February 2012 Volume 2, Number 11

PEN
ISSN 2185 - 3231
Public Engagement with Nanobased Emerging Technologies
N E W S L E T T E R
February 2012
Volume 2, Number 11
PEN February 2012
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Table of Contents
新連載 李相憲コラム ① ナノテクノロジー、 積極的かつオプーンな倫理的検討を… …………… 3
連載 生物規範工学 第六回
極限的な乾燥耐性をもつネムリユスリカから学ぶ ー 常温保存は可能か? ー……………………………………………… 6
海外動向… ……………………………………………………………………… 16
国内動向… ……………………………………………………………………… 20
Cutting-Edge Technologies
プレスリリースより…………………………………………………………… 24
インタビュー ………………………………………………………………… 31
豊蔵レポートより… ………………………………………………………… 33
台湾 ITRI レポートより……………………………………………………… 43
韓国 NNPC より… ………………………………………………………… 46
MEMS 関連情報より… …………………………………………………… 48
PE ヘッドラインより… ……………………………………………………… 50
バイオミメティックス研究会より… ………………………………………… 57
イベント案内… …………………………………………………………………… 59
編集後記… ……………………………………………………………………… 61
Column We are the 99%… ……………………………………………………………………………………… 15
Column 黄金のクモ、 コガネグモとジョロウグモ…………………………………………………………………… 23
Column 将来価値はリスクの向こうにある………………………………………………………………………… 47
Column 飛ぶことを忘れてしまった大きなハト……………………………………………………………………… 56
Cover:春はそこまで
立春を過ぎたころから、北へ帰るために群をなす冬鳥の姿を各地で見かけるようになります。
11 月ごろから霞ヶ浦周辺で北極圏の寒さを避けていたオオハクチョウやコハクチョウも、他の
越冬地から集まる仲間と共に繁殖地であるロシアのツンドラ地帯で夏を過ごすために旅立って
ゆきます。オオハクチョウは、 約 3000km、コハクチョウになると 4000km もの距離を移動し
ます。これまでに千島列島経由とサハリン経由の 2 つのルートが確認されています。ハクチョ
ウたちは平均して約 50km/h、気流にのると 100km/h のスピードで旅をします。
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新連載 李相憲コラム ①
ナノテクノロジー、積極的かつオプーンな倫理的検討を
韓国カトリック大学招聘教授、知識融合研究所主席研究員 李相憲
今月から新たに李相憲(イ・サンホン)氏によるコラムの
連載をはじめます。哲学博士の李相憲氏は、ナノテクノロ
ジー立国をすすめる韓国でカトリック大学の招聘教授なら
びに知識融合研究所の主席研究員を務めています。連載第
1 回目は、韓国で新興の科学技術であるナノテクノロジー
の倫理的側面についてどのような議論がなされているの
か、どのような議論が必要だと考えられているのかを紹介
します。
21 世紀を創ると予想される新興科学技術のなかでも、ナ
そらく自己組織化するセルフアセンブラーであろう。生命
ノ テ ク ノ ロ ジ ー は と り わ け 偉 力 的 で あ る。1 ~ 100 ナ
体のように、自らを複製できるナノロボットである。映画
ノメートルの極微細スケールの物質を扱うナノテクノロ
「ターミネーター」に登場する恐ろしい液体金属製ロボッ
ジ ー は、Nanotechnology、Biotechnology、Information
ト T - 1000 は、数百万個の自己複製できるナノロボット
technology、Cognitive science(NBIC)と呼ばれる収斂技
で作られていた。環境汚染物質を除去するために自然界に
術の中心テーマでもある。分子以下のスケールでは物質
散布したナノロボットが、突然変異により無限に増殖する
は、巨大分子スケールとは異なる機械的、光学的、磁気的、
なら、地球はナノロボットの世界となるかもしれない。生
電気的特性を持っているが、ナノテクノロジーは分子以下
物資源を餌にするナノロボットが無限増殖する状況、それ
のスケールで物質を扱うので、そのような特異な特性が活
により地球のすべての生物資源が短期間に消え去り、地球
用できる。代表的なナノ物質であるカーボンナノチューブ
が灰色の塊に変わる状況が来るかもしれない。いわゆるグ
(CNT)は引力と張力に優れ、宇宙エレベーターの建設が
レイグーのシナリオである。
想像できるほどで強靭である。また、人体に注入し、がん
細胞の位置を正確に探し出して破壊する医療用ナノロボッ
もちろん自己複製するナノロボットなどありえないと批
トや、スマートナノ物質で表面処理することで、掃除をし
判する人々もいる。その代表者的な例として、Bucky ball
なくてもいい床等もイメージされている。このようにナノ
の発見によりノーベル化学賞を受賞したライス大学の故
テクノロジーは日常生活、医療、軍事等様々な分野で驚く
Richard. E. Smalley は、Scientific American 誌 に Drexler
べき発展を期待させる。
が提唱した自己複製ナノマシンについて反論を寄稿した。
Smalley の主張が正しければ、当然灰色の塊の地球は想像
しかしながら、ナノテクノロジーに反対する人々は少なく
しなくてもいいだろう。ところが、このような話には示唆
ない。ナノテクノロジーに内在するリスクのためである。
的なところもある。それはナノテクノロジーのリスクの範
最も恐ろしいリスクは大きな便益と一緒にもたらされると
囲と重大さである。ナノテクノロジーのリスクは敢えて想
考えらえている。ナノテクノロジーの最終的な成果は、お
像力を駆使しなくても分かる。ナノ粒子の有害性は既に立
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証された事実ともいえる。代表的なナノ物質である CNT
地球全体の生命体を抹殺するかもしれない。このようなこ
は、これまで知られているどの物質よりも優れた物理的、
とから、ナノテクノロジーについては、より積極的な倫理
化学的特性から、車の排気口、戦闘機や戦車、燃料電池、
的原則を適用する必要がある。事前予防原則がナノテクノ
薄型ディスプレイ、スポーツ用品等に広く活用される見通
ロジーにおいて注目される理由でもある。
しであるが、2003 年米国化学会では CNT の毒性について
公式な報告が行われた。CNT を注入したマウスの肺組織に
事 前 予 防 原 則 は 環 境 問 題 と 密 接 な 関 係 を 持 っ て き た。
深刻な組織損傷が見出されたというものだ。
1992 年のリオデジャネイロにおける地球サミットでは、
環境に対する損傷が深刻であり、回復不可能だと予想され
ナノ粒子は既存物質に加えて、化学物質の特性を多様化し
る脅威に対し、事前予防原則に従い、費用対効果に見合っ
向上させることから、その効用性が広く期待される。産業
た対策を実行することを勧告する条項(15 条)が、リオ
分野は勿論、生活用品の性能向上、例えば抗菌作用、自動
宣言のなかに盛り込まれた。欧州連合(EU)も事前予防
浄化作用、防水作用、紫外線遮断性能等々、多様な製品に
原則を環境問題における主要な原則としている。
新しい機能を付与できる。しかし、ナノ粒子を吸入したマ
ウスが窒息死したとの研究結果もある。珪肺症から分かる
事前予防原則はナノテクノロジーのように、深刻であり広
ように、同一物質でも大きな塊はそれほど危険ではないか
範囲のリスクの可能性が高いが、科学的エビデンスが不十
もしれないが、微細スケールの粒子は致命的症を与えかね
分な場合に適用される。既知のリスクに対する科学的エビ
ない。普通ナノ粒子は微細粒子よりも遥かに小さなサイズ
デンスがないという理由から、リスクに対する問題提起が
なので、有害性がより高くなることも予想される。さらに、
無視されたこともあるが、事前予防原則では、科学的エビ
ナノ物質は生分解できないので、人体に蓄積されて深刻な
デンスよりリスクの深刻さがより重要に扱われる。勿論、
疾患の惹起する可能性も考えられる。また自然界に蓄積さ
科学的なエビデンスが全くない場合、虚構的リスクまで受
れる場合、いわゆるナノ汚染を懸念しなければならない。
容することではない。リスクについての十分なエビデンス
もなくて、ただ科学的不確実性が存在するだけの場合、当
革新的かつ偉力的な技術ほど、大きな便益をもたらすのだ
然科学的エビデンスが提示されなければならない。リオ宣
が、その分より大きなリスクを抱えていると考えるのが常
言で示されたように、深刻であり回復不可能な危険は問題
識かもしれない。ナノスケールはまだ人間が十分に理解で
である。事前予防原則は、責任ある科学技術の研究開発を
きていない超微視な世界なので、この領域での操作や処置
強調している。リスクのある研究に対する知見、リスクに
がどの程度のリスクをもたらすのか予測することが難し
対する予測能力ということから見ると、研究者と市民の間
い。特にナノテクノロジーは現在発展中の技術であり、導
には大きなギャップがある。そのため、リスク問題を提起
入段階の技術である。このような新興技術に対する倫理的
する側に科学的立証の責任を問うのではなく、研究を進め
考察は、これまで明らかにされたリスクにとどまらず、そ
ている側が研究の安全性に対する科学的立証の責任を負う
れを超える潜在的リスクに対しても検討されなければなら
べきことを、事前予防原則では受け入れている。
ない。もし現在までに明らかにされたリスクのみと、倫理
的な議論の範囲が制限される場合、ナノテクノロジーのよ
事前予防原則は様々な方法で定式化されつつあるが、ここ
うな新興科学技術に関する倫理的検討が限定的になるから
では大きく二つの解釈に分けてみる。まず、「事前予防原
である。このようなロジックから、ナノテクノロジーに対
則の厳しい解釈」 によると、リスクを誘発する行為は許容
する倫理的検討は、少しでもリスクの可能性が想定される
されない。その研究に危険性があるとしたら、その研究は
のであれば、例えそのシナリオが多少虚構じみて見えても、
進めてはいけない。この解釈では、危険性だけが考慮の対
きちんと行わなければならない。このような過程がなけれ
象となり、便益とリスクに対する費用対効果分析はない。
ば、我々はナノテクノロジーのような新興技術に対する倫
これに対して、「事前予防原則の弱い解釈」 によると、リ
理的検討を加える目的を果たしたとは言えないだろう。
スクが予想される場合、リスクを誘発する行動を禁止する
代わりに、リスクを最小化できる代替案的な行動を探すべ
ナノテクノロジーのリスクは、我々の知っている他の科学
きである。潜在的リスクが感知された場合、少しでもリス
技術のリスクと比較できない。最も近いのが、放射性物質
クの少ない代案を探し実行することが適切な対応という考
のリスクの程度であろう。しかし放射性物質のリスクは局
え方である。
地的である。もし数百個の核爆弾が同時に爆発したら、お
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そらく地球全体が危険に落ちるだろう。しかし、生物資源
事前予防原則の厳しい解釈を堅持すると、多くの科学技術
を餌にする自己複製するナノロボットは、極めて少数でも
の研究開発が難関にぶつかる。果たして科学技術の研究開
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発の中で、リスクを抱えていないものなどあるのだろうか。
[7] European Commission, A Code of Conduct for
勿論、リスクの程度に対して基準を設定することは可能だ
Responsible Nanosciences and Nanotechnolog ies
ろう。しかし、それにしてもこのような厳しい解釈は、新
Research, 2007.
興技術のように新しく開拓される研究開発分野に深刻な打
[8] A. Mnyusiwalla, et al., Mind the Gap: Science and Ethics
撃を与える。ある人々は、科学技術はリスクを甘受するこ
in Nanotechnology. Nanotechnology, 14(3), 2003, R9-
とにより発展してきたと主張するが、それが全くの不合理
R13.
だとも思えない。
[9] National Academy of Engineering, Emerging
Technolog ies and E thical Issues in Eng ineering,
一方、事前予防原則の弱い解釈は、科学技術の研究開発を
Washington, D.C.: The National Academies Press, 2004.
止めないまま、リスクを最小化する方策と見なされている。
[10] O. Renn and M. C. Roco, Nanotechnology and
この解釈では、深刻なリスクを抱えた研究であっても、全
the need for risk governance, Journal of Nanoparticle
面的に禁止すべきとはしない。ある一部の研究開発につい
Research, 8(2), 2006, pp.153-191.
ては、そのリスクが許容不可能ということがあるかもしれ
[11] Royal Society and Royal Academy of Engineering,
ないが、ほかの技術に対しては部分的にそのリスクを許容
Nanoscience and Nanotechnologies: Opportunities and
し、代案的技術の開発を促進することができるかもしれな
Uncertainties, 2004.
い。事前予防原則の弱い解釈は、その目的が科学技術の発
[12] T. Satterfield, et al., Anticipating the perceived risk of
展と同じ方向を向いているともいえる。
nanotechnologies, Nature Nanotechnology, 4(11), 2009,
pp.752-758.
科学技術の研究開発の目的は、人類の幸福の増進にある。
[13] R. E. Smalley, Of chemistry, love and nanobots.
科学技術の発達により、より豊かで自由な生活を提供する
Scientific American, 285(3), 2001, pp.68-69 The
とともに、潜在的リスクを最小化することでより安全な社
ETC Group, The Big Down: Atomtech - Technologies
会を提供することも大切だと考える。そのため、バラ色の
Converging at the Nano-scale, 2003.
未来を期待させる科学技術であっても深刻で回復不可能な
潜在的リスクが想定されるのであれば、そのリスクを除く、
もしくはそのリスクを最小化する措置を先行させるべきで
ある。このようなロジックからナノテクノロジーに対する
事前予防原則の適用は、ナノテクノロジーの本格研究が進
められている現時点において、技術の発展を止めるのでは
なく、むしろ技術の発展を促進するという認識から、積極
的な検討が必要と考える。
References
[1] 李 仁 植、「 一 冊 で 読 む ナ ノ テ ク ノ ロ ジ ー の す べ て 」
Godswin、2009
[2] Fritz Allhoff & Patrick Lin, Nanotechnology and Society,
Springer, 2008.
[3] Deb Bennett-Woods, Nanotechnology: Ethics and
Society, CRC Press, 2008.
[4] Donal P. O’Mathuna, Nanoethics: Big Ethical Issues
With Small Technology, continuum, 2009.
[5] Fritz Allhoff, Patrick Lin, & Daniel Moore, What Is
Nanotechnology and Why Does IT Matter?, John Wiley &
Sons, 2010.
[6] E. Drexler, Engines of Creation: The Coming Era of
Nanotechnology, New York: Anchor Books, 1986.
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連載 生物規範工学 第六回
極限的な乾燥耐性をもつネムリユスリカから学ぶ
ー 常温保存は可能か? ー
独立行政法人農業生物資源研究所 奥田隆
1. はじめに
場所を訪れると、彼らが驚異的な乾燥耐性能力を獲得した
背景というものを実感することができる。熱帯アフリカの
100 年以上前に作成したコケの乾燥標本を水に戻したら、
半乾燥地帯の花崗岩の岩盤の窪みにできた小さな水たまり
コケに付着していたワムシ(輪形動物門)
、線虫(線形動
にネムリユスリカ幼虫は棲む(図 1)[1]。
物門)、クマムシ(緩歩動物門)などの微小な生物が動き
出したという現象は、すでにレーベンフックの時代の 18
世紀初頭から知られており、その後の 19 世紀に提唱され
る自然発生説の根拠となった。1959 年、ケンブリッジ大
学のケイリンは、このミクロの生物たちの無代謝状態で
の活動休止現象をクリプトビオシス(Cryptobiosis:潜ん
だ生命)と呼び、低代謝状態の休眠(Dormancy: 広義の
休眠)とは区別して定義した。クリプトビオシス現象で着
目すべき点は、多細胞生物の細胞、組織は、蘇生可能な状
態で 10 年あるいは 100 年というタイムスケールで「常
温」で乾燥保存の可能性である。従ってクリプトビオシス
の分子機構、すなわち極限的な乾燥に伴って生じる様々な
ストレスから生体成分、細胞、組織がどのように保護され
ているのかを明らかにできれば、その仕組みを模倣するこ
とで、既存の冷蔵や冷凍保存ではなく、エネルギーを必要
図 1 ネムリユスリカの生息場所
アフリカ半乾燥地帯の花崗岩の岩盤にできた小さな水たまり。8 カ月
間におよぶ乾季の日中の岩盤表面温度は 50℃に達する。
としない未来型の常温保存技術の開発が可能になってくる
はずである。そこで、我々はクリプトビオシスを行う生
8 カ月におよぶ長い灼熱の乾季の間、干上がった水たまり
物の中で最も高等で大型なネムリユスリカ(Polypedilum
の底に溜まった乾いた土の中で乾燥した幼虫は次の雨季
vanderplanki )という昆虫を用いて、その驚異的な乾燥耐
を待つ。日中の岩盤の表面温度は 50℃にも達する。通常、
性の分子機構の解明を進めている。本稿ではこれまでの成
温度が 10℃上昇すると生体の代謝速度は 2 倍に増加する。
果と産業利用への可能性について紹介してみたい。
そこで彼らが生き延びるには、高温下にあっても代謝の上
昇が生じない戦略、すなわち「カラカラに乾いても死なな
い」能力を獲得する以外に方法はない。実際、乾燥幼虫を
2. 乾いても死なないネムリユスリカ
17 年後に再水和させたら蘇生したという記録があること、
また、国際宇宙ステーションの船外の極限温度と宇宙真空
6
アフリカの強烈な日射しを浴びると、メラニン色素の沈着
に 2 年半暴露した乾燥幼虫が水戻し後に蘇生したことから
が促され、なぜ現地の人々の肌が黒いのかを文字通り肌で
も [2]、乾燥幼虫が「無代謝」状態にあることがうかがえる。
感じることができる。同じように、ネムリユスリカの生息
雨季がきて水たまりに水が溜まると幼虫は吸水し、1 時間
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もすると何事もなかったかのようにで蘇生し、発育を再開
3. 乾燥耐性関連因子:トレハロース
する(図 2)
。
人間は生体水の約 10%を失うと危篤状態に陥る。乾燥に
強い生物でも 50%以上の脱水で致死する。一方、クリプ
トビオシス状態の個体は、ほぼ完全に脱水してもタンパク
質などに致命的な変性は生じない。それは彼らが適合溶質
と呼ばれるアミノ酸や糖などの低分子物質を例外なく蓄積
しているからである。例えば、甲殻類のブラインシュリン
プ(Artemia)の休眠卵は、乾燥重量当たり 14%のトレハ
