雑誌 - 山口大学

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− 76 −
巻頭言
「想定外」から共感・共生へ
山口大学 学術研究担当副学長
三池 秀敏
「震災は忘れた頃にやってくる。」これは寺田寅彦が中谷宇吉郎らの門下生に伝えたメッセージと言わ
れています。今年度、東北地方を襲った大震災はまさにこの言葉の大切さを思い起こさせます。3月
11日の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)はもちろん、台風12号による紀伊半島を中心とする
大豪雨でもそうですが、最近は未曾有の災害が近代化した日本の各地を襲っています。「想定外」とい
う言葉が安易に使われますが、長い地球の歴史を紐解くまでもなく、江戸時代からの数百年の間にさえ、
こうした大地震・津波や台風の襲来は頻繁に起こっていることを寅彦は警告しています。「想定外」を
創り出しているのは、戦後の短い歴史の中で判断し近視眼的な歴史観・自然観しかない現代人による「人
災」とも考えられます。
山口大学にとっても、この10年位のスパンで見て「想定外」の出来事が起きているようです。廣中
平祐学長の時代が終わり、国立大学法人化、理系の学部の大学院部局化、3回の学長選挙、そして不正
経理問題の表面化など、山口大学の光と影が交差しています。この間に、経済のグローバル化と歩調を
揃えて教育研究の国際化や、法人化後の社会貢献への取り組みの活性化など、国立大学を巡る環境は大
きく変化してきました。山口大学が十分な長期的視点を持って、この変化に対応してきたかは疑問のあ
る所ですが、2015年に迎える創基200年はこうした視座を回復する良い機会かと考えます。
ところで、大学の活性化は、地方大学といえども、研究が基本となるべきだと考えています。研究を
基盤とする教育により、時代や社会とともに変化する最先端の科学技術を次の世代に伝えることができ
ます。最先端の研究を行っている視点から、国際的な位置づけや次の時代の未来予測が可能となります。
また、法人化後の重要なミッションとなった社会貢献も、大学の基本である教育・研究の両輪が連携し
た成果があってこそ可能となると考えます。この意味で、大学における研究の意義は非常に大きいと考
えています。絶えず新たな人類の知を創成し、その成果を学生や社会に還元して行くことが基本のミッ
ションでは無いでしょうか。学術研究部は、その研究を推進し支援する組織です。現在、事務諸掌して
いますのは産学公連携・イノベーション推進機構、総合科学実験センター、そして時間学研究所の3部
局です。特に、機構は3部門、センターは8施設からなり、大学の研究支援・社会連携の中心として多
くの構成員を抱えています。それぞれの部局でも、この10年間で何回かの組織改革が行われ、組織内
の連携や情報共有は進んだかと考えますが、その反面組織間の連携は殆ど取れていません。この4月よ
り、機構には山口地域のイノベーション推進拠点として高額の最先端研究機器が導入されました。2,
3年以内には導入機器が大学に移管される可能性もあり、学内の機器・施設の有効利用や管理・運営を
担当するセンターとの連携は重要になっています。また、大学の研究力の強化や外部資金獲得のための
研究プロジェクトのプロデュースや管理には、大学の唯一の研究所である時間学研究所はもちろん、各
部局付属の研究施設との連携も重要だと考えます。話が少し冗長になりましたが、大学の研究支援・推
進組織である3部局(機構、センター、研究所)が情報共有による協力関係を進め、各学部・研究科と
の連携で大学の研究力の強化や研究の国際化に貢献する時代が来ていると考えます。その中で、機構・
センターのミッションは研究の推進・支援を通して大学構成員の共感・共生の輪を広げていくことでは
ないでしょうか。今後とも皆様のご支援・ご協力をお願い致します。
−1−
1.特集:学びの場、生活の場を考える(2)
職場巡視と安全衛生対策 – 吉田キャンパスの場合 吉田事業場専任衛生管理者 梅本 智子
1.はじめに
大学の法人化による労働安全衛生法の適用に伴い、吉田キャンパス内で産業医や衛生管理者などの安
全衛生スタッフによる職場巡視活動が始まって 7 年が経過しました。私自身が吉田事業場の専任衛生管
理者として職場巡視に携わるようになったのは約 1 年半前からです。年間計画に従い、週 1 回を目安に
職場巡視を重ね、一通り、各学部や機構 ( 以下、学部等 ) の状況を ( 部分的にですが ) 直接確認させて
いただきました。
吉田キャンパスは複数の学部等で構成されており、職場巡視の対象となる範囲 ( エリア、建物数 ) も
広く、教員の研究室、講義室、実験室、体育施設などその仕様形態も学部等によりさまざまです。この
ような条件の中で、全ての学部等について、同一の視点で職場巡視を遂行するのは、経験不足も手伝っ
て大変困難であることを実感しました。それと言うのも、各学部等によって、安全衛生対策への取り組
みや意識にも少なからず差があるように感じたからです。
2.吉田キャンパスの職場巡視の実際
1)職場巡視の実施から指摘事項改善までの流れの概要
吉田キャンパスの職場巡視は、吉田事業場衛生委員会 ( 以下、衛生委員会 ) で承認の得られた年間計
画に基づいて実施しています。また、現場の担当教員や各学部の安全委員会委員の教員にも同行してい
ただき易くするため、前期と後期の半期ごとに吉田事業場の安全衛生対策関連事務を所掌する安全衛生
対策室を通じて、各学部等の重点巡視箇所を事前に通知しています。さらに、職場巡視予定日が近づい
たら該当学部等の事務担当者に、巡視日時と巡視箇所を再度確認することで、各学部等の都合に応じた
微調整を行い、円滑な職場巡視の実施にご協力いただいています。職場巡視の結果、改善が必要と思わ
れる事項については、毎月 1 回開催している衛生委員会において審議し、該当学部等に 「 安全衛生状態
報告書 ( 以下、報告書 )」 として、書面で指摘箇所の改善策の検討をお願いしています。該当学部等からは、
応急措置の実施や改善計画を 「 安全衛生状態改善計画書 ( 以下、計画書 )」 としてご報告いただいてい
ます。
なお、平成 23 年度からは、より確実に指摘箇所の改善を検討していただくこと、また、吉田キャン
パス内の安全衛生状態を各学部等の間で共有することを目的として、報告書と計画書の内容を衛生委員
会で報告しています。
2)職場巡視で確認する項目
安全衛生スタッフによる職場巡視は一言でいえば、作業場の潜在的リスクからいかに教職員及び学生
を守るかというリスクアセスメント活動のひとつです。つまり、職場巡視では、教職員及び学生が安全
で快適な環境で教育研究活動に従事できているかどうか、また、どのような潜在的リスクがあるのかを、
直接現場に足を運び、第三者の視点で実際の状況を確認しているのです。一見あら探しのようにみえる
かもしれませんが、決してそうではなく、むしろそこで従事している人の味方としての活動です。現場
の人にとっては当たり前の状況であっても、第三者の視点では改善すべき危険な状況であるかもしれま
せん。また、他学部等の状況と比較できるため、現場では気づきにくい危険にも気づくことがあるかも
しれません。
−2−
具体的な確認事項としては、大きく 「 作業環境管理 」 と 「 作業管理 」 の状況です。前者には、整理整頓
をはじめ、清掃清潔、室内通路、電気配線、室温湿度、空気・換気の状態、騒音、照明・採光、施設の
汚れ ( 床・壁・天井 )、防火設備、避難経路などが含まれます。後者には、薬品等危険物の保管管理状況、
実験機器類の使用点検状況、防護具の使用や保守管理状況などが含まれます。
なお、「 作業環境」の状況については、直接現場に赴けば一目瞭然なことも多いですが、「 作業管理」
の状況については、現場責任者の同行がなければ詳細不明なケースも多く、現場の状況を正確に把握す
ることができない場合もあります。
3)指摘事項の具体例
ここ最近の職場巡視の結果、改善を指摘した事項について、具体的な例をご紹介します。
(1)整理整頓 ( 5S関連 )
①高所重量物 ( 落下防止 )
②整理整頓・室内通路
高所に未固定の木製
棚と不安定な状態で
本 が 置 か れ て い る。
落下防止への措置が
必要。
③書架固定 ( 転倒防止 )
床面に物が置かれて
いる。緊急時に速や
かに避難できるよ
う、整理整頓し避難
経路を確保すること
( 安衛法上の安全通
路幅は 80cm 以上 )。
④室内清掃 ( 清潔 )
背が高く奥行きの狭
い書架は、壁や天井
との固定が必要。特
に出入口付近に設置
し て い る 書 架 等 は、
転倒時に出入口を塞
ぐ可能性が高いため
緊急度も高い。
通路を塞ぐほど、室
内が乱雑。限られた
スペースを有効活用
するため、不要品は
撤去し、定期的な清
掃で室内の衛生状態
を保持すること。
(2)危険物 ( 薬品等 )・防火設備
①毒劇物
②ガスボンベ
毒劇物は施錠できる
専用保管庫に、他の
薬品と区別して保管
する。また、保管場
所にも 「 医療用外劇
物 」「 医療用外毒物 」
の表示が必要。
転 倒 防 止 の た め、
ボンベ架台や壁に
チェーン等で、上下
2 ヵ所の固定が必要。
ボンベ架台もアン
カーボルトで床や壁
に固定が必要。
③防火設備・避難経路
緊急時に備え、消火器、消火栓、防火扉等の前に
は物を置いてはいけない。
階段や廊下に物を置いてはいけない。
建築基準法では通路幅は 1.6 メートル必要。消防法で
は、廊下 ・ 階段 ・ 避難口その他の避難上必要な施
設について避難の支障になる物件を放置してはい
けないとされている。
−3−
これらの指摘事項は、その学部等だけの問題ではなく、他学部等にも共通する問題である場合も多く
みられ、対策の水平展開を行うことも重要です。
さらに、職場巡視は、個々の巡視箇所の問題点を発見し、発見された問題点だけを改善することが目的
ではありません。指摘された事項をもとに、各学部等の現場責任者や学生が主体的に、安全衛生に関す
る意識を高め、その場に応じた安全衛生対策を講じてもらうことが目的です。そこで、現場の人にまず
心がけていただきたい取り組みの第一歩が、5S( 整理、整頓、清掃、清潔、習慣化 ) です。
学内の安全衛生レベルはかなり向上してきたとは言え、大学という性質上、教職員や学生が随時入れ
替わることも影響してか、上記参考例のような状況も未だに多かれ少なかれみられます。第三者の視点
による職場巡視は、安全意識を高め、学内の安全対策向上のため、今後も繰り返し行う必要性を感じて
います(なお、山口大学では、定期的に学外の第三者である安全衛生専門家による巡視を含む安全衛生
診断も取り入れています)。
3.『大学 ( 学びの場 )』における職場巡視の役割
そもそも労働安全衛生法は一般企業を対象に作られた法律であり、大学における教育研究活動の実態
に必ずしも即していないため、他大学においてもその対応に苦慮しているのが現状のようです。しかし、
適用となったからには、法令で定められた事項について明らかな違反があると、罰則の適用を受けるこ
とになります。したがって、法令に定められた事項に関しては、法の趣旨に即した説明ができない限り、
例え改善のために多大な労力や経費が生じたとしても、各学部等において確実に対応を検討していただ
く必要があります。
その一方で、安全配慮義務の観点から、改善が望ましいというレベルの『整理整頓』に関する対応に
ついてはどうでしょうか。法令違反に相当する事項については、各学部等においても相応に善処してい
ただくことにも了解が得られ易いのですが、改善が望ましいというレベルになると、各学部等の間でそ
の対応に若干の温度差があるように思います。その背景として、学部等によっては整理整頓をしたくて
も物理的に収納スペースが不足しているなど、学部間あるいは同じ学部の学科間においても使用可能な
スペースに相当な格差があり、「すぐに対処します」とは言えない現状があるのだと思います。また、
本格的に安全対策を行おうとすると、それ相応の経費が発生する場合も少なくありません。
衛生管理者である私自身、安全対策として書架や物品棚の転倒防止措置が必要であると指摘はするも
のの、びっしりと文献や資料がつまった書架が倒れるほどの災害が本当に起こるのだろうか?経費をか
けてそこまでする必要があるのだろうか?○○学部だったら指摘レベルだけど、□□学部の場合は許容
範囲かな?など、現場の実態と学部間格差を目の当たりにして、視点や安全レベルの基準がぶれてしま
うこともあります。現場の人であれば、今まで大きな事故もなく何の問題もなければ、慣れも手伝って
尚更そう感じられることもあるでしょう。
そこで、職場巡視の指摘事項として多くの学部等に当てはまる『整理整頓』については、吉田キャン
パス全体もしくは学部等単位で、現場の実状も踏まえ、安全衛生の観点から一定の基準を設けてはどう
でしょうか。例えば、棚の固定に関して、この程度の高さまでなら固定は不要だが、出入口を塞ぐ可能
性がある場合は固定の優先順位を高く設定するなど。つまり、安全レベルと緊急度の基準を定めて優先
順位をつけることで順次、安全対策のレベルが向上していけば良いのではないかと考えています。また、
収納スペースの問題に関しては、個人の努力では限界に達している所も見受けられるので、学科単位あ
るいは学部単位で共有の収納スペースを確保するなどの対策が必要なのではないかと感じています。
4.おわりに
職場巡視で実施している危険箇所の点検などにしても、学内の安全対策に関する活動は、職員全員が
関わるべき活動であり、安全衛生スタッフだけの仕事ではありません。大部分が職制の管理監督者の日
常の職務でもあります。なお、特定の業務について事業者から職務権限の委譲を受けると、その職務権
−4−
限に付随して事業者とともにさまざまな責任を負うことになります ( 両罰規定)。その自覚を持って、
実験や教育研究指導に従事していただく必要があります。
なお、学生は労働安全衛生法を直接適用されるわけではありませんが、学校保健安全法の解釈を通じ
て、間接的に関わってきます。むしろ、学生の方が教職員よりも有害物質の取り扱いや暴露される機会
が多いこと、また、学生においても過重労働やメンタルヘルスの問題が重要な課題となっています。労
働安全衛生法において大学の実状に即した基準を設けるか、学生を含めた大学独自の安全衛生に関する
基準が設けられ、一貫性をもった妥当な安全衛生対策の実施が容易となることを切に願っています。
廃棄物倉庫説明会の一場面
−5−
東日本大震災を理解し、正しく学ぶ~西日本大震災に備える
理学部 金折 裕司
1.はじめに
東日本大震災を誘発した巨大地震と大津波の発生に関して、科学的に正しい見方は果たしてどのくら
い正確に伝えられているのだろうか。近い将来西日本の太平洋沖にある南海トラフで起きるとされる東
海・東南海・南海地震についてはどうであろうか。これらの地震が同時に起きると西日本大震災(?)
が誘発されることが想定される。
平成 7(1995) 年兵庫県南部地震 ( 阪神・淡路大震災 ) を契機に、西日本は地震の活動期に入ったとさ
れ、内陸大地震(活断層地震)が続発している。歴史的な巨大地震と大津波を正しく理解し、それから
多くのことを学び、それを深く心に刻み,来るべき大地震に備えていかなければならない。
2.宮城県沖の地震と長期予測~想定外?
この大震災を誘発した平成 23(2011 年)東北地方太平洋沖地震(気象庁によって命名された正式な
地震名)発生前には、地震調査研究推進本部によって今後十年以内に宮城県沖でマグニチュードM 8.0
後もしくは 7.5 前後の地震が 70%(今後 30 年以内では 99%)の確率で発生すると予測されていた(平
成 22 年1月1日現在)。東北地方の太平洋沖は北から、三陸沖北部、三陸沖中部、そして宮城県沖と三
陸沖南部海溝寄り、福島県沖、茨城県沖、の4つないし5つの震源域にわかれて、それぞれ個別に活
動してM7から8前後の地震が発生すると予測され、
中でも活動間隔が 40 年前後と短い宮城県沖が最も注
目されていた(図1)。
さらに、地震調査研究推進本部によって作成され
た確率論的地震動予測地図(基準日平成 22 年1月1
日)をみると、今後 30 年間に震度6弱以上の揺れに
見舞われる確率(平均ケース・全地震)は仙台市周
辺だけが高く、そのほかの東北地方は大変低く見積
もられている。宮城県沖と三陸沖南部海溝寄りでの
高い地震発生確率を反映させて、仙台市周辺だけが
高くされていたのである。東北地方の太平洋側のほ
ぼ全域が震度6弱以上の揺れを観測したので、それ
は過少見積もりであり、地震動予測が大きく外れた
ことを物語っている。
3.破壊域
ところが、今回の地震では三陸沖北部から茨城県
沖におよぶ長さ 500km の範囲で破壊が生じたのであ
る ( 図1)。このことから、3ないし4つの震源域が
図1 宮城県沖地震の想定震源域 ( 細線の四角 ) と東北
地方太平洋沖地震(Mw9.0)の震央(星印)および破壊域
( 太線の楕円 )。地震調査推進本部 (2005) に加筆
連動したという指摘もあるが、これは正しくはない。地震のエネルギーはMが1大きくなると約 32 倍
になるので、4つの震源域がそれぞれM 8 の地震を起こしたとしても、M 9.0 にはならない。今回の地
震は 500km × 200km の断層面が一気に動いたとしか考えられないのである。
阪神・淡路大震災を引き起こした平成7年(1995 年)兵庫県南部地震のマグニチュードは気象庁の
−6−
計算によってM 7.3 とされているが、今回の東北地方太平洋沖地震と同じモーメントマグニチュードに
換算するとM 6.9 になる。つまり、今回の地震は兵庫県南部地震よりマグニチュードで 2.1 大きく、地
震エネルギーにすると約千倍(32 × 32)以上となる。ちなみに、兵庫県南部地震の断層面は 40km ×
20km であった。
4.貞観地震
平安時代に編纂された『日本三代實録』には、869 年(貞観 10 年)にも、東北地方の太平洋沿岸を
大地震に伴う大津波が襲ったことが記録されている。この地震の少し前 863 年 ( 貞観5年 ) に越中国
(富山県)から越後国 ( 新潟県 ) にかけて大地震が起こり、翌年には富士山と阿蘇山が噴火し、その後
も 880 年(元慶4年)まで播磨国 ( 兵庫県西部 )、摂津国(兵庫県~大阪府の一部)、肥後国 ( 熊本県 )、
関東地方、出雲国(島根県東部)で地震が相次ぐとともに、鳥海山と開聞岳などが噴火したことが記録
されている。それから 7 年後の 887 年(仁和3年)に南海地震が起きている。
これらのことから、東北地方の太平洋岸で大津波を伴う大地震(おそらく海洋地震)が起きた後に、
各地で大地震(おそらく内陸地震)や火山が噴火して、南海地震に至ったことがわかる。このことは、
私たちがきたるべき東海・東南海・南海地震(西日本大震災)に備えていかなければならないことを示
唆している。
一方、この貞観地震が東北地方の太平洋沿岸の防災や地震対策に十分に反映されていれば、被害が
軽減されていたはずであるという指摘もある。仮に、貞観地震の津波が充分に解明されていたとして
も、今回の大津波の規模を予測できたとはとても思えないのである。たとえば、シミュレーションでは、
100km × 200km の破壊域をもつ地震によって、津波の浸水域が再現できるとされている(AFERC NEWS
No.16, 1-8, 2010)。しかし、今回の巨大地震の破壊域 (200km × 500km) は、シミュレーションのそれ
をはるかに超えている。
5.三陸海岸を襲った大津波
今回のような大津波は 869 年に起きた貞観地震以来で、千年に一度の稀有な出来事であるとの指摘も
ある。だが、三陸海岸をみてみると、明治三陸地震津波(1896 年5月5日)と昭和三陸地震津波(1933
年3月3日)で大きな被害が出ている。津波の最大波はいずれも大船渡市綾里で記録され、それぞれ
38.2 mと 28.7m( 遡上高 ) であった。今回の地震でも綾里での遡上高は 23 m 以上である。百十五年間
に同じ地域が三回の大津波に襲われているのである。
寺田寅彦 (1878-1935) は三陸津波地震の後に、『津波と人間』という随筆の中で、次のように警鐘を鳴
らしている。
“三十七年と云えば大して長くも聞こえないが、日数にすれば一万三千五百五日である。その間に朝
日夕日は一万三千五百五回ずつ平和な浜辺の平均水準線に近い波打際を照らすのである。津浪に懲りて、
はじめは高い処だけに住居を移していても、五年たち、十年たち、十五年二十年とたつ間には、やはり
いつともなく低い処を求めて人口は移って行くであろう。そうして運命の一万数千日の終りの日が忍び
やかに近づくのである。鉄砲の音に驚いて立った海猫が、いつの間にかまた寄って来るのと本質的の区
別はないのである。”さらに、次のように述べている。“そうしてその碑石が八重葎に埋もれた頃に、時
分はよしと次の津浪がそろそろ準備されるであろう”(いずれも、『鉄塔』に収録)。
私が学生時代に岩石学やアフリカ学を教わった名古屋大学名誉教授の諏訪兼位先生は歌人としても著名
であり、震災後に次の歌を詠まれている。
「原発の大事故千年に一度のみと 三十二年に三度起こりし」(2011 年 6 月 6 日朝日歌壇)
