DV(ドメスティック・バイオレンス)とは 一般的に、夫や恋人、パートナー、元夫など、 親密な関係にある男性から女性への暴力をDV (ドメスティック・バイオレンス)という。 暴力の種類 暴力は被害者に様々な傷を負わせる。外傷という形で目に見える傷もあるが、目に見えない心の傷 (PTSD)や、暴力とは関係のないようにみえる身体の症状が現れることがある。暴力に耐えよ うとして感情が麻痺したり、イライラしたり、無力感、絶望感に打ちのめされたりする。 また、暴力を目撃することは、子供にとって、とてもつらく悲しいことである。それは精神的な虐 待にあたる。心身の成長に傷を残すことになりかねない(平成 16 年 10 月に施行された新しい児 童虐待防止法では子どもの目の前で行われる配偶者に対する暴力も虐待に定義づけられた)。 1. 2. 3. 4. 5. 6. 身体的暴力 精神的暴力 性的暴力 経済的暴力 社会的暴力 子ども利用した暴力 1身体的暴力 ○手拳で殴る ○平手で打つ ○小突く ○殴る ○蹴る ○殴るふりをする ○包丁を突きつける ○物を投げる ○髪を引っ張り、引きずり回す ○タバコの火を押しつける ○首を絞める ○階段から突き落とす ○怪我をしているのに病院に行かせない 2精神的暴力 ○何でも従えと言う ○発言権を与えない ○交友関係や電話の内容を細かく監視する ○外出を禁止する ○何を言っても無視する ○人前で侮辱する ○大事な物を捨てる、壊す ○怒鳴りつける ○嫌みを言う ○「誰のおかげで食えるんだ」と見下す ○「別れたら自殺する」と脅す 3性的暴力 ○見たくないのにポルノビデオを見せる ○暴力的な性行為をする ○避妊に協力しない ○中絶の強要 ○子どもができないことを一方的に非難 する ○意思に反した性行為の強要 ○他の女性関係を認めさせる 5社会的暴力 ○妻の生活や人間関係、行動に対して無視 したり制限をしたりする ○実家や友人との付き合いについて制限 をして妻を独占しようとする 4経済的暴力 ○生活費を渡さない ○外で働くことを妨害する ○洋服などを買わせない ○家計を厳しく管理する ○家庭の収入について何も教えない上に使わ せない ○妻の収入や貯金を勝手に使う ○借金を負わせる 6子どもを利用した暴力 ○子どもに暴力を加えたり、暴力を見せる ○妻から子どもを取り上げる ○子どもに母親を非難させたり、中傷するこ とを言わせる ○「子どもに危害を加える」と言って脅す 杏林大学医学部法医学教室 Department of Legal Medicine, Kyorin University School of Medicine
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