ロースと 6%のグリセロールを貯めている。クリプトビオ
シス線虫も同様にトレハロースとグリセロールを合わせて
約 20%蓄積するが、種によってその含量比は異なる。ク
マムシは概してトレハロース含量が低く、多い種でも 2.5
~ 3%のトレハロース含量である。クリプトビオシスの植
物版であり復活植物と呼ばれるイワヒバもトレハロースを
高濃度で蓄積している。乾燥に強い高等植物は主にスク
ロースを適合溶質としている。
幼虫を 48 時間かけてゆっくり乾燥させた幼虫(これを
Slow と呼ぶ)は乾燥重量当り 20%に相当する大量のトレ
図 2 ネムリユスリカ乾燥幼虫のクリプトビオシスからの覚醒の様子
ネムリユスリカ乾燥幼虫は、水戻し後1時間ほどで覚醒する。乾燥
と覚醒のプロセスは可逆的で何度も繰り返すことができる。
ハロースを合成し(図 3A)
、それが体内全体に均一に分布
していることが赤外吸収スペクトル測定によって判明した
(図 3B)
。Slow サンプルを水に戻すとすべて蘇生する。一
さらに驚いたことに、ネムリユスリカ幼虫は、乾燥と蘇生
方、数時間で急速に乾燥した幼虫(これを Quick と呼ぶ)
を何度も繰り返すことができる。雨季の間でもしばらく雨
の体内には、わずかなトレハロースの存在しか認められな
が降らないと小さな水たまりの水は干上がってしまう。そ
かった。Quick サンプルを水に戻しても蘇生する個体は皆
んな日常的に起る干ばつに対して彼らはみごとに適応して
無であった。次にこれら蘇生率の異なる両サンプルの体内
いる。ネムリユスリカのクリプトビオシスは幼虫期のみで
の物理化学的な状態の把握を示差走査熱量計(Differential
見られ、卵、蛹、成虫期に乾燥耐性能力はない。すべての
scanning calorimeter, DSC)を用いて試みた。0 ~ 100℃
発育ステージでクリプトビオシスに入ることができるクマ
の範囲で 5℃ /min. でスキャンしたところ、蘇生可能なト
ムシとは異なる。オーストラリアの半乾燥地帯の岩盤の水
レハロースを蓄積している Slow では明瞭なガラス転移挙
たまりにも優れた乾燥耐性をもつユスリカ種 Paraboniera
動が観測されたが、トレハロースをほとんど持たない蘇生
tonnoiri が生息しているが、彼らの皮膚のクチクラ層はネ
不可能な Quick ではガラス転移が確認されなかった(図
ムリユスリ幼虫の 0.6 μ m に対して 4.9 μ m と厚く、身
4 下)[4]。Slow 幼虫を 80℃以上の温度処理をすると再水
体から水分を失わないようにしており、完全に乾いてしま
和後の蘇生率が急速に低下した(図 4 上)
。トレハロース
うと幼虫は水に戻しても蘇生しない。世界に 10,000 種い
の生体成分の保護機能は、ガラス状態からラバー状態に相
るユスリカ種の中でネムリユスリカ 1 種のみがクリプトビ
転移して失われた。ちなみにガラス転移の開始点は 56℃、
オシス能力を持つ。またネムリユスリカはアフリカ大陸以
転移中点(TG)は 65℃、終了点は 72℃であった。自然
外の場所では生息が確認されていない。これらの点でも、
界では、ネムリユスリカが棲息する岩盤の表面温度は日中
すでに 1,000 種類に種分化し、
世界中に(日本では 100 種)
50℃にも達するが、乾燥幼虫のガラス転移温度の終了点
生息するクマムシ [3] とは異なる(この相違点については
はそれ以上であることからクリプトビオシスは問題なく維
後述)
。
持される。トレハロースは糖類の中でもガラス化しやすく、
ガラス転移温度が高いという性質を持つ。これが、ネムリ
ユスリカが適合基質としてトレハロースを選択して乾季で
生き残ることに成功した理由の一つかもしれない。
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図 3 顕微赤外吸収スペクトル測定によるトレハロースの体内局在
幼虫を 48 時間かけてゆっくり乾燥させた幼虫(Slow)は乾燥重量当り 20%に相当する大量のトレハロースを合成蓄積し、水戻し
後すべての幼虫が蘇生した(左)。トレハロースは Slow 幼虫の体内全体に均一に分布していた(右)。
図 4 DSC 解析によるガラス転移温度(上)と熱耐性(下)との関係
蘇生可能なトレハロースを蓄積している Slow では明瞭なガラス転移挙動が観測された
が、トレハロースをほとんど持たない蘇生不可能な Quick ではガラス転移が確認され
なかった。Slow 幼虫を 80℃以上の温度処理をすると再水和後の蘇生率が急速に低下
した。矢印:ガラス転移温度(TG)
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一方でネムリユスリカの弱点も見えてきた。湿気はガラス
その後、種子や花粉以外の葉や根などの植物体全体からも
状態を保持するには不利な条件であることが物質科学の分
乾燥や塩ストレスで誘導されることが分かった。LEA タン
野でよく知られている。そこで Slow サンプルがガラス状
パク質は、一次構造と発現パターンの違いから Group 1 ~
態であることと、それが蘇生可能であることの関係をよ
6 に分類されている。これらグループ間で相同な配列は認
り明確にするため表に示すような吸湿試験も行った。ネ
められないが、共通して高い親水性を示す。また、通常は
ムリユスリカ乾燥幼虫(相対湿度 5%に保存)を相対湿度
構造を持たず、乾燥ストレスを与えるとα—ヘリックスの
98%の条件に移し 5 日間置くと、含水量 3%だったのが
コイル状に構造化する。乾燥ストレスを受けて構造を失う
吸水して 36%になり、DSC で計測するとガラス転移曲線
一般的なタンパク質とは逆の挙動を示す。2002 年に、植
が確認できなかった。体内に大量のトレハロースを蓄積し
物特異的なタンパク質と思われていた LEA タンパク質が、
ていても、それがガラスでなくなると生体成分の保護機能
クリプトビオシスする線虫、すなわち動物にも存在するこ
は失われ、幼虫は水に戻しても蘇生しなかった。ネムリユ
とが英国のタンナクリッフらによって報告された [5]。我々
スリカのクリプトビオシスは乾いたアフリカの大地でのみ
も Group 3 に分類される LEA タンパク質をコードする 3
成立するようで、実際、アフリカ大陸以外では生息してい
つの cDNA、PvLea1, PvLea2, PvLea3 をネムリユスリカ幼
ない。クマムシは概してトレハロース含量が低く、多い種
虫から単離し、乾燥に伴って発現されていることがわかっ
でも乾重の 2.5 〜 3%である。前述したようにクマムシは
た(図 5 左)
。それらをバキュロウィルスを用いて合成し、
世界中に生息域を拡大している。これは彼らが適合溶質と
15 分間煮沸したところ沈殿凝集しなかった(図 5 右)[6]。
してトレハロースを選択しなかったからかもしれない。
ネムリユスリカ幼虫が脱水していく過程で、細胞内外に存
在するタンパク質の濃縮が起こり、当然それらの疎水アミ
ノ酸残基同士が接触すれば不可逆的なタンパク質の凝集、
4. 乾燥耐性関連因子:LEA タンパク質
すなわちタンパク質変性の危険性が高まる。LEA タンパク
質は両親媒性であるため、生体膜やタンパク質などの生体
遺跡から発見された植物の種子が数千年のタイムトリッ
成分の疎水性の高い領域に結合することで乾燥に伴う凝集
プをして発芽したという話がある。この種子休眠はクリ
変性を防いでいる。さらに、ヘリックスの疎水表面同士が
プトビオシスと言ってよいかもしれない。概して植物の種
結合して多量体を形成することから、細胞骨格のような構
子は、乾燥に強い。種子が休眠に入っていく時、すなわち
造に変化し、あたかも鉄筋コンクリートの様にガラス化し
水分を失う後期胚発生期に大量に合成蓄積されるタンパク
たトレハロースによるマイクロカプセル様の構造を強化す
質が約 30 年前に報告された。LEA(late embryogenesis
ることで、乾燥に伴う細胞の過剰な収縮を防いでいること
abundant)タンパク質と命名され、やはり乾燥耐性のあ
もわかった。
る花粉の中にも大量に蓄積されることから、乾燥耐性に関
連したタンパク質と考えられている。
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図 5 クリプトビオシスに伴う LEA タンパク質の発現と性質
ネムリユスリカの LEA タンパク質(PvLEA1, PvLEA2, PvLEA3)は、乾燥ストレスによって発現が誘導された (A)。LEA タンパク
質を 15 分間、煮沸処理しても沈殿・凝集しなかったことから、LEA タンパク質の高い親水性を示す(B)。
5. 乾燥幼虫は生命体か物質か?
ラスはは水に戻すと速やかに溶ける。封入されていた幼虫
は吸水して速やかに蘇生する(この点でも有機溶媒でない
生物は「エネルギー散逸型」の構造体をもち、エントロ
と溶けない琥珀とは異なる)。将来、人間もクリプトビオ
ピーの増大を伴いながらもいつまでも組織だった低エント
シス(無代謝)状態で時間の逃避ができるようになるのだ
ロピー状態を維持している。一方、机や建物などの「物質」
ろうか?脳、心臓、腎臓、肝臓、消化管、血球など我々が
は、エネルギーの散逸なしに維持される「平衡」構造体で
持っている臓器をほとんど備えているネムリユスリカの幼
ある。ネムリユスリカの乾燥幼虫は「散逸」構造体ではな
虫が乾いても生き返る様子を観ていると、なんだかヒトで
いので、
「生命体」というよりも「物質」であると言える。
も不可能ではないような気がしてくる。
しかしその「平衡」構造もひとたび水を与えられると1時
間以内にエネルギー散逸型の構造体、すなわち「生命体」
へと変身する。ネムリユスリカは、
「物質」でありながら「生
6. 常温保存は可能か? (第 1 段階:有用タンパク質等の
命体」としての「情報」も持ち、更に「生命体」と「物質」
常温保存)
の間を行ったり来たりできる能力を持った高等生物である
と言える。
「生命体」と「物質」の間を移動するときに重
乳酸脱水素酵素(LDH)は多量体を形成し、フリーズドラ
要な役割を担う分子がトレハロースと LEA タンパク質で
イは困難とされている。試験管内で線虫由来の天然 LEA
あることはまちがいない。
タンパク質と LDH の混合液を作製し、乾燥させた後に再
水和させると、LEA タンパク質を加えなかった場合に比べ
10
琥珀に封入された昆虫が化石となって何億年も保存される
て、有意に LDH の活性が残存し、タンパク質の凝集も抑
ことがある。
「ジュラシックパーク」というサイエンスフィ
えられていた。このタンパク質抗凝集効果は、トレハロー
クション映画は、琥珀にトラップされていた恐竜の血液を
スの共存によって、さらに相乗的に増加した [7]。実用化
吸った蚊の中腸から恐竜の血液(白血球であろう:赤血球
する時に天然 LEA タンパク質を大量に得るにはコストが
と血小板は無核細胞だから)由来の DNA を抽出し、現存
かかる。そこで、東工大の桜井グループと共同で LEA タ
の爬虫類のお腹を借りて恐竜を復活させるという内容だっ
ンパク質のモチーフから 22 mar の LEA ぺプチドを合成し、
た。ネムリユスリカはトレハロースと LEA タンパク質で
それが天然 LEA タンパク質と同様にタンパク質抗凝集機
自らを生きたまま(この点が琥珀にトラップされた昆虫と
能があることがわかった [8]。両分子を使って例えばワク
は異なる)封入してガラスとなり、すなわち物質と化す。
チンなどの常温保存が可能になれば冷蔵庫のないアフリカ
琥珀と違ってトレハロースと LEA タンパク質でできたガ
僻地の人々の健康管理に貢献するものと期待される。この
PEN February 2012
場合、LEA ぺプチドの副作用が懸念されるが、早急に対応
策が講じられ実用化されることを期待する。
7. 常温保存は可能か?(第 2 段階:ネムリユスリカ由来培
養細胞の常温保存)
クリプトビオシスのできる動物の体内では、個々の細胞は
完全な乾燥状態から回復しているわけだから、これらの動
物から樹立した細胞系ならば完全な乾燥に耐える能力を
持っていると期待できる。そこで、ネムリユスリカの細胞
系の構築を試み、
その樹立(Pv11, Pv210)に成功した(図
6A)[9]。トレハロースを添加した培地に細胞を懸濁して
乾燥させ、再水和後に Calcein-AM と PI で染めてみると、
数は少ないながらも生存細胞が確認できた(図 6B)
。現在、
細胞の生存率と、生存した細胞の増殖能力を高める条件を
検討中で、極めて近い将来、普通郵便で郵送が可能な培養
細胞が誕生することになる。この培養細胞が乾燥耐性の仕
組みを明らかにするための有効なツールとなることはまち
がいない。
図 6 乾燥耐性のあるネムリユスリカ胚子由来培養細胞の構築
培養細胞 :Pv11(A)、Pv210 (B) の形態(左)と Pv11 の優れた乾燥耐性(右)
:赤が水戻し後、死んだ細胞、緑色は蘇生した細胞。
Sf9 は乾燥耐性のないヨトウ由来培養細胞。
PEN February 2012
11
8. 常温保存は可能か?(第 3 段階:動物細胞の常温保存
した結果、その遺伝子の翻訳産物にトレハロース輸送活
の試み)
性 が 認 め ら れ た。PvTRET1(Trehalose transporter of P.
vanderplanki の意味 ) と命名し、それがハムスターやマ
(1)米国のクローらの研究グループは、トレハロースの
ウス、ヒトの培養細胞でもトレハロース輸送活性を発揮
高い生体高分子保護機能を利用した輸血用血液の乾燥保
したことから、PvTRET1 の活性は、発現する細胞の種類
存法の開発を行なった。その結果、無核細胞である血小
に依存しないこと等がわかった [16]。これらの特性から
板については、エンドサイトーシスによるトレハロース
PvTRET1 が、食品や細胞や臓器の常温で乾燥保存技術の
の細胞導入法と凍結乾燥処理によって、約 2 年間の乾燥
開発のためのツールとして大いに貢献するものと期待され
保存に成功している [10]。
る。
(2)ピノサイトーシス能が細胞の種類に強く依存するた
め一般化が困難され、赤血球や白血球の常温保存は実現
していない。最近、イスラエルの研究グループが胎児臍
9. 実はネムリユスリカ乾燥幼虫の DNA は損傷していた!
帯血のフリーズドライに成功したと報告している。彼ら
はトレハロースに抗酸化因子(エピガロカテキン)を添
冒頭で「ネムリユスリカの乾燥幼虫を水に戻すと 1 時間ほ
加して乾燥ストレスを緩和している [11]。
どで蘇生する」と述べた。トレハロースと LEA タンパク
(3)細胞膜はトレハロースを通さない。米国のレビンら
質がクリプトビオシスに伴う様々なストレスから生体成分
のグループは大腸菌由来のトレハロース合成酵素遺伝子
や細胞膜を保護する重要な分子であることを紹介した。最
を人間の培養細胞に導入、発現させ、トレハロースを合
近の実験結果から、クリプトビオシスに伴う活性酸素の発
成させた後、蘇生可能な状態で細胞を 3 日間乾燥保存す
生、すなわち酸化ストレスによるタンパク質のカルボニル
る事に成功した [12]。これは、トレハロースを利用する
化や DNA 損傷の程度が、我々の予想を遥かに超えていた。
ことによって、3 日間という短い間ではあるが人間の細胞
すなわちトレハロースと LEA タンパク質だけではネムリ
が完全に脱水しながらも蘇生可能な状態で保存が可能で
ユスリカの生体成分を完全に保護できていないことが明ら
あることを証明したことになる。同様に作物にトレハロー
かとなった。ネムリユスリカからヒトの肝臓に相当する脂
ス合成酵素遺伝子を導入したところ、確かに乾燥耐性や
肪体細胞を摘出し、クリプトビオシスに伴う DNA 損傷の
低温耐性が高まったものの、花序の構築が乱れたり、矮
頻度をコメットアッセイ法(DNA が断片化すると電気泳
性化したりと未だに思わしい結果が得られていない。本
動によって、それが核膜を通過して流出しコメットのテー
来壊されるべき、損傷を受けたタンパク質をもトレハロー
ルのようになる)を用いて解析したところ、乾燥幼虫の
スが保護しまっているのが一因のようだ [13]。トレハロー
脂肪体細胞の 90% の DNA に切断が生じていた(アルカリ
スが必要でないときにいかにして細胞から排除するかが
条件下なので DNA 一本鎖の切断)[17]。しかし、再水和
重要課題である。
後、修復作業を行い、4 日後にはクリプトビオシス以前の
(4)米国のトナーらのグループは、細胞に穴をあける機
状態に回復させた(図 7A)
。小規模の DNA 損傷の修復に
能を持ったタンパク質遺伝子α -hemolysin を導入してト
関わる酵素遺伝子(Rad23 )は乾燥過程ですでに発現して
レハロースを細胞に取り込ませ乾燥耐性を高めることに
いた(図 7B)
。水戻し直後には 2 重鎖切断を修復する遺伝
成功した [14]。しかしポアやチャネルの基質選択性が極
子(Rad51 )が発現していたことから、再水和に伴う活性
めて低いため、トレハロース以外の物質が容易に細胞内
酸素の発生によって大規模な DNA 損傷が生じていること
外に流入、流出してしまい実用化に至っていない。
が予想された。
(5)トレハロースを細胞内に選択的に透過させ、速やか
にかつ容易に細胞質内のトレハロース濃度を制御するた
常温保存はトレハロースと LEA タンパク質を活用するこ
めには、細胞膜局在性のトレハロース特異的なトランス
とで容易に実現が可能だと単純に考えていたが、それは
ポーターを単離し利用できれば理想的である。ネムリユ
間違いであった。乾燥に伴う酸化ストレスによる影響を緩
スリカ幼虫は乾燥に伴いトレハロースを大量に合成・蓄
和するための抗酸化因子や損傷を受けた DNA などを修復
積することから、トレハロースの合成器官である脂肪体
する因子も付加する必要がありそうだ。特に、わずかな
の細胞膜にはトレハローストランスポーターが多く存在
DNA 損傷によってアポトーシスが誘導される動物細胞の
する事が予想された。実際、独自に作製したネムリユス
常温保存を実現するためには周到な対応策が求められる。
リカ EST データベースの中から [15]、糖トランスポー
ターにアノテーションされた EST クローンが見つかっ
た。それをアフリカツメガル卵母細胞の発現系で解析を
12
PEN February 2012
図 7 クリプトビオシスに伴う脂肪体細胞の DNA 損傷と修復
A: 乾燥に伴う活性酸素の発生、B: クリプトビオシスに伴う DNA 損傷と修復、C: ク
リプトビオシスに伴う DNA 修復酵素遺伝子の発現
10. おわりに
乾燥耐性の分子機構およびその能力獲得の進化を理解する
ためにもマラウィ個体群を失うことは人類にとって大きな
ネムリユスリカの生息がナイジェリア、 ブルキナファソ、
損失である。一過的な助成金の獲得では持続的な保護活動
モザンビーク、マラウィで確認されている。それぞれの個
はむずかしい。そこでネムリユスリカ自身が産業利用され、
体群を形態及び遺伝子レベルで詳細に比較することで、乾
その利益の一部を保護活動費に充てるというシステムの構
燥耐性すなわちクリプトビオシスの獲得の経緯を知ること
築が急務である。生物多様性条約の精神に則りマラウィ国
ができる。最近マラウィ個体群がナイジェリア本種とは別
から産業利用の許可を取得し、直ちにネムリユスリカを利
の種であることがわかってきた。さらに野外調査によって
用して商品化できるマーケットを探索した。クリプトビオ
マラウィ個体群が絶滅に瀕していることもわかってきた。
シス生物の代表、ブラインシュリンプ休眠卵は既に学校教
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13
材や観賞魚や養殖魚の餌として世界中で利用されている。
ネムリユスリカの教材化は理科教材会社「ウチダテクノ」
と共同開発を進めている。さらに魚類のための「乾燥保存
が可能な生き餌」としてのネムリユスリカ乾燥幼虫のポテ
ンシャルを引き出す作業も進めている。ウナギやクロマグ
ロなどの完全養殖を効率よく行うための重要課題は「仔魚
に適切な餌を与える」ことである。仔魚の人工飼料の開発
は困難とされている。なぜなら仔魚が消化酵素を持たない
ため、摂取した生き餌が持つ消化酵素に頼る必要があるか
ららだ。ネムリユスリカは、そのサイズからブラインシュ
リンプやワムシの後に与える乾燥保存可能な生き餌として
利用されることが期待されている。様々な分野でネムリユ
スリカの特性を生かした活用法が検討されている。
References
[1] H. E. Hinton Nature, 188, 336 (1960)
[2] 奥田隆、
「非常識な生物たち」
、Newton 4 月号(2010)
[3] 鈴木忠、
「クマムシ ?!」
、岩波科学ライブラリー(2006)
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[5] J. Browne et al. Nature 416, 38 (2002)
[6] T. Kikawada et al. Biochem. Biophys. Res. Commun.
