内科専攻医プログラム(循環器) 【はじめに】 当院は、東淀川区のみならず近隣の地域の基幹病院として循環器疾患の救急および一般診療に携わ っている。2007 年に心臓血管外科と協力して、協同する組織の有機的連携強化と診療レベルの向 上のため心臓血管センターを設立した。診療する疾患は、虚血性心疾患、心不全、不整脈、弁膜症、 心筋症、大動脈疾患などを網羅している。現在当院は日本内科学会認定医制度教育病院、日本循環 器学会指定循環器研修施設、等に認定されている。 【一般目標】 循環器の救急疾患にも十分対応できる高い専門性を有し、かつ総合的な内科的知識と視点と全人 医療の精神を身に付けた医師を育てるために、内科全般の幅広い知識・経験・技術の習得の上で、 循環器疾患についての更なる研鑚を積み、迅速かつ的確に患者様にアプローチして解決する能力 を育成することを目的とする。 【行動目標】 1) 循環器の機能、生理、形態、疾病の疫学、主要症状、身体所見、種々の検査、治療についての 知識と理解ができ、視診・触診・聴診などの理学的診察法に習熟すること。 2) 心疾患、大動脈疾患、動脈疾患、静脈疾患などの循環器疾患にとどまらず、内科の幅広い疾患 とのつながりを理解し、診断、治療を計画し、実践できること。 3) 検査・治療手技については各手技の目的、方法、合併症などの理解し、患者様へ説明ができ、 年次により自分で実施ができること。 4) 専門医資格の取得;日本内科学会認定医・専門医、日本循環器学会認定専門医に必要な知識・ 能力を習得し、2年次(卒後4年目)で内科認定医、5年次(卒後7年目)で循環器専門医、内 科専門医取得を目指す。 5) 臨床研究の参画と学会発表 【プログラム】 1) 1 年次(専攻医) 総合内科的な知識、経験、技術を深めるため内科(6 診療科から選択)、救急科および集中治療 科をローテートし、指導医と共に入院患者の主治医となる。 (ただし、希望すれば、集中治療科 以外はローテートせず、循環器内科専修も可能である)。剖検は必ず行うように努力する。学会 の地方会等への症例報告を心掛ける。 循環器内科としては、急性心筋梗塞などの救急疾患・心原性ショック・致死性不整脈・重症 心不全への対処、心肺蘇生術に習熟する。 《 到達目標 》 【検査】 (ア) 標準12誘導心電図の施行・判影 (イ) ホルター24時間心電図検査の施行・判読 (ウ) トレッドミル負荷心電図の介助・判読 13 (エ) 経胸壁心エコーの施行・読影、経食道心エコー,負荷心エコーの介助・読影 (オ) 負荷心筋シンチグラムの介助・読影 (カ) 右心カテーテル検査の施行・解釈、左心カテーテル検査の介助・血行動態の解釈 (キ) 大動脈,左室,冠動脈造影検査の介助・解釈 (ク) 心臓電気生理学的検査(ヒス束心電図)の施行・解釈 (ケ) ポリソムノグラフィー検査の施行と解釈 (コ) ティルトテストの施行と解釈 【治療】 (ア)循環器疾患に対する薬剤投与方法,特に緊急時の静脈内投与法 (イ)大腿・内頸・鎖骨下静脈穿刺,末梢動脈穿刺,止血 (ウ)心肺蘇生術 (エ)緊急一時的ペーシングの介助 (オ)電気的除細動 (カ)大動脈内バルーンパンピング(IABP)の介助と管理 (キ)冠動脈インターベンション適応の決定 (ク)心臓外科手術の適応の決定 (ケ)植え込み型ペースメ-カ-、植え込み型除細動器の適応の決定・管理 (コ)下大静脈フィルター留置術の介助 (サ)持続的陽圧呼吸療法(CPAP)や Bi-PAP (Biphasic positive airway pressure), ASV (Adaptive servo-ventilation)の理解と適切な施行 (シ)心臓リハビリテーションの理解と実践 2) 2 年~3 年次(専攻医) 循環器科専修となりあらゆる上級医と共に循環器疾患の診断、治療、診療を担当する。 基本的には 1 年次と同様であるが、更に正確性、習熟度を高める。 《 到達目標 》 【検査】 (ア) 経胸壁心エコー、経食道心エコー、負荷心エコー、血管エコーの施行・判読 (イ) トレッドミル負荷心電図の施行・判読 (ウ) 右心・左心カテーテル検査の施行・判読 (エ) 大動脈、左室、冠動脈造影検査の施行・判読 (オ) 心臓電気生理学的検査(ヒス束心電図)の施行・解釈 【治療】 (ア) 大動脈内バルーンパンピング(IABP)の挿入、簡易型人工心肺装置(PCPS)の管理 (イ) 冠動脈インターベンションの介助と単純病変に対する施行 (ウ) 血管内イメージング装置((VH-)IVUS, 光干渉断層法(OCT)) 、冠動脈血管生理学(プ レッシャーワイヤー、フローワイヤー)の理解と評価 (エ) シミュレーターを用いた冠動脈インターベンションの模擬訓練、最先端医療シミュレ ーター施設への派遣 14 (オ) 緊急一時的ペーシングの施行 (カ) 植え込み型ペースメーカー、植え込み型除細動器の植え込み介助と施行 (キ) 心嚢穿刺 (ク) 下大静脈フィルター留置術の施行 3) 4~5年次(スタッフとして採用された場合) 循環器科スタッフとして外来・病棟診療の中心的役割を果たし、専門医養成期間として循環器 専門医、また循環器関連学会の専門医取得を目指す。 【週間スケジュール】 月 8:30~9:00 火 8:00~9:00 アンギオ・手術 新患カンファ 水 木 金 8:30~9:00 8:30~9:00 8:30~9:00 新患カンファ 新患カンファ 新患カンファ (循環器病棟) (循環器病棟) (循環器病棟) 症例カンファ (循環器病棟) /新患カンファ (循環器病棟) 16:00~ 16:00~ 重症回診 カテ前カンファ (ICU・HCU) (アンギオ室) 18:00~19:00 抄読会・予演会 (循環器病棟) 17:30~ 17:30~ 入院症例 エコー カンファ カンファ (循環器病棟) (生理検査室) 15 土
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