私もそれをまねて一首、
「 三陸地震大津波千年に一度のみと 百十五年に三度起こりし 」
−7−
6.地震3兄弟
日本列島に被害を与えてきた地震は起きる場所の違いによって、主として3つのタイプにわけること
ができる。すなわち、図2に示すように海洋地震とスラブ内地震、内陸地震である。海洋地震は、南海
トラフや日本海溝のような海洋プレートが大陸プレート下に沈み込んでいることころで発生する。プ
レート境界型もしくはプレート間地震とも呼
ばれる。海洋地震は、海洋プレートが沈み込む
ときに引きずり込まれた上側の大陸プレート
が耐えきれなくなったときに、大陸プレートの
ずれ上がりによって起きると考えられている。
この時に起きる地震は逆断層(衝上断層)型の
地震である。今回の地震も、将来発生が危惧さ
れている“東海・東南海・南海地震の”はこの
タイプの地震に属している。
海溝で沈み込んだプレートはスラブと呼ば
れる。このスラブ内部で破壊が起きたときに発
図2 日本に被害を与えてきた地震
(『基礎地球科学』(朝倉書店、2010)を一部修正)
生する地震がスラブ内地震である。平成 13 年
(2001)年芸予地震はこのタイプである。沈み
込む海洋プレートによって押され続けている大陸プレート内部には歪が蓄積される。
地震は、蓄積された歪が断層面の摩擦力を超えたときに断層がずれて発生する。すなわち、活断層が
動くことによって内陸 ( 活断層 ) 地震が起きる。このタイプの地震は私たちの住んでいる場所のすぐ近
くで起きることから、正式な呼び方ではないが直下型地震と呼ばれることもある。1995 年兵庫県南部
地震を代表として、それ以降発生している陸域および近海の大地震はほとんどすべてがこのタイプであ
る。
いずれのタイプの地震もプレート運動に関わっているので、それぞれ独立して起きるのではなく、次
に述べるように相互に強く関連して起きている。
7.地震の連鎖
今回の地震の本震は海洋地震であったが、その後スラブ内地震や内陸地震が多発している。特に、M6
を超える大きな内陸地震は関東甲信越と東北地方の広い範囲で発生して、家屋などの甚大な被害をもた
らしいている。そのうち、福島県の太平洋側では4月 11 日の余震(M 7.0)のときに 、井戸沢断層と
湯ノ岳断層に沿って、正断層変位を伴う地表地震断層が出現した。
このことは、プレート境界で巨大な海洋地震が発生すると、弾性的な反発によって陸側の地殻が伸長
して、活断層に沿って変位が生じて内陸地震が起きることを意味している。さらに、沈み込んだプレー
トにも応力変化が起きて、スラブ内地震が誘発される。日本列島に被害を与える地震3兄弟はそれぞれ
が独立に動くのではなく、連鎖しているのである。
宝永 4 年 10 月4日(1707 年 10 月 28 日)に東海沖から四国沖(五畿七道)で巨大地震(推定 M8.6)
が発生して、この地域の太平洋沿岸を大津波が襲った。この地震は 「 宝永地震 」 とよばれている。この
24 日後 10 月 28 日 (11 月 21 日 ) に佐波郡上徳地村(現山口市徳地)では地震によって大きな被害が出た。
その被害は、
『新編被害地震総覧[416-2001]』
(東京大学出版会、2003)には、次のように記述されている。
“佐波郡上徳地村で倒家 289 軒、死3人、傷者 15 人、死牛4匹、地割れあり、昼夜 40 ~ 50 回。徳山で
町家・侍屋敷破損多く、田熊・大返村で山崩れ、百姓家倒れる。畑中に穴明き水湧出、2ヶ所あり。往
還筋に地割れ石垣崩れあり。”
これら2つの地震の関連性は定かではないが、海洋地震に分類される宝永地震の発生によって、ユー
−8−
ラシアプレート内に伸長が起こり、その縁にあたる山口県内で活断層が動いて内陸地震が起きたことは
想像に難くない。
8.歴史から地震を学ぶ
我が国の近代地震学は、明治 13(1880)年 2 月 22 日の横浜地震を契機にして、御雇外国人教師
ジェームズ・アルフレッド・ユーイング(James Alfred Ewing, 1855-1935)とジョン・ミルン (John
Milne,1850-1913) などの提唱によって結成された 「 日本地震学会 」 よって始まった(『地震学百年』東
大出版会、1982)。今年で丸 130 年である。その後、大学や研究機関で個別に地震観測や研究が進められた。
1995 年阪神・淡路大震災の発生によって地震調査研究推進本部が設立され、地震対策の一元化が図ら
れるとともに、地震観測網や GPS 測地網が整備されてきた。日本全国を網羅した稠密な観測ができ、精
度のよい一元化データが得られているのは、わずかこの15年間に過ぎない。地球の動きを知るにはあ
まりも短い期間である。地震現象についてかなりの理解が進んだと思い込んでいたが、それは今回の東
日本大震災によって幻想であったことを思い知らされた。長期間にわたる地震現象を理解するためには、
歴史から学ばなければならないのである。
幸か不幸か、『日本書紀』には 416 年8月 23 日(允恭5年7月 14 日)“河内國、地震ふる”とあり、
これが我が国最初の地震に関する記述である。次に、599 年5月 28 日(推古7年4月 27 日)には“地
動りて舎屋悉に破たれぬ。則ち四方に令して、地震の神を祭らしむ”とあり、地震被害の記述が出てく
る。これ以降、欠落はあるものの、現在まで約 1500 年間の被害地震のカタログが整備されてきている。
これから起きる大地震を知るためには、今回の大震災の教訓を心に深くとどめて、これら歴史地震を捉
え直していかないと思うのである。
9.西日本大震災に備える
西日本の太平洋沖では、東海地震、東南海地震、および南海地震を起こす3つの震源域が想定され、
それらは史料の記述から 90 年~ 150 年の間隔で、単独で動いたり連動したりしてきた ( 図3)。これ
らのことを考慮に入れて、地
震調査研究推進本部では今
後 30 年間の発生確率は東海
地震 87%(参考値)、東南海
地震と南海地震がそれぞれ
60%と 70%程度と予測して
いる(基準日平成 23 年1月
1日)。規模に関しては、東
海地震はM8前後、東南海地
震と南海地震が同時の場合に
は M 8.5 前 後 と 予 測 し て い
る。
東日本大震災の発生を考慮
すると、最悪のケースでは静
岡県下から東海沖、紀伊半島
沖、四国沖、日向灘までの南
海トラフに沿った領域が一気
に破壊し、これまでの想定を
はるかに超える巨大地震が起
きるかもしれない。
図3 東海・東南海・南海地震の震源域と過去の海洋地震の発生区間および時期
−9−
南海トラフに沿っては、1944 年東南海地震と 1946 年南海地震が起きていることから、次の地震まで
には少し時間が残されているだろう。海溝やトラフに沿って起きる地震に関して、科学的にどこまでわ
かっていて何が正しく、何が間違っていたかを謙虚に反省し、そのことを多くの人に知ってもらわなけ
ればならない。
私たちは、凄惨を極めた東日本大震災から学んだ貴重な教訓を、次に起きるだろう西日本大震災に生
かすべく責務を負っている。
追記:さらに、詳しく知りたい人には、『超巨大地震に迫る 日本列島で何が起きているのか』(NHK 出
版新書 352)(740 円+税)を強くお薦めします。この本は、第一線の地震学者が東日本大震災の発生を
正しく捉え、重圧と苦悩の中で地震予知や長期予測、地震科学の限界について詳しく述べています。
廃液処理施設見学会の一場面
− 10 −
放射線の人体への影響 -定量的に考える-
附属病院 松永 尚文
1.はじめに
福島第一原子力発電所事故以来、
「放射能」「放射線」や「被曝」という言葉が飛びかうようになった。
放射線は、目や鼻など人間の五官で感じとることができないので、漠然とした不安を感じている人も多
いと思われる。放射線を怖がりすぎたり、甘く考えすぎもせず、「適切に怖がる」のはなかなか難しい。
一方で、放射線はごく微量でも測定でき、監視が可能であるので、不確かな情報にまどわされず、賢く
恐がることが大切である。
2.放射線と放射能の違い
「放射線」とは「電磁波や粒子線」のことで、「放射能」とはこの「放射線を出す性質(能力)」のこ
とである。懐中電灯に例えると、「懐中電灯」は「光」を出す「発光能力」を持ったものであり、「放射
性物質」は「放射線」を出す「放射能」を持ったものということになる。つまり、「懐中電灯→放射性
物質」、「光→放射線」、「発光能力→放射能」に相当している。従って、ニュースなどで「放射能が漏れ
た」という言い方がされているが、正しくは、放射性物質が漏れたのであれば「放射性物質が漏れた」、
放射線が漏れたのであれば「放射線が漏れた」と言うのが正しい言い方である。放射性物質が漏れると
放射線を出し続けるが、放射線は光と同じなので、消えてしまう。
3.半減期
「光」を出すと「懐中電灯」の電池がなくなり「発光能力」が弱くなっていくように、「放射線」を出
すと「放射性物質」の「放射能」が弱くなっていく。また、「懐中電灯」から離れると「光」が弱くな
るように、「放射性物質」から離れると「放射線」も弱くなる。
放射能の強さが、もとの半分になるまでの時間を半減期と言う。半減期を繰り返すうちに限りなくゼ
ロに近くなる。放射性物質の放出が続くと、いずれ日本中が放射線だらけになってしまいそうだが、そ
うはならないのは、原子には「半減期」があるからである。放射性物質は、放射線を放出することで別
の原子に変化して、やがて放射線を出さない安定した原子になる。
4.放射線の単位
1) 放射能:ベクレル(Bq):1 秒間に崩壊する原子数。毎秒 1 個の崩壊数を 1Bq という。放射能の強
さを表す単位である。放射性物質と種類と量によって決まる。食品や水道水に含まれる
放射性物質の量を判断する場合などに使いられる。
2) 吸収線量:グレイ(Gy):物質に吸収された放射線のエネルギーを計るための物理量。物質 1kg
当たり 1 ジュール(J)のエネルギー吸収がある場合 1Gy という。
3) 線量当量:シーベルト(Sv):放射線が人体の組織に及ぼす効果・影響を定量的に扱うための尺
度である。グレイに放射線の種類、性質などに関係する修正係数を乗じたものである。
放射線の種類やエネルギーの大きさを含めた放射線量の単位で、人への影響を調べると
きに使われる。放射線が人体に与える影響は、受けた放射線の種類や量、放射線の受け
方によって異なるが、それらを勘案して人体への被曝の大きさを示す単位が「シーベル
ト」である。
− 11 −
野球に例えると、どれだけボールを投げたかの単位がベクレル、どれだけバッターにボールがあたった
かの単位がグレイ、どれだけバッターにボールが当たって人体に影響を受けたかの単位がシーベルトで
ある。
5.自然放射線
1年間に受ける自然放射線の量(世界平均)は、①空から降ってくる宇宙線+②天然の岩石に含まれ
る放射性元素+③岩石から出る希ガス+④食物から出る放射線=合計 2.4 ミリシーベルト(mSv)であ
る。因みに、日本の平均は 0.43mSv である。
西日本はみかげ石として知られる花崗岩が多いため、放射線量は東日本に比べて多い。しかし、健康
には問題ない値である。放射性の希ガスは、花崗岩やコンクリートに含まれる放射性元素が壊変する過
程で生まれる。ウランが別の元素に変わる過程でできるラドンが代表格である。日本分析センターの調
査では、屋内におけるラドン濃度の平均値は、屋外の2倍近くある。日本の家屋は比較的風通しがよく、
放射性物質が滞留しにくいので世界平均より放射線量が低いとされるが、最近では気密性の高い家が増
えているので換気が大切である。
宇宙線は、高度が上がるほど線量は高くなり、飛行機の巡航飛行高度と重なる高度1万~2万メート
ルがピークである。成田とニューヨークを往復した時の総線量は 181μ ( マイクロ )Sv で、海面高度の
200 倍である。高い山でも地上に比べると放射線量は高い。
原発事故の影響がない地域でも、放射線の計測値はゼロにはならない。問題は有無ではなく、値の大
小である。人工でも自然でも放射線の影響は同じである。
人生を 80 年とすると、一生涯の間に約 200mSv の自然放射線を受けることになる。人類が地球上に誕
生する前から現在に至るまで、地球外の太陽や星から、1人当たり1秒間に約百本の放射線が身体を通
り抜けている。それだけでなく、地面や周りの物、自分自身の体内にさえ天然の放射性物質があり、毎
秒何万個という放射線を絶えず浴びている。放射線が生命体に悪影響を与えると思われるのは当然だが、
それをうまく処理する細胞の修復能力が同時に備わっているとも考えられる。
世界の国々のなかで、ブラジルのガラバリでは年間 8 ~ 15mSv、インドのケララでは年間平均 3.8mSv
と、日本よりもかなり多くの自然放射線を受けている地域もある(図1)。このように自然放射線の量
は地域によって差があるが、がんや白血病になる人の割合はほとんど変わらない。
実際、中国広東省陽江地区では、自然放射線が通常の地区より3倍程度高いが、癌による死亡率は他
の地域よりも 10% 以上も低いとされる。また、原爆に被災した人の疫学的調査結果によると、高い線量
域では確かに線量に比例して癌死亡
率が増えているが、300mSv の低線量
では被曝のために癌の発生率が増え
たとは認められず、100mSv あたりで
は一転して発癌率が低下しており、細
胞の修復作用が活性化したと考えら
れている。岡山県と鳥取県の県境に
ある三朝温泉は、ラジウムの放射線
温泉として有名であるが、岡山大学
医学部の調査では、三朝地域の癌死
亡率は、周辺地域や鳥取県平均、全
国平均に比べて明らかに低く、奇形・
不妊についても他地域よりも少ない
との結果が出ている。「放射線は、ど
図1 大地からの放射線による年間の年間被曝量
んなに微量でも生命体には危険」と
Newton 2011 年 7 月号特集:原発と放射能より転載
− 12 −
する「常識」ではこれらは説明がつかない。
6.世界での核実験による放射性降下物
図2は、日本で観測された降下物に含まれていたセシウム 137 の量の1か月毎の推移である。1960
年代に米ソの大気圏核実験が行われ、地球的規模で放射性物質の世界に広がり地上に落下した。中国の
大気圏核実験で再度増加し、その後減少傾向を示し、チェルノブイリ原発事故で瞬間的に増加したもの
の、その後漸減してきている。縦軸は1平方キロメートル当たりのベクレルで、指数関数(1目盛り当
たり 10 倍)で示されており、現在の 1,000 ~ 10,000 倍の地球的規模での被曝があったと思われる。こ
のような地球上に我々は、暮らしている。
図2 大気圏核実験による地球的規模で放射性物質の降下物:セシウム 137 の推移
Newton 2011 年 7 月号特集:原発と放射能より転載
7.放射線量の大中小が肝心
年間の被曝量を考える場合は、1Sv の 1/1,000 =1mSv、時間当たりの被曝量を考える時は1mSv の
1/1,000 =1μ Sv である。大・中・小の概念をもっていないと、正しい価値判断はできない。
放射線は「いくら微量でも影響がある」と勘違いされていることが多い。前述のように、実は身の周
りは放射線だらけで、人類は放射線下で進化してきた。太陽は核反応により宇宙線を放出し、地球は大
地に含まれる放射性物質から放射線を出している。私たちの身の回りの放射能では、普通の海水で 1 リッ
トル中に 12 ベクレル、タバコの灰 5 グラム中に 30 ベクレル、三朝温泉 1 リットル中に数千ベクレル、
人の体内に何と 7,400 ベクレルの放射能をもち、私たちは日々放射線を浴びて生きている。怖いのは、
一定以上の放射線を浴びることであり、それゆえ、放射線をいかに多く浴びないようにするかが課題と
なる。
一方で、放射線の防護の観点では、「ごく微量の放射線被曝であっても影響はゼロではない」との考
えに立っている。これは放射線の危険性を過小評価せず、できる限り危険性を排除する立場で考えてい
るからである。
現実には、ある線量以下では障害が生じないという限界値 ( しきい値 ) があることは分かっており、
人体であれば 100mSv 以下であれば健康障害は報告されていない。微量の放射線は、動植物に有益な影
響をもたらすという「ホルミシス効果 ( 活性化現象 )」についての研究成果もある。
8.「年間 100 mSv」が目安
被曝線量が 7,000mSv では死亡、1,000mSv では悪心や嘔吐、500mSv では末梢血中のリンパ球の減少と
いう影響が出る。一方で、「年聞 100mSv 以下」の放射線被曝であれば「健康への影響は心配ない」とい
− 13 −
うのが、これまでの研究で分かっている。放射線の健康影響を考える1つの目安は「年間 100mSv」で、
それ以下ならば健康への心配はない。
9.急性被曝と慢性被曝後の細胞の回復
浴びた放射線量が同じだとしても、それを短時間で浴びたのか、あるいは長い時間をかけて浴びたの
かによって、人体への影響は異なってくる。
人体には放射線で傷ついた細胞を修復する能力があるので、通常であれば、慢性被曝の方が急性被曝
よりも影響は少ない(図3)。それを考えると、報道などで、瞬間的に測定された放射線の数値と時間
を単純にかけ合わせて 1 年間の被曝量を算出しているが、その数値の意味合いは疑わしい。
10.内部被曝と外部被曝
内部被曝は吸入または経口、経
皮摂取により体内に取り込まれ
急性
た放射性物質からの被曝を、外
部被曝は身体の外にある放射線
源からの被曝を指す。アルファ
慢性
線のように極めて高い生物効果
ではなく、通常のガンマ線やベー
タ線のように同等の線質係数を
もつものについては、内部被曝
図3: 急性被曝と慢性被曝後の細胞の回復
であっても外部被曝であっても、
Newton 2011 年 7 月号特集:原発と放射能より転載
その影響は臓器の吸収線量で決
まり、内部被曝を特別扱いする必要はない。そのため、人への放射線被曝の影響を考慮する場合には、
内部被曝と外部被曝とを合算する。今回の福島原発災害では、現時点においては、放射性ヨウ素による
内部被曝への寄与は小さく、外部被曝管理を確実に実施することが優先されるが、市民を対象とした種々
の計測も実施されており、内部被曝については今後の結果に留意することが必要である。
11.放射線影響量と防護量
放射線影響量とは、放射線による人体への影響を生物学的ないし疫学的な研究に基づいて科学的に解
析して得られた線量である。一方、放射線防護量とは、防護のための考え方から、基本的には社会的合
意の上に定められたものである。被曝により何らの利益も受けない人が放射線を浴びる意味はないとい
う観点から、公衆の被曝限度は、自然放射線と医療被曝を除いた被曝線量が年間1mSv という、自然放
射線被曝を下回るほどのきわめて小さな線量に規定されている。また、放射線作業者に対しては、5 年
間で 100mSv 以下、単年度は 50mSv を超えないように管理することが義務づけられている。これらの、
線量限度と総称する規制値は、各種の施策を実行するための防護量であり、影響量とは区別されなけれ
ばならない。
12.低線量の放射線影響
放射線はそのイオン化作用で DNA に損傷を与えるので、放射線量の増加に伴い、がんなどの確率的影
響が発生する危険性も増加する。しかし 100mSv 以下の低線量での増加は、広島・長崎の原爆被爆者の
長期の追跡調査を持ってしても、影響を確認できない程度である(ICRP Publ. 103, 105)。原爆被爆で
は、線量を一度に受けたものであるが、今回は、線量を慢性的に受ける状況であり、リスクはさらに低
くなる (ICRP Publ.82, 103)。そのため今回の福島の事故で予測される線量率では、今後 100 万人規模
の前向き研究を実施したとしても、疫学上影響を検出することは難しいと考えられている。日本人のが
− 14 −
ん死が 30%に及ぶ現代においては 100mSv 以下の低線量の影響は実証困難な小さな影響であるといえる。
13.小児への放射線影響
広島・長崎の原爆被爆者の調査結果などから、放射線影響による発がんの生涯リスクには被曝時の年
齢が大きく影響することが明らかとなっている。たとえば、白血病以外の全てのがんの相対リスクは被
曝時年齢が 10 歳以下の場合では、対照者の 2.32 倍となっている。先の項で述べたごとく、100mSv 以
下の低線量における発がんリスクは、小児においても確認されてはいないが、小児の被曝に対しては、
多くの場面で特別な配慮がなされなければならない。
14.医療被曝・職業被曝と災害による被曝との違い
医療被曝は患者の健康を守るという利益を保証した上での被曝であり、放射作業者の被曝(職業被曝)
は、放射線利用に伴う作業という社会的利益のための被曝である。これに対して、災害による被曝は公
衆に何らの利益ももたらさない被曝であり、これらの3種類の被曝量を相互に比較する意味は少ない。
このため、災害による被曝が発生した場合は、市民の安全を考えた緊急避難や、緊急時の特別な線量管
理、緊急被曝医療体制の整備などの対応策がとられるべきであり、考え得るリスクに対する総合的・合
理的な判断に立って、健康への悪影響が発生しないように、最善の努力がなされるべきである。
15.どのくらいの量の放射線を受けると人体に影響があるか?