348, 56-61 (2006)
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[10] W. F. Wolkers et al. Cryobiology 42, 79-87 (2001)
[11] D. Natan et al PLoS ONE. 4, e5240 (2009)
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(2000)
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(2010)
[16] T. Kikawada et al. Proc. Nat. Acad. Sci. USA 104
11585-11590 (2007)
[17] O. Gusev et al PLoS ONE. 5, e14008 (2010)
14
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Column
We are the 99%
米国議会予算局 (CBO) の富の分配に関するデータによると、2007 年、アメリカではわずか 1% の富裕層の市民がアメ
リカの富の 34.6% を占有し、続く 19% の裕福な市民層が 50.5% の富を占有していた。このデータが示しているのは、
20% の富裕層がアメリカの富の 85.1% を占有し、残りのわずか 14.9% の富を中低所得者層と呼ばれる 80% の市民で分
け合っている事実である。世界的な不況の 2008 年、アメリカ経済も大きく混乱した。ここに注目すべき事実がある。経
済混乱の後、1% の富裕層の占有する富が 34.6% から 37.1%にまで増えたことである。必然的に、中低所得者層 80% の
市民への富の配分は 14.9% から 11.1% へ、さらに低下した [1]。
2011 年 9 月 17 日、アメリカ経済界、政界に対する抗議運動 "Occupy Wall Street" が起きた。デモに集まった若者は、
もう一つのスローガン "We are the 99%" に、トップ 1% の富裕層による富の寡占と、それを許してきたアメリカ政府の
税制への批判を込めた [2]。
オバマ大統領は1月 24 日 に行った State of the Union Address、いわゆる一般教書演説のなかで、年収 100 万ドル以上
の富裕層を対象にした増税案を示した。有名な投資家である Warren Edward Buffett 氏を引き合いにして、"Right now,
Warren Buffett pays a lower tax rate than his secretary." と、現行の税制の問題点を指摘した [3]。これに対して共
和党系のマスメディアは、
「オバマ大統領のミリオネアへの増税案はポピュリズムである」と、一斉に批判を展開した。
Warren Buffett 氏自身 、“Raising taxes will not change my behavior” と応じている [4]。
市場原理あるいは競争原理の社会に経済格差は必然であるし、政府が必要以上に経済活動に干渉しないことも理解できる。
ただ、不均衡な富の分配に対して、社会保障制度のような富の再配分の枠組みを作ることは政府の重要な仕事のはずだ。
「す
べての人間は平等につくられている。創造主によって、生存、自由、そして幸福の追求を含む侵すべからざる権利を与え
られている。これらの権利を確実なものとするために、人は政府という機関をもつ。」これはアメリカ独立宣言の冒頭の一
文である。
[1]
http://www.forbes.com/sites/deborahljacobs/2011/11/01/occupy-wall-street-and-the-rhetoric-of-equality/
[2]
http://en.wikipedia.org/wiki/Occupy_Wall_Street
[3]
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2012/01/24/remarks-president-state-union-address
[4] http://www.huffingtonpost.com/2012/01/26/billionaire-buffett-raising-taxes_n_1232625.html
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15
【リスクコミュニケーション、意識調
査】
ナノテクノロジーに対して米国民は
好意的(1202.2.3)
研究開発を取り巻く様々な条件は大
きく変わらないが、今のところナノ
テクノロジーに対して、遺伝子組み
換え技術や幹細胞研究に対するよう
な大きな反発は起きていない。米国
サウスカロライナに住む 76 名を対
象に複数年にわたる意識調査を行っ
たネバダ大学の Susanna Priest 氏は、
「一般に科学技術に親しみをもってい
るという米国民の文化的な土壌や、
海外動向
遺伝子組み換え技術のように文化的
な秩序を危うくするようなことはな
いだろうという認識が、このような
ナノテクノロジーへの好意的な反応
を生み出している」と分析している。
また、ナノテクノロジーのリスクコ
ミュニケーションに関しては、「不確
かなリスクについて適切なコミュニ
ケーションを図らなくてはならない
という困難がつきまとうものだ」と
指摘した。
http://the-scientist.com/2012/02/03/opinion-noobjections-to-nano/
【食品応用、管理策、コミュニケーショ
ン】
ナノテクノロジーの食品応用、現状
のまとめ(2012.1.31)
Nanowerk が、 ナ ノ テ ク ノ ロ ジ ー の
食品応用の研究開発の現状をまとめ
た。レポートによれば、消費者団体
からの反発を恐れ、企業は積極的に
公開してはいないものの、研究開発
と製品の開発は順調に進められてい
る。脂肪分を減らしつつ食味を維持
する食品添加物が開発中であり、ナ
ノサイズのカプセルによる栄養補助
食品は一部の国では製品の流通が始
まっているという。また、米国の食
16
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品医薬品局の Duncan 氏の「研究開発の状況に比べ、企業
た昨年 12 月に他の消費者保護団体とともに食品医薬品局
はその内容について消費者とのコミュニケーションを十分
に対してもナノ材料の適切な管理を求める訴えを起こして
にとっているとはいい難い」との指摘や、
「時間も労力も
いる。
かかるが、企業はパブリックエンゲージメントを将来への
http://www.icta.org/files/2012/01/January-26-2012-ICTA-RELEASE-NRC-Report-
投資と捉えて積極的に取り組むべきだ」とするコメントを
final-PR.pdf
紹介している。
http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=24155.php
【化学物質管理、政策】
環境保護団体、殺菌剤への銀ナノ材料の使用制限を求めて
【EHS、化学物質管理】
EPA、SNUR へ の パ ブ リ ッ ク コ メ ン ト 期 間 を 延 長
(2012.1.30)
米国環境保護庁(EPA)は 17 物質を新たに上市前届出の
対象とする重要新規利用規則(SNUR)適用に関してのパ
ブリックコメントの募集期間を延長した。2011 年 12 月
28 日に公示された SNUR 対象の 17 物質にはカーボンナ
ノチューブもしくは、CNT と記載されている物質が 7 件
含まれている。これは全米鉄鋼労働組合などの要望に応え
るもので、パブリックコメント期間は3月中旬まで延長さ
EPA を訴える(2012.1.26)
米 国 の 環 境 保 護 団 体 Natural Resources Defense Council
(NRDC)が、環境保護庁(EPA)に対して殺菌剤への銀ナ
ノ材料の使用に制限を加えるよう求める訴えをサンフラン
シスコの連邦巡回控訴裁判所に起こした。NRDC は、
「EPA
が人間や野生生物に有害な影響が及ぼす可能性があるにも
関わらず、銀ナノ材料を用いた殺菌剤を十分なデータを要
求しないまま、流通することを許している」と非難してい
る。
http://www.nrdc.org/media/2012/120126.asp
れた。
http://nanotech.lawbc.com/2012/01/articles/united-states/federal/epa-extendscomment-period-for-proposed-snurs/
【管理策、政策、EHS】
米国 NRC、ナノテクノロジー研究開発には適切な戦略が必
要と指摘(2012.1.25)
【EHS、評価手法開発】
米国の研究者ら、ナノ材料の環境影響評価に関して提言
(2012.1.26)
米国クレムゾン大学の研究者ら、適切なナノ材料の管理策
を策定を支援やナノ材料に対する市民の信頼感を醸成する
ためになすべきこと、既存の汚染物質の評価パラダイムは
ナノ材料に用いることができるのか、などについて検討し、
提案をまとめた。
米国学術研究会議(NRC)の専門家パネルは、
「米国の
NNI のプログラムをはじめ、多くの国や機関がナノテクノ
ロジーの環境、健康、安全(EHS)に取り組んでいるが、
ナノテクノロジー製品の増加に EHS の課題への理解は追
い付いていない」と指摘した。研究と研究成果が上手につ
ながるように、適切な方針にしたがって研究戦略を策定す
る必要があるとし、「このような研究戦略の実現には相互
に独立したしっかりとしたマネジメントと予算的権限を持
http://www.merid.org/en/Content/News_Services/Nanotechnology_and_
つ組織が必要」と述べている。また NRC は現在ナノ材料
Development_News/Articles/2012/Jan/26/journal_article.aspx
の EHS 研究の際に用いられている暴露シナリオも、いず
れ修正が必要と考えている。
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=13347
【リスク管理、化学物質管理】
米 国 の NGO、NRC の ナ ノ 材 料 に 関 す る 見 解 を 歓 迎
(2012.1.26)
米 国 の International Center for Technology Assessment
(ICTA)は、学術研究会議(NRC)が環境保護庁(EPA)
【量子ドット】
高品質グラフェンナノシートと量子ドットの環境に優しい
作製方法の開発(2012.1.18)
の求めに応じて召集した専門家パネルによる「市場に流通
アルスター大学の多国籍研究グループが、高品質なグラ
しているナノ材料の健康と環境への影響は明らかになって
フェンナノシートと量子ドットを作製する新しい方法を開
いない」
という見解を歓迎するコメントを出した。ICTA は、
発した。安価なフレーク状の黒鉛を用いた新手法は、既存
専門家パネルの見解を EPA が真摯に受け止め、適切な対
の手法に比べて、簡単、低コスト、しかも環境に優しいプ
応を取ることを期待していると述べている。ICTA はこれ
ロセスで、大規模生産が可能である。
までにも EPA に対して銀ナノ材料の使用制限を訴え、ま
http://nanotechweb.org/cws/article/yournews/48319
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17
【標準化】
【政策、投資】
インド、国際標準の国内化の促進を強化(2012.1.17)
ペルー、科学と産業の連携強化(2012.1.12)
インド標準化機関(BIS)は、
ナノテクノロジー、
省エネ技術、
ペルー政府は、大学や公的研究機関と産業界の科学技術
再生可能エネルギー、バイオなどの新興の技術分野におけ
研究における連携を促進するための新しいプロジェクト
る国際標準の国内化を優先的に進めると発表した。また、
「Innovation for Competitiveness」に 1 億ドルを投資する
インドの国内標準と国際標準の調和を図ることで、国内製
ことを約束した。今後 7 年間に、ペルー政府からの資金の
品の安全性と質の向上を目指す。インドは ISO/TC229 の
他に Inter-American Development Bank からの 3600 万ド
P メンバーである。
ルの投資を予定されている。ペルー政府は 3 月中には科学
http://www.deccanjournal.com/bis-working-on-nano-technology-standard/
技術、イノベーション、競争力に関する基本戦略の草案を
作成する予定でいる。
http://www.nature.com/news/peru-to-boost-science-industry-links-1.9798
【政策】
EC、 イ ノ ベ ー シ ョ ン 促 進 の た め の 新 戦 略 を 公 開
(2012.1.13)
【EHS】
欧州委員会(EC)の科学と社会との関わりについて検討
銀ナノ粒子の細胞毒性に表面の化学修飾がどのように影響
するためのプログラム Science in Society より、 新しいレ
するのかを解明(2012.1.12)
ポートが公開された。レポートは、新興の科学技術の倫理
米国オークリッジ国立研究所の研究チームは、2010 年の
的枠組みのあり方について検討を加えている。
「ICT とセ
研究において油脂オレイン酸でコーティングされた銀ナノ
キュリティ分野における責任ある研究の実施とイノベー
粒子は細菌にとって無害であることを明らかにし、銀ナノ
ションのために」と題されたレポートでは、プライバシー
粒子の表面の化学修飾が細菌や真核細胞にどのような影響
とデータの保護がトピックとして取り上げられている。ナ
を与えるのか研究を進めた。今回 4 種の異なる表面修飾
ノテクノロジー、バイオメトリックス、バイオメディカル
を施された銀ナノ粒子をラットの肺細胞と免疫細胞に暴露
などの新興科学技術とプライバシーやデータ保護に関して
し、有害性を評価した。アンモニアを含むポリマーで修飾
Science in Society プロジェクトで実施されている研究成
した銀ナノ粒子が最も毒性が高く、これにタンパク修飾銀
果や活動がまとめらてれている。
ナノ粒子、オレイン酸修飾銀ナノ粒子が続いた。表面を修
http://www.nanotechproject.org/news/archive/9236/
飾していない銀ナノ粒子が最も毒性が低いことが観測され
た。また、肺細胞はいずれの表面状態の粒子においても免
疫細胞に比べ影響が少なかった。
【保険リスク、EHS】
保険会社、ナノテクノロジーが保険に及ぼす影響について
http://cen.acs.org/articles/90/web/2012/01/Coatings-Influence-NanoparticleToxicity.html
分析(2012.1.13)
再保険大手の Gen Re 社は、ナノ材料に掛ける保険商品へ
の潜在的な影響を分析評価し、その結果を公開した。Gen
Re 社は、調査対象には複数のナノ材料を取り上げている
が、アスベストとの比較で、とくにカーボンナノチューブ
に着目して分析を加えている。その結果に基づいて、ナノ
テクノロジーは保険業界にとって大きなリスクとなる可能
性を指摘し、保険契約は材料メーカーから関連の情報を入
手するなどして、ナノ材料を取り扱うのに適切な内容に調
整すべきだと助言している。
【ノーベル賞】
ノーベル賞受賞者、ナイトに(2012.1.12)
英 国 の ノ ー ベ ル 物 理 学 賞 受 賞 者 の Andre Geim 氏 と
Konstantin Novoselov 氏の功績を讃えて、新たにナイト
に叙勲されることが明らかにされた。新年恒例の Queen’s
New Year’Honors List に両名の名が掲載されている。
http://www.nanolawreport.com/2012/01/art icles/knights-of-the-nanotable/#axzz1kBrjJFVy
http://www.innovationsgesellschaft.ch/index.php?section=news&cmd=details&news
id=574&teaserId=4&setLang=2
【リスク管理、EHS】
スイス政府、ナノ材料廃棄物のリスク管理のための調査実
施(2012.1.10)
ナノ材料の製造・加工により生成する廃棄物の管理のため
の基本的な指針策定のため、スイス連邦環境局(FOEN)
18
PEN February 2012
の委託を受けて実施された調査の結果が公開された。本調
また、ナノ粒子のサイズや表面化学によってナノ粒子を覆
査では、繊維の加工に用いられる銀を対象に、一連のライ
うタンパク質が異なるプロファイルを持つことが明らかに
フサイクルプロセスを分析した。
された。
http://www.innovationsgesellschaft.ch/index.php?section=news&cmd=details&news
http://www.emsl.pnl.gov/news/viewArticle.jsp?articleId=302
id=572&teaserId=4&setLang=2
【EHS】
アルツハイマーの治療に有望なナノ粒子の開発(2012.1.9)
米国のバッファロー大学の研究グループはミバエを用いた
試験によって、ナノ粒子が細胞を損傷したり、脳の通常の
活動を阻害しないことを明らかにした。研究グループは蛍
光タンパクで標識されたシリカナノ粒子を吸入と食餌によ
りミバエの神経系に導入することに成功し、しかもミバエ
に影響がないことを確認した。
http://www.buffalo.edu/news/13116
【グラフェン】
コ ロ ン ビ ア 大 学 教 授 Philip Kim 氏、 母 校 ソ ウ ル 大 学 へ
(2012.1.6)
米国のコロンビア大学の教授 Philip Kim 氏が母校ソウル大
学の教壇に立つことが明らかにされた。Kim 氏は、
グラフェ
ン研究でノーベル賞候補に挙がったこともある物理学者。
2012 年 3 月から 2 年間、ソウル大学招聘講座を受け持つ。
また、同大物理天文学部に所属し、研究も行う。ソウル大
学の物理学科には、グラフェンと関係がある「凝縮物理」
を研究する教授が半数を占めており、共同研究を通して大
きな研究成果を上げることが期待されている。Kim 氏はソ
【感染症、コミュニケーション】
Twitter、すばやくコレラ発生を検知する方法として浮上
(2012.1.9)
非公式な情報源である Twitter などのオンラインの情報源
が生産するデータが、初期段階でコレラの発生を正確に把
握する手段となる可能性が、ハイチでの調査を基に指摘
された。公式な発生数の増減と Twitter でのつぶやきの数
も増減が呼応していることを、調査を実施した米国のハー
バード大学医学部の研究グループが確認したもの。研究グ
ループは、Twitter などの非公式なオンラインの発生情報
は都市部を中心としたものになるという地理的偏向を認め
ウル大学で学んだ後、ハーバード大で博士号を取得した。
2001 年からコロンビア大学の教授として活躍している。
Kim 氏がグラフェン研究の分野で頭角を現しはじめていた
2004 年に、英国の Andre Geim、Konstantin Novoselov の
両氏がグラフェンを黒鉛から分離することに成功した。そ
の後 2010 年に英国の二人はノーベル賞を受賞した。Kim
氏は直後の中央日報のインタビューへ「残念でないといえ
ば嘘になるが、科学者の最終目的は賞ではない」、「研究を
通して多くのことを学んだ。本当に楽しい時間だった」と
答えている。
http://japanese.joins.com/article/152/147152.html?servcode=400&sectcode=420
つつ、行政の公式報告のおおよそ 2 週間前にはオンライン
上に現れるので、このような非公式データを疫病の発生の
初期の指標として、公式な情報と組み合わせて用いること
ができるのではないかと考えている。
【EHS、政策】
OIG、EPA の構造的欠陥を指摘(2012.1.5)
http://www.scidev.net/en/new-technologies/icts/news/twitter-data-accurately-
連邦政府機関の監査機関である監察総監室(OIG)は、米
tracked-haiti-cholera-outbreak-1.html
国環境保護庁(EPA)のナノ材料の管理について分析した
レポートを公開した。OIG はレポートのなかで、
「ナノ材
料の環境、健康、安全への正確なデータなしには EPA は
【EHS】
ナノ材料の適切な管理はできないだろう」と結論づけて
ナノ粒子とタンパク質の相互作用を解析(2012.1.9)
いる。OIG は、データの収集と蓄積にかかるコストに言及
パシフィックノースウェスト国立研究所の研究グループ
し、
「EPA は現在の予算規模ではこのようなコストを負担
が、タンパク質レベルでのヒトとナノ粒子の相互作用につ
しきれないのではないか」との疑問を呈している。また、
いて研究を行った。研究グループはナノ粒子表面に付着す
情報の共有が十分に行われていないと指摘しており、こ
る血漿タンパクのキャラクタリゼーションのための新しい
の点について環境 NGO の Environmental Defense Fund の
解析手法を開発し、タンパクとナノ粒子の相互作用の膨大
Richard Denison 氏は、「EPA が企業から情報を収集する際
なデータを作成することに成功した。データを分析し、ナ
に機密情報の保護を手厚くしすぎている」と批判している。
ノ粒子は 5 分もかからずにタンパク質の膜で覆われてお
http://www.newhavenindependent.org/index.php/archives/entry/epa_watchdog_
り、タンパク質とナノ粒子の相互作用は非常に速いこと、
nano_efforts_need_work/
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19
「原子力組織改革法案等の閣議決
定に関する国会事故調委員長声
明」を発表
国会は 1 月 31 日に原子力組織改
革法案および原子力安全調査委員
会設置法案を閣議決定した。これ
に対して東京電力福島原子力発電
所事故調査委員会の黒川清委員長
は 「理解できない」 として直ち
に抗議する意思を表明した。2 月
2 日になり、黒川委員長は、当委
員会が設置されている国会に対し
て、「法案の今後の見直しと国会
における責任ある対応を求める声
明」 を発表した。
http://www.naiic.jp/wp/wp-content/
uploads/2012/02/Seimei_20120202_ja.pdf
「Announcement by the
C h a i rm a n of th e Fu ku sh i ma
Nuclear Accident Independent
国内動向
Investigation Commission
Regarding the Cabinet
Decision on the Nuclear Power
Organization Reform Bill」
http://www.naiic.jp/wp/wp-content/
uploads/2012/02/Seimei_20120202_en.pdf
20
PEN February 2012
第 2 回科学技術イノベーション政策推進懇談会
バイス基盤技術」を刊行した。グリーンイノベーションの
先月号の国内動向ですでに述べたとおり、平成 24 年1月
中心課題のひとつと考えられる電気エネルギー貯蔵技術を
以降第 179 回臨時国会で退任に伴う有識者議員3名の後
取り上げ、2030 年以降を見据えた長期的観点に立って、
任人事が採決されていないことから、総合科学技術会議
現在研究が進められている各種二次電池の今後の研究開発
が開催できない状況にある。このような状況に鑑み、内閣
課題と推進上の諸課題についてとりまとめている。
府においてイノベーション政策上必要な検討を行うに際し
http://crds.jst.go.jp/output/pdf/11sp04.pdf
て、総合科学技術会議有識者議員、専門委員の協力を得る
ため、科学技術イノベーション政策推進懇談会が開催され
ている。1 月 26 日、中央合同庁舎 4 号館において第 2 回
東日本大震災アーカイブプロジェクト「エアクルーズ 震
科学技術イノベーション政策推進懇談会が開催され、第4
災前後の記録」を公開
期科学技術基本計画の推進について議論が行われた。会議
東北大学およびグローバル・サーベイ(株)は、東日本大
に合わせて、資料「第4期科学技術基本計画の推進につい
震災の被災地の記録画像をサイト「エアクルーズ 震災の
て」において、第4期基本計画における科学技術イノベー
画像記録」で公開する。グローバル・サーベイ社は、東北
ション政策推進策が示された。そのほか、
「科学技術イノ
大学による東日本大震災アーカイブプロジェクト「みちの
ベーション戦略協議会の設置について」
、
「平成 24 年度科
く震録伝」の賛同・協力機関。本サイトは、今回の震災の
学技術関係予算案の概要について」
、日本アイ・ビー・エ
被災地を中心にして、同社技術によって東日本大震災の被
ム株式会社最高顧問北城恪太郎氏提供の資料等が公開され
災地である宮城県の女川町や石巻市雄勝周辺の道路走行画
た。
像を撮影・処理して公開するもの。
http://www8.cao.go.jp/cstp/stsonota/kondankai/2kai/siryo2.pdf
http://global-survey.net/AirCruise/
http://www8.cao.go.jp/cstp/stsonota/kondankai/2kai/siryo3.pdf
