衝突テスト(Laensfoersaekringar-スウェーデン)
Moose Crash Test
スウェーデンでは毎日12件のムースとの衝突事故があり、
毎年15人が死亡、900人が負傷してい
る。
VTI(国立道路交通研究所)はムース衝突のテスト・ダミーを開発した。適切な衝突試験スピー
ド、
エアバッグの効果などを明らかにするために、多くの車をテストしている。
14
自研センターニュース 2002年2月号
4環境・リサイクル・リユース
1)
工場のISO14001認証取得報告(Folksam-スウェーデン)
ISO14001 Report on Environmental Certification of a Workshop
ISO14001取得の背景は、当局、保険会社、派生機関および顧客の要求。実行した内容は、環境
投資、物品とサービスの明確化、会社業務のマップ化、生産物の調査、結果評価、会社環境方針の
作成。2.5年と$50,000かかった。
2)
実行計画-リサイクル・エアバッグおよびクラッシュデータレコーダ(ICBC-カナダ)
Implementation Program-Recycled Airbags and Crash Data Recorders
リサイクル・エアバッグ:ICBCはリサイクル・エアバッグを修理に使用している。自動データ
入替、VIN履歴、検査記録、訓練など多数の要件を設けている。リサイクル・エアバッグ使用につ
いて、自動車メーカーは否定的、顧客は賛成、メディアは両論。
クラッシュデータレコーダ:保険会社が情報を入手することを自動車メーカーが望んでいない
ことが主要な問題であったが、警察を巻き込むことで解決した。ICBCは3つのクラッシュデータ
レコーダを警察の調査官に貸与している。
3)
保険会社が補う使用済み車処理(VAT-フィンランド)
Treatment of ELVs Redeemed by Insurance Companies
ELVに関するEU指令の内容の説明。主要な問題点は、毎年1,000万台のELVのリサイクルが必
要、プラスチックのリサイクル方法が未確立、ゴム・ガラス・エラストマー・塗料片のリサイクル
方法が一部しか確立していない、リサイクル資金が未確立。
フィンランド保険業界は当局に対してリサイクル保険センター(リサイクル費用を徴収しリサ
イクル・システムに流す)の設立と保険料の負担案を提案している。
4)
廃車の部品リサイクル(CESVI Brasil-ブラジル)
Recycling of parts for Scrapped Cars
廃車からの部品のリサイクルに関する市場調査の報告。
5セキュリティ
1)
詐欺防止計画(CESVI Argentina-アルゼンチン)
Anti-Fraud Plan
アルゼンチンでは車両盗難と損傷が保険請求の75%を占めるが、それらに関する保険金詐欺を
防止する活動の報告。一つの問題は、複数の保険会社に保険を掛け全損や盗難の保険金を請求す
ることである。防止システムを構築し効果をあげている。
2)
車両盗難の分析(イモビライザー付き車)
(AZT-ドイツ)
Car Theft Analysis(Vehicles With Immobilizers)
1996年型イモビ付き車の盗難1,041件について、盗難状況、国、地域、メーカーなどを分析。初
期と最新のイモビライザーの違いを比較。欧州保険協会(CEA)
の新評価基準案を導入すれば、試
験室条件下で最低5分はいかなる攻撃にも耐えられる。
3)
急増する日本の車両盗難への対策(JKC-日本)
Countermeasures Against Increasing Car Theft in Japan
車両盗難の発生防止とコスト低減のために日本で行われている活動を報告。盗難は窃盗団の輸
出目的が主。損保会社はイモビライザー付き車の保険料割引を始めた。
4)
新車の防盗性格付け(Thacham-イギリス)
New Car Security Rating
イギリスの新しい防盗性格付けを報告。車両そのものの盗難と車両からの金品の盗難を含んで
自研センターニュース 2002年2月号
15
おり、格付けは星の数で表す。
5)VICCの盗難防止計画(VICC-カナダ)
VICC Theft Deterrent Program
VICC盗難防止計画の最近状況の報告。
6)車両盗難のリスク-車両窃盗犯の先行き(VAT-スウェーデン)
Car Theft Risks-The Future of Car Thieves
盗難リスクを、車種とメーカー、年式、防盗技術、駐車場所、地域などについて分析。
イモビライザー付き車の盗難リスクは1/10、駐車場所は重要。車両の窃盗が将来の犯罪、違法運
転および重大事故に繋がっていることが多い。
7)アメリカにおける新車盗難の損失額-その歴史(IIHS-アメリカ)
