今日のつくばの現状と つくば国際総合特区構想の意義について 小玉喜三郎

2012/07/20 第3回コーディネータネットワーク筑波会議
シンポジウム:新しいつくばの新しい連携について語ろう!
今日のつくばの現状と
つくば国際総合特区構想の意義について
小玉喜三郎
(独)産業技術総合研究所 特別顧問
(元筑協委員会委員長)
あらすじ
1.筑波研究学園都市の歴史
2.つくば連携をめぐる最近の動き
3.つくば国際総合特区と新たな推進機構
4.まとめ
1. 筑波研究学園都市の歴史
第1期
1963
1970
1973
1977
1978
1980
1981
1985
筑波研究学園都市建設閣議了解
「筑波研究学園都市建設法」施行
筑波大学開学
筑波研究学園都市協議会発足
科学技術庁研究交流センター設立
43の研究・教育機関の移転、 筑波研究学園都市研究機関等連絡協議会発足
周辺開発地区整備計画決定
科学万博-つくば’85
第2期
1986
1987
1988
1989
1996
1998
1999
2001
2004
2005
第3期
2006
2007
2008
都市建設の時代(1963 ~1985)
都市拡大の時代(1986 ~ 2005)
周辺開発地区の工業団地整備に着手、(財)つくば科学万博財団設立
つくば市誕生
(株)つくば研究支援センター設立
新つくば計画策定
<第1期科学技術基本計画>
研究学園地区建設計画及び周辺開発地区計画を改定
つくばサイエンスアカデミー設立、つくば国際会議場開館
<第2期科学技術基本計画>、 国立研究所独立行政法人化
国立大学法人筑波大学発足、 筑波研究学園都市交流協議会(筑協)発足
つくばエクスプレス(TX) 開業
新たな飛躍と成熟の時代(2006 ~ 現在 )
<第3期科学技術基本計画>
つくば3Eフォーラム発足
<研究開発力強化法>
当初、産学は隔離された政策で立地された?
民間企業
進出
第2期
国研
移転
第1期
つくば
万博
James.W. Dearing, 1995
2.つくば連携をめぐる最近の動き(抜粋)
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
都市エリア産学官連携促進事業(TCI,産総研,筑波大,農研機構)
<第3期科学技術基本計画>につくばの役割を明記
「つくばスマートコリドール構想」(茨城県、NTT東日本)
JSTイノベーション・サティライト茨城( ~2012)
松田岩夫大臣(科学技術政策担当)「第3期科学技術基本計画に関する講演会」*
つくば3Eフォーラム発足
ISPF(中国・北京)*
「筑波研究学園都市の新たな展開 その集積の活用と連携」(筑協TF)*
ICIC(韓国・太田)*
「つくば環境モデル都市」(つくば市)提案→不採択
筑協組織改革(筑協委員会をコアに、3E委員会、人材支援委員会等新設)*
TIAnano(産総研、物材機構、筑波大、経団連、高エネ機構)設立
「国家戦略つくばオフィス実現委員会」(座長:井上勲)*
「新たなつくばのグランドデザイン」 (茨城県・つくば市)*
「いばらき(東海・日立・つくば)産学官連携拠点」(茨城県産業会議、筑波大、茨城大、茨城県)→不採択*
ラウンドテーブル意見交換会 「新たなつくばのイノベーション拠点~設計からアクションへ~」*
コーディネーターネットワーク会議メルマガ発行(2010-2011)
つくば「モビリティーロボット実験特区」認定、ロボット特区実証実験推進協議会(つくば市)設立
藻類産業創成コンソーシアム(理事長:井上勲)設立
筑波大学イノベーション推進機構設立
つくば国際総合特区(茨城県、つくば市、筑波大学)認定*
「新たなつくばのコーディネート機関設立検討委員会」(事務局:筑波大学)*
*私自身の関かわり
産総研つくばセンター所長(2003-2007)、筑協委員会委員長(2008-2012)として
第3期科学技術基本計画とつくば
①多数の公的研究機関の集積を活用した研究開発の連携や融合
②内外に開かれた国際研究開発拠点としての育成・整備
③公的研究機関ごとに長期的な整備計画の検討
内閣府ホームページより http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/kouen/tukubakouen.html
井上 勲 議長
つくば3E フォーラム
Tsukuba Eco City Initiative
Environment
Energy
Economy
Collaboration
among university, research
institutes, administrative
agencies, corporations and
citizens
産官学民の連携による
つくば環境モデル都市
建設への挑戦
http://www.sakura.cc.tsukuba.ac.jp/~eeeforum/
第3期科学技術基本計画つくば課題WGタスクフォース委員会(2007-2008)
「交流のための組織」から「行動する組織」へ
連携のためには目標やビジョンを共有する
筑協が「プロモーター」としての役割を担う
<短期的目標(1年以内)>
ハブ機能強化のため各委員会の戦略・機能見直し、
3E委員会の活動強化
「連携コーディネーター」、「筑協アドバイザリーボード」設置、
国際学校の開設と支援
<中期的目標(2-5年以内)>
他のサイエンスパークとの連携、
50周年事業の準備、法人化の検討、
人材育成・確保、施設・設備の共同利用、
連携プロジェクト推進、市民との対話チャンネル強化
<長期的目標(5-20年)>
先端研究開発ベンチャー集積拠点、
環境モデル都市実現、