http://www.dcrc.tohoku.ac.jp/archive/menu03.html
http://www8.cao.go.jp/cstp/stsonota/kondankai/2kai/siryo4.pdf
http://www8.cao.go.jp/cstp/stsonota/kondankai/2kai/paper1.pdf
2011 年度技術トレンド、産総研 /TASC の成果も選出
平成 23 年度科学技術戦略推進費及び科学技術振興調整費
プロジェクトの評価
1 月 26 日、科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学
技術会議有識者議員との会合が有識者議員懇談会として開
催され、平成 23 年度の科学技術戦略推進費及び科学技術
振興調整費による実施プロジェクトの中間・事後評価結果
等が議論された。
日本経済新聞は 1 月 24 日、2011 年度の主要な技術開発
成果を評価する技術トレンド調査をまとめ、公表した。記
録密度を 7 倍に向上させた東北大学の新型磁気ヘッド、京
都大学などが開発した軟骨を映すX線装置、大阪大学等が
開発した塗れる電子素子、日立の新原理トランジスタ、東
工大のセメントから半導体ガラス等々、対象となった 203
件の候補のなかから 10 件が選ばれた。同時に、
「実用・新規・
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20120126/siryobun-02.pdf
話題」の評価で上位の成果も公表され、産総研と単層 CNT
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20120126/siryobun-03.pdf
融合新材料研究開発機構(TASC)などが開発した「ゴム
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20120126/siryobun-04_1.pdf
の導電性を 3000 倍以上に向上させた技術」が 9 位にラン
クインした。これらの技術は 24 日付日本経済新聞 1 面お
よび 10 面で詳細が説明された。
平成 24 年度科学技術関係予算案の概要
1月 12 日(木)、内閣府において科学技術政策担当大臣
等政務三役と総合科学技術会議有識者議員との会合が開か
れた。議論された平成 24 年度科学技術関係予算案につい
ては予算のポイントと概要が公開された。
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20120112/shiryosi-1.pdf
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20120112/shiryosi-2.pdf
(31 ページに関連インタビュー記事があります。)
2012 年(第 28 回)日本国際賞受賞者決定
公益財団法人国際科学技術財団は 2012 年(第 28 回)日
本国際賞受賞者を決定し公表した。分子標的治療薬の開発
で白血病治療に道を開いたジャネット・ラウリー博士ら 3
氏と世界最高性能の永久磁石を開発し省エネに貢献した佐
川眞人博士に贈られることになった。
次々世代二次電池・蓄電デバイス基盤技術に関する提言
http://www.japanprize.jp/press.html
1 月 26 日、科学技術振興機構研究開発戦略センターは、
提言書「戦略イニシアティブ 次々世代二次電池・蓄電デ
PEN February 2012
21
ES 細胞で視力改善
生命倫理懇談会
1 月 24 日の NHK ニュースは、アメリカの研究チームが、
1 月 17 日、内閣府において生命倫理懇談会が開催され、
体のあらゆる組織や臓器になるとされる「ES 細胞」を用
議事次第と関連資料等が公開された。
いて、目がほとんど見えない人の視力を改善させたことを
http://www8.cao.go.jp/cstp/stsonota/kondankai/life/1kai/index.html
報じた。カリフォルニア大と民間企業との共同研究の成果
で、目の疾患によりほとんどものが見えない患者に、ES
細胞由来の網膜細胞を移植したもの。文字を読めるまでに
東北地方太平洋沖地震発生前に見られたゆっくりすべりの
回復したという。
伝播の影響指摘
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120124/t10015498231000.html
東京大学地震研究所の加藤愛太郎氏らが、2011 年 3 月
11 日の東北地方太平洋沖地震のおよそ 1 カ月間に発生し
た地震活動を解析し、本震の破壊開始点へ向かうゆっくり
平成 24 年度科学技術関係予算案の概要を公表
すべりの伝播がほぼ同じ領域で 2 度にわたって起きていた
1 月 12 日、科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学
ことを明らかにした。ゆっくりすべりの伝播が引き起こす
技術会議有識者議員との会合が開催され、平成 24 年度科
力の集中により、本震発生が促進された可能性が考えられ
学技術関係予算案の概要について議論が行われた。資料、
る。
平成 24 年度科学技術関係予算案のポイント(速報)と、
http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/2012/01/aitarokato_science/
概要が公開された。予算総額 36,695 億円、対前年度 0.6%
増となっている。
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20120112/shiryosi-1.pdf
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20120112/shiryosi-2.pdf
国産技術で深海目指す、江戸っ子 1 号
東京の下町の工場が力を合わせて深海を目指すプロジェク
トが発進。海洋大学、芝浦工業大学、
(独)海洋研究開発
文部科学省所管研究開発独法統合へ
1 月 18 日、奥村展三文部科学副大臣は文部省所管の 8 独
機構の専門家とも連携し、様々なと工夫でコストを抑え、
技術開発を進め、2012 年中の試験潜水を目指している。
http://edokko1.jp/
法研究機関の統合についてコメントした。これは行政刷新
会議での独法改革に関する議論の内容に関する記者の質問
に答えたもの。副大臣は、
「文科省としては 8 法人を 1 法
人に統合するという基本方針で、民主党の行政改革調査会
や政府の行政刷新会議、内閣府にお願いをしてきた」と、
統合の方針で進めたいとの意向であると答えた。8 独法を
「文部科学省科学技術研究開発機関(仮称)
」として総合研
究所化する案は、今後野田首相を議長とする政府の行政刷
新会議で見直しが行われた後、法案の改正を含めて国会で
第 4 期科学技術基本計画推進体制に関する議論
1 月 19 日に総合科学技術会議有識者議員懇談会を非公開
で開催、主な議題は第 4 期科学技術基本計画推進体制であ
るが、後日開催の科学技術イノベーション政策推進懇談会
の準備のための検討であるため非公開とされた。公開資料
もない。
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/index.html
の議論に移る。なお、文部科学省所管の研究開発 8 独法と
は、宇宙航空研究開発機構、日本原子力研究開発機構、科
学技術振興機構、理化学研究所、海洋研究開発機構、放射
線医学総合研究所、物質・材料研究機構、防災科学技術研
究所を指す。
1 月 20 日、政府の行政刷新会議による独法改革案がまと
まった。現在の 102 独法を 4 割削減し 65 独法に再編す
る基本方針が示された。文部科学省関係の研究開発 8 独法
のうち統合対象となったのは科学技術振興機構、理化学研
究所、海洋研究開発機構、物質・材料研究機構、防災科学
技術研究所の 5 独法である。
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1314955.htm
22
PEN February 2012
信州大の CNT 訴訟、元教授の請求棄却
カーボンナノチューブ(CNT)の有害性研究の公表を妨害
されたとして信州大医学部の元教授が、大学と工学部教授
を相手に 1000 万円の損害賠償を求めた訴訟で、長野地裁
松本支部は被告らの賠償責任を否定、元教授の請求を棄却
した。元教授は控訴する方針とのこと。
http://mainichi.jp/area/nagano/news/20120112ddlk20040057000c.html
Column
巣を編むナガコガネグモ
黄金のクモ、コガネグモとジョロウグモ
コガネグモはクモ類のなかでも特に身近なクモです。メスで体長が 2 センチメートルほどになる大型の
クモです。ほぼ円形の巣をかけ、常に巣の中心で下を向いて獲物を待ち構えます。巣を指でつつくと糸
を振動させて威嚇してくるなどかなり攻撃的です。この攻撃性を利用してコガネグモ同士を戦わせるク
モ合戦を観光の目玉にしているのが鹿児島県姶良市加治木町です。毎年6月の第 3 日曜日になると、手
塩にかけた自慢のクモを手に、各地から参加者が集まります。
コガネグモと同じくらい身近なクモにジョロウグモがいます。姿もコガネグモに非常によく似ています。
ジョロウグモのかける巣は横糸が黄色いため、巣に光があたると金色に輝きます。現在、英国の博物
館 Victoria and Albert Museum にはクモの糸だけで織られた布を使った豪華なケープが展示されてい
ます。アフリカ大陸の東に浮かぶマダガスカル島に生息するジョロウグモの仲間で金色の糸を紡ぎだす
Golden Orb spider の糸を集めて作られたものです。1 匹の Golden Orb spider から採れる糸は一日わ
ずか 0.0012 グラムほどなので、着想から完成までに 4 年の歳月がかかっています。そのための残念な
がら金色の美しい布地の産業化は難しいそうです。
Victoria and Albert Museum
http://www.vam.ac.uk/content/articles/g/golden-spider-silk/
PEN February 2012
23
【光変換機】
光集積回路と光ファイバーの直接光
結合技術 通り抜ける信号光を拡大
縮小する微小な光変換器を高性能化
(2012.2.3)
産総研、日本電気(株)
産総研は NEC の協力により、シリコ
ンフォトニクスによる光集積回路(光
CUTTING-EDGE
TECHNOLOGIES
IC)と光ファイバーとの直接光結合
技術の高度化を達成した。この技術
は、光ファイバーの信号光を光 IC の
光導波路に高効率で入出力するため
の技術である。従来の直接結合では、
光ファイバーに比べて光導波路が格
プレスリリースより
段に細いことや両者の屈折率の違い
から、光信号の損失が大きいことが
課題であった。今回、光導波路を伝
わる信号光の直径と結合端面の屈折
率を同時に変換することができる新
しい構造の光変換器を適用すること
で、一端面あたりの光損失 1 dB 以下
が可能な高効率の光結合技術を開発
することができた。本技術によって、
光 IC と標準的な光ファイバーとの低
損失の光結合が可能になり、光結合
のための組み立て工程も容易になる
ことから、多チャンネル光 IC の低コ
スト化にも貢献すると期待される。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/
pr20120203/pr20120203.html
24
PEN February 2012
【免疫細胞ゲート】
【種の分化要因】
免疫細胞の中枢神経系への侵入口と仕組みを世界で初めて
甲虫の種多様化要因の新説 飛翔能力の退化が種分化を促
解明 脳や脊髄系の病気の新たな予防、治療へ(2012.2.3)
進(2012.2.1)
大阪大学、科学技術振興機構(JST)
京都大学
大阪大学は、JST 課題達成型基礎研究の一環として、末梢
京大の研究チームは「適応的に飛翔能力が退化した系統で
神経系が活性化することで、中枢神経系の脳や脊髄に免疫
は、移動力が低下して、異所的種分化が促進され、種が増
細胞の入り口となるゲートがつくられ、そのゲートを通過
加する」という仮説をたて、ヒラタシデムシというグルー
して病原性のある免疫細胞が血管から中枢神経系に侵入
プでその仮説を検証した。その結果、昆虫の中でも特に種
し、病気が発症することを分子レベルで明らかにした。
数が多い甲虫において、飛翔能力の退化が種の多様化の主
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120203/index.html
要な推進力となってきたことを確認した。
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=302016&lindID=5
【バイオエタノール製造】
バイオエタノール製造コストを大幅削減 自己熱再生理論
【CAGE 解析】
を用いた省エネ蒸留プロセス実証試験(2012.2.2)
1 分子 DNA シーケンサーを使った CAGE 解析の自動化に
東京大、新日鉄エンジニアリング(株)
成功 遺伝子発現を定量解析する CAGE 解析のスピードが
両者は、NEDO の委託事業「セルロース系エタノール革新
約 5 倍向上(2012.1.31)
的生産システム開発事業」において、バイオエタノール蒸
理化学研究所
留プロセスの設計に自己熱再生理論を導入し、実証試験に
理研は、最先端である 1 分子 DNA シーケンサーに、遺伝
よって従来の蒸留プロセスで消費するエネルギーを約 85%
子転写開始点とその発現量をゲノムワイドに解析できる
削減できることを確認した。自己熱再生理論を実証したの
独自開発の CAGE 法を適用し、わずか 100 ナノグラムの
は今回が世界初。
RNA 解析に成功しているが、この装置にかけるためのサ
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_240202_j.html
ンプル調製は手動で行っており、長い時間と手間が必要
だった。 そこで、このサンプル調製にかかる期間を短縮
するため、調製工程の自動化に取り組み、1 度に調製でき
【磁気発生過程】
るサンプル数を 16 から 96 に増やした。また、8 つのサ
強磁場実験で磁気の量子力学的発生過程を検証(2012.2.1)
ンプルへ同時に液体を注入できるロボットアーム、複雑な
東京工業大学、東京大学
温度調節が可能なプログラマブルインキュベーター、蛍光
共同研究グループは、量子効果が顕著とされる三角格子反
プレートリーダーなどを備えた「サンプル調製プラット
強磁性体「アンチモン酸バリウムコバルト(Ba3CoSb2O9)」
フォーム」を構築、自動化に成功した。実際に CAGE 解析
の磁気の発生過程を強磁場実験で初めて検証した。
を行ったところ、手動で実働 42 日間かかっていたサンプ
http://www.hyoka.koho.titech.ac.jp/eprd/recently/research/research.php?id=27
ル調製期間を 5 分の 1 の 8 日間に短縮し、ヒューマンエラー
も回避した。
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2012/120131/index.html
【抗がん剤の排出機構】
がんを養う血管においても薬剤耐性が起こることを発見
(2012.2.2)
【メラニン色素の逆行性輸送】
北海道大学
メラニン色素の逆行性輸送の仕組みを解明 白髪予防の
従来の抗がん剤治療によって耐性を獲得するのはがん細胞
新たな分子標的として期待(2012.1.30)
のみであり、血管内皮細胞は薬剤抵抗性を獲得しないと信
東北大学
じられてきた。しかし今回の研究では、がん細胞からの
東北大は、メラニン色素が微小管に沿って通常とは逆向き
VEGF 刺激により、腫瘍血管内皮細胞が薬剤抵抗性関連遺
に輸送される「逆行性微小管輸送」の仕組みを初めて解明
伝子 Multidrug Resistance gene(MDR1)の発現亢進によ
した。
る抗がん剤の排出機構を獲得し,治療抵抗性に関わるとい
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2012/01/press20120130-01.html
うことを世界で初めて解明した。
http://www.hokudai.ac.jp/bureau/topics/press_release/120201_pr_den.pdf
PEN February 2012
25
【メガソーラー発電所】
【帯電微粒子のウイルス抑制効果】
山梨県米倉山にメガソーラー発電所が完成(2012.1.27)
帯電微粒子水にウイルスに抑制効果があることを検証 耐
東京電力、山梨県
性の高いウイルスや未知のウイルスに対する効果を期待
両者は山梨県甲府市米倉山地点にメガソーラー建設をす
(2012.1.26)
すめてきたが、27 日、
「米倉山太陽光発電所」の運転を開
パナソニック(株)
始した。米倉山太陽光発電所は、最大出力 10,000kW、年
同社は、水に高電圧を加えることで生成されるナノサイズ
間発電電力量は一般家庭約 3,400 軒分の年間使用電力量に
の帯電微粒子水「ナノイー」について、ウイルスクリアラ
相当する約 1,200 万 kWh、これによる CO2 削減効果は、
ンス試験を実施し、ウイルスに対して抑制効果があること
年間 約 5,100t(一般家庭約 1,000 軒分の年間 CO2 排出量
をドイツの優良試験所基準(GLP)に適合した試験機関で
に相当)を見込んでいる。
ある Charles River Biopharmaceutical Services 社と共同で
http://www.tepco.co.jp/cc/press/12012701-j.html
検証した。4 種のウイルスに対し、ウイルス感染価を 6 時
間で 99%抑制する効果があることを確認した。
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn120126-1/jn120126-1.
【超高性能ろ過フィルター】
html
オイルを浄化できる超高性能ろ過フィルターを開発 ナノ
細孔中の高速粘性透過を世界に先駆けて実証(2012.1.27)
物質・材料研究機構、科学技術振興機構
両者は、中核機能部門電子顕微鏡ステーションとの共同で、
直径約1ナノメートルの細孔を持つ極薄の多孔性カーボン
膜を開発することに成功した。高強度のカーボン膜を形成
させることで、約 35 ナノメートルの薄さでも優れた力学
的強度を有するろ過フィルターを作製することに成功し
た。カーボン膜の内部には、直径約1ナノメートルの流路
が無数に形成されており、有機溶媒を超高速で透過させる
ことができる。オイルの1成分であるヘキサンの透過速度
は、230L/h・m2・bar を超えており、不純物のモデル物
質として用いたアゾベンゼンの阻止率は 90%以上であっ
た。この処理速度は、同等の性能の市販のフィルターと比
【ケータイ電話による患者支援】
携帯電話による糖尿病患者様向け支援サービスを拡充 スマートフォンにも対応した無料サービスを新規に提供
(2012.1.26)
富士通(株)
同社は、昨年より富士通製携帯電話と血糖測定器を連携さ
せ自動で血糖値を記録し、データ管理などを行う、クラウ
ドサービスを有料で提供してきた。このたび糖尿病患者の
生活習慣の改善から治療の支援まで幅広くサポートする
「からだライフ 糖尿病サポート」に無料サービスを追加し、
1 月 26 日より提供する。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2012/01/26.html
較して、約 3 桁大きい。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120127/index.html
【インフルエンザウイルス検出】
新型インフルエンザウイルス検出に期待の新技術が登場 【準粒子】
自然界の基本粒子とは異なる「準粒子」の存在が期待され
る電子状態を世界で初めて解明 エラー発生率が非常に低
い新しい量子計算の手法に期待(2012.1.27)
日本電信電話(株)
、科学技術振興機構
両者は、自然界の基本粒子であるフェルミ粒子やボーズ粒
子とは異なる非アーベリアン準粒子の存在が期待される電
子状態を世界で初めて解明した。本成果は、5/2分数量
子ホール状態という非常に純度の高い半導体結晶中におい
てのみ実現される特殊な電子状態を、両者が独自に開発し
た高感度核磁気共鳴法により測定することで得られた。今
後、準粒子の実証実験を行い、エラー発生率が非常に低い
新しい手法の量子計算(トポロジカル量子計算)の応用を
検討する。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20120127_2/index.html
26
PEN February 2012
独自開発した RT-SmartAmp 法を適用し迅速かつ高感度の
検出が可能に(2012.1.26)
理化学研究所
新型のインフルエンザ発生時に適切で迅速な治療を行うた
めに、ウイルスを高速・高感度で検出できる方法が望まれ
ている。理研は DNA 増幅法の SmartAmp 法と逆転写酵素
反応を組み合わせた「RT-SmartAmp 法」を開発した。鼻
腔や気管の分泌液から直接インフルエンザウイルスのゲノ
ム RNA を DNA に変換、増幅して検出するので、検出時間
が 40 分以内と大幅に短縮された。また、タンパク質レベ
ルで検出する従来の簡易検査キットと比べて、遺伝子レベ
ルでの正確さと、SmartAmp 法が持つ優れた DNA 増幅能
により 100 倍もの高感度が実現できた。インフルエンザ
治療薬「タミフル」に耐性を持つウイルスや新型変異ウイ
ルスの検出にも対応可能。
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2012/120126/index.html
【マルチフェロイック薄膜】
マルチフェロイック薄膜に生じる大きな電気分極の起源を
解明(2012.1.24)
【CFRP】
炭 素 繊 維 強 化 プ ラ ス チ ッ ク 特 許 総 合 力 ラ ン キ ン グ
(2012.1.26)
東京大学、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、理化学
研究所
東大と理研は昨年、マルチフェロイック性を示すマンガン
パテント・リザルト(株)
酸化物薄膜(マルチフェロイック薄膜)作製に成功した。
同社は炭素繊維強化プラスチック関連技術について、参入
今回、同薄膜が示す大きな電気分極の起源を調べるため、
企業の競争力に関する調査を行い、特許の質と量から総合
KEK と共同で、X 線回折によって磁気構造と格子歪みを測
的に見た「特許総合力ランキング」を集計した。 集計の
定した。その結果、①スピンがらせん状に並ぶ「サイクロ
結果、1 位は東レ、2 位は帝人、3 位は三菱レイヨンとなっ
イダル」とスピンが 180 度逆向きに並ぶ「E 型反強磁性」
ている。
という 2 つの磁気構造が、共存した状態となっていること
http://www.patentresult.co.jp/news/2012/01/CFRP.html
と、②サイクロイダル状態が小さな電気分極を生むことに
加え、E 型反強磁性が結晶構造の歪みから大きな電気分極
を生じることが、本物質の電気分極の起源であることを明
【体細胞クローン作製】
体細胞クローン作製の成功率が低い原因を解明 クローン
らかにした。
http://scienceportal.jp/news/press/laboratory.html
胚の染色体を生きたまま観察する技術を開発(2012.1.25)
理化学研究所
1997 年にクローン羊「ドリー」の誕生が報告されてから
【ReRAM】
15 年経つが、クローン作製の成功率はいまだに低い。理
新メモリ(高速不揮発性抵抗変化型メモリ、ReRAM)の
研は、初期胚の分子や構造の時間変化を胚を傷つけずに生
開発に成功 64M ビットメモリセルアレイ動作を確認
きたまま長時間観察できる技術を開発し、クローン胚の発
(2012.1.24)
生開始から着床期直前までの 3 日間、連続的に観察して、
エルピーダメモリ(株)
体細胞クローンマウスが生まれる条件を解析した。その結
エルピーダは、次世代新メモリの一種である高速不揮発性
果、成功率が低い最大の原因は、初期胚の発生時に起こる
抵抗変化型メモリ ReRAM の開発に成功した。回路線幅が
染色体の分配異常にあることを突き止めた。
50nm の製造技術プロセスを用いた試作品で、ReRAM で
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2012/120125/index.html
は世界最高レベルの大容量となる 64M ビットのメモリセ
ルアレイ動作を確認したもの。本開発は、NEDO との共同
研究事業であり、シャープ(株)
、産総研および東京大学
【インフルエンザウイルス遺伝子の立体構造】
インフルエンザウイルス遺伝子の立体構造の解明
との共同実施として進めている。
http://www.elpida.com/ja/news/2012/01-24r.html
(2012.1.25)
東京大学
東大の研究グループは、走査型透過電子顕微鏡を用いた電
【GaN 基板】
子線トモグラフィー法により、インフルエンザウイルス粒
低コスト大口径 GaN 基板の製造に成功 4 インチ径及び 6
子内に取り込まれたウイルス遺伝子(リボヌクレオ蛋白質
インチ径量産ラインの整備を開始(2012.1.24)
複合体)の立体構造を明らかにした。得られた立体構造か
住 友 電 気 工 業( 株 )、S.O.I.TEC Silicon On Insulator
ら、8 種類のウイルス遺伝子分節が核酸様のヒモ状構造物
Technologies S.A.