Theft Losses for New Passenger Vehicles in the U.S.-A History
過去20年間以上にわたる盗難損失額の推移を説明。盗難頻度は16%から4%以下に低下したが、
1件当たりの平均保険金請求は約$1,000から$6,000に上昇。都市部とその他あるいは都市間での
保険金支払額の違いを分析。
6センターの活動全般
1)CVRCの活動概観(技術研究およびエアバッグ問題)
(VICC-カナダ)
Overview of CVRC Activities
(Technology Study and Airbag Issues)
チャイルドシート、車両の接着剤、アフターマーケット部品、エアバッグモジュールの回収、エ
アバッグを使用可能とする要件、ガラス小委員会、車両技術研究
2)Centro Zaragozaの活動 2000-2001年(Centro Zaragoza-スペイン)
Centro Zaragoza Activities 2000-2001
証明(Certification)
、車両等級分け、盗難車両、交通安全、技術と研究、研修、定期刊行物、年報
3)ノールウェイの活動(BSK-ノールウェイ)
Activities in Norway
ノールウェイにおける活動の概観。
4)CESTARの活動(CESTAR-イタリア)
CESTAR Activities
工場、研修コース、統計調査、出版
5)セスビマップの活動(CESVIMAP-スペイン)
CESVIMAP Activities
研究、研修、プラスチック修理、工場作業
6)セスビコロンビアの研究活動 2000-2001年(CESVI Colombia-コロンビア)
CESVI Colombia-Research Activities 2000-2001
人的資源、公共活動、研究分野、研修分野、コミュニケーション、道路安全 他
7)セスビ・トラック-ブラジルの新センター(CESVI Brasil-ブラジル)
CESVI Trucks-A New Center in Brasil
トラックのための新センター設立計画。
8)アフターマーケット補修部品の認証手順(Centro Zaragoza-スペイン)
Aftermarket Spare Parts Certification Process
使用材料、合いと外観、防錆、塗装の性能および添加成分を判断するためのテスト方法および
評価方法をリストアップ。バンパー、フロント・ウィング、フロント・パネルとグリル、ボンネッ
トについて部品の等級分けを説明。2001年9月までに84部品の認証を完了した。
16
自研センターニュース 2002年2月号
韓国自動車技術研究所(KART:韓国のリサーチ
センター)との技術交流会議を開催
さる2001年12月6日∼12月7日にかけて、韓国利川市に
おいて韓国自動車技術研究所との第3回目技術交流会議を
開催しました。
この会議は、RCAR会議(リペアリサー
チ国際会議)
におけるアジア圏のメンバーである両社の、よ
り一層の協力関係の構築と国際交流を通じた相互啓発、
調
査研究活動の活性化を目的として1999年度からスタート
したものです。
自研センターから8名の代表が訪韓し、
共通
の課題である「指数」
「D&R」
「リペアリサーチ」
「研修」
等
について、
互いに報告し意見交換を行いました。
以下に、
そ
の概要を紹介します。
1.
KARTとは?
KART( * 1):韓国自動車技術研究所は、KIDI
(* 2)
:韓国保険開発院という韓国国内の全損保会社16社
と全生命保険会社29社がメンバー会社として運営する組
織の傘下にある、
自動車保険に関する調査研究および研修
機関です。KIDIは、各種保険データの統計・解析、
保険
料率の算定など保険に関する様々な業務を行っている組織
です。
日本で例えるなら、
生/損保協会、
自算会、
損算会、
ア
ウダテックス、医研/自研センターといった、
保険に関す
るあらゆる機関がすべて一体となった組織と言えます。K
ARTは韓国国内の自動車保険ロスの悪化を背景に、
1992
年にKIDI内に設立され、
研修、
指数の策定、
D&Rの調
査研究等、
まさに自研センターと同様の業務を担っていま
す。そのため、
設立の準備段階から多くの社員が自研セン
ターを訪れ、日本のアジャスター制度や研修、
指数につい
て学んでいきました。
以来KARTは目覚しい発展を続け、
韓国国内の自動車業界に強い影響力を持っています。1994
年には、自研センターに続きアジア圏で2国目のRCAR
メンバーとなりました。また、
この2001年10月には21世紀
最初となるRCAR会議の開催センターも務めました。
(* 1)
Korea Automobile Repair Research & Training Center:韓
国自動車技術研究所
(* 2)
Korea Insurance Development Institute:韓国保険開発院
2.
