100 - 兵庫県立農林水産技術総合センター

ひょうごの
No.100
1998. 11.
特集タマネギの機械化栽培技術
セルトレイの大きさの違いと苗の生育
720穴
448穴
288穴
200穴
畑地用ビークルによる防除作業状況
歩行型タマネギ収穫機の作業状況
目
特集
タマネギの機械化栽培技術
lはじめに …………...・H・..………...・H・.....・H・..…2
2 タマネギ移植機の開発の取り組み………………2
3わが国におけるタマネギの生産、 流通状況…… 3
4 タマネギ生産の機械化一貫作業体系の組立て… 4
5 タマネギの機械移植に適する良質苗生産…… ...・H・.. 5
6歩行型タマネギ収穫機 の性能と経済性 -…… … 6
研究成果の紹介
l安価な乳苗育苗資材に吸水性育苗シートが実用的…7
2微生物分解性フェノール樹脂を培地とした
パラの養液栽培一…… … ...・H・.....・H・......・H・... 8
3 ピンカ花壇苗のポットの大きさと栽培密度…………9
、井7
ノ
4侵入害虫ミカンキイロアザミウマの
パラ温室における発生消長と薬剤感受性………10
5養液栽培原水の水質実態….....・H・...・H・-…H・H・.11
6 rあわじ花さじきJにおけるハナナの長期開花法……12
1
7但馬牛における系統別の泌乳特性……...・H・..… 3
8高泌乳牛の泌乳初期における
1
粉砕トウモロコシの給与効果 ...・H・..…………… 4
優良農家紹介
1
新天地でばらの大規模経営をめざす ...・H・H・H・.. 5
普及情報
果樹回廊構想による地域振興…………...・H・..…16
兵庫県のタマネギ栽培は、平成 8年度作付け面積
が2, 7 54ha、生産量は147 4. 0
で全国第 2 位の地 位を占めており、「淡路玉葱」 の
ブランドで販売され、全国的にも有名である。
新たな米政策のもと、生産調整 目 標面積が大幅に
拡大された中、転作対応に野菜作のウエイ卜が増加
し、 新興産地での生産の取り組みも始まっている。
本県のタマネギ生産は作型が多様で、早生、中生、
晩生の品種が栽培され、収穫出荷法 も青 切り、 短期
貯蔵、 遅植え短期貯蔵、冷蔵貯蔵などに分かれてい
る。 生産の中心的な担い手は昭和一桁世代が引退す
る時期に遭遇し、 深刻な労働不足のまっただ中にあ
る。 手作業が主体であり、 労働が過酷になっている。
タマネギ移植機の開発 ・改良は 「タマネギ移植機
械緊急開発・改良事業〔地域特産農作物用機械開発
促進事業(国庫) J
施しつつある。 事業実施は、 農機メーカーに移植機
械の開発 ・改良委託を行い、次に示す開発 目 標にあ
った機械の開発を行うことにしている。
1
3
事業推進体制
事業推進体制は、図に示すように、 県関係機関及
び生物系特定産業技術研究推進機構を構成員とする
「タマネギ移植機械緊急開発・改良推進会議」 を推
進母体として、①農機メーカーへの技術指導、 ②淡
路地 域の農協・関係市町・生産組 合等の地 元と連携
して事業の推進を図ることにしている。
藤本 喜龍(農産園芸課)
移植機開発目標
高性能・小型・軽量で、操作性が簡便なこと。 淡
路地 域のほ場・植栽条件への適応性が高く、生産物
の高い収量と品質の確保ができること。 低価格な経
済性の高い移植機械をめざす。
2
苗取りや定植作業は、無理な姿勢での作業であり、
厳しい環境、低温屋外での長時間作業をあげること
ができる。
そこで産地 の維持のため、 省力機械化栽培の実用
化に向け、 試験研究、 行政、 指導機関、 農協、 民間
が一体となった技術開発 の取り組みにより、歩行式
の収穫機が急速に普及し、 現在移植機が開発 されつ
つある中、機械化体系の確立が急がれている。
今回の特集ではタマネギ生産動向と省力化軽作業
化を 目 指した機械化一貫体系のモテソレを提示し、移
植、収穫作業の研究成果、普及技術を紹介する。
置塩 康之(中央農技・経営実験室)
因
具備すべき機能・用件
技術指導
前乍誠司寝
地元
農 協 市 町
・ ・
生 産 組合等
(調査試験協力)
機械開発推進会議
定理導
決管指
画行術
計進技
発発発
開開開
(機械開発)
、-J
農機メーカー
f|
|に
一2
指導・助成
託
① 作業能率は10 a 当たりの植付が 7 時間以 内でで
き、 播種から育苗までの作業の大幅な時間短縮が
できる。
② 形状は小型・軽量で軽トラックに積載できる。
③ 操作性は女性・高齢者でも、 l人で簡便に操作
できる。
④ ほ場適応性は生育不良を招く畝の鎮圧等が発生
せず、かっ安定した植付走行ができる。
⑤ 植栽適応性は淡路地域の条間・株間等の植栽様
式に適応する。
⑥ 生産物の状況は移植後の生育が収穫まで安定し、
高い収量と品質の確保ができる。 (植付時の機械
的欠株率は 5 % 以 内にする。)
⑦ 育苗法 は移植苗の生産及び供給・運搬が安定的
かっ効率的に行え る技術方式の確保ができる。
⑧ 本体価格は1, 500 千円前後文は そ れ以 内の価格
で供給でき、育苗関連機器及び資材等への投資額
も低 L 、。
⑨ 移植機械としての総合的な均衡性を有する。
性物系特定産業技省研究推進報相
構成周
農産 園 芸課
食品流通課
制本農林水産事務所
北蹴農業改良普及センター
献路農業改良普及センター
県立中央農業技簡センター
県立法路 農業技術センター
図 事業推進体制
ひょうごの農業技術No. 100 ('98.11)
1
年には栽培面積の55% に普 及している。
栽培の動向
わが国におけるタマネギ栽培は、 春まき栽培と秋
兵庫県では、 歩行式の収穫機が近年急速に普及し、
まき栽培の 2 作型である。
現在移植機が開発されつつあり、機械化体系の確立
が急がれている。
春まきは、北海道で、 秋まきは、 本州、 四国、 九
州などの府県で行われている。
3
出荷、 流通の状況
栽I背面積の変化は区11 に示したように、 3 万ha
兵庫県の産地では、 4月� 6月に収穫され風乾貯
程度で推移してきたが、近年 微減傾向にある。 秋ま
蔵、 冷蔵を行ってほぼ周年京阪神市場を中心に出荷
き:#x培は、 兵庫県、 佐賀県の栽培面積が大きいが、
している。 北海道は9 月に収穫し、 収穫後から翌年
兵庫県ではやや減少傾向である。 これまで大きな産
4月まで全国の市場に 出荷している。 これらのこと
地であった大阪府、 和歌山県、 愛知県、 香川県など
は、 図 2 の大阪市場の入荷状況から伺うことができ
は、 農地の宅地化、 後継者不足などで栽培面積が激
る。 一方、東京市場では、 4月� 8 月は秋まき栽培
減した。 逆に、 春まき栽培の北海道の栽培面積が増
の産地のもの、 9月� 3月は北海道産と輸入物と産