放射線の影響には確定的影響と確率的影響がある。確定的影響は決まった量を受けると必ずでる影響
のことをいう。例えば、全身に約 7,000mSv を一度に受けるとほとんど 100%の人が死亡し、約 3,000mSv
以上では受けた人の半数が死亡する(図4)。また、放射線を局所に受けると受けた放射線の量に応じ
て脱毛や潰瘍などが発生する。ただ、公衆になんら利益をもたらさない災害時の被曝と患者さんに利益
のある医療被曝とを同列に論ずることはできない。
16.確定的影響と確率的影響
確定的影響では、下限のしきい値以下では生じず、
それ以上の値で発生率が上がる(図5)。確率的影
響は受けた放射線の量に応じて病気の発生する確率
が高くなるものを言う。例えば、がんがある。放射
線を受ければ受けるほど、がんの発生確率が増える
ということである。しかし、200mSv 以下ではがんは
増えていないということも分かっている。低線量被
曝では、がんの自然発生率との区別ができないので、
その影響はよく分かっていない。
17.低線量の放射線影響
図 4: 被曝線量と体への影響
放射線はそのイオン化作用で DNA に損傷を与える
2011 年 4 月 24 日朝日新聞より転載
ので、放射線量の増加に伴い、がんなどの確率的影
響が発生する危険性も増加する。しかし、100mSv 以下の低線量での増加は、広島・長崎の原爆被爆者
の長期の追跡調査を持ってしても、影響を確認できない程度である(ICRP Publ. 103, 105)。原爆被爆
では、線量を一度に受けたものであるが、今回は、線量を慢性的に受ける状況であり、リスクはさらに
低くなる (ICRP Publ.82, 103)。そのため今回の福島の事故で予測される線量率では、今後 100 万人規
模の前向き研究を実施したとしても、疫学上影響を検出することは難しいと考えられている。日本人の
がん死が 30%に及ぶ現代においては 100mSv 以下の低線量の影響は実証困難な小さな影響であるといえ
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る。
放射線の影響には急性症状と、
「ただちには出ない」長期的な影響
がある。急性症状が現れるのは浴
び た 総 量 が 1,000mSv (1Sv) 程 度
からと考えられている。足など身
体の一部に数 Sv 浴びただけでは、
やけどのような症状が出る程度で
すむが、大きな線量を全身で浴び
ると死に至る。また、空間の線量
が 1000mSv 毎時以上の場所に 1 時
間いると嘔吐などの急性症状が現
図5: 確定的影響と確率的影響
Newton 2011 年 7 月号特集:原発と放射能より転載
れ、人間は近づけなくなる。
200mSv(0.2Sv) 程度以下では急性症状は出ないとされ、のちのちの影響が問題になる。広島・長崎で
大量の放射線を浴びた人のデータを元に数式を作り、少量浴びた時の影響を推測する研究が長く続い
てきた。どの数式がいいか専門家の意見は一致していないが、国際放射線防護委員会 (ICRP) の最新の
考え方は、がんになるリスクは通常 30% で、100mSv 浴びると 30.5% へと上がる、というものである。
200mSv 浴びれば、31% に上がる勘定である。
がん死亡の約 3 割はたばこが原因とされる。それに比べると、数 10mSv など比較的低い線量による長
期影響は大きくない。
年間 100mSv は、1 時間当たりに直すと 11.4 μ Sv になる (1 mSv は 1000 μ Sv)。家の中では外からの放
射線は遮られることもあり、
大気中の放射線量が年間平均で 10μ Sv ぐらいまでは影響はなさそうである。
なお、CT や X 線検診などは一度で終わるので、それと 1 時間当たりの放射線量を比べても意味がない。
18.胸部単純 X 線撮影による被曝量
自然放射線による年間被曝量は 2.4mSv/ 年、胸部単純 X 線写真1枚の被曝量は 0.1mSv である。この
2.4mSv は、胸部単純 X 線写真 0.1mSv/ 枚 X24 枚撮影された量に相当する。60 歳になられた方は、60 年
間で、胸部単純 X 線写真を 24 枚 X60 年間= 1,440 枚撮影に相当する自然放射線で被曝している。呼吸
器症状がでて初めて胸部単純 X 線写真を1枚撮影されたら、それは 1,441 枚目に相当するが、この1枚
の追加で健康に障害を及ぼすことはありえない。むしろ早期発見できて、早期治療ができて、命が助か
るメリットがはるかに大きい。
19.放射線の利用
放射線はレントゲン(X線)検査などさまざまな分野で利用されている。放射線の利用ではレントゲ
ン(X線)検査が最も身近であるが、その他にも物質を通り抜ける性質を利用した非破壊検査や、より
強い分子を作る性質を利用したラジアルタイヤなどの製造、不妊の害虫を作り出して利用する害虫駆除、
ジャガイモの発芽防止、放射線の持つエネルギーを利用したがん治療など、医療、工業、農業などさま
ざまな分野で利用されており、国民の健康や生活の水準向上、産業振興等に貢献している。
20.おわりに
・放射線は目に見えない、臭わないなど五官で感じられないが、定量的に測定できる。
・広島・長崎の原爆のデータから人体への影響のほとんどが分かっている。
・放射線は法律で管理されている。
− 16 −
・全身被曝・局所被曝:全身被曝では放射線感受性の高い臓器に障害が現れる。局所被曝では、そ
の部位にしか障害は現れない。
・急性被曝・慢性被曝:慢性低線量被曝では、一定時間後には細胞が回復するので、急性被曝より
障害の影響は少ない。
・低線量被曝・高線量被曝、内部被曝・外部被曝は区別して論じられるべきである。
放射線は、正しく理解して、正しく利用すれば、文字通り人類の平和や繁栄に大きく役立つ。なにし
ろ放射線との付き合いは、人類誕生以来のことである。放射線を怖がりすぎたり、甘く考えすぎもせず、
定量的に正しく判断して、賢く怖がることが必要だろう。
水質検査のサンプリング(吉田総研)
− 17 −
身の回りの放射線とその評価
総合科学実験センター
坂口 修一
1. はじめに
平成 23 年 8 月 26 日,私は福島第1原発から 23km 程にある福島県広野町の中央体育館で行われてい
た福島第1原発周辺の警戒区域へ一時帰宅した方々の放射性汚染のスクリーニング検査に協力し,人と
荷物の放射性汚染を測定していた。この日は初めて原発から 3km 圏内の地域への一時帰宅が行われたた
め,マスコミも多く,平成 23 年 3 月 11 日の平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震発生に伴う福
島第一原子力発電所事故の発生から 5 か月が過ぎてなおこの件が収束を見ず高い関心を持たれているこ
とが伺われた。この事故の後,新聞,テレビ,インターネット,様々なメディアで放射線に関すること
が数多く報道,解説され,放射線関連知識の露出量は近年まれに見るほどであった。実際,この事故を
きっかけにして放射線について関心を持った者も多かろう。
2. 放射線に関する単位
放射線やその物体との相互作用は多様で複雑なもので,放射線のすべての特徴をそれのみで表現でき
るような便利な単位も,また測定できるような便利な機器もない。そのため多くの量や単位が関係する
が,そのうち特に重要で,多くのメディアでも見聞する単位 [Bq](ベクレル)と [Sv](シーベルト)
について簡単に触れておく。
[Bq] の次元は [T-1] で,SI で書けば [s-1],これは放射能量を表すための単位で 1 壊変 /1[s] を意味する。
壊変により原子核は放射線を発するが,このとき何がどのくらい出るかは核種によって異なるので,い
くつかの核種が混合している場合はこの値の和だけでは状況をうまく表現できない。着目する核種がひ
とつの場合などはそれに関する放射能量の比較に役立つ。
[Sv] の次元は [L2T-2] で,SI で書けば [J/kg],これは単位質量あたりに吸収されたエネルギー量を
元にしており,個人が放射線から受ける健康被害を管理するための量である。管理された状況下での
低線量被曝を評価し管理するための概念的な量で実測できない防護量の実効線量 E または等価線量 H T,
日常の管理に使用される放射線測定器により実測可能な実用量の周辺線量当量 H *(10) や個人線量当量
H p(10) などこの単位はこれらの異なる量に共用されているので混同しやすく注意がいる。a が実数とし
て a [Sv] 被曝したとき発癌の危険性がどうこうと言った文脈では E ,ポケット線量計の表示が a [mSv]
と言うときは H p(10),新聞に載っている福島県の線量地図に書かれているような,電離箱やシンチレー
ションサーベイメータで測定した環境中の放射線量率が a [μSv/h] と言ったときは H *(10) が使用され
ている。人体への影響を評価するのに使用される指標は,外部被曝と内部被曝を合算した実効線量 E な
ので,通常はこの値を気にかけていれば十分であろう。
なお,放射線に関する単位についての詳細は ICRP の出版物 [3] などに詳しく書かれているので,興
味ある向きは参照されたい。
3. 身の回りの放射線とその人体への影響
さて昨今は各地の線量測定結果図が各所で公表され続けており話題となっている放射線だが,実は
我々の身の回りにはいつでもある。そもそも我々の体を構成する原子の一部は天然の放射性物質なので,
体内からも放射線は出ている。人体にも放射線源が含まれるくらいなので,当然他の動植物にもそれら
は含まれており,一部は食品となって人体に入ってくる。大地を構成する岩石にも,その辺に見られる
− 18 −
ありふれた植物にも,携帯電話に使用される希土類磁石原料にも放射性物質は含まれている。そのよう
な天然に存在するもののほか,今とて宇宙から降り注ぐ放射線による放射化で変換される放射性核種も
ある。ほかにも,チェルノブイリ原発や福島第一原発の事故により環境中に放出されたもの,大気中核
実験によるフォールアウトなどもあるが,これらはすべて環境中にある放射線源である。それに加え,
健康診断でよく行われている胸部のものを初めとするX線写真撮影,CT 検査,RI や放射線を使用した
癌などの治療など医療による放射線被曝もある。
現に放射線のある環境中で我々はずっと暮らしている訳だが,放射線は少しでもあってはならないよ
うなものなのかということは気になることであろう。実際のところは,我々人間の体は放射線にある程
度暴露されても耐えられるようにできているので,後述するある一定のレベル以下の被曝であれば心配
することはない。これは多少日に焼けても人体に問題がないことと似ている。ただし,一度に大量暴露
されると有害なのもまた同じで,日光であれば熱傷や熱中症を受け場合によっては死に至ることがある
のと同様に,放射線であれば放射線障害を受け死に至る事もある。どのような被害を受けるおそれがあ
るかということには,やはり量が問題となるのである。
ある程度大量の放射線に暴露された際,人体に起きる悪影響にはしきい値があることが知られており,
その値を超えなければ悪影響は受けないとされる。この種の放射線障害は確定的影響と呼ばれている。
個別の臓器についてのしきい値を表 1 に,全身についてのしきい値を表 2 に示す。表中で [Gy] で表さ
れている値は,X線やγ線などの光子については [Sv] の値とほぼ同じである。これを見ると,1[Sv] オー
ダーの被曝では明らかな悪影響があることがわかる。このような大線量については,被曝してしまう事
のないように計画的に防護する必要がある。職業的に被曝のおそれのある環境下の放射線被曝について,
平成 23 年現在の日本では ICRP 1990 年勧告 [1] という国際的な基準に準拠して法令を定め,それによ
り管理を行っている。
一方,確定的影響が起きるほどではない量の被曝であっても,発癌などの悪影響が起きることがあり,
これは確率的影響と呼ばれている。確率的影響においてはしきい値は存在しないと仮定されており,低
線量の被曝であっても被曝線量に比例して悪影響があると言う前提で個人被曝線量を測定して管理す
る。ただし,人間において遺伝的な影響が確認された例はまだなく,発癌についても 100[mSv] 程度の
線量ではその癌が放射線被曝によるものであるとは断言できないとされている。これは影響が全くない
のではなく,その影響が小さい領域においては他の要因と明確な区別ができないという程度のことと考
えてよい。100[mSv] 以下の低線量被曝時の放射線障害の状況についてはまだ解明されていないことも
多いのである。
表 1: 組織・臓器レベルの確定的影響の例と線量閾値 [2, p.220]。 影響 吸収線量 [Gy]
白血球減少 悪心,吐き気,嘔吐 白内障 脱毛,皮膚紅斑 0.25
1
2
3
表 2: 個体レベルの確定的影響と線量閾値 [4, p.276]。高線量における血管系と細胞膜の損傷が重要。
全身吸収線量
3-5 Gy
5-15 Gy
>15 Gy
死亡をもたらす主な影響
骨髄死 : 骨髄の損傷
腸死 : 胃腸管および肺の損傷
中枢神経死 : 神経系の損傷
− 19 −
死亡するまでの期間
30-60 日
10-20 日
1-5 日
日常の状況においては,放射線や放射性物質はきちんと管理された放射線使用施設等の放射線管理区
域の中に封じ込められている他,輸送時など管理区域の外にある場合でもさまざまな基準が定められて
おり,それが守られている限り心配はないし,福島第1原発の事故以前は環境中の放射線はあまり問題
にならなかった。事故以後は事故以前の状況への回復をめざし,順次状況を改善していくことになる。
原発事故など緊急時において,突然まき散らされた放射性物質(核燃料や核分裂生成物も含めて)に対
する防護を考える場合は,様々なことが必ずしも計画通りに行くとは限らないので,緊急時被曝状況と
して柔軟な対策が求められる。
おおまかにはそれぞれの地域の線量を測定(緊急時には推定)し比較的高線量の地域は立ち入り禁止
にすることにより確定的影響を避け,そうでない地域は確率的影響のおそれを抑えるために被曝線量の
目標値(参考レベル)を検討して対処することになるだろう。なお,この参考レベルについては,ICRP
2007 年勧告 [3] においては緊急時被曝状況の公衆に対しては 20 ないし 100[mSv/ 年 ],通常時であれば
1 ないし 20[mSv/ 年 ] とされている。いずれは通常時の状況になることが望まれる。
4. 放射線の危険性の評価
車に轢かれないためには家を出なければよい。確かにそうかも知れないが,それは人生に多大なる不
利益をもたらすので,車が怖いばかりにそのような暮らしを送る者はほぼ居はしまい。実際は周囲に気
を配り,交通規則を守っていれば事故に遭う確率はそれなりに低い。ただ,交通事故に遭ってしまう事
があるように,世の中に絶対安全なものはなく,どのようなものでも危険性を持っている。何らかの危
険なものからの被害を避けようとするならば,利害のバランスを考えなくてはならない。車のようにそ
の利便性と危険性について体感されあるいはある程度知られているものについては,このようなことが
受け入れられている。放射線についても同様であるべきなのだが,原発も放射線利用の現場も一般の人々
からは少し遠くて利便性は分かりづらい一方,事故の報道などで危険性ばかり身近に感じられているの
だろう。放射線については 1901 年のレントゲン博士によるX線の発見より 100 年以上に及ぶ利用の歴
史の中で,様々な危険が発見されまたそれを回避するべく様々な規制が行われてきた。放射線について
の危険性の評価,危険の回避については,科学者たちによる放射線の安全にかかわる知見の蓄積を信じ,
いたずらに恐れず,しかしながら侮らず,適切なレベルで評価し,警戒することが大切であろう。
5.参考文献
[1] 日本アイソトープ協会(編). ICRP 1990 年勧告 . ICRP 勧告日本語版 , No. 60. 丸善 , 1990.
[2] 日本アイソトープ協会(編). 放射線取扱の基礎 . 丸善 , 第 4 版 , 2005.
[3] 日本アイソトープ協会(編). ICRP 2007 年勧告 . ICRP 勧告日本語版 , No. 130. 丸善 , 2009.
[4] 飯田博美 , 柴田徳思 , 河村正一 , 荒野泰 , 杉浦紳之 , 上蓑義朋 , 小佐古敏荘 , 鶴田隆雄 . 放
射線概論 . 通商産業研究社 , 第 6 版 , 2005.
− 20 −
3.解説、話題、教育、研究 社会的/精神的エコロジーと芸術
人文学部 田中 均
私は人文学部に所属して美学という学問を研究しているのですが、「環境」という主題について「美
学的」に論じるという場合に、代表的なアプローチとして、以下の二つを挙げることができると思われ
ます。一つは、「環境美学」という、20 世紀後半に英語圏で成立した美学のサブジャンルであり、これ
は人間が自然環境の中で行う感性的体験について哲学的に研究するものです 1。もう一つは、これも 20
世紀後半に成立した、「環境芸術」という現代美術のジャンルについて論じることです 2。
これらのアプローチに基本的に共通するのは、「環境」をまずは自然環境として理解するということ
ですが、今回私はそれとは異なるアプローチを取ってみたいと思います。その際に手がかりとなるのが、
思想家で精神科医のフェリックス・ガタリ(1930 - 1992)が 1989 年に著した『三つのエコロジー』です 3。
一、 ガタリ『三つのエコロジー』における「芸術」
この中でガタリは「エコロジー」という概念を、自然環境に関わる「環境的エコロジー」だけでなく、
社会関係に関わる「社会的エコロジー」と人間個人の主観性に関わる「精神的エコロジー」の三つを含
むものへと拡張させることを提唱しています。というのも、ガタリによれば、従来の環境政策が「産業
公害の領域に[…]アプローチすることで事足れり」(8)としているのは誤りであり、科学技術による
地球環境の変化だけでなく、「個人的かつ集団的な人間の生活様式もしだいに悪化の一途をたどってい
る」ことに注目すべきであるからです。より具体的にガタリは、社会的・精神的エコロジーの問題として、
「親族のつながりは最小限に切りちぢめられる傾向にあり、また家庭内の生活はマスメディアの消費の
ためにむしばまれている」(7)と述べています。そして彼は、上記三つのエコロジーを変革するための
実践がおこなわれる領域を、「エコゾフィー」(エコロジーとフィロゾフィー(フランス語の哲学)から
合成した用語)と呼び、三つの「エコゾフィー」を以下のように整理しています。
「環境的エコゾフィー」とは、「科学技術の激変の加速度的進行と人口のいちじるしい増加のなかで、
この惑星上においてどのように生きていくかという生き方の問題」に取り組む領域(16)。
1
ただしカールソンは『スタンフォード哲学事典』の「環境美学」の項目において、「環境美学」の対象には自
然の美的経験だけではなく、人工的な環境や日常生活など、芸術以外の美的経験のほぼ全てを対象とすると述べ
ています。Allen Carlson: “Environmental Aesthetics”. In: Stanford Encyclopedia of Philosophy, 2010.
http://plato.stanford.edu/entries/environmental-aesthetics/(2011 年 8 月 31 日閲覧)
2
「環境芸術」は主として、自然環境を舞台として自然にある素材を用いて作られた美術作品を指し、自然を舞台
とする「環境芸術」は「ランド・アート」、「アースワーク」とも呼ばれます。最も代表的な例としては、ロバート・
スミッソンがソルトレイク湖にらせん状の突堤を建設した《スパイラル・ジェティ》(1970 年)などを挙げること
ができるでしょう。ただし、1950 年代に「環境芸術」の語を用いたアラン・カプローは、観客を取り巻く空間と
いう意味で用いています。以下を参照。浅沼敬子「環境芸術」(「現代美術用語事典」) http://www.artgene.net/
dictionary/cat80/post_491.html(2011 年 8 月 31 日閲覧)
3
フェリックス・ガタリ『三つのエコロジー』、杉村昌明訳、1991 年、大村書店。以下引用の後に頁数を付します。
− 21 −
「社会的エコゾフィー」は、「夫婦や恋人のあいだ、家族のなか、あるいは都市生活や労働の場などにお
ける人間の存在の仕方を変革したり再創造したりする」実践の領域(17)。
「精神的エコゾフィー」は、「情報通信の画一化傾向、広告や各種の調査による世論操作など」に対抗
して、「身体や幻想、過ぎゆく時間、生と死の《神秘》などに対する主体の関係を再創造する」(17f.)。
ここで注目したいのは、ガタリが「精神的エコゾフィー」、「社会的エコゾフィー」において芸術、よ
り正確に言えば芸術家的な生き方が重要な役割を果たしていると論じていることです。「社会的エコゾ
フィー」について言えば、かつては人びとが共通の目的に向かって奉仕する時代であったが、現在必要
とされるのは、「集団的合目的性に対してもはや何の気づかいをすることもなく、あるがままの創造的
表現が最優先される」時代であり、これは「芸術家の論理と類似している」(43)と言われます。とい
うのも、ガタリによれば、
「芸術家というのは、突然当初の企画を変えるような何か事故的に生じたディー
テイルとか、偶発的出来事を起点にして、作品に手直しをくわえながら、確固たるものであったはずの
それ以前のパースペクティブからどんどん逸脱していくもの」だからです。このように、目的に囚われ
ず自由で自律的に創造的に振る舞う芸術家の方法が「社会的エコゾフィー」には必要であるとされ、さ
らに「精神的エコゾフィー」における方法も、「《心理学》の専門家の方法よりも、一般に芸術家のとる
方法にはるかに近いものとなるだろう」(18)と言われており、学問的な公式ではなく想像力の創造性
や自由が強調されています。ガタリはこうした芸術家的な方法によって、これまでは抑圧されてきた個々
人や集団の独自性が自発的に活性化され(41)、これがエコロジーの変革に結びつくと論じています。
二、「芸術家的批判」の危機
以上のように、ガタリの『三つのエコロジー』では、集団の目的に個人が奉仕するという関係が批判
され、社会的エコロジー・精神的エコロジーの変革のために自由・自律的・創造的な芸術家的な生き方
が要請されています。これに対して次に参照したいのは、約 20 年後の 2011 年に出版された『創造とうつ』
4
という論文集です。というのも、この論集では、「自己責任・柔軟性・流動性・創造性は、個人が社
会に参加するために今日決定的な社会的要求」であり、個人の独自性を活性化させることが、人間の解
放をもたらすというよりはむしろ、経済的競争の中で強制されているということ、またそれに応じて芸
術家の生き方というモデルも役割を変化させていることについての論考が集められているからです(7)。
それらの論考の中で、ここではまず、フランスの経営学者エヴ・シャペロの「進化と取り込み――「芸
術家的批判」と規範の転換」5 を取り上げます。
彼女によると、19 世紀以来の産業化された資本主義社会に対する批判は、大きく分けて「芸術家的
批判」と「社会的批判」に分けられます。「社会的批判」は、資本主義がもたらす貧困と不平等、さら
に利己主義を批判し、社会的な連帯を要求するものであり、この批判を受け入れることによって 20 世
紀の福祉国家が成立しました。これに対して「芸術家的批判」は、フランスでは七月王政期(1830 -
48)まで遡るもので、資本主義社会における物質主義・功利主義・拝金主義が、自由・自律・創造性を
妨げるという批判です。貧しい芸術家が、自分の芸術をあきらめるか、それとも飢えに苦しむか二者択
一を迫られる、という古典的な「アウトサイダーとしての芸術家」のイメージがこうした批判の根底に
あります。ただし「芸術家的批判」は、資本主義の本質的な要素の一つである個人主義を批判すること
は決してなく、芸術的天才のイメージは、個人が独自性と自律性を徹底して探究するように人びとを促
しました。
しかしシャペロによれば、1980 年代以来、
「芸術家的批判」は深刻な危機に陥りました。というのも、
4
Christoph Menke und Juliane Rebentisch (Hg.): Kreation und Depression: Freiheit im
gegenwärtigen Kapitalismus. Berlin (Kadmos) 2011. 以下、引用の後に頁数を付します。
5
Ève Chiapello: Evolution und Kooption: Die »Künstlerkritik« und der normative Wandel.