会議の概要
¡最近の韓国では、新型車の開発費用の削減と開発期間
の短縮を目的に、
一部の自動車メーカー間では共通の
プラットフォームを採用している。
ほぼ同車格、同重
量の2車種のD&R性能について、RCAR基準の衝突
実験を行い調査したところ、
ほぼ類似した結果が得ら
れたことを報告。
②補修塗装におけるミッドコート
(プラサフ)の効果の研究
¡韓国の一般修理工場では、その56%が補修塗装時に
ミッドコート(プラサフ)を塗布していないという調
査結果があり、保険会社、修理工場、カーオーナーの
間でその必要性について議論されているが、
今まで塗
布の効果についての明確な調査結果がなかった。今回、
密着性と光沢について、ミッドコート(プラサフ)塗
布の有無による比較テストを実施したが、ほぼ差は無
いという結果となった。今後は、チッピングや耐候性
といったテストも実施して最終的な評価をする予定
であることを報告。
③KARTの研修プログラムと今後の方針
¡KARTの研修業務は1993年から始まり、現在までの
延べ受講生数は10,000名を超えている(韓国の登録
アジャスター数は約2,400名)
。
本年度は、顧客のニー
ズに合わせたカスタマイズ研修、7つの専門研修(大
会議はRCAR会議における公用語である英語を共通言
型トラック、見積、SUV、ボデーリペア、輸入車、塗
語として行われました。
以下、発表テーマと内容の概略を
装、2輪車)
、
特別研修(共済団体への研修、修理業界
紹介します。
と自動車メーカーとの共同研修)、
修理業界と保険会
【KART】
①共通プラットフォームを持つ車両間でのD&R比較研究
社との共同研修を実施している。今後は、研修プログ
ラムの多様化、専門研修の強化、研修対象の拡大等を
自研センターニュース 2002年2月号
17
目標にしていると報告。
④「ARECCOMシステム」の特徴と長期計画
¡本年7月に発表したARECCOM2001システムは、E
メール等のインターネット機能をいっそう充実させ
たものとなっている。
システムのアップグレードや部
品データの更新は、ユーザーがARECCOMサーバー
から直接自分のPCにダウンロードすることができる
ようになっている。今後の長期計画としては、
ARECCOMサーバーを中心に保険会社と修理業界を
オンラインで接続し、デジタル修理費協定システム
や、修理経過等の情報を契約者の携帯電話に報告す
リペアタイムを調査研究し、
その概要と作成方式を紹
るシステムを検討していると報告。
介。
基表を用いて作成しているイギリスやスウェーデ
【自研センター】
①自動車メーカーへの修理性改善提案活動
¡指数作成時に判明した、修理手順の改善案や補給部
ンのリペアタイムは自研センターの指数と類似点が
多く、
今後の研究次第では、
輸入車指数作成時に、
デー
タを有効活用できる可能性があることを報告。
品の追加設定案を自動車メーカーへ提案し、大きな
成果をあげた活動の報告(2000年度は23の提案の う
ち17件が自動車メーカーに採用される)
。
②電子部品の再使用性(その点検と修理方法)
¡安易なアッセンブリー交換が多い高額電子部品の中
で、ディスチャージ式ヘッドランプの点検方法を紹
会議の終了後、韓国の自動車メーカー
(KIA)直営のサー
ビス工場と、大規模な一般修理工場を訪問する機会を得ま
した。韓国も昨今の日本と同様に、修理業界の競争が厳しく
なってきており、顧客サービス
(CS)の向上にも積極的に取り
組んでいます。
介し、メーカーのサービスマニュアルに具体的な点
接客マナーはもちろんですが
(すれ違うすべての社員が
検方法を明記してもらうよう提案活動をしているこ
我々に大きな声で挨拶します)、作業者の顔写真と名前入り
とを報告。
のプレートが担当エリアに掲げられており、顧客は自分の車
③安全ボデーと従来ボデーのD&R比較
を誰が修理しているのかすぐわかるようになっています。
¡自研センターの調査では、従来ボデーに比べて安全ボ
また、
「修理工場を修理工場には見せないようにする」
と
デーの損傷性は向上してきているが、必ずしも修理費が
いうのもテーマの1つとのことで、店内には極めてデラッ
安価になってきているとは言えない。従って、自動車メ
クスなウェイティングルームが設置されており、顧客は修
ーカーに対して、フロントサイドメンバ半裁取替をより認
理や整備が終わるのを待つ間、そこでドリンクサービスや
めていただく提案や、低速度衝突(8km/h)でのD&R
テレビ・オーディオ鑑賞を楽しむことができます。
さらにこ
情報の提供を進めていく必要があることを報告。
の部屋にはモニターも設置されており、顧客は自分の車の
④RCAR基準衝突実験後のホイールアライメント変化
¡50台の車両について、15km/h 40%オフセット衝突
整備過程をこのモニターで見ることができるようにもなっ
ていました。
実験の前後でホイールアライメントを計測し、4輪
作業者にとってみれば、いつもすべてを顧客に見られて
アライメントテスターによる計測の必要性について
いる訳で、大変厳しくかつ責任の重い仕事環境にあると言
検証。サスペンション取付け部が損傷していない場
えます。
しかしながら、
厳しい競争に打ち勝つには、
修理技
合は、4輪アライメントテスターによる測定の必要
術だけでなく顧客満足度の向上が大きなポイントと考えて
性は極めて低いことを報告。
いるとのことでした。
⑤ヘッドランプブラケットの補修技法
3.