大し、 平成 8 年では 、 北海道が12,400ha と栽培面
地のすみ分けが進んでいる。
積のがj泌を占めるようになってきた。
2
北海道の新しい動きとして、 秋まき栽培の研究が
進み、 8月上旬からの収穫が可能となりつつある。
生産状況
北海道産地は、は種から収穫、 調整まで機械化さ
この作型開発により、さらに府県産の秋まき産地と
れ、 大規模な栽培がされている。 セル成型苗の全自
の競合が予想される。
動移植機を導入し、移植の省力化が図られ、 平成9
忠男(中央農技・園芸部)
大西
ha
園その他
富佐賀
圃香川
40000
30000
協和歌山
図兵庫
園大阪
国愛知
皿静岡
口北海道
20000
10000
。
昭40
45
50
53
54
55
56
57
58
図1
59
60
61
62
63
平元
2
3
4
5
6
7
8
産地別栽培面積の変化
|東京都中央卸市場|
トン
4000
2000
1000
5000
。
。
1月 3月 5月 7月 9月
II月
2月 4月 6月 8月
10月
12月
図2
|大阪市中央卸市場l
一
上
川
ハ
問
圏
AU
nu
qd
内
国
道
県
県
県
県
県
他
海
岡
知
庫
川
賀
の
MM
北
静
愛
兵
香
佐
そ
円
口
田
園
口
園
一
田
函
・
トン
外国
道
県
県
県
県
県
他
他
海
岡
庫
被
川
賀
の
附
の
北
静
兵
島
香
佐
そ
円
そ
口
田
口
回
園
田
園
圃
図
資料:農林水産省野菜生産出荷統計
1月 3月 5月 7月 9月 11月
2月 4月 6月 8)i 10月 12月
東京都・大阪市中央卸売市場の産地別入荷状況(平成7年)
資料 東京都・大阪市中央卸売市場年報
- 3-
タマネギ生産の労働時間は表に示すとおり、吊り
を行う。 施肥及び防除は人力による。
小屋貯蔵で212時間、コンテナ貯蔵で181時間となっ
ている。 作業別には移植作業、 収穫~貯蔵及び調製
大型体系では、 畑地用 ビークルを用いて中耕・施
肥・防除を行う。
出 荷に多くの労力を要しており、これらの省力化が
大きな課題となっている。
また、いず、れの体系においても、無人へリによる
防除を採用することも可能になりつつある。
そこで、 これらの作業の省力化を図るために、既
③
存機械の活用及び新規開発機械との組み合わせによ
り、機械化一貫作業体系が確立されつつあり、一部
収穫・収納作業
中型体系は、歩行型収穫機を用い、 搬出は圃場内
へ作業車を入れ、人力による積み込みにより行う。
普及の段階を迎え ている。
大型体系は、大型の全 自 動収穫機により収穫し、
機械化体系を組み立てるにあたって、 農家の規模
にあわせた中型と大型の 2 つのモデルを作成した。
車載した大型コンテナ(300�500kg) にピッキング
マシーンを用いて拾い込みを行う。
中型体系は、1.5ha程度の中規模または、 小 規 模
な農家 2 � 3戸の共同利用を、 大型体系は、 3 ha
いずれの体系においても収納はリフトを活用する。
④
乾燥・調製作業
以上の大規模農家や集落農業を前提として組み立て
乾燥は、 ハウス、温風、除湿などにより行う。 根
たもので、 労働時間は中型体系が97 .0時間、 大型体
や葉のタッピングは、 自動タッピングマシーンによ
系が64.0時間となっている。 作業別機械体系は次の
り行う。 タッピングマシーンは、 現在実用化のレ ベ
とおりである。
ルまで開発 が進んでおり、 将来はタマネギ選果施設
①
のラインに組み込み、 調製作業の分業化をめざす。
移植作業
慣行の作業体系では、苗取りや移植に多くの時間
機械化体系の組立で重要なのは、 これらの機械投
を費やしていることから機械移植体系では、セル成
資が、コスト低減に結び、つく技術であるか否かであ
型苗による全 自 動移植機を採用した。 この移植機は、
る。
兵庫県と農機メーカーが共同で平成12年完成を 目 標
に開発を進めている。
②
今後、 それぞれの機械の経済性を明らかにしなが
ら実用化を図りたし、。
管理(防除を含む) 作業
奥井
宏幸(北淡路普及センター)
中型体系では、 歩行型管理機を用いて中耕・除草
表 タマネギ栽培 の労働時間(時/10a)
慣行 の体系
用り小屋貯蔵
機械化一貫体系
大型体系
中型体系
コンテナ貯蔵
播種準備
2
2
2
2
播
3
3
0.5自動播種機
0.5 自動播種機
種
苗床管理
10.5
10.5
本田準備
11
11
移
植
36
管
理
22
防
除
13.5
収穫収納
35.5
運搬貯蔵
14.5
調製出荷
64
メE』
3
計
入力抑
入力血種結束
212.0 (100.0)
36
自動潅水
11
入力移植
畝立て成形機
3
11
自動潜水
畝立て成形機
4
全自動移植機
4
22
20
歩行型管理機
12
13.5
13.5動力噴霧機
3.5
7ゃーム],,7。レイヤー
15
歩行型収穫機
4
全自動収穫機
コンテナ搬出
4
大型コンテナ+ド、yカー
15
8
事行型車種融
8
3ン汁搬出
60
20
181.0 (85.4)
97.0
-4 -
夕、�t。ンゲ?シーン
(45.8)
全自動移植機
乗用管理機
20
夕、�t。ンゲ?シーン
64.0
(30.2)
ひょうごの農業技術地100 ('98.11)
5
きい方が、 地上部重が電く茎径も太い苗になり収量
はじめに
タマネギの機械移植栽培を進めていくには、 慣行
も高くなった(図1 )。 しかし、穴数が少ないと10 a
苗よりセル 成型苗を利用する方が優れていると考え
当たりではトレ イの数が多くなりコストが高くなる
られる。 また、機械移植用の苗としては、 欠株がな
ことから、セルの大きさは288 穴前後 が適正と考え
いこと、生育が均一であること等が求められる。 し
られる。 晩生種の ‘ア
たがって、 ここではセル 成型白による機械移植に適
日の播種で11月29日の定植では、苗の地上部重が 2
する伯ーの 条件と良質苗の生産技術について述べる。
g 以上、 茎径が 5
苗の均一性
の収量が得られた(図 2)。 しかし、 播種時 期がこ
機械移植では、 苗の取り扱いや収量の安定性から、
mm
以上の苗となり6.5 t/l0 a以上
れ以上遅くなると苗が小さく収量も低くなった。 こ
苗が均一であることが最も重要である。 セル 成型苗
のことから、定植日までに苗が目標の大きさに達し
は穴数が多くなると内部は軟弱徒長し、さらに苗が
ないと予測される場合は、早めに、 N成分で、250ppm
曲がったり下葉が枯れて移植精度が低下しやすい。
前後の液 肥を一週間 おきに数回施用して苗の生育
これを防ぐため、育苗中期~後期にかけて 2 回程度、
を確保する。
草丈 20cmに男葉して葉が込み合わないようにする。
根鉢の形成