− 22 −
以下の三つの理由から、芸術家の生き方は社会批判のモデルとしての有効性を減じてしまったからです。
A 芸術家への公的な保護が強化され、また文化産業のなかで芸術家の報酬が上昇したため、芸術家
が苦境にあるとは言えなくなってきた。
B 新しいタイプの経営者は、自由・自律・創造性という価値を取り込み、過去の前衛芸術も国家や
公共美術館に認められるようになった。一方で芸術家自身が、独自性と「無からの創造」という価値
観に疑問を呈し、芸術と日常生活との融合を目指した。
C 芸術家の社会的地位が変化し、特別な存在ではなく、自由業者・被雇用者の一種とみなされるよ
うになった(44ff.)。
今日の経営学の文献では、雇用は不安定化したが、労働はますます創造的で変化に富んで自律的な活
動となり、芸術家の生き方に近づいたと述べられている、このようにシャペロは指摘します。それでは
「芸術家的批判」は最終的に失敗してしまったのか、という問いに対して彼女は、「芸術家的批判」は物
の価値について議論を促し、様々な価値を商品化することに反対する点ではまだ有効であり、「非営利
的な活動の存在に注意を促す」役割を担っていると述べています(50)。
三、「自律性が支配する社会」におけるうつ病
上記のシャペロの論文では、ガタリの言う「社会的エコロジー」に芸術家というモデルが取り込まれ
た結果、解放ではなくむしろ強制が生じていることが指摘されましたが、「精神的エコロジー」におい
ても同様の事態が生じていることを指摘しているのが、同じ論集『創造とうつ』に収録された、社会学
者アラン・エランベールの「うつ病――文化への不満と新しい形式の社会性」6 です。
エランベールの主張の要点は、メランコリーとうつ病を区別することにあります。西洋の歴史におい
てメランコリーという病は天才や創造性といったポジティブな価値と結びつけられており、16 世紀に
は天才あるいは高貴な人間だけの特別な病とされ、19 世紀にも、芸術的天才と非合理性とが接点を持
つことの表れとみなされました。しかし、1960 年代ごろの社会の変化によって、誰もが独自であるこ
とができるし、また独自であるべきであるという考え方が普及すると、特別な人びとの病としてのメラ
ンコリーに代わって大衆的な病としてのうつ病が登場する、このようにエランベールは論じます。そし
て、大衆的なうつ病は、メランコリーが持っていたポジティブな価値を失い、単なる病気とみなされて
いると指摘します(54)。
ここでエランベールが言う 1960 年代の社会の変化とは、規律・機械的服従・体制順応・禁止の順守
によって成り立つ社会(「規律によって組織された社会」)が、個人の業績・創意・自由な選択・自己責
任に基づく社会(「自律性が支配する社会」)に移行したことを指します。彼の整理によれば、
「規律によっ
て組織された社会」では、個人にとって「それをしても許されるか」ということが問題であり、人びと
は禁止する支配者と服従する被支配者に分割されたのに対して、「自律性が支配する社会」では、「それ
をすることが自分に可能か」が問題であり、能力を持つ勝者とそれを持たない敗者に分割されます。こ
うした「自律性が支配する社会」における敗者は、自分の能力の欠如に対する自責感からうつ病に苦し
むことになる、こうエランベールは論じているのです(54f.)。
エランベールは、現在必要なのは、敗者とされる人びとが自ら変革することを助けることであり、
「今
日の最も重要な政治的課題は、人びとが自分の可能性を利用する能力を養成することである」と述べま
す。かつてフロイトは、精神分析とは、患者が自分の夢を解釈して自ら変革するための手段を提供する
仕事であると述べ、さらに、このように相手が自分の力で自律的な主体となることを助ける精神分析家
は、教師や政治家と並んで「不可能な職業」であると言いましたが、今日ではこの「不可能な職業」が
一般に普及した仕事になっている、このようにエランベールは締めくくります(60f.)。
6
Alain Ehrenberg: Depression: Unbehagen in der Kultur oder neue Formen der Sozialität.
− 23 −
四、おわりに
以上のシャペロとエランベールの議論を振り返ると、アウトサイダーとしての芸術家というモデルが
「社会的エコロジー」や「精神的エコロジー」において批判的な機能を果たしていた時代は終わり、「芸
術家のように自由・自律的・創造的であること」は新たな強制となり精神的な病理の背景となっている
ことが理解されます。こうした現状をシャペロとエランベールは追認しているわけではなく、シャペロ
は、商品化されない非営利的な活動に注意を促すという批判的機能が芸術家には残されていると主張し、
エランベールは、敗者とされる人びとが自ら変革して能力を持つ主体となることを助ける仕事の重要性
を訴えています。
こうしたシャペロとエランベールの提言を踏まえて私が想起するのは、現代の芸術のうち、「新しい
ジャンルのパブリックアート」、あるいは「社会関与型(社会参加型)芸術」と呼ばれる傾向です。こ
れはおおよそ 1990 年代以降に欧米で盛んになった傾向であり、芸術家が、女性や人種的マイノリティ、
低所得者など、社会の中で不利な立場に置かれているコミュニティと協力(コラボレーション)し、こ
のコミュニティが抱えている具体的な問題の解決に取り組むというものです 7。
「社会関与型芸術」に見て取れるのは、社会的弱者が自らの能力を開発して自立するための助けとし
て芸術家が奉仕するという関係であり、ここには、シャペロが重視する非営利な活動と、エランベール
が要請する、「敗者」の自己変革への援助との両方が組み合わされていると言えるでしょう。「社会関与
型芸術」は、日本においても「芸術による社会的包摂」というフレーズの元に近年注目を集めています。
しかし懸念されるのは、ある美術史家・美術批評家も批判しているように、「社会関与型芸術」にお
ける芸術家とコミュニティとのコラボレーションにおいては、芸術家に(キリスト教的な)自己犠牲の
精神が要求され、芸術家が自己主張をすると批評家によって道徳的に断罪される傾向があるということ
です 8。この場合、芸術家は、かつてのようにアウトサイダーとして社会批判のモデルになるというよ
りはむしろ、競争社会における「敗者」を社会につなぎとめるために無償あるいはわずかな報酬で奉仕
することによって、現代の資本主義社会をその負の側面において補完する役割を引き受けていることに
なるのではないでしょうか。もしそうであるとするならば、現代の芸術家は、自由・自律的・創造的な
労働力を安価に提供する職業として、社会に組み込まれていると言えるでしょう。私はそのことを必ず
しも否定的にだけ評価するつもりはありません。しかし、それとは異なる芸術家像、あるいは芸術像を
構想する(ただし、歴史を逆行して芸術を神秘化し、「呪術的なものとしての芸術」あるいは「世界の
再魔術化」といったフレーズを持ち出すのではなく)こともまた美学の一つの重要な課題ではないかと
私は考えています。
7
「新しいジャンルのパブリックアート」は非常に多様ですが、最も代表的な例としては、オーストリ
アのグループ「ヴォッヘンクラウズーア」がチューリッヒで麻薬中毒の女性たちのための宿泊施設を開
いたプロジェクト(1994 年)などが挙げられます。日本語文献としては以下が参考になります。工藤
安代『パブリックアート政策――芸術の公共性とアメリカ文化政策の変遷』(剄草書房、2008 年)。
8 以 下 を 参 照。Claire Bishop: “The Social Turn: Collaboration and Its Discontents”, in:
Artforum 2006 (2), pp. 179-185.
− 24 −
吉田キャンパスの駐輪状況について
教育学部 葛 崎偉
1.はじめに
学生の駐輪マナーはいつも話題になっている.筆者が教学委員会委員をしていた平成 21 年度と平成
22 年度の教学委員会においても,学生の無秩序な駐輪や無施錠駐輪などの問題で何度も議題として取
り上げられていた.なぜこのような問題が起きているか,そして最近の吉田キャンパスの駐輪状況はど
うなっているか,ここで見てみることにしたい.
2.駐輪スペースと学生の駐輪マナーについて
ここ数年,吉田キャンパスでは,建物の改修工事が立て続けに行われていた.平成17年度と平成
18 年度は共通教育棟の耐震改修工事が行われ,平成 20 年度は経済学部研究棟の改修工事が行われ,ま
た平成 21 年度と 22 年度は教育学部研究棟の改修工事が行われた.
これらの改修工事が行われていた最中は,道路をはるかにはみだして駐輪したり,道路上で駐輪した
りして,違法駐輪が目立っていた.特に,教育学部研究棟の改修工事が行われていたとき,建物の周辺,
特に経済学部と教育学部の間の道路では車や人の通行が困難になるぐらい,ひどい状況だった.教員や
事務員がロープを張ったり,違法駐輪した学生に注意したりしても,一向に改善できなかった.
このような違法駐輪状況は明らかに駐輪スペースの不足によって生じたものである.しかし,駐輪ス
ペースが充足した今でも,違法駐輪をしない意識を持たない学生が少なくない.
3.駐輪環境の整備と学生の駐輪マナーについて
改修工事と共に,共通教育本館と共通教育棟の間に駐輪場が新設されるなど,駐輪環境が改善された.
今になって,駐輪スペースが不足することはもはやないといえる.しかし,学生の駐輪マナーは相変わ
らず良くなく,違法駐輪の自転車はまだ多く見られる.それはなぜだろうか.
かつては,ほとんどの駐輪場は屋根付きだった.共通教育棟周辺の駐輪場は平成 17 年度と 18 年度の共
通教育棟の改修工事で,屋根なし駐輪場へと整備された.これによって,駐輪場はごみが少なくきれい
になり,景観もよくなった.しかし,果たしこのような駐輪場の整備は駐輪する学生にとって十分であ
るかどうか,考える必要がある.
駐輪する学生はやはり,雨のときはレインコートを脱ぐ場所がほしくなり,真夏のときは日陰のとこ
ろで駐輪したくなる.屋根付き駐輪場なら,これらの要望を満たせると思われる.屋根付き駐輪場があ
れば,学生は道路上で駐輪するよりも,屋根付き駐輪場で駐輪することになるのではないかと考えられ
る.
4.現在の駐輪状況について
現在の駐輪状況を確認するために,2011 年 11 月 11 日の午前中に共通教育棟周辺と教育学部周辺の
写真を撮ってみた.
図 1 と図 2 はそれぞれ共通教育棟駐輪場(南)と共通教育棟の前で撮った写真である.図 1 のように
駐輪スペースがあるにも関わらず,図 2 で見られるような違法駐輪の自転車の台数が少なくなかった.
これは明らかに教室に近いから駐輪しており,大学の駐輪ルールを無視した違法駐輪行為である.
図 3 と図 4 は教育学部の屋根付き駐輪場と教育学部 11 番教室東通路(経済学部との間の道路)で撮っ
た写真である.図 3 で見られるように,教育学部の屋根付き駐輪場には空きスペースのないぐらい自転
− 25 −
図2 共通教育棟の前
図1 共通教育棟駐輪場(南) 図3 教育学部の屋根付き駐輪場
図4 教育学部 11 番教室東通路
車が並んでいる.また,改修工事の時に通行が困難になっていた道路では,図 4 のように違法駐輪の自
転車が1台もなかった.これはやはり屋根つき駐輪場の効果かと思われる.
4.おわりに
学生の違法駐輪はどの大学においても悩ましく,容易に解決する問題ではない.(1) 違法駐輪した学
生に対する徹底的指導を行い,それを繰り返し行った学生にはキャンパス内での自転車の乗り入れを禁
止する措置も考える.(2) それと同時に,屋根付き駐輪場を増やすようにして,学生にやさしい駐輪環
境をさらに整備する.このようにしていけば,学生の駐輪マナーを向上させることが可能ではないかと
思う.
− 26 −
台湾の有機農業・ハイエンド農業について
経済学部 陳
禮俊
2010 年 10 月 20 日から 24 日までの5日間、名古屋国際会議場で開催された「生物多様性条約第 10
回締約国会議(COP10)」は、世界 193 ヵ国から 8,000 人近い各国の政府代表団や国会議員、自治体関係
者、企業関係者、国連機関や国際機関の代表者、研究者など大学関係者、市民社会組織(環境 NGO など)
関係者が参加した。
ところで、「生物多様性」とは何だろう?例えば、針葉樹だけでない様々な種類の広葉樹が植えられ
た豊かな森がある。そこには様々な種類の動物や鳥や昆虫、植物やキノコが生息している。雨が降れば、
その肥沃な森の腐植土を通った水が川から海に流れて微生物の栄養となり、それが魚たちの餌になり、
海の多様な生物を養う。また、農薬や化学肥料を使わない有機栽培の田んぼでは、多種多様な生き物が
繁殖して小さな生態系を形成する。これが「田んぼの生物多様性」である。
有機農業は豊かな生態系を維持・提供し、生物多様性を守る環境に優しい農業でもあると言われてい
る。また有機農業とは、高付加価値の農産物の栽培方法や生産システムを指すのではなく、地域の自然・
人間・文化の3つの側面からなる環境を関係価値により維持、創造し成り立つものと考えている。
台湾の有機農業の展開
蔦谷(2000)の纏めによると、台湾では 1960 年代から農業の生産性・効率性の向上が追求され,農
薬・化学肥料が大量に使用されるようになり,その弊害が顕在化するようになった。このため 70 年代
半ばから持続型農業についての技術研究が開始されたが,有機農業への本格的取組みは 1995 年以降の
農業改良場によるモデル農家を中心とした指導・推進に始まる。しかしながら,有機食品等は価格が高
く,一部の消費者が需要するにとどまっている(1)。
台湾は有機農業の発展に伴い、1997 年5月 17 日に非営利社会団体である「中華有機農業協会」は法
律に基づき成立された。その目的としては、有機農業の業者と消費者を結びつけ、有機商品をともに推
薦し、品質管制認証制度を確立し、有機商品の品質を保証し、消費者の権益を守ることである。また行
政側では、有機農業は行政院農業委員会と台湾省農林庁に支持され、1989 年から有機農業の試験研究
を始めた。
日常生活の面では台湾は、宗教(仏教)の関係で、素食(ベジタリアン)文化が根付いているので、
多くの人々はベジタリアンである。街中にも素食の専門店が多く、普通のレストランにも、素食メニュー
があるが、宗教が理由でベジタリアンをしている場合、一般の冷凍食品やレトルト食品などと同様に、
健康を考えて作られているわけではない。それでも最近は、健康にも気を使う人が増え、有機商品、オー
ガニック食品も増えてきている。
その成功事例は、1997 年に仏教界の日常法師が開設した「慈心有機農業発展基金会;以下、基金会」
を開設し、信者と共に有機農業の理念の普及に当たった。当初は経験が乏しかったため、生産した農産
物は品質が悪く、一般の流通ルートに乗せることはできず、基金会の関係者が購入するしかなかった。
このため 1998 年に、基金会が会社を立ち上げた。この会社が取り扱う有機商品は次第に人気商品となっ
ていった。10 坪足らずの小さな店から、2010 年には 70 の直営店を持つまでに拡大した台湾最大の有機・
健康食品チェーン店にまで成長し、従業員は 500 人、年間売上高は 10 億台湾元(約 27 億円、2011 年
2月現在1台湾ドル= 2.7 円)を超える。
台湾では、一般のスーパーマーケットの有機農産物は輸入品が多く価格は高かった。これに対して、
基金会の会社は台湾の生産者と生産契約を結んで価格を低く抑えた。基金会の会社は消費者を対象とす
る販売ルートだが、実は消費者の立場ではなく、生産者の立場から販売する商品の種類と内容を決定す
− 27 −
るのが特色である。例えば、2002 年に米が生産過剰となり、大量の在庫が発生した。この状況を知っ
た基金会の会社は、生産者と一緒に有機米の販売促進方法を考えた。こうした商品は、当初の予測を上
回るヒット商品となった(2)。
また、有機農法を選ぶとき、在来種の保存とその価値を生み出すことに重点を置く農家もある。例え
ば、風味豊かであるものの、小ぶりで、最近の消費者には甘味が足りない在来種のグアバがある。この
グアバは果物市場ではそれほど人気はないが、素敵なデザートを作るのに大切な材料であることが発見
された。
産業政策の変化とハイエンド農業 一方、2008 年の世界金融危機を契機に、台湾では政府や産業界は経済政策の転換、グローバル戦略
の再構築などの対策に迫られている。2009 年に行政院が打ち出した新産業育成政策では、これまでの
半導体、液晶パネル、石油化学、鉄鋼などの輸出製造志向の産業に過度に集中した反省から内外需を両
にらみできるバイオテクノロジー(生物科技)、ハイエンド農業(精緻農業)、グリーンエネルギー(綠
色能源)、医療介護(醫療照護)、観光旅行(觀光旅遊)および文化創造産業(文化創意)を含む「六大
新興産業」を重点的に育成して産業を分散させ、産業の付加価値を高めていくことを狙っている(3)。
ハイエンド農業は「健康農業」、「卓越農業」および「ロハス農業」などの3つの主軸を掲げる(4)。
その具体的な政策方向は、遺伝子の精選および高効率で安全性の高い植物工場などの新技術の開発を行
う。また、農業の企業化、観光・文化の創意と結びつき、深化したリゾート農業などの新しい経営モデ
ルを推進する。そのほか、シルバー世代の飲食・リゾート・伝統的な祭日や旅行土産などの新しい市場
を開拓、発展させ、それにより健康的で卓越的、活気ある精緻な農業を発展させる。
この政策による政府の予算投入は、4年間で 242 億元(約 653 億円)を計上し、2012 年にハイエン
ド農業の生産高は 2007 年の農業生産高 1,822 億元(約 4,919 億円)に匹敵し、1,589 億元(約 4,290
億円)に達する見込みである。そのうち、健康農業は農業生産と栽培管理の両方を合わせて 760 億元(約
2,052 億円)に達し、卓越農業はバイオ、ラン、ハタ、観賞魚、種苗および種畜などを合わせて 443 億
元(約 1,196 億円)に達し、ロハス農業は 386 億元(約 1,042 億円)に達すると見込んでいる。また4
年間で約3万 1000 人の雇用機会を創出し、農業部門の活性化をもたらす経済効果などが見込まれてい
る。
有機農業・ハイエンド農業と環境問題
有機農業は、消費者に健康、かつ安全な商品を提供するだけではなく、生物多様性を守るなど、人間
の経済活動を営みながら、同時に自然環境の保護活動を実現できると言われている。また、世界各地で
は、環境保護運動は盛んになりつつあり、そして食品の安全性も重視しつつあることが、有機農業の更
なる発展を促し、有機農業の栽培面積も世界各地で拡大している傾向がみられている。しかしながら、
「廃
棄物肥料」と言われているように、畜産堆肥、遺伝子組換肥料、汚泥肥料、生ゴミなどは腐敗分解する
ため、畑に腐敗菌や病原菌を増やし、作物の生育を悪くするだけでなく、アンモニア、硝酸態窒素が多
く発現するため、窒素過多となり、病害虫の被害が多くなる。そのため、農産物は硝酸イオン濃度(糖
尿病・成人病の原因)が高くなり、危険な農産物となってしまうと指摘されている(5)(6)。例えば、台
湾では硝酸イオン濃度が 4,000ppm を越える野菜が身近で平気に流通していると調査報告があり、EU 諸
国は 2,000ppm 以下という硝酸イオン濃度の安全基準を設けているのに対して、台湾の有機農業の認識
は未だ途上にあると言わざるをえない(7)。
台湾の国内総生産に占める農業生産の割合は 1957 年の 27%から 2007 年の 1.45%にまで落ち込んで
いるが、この数値の変化は台湾農業が衰退の一途を辿ることを意味するではなく、新たな農業政策を転
換することによって、競争力を高めなければならないと認識されるべきである。この観点から、有機農
業およびハイエンド農業は、今後の台湾の産業政策の重点政策の一つであると信じて疑わない。ただし、
− 28 −
今後の課題は、上記の様々な環境問題を乗り越え、新たな産業政策のもとで、有機作物の苗生産技術、
有機栽培モデル化の害虫管理体系の確立、有機農業の総合経営技術及び有機農業の関連産業の構築など
が挙がられている。
環境問題や経済問題への解決策を模索しながら、健康志向の強い、安全性を求める消費者が生産者と
農地、あるいは地域をどのように結んでいく可能性があるのか。台湾の今後の動向を捉えたい。
参考文献
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学生実験室と pH 監視画面
− 29 −
Global warming, sea-level rise and the future
医学部 Hossain
Mahbub
Introduction
There is growing evidence that the temperature of the earth is increasing day by day;
the negative impacts of climate change induced by the global warming are also visible now.
In the USA, during the last July's blistering summer heat wave, all states set or tied
a daily high temperature record. In Japan, a warming trend of over 0.3oC/decade has been
observed even at non-urban areas, a value that is similar to an increase of ~ 0.3oC/decade
on the Northern Hemispheric land average for 1979–2005 (Fujibe 2009).
Global temperature and the greenhouse effect
In the past century, global surface temperature has risen by about 0.6oC; eleven of the
twelve years during 1995-2006 rank among the twelve warmest years globally (Intergovernmental
Panel on Climate Change/IPCC 2007). According to the scientists of National Oceanic and
Atmospheric Administration (NOAA), 2010 tied with 2005 as the warmest year since the global
surface temperature record began in 1880. The temperature between an ice age and warm period
between ice ages differs only by 5-6oC. Hence, very minor changes in the average global
temperature can have significant impacts on our environment!
Average temperature of the Earth supporting life on it is about +15oC. This temperature
is maintained by the greenhouse gases (water vapor, carbon dioxide/CO2, methane/CH4, nitrous
oxide/N2O etc) which act like a blanket around the Earth. These gases absorb the outgoing
infrared radiation from the Earth's surface and emit the radiation, and thereby, heat the
Earth. This is known as ‘Natural Greenhouse Effect'. Without greenhouse gases and their
natural effects, average temperature of the earth would have been about -18oC.
Since the pre-industrial era, the atmospheric concentrations of long-lived greenhouse
gases (CO2, CH4, N2O and halocarbons) have grown significantly. The additional warming of the
atmosphere and the Earth's surface is believed to be caused by the increased concentrations
of these greenhouse gases. IPCC (2007) reported that with over 90% probability, the recent
increases in global temperature are due to the increases in greenhouse gases driven by human
activities (‘Anthropogenic Greenhouse Effect').
Currently, CO2 is the major suspect (77% of the anthropogenic greenhouse gases) in
causing global warming mainly due to combustion of fossil fuel and to a lesser extent,
changes in land use (caused by deforestation, agriculture etc). The concentration of CO2
in the atmosphere has increased dramatically over the last century. The global atmospheric
concentration of CO2 was about 280 ppm during the pre-industrial times; it increased to 379
ppm in 2005 exceeding by far the natural range over the last 650,000 years (180 to 300 ppm)
as determined from ice cores (IPCC 2007). The current level of atmospheric CO2 is about 390
ppm (Friedlingstein 2010). As projected by the IPCC, if unchecked, atmospheric concentration
of CO2 will range from 650 to 970 ppm during the 21st century which is two to four times
the pre-industrial level. Doubling of CO2-level will cause an increase in mean global
temperature between 2.0 and 4.5oC (IPCC 2007).
