アプリケーション ストーリー - FLIRmedia.com

アプリケーション ストーリー
大噴火から数時間後のイタリア、
ソトロンボリ火山
フリアーシステムズの赤外線サーモグラ
フィは火山研究の発展に寄与しています
熱を伴う現象のなかで火山ほど人々に強烈な印象を与えるものはないでしょう。火山
活動は見るものを圧倒するとともに、破壊的な被害をもたらす可能性があります。世
界中で火山のあらゆる側面や火山活動が研究対象となっているのも不思議ではあり
ません。
フリアーシステムズの赤外線サーモグラフィを火山研究に利用している研究者は、サ
ーモグラフィを火山活動のモニタリングに最適のツールだと高く評価しています。火
山の熱パターンを目で確認できるだけでなく、非接触で安全な距離から温度を計測
できるため、研究者に危険が及ばないことがその大きな理由です。
サーモグラフィは熱放射を記録し、その計
測値を温度に変換して赤外線画像として
可視化します。火山研究でサーモグラフィ
は火山の熱パターン検出や解析に最適の
ツールと高く評価されています。
火山研究に適したサーモグラフィにはい
くつか候補がありますが、なかでもFLIR
SC660がよく使用されています。FLIR
SC660は、地上からでも上空からでも使
える携帯型サーモグラフィです。火山研
究では、
レンズが交換可能である点が重
視されます。SC660の標準の24°レンズ
は近距離撮影、7°望遠レンズは遠距離撮
影に最適です。世界中を回り、多くの火山
を調査している研究者には、
こうした多彩
なレンズが使えるサーモグラフィが理想
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的です。
FLIR SC655モデルも火山研究によく利
用されています。このモデルは固定式サ
ーモグラフィで24時間365日の常時モ
ニタリングに最適です。高度な解析ソフト
ウェアを使えば、自動アラームの設定も可
能です。ソフトウェアで計測した温度と事
前設定したパラメーターとを照合し、温度
が指定温度を上回るとアラームが作動し
ます。1箇所の火山のモニタリングを行う
火山モニタリング施設などでは、
こうした
機種が最善の選択肢となります。
警告システムの改善
サーモグラフィは、温度計測や、溶岩流の
マッピング、高温のガスが噴き出す亀裂の
サーモグラフィは火山の熱を可視化する優れた方法
である。この写真と赤外線画像はストロンボリ火山の
中腹で噴火が起こる1時間前に撮影された。
検出などに使用できるだけでなく、広範囲
の表面温度を解析することで、強烈かつ
圧倒的な破壊力で大きな被害をもたらし
うる火山とそれに伴う地質学的現象のメ
カニズムの解明にも役立つと期待されて
います。火山活動のメカニズムの解明が
進めば、火山の噴火警告システムを改良
できるため、噴火による人命の損失を軽
減することにもつながります。
火山活動の予測精度は向上しているもの
の、正確な予測はまだ困難です。特に予
測が難しい現象に噴気活動があります。
地下水が火山の熱で熱せられて高温にな
り、沸点(数100℃)に達しますが、圧力が
高いため蒸発できない状態にあります。
それが、何らかの理由で圧力が急に低下
application story
地震が起きたとき、研究者は従来使用さ
れている熱電対センサーを使って噴気場
所の温度計測調査をしていました。しか
し、地震の直後に蒸気爆発があり、現地に
設置された熱電対センサーなどの計測機
器は全壊しました。安全な距離から温度
計測ができるFLIRサーモグラフィを使っ
ていれば、
こうした場合でも被害を受けず
に済んだと考えられます
この写真と赤外線画像はギリシアのニシロス島の
クレーターを登る研究者を撮影したもの。地下の
火山活動で熱せられ、体温よりも温度が高くなった
岩がみられる。
すると、液体が急速に気化します。この変
化があまりに急速であるため、水蒸気爆発
が起きるのです。
距離の重要性
こうした水蒸気爆発の予測はほぼ不可能
です。噴気活動は多くの火山の噴火口で
みられますが、噴気の正確な場所につい
てもほとんど解明されていません。そのた
め、火山研究では安全な距離を保つ必要
があります。比較的最近の事例では、イン
ドネシアのジョクジャカルタ近郊で起きた
地震で、火山の噴気活動による事故があり
ました。
熱水の通り道を診断
噴気現象を調査する国際的な研究者チー
ムがフリアーシステムズのサーモグラフィ
この赤外線画像は遠距離からギリシアのニシロス
を使用して、噴気活動の盛んなイタリアの 島のクレーターでの火山活動を撮影したもの。こ
フォッサ火山の円錐丘を調査しています。 うした熱データが地下の火山活動の解明に貢献
フリアーシステムズのサーモグラフィで している。
撮影した熱データを数値モデルと組み合
わせて解析することで、熱水の上昇を制
御するメカニズムに関する何らかの手が
かりが得られることが期待されています。 この地殻運動の謎を解明するため、地殻
の動きとフリアーシステムズのサーモグ
数値モデルでは、入れ子状になったクレー ラフィの熱パターンを比較する調査研究
ターの縁で圧縮応力が低い場所が示され が行われています。サーモグラフィで噴火
ました。フリアーシステムズのサーモグラ 口全体を5分毎に撮影し、得られた熱デー
フィによる現地調査でも、
この場所が実際 タを地殻の動きと比較し、その相関関係
この相関関
の噴気発生場所に該当することが確認さ を調べるのです。研究者らは、
れました。沸騰した熱水が気化して噴出す 係から、数値モデルや数式の微調整を行
る場所は周囲よりも温度が高いため、赤 っています。
外線画像にはっきりと映し出されるので
世界中で行われている火山研究の成果か
す。
ら、火山活動のパターンが少しずつ明らか
になってきました。こうした理解が進むこ
注目すべき特性を有するクレーター
火山活動に伴う噴気現象を解明するた とで、火山活動の予測精度が向上するこ
め、多くの研究プロジェクトが現在も進行 とが期待されています。フリアーシステム
中です。そのなかに、ギリシアのニシロス ズのサーモグラフィで取得したデータは、
島の火山クレーターに関するプロジェクト 火山研究の発展に寄与しています。
があります。この火山クレーターには注目
すべき特性があります。クレーター表面
が数時間に1回、数センチ上下に動くので
す。こうした地殻の上下運動はここでしか
見ることができない珍しい現象ですが、そ
の原因は分かっていません。このクレータ
ーをサーモグラフィで撮影すると、赤外線
画像にくっきりとした熱パターンが映し出
されます。
この写真と赤外線画像はイタリアのストロンボリ火山をヘリコプターから撮影したもの。溶岩原に沿って
亀裂がみられる。赤外線画像では溶岩の流れが黄色、亀裂が赤く示されている。
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