タマネギの根は細根が出ないため根鉢が 形成しに
育苗は、 苗の本数が多く円数も 2 か月と長いため、
露地で根切りネットを張った 上にセル トレイを並べ
くく、移植機が苗をトレイから抜く時に崩れる心配
て地中に根を張らせる。 発芽後生育の初期に強い雨
がある。 これは、育苗用土にピートモスを混ぜ、 繊
に当たるとセル 内の用士が流され生育が不均一にな
維と根を絡ませることや、 用tを強めに詰めること、
る。 これを防ぐためにトンネル 被覆の準備をしてお
さらに移植直前に用土に水を卜分含ませることなど
く必要がある。
によって防ぐことができる。
収量の安定性
今後の計画
セル の大きさについては、200 穴、288 穴(以|二Y
社)、448穴(M社)、720 穴(I社) のセル 穴数の違
苗の大きさと収量、 抽だいとの関係についてさら
に詳 しく検討する予定である。
うトレイで比較したところ、 火数が少なくセル が大
小林
尚司(淡路農技・農業部)
8
播種目
定植日
448
セル穴数
|文11
720
セルの大きさの違いと苗の生育・収量
図2 288穴セルによる播種・定植時期の違いと苗の生育・収量
-5 -
はじめに
ものはほとんどなかった。 第葉長は20cmの設定に対
タマネギの収穫作業はほとんど人力に頼っており、
し、最長30cm、最短2 cm、 平均21cmであった。 吊り
しかも収穫時期が梅雨期と重なり後作との関係で一
球貯蔵を想定し、①15cm以下は短す ぎて束ねにくい、
時期に労働が集中する。 そのため腰痛や手足のしび
②16�24cmは作業上支障がない、 ③25cmは長す ぎて
れを訴え る農家が多く、手軽な収穫機の開発が強く
再 切断が必要の 3段階に分けると、②が7 5% を占め
望まれていた。 このような背景のもと、本 県では地
た。 (表 1 )
域特産農作物用機械開発促進事業により平成 8年度
0.24m /sの作業速度に おける理論作業量は5.4a
にヤンマー農機と共同でタマネギ収穫機の開発 に取
/h、 圃場作業量は4.6a/h、 圃場作業効率は84%
り組み、 待望の収穫機が完成した。
と高かった。 10a当たり作業時間は2.2時間となり、
タマネギ収穫機の特徴
人力収穫の10.5時間に対し約 5倍の能率となった。
開発 機は 2 条を同時に収穫し、 往復で l畝4 条を
処理する小型・軽量の歩行型収穫機である。 特徴は
(表2)
タマネギ収穫機の経費試算
掘取り・男葉・球の整列をー工程で行え る。 男葉は
表3 に示した数値をもとに収穫機の作業可能面積
4 �20cmまで無段階に調節できるため青 切り・コン
を計算すると6.5haとなった。 収穫機の10a当たり
テナ詰・吊り球の多様な形態に対応できる。 輪距は
作業経費は50aでは69 千円、 1 haで、 は37 千円、 2
パワートレ ッド機構により1,170�1,370mm に 調節で
haでは21千円となり(表4 )、 ほほ、2 haで人 力 作
き、 運搬時には軽四トラックに積載できる。
業と均衡した。 淡路の平均的な作付規模である45a
タマネギ収穫機の精度と能率
では 3倍強の経費となるため、 3戸共同で導入を進
作業精度は整列精度、 掘残し、 傷球、 男葉長につ
いて調査した。 掘取られた球の86%が10cmの幅の中
めている。
タマネギ収穫機の普及状況
に整列され、 茎の向きは98% が45�135度の中にあ
8年度末、 完成と同時に135台が淡路に導入され
った。 2 条分を 111Jに並べることを考え
た。 10年 8 月現在約1,000台が普及しており、 将来
度は極めて高い。 掘残しは1.2% 、 傷球は2.2% 発 生
的には約2,000台の普及が見込まれる。
した。 傷はかすり傷程度で、 商 品価値が損なわれる
表1
米谷
表3
タマネギ収穫機の作業精度(%)
整 列
精度
掘残し
傷球
球
茎
15cm以下
16"'24cm
25cm以上
男葉長
表2
(m/s)
(m)
(a/h)
(a/h)
(児)
ほ場作業効率
10a当たり作業時間(h)
功(中央農技・経営実験 室)
タマネギ収穫機試算
(h/ha)
(日/年)
作業可能日数率(%)
(h/日)
作業時閣
(%)
実作業率
作業可能面積 (ha/年)
作業能率
85.9
97:8
1.2
2.2
4
75
21
作業期間
表4
タマネギ収穫機の作業能率
定行速度
作業幅
理論作業量
ほ場作業量
正・松本
0.24
0.63
5.44
4.59
84.4
2.2
作業経費の試算比較
22
50
60
8
60
6.5
(円/10a)
作業面積
固定費
変動費
合計
50a
100
150
200
64,800
32,400
21,600
16,200
4,668
4,668
4,668
4,668
69,468
37,068
26,268
20,868
21,000
21,000
収穫機
人力収穫
控:人力能率10.5h/10a、労賃単価2,000円/h
収種機108万円、固定費率30目、作業縫事想像面積は1.98ha
6-
ひょうごの農業技術No. 100 ('98.11)
ねらし浩成果
育苗資材による苗の生育について 調査したところ、
乳苗とは、育苗期聞を従来の稚苗の20日聞から 7
移植時の苗齢はほとんど変わらなかったが、草丈は
日間に短縮した苗のことで、育苗期間の短縮と労力
育苗シートの方が高かった(表1 )。 育苗箱の重量
・コストの軽減を 目 的としている。 ところが、乳苗
はいずれの資材も、育苗土を用いた稚苗に比べ 2 kg
は稚商に比べ、苗の生育期間が短く根マット形成が
程度軽く、育苗マットが4.5kg、 育 苗シートが4.9 kg
十分でないため、 移植の苗補給時にマットが崩れる
で、移植時の育苗箱の運搬が容易であった(表2)。
という問題がある。 このため、乳苗育苗には強度を
マットの強度は床の水分条件により異なったが、移
補うため、 通常ロックウール 育苗マットを用いてい
植当日にかん水しない限り、苗とり板を使えば、移
るが、 l枚150円程度とやや高価なため、 1枚40円
植作業には問題がなかった。 植付 本数は、育苗マッ
程度とより価格の安い吸水性育苗シートの実用性を
トでやや多く、 育苗シートが少なかった。 しかし、
検討した結果、 通常の育 苗マットと代替可能である
本数のばらつきは、 育 苗 シートの方が少なかった
(表2)。 これは、 育苗マットでは、マットがスポン
と認められた。
内
容
ジ状であり、 田植え爪でかきとる部 分が大きな塊に
なりやすく、かきとり精度が悪かったためと考え ら
中央農技センター内の沖積層壌士.の水 田で\1995
年 に試験 を行った。 水稲品種「キヌヒカリ」を用い、
れる。