− 30 −
Projections of future global warming
The IPCC in its last report (IPCC 2007) projected global average surface warming
and corresponding sea-level rise for the end of the 21st century (2090-2099) relative to
the average for 1980-1999 (Table 1) for six different greenhouse gas emission scenarios
(B1, A1T, B2, A1B, A2, and A1FI). The scenarios are based on the emissions that would be
consistent with a range of plausible future trajectories of population, economic growth and
technology change, without policies to specifically reduce emissions in order to address
climate change (Betts et al . 2011). Among the six scenarios, the B1 scenario represents the
lowest cumulative emissions ('Low Emissions Scenario') and the A1FI scenario, the highest
cumulative emissions ('High Emissions Scenario').
As projected by IPCC under lowest-highest emission scenarios, an increase in global
mean temperatures between 1.1oC and 6.4oC is likely by the end of the twenty-first century,
relative to 1980–1999 (or relative to pre-industrial value, between 1.6 oC and 6.9oC).
However, using simple climate-model projections including uncertainties in carbon-cycle
feedbacks and also comparing against other model projections from the IPCC, Betts et al . (2011)
estimated that the A1FI emissions scenario would lead to a warming of 4oC relative to preindustrial during the 2070s. An increase of more than 4oC in global average temperature may
also occur in the twenty-first century (Nicholls et al . 2011).
Table 1 Global average surface warming and sea-level rise by the end of 21st century as projected by the IPCC
Temperature change
Sea level rise
o
( C at 2090-2099 relative to 1980-1999)
(m at 2090-2099 relative to 1980-1999)
Best estimate
Likely range
Model-based range
excluding future rapid dynamical changes in ice flow
B1 scenario
1.8
1.1-2.9
2.4-6.4
A1T scenario
2.4
1.4-3.8
0.20-0.45
B2 scenario
2.4
1.4-3.8
0.20-0.43
A1B scenario
2.8
1.7-4.4
0.21-0.48
A2 scenario
3.4
2.0-5.4
0.23-0.51
A1FI scenario
4.0
2.4-6.4
0.26-0.59
Case
Potential effects of global warming
1) Increased atmospheric temperature: polar and mountain glacial ice melt and sealevel rise; 2) Higher incidence of extreme and unpredictable weather events: very hot and
dry weather, very cold weather; 3) Increase in rainfall intensity: due to greater humidity;
4) More natural hazards: increase in hurricane/cyclone intensity, larger storm tides,
drought (due to rapid evaporation of water from soil) and floods; 5) Change in agricultural
productivity: decline in productivity due to varying timing of the seasons, extended growing
seasons in colder places due to milder and more humid weather, spread of crop pests and
pathogens; 6) Disruption of ecosystem: vegetation stress, migration of animals; 7) Adverse
effects on human health: heat stress, spread of various infectious diseases due to migration
of disease vectors and microorganisms etc.
− 31 −
Sea-level and future projections
With warming of the atmosphere the surface layer of the ocean also warms and the volume
of water increases. This is known as thermal expansion of the ocean. Also, warming-induced
ice sheet melt and glacier melt (especially around Greenland) causes further increase in sea
water volume.
Global sea-levels have risen by 10 to 25 cm during the 20th century. According to the
IPCC (2007), sea-level rose worldwide at an average rate of 1.8 [1.3 to 2.3] mm per year
during the period 1961-2003. But, recent satellite data since 1993 show a faster rate, about
3.1 [2.4 to 3.8] mm per year. This implies that the rate of sea-level rise is accelerating.
Cazenave and Llovel (2010) reported that since the beginning of satellite measurements, sealevel has risen at 3.4 mm per year. In some regions (e.g. western Pacific), sea-level has
risen up to three times faster than the global mean since 1993 (Nicholls and Cazenave 2010).
However, sea-level rise is not uniform everywhere in the world.
In its report, the IPCC projected a global sea-level rise within a range of 18 cm to
59 cm by the end of the 21st century (2090-2099), depending on different greenhouse gas
emission scenarios (Table 1). However, this range has been criticized by climatologists
for being too conservative and not adequately reflecting the uncertainty (Dasgupta et al.
2007). The IPCC projections for future sea-level rise were based on thermal expansion
and melting of mountain glaciers and ice caps, and did not take into account all of the
possible contributions of Greenland and Antarctic ice sheets to greenhouse warming due to
uncertainties on it. Observations show that polar ice sheet mass has been declining at an
accelerated rate in recent years (Allison et al. 2009; Rignot et al. 2008; Velicogna 2009).
Rignot et al . (2011) found that acceleration in Greenland and Antarctic ice sheet loss is
3 times larger than for mountain glaciers and ice caps. As predicted, the melting of all
glaciers would raise the average sea-level by approximately 60 cm (Radic and Hock 2011),
whereas global warming in excess of 1.9 to 4.6oC relative to pre-industrial values, if
maintained for millennia, would result in virtually complete elimination of the Greenland
ice sheet and it would add approximately 7 m to the global sea-level (IPCC 2007).
Considering the dynamic effects of various ice-melt contributions to global sea-level
rise, several studies emphasized the potential of a faster sea-level rise than predicted by
the IPCC. A number of new studies predicted the possibility of future sea-level rise of 1 m
or more by this century (Lowe et al . 2009; Pfeffer et al . 2008; Rahmstorf 2007). Using the
semi-empirical approach (assuming that the rate of sea-level rise is roughly proportional to
the magnitude of warming above the temperatures of the pre–industrial age), Rahmstorf. (2007)
projected a sea-level rise of 0.5 to 1.4 ㎝ in 2100, above the 1990 level. Another study by
Vermeer and Rahmstorf, in contrast, yielded a central estimate of 124 cm by 2100 and 114 cm
by 2095.
Potential impacts of sea-level rise
While the potential impact of sea-level rise is an issue of global concern, it is
particularly alarming for the people living in the coastal areas, especially in small
island countries and low-elevation deltaic areas. These areas are vulnerable to saltwater
intrusion into freshwater aquifers, frequent storm-surge flooding, disruption of agricultural
− 32 −
production and ecosystem damage. The combination of extreme events (e.g . hurricane/cyclone,)
with sea-level rise will have a devastating impact on these small islands. Sea-level rise
would create millions of environmental refugees. Today, low-lying coastal zones below 10-m
elevation contain ∼ 10% of the world population (McGranahan et al. 2007). Most countries in
South, Southeast, and East Asia appear to be highly threatened because of the widespread
occurrence of densely populated deltas, often associated with large growing cities (Nicholls
and Cazenave 2010). Low islands such as the Maldives or Tuvalu face the real prospect of
submergence and complete abandonment during the 21st century (Nicholls et al. 2009). Some
African countries like Egypt and Mozambique also appears highly threatened by potential
impacts of sea-level rise. According to Nicholls and Leatherman (1995), a 1-m sea-level rise
would affect 6 million people in Egypt, with 12% to 15% of agricultural land lost and 13
million in Bangladesh, with 16% of national rice production lost. In Bangladesh, about 17%
of the total inhabitable land will be submerged by a sea-level rise of 1 m (Sarwar 2005).
For many developing countries, the impacts of sea-level-rise and its consequent
effects to the people and to the biodiversity could be catastrophic although the emissions
of greenhouse gases from these countries are still very low compared with the industrialized
countries.
Conclusions
Despite the fact that many scientists oppose IPCC's global warming theory and its
future predictions, vast majority of the scientific community is confident about recent
global warming and climate change due to human activities. The impacts of global warming
and sea-level rise on humans, animals, plants and the environment are enormous. A number of
international conferences and meetings have been held to address these issues; we have Kyoto
Protocol and Copenhagen Accord. But unfortunately, effective measures to address the impacts
of climate change are relatively rare. Largest contributors to greenhouse gas emissions like
China, USA, Russia, India, Japan, Germany, Canada and UK should make significant efforts to
fight global warming. If we don’t take immediate actions, the world may look like the movie
‘Waterworld’or‘The Day After Tomorrow’in future.
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− 34 −
自転車の交通事故実態からみる走行場所とルールマナーの改善策
-宇部市での調査と自転車レーンの可能性-
工学部 村上ひとみ
1.はじめに
山口大学が立地する山口市、宇部市はともに、人
口規模が 20 万弱であり、鉄道やバスなど公共交通機
関の利便性が低くなっている。2000 年国勢調査によ
る通勤・通学の交通手段をみると(図1)、宇部市では、
マイカー 66%、自転車が 17% を占め、鉄道・乗り合い
バスが極めて少ない。地域のショッピングセンター
や医療福祉施設、文化施設等は、郊外に広くスプロー
ルしており、駐車料金無料の所も多いため、一人一
台に近いクルマを保有して、通勤や家事に使用する
ライフスタイルが広まっている。
一方で、鉄道やバスの利用者が減り続け、公共交
図 1. 2000 年国勢調査による 15 歳以上人口の通勤・通
学交通手段(山口県各市)文献 1
通の経営は厳しさを増しており、便数を減らすなどの合理化策は、高齢者や学生の移動権に影響を与え
る。山口大学も地域社会の重要な構成員として、通勤手段や業務の遂行にあたり、できる限り、公共交
通の利用を勧め、持続可能な地域の公共交通を支えることが求められる。またマイカーに替えて自転車
等の利用も促進して、温暖化防止に役立つエコ通勤に務める責務があるといえる。エコ通勤の推進は、
学生への教育研究面からみても、良い効果が期待される。
筆者は近年、自転車利用促進との関わりで、自転車交通事故の分布と原因、自転車が通行しやすく歩
行者の安全につながる通行場所整備のあり方、自転車のルールマナー改善について研究を進めている。
また、「うべ交通まちづくり市民会議」という市民団体の立ち上げから運営に関わり、市民からみた道
路のあり方、交通改善方策を議論し、自転車で街歩きなどを実践している。本稿では研究成果を紹介する。
2.自転車交通事故の事故類型と発生場所
山口県の交通統計 2008(文献 2)より、県内主要市の自転車耐車両の交通事故件数と、交通事故全体
に対する自転車対車両事故の割合を図 2 に示す。宇部
市では年間およそ 1000 件の人身事故が起こっており、
その約 16%に自転車が関与している。自転車対車両の
事故件数は、県内で最も多い。その割合も、防府市に
ついで高くなっている。
宇部署管内について、自転車被害事故(2008 年 172 人、
2009 年 180 人)の事故類型と発生場所を、山口県警察
本部の集計により、図3に示す。事故類型では 60% ~
61% が出会い頭の事故であり、22% ~ 24% が右左折時の
事故となっており、発生場所も交差点が 61% ~ 69% と
図 2 山 口県内主な市における自転車対車両交通事故
件数と、交通事故全体に対する自転車対車両事
故の割合(交通統計 2008 年 12)より)文献 1
多数を占め、単路その他が 26% ~ 30% となっていることがわかる。
自転車事故の統計と道路条件との関連についての分析は吉田 3) に詳しく、また国総研による研究で
− 35 −
(b) 自転車被害事故、道路形状
(a) 自転車被害交通事故の事故類型
図 3 自転車被害交通事故の事故類型と発生場所(宇部署管内、2008 年 172 人、2009 年 180 人)
も、自転車事故は交差点でのリスクが最も高く、自転車
通行場所では逆走の車道右側通行、歩道では建物民地寄
りを自転車が通行する場合に、車両から見えにくく事故
に遭いやすい , リスクが高いことが明らかになっている
(文献 4)。 宇部署管内の交通人身事故 (2008 年 1,077 件 ) につい
て、自転車の関与件数と割合を図 4 に示す。自転車が第
二当事者というケースが 143 件、13%と多い一方、自転
車が第一当事者というケースが 22 件 2% を占めており、
殆ど損害賠償責任保険に加入していない自転車利用者に
とって、また相手方の被害者は歩行者のケースが多いと
(a)2008 年度宇部所管内交通人身事故 1077 件
図 4 宇部署管内交通人身事故における自転車
関与割合
思われるため、ことは重大である。
3.自転車交通事故の発生場所地理的分布
村上・他(文献 1)では、宇部市内住居表示ありの区域について、自転車が関与する交通事故(2008
年、106 件)を地理情報システム(ArcGIS)にプロットし、高等学校・大学・高等専門学校等の文教施
図 5 宇部市内の自転車1万トリップ当たり推定事故率の分布(文献 1)
− 36 −
設の自転車通学人数と、道路交通量調査による自転車通行台数を調査した。文教施設と交通量調査の観
測点から半径 500m のバッファ円を描き、その範囲内の自転車事故件数を数え、自転車トリップ数で割り、
事故発生率を推定した。結果を図 5 に示す。坂道の上にあり、歩道も車道も狭くて自転車通学に苦労す
る宇部高校や山口大学工学部の事故率は比較的小さく、車道も歩道も広く、通学の高校生が速度を上げ
て歩道を走る産業道路付近などで事故率が高い傾向がみられる。50m 道路の常盤通りがとおる宇部市役
所付近も自転車事故率が高い傾向が伺われるが、広い歩道も事故の危険があるのか、国道・県道の交通
量調査なので自転車台数が実際より少なくなったことが理由かもしれず、さらに検討を要する。
山口県の道路交通量調査により、宇部市内で最も自転車交
通量が多いのが、国道 490 号線沼交差点付近で、平日昼間
12 時間で 2,346 台、次いで、県道琴芝際波線の琴芝 1 丁目
付近で、平日昼間 12 時間で 1,419 台となっている。どちら
も通学の高校生や大学生が多く通行する要所になっており、
一方で、自転車通学の学生は、車道が危険であるという意識
から、好んで歩道を通行している。
宇部市の通称産業道路(市道神原町草江線、県道琴芝際波
線、市道小串通り鍋倉線、4.25km)について、全幅員が 16m
~ 19.8m 程度あり、内、車道幅員が 9.0 ~ 11.0m を有してい
ることから、車道左端の自転車レーン(自転車専用通行帯、
図 6 宇部日報記事(2010 年 11 月 10 日)より、
「13
日、産業道路で社会実験」
当然自転車が一方向に進む)を整備する実効性が高いと考え
られる。うべ交通まちづくり市民会議では、市民主体の社会実験として、2010 年 11 月に自転車により
車道通行または左側歩道を通行してみて、道路条件を評価し、整備方法を討議するワークショップを
実施した(図 6、写真 1 左・右)。自転車レーンの整備により、道路交通法に定めている原則のように、
自転車が軽車両として車道をきちんと通行するようになれば、歩道は本来の歩行者の空間として、高齢
者、子供たちや障害ある人たちの安全安心が高まる。
写真 1・2(左・右) 2010 年 11 月、宇部市産業道路での自転車通行の社会実験(うべこまち主催)
4.まとめ
自動車への過度な依存を軽減するため、自転車での通勤通学や買い物など日常利用が勧められている。
企業団体にはエコ通勤推進を呼びかけながら、自治体の道路整備やまちづくりにおいて、自転車がどこ
を通行すべきかの見直しが遅れている現状がある。宇部市や山口市など地方都市は人口減少・高齢化が
さらに進む時代に移行している。道路空間も車両のみが速く走ることを優先する考え方から、幹線道路
は車両中心の設計としても、生活道路については、公共交通、歩行者、自転車、マイカーという優先順
位により、空間の再配分も検討してほしいと切に願う次第である。
自転車レーンの整備を進め、それをきちんと活用していくためには、自転車にも軽車両を運転すると
− 37 −
いう責任と意識を持つことが重要である。交通ルールを守り、信頼され尊重される交通主体となること
が、事故を防ぎ、よりよい交通空間をつくる支えとなる。自転車利用者には、信号厳守、左側通行、夜
間点灯等のルール厳守をよびかけたい。
謝辞: 本研究を行うにあたり砂川卓弥氏(山口大学大学院博士前期課程(当時)、峠裕貴氏(山口大
学工学部(当時))の貢献を得た。うべ交通まちづくり市民会議の会員には、自転車走行社会実験等を
共同で実施し、多くの支援を頂いた。ここに記して謝意を表する。
参考文献
1) 村上ひとみ、砂川卓弥:自転車利用促進に向けた道路条件評価に関する研究-宇部市における交通
事故発生率の地理的分布-、地域安全学会論文集、No.13, pp.223-231, 2010.
2) 吉田伸一:自転車事故発生の傾向と特徴~傷害と事故の発生~,自転車交通の計画とデザイン,地
域科学研究会,pp.83-93, 2009.
3) 松本幸司:自転車走行環境整備の現状と課題~自転車事故発生状況と交差点対策に着目して~,土
木計画学研究 ワンディセミナー,徳島大学,2009.
4) 村上ひとみ、峠裕貴、兼久威矩、高橋成次:交通まちづくり市民団体主導による自転車通行社会実
験の試み-山口県宇部市の事例-、第 43 回土木計画学研究発表会論文集、2011.05.