終わりに
¡1995年に自研センターが発表したヘッドランプブラ
本会議はこれで3回目となりましたが、自研センター
ケットの補修技法の紹介と、
補修用ブラケットの単体
の社員にとって毎回大変良い刺激を受ける会議です。今後
補給をメーカーに提案し、
一部メーカーで採用された
も両社が互いに研鑚し合いながら、
共通の目標である
「損傷
という活動について報告。
自動車の復元修理費の適正化・低減化」
に資する情報のたゆ
⑥欧米におけるリペアタイムの概要
¡イギリス、スウェーデン、アメリカにおける、代表的な
18
自研センターニュース 2002年2月号
まぬ創造と発信を実現するよう努めてまいります。
S
リペアインフォメーション
作業方法に関する
ワンポイントアドバイス
今回はホンダ ステップ ワゴン(RF4)のリヤ バンパの脱着作業を行う上で、
修理書の説明のプラ
スちょっとした工夫で、
作業中誤って部品を損傷させてしまいそうなケースを出来るだけ少なくする
ポイントをご紹介します。
リヤ バンパ脱着作業時、
サイド リ
写真1
ヤ バンパが損傷し易い構造であるた
め、
作業時には注意する必要がありま
す。
(写真1)
サイド リヤ バンパ
修理書の説明では、
サイド リヤ バンパがリヤ バンパ サ
イド スペーサのフック部にはめ込んであるため、
フック部
図1
フック
から引き抜く(横方向に引っ張る)
ように図で解説されてい
リヤ バンパ
アッパ ビーム
Rリヤ バンパ
サイド スペーサ
クリップ
フック
ます。
(図1)
Rリヤ バンパ
アッパ スペーサ
リヤ バンパ
自研センターニュース 2002年2月号
19
写真2
しかし、実際に横方向へ引っ張り取り外すと、サイドリヤ バ
ンパの凹部が損傷し易く、最悪の場合脱着作業において部品
を取り替えざるを得ないケースも考えられます。
(6,500円)
フック部
取り外す際には、
リヤ バンパ全体を上方に持ち上げるよ
写真3
うにして横方向へ引っ張る作業をすることで、
サイド リヤ
バンパの損傷を最小限に押さえることが出来ます。
(写真3)
同時に、
センタ リヤ バンパもリヤ パンパ アッパ ビーム
の凸部にはめ込まれているため、
上方に持ち上げるように取
り外します。
(写真4)
写真4-1
写真4-2
リヤ バンパ アッパ ビーム
リヤ バンパ アッパ ビーム
「構造調査シリーズ」
新刊のご案内
自研センターでは新型車について、損傷した場合の復元
No.