「住みやすいまちつくば」の建設、
「つくばブランド」向上
評価:筑協内の改革は一部達成できたか
「プロモーター」としてはなお多くの課題
2008年6月
ISPF(2007,中国・北京)に参加して
躍進めざましい中国(中関村科学技術園区)
中関村科技特区
天安門
精華大学(北京市北西部)をコアとしたネットワーク
“聚集→聚合→聚焦→聚変”
中関村科技特区の都市計画
強力なプロモーターによる
戦略的コーディネーション
中関村科技特区の中心街 (2007)
明確なビジョンのもと、活動の構造的なネットワーク化とハブ機能強化が必要
サイエンスキャンプ
科学オリンピック
会員機関
インターナショナル
スクール
茨城県
科学万博
記念財団
サイエンスツアー
つくば市
シニア活用事業
在つくば外国人
支援事業
JICA
つくば
ヒューマン
イノベーション
フォーラム(仮)
NPO
筑協ハブ
つくば
ポータルサイト
つくば市
つくばスタイル
協議会
つくば市環境都市
推進事業
茨城県
エネルギーパーク
推進事業
人材活用
ポータルサイト(仮)
専門委員会
国交省
筑波研究学園都市
建設計画
つくばビジョン
産総研
委員会(仮)
3E
ポータルサイト(仮)
環境関連研究機関
連絡協議会
国環研
農研機構
国総研・土木研
-小玉私案(2009当時)-
産総研
NPPナノテク人材
育成事業
人材開発
推進委員会(仮)
筑協「つくば3E」
推進委員会
つくば
3E
フォーラム
TBIC
筑波大
新連携大学院
物材機構
若手人材
MANA
育成事業
専門委員会
つくばサイエンスアァデミー
産学連携
ポータルサイト
産学官連携
推進委員会
筑波大学
リエゾンセンター
ベンチャー
TXテクノロジー
企業
ショーケース
技術inつくば
つくばチャレンジ
つくば
ロボットラリー
コーディネーター
ネットワーク会議
ビジネス
つくばナノテク
ビジネスフォーラム
つくばWAN
イノベーション
つくば
ベンチャー大賞
NPO
フォーラム(仮) バイオゲノム
JSTイノベーション
サテライト茨城
TCI
ベンチャー
育成事業
つくば市
産業情報
ネットワーク
推進会議
アンダー・ワン・ルーフ
つくばイノベーション・アリーナ(TIAnano)
理念を共有する機関の連携
運営最高会議議長
岸 輝雄
2012.4より
KEKが新たに参画!
くわしくは
http://tia-nano.jp/
2010.1 「新たなつくばのグランドデザイン」(茨城県・つくば市)
新たなつくばの将来像の実現に向けて
<めざす目標>
・世界のイノベーションをリードするグローバル拠点都市
・豊かな緑とゆとり或る空間に囲まれた活力或る文化都市
<連携・推進体制>
・コアとなるハブ組織
・プロジェクト主体とコアからなるネットワーク型推進体制
<当面推進すべきもの>
・研究施設・設備の共同利用促進
・人材開発素ステムの構築、共有化
・各研究機関等の情報のネットワーク化
・地域連携型研究開発、オープンイノベーション型研究開発の推進
・つくばを中心とした地域での様々な社会実験の推進
「県やつくば市のイニシャティブと併せて、筑波大学や
主要立地機関の責任ある参画による、強力なハブ組織を
早急に立ち上げることとする。」
新たなつくばの連携・推進体制の考え方
ラウンドテーブル意見交換会
(2010.6.11 於:つくば市役所)
「新たなつくばのイノベーション拠点~設計からアクションへ~」
<呼びかけ人>小玉喜三郎(筑協委員会委員長・産総研特別顧問)、田中 敏(筑波大学理事・副学長)、
岡田久司(つくば市副市長)、福地 伸(茨城県理事・科学技術振興監)
<趣 旨> これまで出された各種提言や目下検討中の新構想の提案者によるプレゼンテーションを中心に、
つくばに関係する諸機関の代表者が互いに共通の認識を深め、
次の行動に弾みを促すような意見交換の場にしたい。
<論 点>
論点1.国家戦略(第4期科学技術基本計画)とつくばの機能・役割
論点2.あらたなつくばの機能・役割を実現する体制について
福地 伸(茨城県)構想
田中 敏(筑波大)構想
浅島 誠(産総研)構想
井上 勲(国家戦略つくばオフィス実現委員会)構想
吉澤雅隆(関東経産局)構想
田口 康(文科省)構想
寺本英治(財・建設保全センター)構想
3.つくば国際総合特区とあらたな推進機構
4つの先導的プロジェクトをマルチハブ体制で推進
委員会配付資料より引用
http://www.tsukuba-sogotokku.jp/
地域協議会の構成
委員会配付資料より引用
http://www.tsukuba-sogotokku.jp/
新たな産学官連携推進システム(ハブ機構)の構築
委員会配付資料より引用
http://www.tsukuba-sogotokku.jp/
筑波大学による先行した体制
2012年度内の設立を目指し、検討会でさらに検討中
委員会配付資料より引用
4.まとめ (この10年の感想)
(大学、研究所の変化の兆し)
・社会の変化、つくばへの期待、
・長期的な戦略に関心が向くようになった(トップの任期が長くなった?)
・アウトカムの思考、垂直連携(そのために水平連携)が必要になった
・内製化の限界を認識?
(課題と期待)
・「組織の連携」ではなく「事業の連携」
・研究成果を「刈り取る」、事業化プロジェクトを推進する全く新しいしくみ
・最低限、法人格をもった常勤スタッフによる
ワンストップサービスのハブ機関が必要
・顔が見える一貫したプロモーター(個人、組織)が早急に必要
・「新たな推進機構」実現へ向けて、「あともう一歩」
・筑協は地域の「交流」の仕組みとして、将来的にも必要か?
ご静聴ありがとうございました!