を介して互いに結合し、一つの超複合体を形成することが
住友電工とフランスの Soitec 社は、2010 年 12 月に薄膜
明らかになった。
GaN 基板の開発に関して協業を開始し、住友電工の高品質
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/research/papers/post_36.php
自立 GaN 基板製造技術と、Smart Cut 技術で業界をリー
ドする Soitec の半導体極薄膜の剥離・転写技術を組み合わ
せ、大口径自立 GaN 基板から複数枚の薄膜 GaN 基板を製
造する技術について、共同で開発を進めてきた。この 4 イ
ンチ径及び 6 インチ径の薄膜 GaN(窒化ガリウム)基板
の製造に成功し、このたび量産に向けたパイロット製造ラ
PEN February 2012
27
インの整備を開始した。
な分子の運動の操作は、狙った所への分子の運搬や分子ロ
http://www.sei.co.jp/news/press/12/prs008_s.html
ボットの基礎に役立つ技術となる。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2011/120123_1.htm
【CFRP】
ナノ構造制御技術による炭素繊維強化熱可塑性プラスチッ
【スギ花粉】
クの新規複合化技術開発(2012.1.24)
スギ花粉が、アレルゲン以外にもヒトの細胞に対する有害
東レ(株)
性を持つことを実証(2012.1.19)
同社はナノ構造制御技術の追求により、射出成形用の炭素
ダイキン工業(株)、京都大学
繊維強化熱可塑性プラスチック ( 熱可塑 CFRP) における炭
両者は共同研究により、スギ花粉がアレルゲンとしてヒト
素繊維と樹脂の新たな複合化技術を開発した。この技術の
に作用するだけでなく、ヒトの鼻や喉から肺へとつながる
適用により、長繊維の炭素繊維強化でありながら、相反す
粘膜を構成する気道上皮細胞に炎症を引き起こし、細胞を
る要件である熱可塑樹脂中での炭素繊維の分散性と接着性
一部破壊する有害性を持つことを明らかにした。さらに、
を高いレベルで両立しており、少ない使用量でも効率よく
強力な酸化分解力を持つ当社独自のストリーマ放電をスギ
補強効果を発現させることができる。同等の強度を持たせ
花粉に照射することで、その有害性が抑制されることも実
たガラス繊維強化プラスチックと比較して 20% 以上の軽
証した。
量化の実現が可能となった。
http://www.daikin.co.jp/press/2012/120120/index.html
http://www.toray.co.jp/news/rd/nr120124.html
【グラフェンの非熱的還元】
【iPS 細胞】
パーキンソン病の細胞移植治療を検討するためのサルモデ
提案 グラフェン製造の新たな方法を第一原理計算でシ
ル評価系を確立(2012.1.24)
ミュレーション(2012.1.19)
京都大学、理化学研究所
産総研
両者は共同研究により、ヒトの iPS 細胞からフィーダー細
産総研は、時間依存第一原理計算によりフェムト秒レー
胞を使わず浮遊培養のみでドーパミン神経前駆細胞を誘導
ザーを照射した後の酸化グラフェンの構造変化をシミュ
することに成功した。さらに、この細胞をパーキンソン
レーションすることにより、効率良く酸化グラェンを還元
病モデルのカニクイザルの脳内に移植し、6 カ月に渡って
してグラフェンを作製するのに適したレーザーの波形を見
ドーパミン神経細胞が生き残ることを確認した。また、移
出した。この還元方法は、化学物質を用いたり、高温で処
植細胞の増殖や機能の解析を、MRI(核磁気共鳴画像法)、
理したりしない方法で、パルス幅の広い(~ 200 fs)フェ
PET(ポジトロン断層法)
、免疫組織学的手法、行動試験
ムト秒レーザーによる還元よりも、還元反応に伴う発熱を
などで複合的に行い、霊長類における評価系を確立した。
抑制できるため、グラフェンに欠陥が発生するリスクが少
この評価系は、ヒト iPS 細胞由来神経細胞の移植の効果と
ない。この還元方法を応用すれば酸化グラフェンの印刷塗
安全性を確かめる前臨床試験に役立つ。
布によるグラフェン電極製造技術への貢献が期待される。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2011/120124_1.htm
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120118/pr20120118.html
【DNA 分子モーター】
【緑レーザーモジュール】
DNA 分子モーターの動きをナノスケールでコントロール
最大出力 100mW 以上の小型・高効率で高速変調可能な波
する事に成功-ナノ・メゾ空間での分子ロボットの開発へ
長 532nm 緑レーザーモジュールを開発 ライフサイエン
(2012.1.23)
京都大学、オックスフォード大学、科学技術振興機構 (JST)
科学技術振興機構(JST)課題達成型基礎研究の一環とし
28
フェムト秒レーザーによる酸化グラフェンの非熱的還元を
ス用分析、産業用精密計測や超小型プロジェクタへの適用
に期待(2012.1.19)
(株)QD レーザ、東京大学、(株)富士通研究所
て、京都大学と英国オックスフォード大学は、約 100nm
3者は、波長 532 ナノメートルで、高出力、小型、高効
の DNA 平面構造上に作製した経路で、DNA で作製した分
率で高速変調可能な緑レーザモジュールの開発に成功し
子モーターの進行をナノスケールの精度で人為的にコント
た。QD レーザ独自の半導体 DFB(distributed feedback)
ロールする技術を世界で初めて実現した。これらの人為的
レーザー技術をベースとした赤外高出力単一波長レーザー
PEN February 2012
と波長変換技術の融合により約 0.5cc の小型化を実現し、
【T 細胞白血病】
プロトタイプ評価により最大出力 100mW 以上の連続高出
成人 T 細胞白血病 (ATL) の増殖機構の解明(2012.1.18)
力動作と、100MHz 以上の高速変調動作を確認した。本
東京大学
技術により、分光分析、蛍光分析を応用したライフサイエ
東大は ATL 細胞の増殖と生存のシグナルを支配する重要
ンス、バイオメディカル用途や、精密計測、非破壊検査
な分子として miR-31 という機能的な RNA を突き止めた。
などの産業用途、さらには将来の超小型プロジェクタな
この分子が発現しなくなることが ATL 細胞の生存と増殖
ど広いアプリケーションへの適用が期待される。QD レー
の重要なメカニズムの一つであることを明らかにした。
ザでは今回の技術を用いた出力 50mW 以上のモジュール
miR-31 は治療標的として全く新たなものであり、ATL の
QLD0593-P50 の 2012 年上半期からサンプル出荷、下半
革新的な新規治療法開発につながる発見であると考えられ
期からの量産出荷を計画している。
る。ATL は日本人に 100 万人以上の感染者がいるヒト T
http://qdlaser.com/cms/wp-content/uploads/2012/01/0b967bbe0173054073
細胞性白血病ウイルス 1 型によって引き起こされる白血
1f352176117330.pdf
病、キャリアの 5% が発症する。
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_240118_02_j.html
【キャパシタ式短時間停電補償装置】
リチウムイオンキャパシタ式短時間停電補償装置の開発
リチウムイオンキャパシタの採用により、補償時間を長時
間化(2012.1.19)
中部電力(株)
、
(株)明電舎
両社は共同で、落雷などによる停電から工場の生産設備を
一括して守る「リチウムイオンキャパシタ式短時間停電補
償装置」を開発した。蓄電部にエネルギー密度の高いリチ
ウムイオンキャパシタを採用することにより、20 秒程度
の停電まで対応が可能となった。また、キャパシタの充電
制御方法を改善することにより、常時運転効率をさらに向
【銀インク】
紫外線で電子回路形成できる銀インクを提供開始
(2012.1.17)
TANAKA ホールディングス(株)
同社は、田中貴金属グループの製造事業を展開する田中貴
金属工業(株)が、紫外線(UV)による硬化のみで、加
熱硬化せずに電子回路配線を形成することができる導電性
銀インクを世界で初めて製品化し、1 月 18 日より販売開
始することをプレスリリースした。
http://www.tanaka.co.jp/
上させた。2 年間のフィールド試験により実稼働状態にお
ける補償動作の確認と連続運転による長期信頼性の検証等
を行い、信頼性の確認ができれば、2014 年から商品化す
る計画。
http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3175577_6926.
html
【知能研究】
コンピュータ将棋 vs 米長邦雄永世棋聖の対局が決着 人間
の知能に対する研究が一歩前進(2012.1.16)
(株)富士通研究所
同社が開発したコンピュータ将棋ソフトの「ボンクラー
【小惑星の形成時期】
隕石の年代測定から液体の水が存在した小惑星の形成時期
を決定 太陽系に水はいつから存在したか(2012.1.18)
東京大学
東京大学は、新たに開発した分析技術を用いて、炭素質コ
ンドライトという始原的な隕石に含まれる炭酸塩の正確な
年代決定に世界で初めて成功した。分析した隕石にはかつ
て液体の水が存在した証拠があり、隕石の故郷である水を
含んだ小惑星は太陽系誕生から約 350 万年後に形成した
ことが明らかになった。
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2012/02.html
ズ」が、1 月 14 日に東京・将棋会館で開催された「第 1
回 将棋電王戦 米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ」にお
いて、日本将棋連盟の米長邦雄永世棋聖と対局し、113 手
で勝利した。ボンクラーズとは、オープンソースのコン
ピュータ将棋ソフトである「Bonanza(ボナンザ)
」をベー
スに開発した独自の将棋ソフト。複数台のコンピュータ上
で CPU を無駄なく並列動作させる技術により、従来 1 台
のコンピュータではできなかった高速な計算を可能とし、
将棋の指し手をより深く読めることが特長。2011 年 5 月
に開催されたコンピュータ将棋協会主催の「第 21 回世界
コンピュータ将棋選手権」では優勝を果たした。なお、
「ボ
ンクラーズ」という名前は、
「Bonanza」と並列コンピュー
タを意味する「クラスタ」を組み合わせた造語。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2012/01/16-1.html
PEN February 2012
29
【強誘電抵抗変化メモリー】
で CIS 社の全株式を取得する株式売買契約を締結し、子会
新たな原理による強誘電抵抗変化メモリーを開発 データ
社化した。今後、両社が有する競争優位技術を融合発展さ
書き換え特性や保持特性の低下問題を解決(2012.1.12)
せ、成長が期待されている UV-LED 市場への参入と省エネ
産総研
ルギーデバイス分野への展開を目指す。
産総研は、導電性をもつ酸化物強誘電体を用いて新しい
http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2011/ze120111.html
酸化物抵抗変化メモリー(抵抗変化メモリー(Resistance
Random Access Memory: ReRAM)
)
を開発した。
ReRAM は、
構造が単純なため素子の面積を小さくできる。また電気抵
抗の変化が大きく複数の電気抵抗値に設定できるため多く
の値を記憶できる。これらの特長から、次世代の高密度不
揮発性メモリーとして期待されている。従来の ReRAM は
酸化物の酸化還元反応、あるいは酸化物中の酸素欠陥の移
動を利用しているが、今回開発した ReRAM は酸化物強誘
電体の電気分極反転を利用している。この新しい原理に
よって材料の劣化に起因するデータ書き換え特性や保持特
性などの低下を解決できるので、機能性酸化物を用いた高
PEN 購読のご案内
密度不揮発性メモリーの実用化を前進させることが期待さ
れる。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120112/pr20120112.html
PEN の継続的な購読をご希望の方は、
・お名前
・ご所属
【PCB 処理、マイクロチップ】
超低濃度の PCB を数秒で完全処理するマイクロチップを
開発 高分子パラジウムナノ粒子触媒膜を使った反応器で
ハロゲンを 100%脱離(2012.1.11)
・メールアドレス
をご記入の上、[email protected]
までご連絡ください。なお、PEN への登
録・配信は無料です。
理化学研究所
理研は、低濃度のポリ塩化ビフェニル(PCB)やポリ臭化
ビフェニル(PBB)などの有害なハロゲン化物質の完全処
理を目指して、大きさが 70 × 30mm のマイクロチップ
という小さな反応器を作製した。Y 字型の流路の断面は半
円形で径が 0.1mm ほど。流路内にパラジウムをナノレベ
ルの粒子にした高分子パラジウムナノ粒子触媒膜を設置
し、有機ハロゲン化物を処理したところ、10 ~ 1,000ppm
(1ppm は百万分の 1) という超低濃度の PCB や PBB でも
約 8 秒という短時間で終了、ハロゲン化物質の完全な分解
に成功した。
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2012/120112/index.html
PEN は原則月 1 回配信します。これまで
に発行した PEN と、
【AIST-TOKYO ナノ
テク情報】
(PEN の前身)は、産総研ナ
ノシステム研究部門ホームページにて公
開しています。
http://unit.aist.go.jp/nri/nano-plan/index.html
PEN は皆さまとの情報共有を目的として
います。お持ちの情報で共有すべきもの
があれば、[email protected] まで
【紫外発光ダイオード】
米国 Crystal IS 社との買収契約締結 窒化アルミニウムを
用いた紫外発光ダイオード事業へ参入(2012.1.11)
旭化成(株)
同社は、高品質な窒化アルミニウム(AlN)基板を用いた
紫外発光ダイオード(UV-LED)の開発を進めているベン
チャー企業である Crystal IS 社と、2011 年 12 月 28 日付
30
PEN February 2012
お寄せ下さい。
*いただいた個人情報は産総研 個人情報保護方針
(プライバシーポリシー)に基づき大切に管理し、
情報誌 PEN の運営と私達のイベントのご案内のみ
に使用させていただきます。
インタビュー
ゴムの導電性を 3000 倍以上に向上させることに成功
日経 2011 年度技術トレンド調査「実用・新規・話題」で 9 位に
日本経済新聞社がまとめた 2011 年度
の主要な技術開発成果の「実用・新規・
話題」のカテゴリの第9位に、技術研
究組合単層 CNT 融合新材料研究開発
機構と産総研が共同開発した「ゴムの
導電性を 3000 倍以上に向上させた技
術」が選ばれました。本技術について
開発者のお一人である技術研究組合単
層 CNT 融合新材料研究開発機構特別研
究員の阿多誠介氏にお聞きしました。
シリコン基板上に合成された SG-SWNT。成長
時間約 10 分で mm オーダーまで成長します。
ゴムの導電性を飛躍的に向上させる技
術とはどのような技術なのか簡単にご
紹介いただけますか?
今回、単層 CNT 融合新材料開発機構
(TASC) で は 産 業 技 術 総 合 研 究 所 で
開発された高い成長効率を誇る water
絶縁性のゴムに電気伝導性のフィラー
assisted CVD 法 に よ り 合 成 さ れ た 単
を充填し、ゴムの持つ柔らかさと、金
層 CNT、スーパーグロース CNT(SG-
属のように電気を流すという特徴を併
SWNT)を用いて、体積導電率でカーボ
せ持つ材料を導電性ゴムと言います。 ンブラックを用いた場合に比べ 3000
電気を通し、伸び縮みする特徴を生か
倍、他の CNT を用いた場合に比べ 500
してフレキシブルデバイスの配線や
倍をもち、かつ高い耐久性を併せ持つ
MEMS、電磁波遮蔽材料、帯電防止材料、 導電性ゴムの作製に成功しました。
電性を必要とする O リングなどへの応
用が期待されています。導電性ゴムは
これまで、ゴムにカーボンブラックや
多層カーボンナノチューブ(CNT)な
どの炭素系フィラーを複合化すること
により作製されてきました。これらの
方法では十分な電気伝導性を持たせる
ために大量のフィラーを複合化する必
要がありました。しかし、フィラーは
硬い粒子ですから、多量のフィラーを
含ませることにより導電性ゴムは脆く
なり、耐久性を失うという問題が生じ、
(左)分散前の SG-SWNT と(右)分散後の SG-SWNT。網目状に分散している様子がよく分かる。
実用化のためには十分な導電性と機械
特性を併せ持つ材料の開発が必要とさ
れていました。
PEN February 2012
31
今後どのような応用が可能であるとお
考えでしょうか?