6月12日に育苗箱l箱当たり乾籾で220 g 播種し、
以上のことより、 今回供試した安価な育苗シート
図の条件で育苗した。 その後、 6月19日に条間 30cm、
は、通常の育苗マットより植付本数は少ないものの、
株間22cmのrd当たり15.2株で移植した。
植え付け精度で優れており、また、 苗の生育も良い
育苗資材は、 通常 乳苗栽培で用いられているA社
ことから、乳苗育苗資材として利用可能と考え られ
製ロックウール 育苗マット(以 下、 育苗マットと略
た。
記) を対照とし、稚白栽培に用いられているB社製
普及上の注意事項
|放水性育苗シート(以下、 育苗シートと略記) の実
移植時に育苗資材の水分条件が高いと、マット強
用性を検討した。 育苗マットは、 覆土にのみ土が必
度が低下するので、かん水を控え る。 また、移植時
要であり、 育苗シートは、 床土 1 cmと覆土に土が必
には苗取り板を使用する。
要である。 育苗資材の価格は、 1枚当たり、育苗マ
岩井
正志(中央農技・原種農場、
ットでは、マット150円、覆土25円の17 5円程度、育
前中央農技・作物部)
苗シートでは、シート40円、 床土・覆土60円の100
円程度である。 また、稚苗では、 床土・覆土で100
表1
円程度である。 試験は、 1 区50 niの 2反復とし、 移
乳苗育苗資材による苗質の差
業齢(葉〉
育苗資材
植時の苗および移植本数を調査した。
常温4日浸種
草丈(cm)
育苗マット
2.0
10.7
育苗シート
2.0
12.6
注)葉齢は不完全葉を含む
育苗器:積み重ね3 0 oC 2日間
表2
:
棚 付け
植付本数
育苗マッ卜
3. 9
1日間
乳苗の育苗方法
-7 -
標準偏差
箱の重量(kg)
2. 58
4. 5
-一
図
育苗資材
量
8一
Z 一重
一の
一箱
ト一
の
白
一一+
シ 一稚
苗 一)
育 一注
ガラスハウス
3 0 oC 4日間
「吋υ
弓ta
­
ub
1
1
LKH
一
勺{
一
ρ
hU
一
斗
み
l
『
育苗器
乳苗育苗資材による植付本数の差と箱の重量
4.9
ねら� \と成果
べてかなり低く 、 逆に EC は O.36mS/cmと高かっ
近年、 パラのロックウール 栽培は増加 の一途をた
た。 また、 その気相率は6.4%と低かった(表1 )。
どり、 それに伴 い廃ロックウール 処理の問題が生じ
切り花本数はフェノール樹指 の 「ドロレス」 で9 .2
ている。 本試験ではロックウール 代替培地として期
本/株 となり、 ロックウール に比べて12.2% 多くな
待されている微生物分解性を備え たフェノール樹脂
ったが、 他品種ではフェノール樹脂 で7.0�23.0%
を培地としてパラを栽培し、 その実用性を検討した。
少なくなった。 切り花長の 培地差は「ドロレス」 で
その結果 、 フェノール樹脂 は pH と気相率が低い
は同程度であったが、 他品種 ではフェノーjレ樹脂で、
傾向にあるが、 ロックウール と比べて著しい生育 差
2 � 4 cm程度短くなった(表2 )0 ["" アール スメアゴ
はみられず、 品種によってはロックウール 代替培地
ールド」 の pH とECの推移を図に 示した。 収 穫 期
としての実用性が認められた。
間 中の培地内pH は、 品種間 で差がみられたが 、 共
内
通 して フェノール樹脂 で常に低く推移した。 フェノ
容
大 輪 品種「アール スメアゴールド」他 3品種(表
ール樹脂 の培地内 ECは、 ロックウール より高低の
2参照) のさし木苗を 7 月 3 日に発砲 スチロール製
変動が小さく、 収穫期間 中安定した値を示した。
容器(内径: 長さ70x幅20x深さ12cm) に充填した
以上の結果からフェノール樹脂 は、 品種によって
培地当たり 5 株定植した。 8月22日に伸 長してきた
はロックウール 代替培地としての実用性 は認められ
シュー卜2 本を株元 から折り曲げて同化専用枝 とし、
たがy その適用範囲を拡大するためには、 pH 及び
以降発生したシュートが開花した時点で切り花とし
気相率を改善する必要がある。
て株元 から収穫した。 1 1月 下旬 から 4 月 上旬 まで最
今後の方針
低気温150Cに加温し、 5 月31日に調査を終了した。
気相率を高めたフェノール樹脂 の実用性並びに他
培養液には愛知園研 処方液のO.5�1.0単位を使用し、
の培地での生育 を検討する予 定である。
これを 1 日・株 当たり400�800mR施用した。
小山
佳彦(中央農技・園芸部)
フェノール樹脂 の pH は3.6と ロックウール と比
表l
土音地の
pH
種 類
培地の特性
EC
液相率
表2
気相率
固相率
(mS/cm)
(%)
(%)
(%)
品
種
培地の違 いが生育 に及ぼす影響
培地の
切り花本数
種類
切り花長
(本/株)
(cm)
7ェ/ール樹脂
3.6
0.36
91.9
6.4
1.7
7-)レスメ7
7ェノサ樹脂
1l.4
70.4
ロックウール
7.0
0.20
68.0
29.9
2.1
コ -Jレド
ロックウール
14.8
72.3
ローテローγ
7ェノーlレ樹脂
8.0
7l.3
ロックウール
9.8
75.2
7工ノサ樹脂
10.6
69.3
ロックウール
1l.4
7l.2
7工ノサ樹脂
9.2
99.5
ロックウール
8.2
98.6
凶;色村/、
アーノレスメアゴーノレド
テイネケ
4��“ ~切
配2 �
H司�・
月
図
ドロレス
異なる培地内溶液のpHとECの変化
-ー- pH・ロリウール -ーEC・ロックウール
一←pH'7ェノサ樹脂ートEC'7ェノサ樹脂
-8 -
ひょうごの農業技術No. 100 ('98.11)
ねら� \と成果
179ポット/rrl以上ではかなり徒長 した。 6 cmポッ
花壇苗の需要はガーデニングブーム等により増え
トでは128�179ポット/rrlまでは草丈に差が見られ
続けている。 しかし、 県下の生産農家は比較的小規
なかったが、205ポット/rrl以上の区では密度が高
模な経営が多く、 規模拡大も難しい現状である。 そ
くなるほど草丈は大きくなり、 282ポット/rrl以上
こで限られた施設でより多くの生産を行うために、
ではかなり徒長した(図 1 )。
ポットを慣行の 9 cmポットから7.5cmポット、 6 cm
株 張りは 6 cmポットでは鉢上げ 2 週間後、 7.5cm
ポットへと小型化し、 それによる高密度栽培につい
ポットでは 4 週間後から、 9 cmポットより小さくな
て検討を行った。
った。 しかし、開花期に到るまで栽培密度による差
その結果、ポットを小型化することによって草丈、
違 は見られず、株 張りは7.5cmポットでは 9 cmポッ