車 名
修理の立場から見た車両構造、部品の補修形態、指数項目
とその作業範囲、ボデー寸法図など諸データを掲載した「構
造調査シリーズ」を発刊しておりますが、今月は右記新刊を
ご案内しますので、ぜひご利用ください。定価は各1,120円
です(税込み、送料別)。
お申し込みは自研センター総務企画部までお願いします。
TEL 047-328-9111
FAX 047-327-6737
20
自研センターニュース 2002年2月号
J-280
J-281
トヨタ クラウン セダン
キャラバン
(ロング、スーパーロング)
型 式
GXS12,
YXS10
E25
リサーチング ザ スケルトンズ
トヨタノア(60G系)/ヴォクシー(60G系)
この「Researching The Skeletons」では外部から確認す
ることができないフロント サイド メンバ内側のリインホ
ースメント等の位置や板厚を判り易く紹介していくもので、
ースメント」
が取り付けられています。
また左側前方にバッ
テリ ブラケットが取り付けられています。
図中の点線部で板厚が変化しています。
これはレーザー溶
データは実際に自研センターで調査した内容を転載したも
接により前部を薄板、
後部を厚板とすることで衝突時にサイ
のです。
ド メンバ前部が効率よくつぶれて、
効果的に衝突エネルギ
今回はトヨタ ノア(60G系)およびヴォクシー(60G系)
ーを吸収することができる構造としています。
先端部のカット位置はトヨタのボデー修理書に記載され
を取り上げます。
ノアとヴォクシーのサイド メンバは全く同じ部品を使用
ているカット位置です。
ノアおよびヴォクシーのサイド メンバは、
トヨタ イプサム
しています。
このサイド メンバは左右共に中央部に大型の「リインホ
(20系)と非常によく似た構造となっています。
(左外側)
(左内側)
1.8mm
2.4mm
板厚変化部位
2.3mm
カット位置
板厚変化部位
カット位置
(右外側)
(右内側)
1.8mm
2.4mm
2.3mm
カット位置
板厚変化部位
板厚変化部位
カット位置
自研センターニュース 2002年2月号
21
2001年度技術顧問懇談会開催
出席技術顧問(順不同)
貴島 彰 殿 三菱自動車工業株式会社
常務執行役員
通の問題は「車両盗難対策」
と「鞭打ち症防止」
で、
イギリス
では5スター方式による防盗性評価を開始したこと、アリ
アンツ・IIHS・GDV・サッチャム共同での鞭打ち防止性能
仲村 巖 殿 日産自動車株式会社 常務 に対する動的評価法の開発状況等の報告がありました。
また
下田 拓司 殿 トヨタ自動車株式会社
RCARテスト基準について問題提起があり、各センターの
第2ボデー設計部
見解が分かれ、
今後ワーキンググループにて内容を詰めるこ
第23ボデー設計室長(代理出席)
とになったこと等を説明しました。
重要な問題のため、
技術
采女 淑史 殿 マツダ株式会社 カスタマーサー
顧問からは慎重な検討要請と車両構造の観点からのアドバ
ビス本部商品サービスプログラム
イスを頂きました。
部長(代理出席)
・調査・研究概要報告
小室 明久 殿 本田技研工業株式会社
サービス技術部長(代理出席)
樋口 忠夫 殿 (社)
日本自動車整備振興会連合会 専務理事
修理費を低減させるための技術課題への取組みの中から、
1.
ヘッドランプ・ブラケットの修理用補給部品の設定 2.
フ
ロントサイドメンバの半裁修理方法の採用 3.モジュー
ル・ガラスの再使用性 4.
コーションプレートの設定位置
について車名を挙げて事例を紹介し、
車両の対応促進をお願
昨年12月25日、
自研センターにおいて2001年度の技術顧
問懇談会が開催されました。
当社 加田代表取締役、
損害保険協会損害調査部会長 小松
孝明様の挨拶のあと、
下記議題に沿って懇談を行いました。
・自研センター活動概要と車両盗難対策に関する報告
いしました。
製品開発の観点やユーザーの視点からの意見交
換を行いました。
・車両損傷性、
修理性調査に関する今後の方針について
当社で自主研究を行っている車両の損傷性、
修理性調査に
関し、
情報開示の範囲を見直し、
調査レポートを損害保険業
2001年の活動概要、
及び現在当社が積極的に取り組んで
界だけでなく、
今後全ての自動車メーカーにも区別せず提供
いる車両盗難対策について報告を行いました。
損保各社のイ
していく事としました。
車両の一層の改善促進を図るととも
モビライザー割引普及等の対応を説明し、
イモビライザー標
に自動車メーカーにとっても役立つものとするため、
「内容
準装備に対しなお一層の協力を要請しました。
自動車メーカ
充実と情報開示」
を目指している事を説明し、
賛同を頂きま
ーも共通の問題として認識しており前向きなご意見を頂き