導電性と機械耐久性を同時に実現した
ことにより、最初に述べたような用途
への応用が可能になります。
TASC ではこれ以外にも低充填 CNT 複
合化技術、熱伝導性ゴム、銅と CNT の
複合化などを行っています。今後も多
ゴム中での SG-SWNT と代表的な単層 CNT である HiPCO との比較。黒い部分が CNT、白い部分
くの企業の方に導電性ゴムのサンプル
はゴム。SG-SWNT はひずみの増加に従い、紙面上下方向に伸びているが、HiPCO はひずみが大
提供を行い、実際に評価して頂き、単
きくなってもその形態に殆ど変化がない。
層 CNT の実用化に貢献していきます。
本研究に興味を持たれた方は、是非お
気軽にお問い合わせください。
高いアスペクト比(~ 100,000)を持
つ SG-SWNT は 多 層 CNT に 比 べ 細 く、
比 表 面 積 も 大 き い た め、CNT 同 士 が
お忙しいなかインタビューにお答えい
接触して導電路を形成しやすいことか
ただきまして、ありがとうございまし
ら、これを上手く分散 ・ 分配すること
た。
で高い体積導電率を持たせることがで
きました。
SG-SWNT と HiPCO の伸長下での構造モデル。SG-SWNT は嵩高く広がることで高い体積導電率を、
マジックハンドの様に伸び縮みすることから高い機械耐久性とひずみを与えても導電性が低下し
ないという優れた特徴が得られた。
また、SG-SWNT を 200um 程度の網目
状の凝集体状に分散してからゴムに複
32
合化することにより、導電性ゴムを引
本技術に関する問合せ先:
き伸ばしても SG-SWNT 凝集体がちょ
技術研究組合単層 CNT 融合新材料研究
うどマジックハンドのように伸び縮
開発機構(TASC)
みし、導電性が低下しないという優れ
専務理事補佐兼技術普及部長 た特徴を持たせることにも成功しまし
上野光保氏
た。
http://www.tasc-nt.or.jp/contact/index.html
PEN February 2012
日本のメガソーラー計画:メガソー
ラープラントの乱立、ソフトバンク
の野心的計画、再生可能エネルギー
協議会、不調和音、買取り価格、太
陽光発電ビジネスの経済効果
Are Japan's megasolar plans falling
apart?
http://www.electroiq.com/articles/pvw/2012/01/
are-japans-megasolar-plans-falling-apart.html
国際会議予告:NANOSEA 2012、6
月 25 日 ~ 29 日、S. Margherita di
Pula(イタリア)、ナノ構造自己組織
豊蔵レポートより
化、未来のデバイス応用、新たな洞
察
NANOSEA 2012: 4rd International
Conference On NANO-structures
SElf-Assembly
h t t p : / / w w w. n a n o f o r u m . o r g / n f 0 6 ~ m o d u l ~ s h o
wmore~folder~99999~scc~news~scid~4269~.
html?action=longview&
メ モ リ ス タ の 定 義:Mouttet Blaise
氏、ゼ ロ ク ロ ス ヒ ス テ リ シ ス 曲 線、
相変化メモリ、RRAM、ReRAM、ヒュー
レットパッカード社
Memristor 'brouhaha' bubbles under
http://www.eetimes.com/electronicsnews/4234678/Memristor-brouhaha-bubbles-under
南アフリカ・米国二国間エネルギー
対話:核兵器脅威を最小化、平和的
な原子力利用の協力、再生可能エネ
ルギー、エネルギー効率、炭素の回
収貯留、シェールガス資源
Deputy Secretary Poneman
Statement on Second Meeting of the
U.S. – South Africa Bilateral Energy
Dialogue
http://energ y.gov/art icles/deputy-secretaryponeman-statement-second-meeting-us-south-africabilateral-energy-dialogue
PEN February 2012
33
科学と工学指標(2012 年)
:アジア勢の台頭(Asia-10)、
水素燃料電池電気自動車:UKH2Mobility プロジェクト、
Strategy for American Innovation への NSF の対応事例、
コンソーシアム、英国政府支援(車両開発・実証・展開に
仮想研究所を横断する科学、イノベーション・コープ・プ
4 億ポンド)、今年度内に可能性評価、大手自動車メーカー
ログラム(I-Corps)
、
先進的製造への投資、
持続可能な科学・
(日産、タタモーターズ、トヨタ、ボクソールなど)に現
工学・教育プログラム、学際的なアプローチ
実的な提案を要求
Report Outlines Trends in U.S. Global Competitiveness in
Government puts £400million behind hydrogen cell car
Science and Technology
project
http://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=122859&org=NSF&from=news
http://www.eurekamagazine.co.uk/article/39610/Government-puts-£400million-
http://www.nsf.gov/statistics/seind12/
behind-hydrogen-cell-car-project.aspx
科学と工学指標(2012 年)
:雇用パターンの変化、米国ベー
透 明 導 電 性 酸 化 物: 光 学 的 透 明 性 の 限 界、 二 酸 化 ス ズ
スの多国籍企業における研究業務の約 85%が海外企業、
(SnO2)
、ワイドバンドギャップ、吸収係数のλ 3 依存
企業の技術労働人口の海外割合(2004 年 16%から 2009
性(600 ~ 2000 nm)、Free-carrier absorption(300 ~
年 27%へ)、技術革新と経済成長における科学的労働力の
6000 nm)、コンピュータ計算、MRSEC
役割
UCSB Researchers Uncover Transparency Limits on
U.S. Companies Doing More of Their Research Hiring
Transparent Conducting Oxides
Overseas
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44306
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/01/us-companies-doing-more-oftheir.html#more
標 準 化:M2M グ ロ ー バ ル イ ニ シ ア チ ブ、machine-tomachine(M2M)通信、標準開発の7組織「日本(ARIB、
産業動向:韓国サムスン電子、2012 年投資計画(47 兆
TTC)、 米 国(ATIS、TIA)、 中 国(CCSA)、 欧 州(ETSI)
、
8000 億ウォン、
前年比 12%増)
、
採用予定 2 万 6000 人(大
韓国(ETSI)」
卒 9000 人、中途採用 5000 人、技能社員 1 万 2000 人)
Seven standards bodies form global M2M initiative
Samsung to employ 26,000 new workers
http://www.eetimes.com/electronics-news/4234833/Seven-standards-bodies-form-
http://www.adelaidenow.com.au/business/samsung-to-employ-26000-new-workers/
global-M2M-initiative
story-e6frede3-1226246552645
公的助成研究成果の OA 化を巡る賛否:米国科学振興協会
OLED 照明プロジェクト:OLED100.eu、EUFP7、大面積
(AAAS)の見解、科学情報提供の意義、研究成果アクセス、
OLED 照明商用化課題の解決、コンソーシアムパートナー
NIH のパブリックアクセス方針を支持、”Research Works
(IMEC、TNO/Holst Centre、フィリップステクノロジー、
Act” を不支持、科学の進歩と社会への奉仕、integrity(公
NXP セミコンダクターズ、Hanita Coatings RCA、Henkel
正性、健全性、完全性)
Electronic Materials、ザグレブ大学など)
AAAS Does Not Endorse the Research Works Act
Researchers light up Europe with LEDs
http://www.aaas.org/news/releases/2012/0118rwa.shtml
http://cordis.europa.eu/fetch?CALLER=EN_NEWS&ACTION=D&SESSION=&R
CN=34215
* 補 足: 民 間 の 査 読 論 文 出 版 事 業 保 護 法 案 H.R.3699
(Research Works Act)は、民間企業による査読研究論文
出版への政府干渉を排除しようとするもので、公的助成研
究成果のオープンアクセス(OA)義務化を図ろうとする
ポリシリコン業界動向(2012 年)
:市場供給過剰・低価格
政府機関に次のような対応を求めている。
水準傾向継続、使用シリコン量の減少、ポリシリコンメー
・大学や商業出版社と競合するような研究成果アーカイブ
カーの淘汰(170 社が 10 年後に 10 数社に)
、GTM リサー
機能を重複させないこと
チ社
・民間ジャーナルに掲載した公的助成研究論文の無許可無
Polysilicon price declines will continue sector shakeout,
償流通を義務づけないこと
says GTM Research
・民間の著者に対し助成金受給の条件として研究成果の無
http://www.pv-tech.org/news/polysilicon_prices_declines_will_continue_sector_
shakeout_says_gtm_research
34
PEN February 2012
償流通を義務化しないこと
ナノ医療:腫瘍標的薬剤、抗がん剤、到達量の増加、ナノ
スピントロニクス:助成金 150 万ユーロ、欧州研究評議
粒子設計、アプタマー、前立腺がん、ハーバード大学医学
会(ERC)、有機材料、バッキーボール、材料界面物性(磁
部、マサチューセッツ工科大学
性材料 / 有機材料)
Novel strategy improves cancer cell uptake of
ERC Grant for spintronics: Spinning electrons as
nanoparticles
information carriers
http://www.nanowerk.com/news/newsid=24007.php
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44327
巨大磁気抵抗効果:GeSbTe、超格子型相変化膜、相変化
固体メモリ、磁気抵抗比(常温で 2000%)
、トポロジカル
誘電体(Sb2Te3 結晶層)
、産総研
Giant magnetoresistance emerged from non-magnetic
phase-change solid-state memory
http://www.nanowerk.com/news/newsid=23999.php
情報提供サービス:プロジェクト情報、EU プロジェクト、
CORDIS
New service unlocks project information on CORDIS
http://cordis.europa.eu/fetch?CALLER=EN_NEWS&ACTION=D&RCN=34222
米国 R&D 投資効率:国立衛生研究所(NIH)
、成功率 = 助
成金付与決定件数 / 審査された助成金申請件数、2011 年
は史上最低、投資収益率、既得権、複雑な成功率要因
NIH Examines What Drove Its Grant Success Rate to a
Record Low
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/01/nih-examines-what-drove-itsgrant.html?ref=hp
米国の小型原発:DOE、認証(原子炉設計とライセンス)、
資金調達機会の発表、原子力産業再生、小規模モジュラー
原子炉製造(2022 年までに稼動)、輸出も視野に
Energy Department Takes First Step to Spur U.S.
Manufacturing of Small Modular Nuclear Reactors
http://energ y.gov/art icles/energ y-department-takes-first-step-spur-us-
イノベーション:22 カ国の調査、調査時期 2011 年 10 月
manufacturing-small-modular-nuclear-reactors
15 日~ 11 月 15 日、ゼネラルエレクトリック、世界的金
融危機、外部資金調達、雇用創出
Survey: Europeans most innovative but downbeat
エネルギーハーベスティング:ディスプレイ周囲に薄膜太
http://www.euractiv.com/innovation-enterprise/survey-
陽電池セル配置、OLED ディスプレイ、薄膜スーパーキャ
europeans-innovative-downbeat-news-510234
パシタ、薄膜トランジスタ、低温作製(<150 ℃)
、ケンブ
リッジ大学
Solar Cells in Smartphone Screens
米国の競争力:HBS 調査、続く競争力低下
Prosperity at Lisk:Findings of Harvard Business School’s
http://spectrum.ieee.org/consumer-electronics/portable-devices/solar-cells-insmartphone-screens
Survey on U.S. Competitiveness
http://www.hbs.edu/competitiveness/pdf/hbscompsurvey.pdf
太陽電池効率向上: InAs/GaAs 量子ドット、荷電量子ドッ
ト埋込み、赤外光、光電子ライフタイム増加、変換効率
太 陽 光 発 電 市 場: ア ジ ア( グ ロ ー バ ル 生 産 の 44 % in
3Q11)
、深刻な供給過剰、薄利
Asia solar cell producers rising amid pricing war
http://www.electroiq.com/articles/pvw/2012/01/asia-solar-cell-producers-rising-
50% 増、バッファロー大学
In solar cells, tweaking the tiniest of parts yields big jump
in efficiency
http://www.nanowerk.com/news/newsid=24026.php
amid-pricing-war.html
包装:食品と飲料水、ナノ複合体組込プラスチック、小さ
な生産規模
The Nanotechnology Opportunity in Food and Drinks
Packaging
http://www.sacbee.com/2012/01/23/4207551/the-nanotechnology-opportunity.
html
PEN February 2012
35
ピアレビューシステムの改善:原稿査読、オンラインサー
ナノ医療:アーカンソー医科大学(UAMS)、ナノメディ
ビス、ソーシャルネットワーク
シンセンターの設立、知識、経験、資源の分散を回避
Online Social Network Seeks to Overhaul Peer Review in
UAMS to create nanomedicine center
Scientific Publishing
http://www.katv.com/story/16582775/uams-to-create-nanomedicine-center
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/01/online-social-network-seeksto.html?ref=hp
会議予告: AAAS 年次総会、2012 年 2 月 16 ~ 20 日(カ
年次エネルギー見通し(米国)
:エネルギー情報局(EIA)
、
プレビューレポート、2035 年の米国エネルギー市場予測、
石油輸入依存度の低下、国内の石油と天然ガス生産大幅増
A First Peek at Our Energy Future
ナダ)、世界のフラット化、グローバル知識社会の構築、
グローバルソリューション
Thousands of Scientists to Convene in Vancouver, B.C., for
2012 AAAS Annual Meeting
http://www.aaas.org/news/releases/2012/0123am_overview.shtml
http://energy.gov/articles/first-peek-our-energy-future
ナノ医療:市場調査報告書、2011 年(728 億ドル)、2016
年(1309 億ドル)
、米国の科学者と企業の強力な特許活動、
BCC リサーチ社
Nanomedical global sales to reach $130.9 billion in 2016
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44333
CIGS 市場:銅インジウムガリウムセレン(CIGS)薄膜、
2011 年の生成電力(1.2GW)、モジュール効率の大幅向上、
結晶シリコンと競合しない持続可能な市場、Lux Research
社
Some CIGS thin-film firms entering mainstream, says Lux
Research
http://www.pv-tech.org/news/some_cigs_thin_film_firms_entering_mainstream_
says_lux_research
レ ー ザ ー 冷 却: 原 子 ス ピ ン の 量 子 揺 ら ぎ、 量 子 物
理 学 と ナ ノ 物 理 学 の 組 み 合 わ せ、nanomembrane、
optomechanics、ガリウムヒ素半導体膜(1 × 1 mm、厚
さ 160nm)、- 269℃、コペンハーゲン大学
Cooling semiconductor by laser light
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44335
二層グラフェン(BLG)
:絶縁体、新しい量子粒子、質量測定、
エネルギーギャップ、カリフォルニア大学リバーサイド校
Bilayer Graphene Works as an Insulator
http://www.sciencedaily.com/releases/2012/01/120124150413.htm
ナノテクノロジーの軍事応用:対衛星ミサイルシステム、
ナノ粒子毒性:ナノ粒子暴露、酸化チタン、海洋生物への
宇宙環境での軍拡誘発の可能性、量子ドット応用防衛シス
毒性
テム、おとり、量子ドット(InSb、PbTe、HgTe、HgSe、
Nano form of titanium dioxide can be toxic to marine
CdTe、CdSe)の雲、レイセオン社
organisms
A satellite defense system based on quantum dot
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-01/uoc--nfo012412.php
technology
http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=24041.php
半導体チップバイヤー:アップル社、2011 年(173 億ドル)
、
牽引(iPhones、iPads 、MacBook Air)、継続的な成功
IGZO 薄膜トランジスタ:デバイス信頼性、ガリウム化合物、
Apple was top chip buyer in 2011, Gartner says
正孔トラップ、インジウム化合物、絶縁体ゲート電界効果
http://www.eetimes.com/electronics-news/4235173/Apple-was-top-chip-buyer-in-
トランジスタ、三元系半導体
Effect of channel widths on negative shift of threshold
voltage, including stress-induced hump phenomenon in
InGaZnO thin-film transistors under high-gate and drain
bias stress
http://apl.aip.org/resource/1/applab/v100/i4/p043503_s1
36
PEN February 2012
2011--Gartner-says
十大技術:国際家電見本市(CES)
、注目の技術、Motion
ナ ノ 材 料 リ ス ク: 国 家 研 究 評 議 会(National Research
processing、GPU compute、Ubiquitous Android、The
Council)レポート、リスク対処の戦略的アプローチ、国
ARMing of Win8、Touch-free HMIs、Talkative intelligent
家ナノテクノロジー戦略(NNI)、環境・健康・安全(EHS)
agents、Graphene as the new silicon、Embedded
研究、5 年以内に解決すべき 4 つの研究カテゴリー
vision、Home health hubs、Location-based services
Strategic Research Plan Needed to Help Avoid Potential
Ten technologies that will shake the CE world
Risks of Nanomaterials
http://www.eetimes.com/electronics-news/4235088/Ten-technologies-that-will-
http://www.sciencedaily.com/releases/2012/01/120125113149.htm
shake-the-CE-World
米大統領一般教書演説(2012 年)
:クリーンエネルギー、
税額控除、公的研究資金、技術革新、新たな雇用、沖合油
田、天然ガス、シェールガス、気候変動法案、国防総省
Obama’s State of the Union highlights the need of
congressional support for the renewables industry
http://www.nap.edu/catalog.php?record_id=13347
材 料・ プ ロ セ ス・ 計 測 協 調 プ ロ グ ラ ム:SEMATECH、
Soitec 社、フロントエンドプロセス(FEP)と高度な計測
プログラム、SOI ウエハ、最先端計測、サブ 20nm 以降の
ニーズ対応
http://www.pv-tech.org/news/obamas_state_of_the_union_highlights_the_need_of_
SEMATECH and Soitec parner to advance next-generation
congressional_support_for
transistors and metrology techniques
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44360
米大統領一般教書演説(2012 年)
:経済成長を促進するエ
ネルギー政策、シェール天然ガス、よりクリーンで低コス
住友電工と仏ソイテック社、低コスト大口径 GaN 基板の
トなエネルギー源開発、エネルギー効率を向上させる奨励
製造に成功
策
4 インチ径及び 6 インチ径量産ラインの整備を開始
State Of The Union Speech Text
http://www.sei.co.jp/news/press/12/prs008_s.html
http://www.huffingtonpost.com/2012/01/24/state-of-the-union-speech-text_
n_1229394.html?utm_medium=twitter&utm_source=twitterfeed
*補足:一般教書演説で energy という言葉が使われた回
数
2010 年 15 回
2011 年 8 回
2012 年 23 回
2011 年
暴露・危険評価プロジェクト:ナノ材料利用製品、スクリー
ニングツール開発、NanoRiskCat (NRC)、環境保護庁(EPA)
、
デンマーク工科大学(DTU)、作業環境国立研究センター
NanoRiskCat - A conceptual decision support tool for
nanomaterials
http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=24072.php
http://www.guardian.co.uk/world/2011/jan/26/barack-obama-address-fulltext?INTCMP=ILCNETTXT3487
2010 年
http://www.guardian.co.uk/world/2010/jan/28/full-text-barack-obama-state-
太陽光発電市場(2011 年):新規設置容量、米国(対前年
union?intcmp=239
比 112%増、2GW)、欧州(18%増、19GW)、中国(500%増、
2.9GW)、日本(30%増、1.2GW)、アジア太平洋市場(165%
増、6GW )、Solarbuzz 社データ
農 業 需 要 PV:GreenVolts 社( 集 光 型 太 陽 電 池 )、
Asian solar PV installs surging, China "blistering"
Independent Solar Developers(ISD)
、戦略的パートナー
http://www.electroiq.com/articles/pvw/2012/01/asian-solar-pv-installs-surging-
シップ締結、南カリフォルニア
china-blistering.html
GreenVolts teams up with Independent Solar Developers
to promote use of solar in agriculture
http://www.pv-tech.org/news/greenvolts_teams_up_with_independent_solar_
殺生物剤の規制:リスク評価とラベリング、ナノ材料も含
developers_to_promote_use_of_sol
む、欧州議会、有害物質の制限、市場開放、動物実験削減
Nano-biocides regulated
http://www.europarl.europa.eu/pdfs/news/expert/infopress/20120119IPR35664/
20120119IPR35664_et.pdf
PEN February 2012
37
CNT:FET トランジスタ、サブ 10nm のチャネル長(9nm)、
発光ナノファイバー:繊維と光電子デバイスの統合、ル
低動作電圧(0.5 V)
、正規化高電流密度(2.41mA/ μ m)、
テニウム系イオン遷移金属錯体ベースのエレクトロ繊維
IBM 社
(TELF)、エレクトロスピニング、基板のないデバイス(軽
Sub-10 nm Carbon Nanotube Transistor
量で柔軟)、アイオワ州立大学
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl203701g
Light-emitting nanofibers shine the way for optoelectronic
textiles
http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=24096.php
グラフェン国際会議予告:Graphene 2012、4 月 10 日~
4 月 13 日(ブリュッセル)
、本会議と展示会
The European event on grapheme
http://www.nanowerk.com/news/newsid=24084.php
プログラム公募:組込みコンピューティング技術の電
力 効 率 革 命 プ ロ グ ラ ム、DARPA、 プ ロ グ ラ ム 目 標(75
GFLOPS/w、処理電力効率の革新的なアプローチ)、信頼
性と動作周波数、情報システムの制約因子(サイズ、重量、
太陽光発電会議案内:Solar Power Generation USA (SPG)、
1 月 31 日~ 2 月 2 日(ラスベガス)
、4 つの主要な重点分
野(集光型太陽熱発電、太陽電池、集光型太陽電池、運用・
保守)
放熱、電力、リアルタイム処理)
New DARPA program seeks revolutionary approaches to
processing-power efficiency to continue Moore's Law
http://www.darpa.mil/Our_Work/MTO/Programs/Power_Efficiency_Revolution_
for_Embedded_Computing_Technologies_%28PERFECT%29.aspx
US Solar Industry: The Future of American Jobs, Domestic
Energy, Clean Energy Investments
http://www.renewableenerg yworld.com/rea/partner/g reen-powerconferences-3234/news/article/2012/01/us-solar-industry-the-future-of-americanjobs-domestic-energy-clean-energy-investments
大容量疑似キャパシタ : 酸化コバルト(Co3O4)ナノワイ
ヤ、炭素繊維ペーパー、階層ネットワーク・アーキテクチャ、
ランダムネットワーク、ジョージア工科大学
Hierarchical Network Architectures of Carbon Fiber
印 刷 エ レ ク ト ロ ニ ク ス:PragmatIC Printing Ltd. ( 英 )、
政府支援、パイロット生産開始(2012 年第 4 四半期)
Printed electronics startup plans pilot production line
Paper Supported Cobalt Oxide Nanonet for High-Capacity
Pseudocapacitors
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl203600x
http://www.eetimes.com/electronics-news/4235334/Printed-electronics-startupplans-pilot-production-line
ミリボルトエレクトロニクス:低消費電力、機能デバイス、
ナノエレクトロニクス、ナノメカニクス、ナノフォトニク
強相関酸化物:交差相関物性、ストロンチウムバリウムマ
ス、ナノマグネ、システムインテグレーション
ンガン、ペロブスカイトの結晶配列、二段階成長法、バリ
Inside Nanotechnology:Driving toward millivolt
ウム含有量(40 〜 45%)で強誘電状態、
マルチフェロイッ
electronics
ク物質、低消費電力メモリデバイス
http://www.ednasia.com/article-29687-insidenanotechnologydrivingtowardmillivolt
Making Better Electronic Memory
electronics-asia.html
http://www.sciencedaily.com/releases/2012/01/120127135441.htm
サイズ効果:強磁性から反強磁性への磁気結合スイッチン
原子炉稼動のハードル:ストレステスト、地元住民の意見、
原子力安全・保安院、主観的報告書、原子炉材料の時間的
劣化、
Japanese Experts Question Safety of—and Need for—
Nuclear Power
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/01/japanese-experts-questionsafety.html?ref=hp
38
PEN February 2012
グ、超格子、La0.7Sr0.3MnO3、SrRuO3、MnO6 と RuO6
八面体、構造的な歪み
Size effect on magnetic coupling in all-ferromagnetic
superlattices
http://apl.aip.org/resource/1/applab/v99/i26/p263108_s1?isAuthorized=no
材料ロードマップ:EC、戦略的な意思決定支援、戦略的
InSnO 薄膜トランジスタ:デバイス特性向上、窒素、チャ
エネルギー技術計画(SET 計画)
、低炭素エネルギー技術、
ネルドープ、界面トラップ密度減少、チャネル層の結晶性
新しい先端材料
向上
Materials Roadmap Enabling Low Carbon Energy
Effects of nitrogen doping on device characteristics of
Technologies
InSnO thin film
http://ec.europa.eu/research/industrial_technologies/materials-blog_en.html
Transistor
http://apl.aip.org/resource/1/applab/v100/i1/p013501_s1?isAuthorized=no
モバイルクラウドコンピューティング市場:Visiongain 社
市場調査報告書、3G ネットワーク
太陽電池業界の課題:製造コスト、ダンピング、トップ
Mobile cloud computing will generate 45 billion dollars
10 メーカー、勝者と敗者、2012 年の 10 の決意
revenue by 2016
Ten solar resolutions for the New Year
http://www.eetimes.com/electronics-news/4233718/Mobile-cloud-computing-will-
http://www.electroiq.com/articles/pvw/2012/01/ten-solar-resolutions-for-the-new-
generate-45-billion-dollars-revenue-by-2016
year.html
世界最大級メガソーラー:Activ Solar 社、
ペーロボプロジェ
メソポーラスシリカナノ粒子:解説、大きな表面積と細孔、
クト、100MW ペーロボ太陽光発電所、プラント完成(着
治療薬送達
工から 7 カ月)
、ウクライナ・クリミア半島
Mesoporous silica nanoparticles in biomedical applications
Activ Solar completes Europe’s largest solar power plant
http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2012/CS/C1CS15246G
http://www.pv-tech.org/news/activ_solar_completes_europes_largest_solar_power_
plant
高誘電体薄膜:薄膜キャパシタ、ビルディングブロック、
ナノテクノロジー・ロードマップ:“Nanotechnology in
the topsectors”、NanoNextNL コンソーシアム、オランダ・
ナノイニシアチブ、戦略的研究アジェンダ、ナノテクノロ
ジーの重要性と機会
Roadmap Nano for Dutch Top Sectors
チ タ ン - ニ オ ブ 酸(TiNbO5、Ti2NbO7、Ti5NbO14) 薄
膜、巨大分子分極率、膜厚(5 ~ 15nm)、誘電率(160 ~
300)、MANA
High-performance thin film boost for electronics research
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44212
http://www.nanonextnl.nl/
太陽光発電コスト:気象パターンと日射量の変化、コスト
研究公募:EPA、STAR プログラム、学際的なセンター、
材料のライフサイクル、材料設計と開発、潜在的なリスク
を最小化
Funding opportunity: Centers for Material Life Cycle
Safety
シミュレーション、グリッド、化石燃料火力発電バックアッ
プ、ネバダ州の砂漠、曇りのコストアップ(約 3 ~ 8 ドル
/ メガワット時)
Cost of Big PV to the Grid: $3 to $8 per Megawatt-Hour
http://www.greentechmedia.com/articles/read/cost-of-big-pv-to-the-grid-3-to-8-permegawatt-hour/
http://www.nanowerk.com/news/newsid=23859.php
多孔質物質:最大の細孔容積、金属クラスター、三次元多
グラフェン:単層グラフェン(機械的剥離法)
、サブハー
孔質構造、有機金属フレームワーク、ピッツバーグ大学
モニック・ミキサ、グラフェン・トランジスタ 1 個、回路
Researchers in the US claim to have created one of the
構成(大幅な単純化と小面積化)
、スウェーデンのチャー
most porous materials known to date.