廃液処理施設見学会後の集合写真
− 38 −
水処理技術である高温メタン発酵
農学部 高坂 智之
水資源は我々の生活や経済活動を支える上で重要であり、この水資源を有効利用する為には一度使用
した水や有効に使われていない水を利用出来る状態に処理する技術が必要です。この技術を水処理技術
と言いますが、この技術に生物的な処理方法で水に含まれる有機物及び無機物を分解除去する方法が含
まれます。この生物処理において、酸素を利用せずに有機物を除去する方法として利用されるのがメタ
ン発酵です。
メタン発酵は、酸素がほとんど存在しない条件で
微生物の作用によって有機物がメタン(CH4)と炭酸
ガス(CO2)にまで分解される反応の総称です。メタ
ン発酵を利用すると、水の中や物質にとけ込んでい
る有機物がメタンガスという形となり回収する事が
出来ます ( 図 1,2)。
嫌気的な処理方法であるメタン発酵が好気的な処
図 1. メタン発酵による水処理
理方法より優れている点として、プロセスの安定性、
処理により生産される生物性バイオマス量が少ない、
必要な設置スペースが小さい、大気中への揮発性汚
染物質の拡散量が少ない、そしてエネルギーが節約
出来る事等が挙げられます。その為、水処理による
環境負荷を軽減する事が期待される現代においては
好気的処理を嫌気的処理に置き換える動きが世界的
に進行しています。
メタン発酵では、中温 (35℃前後 ) と高温 (55℃
前後 ) の二つのプロセスが用いられています。これ
までは温度が低く安定的である中温のプロセスがほ
図 2. メタン発酵概要
とんど用いられて来ています。一方、高温メタン発
酵は現在の処理施設ではあまり用いられていませんが、処理能力が高くなる事や衛生的に中温より優れ
ている事から今後採用が期待されるプロセスです。
しかし、高温メタン発酵の問題点としてプロピオン酸などの低級脂肪酸の蓄積に伴い系が不安定にな
図 3. プロピオン酸酸化共生菌と水素資化性メタン生成菌
− 39 −
る事が挙げられます。プロピオン酸はメタンへと変換される炭素の 35%程度が経由する重要な中間代
謝物ですが、高温のプロセスにおいて蓄積しやすいのは、メタン発酵でのプロピオン酸分解の特殊さが
関係しています。メタン発酵においてプロピオン酸は、プロピオン酸を酸化するプロピオン酸酸化共生
菌が分解した際に生成する水素を水素資化性メタン生成菌が速やかに除去する場合に限り分解が促進す
る事が明らかとなっています ( 図 3)。これを我々は共生と呼び研究しています。
我々はこれまで、プロピオン酸酸化共生菌がプロピオン酸分解系の遺伝子を上手くコントロールする
事で、エネルギーの限られた環境での生育を可能にしている事や、共生菌が持つ遺伝子が生育環境に適
応して獲得されて来ている事を明らかにしてきました。つまり、メタン発酵でのプロピオン酸の分解は
共生的なプロピオン酸分解に特化した微生物により行われているのです。この事を踏まえますと、メタ
ン発酵槽でのプロピオン酸の蓄積を防ぐには、このような微生物がまず実際の環境にいるのかを知る事
が重要であると言えます。特に、高温メタン発酵では、反応速度が速いため、プロピオン酸を分解する
微生物よりもプロピオン酸を作り出す微生物の方が多くなる事が多いことから、メタン発酵槽内のプロ
ピオン酸の量を減らし高温メタン発酵を安定化させる為には、プロピオン酸を共生的に分解出来る微生
物を発酵槽内で如何に増やすかが重要であると言えます。
引き続き我々は、プロピオン酸酸化共生菌と水素資化性メタン生成菌がどのように共生するかについ
ての研究に取り組んでおりまして、この研究からも高温メタン発酵の安定化に関する知見が得られる事
を期待しています。このような研究を通して、水処理技術を向上させる事で我々の環境保全に関わって
行きたいと思っています。
PCB 処理のための運搬作業
− 40 −
新しい PRTR 法と薬品使用量
排水処理施設 藤原 勇
1.はじめに
平成 22 年度から PRTR 物質が変更になりました。旧物質以外に新たに新規物質が追加された物質、該
当しなくなった物質、旧第 2 種 PRTR 物質が新第 1 種の PRTR の物質となった変更点が上げられます。こ
の法律は化学物質がどこから入ってきて、どこに移動するかを調べるために設定されたもので、有害物
質の移動を監視しようとするために導入された法律です。今後も数年毎には見直されることになります。
大学では PRTR 物質は主に研究用の試薬が中心です。薬品の購入(入)であり、その後に使用した後は
廃液として排出(出)されます。それ以外の異動先として一部は大気、一部は下水へ放流となります。
第 1 種 PRTR 物質の種類は354から462に増えました。中には第 1 種 PRTR 物質から該当しなくなっ
た物質もありますが、新しく物質が追加された物が大半です。新しい PRTR 物質として n- ヘキサンがあ
ります。理科系の実験室で溶媒として使用している物質の一つです。また特に危険とされている特定第
1 種物質がこれまで12物質でしたが、新しく15物質になりました。大学は研究機関としての業種区
分ですが、これまでは医療業については業種に含まれていませんでした。しかし、これまで対象外であっ
た「医療業」が含まれる事になりました。
2.平成 22 年度調査の結果
平成 22 年度の薬品使用量の調査結果から、常盤地区(工学部)で n- ヘキサンの使用量が 1.7t とな
り小串地区(医学部、病院)でキシレンの使用量が 1.6t となり初めて申告しました。これは常盤地区
における n- ヘキサンの使用量が増えた事と使用者が漏らさず申告された結果だと考えられます。以前
から常盤地区では n- ヘキサンの廃液は多く排出されていま
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した。排水処理施設では、廃液中の n- ヘキサンの量を集計
今回キシレンの使用量は 1t を越えました。キシレンの購入
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して、増加傾向は把握していました。一方、小串地区では
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量と、廃液中の推定含有量を示したのが図 1 です。このグ
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ラフから近年確実に購入量と排出量が増加しており、間も
なく 1t を越える事は予想できた事がわかります。これまで
は PRTR 物質はキャンパス(地区)が飛び地であるため、一
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図 1. 小串地区キシレンの使用量の推移
(2011 年度は推定値)
つの地区では 1t を超えることは無いだろうと思っておりました。しかし、このたび新しく PRTR 物質に
指定された n- ヘキサンは使用量も増え、1t を越えて該当物質となりました。使用量の多い薬品は益々、
使用量の正確な把握が必要となってきております。
3.薬品管理システム(TULIP)の新 PRTR 対応
薬品管理システム(TULIP)のデーターが北大の川上貴教先生により 2011 年 12 月から新 PRTR 物質に
対応となりました。TULIP を使用される方は、一度新 PRTR 物質の確認してみてください。
今後とも薬品調査にはご協力頂きますようよろしくお願いします。
− 41 −
その後の廃液中の水銀分析結果
排水処理施設 藤原 勇
1.はじめに
山口大学では、約 17 年前に無機系廃液のプラントが凝集沈殿法からフェライト処理に時に、廃液容
器中の水銀濃度(以後、総水銀濃度を示す)を測定した。その結果、水銀廃液以外の廃液ポリタンクか
ら水銀濃度が検出された事については以前に報告した 1)-3)。その後の水銀分析結果をまとめてみた。周
知の通りフェライト処理法において、水銀の混入は処理行程で水銀が蒸気になるために避けなければな
らない。山口大学では無機廃液として毎年約 500-600 個の容器が持ち込まれる。その容器毎に水銀濃度
を分析している。その結果から水銀濃度が 30ppb 以上の廃液は他の廃液区分であっても水銀除去処理を
行っている。
2.廃液金属濃度の現状と処理
排出者は含有物質の濃度を廃液カードに記載しているが、正確な濃度かどうかは怪しい。しかし、廃
液処理作業では記載事項の物質濃度と廃液の状態を見て(臭いで有機物の濃度を判定)1 バッチの廃液
処理量を決める。廃液の金属濃度は、測定値と申告値とは一致しない事が多い。水銀の濃度も同様である。
たぶん個々の学生が多様な廃液を同じ容器に入れて出す結果と推測できる。例えば、廃液中の金属イオ
ンは、酸性の廃液とアルカリ性の廃液の両方が混入した結果、廃液中の pH が中性からアルカリ性になっ
た場合は金属は加水分解され水酸化物沈殿となる。これが金属イオン濃度減少の原因の一つとなる。廃
液処理では、原廃水の有害物質(重金属:Cr,Cd 等)濃度の大凡の値は必要である。もちろん正確な水
銀の濃度は必要である。それ以外に有機物の量およびフッ素とリンの濃度である。いずれもフェライト
生成を妨害するので 4)、混入の疑いが有る廃液は避けて処理を行っている。実際の廃液は BOD、COD 値
が 10,000ppm を超えている物もある。これらの廃液は最初から分別して本学のプラントでは処理せず、
外部処理に回している。
3.廃液の水銀分析 廃液中の水銀分析は、公定法 5)(冷気還元原子化分析法)に準じて、(1) 前処理、(2) 還元気化原子
吸光分析装置(日本インスツルメント RA-2)を用いて測定を行う。
廃液の成分はどれも全く同じではないため容器毎の水銀濃度の
測定を行っている。簡単に測定可能な水銀検知管による分析を
過去に行った事があるが、廃液自身に着色があり比色による水
銀濃度の判定が困難であったため、廃液には使用出来なかった。
公定法(図1)の前処理行程としてまず有機物の分解を行う。
೨
ಣ
ℂ
有機物の濃度が高い廃液は過マンガン酸イオンを多量に消費す
಄ළ
る。未分解の有機物は正の誤差を生むため、有機物の含有量の
多い試料は、サンプル量の削減と過マンガン酸の添加量を増や
して分解を徹底的に行った後に測定を行う。水銀分析において
有機物以外の妨害物質としてヨウ化物の影響が知られている 6)。
廃液に水銀が存在しているにも関わらず水銀濃度が検出されな
くなる点は、廃液処理において十分気をつけなければならない。
− 42 −
⹜ᢱ (Hg < 0.002mg)
ㆶర䊐䊤䉴䉮
H2O,
200ml,
H2SO4 10ml
HNO3 5ml
KMnO4 (5%) 20ml
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KMnO4 (5%)
(15ಽ㑆ᜬ⛯䋩-----------K2S2O8 (5%) 10ml
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250 ml
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NH2OH HCl(10%) 8ml
H2O
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SnCl2 (10%) 10ml
ㅢ᳇ (1L / min)
ේሶๆశಽᨆ䋨ኒ㐽ᓴⅣ䇮⸃ᴺㅍ᳇䋩
図 1. 水銀分析の公定法のフロー図
ヨウ化物等の干渉については各種ヨウ化物化学種(KI, KIO3, KIO4,
6)
I2 )の共存について詳細に調べられている . 図2に示す様にヨウ素
ている。従って、廃液中にヨウ素化合物を含む廃液は、水銀が検出さ
れにくい。これらの試料の正確な測定法として、アルカリ還元法と水
*I࿁෼₸㧔㧑㧕
はどの化学種も、添加量が増加するにつれて水銀の測定値が小さくなっ
素化ホウ素ナトリウム添加法が発見された。ヨウ素の存在により、水
2-
銀イオンはヨウ素と HgCl4 錯体を生成すると考えられている。酸性条
件下、塩化スズ(II) では水銀は還元されず原子化状態にならないため
に正確な水銀が測定できない。塩化スズ(II) の添加量について検討し
+
-+1
-+1
-+
Hg: 0.5µg
+ߣߒߡߩᷝട㊂
OI
図 2. 水銀分析におけるヨウ素の影響
た結果、添加量の増加だけではヨウ素の影響は防げなかった。しかし、アルカリの添加によりスズの還
2-
元力が増加し、HgCl4 錯体からの水銀の還元が可能となる事が発見され、測定が可能となった。もう
一つは、還元力の強い水素化ホウ素ナトリウムが水銀の還元に使える事である。どちらの方法も強い還
元剤によって水銀の原子化を可能にしている。更に、この強い還元力は試料の前処理にも効果的である
事が示された。即ち、公定法による酸性条件下による酸と酸化剤を用いる有機物の分解を簡略できる程
強い還元力を示す。このためアルカリ法では水銀分析を前処理無しで行う事が可能である。この事実か
ら有機水銀の分析においても有効な手法であることが証明されている 6)。
4.水銀分析の結果
本学の無機系廃液処理はフェライト処理法より以前では凝集沈殿法により無機廃液処理が行われてい
た。凝集沈殿法は、水銀廃液は重金属廃液と同時に行われたため、水銀廃液以外の廃液中の水銀濃度を
特に意識していなかった。しかし、初めてフェライト法による処理を行うに前に、無機廃液容器中の水
銀濃度を測定した。水銀廃液以外の廃液容器の水銀濃度を測定したところ、約半分の廃液から 0.03ppm
以上、最高は 35ppm の水銀濃度が検出された 1)。水銀廃液以外にこれほど水銀が含まれている事実に大
学関係者も驚いた。今思えば、廃液中に少量の水銀が含まれていても凝集沈殿法は処理出は可能であっ
た。凝集沈殿法による廃液処理では処理水の水質が排水基準を超えた事実は無かった。フェライト処理
が始まった後は、無機廃液を容器毎に水銀の測定を行い、排出者に水銀濃度の測定値を報告することと
した。その結果、以降は水銀含有の廃液の数は減少した(図3)。聞くところによると水銀混入の主な
原因は、(1) 歴代研究室に眠っていた内容物不明の古い廃
液を重金属廃液として出した。(2) 水銀温度計、マノメー
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ターが割れた時の廃液を容器に入れてしまった。(3) 水銀
㻡㻜
入した可能性のある廃液と推測できる。またこの後、ある
学生実験が水銀を使用しない実験の内容に変更となった話
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違反率 / %
廃液の容器と間違えて入れた、である。いずれも水銀が混
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を聞いた。水銀廃液の管理に責任が持てない理由だと思わ
㻟㻜
れる。その後、学内では廃液に関する意識が高くなり廃液
図 3. 年経緯違反率
の分別についても約 20 年前に比べて格段によくなった。ま
た研究者の世代交代や部局の建物の改修に伴い研究室の中
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てきた。逆に、水銀分析の結果から「水銀を使用していな
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いのに水銀が検出されている。水銀の混入を研究室で検討
したが納得がいかない」と若い先生から切実な質問を受け
た事もあった。そこで「全ての金属化合物には微量ながら
水銀が含まれている。水銀分析の感度が良いので測定値を
報告しているが、この測定値は通常であり問題の無い値で
− 43 −
違反率
が整備・整頓されたこともあり、不明薬品・不明廃液も減っ
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図 4. 廃液別の違反率
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ある」と答えた。廃液に対して前向きに取り組んでいる
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先生のお手本である。さらに最近では学生実験において
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実験を始める前に薬品の取扱方等のガイダンスが充実し
らに薬品管理に対する意識は格段に良くなっている。水
違反率
ており、その効果もあって水銀を含め酸・アルカリ、さ
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銀廃液は水銀を使用している研究室は小数であり、そこ
㪇㪅㪇㪌
から1年に数個廃液が出るまで減少している。最近の違
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反率を廃液別(図4)および部局別(図5)に示した。
කቇㇱ ᢎ⢒ቇㇱ ౒ㅢᢎ⢒ Ꮏቇㇱ
ㄘቇㇱ ឃ᳓ಣℂ
∛㒮
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図 5. 部局別の違反率
違反率がいずれも小さいことがわかる。廃液の搬出に関
しても、以前は分別不明の廃液を混合した後にどのようにしたらよいか聞いてくる事が多かった。しか
し、今では廃液を出す前に廃液の区分および容器について質問を受けるので適切に対応でき、廃液の分
類の間違いも減少している。
5.おわりに
年々廃液を出される研究室の廃液を出すマナーが良くなっております。しかし、めったに廃液を出さ
ない研究室、今まで廃液を出したことの無い研究室からの廃液は、注意して水銀分析を行います。現在
は、水銀を扱う研究室は減っていますので水銀廃液の数はわずかです。一方で、無機廃液なのに有機物
が多い、また有機溶媒の臭いが強い、廃液が出てきます。これは本当に無機の廃液だろうか、と思える
廃液も有ります。廃液の分別の仕方、廃液の分析の難しさについて、いつも考えさせられています。
6.参考文献
1) 山口大学環境保全第 10 号,p.6,1994 年 12 月 .
2) 山口大学環境保全第 11 号,p.18, p.4,1995 年 12 月 .
3) 山口大学環境保全第 12 号,p.38,1996 年 12 月
4) 廃液処理の手引き(2010),山口大学排水処理センター,2010 年 3 月 .
5) JIS K 0102
6) 分析計測部会研究成果集 第1巻: 公定原子吸光法による複雑組成廃水の水銀定量におけるヨ
ウ化物の干渉除去と改良法確立に関する研究,大学等廃棄物処理施設協議会,1989 年 7 月 .
− 44 −
3.排水処理施設報告
山口大学における排水処理状況報告(2010 年度)
排水処理施設 藤原
勇 ・ 山野 聖子
2 0 1 0 度 の 排 水 処 理 施 設 の 業 務 お よ び 関 連 す る 廃 液 回 収 量 、 処 理 量 、 無 機 系 廃 液 処 理 水 の
水質検査結果、学内の排水調査結果、2010 年度決算・2011 年度予算、実験系排水の pH 異
常記録、作業環境測定結果および薬品等使用量調査結果について以下まとめた。
1.無機系・有機系・写真廃液回収量
無機系廃液について吉田地区は 6 回、常盤・小串地区は 3 回回収を行った。回収日と
部局ごとの回収量を表 1-1A に、廃液の種類の内訳を表 1-1B に示した。
有機系廃液は、4回回収が行われ、産廃業者により処理を行った。回収日と部局ごと
の回収量を表 1-2A に、廃液の種類の内訳を表 1-2B に示した。有機系廃液は、第一類廃
液と第二類廃液に大別され、それぞれ特別管理産業廃棄物(特管)と一般産業廃棄物区
分として処理された。
写 真 廃 液 は 3 回 回 収 を 行 い 産 廃 業 者 に よ り 処 理 を 行 っ た ( 表 1 - 3 A , B )。
2.無機系廃液
回 収 さ れ た 無 機 系 廃 液 は 、2 0 1 0 年 6 月 1 4 日 - 1 9 日 と 2 0 1 0 年 1 2 月 6 日 - 1 1 日 の 2 回 、
無 機 系 廃 液 処 理 施 設 に お い て フ ェ ラ イ ト 処 理 が 行 わ れ 合 計 2,706 リ ッ ト ル を 処 理 し た
( 表 2 - 1 A )。 フ ェ ラ イ ト 法 で 処 理 困 難 な 廃 液( 2 , 5 2 2 リ ッ ト ル )は 学 外 処 理 を 行 っ た( 表
2 - 1 B )。 フ ェ ラ イ ト 処 理 後 の 水 質 調 査 結 果 を 表 2 - 2 に 示 す 。 処 理 水 は 水 質 検 査 結 果 の 確
認の後放流され、処理工程で発生したスラッジは倉庫に保管している。
3.排水の水質調査結果
6 月と 12 月に吉田地区、常盤地区及び小串地区の下水道排水口水質調査を行った(表
3 - 1 , 3 - 2 )。 ま た 、 吉 田 地 区 の 理 ・ 農 ・ 教 育 学 部 、 総 合 研 究 棟 、 共 通 教 育 棟 5 か 所 の 実
験 洗 浄 排 水 枡 の 水 質 も 同 時 に 調 査 し た ( 表 4 - 1 , 4 - 2 )。 地 方 自 治 体 の 下 水 道 管 理 課 に よ
る 水 質 検 査 結 果 を 表 5 に 示 す 。今 回 は 教 育 学 部 附 属 学 校 の 水 質 も 1 2 月 に 調 査 し た( 表 6 )。
4.排水処理運営費決算および予算
2010 年(平成 22 年)度の排水処理運営費決算を表7、2011 年(平成 23 年)予算を
表8示した。
5.実験系排水の pH 異常記録(2010 年度)
各地区の実験系排水の pH 異常回数の記録を整理し、建物毎、時間毎、pH 毎、曜日毎
について吉田地区 ( 図 2– 6)、常盤地区 ( 図 7 – 12)、小串地区 ( 図 13–18) に示した。
6.無機系廃液処理施設の作業環境測定結果
作業環境測定が 2010 年 12 月 7 日、2011 年 6 月 23 日に行われ、結果を表 9 - 18 に
まとめた。図 19 に無機系廃液処理施設単位作業場および測定点を示した。
7.新規登録ポリタンクおよび廃棄処分ポリタンク集計結果
新 規 登 録 ポ リ タ ン ク ( 表 1 9 )、ま た 廃 棄 処 分 ポ リ タ ン ク ( 表 2 0 ) の 集 計 結 果 を 示 し た 。
8.薬品等使用量調査結果
PRTR 関連、環境報告書関連の薬品調査を行った集計結果を表 21 – 29 に示した。ま
た薬品使用量の結果を図 20 - 27 にまとめた。
− 45 −
− 46 −
1.無機系・有機系・写真廃液回収量
2.無機系廃液
− 47 −
− 48 −
*
mg /l
℃
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
20
19
18
18
吉 田 地 区 常 盤 地 区1 常 盤 地 区 2 常 盤 地 区3
16:30
15:55
15:47
16:10
7.8
8.3
7.9
8.4
20.5
22.0
24.0
22.2
230
160
290
84
91
66
86
36
150
77
170
63
65
58
56
54
4.9
3.7
4.4
3.2
7.7
6
5.5
1.7
0.001 未満
0.001 未満
0.001 未満
0.001 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.005 未満
0.005 未満
0.005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.04 未満
0.04 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.005 未満
0.005 未満
0.005 未満
0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満
0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満
0.07
0.02 未満
0.05
0.02 未満
0.03
0.01 未満
0.01 未満
0.01 未満
0.11
0.1
0.13
0.22
0.1
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.02 未満
0.02 未満
0.02 未満
0.02 未満
0.1
0.11
0.10 未満
0.1 未満
0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.002
0.002 未満
0.002 未満
0.0002 未満
0.0002 未満 0.0002 未満
0.0002 未満
0.0004 未満
0.002
0.0004 未満
0.0004 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.004 未満
0.004 未満
0.004 未満
0.004 未満
0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満
0.0006 未満
0.0006 未満 0.0006 未満
0.0006 未満
0.0002 未満
0.0002 未満 0.0002 未満
0.0002 未満
0.003 未満
0.003 未満
0.003 未満
0.003 未満
0.0015 未満
0.0015 未満 0.0015 未満
0.0015 未満
0.01 未満
0.01 未満
0.01 未満
0.01 未満
0.001 未満
0.001 未満
0.001 未満
0.001 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.002 未満
21
25
21
22
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
「水質汚濁防止法」による基準値
アンモニア、亜硝酸性及び硝酸
性窒素
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
セレン
よう素消費量
ほう素
1,3-ジクロロプロペン
1,1,2-トリクロロエタン
1,1,1-トリクロロエタン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,1-ジクロロエチレン
1,2-ジクロロエタン
ジクロロメタン
四塩化炭素
テトラクロロエチレン
測定項目
時間
pH
水 温
BOD
COD
SS
窒素(T-N)
燐(T-P)
n-ヘキサン抽出物
カドミウム
シアン
有機燐
鉛
六価クロム
ひ素
水銀
アルキル水銀
フェノール
銅
亜鉛
溶解性鉄
溶解性マンガン
クロム
ふっ素
ポリ塩化ビフェニル
トリクロロエチレン
表3-1 下水道排水口水質結果No.1(2010年 6月 4日採水)
3.排水の水質調査結果
15
小串地区
16:25
7.9
28.3
210
87
150
49
3.8
11.0
0.001 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.0005 未満
0.0005 未満
0.04
0.03
0.12
0.2
0.1 未満
0.02 未満
0.10 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0002 未満
0.0004 未満
0.002 未満
0.004 未満
0.0005 未満
0.0006 未満
0.0002 未満
0.003 未満
0.0015 未満
0.01 未満
0.001 未満
0.002 未満
19
0.1 未満
100
5
3
2
10
10
2
8
0.003
0.3
0.1
0.2
0.02
0.04
0.2
0.4
3
0.06
0.02
0.06
0.03
0.2
0.1
0.1
220
10
検出されないこと
600
240
32
30
0.1
1
1
0.1
0.5
0.1
0.005
600
5~9
排出基準値
*
*
mg /l
℃
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
16
6.6
36
10
吉 田 地 区 常 盤 地 区1 常 盤 地 区 2 常 盤 地 区3
16:30
16:10
16:00
16:20
7.8
7.5
7.8
8.4
15.0
14.0
17.0
12.5
140
180
220
160
66
71
47
33
98
86
51
43
48
21
97
30
3.8
1.7
3.0
1.9
3.4
3
2.3
1.4
0.001 未満
0.001 未満
0.001 未満
0.001 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.005 未満
0.005 未満
0.005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.04 未満
0.04 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.005 未満
0.005 未満
0.005 未満
