エクセルを使ったグラフの描き方

Excel を使ったグラフの描き方
科学技術で使われるグラフの作成
電気工学科5年
実験実習ガイダンス
2006年4月14日(金)
実験レポートのグラフ
科学技術での論文やレポートでは、一般に散布図を使うことが多い。
散布図： 2種類のデータに相関関係があるかどうかを
分かりやすく表現する図。
• 実験データは測定点をプロットで表す。
10.0
• データに何らかの相関性があることを
示したい場合は線で表す。
磁束密度　B [kG]
8.0
• シミュレーションなどの計算データは、
計算した点に意味はないので線で結ぶ
べき。
6.0
4.0
横軸の目盛りは通常はグラフの一番下。
目盛り数値の数、桁数に気を配ること。
2.0
0.0
0.0
5.0
励磁電流　I [A]
図1　励磁電流と磁束密度の関係
10.0
軸タイトルに単位を忘れずに入れる。
図番号、キャプションをグラフの下に付ける。
エクセルのグラフ
エクセルでグラフを作成した直後は下のような図が描かれる。
実際にはここのデータは存在していない。
このような曲線は引くべきではない。
グラフタイトルは上に付けない。
光強度[a.u]
グラフの背景に色を付けない。
0.9
0.8
0.7
光強度
0.6
0.5
光強度[a.u]
データが1つの場合は必要ない。
付ける場合はグラフの中に入れる。
0.4
0.3
0.2
横軸は必要な場合に付ける。
0.1
0
0
1
2
3
4
5
印加電圧
軸数値の範囲、桁数はよく考えこと。
図全体に枠を付けない。
実際にグラフを描いてみる
電流 I[A]
0.0010
ダイオードの直流特性(シミュレーション)
理想ダイオードの電流-電圧特性
0.0008
⎛
⎛V
I = I s ⎜ exp ⎜
⎝ kT
⎝
0.0006
⎞ ⎞
⎟ − 1⎟
⎠ ⎠
0.0004
0.0002
Is: 逆方向飽和電流
k : ボルツマン定数
T: 温度
10μA
20μA
0.0000
-0.10
-0.05
0.00
0.05
0.10
電圧 V[V]
-0.0002
図1　ダイオードの電圧-電流特性
0.15
実際にグラフを描いてみる
ダイオードの直流特性(シミュレーション)
電流 I[A]
0.0010
理想ダイオードの電流-電圧特性
0.0008
⎛
⎛V
I = I s ⎜ exp ⎜
⎝ kT
⎝
0.0006
0.0004
0.0002
Is: 逆方向飽和電流
k : ボルツマン定数
T: 温度
10μA
20μA
0.0000
-0.10
-0.05
0.00
0.05
0.10
電圧 V[V]
⎞ ⎞
⎟ − 1⎟
⎠ ⎠
0.15
-0.0002
図1　ダイオードの電圧-電流特性
2.0
10μA
20μA
0.020
順方向電流　If[mA]
逆方向電流　Ib[mA]
0.025
0.015
0.010
10μA
20μA
0.005
1.5
1.0
0.5
0.0
0.000
0.00
0.02
0.04
0.06
0.08
0
0.02
0.04
0.06
0.08
0.1
0.12
順方向電圧　Vf[V]
逆方向電圧　Vb[V]
図2　ダイオードの電圧-電流特性(逆バイアス)
⎛
⎛ V
I b = I s ⎜1 − exp ⎜ − b
⎝ kT
⎝
0.10
⎞⎞
⎟⎟
⎠⎠
図3　ダイオードの電圧-電流特性(順バイアス)
⎛
⎞
⎛Vf ⎞
−
1
I f = I s ⎜ ex p ⎜
⎟⎟
⎟
⎜
kT
⎝
⎠
⎝
⎠
Excelの画面構成
数式バー：入力状況が表示される。
列
アクティブセル
A列1行
セル E24
行
ワークシート：最初の状態で3つのシートがある。
Excelの使い方(1)
エクセルを起動して用意したファイルを開くと下のような画面が現れる。
このファイル(Excelではブックという)を使って作業する。
定数など
グラフのx値
グラフのy値
(ここに計算していく)
Excelの使い方(2)
オートフィル
D 列にx値を 0 から 0.1 まで 0.002 刻みで入力する。
オートフィル機能を使って一定間隔の連続データを作成する。
コピーしたいセルを選択し、右下の＋マークをクリックしてコピー範囲をドラックする。
セルを1つだけ選択すると…
データが単純にコピーされる。
2つのセルを選択すると…
値の差を順に足したデータが
入力される。
Excelの使い方(3)
数式の入力（1）
E 列にy値を数式を使って入力する。後でセルをコピーしたときに、参照セルを相対
的に変化させたくない場合は、絶対参照を使う。
絶対参照
セルの絶対参照には$を行・
列番号の前に付ける。ファン
クションキーF4を押すことに
よって付けることができる。
相対的に変化してほしくない
→ 絶対参照にする
相対的に変化してほしい
→ 相対参照にする
Excelの使い方(4)
数式の入力(2)
オートフィルを使って0.1までコピーする。
同様にF列も計算する。ただし飽和電流 Is は 20mA (セルA10)を参照させる。
グラフの作成(1)
x軸にしたい列(D列)を選択し、
y軸にしたい列(E、F列)をCtrl キーを
押しながら選択する。
グラフウィザードボタンを押す。
散布図を選択する。
計算データなので、プロットはしない。
グラフの作成(2)
グラフオプションでx、y軸タイトル
を入力する。
目盛線でのチェックを外す
(必要な場合はそのまま)。
グラフの作成(3)
プロットエリアで領域を「なし」にチェックする。
→ 背景をなしにする。
グラフエリアで輪郭のチェックを「なし」にする。
→ 図の外枠を消す。
グラフの作成(4)
軸の書式設定で目盛、フォント、表示形式など
を適切な表示に変更する。
軸の数値には、
○○. ○○○○E-○○
というような表示は使わない。
見易いグラフ、示したいことがわかるグラフ
になるようにグラフの書式を変更する。
グラフの組込み
作成したグラフは、そのまま印刷しないでワープロソフト等（ワードなど）に組み入れ
てレポートを作成する。
ワード等にグラフを組み入れる方法としては次のような方法がある。
1. Excelのオブジェクトとして貼り付ける。
Excelでグラフを選択してコピーし、Wordで貼り付けする。
2. 図ファイルとして貼り付ける（1）
Excelでグラフを選択してコピーし、Wordで「編集」→「形式を選
択して貼り付け」で「図（拡張メタファイル）」を選択する。
3. 図ファイルとして貼り付ける（2）
Excelで「ファイル」→「Webページで保存」で保存するとグラフが
gif形式のファイルで保存される。Wordで「挿入」→「図」→「ファ
イルから」でgifファイルを選択する。

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