マーズ工科大学
http://www.eurekamagazine.co.uk/article/39330/Breakthrough-material-could-
Graphene FET mixer can speed up future electronics
benefit-alternative-energy-market.aspx
http://www.nanowerk.com/news/newsid=23856.php
PEN February 2012
39
ナノリスク:EPA 報告書、ナノ材料のリスク管理、管理体
バイオ燃料電池:昆虫の内部化学物質、ゴキブリの腹部に
制の効果に疑問、毒性学的データの欠如
移植、酵素、電気変換、最大電力密度(ca. 55 µW/cm2 at 0.2
EPA watchdog says the agency needs to manage
V)
nanomaterial risks more effectively
Implanted biofuel cell converts bug's chemistry into
http://www.epa.gov/oigearth/reports/2012/20121229-12-P-0162.pdf
electricity
http://www.nanowerk.com/news/newsid=23889.php
サイズ効果:オームの法則、
Si 配線
(長さ 106nm、
幅 1.5nm、
厚さ 0.4nm)、リン化水素(PH3)分子打ち込み、オース
ドバイの太陽光発電所:総合エネルギー戦略 2030、建設
トラリア大学
計画(1 千メガワット、33 億ドル)、ソーラーエネルギー
Ohm's law survives to the atomic scale
目標(2030 年までに 5%)、Maktoum ソーラーパーク
http://www.nanowerk.com/news/newsid=23883.php
Dubai readies for 1,000MW Solar Park; first 10MW phase
expected by 2013
http://www.pv-tech.org/news/dubai_readies_for_1000mw_solar_park_first_10mw_
人材育成:ナノテクノロジー、研究所開設、米陸軍研究所
phase_expected_by_2013
助成、New College of Florida
New College opens Optical Spectroscopy and NanoMaterials Lab
第 7 回生物毒素兵器条約禁止検討会議:科学技術の動向加
http://www.yourobserver.com/news/sarasota/Front-Page/0105201216561/New-
味、ナノ(バイオ)技術も視野に
College-opens-Optical-Spectroscopy-and-Nano-Ma
Emerging Science and Technology scrutinised by States
Parties to BTWC
http://www.nanoforum.org/nf06~modul~showmore~folder~99999~scc~news~sc
グラフェン:エッジ制御、フレーク亀裂、ストレス開放、
id~4267~.html?action=longview&
コンピュータシミュレーション、電子顕微鏡観察、ライス
大学、カリフォルニア大学バークレー校
Graphene Rips Follow Rules
http://www.sciencedaily.com/releases/2012/01/120105145710.htm
ナノ表面修復:亀裂・欠陥修復、マイクロカプセル、ナノ
粒子溶液、セレン化カドミウム、表面識別プローブセンサ、
マサチューセッツ大学、ピッツバーグ大学
Nanoparticles repair damaged surfaces
研究支援政策:気候変動への対応方法、研究調整案、国立
http://nanotechweb.org/cws/article/tech/48256
研究評議会、連邦政府計画案、プログラム管理の新しい方
法、米国地球変動研究プログラム、ガバナンス構造の確立
Report Challenges Ambitious Plan for U.S. Climate
Research
ナ ノ ス ケ ー ル メ タ リ ッ ク 導 電 性: 強 誘 電 体 膜、PZT
(PbZr0.2Ti0.8O3)薄膜、強誘電体の電界効果現象、
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/01/report-challenges-ambitious-
絶縁体-金属転移、ナノドメイン、導電性チャネル、オー
plan.html?ref=hp
クリッジ国立研究所、CNMS、NSRCs
ORNL experiments prove nanoscale metallic conductivity
市場予測レポート:NanoMarkets 社、ナノ材料、ナノ構造、
in ferroelectrics
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44240
ナノインク、ペースト、ナノ粒子
NanoMarkets Releases Comprehensive Report on
Nanometals
グラフェン:CVD、単層グラフェン形成、約 550 °C、単
http://www.azonano.com/news.aspx?newsID=24041
分子膜、ニッケル基板上、表面拡散
Monolayer graphene growth on Ni(111) by low
temperature chemical vapor deposition
http://scitation.aip.org/getpdf/servlet/GetPDFServlet?filetype=pdf&id=APPLAB000
100000002021601000001&idtype=cvips&doi=10.1063/1.3675481&prog=norm
al
40
PEN February 2012
グラフェン:非触媒 CVD、4 つの実験条件(高炭素前駆体
電気自動車:国際家電見本市(CES)
、基調講演、Zetsche
の圧力、
成長時間、
高温、
平坦性)
、
ラマン分光(sp2-C 確認)、
氏(ダイムラー AG/ メルセデスベンツ)
、テレマティクス
大面積化、透明電極応用
システム、車とデジタルライフの融合、通信の自由化、ス
Noncatalytic chemical vapor deposition of graphene on
マートグリッド、炭素繊維複合材料、軽量化、バッテリー
high-temperature substrates for transparent electrodes
CES: Mercedes foresees progress in batteries, composites
http://apl.aip.org/resource/1/applab/v100/i2/p022102_s1?isAuthorized=no
http://www.eetimes.com/electronics-news/4234435/CES--Mercedes-foreseesprogress-in-batteries--composites
米 2012 年度予算案:AAAS 分析、
R&D 予算 1.3%低下、基礎・
応用研究とエネルギー・環境研究は前年度比で増加
画像センサ:大きなピクセルと高い読み出し速度、CMOS
AAAS Analysis: 2012 R&D Gains for Basic Research,
イメージセンサ、ピン止めフォトダイオード(PPD)、読
Energy, and Environment; Overall Investment Down
み出し速度の高速化、横方向ドリフトフィールド光検出器
http://www.aaas.org/news/releases/2012/0109rd_budget.shtml
(LDPD)、フラウンホーファー研究所
High-speed CMOS sensors provide better images
http://www.innovations-report.com/html/reports/information_technology/high_
太陽光発電システム導入量(ドイツ)
:連邦ネットワーク
speed_cmos_sensors_provide_images_188355.html
庁の暫定集計値、2011 年導入量(7.5GW)
、2010 年導入
量(7.4GW)
、2011 年 12 月 の 駆 込 需 要、2012 年 の 買 取
価格の引き下げ
Germany Installed More Than 2 GW of Solar in December
温度センサ:リチウムイオン電池、安全上の懸念、電池内
部温度、電極と電解液の間の保護層の温度測定、ジョンズ
http://www.greentechmedia.com/articles/print/Germany-Installed-More-Than-2-
ホプキンス大学
GW-of-Solar-in-December/
Sensor can warn of battery failure
http://www.upi.com/Science_News/2012/01/10/Sensor-can-warn-of-batteryfailure/UPI-29211326247009/
太陽光発電システム導入量:世界総導入量 26GW 、IMS リ
サーチ、IHS iSuppli 社、2012 年のモジュールの平均価格
下落(25 ~ 30%)
、インストールの堅調な成長を期待
Global PV installations for 2011 could have topped 26GW,
say analysts
企業ランキング:評価基準(技術的価値、進捗度、完成度)
、
印刷エレクトロニクス、フレキシブルエレクトロニクス、
有機エレクトロニクス、Lux Research 社調査
http://www.pv-tech.org/news/global_pv_installations_for_2011_could_have_
Lux Research names top companies in printed, flexible,
topped_26gw_say_analysts
organic electronics
http://www.pv-tech.org/news/lux_research_names_top_companies_in_printed_
flexible_organic_electronics
ナノ耳:超高感度(人間の聴覚の閾値の 6 桁以下)、波長
808nm のレーザービームに閉じ込められた 60nm の金ナ
ノ粒子、光ピンセット、捕捉粒子、音波の振動による平衡
位置からの移動
Introducing the 'nano-ear'
http://physicsworld.com/cws/article/news/48267
光化学水質浄化装置:光活性ナノテクノロジー、除去機
能(細菌、ウイルス、化学添加物質、農薬、重金属など)
、
SolarBag、Puralytics 社
Puralytics' Water Purifier Technology First-Ever To Exceed
EPA Requirements Without Power Or Chemicals
http://www.wateronline.com/article.mvc/Puralytics-Water-Purifier-TechnologyFirst-0001?atc~c=771+s=773+r=001+l=a
中国太陽電池規格委員会:半導体製造装置材料協会(SEMI)
の国際規格委員会(ISC)、中国での創設を承認
SEMI forms Chinese PV standards committee
http://www.electroiq.com/articles/pvw/2012/01/semi-forms-chinese-pv-standardscommittee.html
ナノスケールでの摩擦:摩擦を定量化、グラフェン、積層
構造、米国立標準技術研究所(NIST)
、固体潤滑剤、転が
り摩擦・抵抗
Slippery when stacked: NIST theorists quantify the friction
of graphene
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44268
PEN February 2012
41
紫外発光ダイオード(UV-LED)
:窒化アルミニウム(AlN)
研究開発体制:地球規模健康課題(癌、HIV/AIDS など)、
基板、旭化成、米 Crystal IS 社を買収
リビングラボ構造生物学センター、共同研究開発契約(NIH
Acquisition of Crystal IS, Inc.: Entry into business of UV
と FEI 社)
、複数の分析手法の相乗効果(低温電子顕微鏡、
LEDs using aluminum nitride
核磁気共鳴分光法、X 線回折)
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44264
NIH partners with industry to create new Living Lab for
research into molecular structures that can affect disease
http://www.nanowerk.com/news/newsid=23955.php
高多孔質構造設計:有機金属フレームワーク、ネットワー
クトポロジ、有機リンカー分子結合頂点、頂点サイズ、リ
ンカーの長さ、生体分子アデニン、亜鉛金属イオン
Metal-adeninate vertices for the construction of an
exceptionally porous metal-organic framework
http://www.nature.com/ncomms/journal/v3/n1/full/ncomms1618.html
ナノリスク:超微小粒子の安全性、ナノ対応製品、米国
FDA、EU、ラベリング、市民の認識
Will Labels Make A Difference?
http://www.newhavenindependent.org/index.php/archives/
entry/will_labels_make_a_difference/
熱電材料:ナノ構造化薄膜、硫黄ドーピング、ゼーベック
係数、ZT > 1、ボトムアップアセンブリ、レンセラー工
科大学
A new class of doped nanobulk high-figure-of-merit
thermoelectrics by scalable bottom-up assembly
http://www.nature.com/nmat/journal/vaop/ncurrent/full/nmat3213.html
アフリカにおける材料研究・応用の最新動向:第6回ア
フリカ材料研究国際学会、NanoSciences Africa Network、
英国 Institute of Nanotechnology、ICPC Nanonet Project
(EC)、3 月に報告書をオンライン公開予定
Discovering the materials world of Africa
http://www.nanowerk.com/news/newsid=23961.php
中国のエネルギー政策:風力発電プロジェクト、太陽光発
電開発計画(300 万キロワット規模)
、国家統一計画
中国の太陽光発電プロジェクト「統一計画」
、川上メーカー
の業績に影響も
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0111&f=stockname_0111_041.
shtml
グラフェン:ITO 代替材料、有機 EL 素子、グラフェンアノー
ド(高い仕事関数と低いシート抵抗)、韓国の 3 大学
Extremely efficient flexible organic light-emitting diodes
with modified graphene anode
http://www.nature.com/nphoton/journal/vaop/ncurrent/abs/nphoton.2011.318.
html
グラフェン量子ドット:湿式化学プロセス、作成時の温度
(80 ~ 120℃)でサイズ制御(サブ~ 5nm)
、市販の炭素
繊維、ライス大学
Graphene Quantum Dots: The Next Big Small Thing
http://www.sciencedaily.com/releases/2012/01/120112134357.htm
複合材料:材料設計、貝殻構造を模倣、生物学的複合体、
磁性粒子、コーティング、高分子、ETH - チューリッヒ大
学
New family of composite structures
http://www.nanowerk.com/news/newsid=23958.php
極小記録素子:世界最小の磁気記録素子、鉄原子 12 個(1
ビット分の記録)
、記録密度(約 10T バイト / 平方インチ)、
反強磁性、データ保持温度(- 268℃)
、米 IBM 社、CFEL
研究所
New Storage Device Is Very Small, at 12 Atoms
投資:クリーンエネルギーへの投資、2600 億ドル(2011
年、全世界)、太陽光発電への投資(1366 億ドル、前年比
36%上昇)
、風力発電への投資(749 億ドル、17%下落)、
http://www.nytimes.com/2012/01/13/science/smaller-magnetic-materials-push-
ブルームバーグ新エネルギーファイナンスのデータ
boundaries-of-nanotechnology.html?_r=1
Green energy investment soars to $260bn globally
http://www.euractiv.com/climate-environment/green-energy-investment-soars260bn-globally-news-510140
42
PEN February 2012
ナノ材料
1. 米国国立標準技術研究所(NIST)、
単層カーボンナノチューブの標準物
質を世界で初めて公開
http://www.physorg.com/news/2011-12-nistcertified-material-single-wall-carbon.html
2. 韓国科学技術院の研究グループ、
低エネルギー表面材料を用いたブ
ロック共重合体リソグラフィのため
の前処理手法を開発
http://www.nanowerk.com/spotlight/
spotid%3D23752.php
台湾 ITRI レポートより
3. ド イ ツ の ナ ノ サ イ エ ン ス ク ラ ス
タ ー の 研 究 グ ル ー プ、 ホ ウ 酸 分 子
を用いた安定な二次元のナノネット
ワークの作製に成功
h t t p : / / w w w. p h y so r g. c o m / n e w s/ 2 01 1 - 12 - a rt molecular-carpet-weaving-d-networks.html
4. 米国アルゴンヌ国立研究所の研究
グループ、透過X線電子顕微鏡によ
る銀ナノワイヤから金ナノチューブ
への電解置換反応のその場観測手法
を開発
http://www.physorg.com/news/2011-12-silvernanowires-gold-nanotubes-situ.html
5. ハーバード大学の研究グループ、
ナノスケールで表面の「固さ」を調
節することで細菌の繁殖を防ぐ手法
を開発
http://nanotechweb.org/cws/article/lab/48098
6. NIST の研究グループ、重ねられた
グラフェンシートの表面では摩擦が
減ることシミュレーションで明らか
に
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_
id=44268
PEN February 2012
43
7. マックスプランク研究所の研究グループ、煤が水と油の
2. ドイツの公益ジョイントベンチャー Namlab 社の研究グ
いずれもはじくオムニフォビックな性質を持つことを解明
ループ、n 型と p 型どちらも構成可能な汎用型トランジス
http://www.rsc.org/chemistryworld/News/2011/December/01121104.asp
タの作製に成功
http://www.physorg.com/news/2011-12-universal-transistor-basis-logic-function.
html
ナノバイオ・アグリ
1. セントラルフロリダ大学の研究グループ、量子ドットを
3. 米国のペンシルバニア州立大学などの学際研究チーム、
用いて薬が狙った細胞に届いているかどうかを判別する手
高品質の圧電薄膜の作製に成功
法を開発
http://www.physorg.com/news/2011-12-giant-piezoelectric-effect-mems-devices.
http://www.physorg.com/news/2011-12-ucf-nanotechnology-drug.html
2. シンガポールの材料工学研究所の研究グループ、光感受
性の高いプラズモンナノ粒子を用いてガン細胞を破壊する
ことに成功
http://www.physorg.com/news/2011-12-plasmonic-nanocrosses-illuminated-
html
4. シンガポール国立大学と英国のケンブリッジ大学の共同
研究チーム、グラフェンシートに効率的な広帯域の光制限
機能を持たせることに成功
http://www.physorg.com/news/2011-12-graphene-intense-laser-pulses.html
cancer.html
5. ヴァンダービルト大学の研究グループ、薄膜材料の熱伝
3. 米国のウェイン州立大学をはじめとする共同研究チー
導性を高める手法の開発に成功
ム、ステロイドを付けたデンドリマーが黄斑変性症の治療
http://www.physorg.com/news/2011-12-method-thermal-cool-chips-lasers.html
に有望であることを解明
http://www.physorg.com/news/2011-12-nanoparticles-steroids-retina.html
6. イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究グループ、
回路の電気伝導性を自己修復するシステムの開発に成功
4. コロラド大学とイスラエルのテクニオン工科大学の研究
グループ、肺がん診断に効果的な金ナノ粒子を用いたデバ
http://esciencenews.com/articles/2011/12/21/self.healing.electronics.could.work.
longer.and.reduce.waste
イスを開発
http://www.sciencedaily.com/releases/2011/11/111117112829.htm
5. ブリガム・ウィメンズ病院をはじめとする共同研究チー
ム、適切な配位場にナノ粒子を結合させて化学療法薬を効
果的に前立腺がんに到達させることに成功
エネルギー・環境
1. ノースカロライナ州立大学の研究グループ、新しい高性
能増感剤色素の開発に成功
http://www.physorg.com/news/2011-12-dye-efficient-solar-energy-technology.html
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44239
ナノエレクトロニクス
2. ベルギーの IMEC、バッテリー駆動の必要のない MEMS
チップの開発に成功
http://www.eetimes.com/electronics-news/4231208/MEMS-device-enables-battery-
1. 高輝度光科学研究センター、東京工業大学、物質・材料
free-sensors
研究機構、京都大学の共同研究チーム、ナノドメインを有
する新しい圧電体薄膜で 200 ナノ秒の超高速スイッチン
グに成功
3. スイスバーゼル大学と米国のアルゴンヌ国立研究所の共
http://www.physorg.com/news/2011-12-ultra-high-piezoelectric-thin-nanodomain.