した。
特に車種選定基準について多くのご意見と将来展望に
ました。
立った助言を頂きました。
・RCARソウル総会の概要報告
以上、
メーカー、
車名を明記した資料をもとに活発な懇談
昨年10月のソウル総会に出席し、
自研センターは「急増す
が行われ、
大変多くの具体的なアドバイスを頂くことができ
る車両盗難への対策」
と「リヤフェンダー修理に対する接着
ました。
今年度以降の当社の活動に生かしていきたいと思い
剤使用の研究」
の2テーマを発表しました。
現在、
世界的な共
ます。
22
自研センターニュース 2002年2月号
日本アウダテックス社
指数テーブル「2002年2月号」発行のご紹介
●2002年 2月号指数テーブル(5メーカー・6車種)
メーカー名
トヨタ
日産
車 名
型 式
ノア
60G系
ヴォクシー
60G系
スカイライン(4WD)
NV35系
ホンダ
インテグラ
DC5系
ダイハツ
スズキ
アルティス
エリオ
ACV30系
RB21S系
※「2002年2月号」
のみの単独販売は行っておりません。
ご購入を希望される方は「2002年版指数テーブル」セット
(年間購読)
〈商品番号:2002価格:¥18,000〉
をお求めくだ
さい。
◆「指数テーブル」のご注文およびお問い合わせ◆
日本アウダテックス株式会社
TEL:03-3356-3011(代)
FAX:03-3356-3620
※「2002年版指数テーブル」を既に購入されているお客様には
「2002年2月号」は自動的に送付されます。
自研センター来訪者一覧
2002年
2001年
12月19日(水)(株)ヤシマ 武井代表取締役社長
他4名
20日(木)(株)カンペ共販東京 自補修塗料営業部 長瀬氏 他1名
21日(金) 安田火災海上保険
(株)
若江サービスセンター部長
1月7日(月) 関西ペイント
(株)自動車補修塗料本部
真貴田主査 他2名
(株)
バンザイ 営業本部
沼崎調査役 他2名
11日(金)(株)
サンコー 特販二部 北風次長
25日(火) 安田火災海上保険
(株)
小松サービスセンター業務部長
●編集後記●
2月4日は立春。暦の上では春の訪れではありますが、それは暦の上でのこと南北に細長い日本の南地域を
除けば春の足音すら聞こえてこない毎日であります。ご承知の方も多いと思いますが、立春は古代中国で農
耕を営む上で、最も関係の深い気候の基準点の推移を示すと言われている24節気の1つだそうです。1年を24
で割って、ほぼ15日ごとにその時々に相応しい、味のある名前が付けられています。その中でも二分二至四
立は春分・秋分、夏至・冬至、立春・立夏・立秋・立冬として季節の変り目を表し「八節」として、中でも
特別の意味をもたせています。現在、キセツは季節と書きますが、本来は「気配の世界における節目」と考
えると「気」と「節」に関係がある訳ですから〈気節〉の方が相応しいのかもしれません。他にも節気名が
ありますがどれをとってもその時期を的確に表現しているのではないのでしょうか。古代に生きた人々の感
性の鋭さに驚かされます。立春はこの中でも様々な行事のスタートを示すことばと云われていますが、立春
から88日目を八十八夜と呼び、210日目を二百十日として台風が良く来る時期とされています。
さて振り返ってみますと、日本経済も随分長い冬を過ごしています。しかし自然界の営みのように経済社
会においても春の来ない冬はないと信じ、そして2月の立春を節目として息の長い春がスタートするよう期
待したいものであります。
自研センターニュース 2002年2月号
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自研センターニュース 2002.2(通巻317号)平成14年2月15日発行 昭和51年5月27日 第三種郵便物認可 定価336円(消費税込み、送料別途)
C 発行所/株式会社自研センター Á272-0001 千葉県市川市二俣678-28 Tel(047)328-9111(代表) Fax(047)327-6737
発行人/加田康明 編集人/八束重宣 ⃝
※乱丁、落丁の場合はお取り替えいたします。
http://jikencenter.co.jp/
●お詫びと訂正●
深くお詫
本誌1月号8ページ ナディアの欄の部品価格に誤りがありましたので、
び致しますとともに下記の通り訂正をお願いいたします。
eヘッド ランプ リテーナ(RH/LH共通)
(誤)
(正)
3,550円−−−−−−→ 350円
2
自研センターニュース 1998年4月号
本誌の一部あるいは全部を無断で複写、複製、あるいは転載することは、法律で認められた場合を除き、著作者の
権利の侵害となりますので、その場合には予め、発行人あて、書面で許諾を求めてください。