アフリカにおける環境と貧困 講義の主な内容 背景 アフリカと貧困

大阪大学2009年度1学期 サスティナビリティ学教育プログラム
GLOCOL協力科目 「環境と社会」「環境と社会特講」
講義の主な内容
環境と社会
2009年7月8日
アフリカにおける環境と貧困
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背景 アフリカと貧困
サバイバル VS 環境保護
環境問題1 天然資源採取
環境問題2 野生動物
環境問題3 森林破壊・砂漠化
グループワーク(改善策)
GLOCOL特任助教
Virgil Hawkins
背景
アフリカと貧困
• 独立しても経済的に自立ができない
– 「議会は引き渡すが、銀行は引き渡さない」
– 不安定なMonoeconomy状態が続く(債務問題も)
– インフラ投資は資源採取のためのみ
(工場、学校、病院は?)
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新政府の正統性・汚職問題(不安定・冷戦)
天然資源・土地のownershipは?(収益の何%?)
規制・関税・補助金等で自国産業を守る先進国
世界の貿易量のわずか2~3%
過去25年間で唯一経済成長していない大陸
‘developing countries’ or ‘underdeveloped countries’
環境問題1 天然資源採取
サバイバル VS 環境保護
貧しいアフリカでは明日のための環境保護の推進
は今日の人間の生活・生存を妨げることも・・・
Sustainability(環境保護)はよいが、
Survival(今日の人間の安全保障)が
犠牲になってもいいのか?
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サバイバル
資源による利益 VS
農業・狩り
VS 木材・エネルギー VS 灌漑・生活用の水 VS 環境保護
環境に優しい資源採取
生物及び環境保護
森林保存、砂漠化防止
川、 湖の生存
コンゴ民主共和国 Kolwezi市
• アフリカでの天然資源採取の場合・・・
– 先進国企業による採取が多い
– 政府による環境保護措置が甘い(汚染問題)
– 利益のほとんどは企業、残りは政府(一般市民は?)
– 貧しい住民が個人採取で生計を立てていることもある
貧
住 が個 採
生計を立
る
もある
• 国のサバイバル(予算)と住民のサバイバル(現
金収入)のバランスは?
• 事例
キンシャサ(首都)
コンゴ民主共和国
– コンゴ民主共和国(銅・コバルトの採取)
Kolwezi市
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コンゴ民主共和国 Kolwezi市
水の汚染
森林は?
オーストラリアの銅の鉱山
水の色に注目
Mount Isa市
大型鉱山
大型鉱山
Kolwezi市
(強制移動に?)
商業規模の銅・コバルト採取
個人による銅・コバルト採取
資源採取における貧困と環境問題
環境問題2 野生動物
貧困脱出
政府の収入
雇用増加
家庭レベルの
現金収入
外国からの
投資増加
商業レベルの
資源採取
• 野生動物の保護と貧困の関係
現地の資源が現
地のためになる
個人レベルの
資源採取
• 事例
環境問題
水・空気
の汚染
– 生態系保存のために野生動物の保護は重要視
– 絶滅の危機にある動物も少なくない
– 観光収入獲得にも、野生動物の保護は重要視
– しかし、一般人の収入源・安全への影響は大きい
しかし
般人の収入源 安全 の影響は大きい
– また、野生動物は資源(肉)でもある
森林破壊
浸食
生活環境
への破壊
– ザンビア(野生動物の保護・観光 VS 農業・安全)
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大阪大学2009年度1学期 サスティナビリティ学教育プログラム
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ザンビア Chiawa
ザンビア Chiawa
自給自足の農業
商業ベース
の農業
国立公園
(サファリもあり)
ザンビア
ルサカ(首都)
ジンバブエ
との国境線
ザンベジ川
Chiawa
ジンバブエ
の国立公園
ジンバブエ
野生動物と人間と環境
野生動物 貧困と環境問題
貧困脱出
雇用増加
外国からの
投資増加
現地の資源が現
地のためになる
政府の収入
観光
家庭レベルの
現金収入
農業
環境問題
生活環境
への被害
環境問題3 森林伐採
森林破壊
生態系
への被害
森林伐採
• 森林伐採と貧困の関係
– 森林伐採は生態系破壊や砂漠化につながる
– 地球の温暖化にもつながる
– しかし、森林はその国にとっては利用可能な資源
– 家庭にとっては重要なエネルギー源
家庭にと ては重要なエネルギ 源
• 事例
– 中央アフリカ(森林保護 VS 資源の有効利用)
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大阪大学2009年度1学期 サスティナビリティ学教育プログラム
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森林伐採 (中央アフリカ)
カメルーン
森林伐採 貧困と環境問題
貧困脱出
エネルギー源
政府の収入
外国からの
雇用増加
投資増加
緑色(濃い)
保護されている森林
黄色
森林伐採契約
(合法)
家庭レベルの
現金収入
森林伐採
緑色(薄い)
森林(75%以上)
環境問題
生態系
への被害
地球の温暖化
森林破壊
コンゴ民主共和国
おもしろい改善策① (ザンビア)
そこで問題
今日の問題から一つを取り上げ
具体的な改善策を出してみましょう
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小さな改善策でもよいので、現実的に考えましょう
Sustainability と Survival をどこまでバランスできる?
誰がどの立場に立って何をする?(政府・NGO・国際機関)
ミクロレベルでもマクロレベルでもよい
どのような問題・副作用が予想される?
野生動物に対してElephant Pepper
• Before
– 自給自足の農民たちの農作物は野生動物から
被害を受けてた
– 人間と動物との対立が絶えなかった
間 動物
絶
• After
– 作物にトウガラシを導入することで、野生動物が
よってこない
– トウガラシは換金作物として収入向上へ
– 「動物との共存」をアピール(ブランド成立)
20分間、グループ討議をしましょう
おもしろい改善策② (ニジェール)
森林再生と農業の共存
写真・地図の引用元
•
衛星写真(全般)
– Google Earth
•
空白のアフリカ地図
– neoafricanus.com
•
コンゴ民主共和国
– news.bbc.co.uk
– www.abc.net.au
– www.daylife.com
– www.kolwezi1977.be
– i138.photobucket.com
– cpn.canon‐europe.com
• Before
– 農民は耕すたびに木を切っていた
– エネルギー資源としてしか扱っていなかった
– 森林伐採と砂漠化が進んでいた
• After
f
– 砂漠化に気付き、木を切らずに、植え始める
– 政府も木の実・種・枝のビジネスを合法化する
– 森林再生を実現
(30年前に比べて20倍増加)
浸食・砂漠化
•
ザンビア
– home.mweb.co.za
– en.arocha.org
– www.mosaic-conservation.org
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GLOCOL協力科目 「環境と社会」「環境と社会特講」
写真・地図の引用元
•
•
森林伐採
– www.flickr.com
– news.bbc.co.uk
– www.forestalert.org
– www.planetearthpeaceparty.com
•
Elephant Pepper
– www.elephantpepper.org
•
森林再生
– www.nytimes.com
中央アフリカ
– www.whrc.org
www whrc org
参考文献
・John F. Oates 『自然保護の神話と現実―アフリカ熱帯降雨林からの報告』( 緑風出版、06)
・Global Witness www.globalwitness.org
・川端正久 『アフリカ・ルネサンス:21世紀の針路』 (法律文化社、03)
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