トの92�93% 、 6 cmポットでは79�82% となった
株張りは小さくなったが草姿バランスは良くなった。
栽培密度は9 cmポットの慣行密度(128ポット/rrD
( 図2)。
に対し、7.5cmポットで154ポット/rrl、 6 cmポット
以上の結果、ポットを小型化することによって草
で205ポット/rrlの栽培密度で 9 cmポットと同等以
丈及び株 張りは小さくなったが、 草姿バランスはよ
上のまとまった草姿となった。
いものが得られた。 草姿バランスを株 張りに対する
内
草丈の比率で見ると、 慣行の栽培密度では9 cmポッ
容
供試品種は「ラズペリーレ ッドクーラー」 で、 4
トで0.82だったのに対して、7. 5cmポットでは0.71、
月14日に播種し、 5月27日に鉢上げした。 9 cmポッ
6 cmポットでは0.7 5となり、 0.7 に近い良好な草 姿
トの128ポット/rrlを慣行の栽培密度として、 7. 5cm
となった。 また、 高密度栽培に おいて も7.5cmポッ
ポットでは128�205ポット/rrl、 6 cmポットでは128
トの154ポット/rrl以下、 6 cmポットの205ポット/
�333ポット/rrlの密度で栽培を行った。 調査は鉢
rrl以下の密度で 9 cmポットを下 回り、まとまった草
上げより 1 週間ごとと、 各 区の80%が開花した時点
姿となった。
で行った。
普及状の注意事項
鉢上げ後 4 週間目からポットサイズ及び栽培密度
ポットを小型化することによって、従来よりもか
ん水やわい化剤処理等に注意する必要がある。
による草丈の差が見られた。 慣行の栽培密度ではポ
ットサイズが小さくなるほど草丈は小さくなった。
神戸
隆(中央農技
園芸部)
7.5cmポットでは栽培密度が高くなる程大きくなり、
16
14
ガg
iWr
12
10
8
128
図l
154
179
205
230
282
栽精密度(ポット/rrf)
128
333
ポットの大きさ及び栽培密度が
図2
154
179
205
230
282
栽培密度(ポット/rrf)
333
ポットの大きさ及び栽培密度が
ビンカの株 張りに及ぼす影響
ビンカの草丈に及ぼす影響
-9
司ト10花当たりE包徹
ねらいと成果
闘争敏書花車(ω
100
3凹
初めて発生が確認され、 兵庫県でも1995年に花きで
0
8
250-1
I '"
0
4
発生が確認された。 花きだけでなく、トマト、 イチ
0
8
200-1
虫 .叩
..
敏 '
1曲
値観害 花 寧 〔軸
ミカンキイロアザミウマは、1990年に関東地方で
50
ゴなど野菜でも発生している。 発生消長が明らかで
o
なく、多くの薬剤の効果が低いことから、 今日では
05114
06/13
01111
08ノ08
09/05
10/02
10ノ31
11/28
12/25
01/23
02123
03/23
05/01
調査月日
最も防除が困難な害虫の一つになっている。 そこで、
図2
パラ温室における発生消長を明らかにし、 各 種薬剤
パラ花の寄 生虫数と被害花率の推移
に対する感受性を検定した。 その結果、年間の発生
てネライストキシン系のエ ビセクト水和剤、 パダン
消長が明らかになり、いくつかの有効な薬剤を選抜
SG水溶剤、 有機リン剤のエルサン乳剤、 合成ピレ
できた。
スロイド剤のアグロスリン乳剤及び、エマメクチン系
内
のスピノエース頼粒水和 剤の殺虫効果 が高かった
容
ノイラ温室で1997年5 月から1998年5月まで青色粘
(表 )。 幼虫に回転式散布塔で直接散布した場合( リ
着トラップによる誘引虫数、 パラ10花当たり寄生虫
ーフディスク法) には、エ ビセクト71<和剤、エルサ
数及び被害花率を 2 週間ごとに調査した。 粘着トラ
ン乳剤、マクロライド系のアファーム乳剤、 ピロー
ップ設置後の1997年5 月に発生が多くなり、 6月も
ル系のコテツフロアフソレ の効果が高かった。 その他
比較的高密度であったが、 7月は低密度で推移した
の多くの薬剤の効果は低かった。 新剤のスピノエー
(図1)0 9月上旬になると急に密度は高くなり、 年
スは、容器・葉片浸漬法で検定した場合、 希釈倍数
間を通して最も発生が多かった。 その後は気視の低
32, 000倍の低濃度でも死虫率は100%であった。
下とともに密度が減少したが、 冬期でも加温するた
普及上の注意事項
作物、場所によって発 生が異なる場合があるので、
めに継続して発生した。 翌春 4 、 5 月になるとやや
増加した。 パラ10花当たり寄生虫数でも青色粘着ト
青色粘着トラップを設置して発生状況を把握し、防
ラップと同様の傾向を認め、5月に発 生が多くなり、
除対策に役立てる。 本虫に登録がない場合には、 そ
夏季に減少したが、 9月上旬に再び増加した(図2)。
の作物に登録のある効果の高い薬剤で他 害虫との併
花の寄 生虫数と被害花率との関係は深く、寄 生虫数
殺をはかる。
河野
が多くなると、被害花率が高くなった。
次に、薬剤感受性を検討した。 内面にも薬液処理
表
した容器に、30秒間薬液浸漬して風乾させた葉片を
08122
09/19
10/15
11114
98/01/ω
03/05
05/15
12/12
02/06
04/17
調査月日
青色粘着トラップによる誘引虫数の推移
-10
幼虫)
1
11
1
1
07/25
リー7テ1ク法
nHV
nHv
44A
pnU
nuv
nHv
AHu
nnU
円〆u
n同υ
円/u
nノ臼
nwυ
----------n司υ
ρhu
nku
n『υ
qtu
円,『
AHu
nHU
AHV
戸hu
pnυ
ハHv
nHv
AURU円inunU
ponLquFD円IAUnHU
qtu
図1
06/27
(成虫
ηIaqnupon日ハUにυAU'InU
円InJnLPhd
nHV
nku
AHU
門tnHV
・,A
nnu
ハHU
Phυ
・EA
84A
戸川υ
nxu
nHu
ハHU
phυ
AHU
nxU
nHu
phu
aAτ
nHu
n川d
4IEa
q《U
ρnu
05/30
葉片 ・ 容器浸漬法
170トトや水和剤
カストド水和剤
モスt。うン乳斉IJ
7ド?イヤー水和剤
'\ Àト力。ード水和剤
ハ。ゲンSG水溶剤
エピ セクト水和剤
コテツ7日17" )�
17アーム乳剤
アゲ日À 1);乳剤
7ーデン卜水和剤
工)�サン乳剤
$" )�スター)�乳剤
スヒ。)I-À頼粒水和剤
"
0
主な薬剤の死虫率(%)
­
1
1
1
1
薬剤
与え た場合(容器・葉片浸漬法) には、成虫に対し
哲(中央農技・環境部)
ひょうごの農業技術No. 100 ('98.11)
ねらL、と成果
水、 池の水、 山水等は井戸水に比べ良質であった。