0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満
0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満
0.02
0.04
0.06
0.02 未満
0.03
0.01 未満
0.01 未満
0.01 未満
0.05
0.02
0.03
0.06
0.1
0.1 未満
0.2
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.02 未満
0.02 未満
0.02 未満
0.02 未満
0.14
0.13
0.11
0.1 未満
0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.270
0.002 未満
0.002 未満
0.0002 未満
0.0002 未満 0.0002 未満
0.0002 未満
0.0004 未満
0.0004 未満 0.0004 未満
0.0004 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.004 未満
0.004 未満
0.004 未満
0.004 未満
0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満
0.0006 未満
0.0006 未満 0.0006 未満
0.0006 未満
0.0002 未満
0.0002 未満 0.0002 未満
0.0002 未満
0.003 未満
0.003 未満
0.003 未満
0.003 未満
0.0015 未満
0.0015 未満 0.0015 未満
0.0015 未満
0.01 未満
0.01 未満
0.01 未満
0.01 未満
0.001 未満
0.001 未満
0.001 未満
0.001 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.002 未満
0.002 未満
15
8.9
15
10
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.1 未満
「水質汚濁防止法」による基準値
アンモニア、亜硝酸性及び硝酸
性窒素
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
セレン
よう素消費量
ほう素
1,3-ジクロロプロペン
1,1,2-トリクロロエタン
1,1,1-トリクロロエタン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,1-ジクロロエチレン
1,2-ジクロロエタン
ジクロロメタン
四塩化炭素
テトラクロロエチレン
測定項目
時間
pH
水 温
BOD
COD
SS
窒素(T-N)
燐(T-P)
n-ヘキサン抽出物
カドミウム
シアン
有機燐
鉛
六価クロム
ひ素
水銀
アルキル水銀
フェノール
銅
亜鉛
溶解性鉄
溶解性マンガン
クロム
ふっ素
ポリ塩化ビフェニル
トリクロロエチレン
表3-2 下水道排水口水質結果No.1(2010年12月10日採水)
8.8
小串地区
16:45
6.8
22.5
310
130
120
33
2.8
14.0
0.001 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.0005 未満
0.0005 未満
0.04
0.09
0.07
0.2
0.1 未満
0.02 未満
0.10
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0002 未満
0.0004 未満
0.002 未満
0.004 未満
0.0005 未満
0.0006 未満
0.0002 未満
0.003 未満
0.0015 未満
0.01 未満
0.001 未満
0.002 未満
10
0.1 未満
100
5
3
2
10
10
2
8
0.003
0.3
0.1
0.2
0.02
0.04
0.2
0.4
3
0.06
0.02
0.06
0.03
0.2
0.1
0.1
220
10
検出されないこと
600
240
32
30
0.1
1
1
0.1
0.5
0.1
0.005
600
5~9
排出基準値*
− 49 −
0.0002 未満
0.0004 未満
0.002 未満
0.004 未満
0.0005 未満
0.0006 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.1 未満
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
有機燐
鉛
六価クロム
ひ素
水銀
アルキル水銀
フェノール
銅
亜鉛
溶解性鉄
溶解性マンガン
クロム
ふっ素
ポリ塩化ビフェニル
トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
ジクロロメタン
四塩化炭素
1,2-ジクロロエタン
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタン
1,1,2-トリクロロエタン
1,3-ジクロロプロペン
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
セレン
ほう素
アンモニア、亜硝酸性及び硝酸性
窒素
*
0.002 未満
mg /l
シアン
0.6
「水質汚濁防止法」による基準値
0.1 未満
0.003
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.15
0.02 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.14
0.03
0.14
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.018
0.1 未満
0.1 未満
0.003
mg /l
mg /l
21.0
℃
水 温
カドミウム
6.9
n-ヘキサン抽出物
16:40
時間
共通教育センター
pH
測 定 項 目
1.1
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.13
0.02 未満
0.1 未満
0.3
1.10
0.01
0.02 未満
0.0005 未満
0.0005 未満
0.006
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.5 未満
19
7.1
16:20
教育学部
0.89
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.004
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.19
0.02 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.05
0.12
0.02 未満
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.5 未満
19.2
7.1
16:10
理学部
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
3.8
21.2
6.9
16:00
総合研究棟
0.14
0.02 未満
0.1 未満
0.4
0.13
0.01 未満
0.20
0.002 未満
0.002 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.003 未満
0.38
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
11
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満 0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満 0.0002 未満
0.0006 未満 0.0006 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満 0.0004 未満
0.0002 未満 0.0002 未満
0.006
0.0005 未満 0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.13
0.02 未満
0.1 未満
0.1
0.04
0.02
0.02 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.006
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.5 未満
21.0
6.9
15:50
農学部
表4-1 吉田地区 理科系各学部水質検査結果 No.1(2010年 6月 4日採水)
100
10
0.1
0.1
0.2
0.03
0.06
0.02
0.06
3
0.4
0.2
0.04
0.02
0.2
0.1
0.3
0.003
8
2
10
10
2
3
5
検出されないこと
0.005
0.1
0.5
0.1
1
1
0.1
30
5.8-8.6
排出基準値
*
*
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
mg /l
℃
1.4
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.11
0.02 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.06
0.03
0.02
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
1.1
15.6
7.0
16:15
共通教育センター
「水質汚濁防止法」による基準値
アンモニア、亜硝酸性及び硝酸性
窒素
ほう素
セレン
ベンゼン
チオベンカルブ
シマジン
チウラム
1,3-ジクロロプロペン
1,1,2-トリクロロエタン
1,1,1-トリクロロエタン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,1-ジクロロエチレン
1,2-ジクロロエタン
四塩化炭素
ジクロロメタン
テトラクロロエチレン
トリクロロエチレン
ポリ塩化ビフェニル
ふっ素
クロム
溶解性マンガン
溶解性鉄
亜鉛
銅
フェノール
アルキル水銀
水銀
ひ素
六価クロム
鉛
有機燐
シアン
カドミウム
n-ヘキサン抽出物
水 温
pH
時間
測 定 項 目
0.53
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.13
0.02 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.06
0.01
0.02 未満
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.5 未満
12.6
7.0
16:10
教育学部
0.98
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.24
0.02 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.02
0.01 未満
0.02 未満
0.0005 未満
0.0005
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.5 未満
14.0
6.9
16:05
理学部
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.5 未満
16.0
6.8
15:55
総合研究棟
0.10 未満
0.02 未満
0.1 未満
0.4
0.05
0.03
0.09
0.002 未満
0.002 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.003 未満
2.1
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.79
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満 0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満 0.0002 未満
0.0006 未満 0.0006 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満 0.0004 未満
0.0002 未満 0.0002 未満
0.014
0.0005 未満 0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.12
0.02 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.03
0.03
0.02 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
1.6
16.5
7.0
15:47
農学部
表4-2 吉田地区 理科系各学部水質検査結果 No.2(2010年12月10日採水)
100
10
0.1
0.1
0.2
0.03
0.06
0.02
0.06
3
0.4
0.2
0.04
0.02
0.2
0.1
0.3
0.003
8
2
10
10
2
3
5
検出されないこと
0.005
0.1
0.5
0.1
1
1
0.1
30
5.8-8.6
排出基準値
*
− 50 −
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表5 山口市下水道管理課による水質検査結果
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表6 山口附属学校水質検査結果表る水質検査結果
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図 1 山口大学教育学部附属学校の排水経路と排出口
− 51 −
4.排水処理施設管理運営決算および予算
表8 2010 年度(平成 22 年度) 排水処理施設管理運営費 決算書
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表9 2011 年度(平成 23 年度) 排水処理施設管理運営費 予算書
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5.実験系排水の pH 異常記録(2010)
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図3 場所毎の回数
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図6 曜日毎の回数
− 54 −
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b) 常盤地区
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図7 常盤地区 pH 計設置場所および実験排水の流れ
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月
図9 月毎の回数
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回数
㪍
回数
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図 10 時間毎の回数
㪈㪇
回数
㪌
㪇
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㪍
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図 11 pH 毎の回数
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pH
時刻
ᧁ
㊄
࿯
曜日
図 12 曜日毎の回数
− 55 −
㪈㪇 㪈㪈 㪈㪉
c) 小串地区
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図13 小串地区 pH 計設置場所および実験排水の流れ
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回数
回数
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月
場所
図 14 場所毎の回数
図 15 月毎の回数
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㻖
回数
回数
㪉㪇
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㪇
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㪌
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pH
時刻
図 17 pH 毎の回数
図 16 時間毎の回数
㻝㻜
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回数
㻢
㻠
㻞
㻜
᭶
ⅆ
Ỉ
ᮌ
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ᅵ
᪥
曜日
図 18 曜日毎の回数
− 56 −
㪏
㪐
㪈㪇
6.無機系廃液処理施設の作業環境測定結果
表 8 サンプリング日時 サンプリング日時
A測定
B 測定
備
2010 年 12 月 7 日
14 時 20 分 -17 時 00 分
14 時 28 分 -15 時 38 分
2011 年 6 月 23 日
14 時 00 分 -16 時 40 分
14 時 03 分 -15 時 13 分
考
1日測定
表 9 測定対象物質と測定方法
管理濃度
試料採取方法等 捕集器具名及び型式
クロム酸およびそ
特定化学物質等 0.050 ppm
の化合物
0.50 ppm
ガステックガス採取器
No17(ふっ化水素用)
(真空法ガス採取器 )
検知管
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特定化学物質等
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70 min, 210 L
3 L / min
ローボリュームエアー 原子吸光光度法(( 株)日 10 min, 250 L
サンプラー
立製作所 Z-2000)
25 L / min
ᠲ૞⋚
ふっ化水素
その他条件
0.20 ppm 吸引ろ過捕集法
ឃ䉧䉴ಣℂ䊡䊆䉾䊃
特定化学物質
等
ミゼットインピンジャ-・
吸光光度法
ミニポンプ MP- Σ 300 (日本分光(株)V-550)
液体捕集法
ೋᦼ䉐ᶧ䊏䉾䊃
マンガンおよびそ
の化合物
使用機器名及び型式
⣕᳓ಣℂ䊡䊆䉾䊃 䉐ᶧ䊏䉾䊃
測定対象物質
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図 19 無機系廃液処理施設単位作業上および測定点
− 57 −
5 min, 0.5 L
1)2010 年 12 月 7 日(株式会社 アサヒテクノリサーチによる測定)
表 10 温度、湿度、気流
温度
湿度
11.0 ℃
54 %
表 12 測定結果 [濃度:ppm]
気流
A測定
0.1 ~ 0.3 m/s
幾何平均値
幾何標準偏差
第1評価値
第2評価値
B 測定 (CB)
表 11 A測定地点
No. クロム *[ppm]
1
2
3
4
5
6
7
8
*
マンガン **[ppm] ふっ化水素 [ppm]
0.0050 未満
0.0050 未満
0.0050 未満
0.0050 未満
0.0050 未満
0.0050 未満
0.0050 未満
0.0050 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.050
0.050
0.050
0.050
0.050
0.050
0.050
0.050
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
クロム *
1日目
全体
マンガン **
1日目 全体
ふっ化水素
1日目
全体
0.0050 未満 0.0050 未満 0.020 未満 0.020 未満 0.05 未満 0.05 未満
1.00
1.95
0.015 未満
0.0062 未満
0.005 未満
1.00
1.95
0.060 未満
0.025 未満
0.020 未満
1.00
1.95
0.15 未満
0.062 未満
0.050 未満
表13 評価結果
クロム酸およびその化合物,** マンガンおよびその化合物
クロム *
マンガン **
ふっ化水素
A 測定の結果
B 測定の結果
EA 1< E
CB < E
EA 1< E
CB < E
EA 1< E
CB < E
管理区分
第1
第1
第1
EA 1:第1評価値 EA 2:第2評価値 CB:B 測定の濃度
2)2011 年 6 月 23 日(株式会社 アサヒテクノリサーチによる測定)
表 16 測定結果 [濃度:ppm]
表 14 温度、湿度、気流
A測定
温度
湿度
気流
29.6 ℃
67 %
0.1 ~ 0.3 m/s
*
クロム **[ppm]
1
2
3
4
5
6
7
8
0.0050 未満
0.0050 未満
0.0050 未満
0.0050 未満
0.0050 未満
0.0050 未満
0.0050 未満
0.0050 未満
マンガン **[ppm] ふっ化水素 [ppm]
0.020 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.020 未満
0.050
0.050
0.050
0.050
0.050
0.050
0.050
0.050
マンガン **
1日目 全体
ふっ化水素
1日目
全体
幾何平均値 0.0050 未満 0.0050 未満 0.020 未満 0.020 未満 0.05 未満 0.05 未満
幾何標準偏差 1.00
1.95
1.00
1.95
1.00
1.95
第1評価値
0.015 未満
0.60 未満
1.5 未満 第2評価値
0.0062 未満
0.25 未満
0.62 未満 B 測定 (CB)
0.005 未満
0.20 未満
0.50 未満 表 15 A測定地点
No.
クロム *
1日目
全体
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
表 17 評価結果
**
クロム酸およびその化合物, マンガンおよびその化合物
クロム *
マンガン **
ふっ化水素
A 測定の結果
B 測定の結果
EA 1< E
CB < E
EA 1< E
CB < E
EA 1< E
CB < E
管理区分
第1
第1
第1
EA 1:第1評価値 EA 2:第2評価値 CB:B 測定の濃度
7.新規登録及び廃棄処分ポリタンク集計結果
(単位:個)
表 18 無機系廃液回収用ポリタンク廃棄処分集計表
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ੱᢥቇㇱ ᢎ⢒ቇㇱ ⚻ᷣቇㇱ
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㪉㪏㪋
(単位:個)
表 19 無機系廃液回収用ポリタンク新規登録集計表
ቇㇱ
⒳㘃
㊀䇭㊄䇭ዻ
᳓䇭䇭㌁
䉲䇭䉝䇭䊮
䈸䈦⚛䊶䉍䉖
䈸䈦⚛䊶䉍䉖䊶㊀㊄ዻ
․䇭ቯ䇭ᑄ䇭ᶧ
⃻䇭௝䇭ᶧ
ቯ䇭⌕䇭ᶧ
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− 58 −
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8.薬品等使用量調査結果
表 20 第 1 種指定化学物質該当薬品のキャンパス毎集計 (単位:kg) H21 年度末
貯留量
地区名
H22 年度
購入量
H22 年度
使用量
H22 年度末
貯留量
吉田地区
1347.7
1199.8
850.6
1696.5
常盤地区
1082.3
2993.9
2999.0
1077.2
小串地区
473.1
1746.4
1751.3
468.3
合計
2903.1
5940.1
5601.0
3242.0
表 21 大学全体の使用量上位 10 物質 (単位:kg)
No.
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
化学物質名
n- ヘキサン
キシレン
ジクロロメタン
クロロホルム
ホルムアルデヒド
ドデシル硫酸ナトリウム
トルエン
アセトニトリル
ベンゼン
トリクロロエチレン
H21 年度末
貯留量
98.7
164.9
52.3
376.6
99.0
505.3
122.7
159.0
63.1
19.8
H22 年度
購入量
1975.6
1637.5
H22 年度
使用量
1961.7
1631.0
H22 年度末
貯留量
112.6
171.5
858.5
506.8
92.3
501.2
99.4
89.5
65.7
20.6
824.0
594.5
86.8
86.0
288.6
84.3
904.9
133.8
162.5
72.8
27.3
56.0
13.1
106.9
101.6
88.2
表 22 吉田地区の使用量上位 5 物質 (単位:kg)
No.
化学物質名
1
クロロホルム
2
n- ヘキサン
3
ドデシル硫酸ナトリウム
4
5
H21 年度末
貯留量
H22 年度
購入量
H22 年度
使用量
H22 年度末
貯留量
278.9
184.1
268.8
193.8
68.8
242.6
247.2
64.2
502.7
500.7
100.9
902.6
ジクロロメタン
27.7
95.5
65.0
58.2
ベンゼン
36.7
31.0
33.6
34.1
表 23 常盤地区の使用量上位 5 物質 (単位:kg)
No.
1
2
3
4
5
化学物質名
n- ヘキサン
ジクロロメタン
クロロホルム
トルエン
ベンゼン
H21 年度末
貯留量
29.9
22.1
30.0
44.8
15.1
H22 年度
購入量
1733.0
763.0
312.1
63.5
33.4
H22 年度
使用量
1714.5
759.0
317.9
68.1
35.4
H22 年度末
貯留量
48.4
26.1
24.2
40.2
13.1
表 24 小串地区の使用量上位 5 物質 (単位:kg)
No.
1
2
3
4
5
化学物質名
キシレン
ホルムアルデヒド
アセトニトリル
ホルムアルデヒド
クロロホルム
H21 年度末
貯留量
H22 年度
購入量
129.5
27.7
65.9
8.5
67.7
− 59 −
1613.5
87.6
5.5
16.5
10.6
H22 年度
使用量
1603.0
86.3
23.0
10.0
7.8
H22 年度末
貯留量
134.0
29.0
48.4
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図 24 大学全体の使用量上位 10 物質と(左)と廃液量上位 10 物質の比較(単位:kg)
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図 25 吉田地区の使用量上位 5 物質と(左)と廃液量上位 5 物質の比較(単位:kg)
− 60 −
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図 26 常盤地区の使用量上位 5 物質と(左)と廃液量上位 5 物質の比較(単位:kg)
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図 27 小串地区の使用量上位 5 物質と(左)と廃液量上位 5 物質の比較(単位:kg)
− 61 −
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表 25 特定化学物質集計結果 表 26 有機溶剤集計結果 㼄㻌㻃➠䠃㢦≁ᏽ໩Ꮥ∸㈹
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表 27 高圧ガス集計結果
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表 28 その他の物質の集計結果
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− 64 −
4.大学等環境安全協議会報告
排水処理施設 藤原 勇 第26回大学等環境安全協議会総会・研修会
大学等環境安全協議会実務者研修会
日 時 平成22年11月25日 9時~11時
場 所 横浜国立大学 大学会館 3階 ミーティングルーム
プロジェクト提案について、平成 22 年度以降の活動についての自由討議、その他
見学会 平成22年11月24日 JFE環境株式会社(横浜市鶴見区弁天町 3 番地 1)