本県の養液栽培は、 野菜では施設栽培の約3 %弱
地 域別にみると、 西播>東播>淡路>阪 神の順に
を占め(l 56,800rrf、 平成 7 年)、 トマトが約8割、
N03-Nが高くなる傾向がみられた。 水質の組成や
その他 ネギ、オオ ノヘキュウリ、 ミツバ、 イチ ゴ等
成分量の概略を図形で表現するヘキサダイヤグラム
が栽培されている。 養液栽培の原水には、経済性か
で主な陽イオンと陰イオンの組成を比較すると、 西
ら升二戸水が多く利用されている。 近年 、生産者の水
播地域(姫路周辺) で、N03-Nや804が高く、 各種
質への関心が高くなっているため、 主要栽培地域の
産業や生活等の人間活動の影響が高い場合に特徴的
水質を調査した。 その結果、 概ね良好な水質 で-はあ
に現れるくさび形のパターンを示した (図 1)。 淡
ったが、 浅井戸や西播地域でN03-Nの濃度が高い
路地域では、 日C03、Mg、Na、 Clが高かったが、
傾向にあった。
深井戸の占める割合が大きかったことや、海に近い
内
ことが影響していると思われた。 また、キーダイヤ
容
平成9 年9月に各農業改良普及センターの協力を
グラムで井戸 水 に つ い て みると、 陰 イオンでは
得て、36点の原水を分析した。 その結果、 全農やオ
N03 - Cl-804グループが、 陽イオンでは Ca-Mgグ
ラン夕、、の養液栽培用水基準等を超え たものは、 井戸
ループが50% 以 上を占め、 これらイオン類の地表か
水26点中、 ECで 5点( 基準: 0.3m8/cm)、Na で
らの供給量が大きいことを示した(図2)。
4点、(20mg/ Q)、 Feで7 点 ( 1 mg/ Q )、Mnで
今後の方針
4点(0. 5mg/ Q)、Znで 1点(0. 5mg/ Q)、であっ
普及組織を通じ個々の生産者に水質実態を知らせ
た。 浅井戸と深井戸を比較すると、 浅井戸の方が、
て対策指導を行う。 なお、 養液栽培を始める前には、
N03-N、804、K、Caの濃度が高く、 地表からの
原水のチェ ックが特に重要である。 塩類濃度の高 い
浸透水に伴う流入量が多 いことが伺われた。 特に
用水については、 水質改善方法 の検討が望まれる。
N03-Nは深井戸の約2倍で、 最高濃度は10.3mg/
稔(中央農技・環境部)
松山
Eを示した。 深井戸では、 H C03が高かった。 水道
1 00%
3
凡例S
2
1
0
1
2
3
2
O
2
0,'­
H C 03
井戸水
浅井戸
深井戸
阪
神
池の水
山
水
西
播
1 00%
東
図1
矯
淡
・ - 井戸水
.Á:池の水
路
x 水道水
・ . 山水
養液栽培原水のヘキサダイヤグラム
(注)破線の上段にMg、中段にCaをプロ ットしている。
図2
養液栽培原水のキーダイヤグラム
ねら� \C:成果
そこで抽だいした花穂を摘心したところ、切り花
「あわじ花さじき」は明石海峡大橋が開通した平
種の開花終了時期は無摘心と変わらなかったが、 食
成10年4月4 日にオープンし、 甲子園球場の4倍の
用種では5 日程度遅れた。 両種ともに播種期が遅く
面積にあたる1 6haでハナナが咲き誇った。 しかし、
なるほど草丈が短くなり、花数が少なくなった。
4月下旬には気温の上昇に伴い急速に株 が衰弱し、
花の数が減少した。
以上の結果から、10月下旬から11月上旬に播種す
ると、切り花種では 1 �4月に、食用種とその摘心
次年度以降には多くの来客が予想、される 3月から
では4 �5 月 上旬に開花するが5月上旬の花数は少
5月上旬にハナナが咲き続けることがのぞまれるた
ないことが明らかになった。
め、切り花種だけでなく食用種をも導入し、 播種期
今後の方針
と開花期の関係について 調査し、長期間花法 を検討
ハナナの後、夏~秋にはクレ オメ、コスモスなど
した。 その結果、切り花種と食用種を組み合わせる
が開花し観光客の人気が高いため、改植はできるだ
ことで 1月から4月下旬までハナナを咲かせること
け遅らせたいが、 翌年のハナナの開花時期や品質を
ができ、さらに花穂を摘心することで花の数が少な
考慮すると切り花種、食用種ともに11月上旬までに
いものの5月上旬まで開花させることができる。
は播種をしたい。 さらに5 月上旬まで品質を維持さ
内
せるために、 ハナナの種類と栽培技術について検討
容
切り花種として「伏見ちりめん」と「花金」、 食
しなければならない。
用種として「キザキノナタネ」、「ナタネ農林 16 号」、
字国
明(淡路農技・農業部)
「カラシナ」を用いた。 これらを199 7年1 0 月20日か
ら1 2月4日まで 2 週間ごとに4 回、マサ士にピート
モスを混合した淡路農業技術センター圃場に直播し、
ほぼ放任状態で栽培 した。
切り花種は開花が早く、 1 0月20日に播種すると
「伏見ちりめん」 は 1月から、「花金」は 2月から開
花したが、 食用種ではし、ずれも 3 �4月からの開花
であった。
播種を遅らせると開花始めは遅れたが、 開花終了
時期は播種時期に関係なく、切り花種では4月中旬、
食用種では最も遅い「カラシナ」が4月末で、 5月
上旬まで咲き続けた種類はなかった。
平重
類
伏見ちりめん
花金
カラシナ
カラシナ(摘心)
平成1 0年4月オープン時の「あわじ花さじき」
10月
5月
0--...0
0--...0
0--...0
0--...0
0:播種
図
x
×
摘心
-
開花期間
ハナナを長期間開花させるためのモデル プラン
�1 2�
E-・田園田園盟国
ひょうごの農業技術No. 100 ('98.11)
ねらL \と成果
め統計的な有意差は無かったが、 傾向として城崎系
本誌3 月号では但馬牛の分娩直後のほ乳状況及び
分娩後12週時までの 1 日当たりほ乳量と子牛の体重
の母牛は初回ほ乳までの時間が長いこと、 熊波系の
母牛は初回ほ乳量がやや多いこと等がわかった。
の関係を述べた。 今回は母牛を雄系で区分し、ほ乳
状況の特性を系統別に比較検討した。
従来から、城崎系の母牛はその特徴のーっとして
「ほ育性が良い」と言われている。 「 ほ育性」 の本体
母牛を雄系で中土井系、熊波系、 城崎系の 3 系統
は その大部分が泌乳量であるが、分娩直後の子牛へ
に分類し、分娩直後のほ乳状況及びその後のほ乳状
の授乳が上手か下手かという部 分での評価も含まれ
況についてみると、①分娩直後の初回ほ乳までの時
ているとみられる。 今回の調査で城崎系の母牛が分
間は中土井系と熊波系では大差は無いが、城崎系で
娩直後の最初の授乳開始までの時間が長 くかかった
はやや長くなること、②分娩直後の初回ほ乳時間は
ことは「 ほ育性が良い」ことには該当しないと言え
系統の差が無いこと、 ③初回ほ乳量は熊波系が多い
る。 この原因として、 特に城崎系の母牛では分娩後
こと、④分娩後 4 、 8週時の 1 日当たりほ乳量では
に突然気性が変わり、子牛を突き飛ばしたり人を寄
城崎系が多いこと等が分かった。
せ付けなくなる牛が目立った。 このことが上手に子
内
牛を乳房へ誘導できなかったことにつながり、結果
容
調査牛は北部 農業技術センターで飼育している繁
的に初乳摂取までの時間が長くなったとみられる。
殖雌 牛101頭と その産子(雄5 4、 雌 47頭) とし、 分
分娩後 4 、 8 、12週時における 1 日当たりほ乳量
娩直後の初回ほ乳量、分娩後 4 、 8 、12週時の 1 日
では、表2 のとおり 4 、 8週時で城崎系の母牛が各
当たりほ乳量を測定した。 ほ乳量の測定法 は本誌3
々5 280 g 、4060 gと多くなる傾向があった。 また12
週時では各 系統とも同等となっていた。 このことか
月号と同じである。
母牛の系統分類は母牛の父と母方祖父により行い
ら、 4及び 8週時の 1 日当たりほ乳量からみると城
両方が中土井系の場合は中土井系、 両方が熊波系又
崎系の母牛も「ほ育性」 に優れていると言え る。
は一方が中土井系で他 方が熊波系の場合は熊波系、
普及上の注意事項
両方が城崎系または一方が中土井系で他 方が城崎系
分娩直後は母牛の行動を十分に観察し、子牛がで
の場合は城崎系、一方が熊波系で他 方が城崎系の場
きるだけ早く多くの初乳を摂取できるように配慮す
合は父の系統に分額した。
ることが必要である。
野田
分娩直後の初回ほ乳までの時間、.ほ乳時間、ほ乳
昌伸(北部 農技・畜産部)
量は表1 のとおりで、 各項目とも個体差が大きいた
表1
系
統
表2
母牛の系統と分娩直後のほ乳状況
頭数
悶までの時間
ほ乳時間
ほ乳量
系
母牛の系統と各週時の 1 日当たりほ乳量
統
4週時
8週時
12週時
中土井系
3 6
90:::!:4
: 7分
43:::!:: 12分
635:::!:: 330g
中土井系
4420:::!:: 1040g 3600:::!:: 860g
3120土9209
熊波系
3 1
86:::!:: 37
43:::!:: 15
730:::!:3
: 35
熊波系
4840:::!:1
: 310
3820:::!:8
: 20
3180:::!:6
: 30
城崎系
3 4
114:::!::71
41 :::!::14
690:::!:: 370
城崎系
5280:::!::1200
4060:::!::1310
3090:::!::940
-13 -
ねらいと成果
比べ粉砕の給与では、第一胃内での発酵が抑制され、
分娩後におけるボディコンディショ ンスコア(BCS)
高泌乳牛の泌乳初期では、限られた乾物摂取量の
中で如何にして増大する養分要求量を充足するかが、
の低下防止と早期回復に効果が認められた。
飼養管理上最大の課題となる。
内
容
穀類はデンプンを多量に含み、エネルギー源とし
給与するトウモロコシ(TMR乾物中29%) を、
て重要な飼料であるが、多給すると第一胃内に多量
圧片のみとしたA区、圧片と粉砕を半量ずっとした
の発酵酸が生じ、 第一胃機能障害を引き起こす。
B区、 粉砕のみとしたC区の 3 試験区に泌乳牛を 4
頭ず‘つ(経産牛 2 頭、初産牛 2 頭〉 配置し、分娩直
穀類を粉砕し粒度を低下させると第一胃内での発
後から10週間の給与試験を実施した。
酵速度は速くなるが、 それ以 上に通過速度が速くな
るため、 第一胃内発酵を免れ、 小腸で消化・吸収さ
第一胃液性状において 、C区の pH が他 の 2 区に
れるデンプンの割合が増える。 この性質を利用すれ
比べ高い傾向を示し、 B C区のアンモニア態窒素
ば、第一胃に障害を起こすことなく、より多くの穀
濃度がA区に比べ有意に高値を示す反面、 総VFA
類を給与できる可能性がある。
濃度はA区より低い傾向を示した。 これらのことか
•
ら、 粉砕では第一胃内で発酵するデンプン量が圧片
高泌乳牛の泌乳初期に圧片トウモロコシと粉砕ト
に比べ少なかったものと考えられる(表)。
ウモロコシの比較給与試験を行ったところ、圧片に
分娩時を基準としたBCSの増減では、 C区の減少
0.25
度が最も少なく、 分娩後 2週日以降増加 傾向となっ
分娩後の週次
たのに対し、他 の 2 区では分娩後 7 � 8週目まで低
0.00
4
(/)
r可
仏j
6
8
下傾向が続いた(図〉。
-0.25
普及上の注意事項
TMRに比べ、分離給与では粉砕トウ モロコシの
-0.50
第一胃通過速度がさらに速くなり、 単昧で多量に給
-0.75
与すると第一胃で発酵する炭水化物が不足する可能
JO
/;
)
)
uy
Hy ・トb rt
gb
-J
Z目
AU
AU
川
内
川山
は
オは
υ
臼窒
一1.00
性があるので、圧片トウモロコシや大麦と組み合わ
せる必要がある。
図 BCS の増減
生田健太郎(淡路農技・畜産部)
B区
A区
nuq411内U
nU白》凋UT
守f
75 0 0 0
autuau守
41nt
AU寸nu
uaununロ
0. 57
0. 15
0. 18
。。ιunU
RJV
QURUマ,
3. 80::!:::
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表 乾物摂取量、 第一胃液性状および産乳成績
ひ ょ う ごの農業技術No. 100 ('98.11)
南淡町灘地 区 は、淡路島の最高峰諭鶴羽山の南斜
ノ fートの 女性にも収穫しやすい方式を取 り 入れてい
面に位置し、 その温暖な気候を活かして電照 ぎく、
る。
みかん、びわの産地 となっている。
(2)
液 肥による栽培管理
しかし、急傾斜の土地で棚 田が多く、 平 均 2 a程
ロ ッ ク ウー ル 用の液 肥混入システムを導入し、液
度の小さな ビ、ニ ー ルハウスしか建てられないような
肥を中心にした肥培 管理を行っている。 導入当 初 は
土地であ り 大幅な規模拡大 は望めな L 、。 そのような
メーカーの肥料を使っていたが、 単肥配合で液 肥を
土地から規模拡大を 目 的に三原平野へと進 出 したの
作成するようにし、 肥料代を従来の 6 割に削減した。
が今回紹介する中村三千雄氏である。
(3)
1
ウ ォ ー タ ー パ ケ ット出荷
出荷先の市場の奨めもあ り 、ウ ォ ー タ ーパ ケ ット
経営概要
自 家労働力 : 本人、 妻、長 男
による出 荷を行っている。 これ は縦箱の中に水の入
雇用 労働力 : 4 名
った 中 箱をいれて、花束を立てた状態で 出荷する方
経 営 規 模: 施設ばら
法 で、 花の鮮度を保ったまま 出 荷ができる。