第 26 回大学等環境安全協議会総会・研修会
開催日:平成22年11月25-26日
場 所:横浜国立大学 教育文化ホール
11月25日
挨拶 大学等環境安全協議会 会長 三浦 隆利
文部科学省文教施設企画部参事官付管理官 横浜国立大学 学長 鈴木 邦雄
大環境研修会 平成21年度事業報告、決算報告、監査報告、規約改正、技術賞・功労賞授賞式
平成22年度事業計画、予算案審議、技術賞、功労賞、協議会賞受賞式、次期役員紹介 技術賞受賞講演
「京都工芸繊維大学の環境管理業務に携わって」 京都工芸繊維大学 布施 泰朗
「功労賞を受賞して」 秋田大学
武藤 一
PFUエコラボラトリ(株) 遠藤 啓二
実務者連絡会企画プログラム パネルディスカッション
「大学等における作業環境管理(化学物質等)の現状と課題について」 パネリスト (社)日本作業環境測定協会専務理事 飛鳥 滋
筑波大学実験環境管理室技術専門職員 柏木 保人
熊本大学 青木 隆昌
茨城大学工学部技術部技術専門員 武田 誠,関根
守
司 会 茨城大学総務部労務課安全衛生係長 長谷川照晃
懇親会 横浜中華街
展示 各大学の環境報告書等
教育文化ホール(B1F 小集会室)
11月26日
特別講演 「安心・安全・持続性の科学と技術」 横浜国立大学 安心 ・ 安全の科学研究教育センター長 藤江 幸一
文部科学省検討会報告
「実験設備の整備等における安全衛生対策の留意点について
- 国立大学法人等の実験施設における安全衛生対策の推進 -」
大阪大学 安全衛生管理部副部長 山本 仁
− 65 −
プロジェクト成果報告
1.「教育機関で化学物質を取り扱う教職員の金属曝露量の測定」 島根大学 藤田 委由
2.「教育・研究機関の化学物質管理ネットワークの設立」 元京都大学 木下 知己
3.「大学実験室における環境安全教育の改善手法の提案」 東京大学 大島 義人
挨拶 大学等環境安全協議会 副会長 山田 悦
見学会 (A)海上保安庁 横浜防災基地
(B)JX 日鉱日石エネルギー ( 株 ) 根岸製油所
(C)公開セミナー「安全文化構築と安心の課題 -安心の心理と課題へのアプローチ-」
(教育文化ホール:安心 ・ 安全の科学研究教育センター共催)
大環境の総会の前日に実務者連絡会に見学会が企画され、当日の午前中に実務者の活動の自由討
議が企画された。研修会は横浜国大にて「安全衛生対策」、「安心・安全・持続性の科学と技術」、「大
学等における作業環境管理(化学物質等)の現状と課題について」についてのテーマでした。この
大環境では法人化後、安全、作業環境測定、化学物質管理、環境安全教育の話題が中心です。横浜
国大はユニークな「安心 ・ 安全の科学研究教育センター」が設置され、まさに環境安全、安全衛生
に関して、本格的に研究組織があるという点です。研修会に参加して横浜国大が「安心・安全」に
対して進んでいることが改めて実感できました。大学として組織的に安心・安全を全面に対して幅
広い観点から現在社会の危険からどうして安全を確保するかについての講演でした。また理科系の
研究室では関心のある「実験設備の整備等と安全衛生対策」の講演では、大学の実験室は、作業環
境や職場巡視との結果から安全性が不十分である。大学自体が本格的な労働安全について対策を始
めたのは法人化後であり、まだまだ日が浅く不十分な所が多い事を実感している。今後の大学の安
全衛生対策を所轄の文科省がどう進めていくかについての解説でした。今後益々、実験設備の整備
と安全衛生対策が進むことを願って研修会を後にした。
大学等環境安全協議会 実務者連絡会企画研修会
見学会
日時・場所 7月27日 関西電力黒部川電力記念館
7月28日 石崎産業株式会社環境事業本部(廃棄物処理施設及びエネルギーセンター)
第25回大学等環境安全協議会技術分科会
開催日:平成 23 年 7 月 28-29 日
場 所:富山県民共生センターサンフォルテ 2Fホール
7月28日(木)
挨拶 大学等環境安全協議会会長 藤田 委由
富山大学 学長 佐伯 浩
特別講演(1)
「技術者育成のための環境安全教育」 富山高等専門学校 副校長 丁子 哲治
東日本大震災関連緊急企画「災害時における各大学の対策等」
事例報告 「東北大学における東日本大震災の被害状況と安全管理への対応について」
東北大学環境保全センター 大井 秀一
「筑波大学における東日本大震災の被害状況と職場巡視の成果と課題」
− 66 −
筑波大学総務部環境安全管理課 岩原 正一
「茨城大学における東日本大震災の被害状況と災害対策」
茨城大学学務部学生生活課 長谷川照晃
特別講演「大学における災害対策について」
東京大学総合防災情報研究センター長 田中 総合討論(パネルディスカッション) 淳
司会 東京大学 大島 義人
特別講演(2)「カドミウム環境汚染とイタイイタイ病」 萩野病院 院長 青島 恵子
懇親会 7月29日(金) 特別講演(3) 「尖閣諸島魚釣島の野生化ヤギと国際生物多様性年」
富山大学大学院理工学研究部(理学) 横畑 泰志
実務者連絡会企画プログラム
事例報告 「PCB 廃棄物処理の現状について」 日本環境安全事業株式会社 事業企画課長 吉川 和身
大学での PCB 廃棄物の管理の状況の報告
北海道大学環境保全センター 江見清次郎
富山大学施設企画部施設企画グループ 杉浦 毅秀
山口大学総合科学実験センター排水処理施設 藤原 勇
挨拶 大学等環境安全協議会 副会長 山田 悦
見学会 清流会館(イタイイタイ病資料館・イタイイタイ病対策協議会本部)
分科会は富山大学で開催された。富山といえば自然の豊かな所であると同時に、タイイタイ病を
連想します。今回の研修会も期待に背かない研修題材であった。分科会に先立ち実務者連絡会では
て電源開発公社と産業廃棄物施設の見学会が企画され、富山の自然も満喫してきました。
今回は安全・安心を改めて考えさせられた “東日本大震災関連緊急企画「災害時における各大学
の対策等」”でした。地震の影響を直接受けた東北大学をはじめ、茨城大学、東京大学の被害と対応
について生々しい映像と資料が出され、今回の地震がいかに大規模だったことが感じられました。
実験室での災害対策も、物の配置、薬品類の置く位置、倒れない、滑り落ちない事。高圧ボンベの
固定の仕方も注意が必要です。また机と本棚の固定の仕方、部屋の位置(高層に行くほど大きく揺
れます)も考えさせられます。日頃の職場巡視で指摘を受けますが、まさか地震はないからと軽く
考えておりました。しかしこの地震の話を聞くと巡視で指摘された所はすぐに直して置くべきだと
思うようになりました。整理整頓は良く言われますが、これも大事です。東北大学ではこれほどの
地震があったのにも関わらず、火事が起こらなかった事は幸運であり、東北大学の日頃の安全対策
が行き渡っている成果だと思われます。大学が春休みに入っている時期に地震に遭遇したことで、
事態が軽かったのでしょうが、もし卒論の忙しい時やテスト期間で学生が密集したときに地震に遭
遇したらもっと事態は深刻であった、と聞くと背中がぞっとします。いずれにせよ災害が起きたと
きの対応、日頃からの安全の確保は心に止めておく物だと感じました。
見学会の清流会館では、イタイイタイ病の全貌が理解できました。単なる公害の現場だけでなく
原因の特定から地域をあげての公害裁判の経緯について考えさせられる物が多くありました。これ
は 3 月に起こった原発の放射線の被害と重なって写りました。何も関係ない人にある日突然被害が
やってくる。被害者は辛抱強く、問題解決に向けて進まなければいけないということ。カドミウム
で汚染された土壌の処理は深い位置に埋め、新しく汚染の無い土を表層に持ってくる方法(埋込客
土工法)により土地の再生が行われていました。これが原発で汚染された福島の場合に当てはまる
かどうかわかりませんが、汚染した物はどこにも持って行く所が無い現状を見てきました。
− 67 −
5.排水処理等安全管理委員会,山口大学環境保全編集委員会報告
排水処理施設 藤原 勇 山口大学環境保全第 26 号以降の排水処理等安全管理委員会および山口大学環境保全編集委員会の内
容は次の通りである。
1.排水処理等安全管理委員会
1.1 平成 23 年度第 1 回排水処理等安全管理委員会(平成 23 年 6 月 20 日開催)
(1)報告事項
1.平成 22 年度事業報告について
藤原施設長より資料に基づいて平成 22 年度の事業の説明があり承認された。
平成 22 年度の新規事業として 1) 平成 22 年 4 月から、山野技術職員が小串の遺伝子実験施
設の一部を借りて約 4 日 / 週常駐し、宇部地区へのサービスを強化する体制になった。2) 工学
部の pH 計の校正と維持管理を平成 22 年 10 月から山野技術職員が行う事となった。
通年の事業として 1) 無機系廃液の学内・外処理回数および処理量、処理の結果について
2) 下水道口および学部および附属小中学校の水質検査を行い、12 月の工学部の水質検査で、
ジクロロメタンが基準を超えた。その後すぐに再検査したところ排出基準以内であった。3)
WEB による薬品量調査の実施 4) 各地区での廃液の出方についておよび薬品調査の講習会、吉
田地区廃棄物貯蔵施設の利用説明会を行った。5)「環境と人間」の 1 コマを担当した。6) 共
通教育化学実験および化学実験 TA ガイダンスにおいて廃液の取扱方についての説明を行った。
また授業および研究室の見学説明会を行った。7) 環境保全第 26 号の発刊。8)平成 22 年度に
おいてメールマガジンを 12 号発行した。9)その他、廃液ポリタンクの配布及び処分について。
10)工学部の実験排水の流しの区分表示を行った。11)総合科学実験センター研究発表会に参
加(6,12 月)した。
2.平成 22 年度決算報告について
藤原施設長より、決算は総合科学実験センター運営委員会で承認された後に正式に認められ
ること。平成 22 年度は当初配分が前年度より約 15% 減少のため、修理費および廃液処理費が
不足となり、総合科学実験センターから約 30 万円補填した。
(2)協議事項
1.平成 23 年度事業計画について
新規事業として 1) 昨年度、実施しなかった現状と合わない規則については、順次改正する。
通年の業務は今まで通りとして、1) 薬品管理システム(TULIP)を充実させていく。2)平成
23 年度は小串地区の実験排の流しの区分表示のシール貼りを行う。について取り組む説明があ
り、承認された。
2.平成 23 年度予算案について
藤原施設長より、平成 23 年度の排水処理施設の予算は総合科学実験センター運営委員会で
承認後に正確に提示される。平成 23 年度は実験排水モニター施設と無機系廃液処理施設のタ
イマーリレーの更新をするために約 300 万円を計上した。その他については、平成 22 年度と
同じ予算規模であり、必要最小限の業務を行う予算案とした。予算は総合科学実験センター運
営委員会の承認後に運営委員の承認となった。
3.山口大学環境保全第 27 号の編集について
小崎分野長から、源田 ( 教育 )、細井(農)、中塚(工)、藤井(総合科学セ)、藤原(排水施設)
委員に編集の依頼があった。細井(農)を編集委員長として選んだ。藤原委員から総合科学実
験センター会議について環境保全の印刷物の作成が不必要との意見があったが、本委員会では
印刷不用の意見が出なかったので昨年と同様に印刷し冊子を作る事にした。
4.その他 吉田地区の廃棄物集積場の申し合わせについて、吉田地区の理科系運営協議会委員により承
認された。
2.山口大学環境保全第 27 号編集委員会
第 1 回を平成 23 年 6 月 20 日に第 2 回を7月4日に開催した。今年度の特集は 3 月に発生した
東北地方太平洋沖震災の話題を盛り込み、危機管理の意味を含めた「学びの場、生活の場を考える
(2)」とした。
− 68 −
6.廃棄物処理の実績
排水処理施設 山野 聖子 平成 22 年度の山口大学各キャンパス(吉田、常盤、小串)の廃棄物処理の実績を、前年度に引続き
まとめてみた。以下に、各キャンパスの廃棄物の量および処分費、廃棄物処理に関する課題や取り組み
をまとめた。
1.廃棄物委託処分について
表 1,2,3 に、各キャンパスで発生した廃棄物の量を示した。廃棄物は学外業者に委託して処理また
はリサイクルを行っている。各キャンパスでの廃棄物の分類は異なっている。
表 1 平成 22 年度 吉田キャンパス廃棄物処理状況
廃棄物の種類
処理方法
処分量
処分費(千円)
紙類
可燃ゴミ
プラスティック類
業者委託(山口市清掃工場へ搬出)
150.3 (t)
865
5.4 (t)
53
産業廃棄物処分業者へ委託
10.6 (t)
5,122
産業廃棄物処分業者へ委託
77.4 (t)
8,482
特別管理産業廃棄物
産業廃棄物処分業者へ委託
4.6 (t)
1,819
廃家電
産業廃棄物処分業者へ委託(リサイクル)
97(台)
513
その他
粗大ゴミ
不燃ゴミ
空缶・空瓶
業者委託
(山口市不燃物中間処理センターへ搬出)
蛍光灯・電池類
感染性医療廃棄物
汚泥・廃油
廃酸・廃アルカリ
プラスチック類
産業廃棄物
木くず
金属くず
その他
表 2 平成 22 年度 常盤キャンパス廃棄物処理状況 廃棄物の種類
可燃ゴミ
不燃ごみ
処理方法
処分量
処分費(千円)
紙類
業者委託(焼却処理)
0.4 (t)
プラスティック類
業者委託 ( 焼却、破砕、埋立等 )
4.5 (t)
木くず
業者委託 ( 焼却、リサイクル)
5.3 (t)
その他
業者委託(焼却処理及びリサイクル)
蛍光灯・電池類
業者委託(溶融処理)
65.9 (t)
0.4 (t)
業者委託(リサイクル、加熱処理)
ガラスくず・薬品瓶
業者委託(埋立、溶融)
2.0 (t)
コンクリート
業者委託 ( 破砕、リサイクル )
9.0 (t)
その他
業者委託 ( 破砕、リサイクル )
8.3 (t)
古紙
業者委託 ( リサイクル)
31.4 (t)
不要薬品
業者委託(溶解、中和、焼却、分解等)
50.0(kg)
444
廃家電
業者委託
56(台)
302
− 69 −
27.8 (t)
4,736
金属くず
表 3 平成 22 年度 小串キャンパス廃棄物処理状況
廃棄物の種類
可燃ごみ
不燃ごみ
処理方法
古紙
業者委託 ( リサイクル )
その他
業者委託 ( 焼却処理 )
空缶・空瓶
業者委託 ( リサイクル )
粗大ごみ
業者委託 ( リサイクル )
医療廃棄物
実験動物死体 業者委託 ( 融解による中間処理後、リサイクル )
その他
不要薬品
処分費 ( 千円 )
366(t)
7,763
12(t)
業者委託 ( 溶融・焼却による中間処理後、リサイクル )
感染性廃棄物 病理廃棄物
処分量
業者委託 ( 融解による中間処理後、リサイクル )
318(t)
240
17,688
3
7.7(m )
2.3(m3)
2,052
3
業者委託 ( 融解による中間処理後、リサイクル )
1.0(m )
業者委託 ( 焼却処理および中和 )
0.3(t)
3,503
2.廃棄物処理に関する課題と取組
以下に、各キャンパスの担当者から寄せられたコメントを紹介する。キャンパスごとの特徴が表れて
おり、非常に興味深い。
1) 吉田キャンパス担当者のコメント
中央集積場に不燃ごみ(廃プラ)のボックスを設置しているが、分別が不徹底のため、現状、市への
搬出が出来ずに産廃として処理している状況である。
また、以前よりは減少してきたが、依然として搬出者不明のシリンジや薬品、冷蔵庫、パソコン、タ
イヤ等が中央集積場に搬出されているケースが見受けられる。
2) 常盤キャンパス担当者からのコメント
新聞・雑誌・ダンボールは分別して古紙回収業者に、金属屑は金属屑回収業者に引渡し、リサイクル
している。また、両面コピーや2アップ印刷等により、紙使用量を節約している。さらに、エコバック
を作成してレジ袋を削減したり、牛乳パック等のリサイクル、余剰カレンダーのリユース、リユース掲
示板の開設等の取り組みを行っている。
今後は、教職員・学生への適正な排出方法の周知、排出場所の整備による分別・リサイクルを促進、
エコファイターズによる廃棄物・リサイクル対策等を計画している。
3) 小串キャンパス担当者からのコメント
問題点としては、放置自転車の倍増(60 台から 120 台へ)、廃棄物が分別されないままごみ置き場に
放置されている、等が挙げられる。これらは廃棄物に関する問題や分別の意識があまり浸透していない
ためではないかと考えられる。
− 70 −
7.名簿一覧
総合科学実験センター運営委員会
平成23年4月1日現在
部 局 名
職 名
氏 名
任 期
総合科学実験センター センター長
山 田 総合科学実験センター 副センター長
水 上 洋 一
23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター 副センター長
真 野 純 一
23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター 分析実験分野長
大和田正明
23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター 生命科学分野長
村 田 智 昭
23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター 資源開発分野長
守
23. 4. 1 ~ 25. 3.31 委員長
( 水 上 洋 一 )23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター 排水処理分野長
小 崎 紳 一
23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター 機器分析実験施設長
藤 井 寛 之
23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター 生体分析実験施設長
有 働 公 一
23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター 実験動物施設長
( 村 田 智 昭 )23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター 生命科学実験施設長
( 村 田 智 昭 )23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター システム生物学・RI分析施設長( 真 野 純 一 )23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター アイソトープ実験施設長
( 有 働 公 一 )23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター 遺伝子実験施設長
( 水 上 洋 一 )23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター 排水処理施設長
藤 原 勇
23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター RI実験施設
坂 口 修 一
23. 4. 1 ~ 25. 3.31
総合科学実験センター 生命科学実験施設
伊 藤 有 紀
23. 4. 1 ~ 25. 3.31
人文学部
准教授
藤 永 康 政
21. 4. 1 ~ 23. 3.31
教育学部
教 授
塩 田 正 俊
21. 4. 1 ~ 23. 3.31
経済学部
准教授
武本 Timothy
21. 4. 1 ~ 23. 3.31
准教授
本 多 謙 介
21. 4. 1 ~ 23. 3.31
教 授
乾 誠
21. 4. 1 ~ 23. 3.31
教 授
上 村 明 男
21. 4. 1 ~ 23. 3.31
教 授
前 田 健
21. 4. 1 ~ 23. 3.31
准教授
山 崎 隆 弘
21. 4. 1 ~ 23. 3.31
大学院理工学研究科 (理学)
大学院医学系研究科 (医学)
大学院医学系研究科 (工学)
農学部
大学院医学系研究科 (医学)
− 71 −
備 考
排水等安全管理委員会委員
平成23年4月1日現在
部 局 名
排水処理施設
排水処理施設
人文学部
教育学部
経済学部
理学部
医学部
工学部
農学部
附属病院
総合科学実験センター
大学教育センター
保健管理センター
メディア基盤センター
職名
氏 名
分野長
施設長
准教授
准教授
教授
教授
教授
准教授
准教授
准教授
准教授
教授
所長
准教授
小崎 紳一
藤原 勇
磯部 佳宏
源田 智子
陳 禮俊
金折 裕司
原田 規章
中塚 晃彦
細井 栄嗣
尾家 重治
藤井 寛之
何 暁毅
平野 均
永井 好和
任 期
23.4.1
23.4.1
23.4.1
23.4.1
23.4.1
23.4.1
23.4.1
21.4.1
21.4.1
21.4.1
22.4.1
22.4.1
22.4.1
22.4.1
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
〜
〜
〜
〜
備 考
25.3.31
25.3.31
25.3.31
25.3.31
25.3.31
25.3.31
23.3.31
23.3.31
23.3.31
23.3.31
24.3.31
24.3.31
24.3.31
24.3.31
委員長
委 員
委 員
委 員
委 員
委 員
委 員
委 員
委 員
委 員
委 員
委 員
委 員
委 員
広報誌編集委員会委員
部 局 名
官 職
氏 名
任 期
備 考
農学部
准教授
細井 栄嗣
23.4.1 ~ 25.3.31
編集委員長
保健管理センター
所長
平野 均
22.4.1 〜 24.3.31
編集委員
教育学部
准教授
源田 智子
23.4.1 ~ 25.3.31
編集委員
工学部
准教授
中塚 晃彦
23.4.1 ~ 25.3.31
編集委員
総合科学実験センター
准教授
藤井 寛之
23.4.1 ~ 25.3.31
編集委員
排水処理施設
施設長
藤原 勇
23.4.1 ~ 25.3.31
編集委員
排水処理施設職員
官 職
氏 名
任 期
分野長
小崎 紳一
21.4.1 ~ 23.3.31
施設長
藤原 勇
21.4.1 ~ 23.3.31
技術職員
山野 聖子
− 72 −
備 考
8.2010 年(平成 22 年度 ) 度排水処理施設活動日誌
2010年
4月1日
はいすい見張り版 No.23 発行
4月2日
WEBによる廃液搬入申請の説明会およびWEBによる薬品調査方法の説明会
吉田地区 理学部14番教室 16:00-17:00 参加者54名(内訳:農学部 18名、理学部35名、総合科学1名)
共通教育 化学実験TAガイダンス(廃液の取扱方についての説明)
廃液の取扱方についての説明(労働安全、環境保全も含む)
4月5,9日 共通教育 化学実験ガイダンス(1年生:化学実験受講者)
4月6日
農学部2,3年オリエンテーションガイダンス 大学会館
4月15日
常盤地区 WEBによる廃液搬入申請の説明会 C11講義室 15:00 - 15:30
実験廃液の出し方の講習会(盤地区)工学部 C11講義室 15:40 - 16:30 参加者 205名
4月16日
実験廃液の出し方の講習会 第2中央診療棟 多目的室1・2・3 15:30 -17:30
参加者21名(内訳:総合科学2名、医学部+病院19名)
4月21日
実験廃液の出し方の講習会 理学部14番教室18:00-19:30
参加者98名内訳:教育4名、農43名、理51名, 総合科学1名)
5月1日
はいすい見張り版 No.24 発行
5月7日
平成22年度第1回排水処理等安全管理委員会9:00-10:15
5月10日
第1回無機系廃液回収(吉田地区)
5月19日
吉田地区廃棄物貯蔵施設利用説明会 理学部14番教室18:00 -18:40 参加者21名:農5名、理16名)
吉田地区 理学部22番教室 10:00-12:00 参加者 53名(内訳:農学部 21名、理学部 32名)
6月1日
はいすい見張り版 No.25 発行
第1回有機系廃液回収(吉田地区)
6月3日
第1回有機系廃液回収(常盤、小串地区)
6月4日
第1回構内の水質検査および下水道出口排水のサンプリング
6月8日
第2回環境保全編集委員会開催 9:05-11:45
6月14-19日 平成22年度第1回無機系廃液処理
6月15日
第3回山口大学総合科学実験センター研究発表会
6月17日
第1回排水処理施設作業環境測定 13:00-14:00
廃液処理現場見学8名
7月1日
はいすい見張り版 No.26 発行
7月10日
第2回無機系廃液回収、第1回写真廃液回収(吉田地区)
7月11日
第1回無機系廃液回収、第1回写真廃液回収(常盤、小串地区)
7月13日
アサヒプリテックによる学外処理(第1回)
7月29ー31日 第26回大学等環境安全協議会分科会 (北海道大学 藤原・山野参加)
8月1日
はいすい見張り版 No.27 発行
9月1日
はいすい見張り版 No.28 発行
9月6日
第3回無機系廃液回収(吉田地区)
9月21日
第2回有機系廃液回収(吉田地区)
9月18日
第2回有機系廃液回収(常盤、小串地区)
9月30日、10月1日共通教育 化学実験ガイダンス(1年生:化学実験受講者)
廃液の取扱方についての説明(労働安全、環境保全も含む)
10月1日
はいすい見張り版 No.29 発行
10月19日
排水処理施設の説明及び排水処理施設見学13:40-15:00
理学部生物・化学学科化学専攻2年生40名
11月1日
はいすい見張り版 No.30 発行
11月8日
第4回無機系廃液回収、第2回写真廃液回収(吉田地区)
11月9日
第2回無機系廃液回収、第2回写真廃液回収(常盤、小串地区)
11月25-26日 大学等環境安全協議会(横浜国立大学 藤原・山野参加)
11月30日
第3回有機系廃液回収(吉田地区)
12月1日
はいすい見張り版 No.31 発行
12月2日
第3回有機系廃液回収(常盤、小串地区)
附属山口小学校中学校下水道出口の水質検査
12月3日
附属光小学校中学校下水道出口の水質検査
12月6-10日 平成22年度第2回無機系廃液処理(NEC)
12月7-8日 廃液処理現場見学13名
12月7日
第2回排水処理施設作業環境測定 13:00-14:00
− 73 −
12月10日
12月14日
2011年
1月5日
1月12日
1月28日
2月1日
2月21日
2月22日
2月23日
2月24日
3月1日
3月30日
3月31日
第2回構内の水質検査および下水道出口の排水のサンプリング
第4回山口大学総合科学実験センター研究発表会
はいすい見張り版 No.32 発行
第5回無機系廃液回収(吉田地区)
アサヒプリテックによる学外処理(第2回)
はいすい見張り版 No.33発行
吉田地区下水道サンプリング(山口市)
第6回無機系廃液回収、第3回写真廃液回収(吉田地区)
第4回有機系廃液回収(吉田地区)
第4回有機系廃液回収(常盤、小串地区)
第3回無機系廃液回収、第3回写真廃液回収、
(常盤、小串地区)
はいすい見張り版 No.34発行
山口大学環境保全第25号発刊
WEBによる廃液搬入申請の説明会およびWEBによる薬品調査方法の説明会吉田地区を対象に開催
理学部11番教室 16:00-17:30 参加者34 名(内訳:農学部2名、理学部31名、総合科学1名)
理学部 石黒勝也先生 排水処理分野長退任
溶媒の移液作業
9. 編集後記
今回の特集は「学びの場、生活の場を考える」の2回目になります。何もなければ昨年と同様にキャ
ンパスや山口市・宇部市というローカルな環境に視点を置いた特集を組むはずであったのですが、未曾
有の大災害が起きた後に編成された編集委員会において、地震や放射線に関する特集を、との声があが
ったのは自然の成り行きだったと思います。そこで今回は地震や火事などの災害で人命に関わるキャン
パスにおける安全衛生対策の現状から始め、近い将来現実のものとなるかもしれない西日本大震災への
備えや、原子力発電所事故以来全国民の関心事となっている放射線の問題についてそれぞれの専門の立
場から分かりやすい解説をしていただきました。
一方、解説等の記事は芸術・有機農業・地球温暖化など多岐にわたる話題提供をしています。また、
昨年の特集テーマのひとつであった自転車をめぐる問題 ・・・ これは容易に解決する問題ではなく、引き
続き今回もとりあげています。
そして後半部分に本来は最も重要である種々の報告等を配して構成されている第27号です。実は、
この報告だけを「環境保全」の内容にしたらよいと、過去の編集後記に記されているほど重要な部分で
す。単年度だけでは分かりにくいかもしれませんが、排水処理状況のデータの蓄積・保存が環境問題に
対する本学の「履歴書」になるのだと。この履歴書に汚点を残すことがないようにと、化学分析も研究
の一部としている者として身の引き締まる思いです。
今回は英語の記事もあってユニークですし、読者によっては専門用語が難解であるなど、すべての記
事を完璧に理解することは無理かもしれませんが、本学関係者であれば必ず興味を持っていただける項
目ばかりですので、知的好奇心へのチャレンジと捉え玉稿の数々を精読していただければ幸いです。
私事で恐縮ですが、昨年の大震災直前より郡山に入り、平日に当地で仕事をし、週末に東京の家族の
もとに帰るという生活をしていた義弟が5月にくも膜下出血で倒れました。医師は放射線被曝との関連
を否定しますが、家族としてはどうしても疑いの目を向けてしまいます。氾濫する情報を自己責任にお
いて正しく取捨選択する能力がこれほどまでに要求される時代はかつてなかったかもしれません。本号
の特集記事もその能力を向上させるための一助になれば、これに勝る喜びはありません。
平成 24 年 3 月 5 日
編集委員長 細井 栄嗣