灘
温室
2, 300 rrf
筒井温室 3,700 rrf
合
2
計
6.000rrf
栽培の経緯と取り組み
また、 水上げを行わなくても売ることができるた
め、花屋さんに好評である。
4
今後の課題
規模拡大するときよく問題となるのが、 出 荷量を
中村氏 はみかん、びわ、 電照 ぎくを中心に経営を
増やした上で、花の品質を下げてしまうということ
行っていたが、 平成元年に長 男の就農を契機にばら
である。 中 村さんの場合、 上記の取 り 組みの他 、 保
栽培に転換をした。 当 初、みかん、びわ畑を造成し
冷車による輸送など、花の品 質をよ り 向上させるこ
2,300 rrfの温室で栽培を 開 始 したが、 ばら栽培を専
とで対-rGしようとしている。
業でやっていくに は 急傾斜地の灘地区で は これ以上
面積の増え た筒井温室 は後継者の博之さんと常時
面積を拡大する土地 もなく、 日 照条件も悪い。 でき
雇用の 4 名のノ fートが中心に作業を行っている。 今
れば広い土地でばら栽培を行いたいという希望 は 持
後 は作業の省力化と雇用 労力の効率的な利用方法 を
っていた。
確立し、よ り 高品質で低 コ スト生産を 目 指している。
小林
そこで、 平成 6 年度に認定農業者にな り 、 南淡町
筒井に約60a の土地 を農業委員会の斡旋で借 り 受け、
平成 7 年12月に農業経営基盤強化資金( ス ー パ ー L
経浩( 南淡淡路普及セン タ ー)
/
資金) を活用し、 3, 700 rrfの硬質フィ ル ムの温室を
建設した。
3
特徴的な栽培技術
規模拡大することによ り 、 作業の省力化や安定し
た販売をする必要があった。 そこで、現在で は以 下
のような取 り 組みを行っている。
(1)
省力 化の方法
自 走式防除機、切 り 花選別機の導入による省力 化
「ひ
はもちろんのこと、仕立て方 はハイラッ 夕 方式で、
図
選別 は 特に厳しく行う
及
果樹回廊構想 に よ る 地域振興
「果樹 回 廊 構 想」 と は 、 普 及 セ ン タ ー が提 唱 し た
も 栽培 に 取 り 組 ん で い る 。 鹿 に よ る 食害 や 病 害 虫 被
果樹推進 、 地域振興 の キ ャ ッ チ フ レ ー ズ で あ る 。 宍
害 な どの 困 難 を 乗 り 越 え 、 オ ー ナ ー 制 の取 り 組みが
粟 郡 内 の 棚 田 等 を 活用 し 、
定着 し つ つ あ る 。
l 町 l 品 果樹栽培 を 関 係
波賀 町 で は 原 観光 り ん ご園 が 、 1982年 よ り 栽培 に
機 関 と 協 力 し て 推進 し て い る 。
宍粟郡 は 5 町 か ら な り 、 「 し そ う 森林王国」 の 言
取 り 組 ん で い る 。 標 高 は 約 525 m で 涼 し く 、 近 く に
葉 が示 す と お り 9 割 を 森林 が 占 め 、 水 田 の 6 割 は 棚
宿 泊 施設や サ イ ク リ ン グ ロ ー ド等 が整備 さ れ 、 時 間
田 で あ る 。 標 高 は 約 1 00 m か ら 650 m で 、 日 照 、 気温、
消 費 型 の 小規模 リ ゾ ー ト 地 を 形成。 毎年 2 万 人 の 来
用 水条 件 は 呆樹栽培 に 適 し て い る と は 言 え な い 。 し
園 があ る 。 り ん ご栽培 は 周 辺地域 に も 広 が っ て い る 。
か し 、 発想 の転換 に よ り 地域条件 を 克服 し 、 都市 と
千種 町 で は 鳥獣害 に 強 く 、 古 く か ら あ る 山 搬 を 、
の 交流型農業 に 取 り 組 ん で い る 。
転作 強化 に 対応 し て 1994年 よ り 本格 的 に 栽培 し て い
1
る 。 加工 品 に 佃 煮 、 山 根味噌等があ り 、 香辛料 と し
1 町 1 品果樹の選定 と 推進
て の 加工 も 研究 し て い る 。
山 崎 町 で は 1960年 か ら 、 ベ リ - A を 中 心 に ぶ ど う
栽培が行 わ れ 、 品 評 会 も 開 催 し 品 質 向 上 に 努 め て い
そ れ ぞ れ の 果樹 の 販売 は 、 各 町 に あ る 王国拠点施
る 。 藤 稔等大粒 品 種 を 導 入 し 、 品種構 成 も 変 わ り つ
設等 を 活 用 し て い る 。
つ あ る 。 販売 は 観光 も ぎ と り 園 、 道 の 駅等 を 活用 し
2
今後 の方向
成功 し た 事業 も あ れ ば、 消 え て い く 事業 も あ る 。
た直売であ る 。
安富 町 で は 199 1 年 か ら 、 棚 田 の 放棄 田 解消 の た め
し か し 、 時代 の ニ ー ズ と 地域条件 を 考 え た 方 向 性 は
ゆ ず栽培 を 行 っ て い る 。 町 内 6 カ 所 の モ デ ル 園 を 設
間 違 っ て い な い 。 人 に 理解 を 促す キ ャ ッ チ フ レ ー ズ
け 、 高齢者 に も 管理 し 易 い 低樹 高 栽培 を 普及 し て い
で 今後 も な お 一 層 、 果 樹 の 産 地 育 成 と 中 山 間 地 の 振
る 。 将来 は 青玉生産や加工 品 の 製造 も め ざ し て い る 。
興 を 推 し 進 め た い。
一 宮 町 で は 1992年 よ り 、 棚 田 で主幹型仕立 て の も
表
町 名
樹 種
山崎町 ぶ ど う
津田
l 町 l 品 果樹 の 現況
主 要 品 種
農家数
ベ リ - A ・ 藤稔
3
収 穫 期 間
栽培面積
0 戸 8 / 中 � 9 /下 3 . 9 ha
6 0戸
11月
5 . 5 ha
安富町
ゆ ず 木頭系
一宮 町
も
波賀町
り ん ご つ が る ・ 王林
7 6 戸 8 /下� l l/中 4 . 5 ha
千種町
山
7 2戸
も
亨 ( 山崎普及セ ン タ ー )
6 戸 7 /下� 8 /下 O . 8 ha
八幡 白 鳳
線 朝倉 山 線
ひ ょ う ご の 農業技術
5�6月
4 . 4 ha
園
地域 の 名 所 と な っ た 原観光 り ん ご 園
No. 1 00
平 成 1 0年 1 1 月 1 日 ( 隔 月 刊 )
l 部 250 円 ( 申 込先 ・ 県立中 央農業技術 セ ン タ ー )
兵庫 県 立 中 央農業技術 セ ン タ ー (0790) 47 - 1 1 1 7
兵庫県立北部農業技術 セ ン タ ー (0796 ) 74 - 1 2 3 0
兵庫県立淡路農業技術 セ ン タ ー (0799) 42 - 4 8 8 0
- 1 6一
1 0農 ① 1 -02 1
A 4