同研究チーム、アオコのたんぱく質を酸化鉄と結合させて
html
エネルギーデバイス用のバイオ電極を作製
http://www.sciencedaily.com/releases/2011/12/111219112010.htm
44
PEN February 2012
4. 産総研健康工学研究部門、生体内で発電できる新たな光
国際動向
熱発電素子を開発
http://www.physorg.com/news/2011-12-battery.html
1. ベンチャーキャピタルの Nanostart AG、ウェブベース
の講演会 NanoWebTalk を開始
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44260
ナノ計測
1. ミュンヘン工科大学の研究グループ、ポルフィリン環内
のプロトンを制御する分子ナノスイッチの作製に成功
http://www.nanowerk.com/news/newsid%3D23724.php
2. イ ラ ン、 テ ヘ ラ ン で 開 催 さ れ た 11th International
Paint, Resin Coating and Composites Exhibition にて国内
の研究成果と製品を紹介
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44247
2. ミシガン工科大学の研究グループ、表面プラズモンを用
いてレンズの回折限界を乗り越えるモデルを開発
http://www.kurzweilai.net/a-ultra-high-res-100-nm-microscope-on-your-cell-phone
3. カ リ フ ォ ル ニ ア 工 科 大 学 と フ ラ ン ス の CEA-Leti に
よ る 共 同 プ ロ グ ラ ム Alliance for Nanosystems VLSI、
Analytical Pixels 社を立ち上げ
http://www.nanotech-now.com/news.cgi?story_id=44083
3. 米国のローレンスバークレー国立研究所の研究グルー
プ、ナノスケールパターニングに代わる低コスト、大面積
のナノインプリントリソグラフィを実現
http://nextbigfuture.com/2011/12/step-and-repeat-nanoimprint-lithography.html
4. 台湾の工業技術研究院と IBM 社、共同開発中の次世代
大容量不揮発性メモリの最新の開発状況を公開
http://www.bbc.co.uk/news/technology-16047098
4. カルフォルニア大学ロサンゼルス校の研究グループ、高
分解能解析によりアミノ酸が液体と固体の動きをすること
5. Intel 社、22nm 製造プロセスの製品開発を継続
を解明
http://www.eetimes.com/electronics-news/4231282/Intel-14-nm-process-running
http://www.physorg.com/news/2011-12-physicists-nanotechnology-feat-proteins.
html
5. イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究グループ、
ナノスケールのチップを組み込んだ電熱プローブを作製
Researchers measure nanometer scale temperature
http://www.physorg.com/news/2011-12-nanometer-scale-temperature.html
ナノリスク
1. オーストラリアとスイスの研究者、レーザー光学測定に
より、サンスクリーンの酸化亜鉛ナノ粒子が細胞の最外層
を通過しないことを明らかに
http://www.physorg.com/news/2011-11-scientists-laser-imaging-safety-zinc.html
2. 欧州の NanoChannels Project、ナノテクノロジーの発
展の鍵は国際連携の強化による知識の共有とリスクの低減
と述べる
http://www.nano.org.uk/news/1746/
PEN February 2012
45
韓国とロシア、720 億ウォン規模の
「ナノファンド」を設立
韓国とロシア政府の共同投資ファン
ド「ナノ産業 PEF」が 2 月から開始
される。韓国の知識経済部によると、
同省の新成長動力ファンドとロシア
政 府 傘 下 の RUSNANO は、2 月 中 に
ナノ企業を対象とする投資ファンド
を 設 立 す る こ と に し た。 ナ ノ 産 業
PEF はまず 720 億ウォン規模で設立
される。今後両政府の追加出資を通
じ 1000 億ウォン以上へ増やす予定。
主にロシアに進出する韓国企業に投
資 さ れ る 見 込 み。 ナ ノ 産 業 PEF の
韓国 NNPC より
韓国 National Nanotechnology Policy Center(NNPC)
が発行する Nano Weekly と各国動向レポート Global
Nano Trends より、韓国の最新動向を中心に関連情報
をお届けします。
運営会社は米国バテル研究所の子会
社であるバテルマイクロインスティ
チュート。
CNT の電気伝導度評価技術を開発
知識経済部技術標準院は 1 月 2 日、
国際電気標準会議技術委員会の IEC/
TC113 で、 韓 国 の「 ナ ノ 工 程 -
カーボンナノチューブ(CNT)素材
の 電 気 伝 導 度 特 性 評 価 方 法(IEC/
TS62607-2-1)が国際標準として承
認されたと発表した。これまで CNT
は優れた電気的特性で高度の技術が
求められる電気電子製品に応用が検
討されたが、電気伝導度の測定手法
が開発されていないため、商用化が
遅れていた。
今年度の教育科学部 R&D 予算、2 兆
533 億ウォン
教育科学技術部(文部科学省に相当)
は 2012 年度の教育科学部研究開発
事業総合施行計画を確定した。今年
度の R&D 予算は昨年の 1 兆 9523 億
ウ ォ ン よ り 5.17% 増 の 2 兆 533 億
ウォン。基礎研究開発 9750 億ウォン、
源泉技術開発 4639 億ウォン、宇宙
1114 億ウォン、原子力 2349 億ウォ
ン、核融合・加速器 1706 億ウォン、
国際協力 976 億ウォン。
46
PEN February 2012
Column
将来価値はリスクの向こうにある
豊かな未来社会を創出するために、より将来的で困難な科学技術の研究開発に取り組むことは、敢えてより高いリスクを
とることでもある。より将来的でリスクの高い課題に取り組むほど、科学技術の研究開発の価値は大きい。そのような研
究開発課題のマネジメントに大事なことは、将来の大きな社会経済的価値を現在の研究開発の価値へ転換することである。
Paul S. Royer の “Project Risk Management : A Proactive Approach” が峰本展夫氏によって日本語訳されている。そ
の訳本の冒頭、峰本氏は Peter Ferdinand Drucker の 1996 年の著書「現代の経営」から次のような言葉を引用している。
「経済活動はその本質として未来に焦点を合わせる。そして未来について唯一確かなことは、その不確実性、すなわちリス
クにある。リスクを冒すことは、経済活動の本質である。
」将来へのリスクを冒すことの肯定的側面が端的に表されている
[1]。
この引用文の下線を施した「経済活動」は様々な言葉で置き換えられるし、実際に「科学技術の研究開発」としても冒頭
述べたことをよく表し、違和感もない。より価値のある未来は、敢えてリスクをとることで実現する。
[1]「プロジェクト・リスクマネジメント」峰本展夫訳、生産性出版、2002 年 12 月 25 日
PEN February 2012
47
シンポジウム等のご案内
2nd International Symposium on
Integrated Microsystems(ISIM2012)
第 2 回集積化マイクロシステム国際
シンポジウム
日時:2012 年 2 月 13 日(月)シン
ポ ジ ウ ム 9:30 ~ 18:00、交 流 会
18:15 ~ 19:45
14 日(火)見学会産総研集積マイク
ロシステム研究センター
場所:2 月 13 日(月)つくば国際会
議場(エポカルつくば)
2 月 14 日(火)産総研つくばセンター
MEMS 関連情報
東北大学原子分子材料科学高等研究機構教授江刺正喜
氏の MEMS 関連情報をお届けします。
つくば東(見学会会場、集合場所等
は未定)
主催:東北大学マイクロシステム融
合 研 究 開 発 セ ン タ ー( μ SIC)、 産
総研集積マイクロシステム研究セン
ター
開催趣旨:最先端研究開発支援プロ
グラム(FIRST プログラム)のひと
つ「マイクロシステム融合研究開発
プロジェクト」の、最新の研究成果
を発表し、参加者及び招待講演者と
意見交換を行い、その結果を今後の
同プロジェクトの遂行に反映させ、
当該技術の進展をはかります。また、
「MEMS を産業に結び付けるアプロー
チとそのためのラボ、ファンドリー
運営」について、海外において顕著
な実績を上げている研究者を招き講
演及びパネル討論等を行なうことに
より、MEMS の産業化をより一層進
展させていくための方策を参加者と
ともに考える場とするものです。
48
PEN February 2012
使用言語:英語 ( 日英同時通訳あり )
マイクロシステム融合研究会(第 5 回)
参加費:無料(
「ポスターセッションおよび意見交換会」
日時:2012 年 3 月 8 日(木)13:00 ~ 17:10
は 3,000 円の会費)
(17:20 ~ 19:00 懇親会)
詳細及び参加申し込み :
場所:東北大学青葉記念会館大研修室 401 室
http://www.conferences.jp/isim2012/
主催:東北大学 マイククロシステム融合研究開発センター
問合:ISIM 運営事務局 [email protected]
( μ SIC)、産 総 研 集 積 マ イ ク ロ シ ス テ ム 研 究 セ ン タ ー、
*前回の ISIM2011 の Proceedings がμ SIC のホームペー
MEMS パークコンソーシアム(MEMSPC)
ジからダウンロードできます。
概要:
「マイクロシステム融合研究開発拠点」と「最先端
http://www.mu-sic.tohoku.ac.jp/saisentan/archive/ISIM2011/index.html
研究開発支援プログラム」を実施する組織として発足した
「マイクロシステム融合研究開発センター(μ SIC)」の、
The WPI-AIMR Annual Workshop
日時:2012 年 2 月 20 日(月)~ 23 日(木)
場所:仙台国際センター
主催:東北大学原子分子材料科学高等研究機構
概要:第 4 回目となる原子分子材料科学高等研究機構
(WPI-AIMR)Annual Workshop は「グリーンイノベーショ
ンのための先端機能材料」のテーマで開催されます。
http://www.wpi-aimr.tohoku.ac.jp/workshop2012/
第 5 回研究会です。
(株)EUVL 基盤開発センターの渡辺
久恒氏による特別講演などを予定しています。また同日は
午前 10:40 ~ 12:00 に、4/6 インチ試作ラインを備え
る「試作コインランドリ」のある、西澤記念研究センター(旧
半導体研究所)の見学会を計画しています。見学会場への
アクセスは、仙台駅のバス 9 番乗り場から、09:59 発の
青葉通・工学部経由の宮教大・青葉台行き(710 系統)終
点よりバスの進行方向徒歩約 10 分となっています。この
バスには、東京 08:12 発仙台 09:48 着の JR 新幹線 はや
ぶさ 1 号が接続しています。下記の問合先に事前にご連絡
第 4 回 Nagoya-Okmetic MEMS Seminar "MEMS for
Personal Life"
日時:2012 年 3 月 1 日 ( 木 ) 午後、2 日 ( 金 ) 午前・午後
場所:名古屋大学野依記念学術交流館
主催:名古屋大学、フィンランド Okmetic 社
いただければ、より詳しい情報をお伝えいたします。研究
会、見学会とも参加費は無料、当日直接参加もできます。
問合先 : 東北大学江刺・田中研究室 大賀理佐
Tel:022-795-6936、Fax:022-795-6935
E-mail:[email protected]
概要:国際セミナー MEMS for Personal Life は、初日に
"MEMS for Personal Life" に関するセッションを行い、2
日目には「MEMS の機械的信頼性」
・
「シリコンの結晶異
方性エッチング」に関する技術セッションを行います。主
な講演者は、江刺(東北大)
、木股(立命館大)
、馬場(名
古 屋 大 )
、O. Paul(Freiburg Univ)
、I. Zubel(Wroclaw
Univ)ほか、です。また、iSuppli、NTT docomo、Denso
などの企業の講演があります。詳細なプログラムは、名古
屋大学佐藤研究室の以下のサイトをご覧ください。
MEMS Engineer Forum 2012
日時:2012 年 3 月 12 日(月)、13 日(火)
場所:都市センターホテル(東京都永田町)
主 催:MEMS パ ー ク コ ン ソ ー シ ア ム、MEMS Engineer
Forum 実行委員会
詳細:出展申込および参加をお待ちしております。出展を
ご希望の方は下記をご覧下さい。
http://www.memsengineerforum.com/2012/exhibitor_guide.pdf
http://www.mech.nagoya-u.ac.jp/mems/index.html
ご注意:セミナーへの参加はすべて無料ですが、正式招待
者のみの参加となります。参加ご希望の方は、ご参加日を
ご指定の上 [email protected] までお申し込
みください。登録締切は 2 月 10 日です。後日、正式に招
待状をお送りします。
PEN February 2012
49
PE ヘッドライン No .37(2 月 2 日)
タツモが 30lm/W の無機 EL パネル、
塗布法で作製(2012.1.18)
液晶パネル製造装置大手のタツモは、
塗布プロセスで作製した発光効率が
30lm/W の 無 機 EL パ ネ ル を 開 発 す
ることに成功した。補助照明や衣服
の電飾などへの展開を想定して開発
を進めている。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/
NEWS/20120118/203719/?ref=ML
PE ヘッドラインより
プリンテッド・エレクトロニクス研究会が独自の視点
で集めたニュースをお届けします。
Holstcenter と IMEC、次世代のフレ
キシブル OLED ディスプレイ開発に
向けて提携(2012.1.17)
オランダの Holstcenter とベルギーの
IMEC は、次世代のフレキシブル有機
発光ダイオード(OLED)ディスプレ
イに向けての新たな研究プログラム
を開始した。具体的には、フレキシ
ブルアクティブマトリックス有機 EL
ディスプレイの量産化に取り組む。
h t t p : / / w w w. h o l s t c e n t r e . c o m / e n / N e w s P r e s s /
PressList/Flexible_OLED_Displays.aspx
田中貴金属工業、紫外線で電子回路
を形成できる銀インクの販売を開始
(2012.1.17)
田中貴金属工業は、紫外線(UV)に
よる照射のみで、電子回路配線を形
成することができる導電性銀インク
を製品化し、販売開始することを発
表した。この導電性銀インクは、基
材 に 印 刷 後、UV を 約 0.3 秒 間 照 射
することで、瞬時に回路を形成でき、
導通させることができる。膜厚は 5
μ m 以上、電気抵抗率は 10-3 Ω cm
である。
http://pro.tanaka.co.jp/topics/fileout.html?f=62
50
PEN February 2012
ソウル大学の Byunghee Hong ら、Samsung と透明グラ
Henkel Electronic Materials、新組成の導電性接着剤を開
フェンヒーターの開発を促進(2012.1.16)
発(2012.1.10)
PE ヘッドライン No.34 で伝えたとおり、韓国のソウル大
ドイツの Henkel Electronic Materials は、新組成の導電性
学の Byunghee Hong と成均館大学の Jae Boong Choi のグ
接着剤(ABLESTIK ICP-3535M1)を開発した。3,000 時
ループは、ロールツーロール印刷技術方法を用いた透明で
間の高温高湿試験または 3,000 サイクルの熱衝撃試験後
フレキシブルな高性能ヒーターを開発した。現在、彼らの
も、安定した接触抵抗と良好な機械的特性を維持していた。
グループは韓国 Samsung とロールツーロールを用いたグ
http://www.henkel.com/Electronics-News-25534-34396.htm
ラフェン量産化研究を行っており、自動車用ガラスなどへ
の応用を検討している。
http://news.mk.co.kr/newsRead.php?year=2012&no=36062
浦 項 工 科 大 学 の Tae-Woo Lee ら、 グ ラ フ ェ ン 透 明 導
電 膜 上 に 高 発 光 効 率 フ レ キ シ ブ ル 有 機 EL 素 子 を 作 製
(2012.1.10)
Samsung Advanced Institute of Technology の Yun-
韓国の浦項工科大学の Tae-Woo Lee らは、高仕事関数と
Hyuk Choi ら、 ガ ラ ス 基 板 上 に 高 導 電 性 銅 配 線 を 作 製
低抵抗を有したグラフェン透明導電膜上に、高発光効率を
(2012.1.13)
有するフレキシブル有機 EL 素子(緑色蛍光有機 EL 素子、
韓 国 Samsung Advanced Institute of Technology の Yun-
白色蛍光有機 EL 素子、緑色燐光有機 EL 素子)を作製した。
Hyuk Choi らは、ガラス基板上に高導電性の銅配線を作製
いずれの有機 EL 素子も、ITO 透明導電膜上に作製したも
した。ギ酸銅錯体をベースにしたインクは粘度を 5000 ~
のよりも高い発光効率を示した。
1000 cP の範囲で変えられる。さらに、このインクにエチ
http://www.nature.com/nphoton/journal/vaop/ncurrent/abs/nphoton.2011.318.
ルセルロースを添加すると、ガラス基板と電極の密着性が
html#/affil-auth
向上した。印刷した配線をギ酸雰囲気下・250 ºC で加熱
すると、8 × 10-6 μΩ cm の体積抵抗率を示した。
http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2012/JM/c2jm15124c
イリノイ大学の Jennifer A.Lewis ら、室温で優れた導電性
が得られる反応性銀インクを開発(2012.1.5)
米国のイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の Jennifer
SIJ テクノロジ、超微細インクジェットヘッド組込みユニッ
トを販売(2012.1.12)
SIJ テクノロジは、世界最少クラスの液滴が吐出可能な「超
微細インクジェットヘッド組込みユニット」を 1 月 18 日
より発売すると発表した。同製品は、導電インクや絶縁イ
ンクなど様々な材料を世界最少サイズの液滴で吐出可能な
ディスペンサである。
http://www.sijtechnology.com/jp/news/index.html
A. Lewis らは、印刷後、溶媒を自然乾燥させるのみで、
優れた導電性が得られる反応性銀塩インクを開発した。
Tollens プロセスを改良して作製した反応性銀インクの初
期状態では、銀粒子は存在していないが、印刷後、室温で
乾燥さることで銀が形成され、104 S/cm の導電性が得ら
れる。また、90 ºC で 15 min 焼結することで銀バルクと
同等の導電性 (6.25 × 104 S/cm) が得られる。さらに、こ
の反応性銀インクは、ポリイミド、ガラス、セルロース基
板との密着性にも優れている。
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja209267c
Amazon.com、電子ブックリーダー「キンドル」用太陽電
池付きカバー筐体を発表(2012.1.11)
米国の Amazon.com はラスベガスで開催された Consumer
Electronic Show で、電子ブックリーダー「キンドル」用
の太陽電池付きカバー筐体を発表した。この太陽光でキン
ドル本体を 1 時間充電すると、キンドルでの読書がおよそ
3 日間可能である。また、このカバー筐体には LED ライト
とバッテリーが内蔵されているため、暗い場所でも読書が
できる。
EPFL の Joo Yeon Kim ら、インクジェット印刷法でマイク
ロレンズアレイを作製(2012.1.4)
スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の Joo Yeon
Kim らは、光硬化型の無機有機ハイブリット樹脂をガラス
基板上へドット状にインクジェット印刷し、マイクロレン
ズアレイを作製した。また、基板の濡れ性を制御し、マク
ロレンズの直径や厚さを変化させ、焦点距離や開口数を制
http://www.printedelectronicsworld.com/articles/solar-powered-kindle-00004073.
御した。この作製技術は、フォトリソグラフィの代替技術
asp
として、CCD や SPAD アレイの光学系に応用できる。
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/jm/c2jm15576a
PEN February 2012
51
デンマーク工科大学の Frederik C.Krebs ら、有機太陽電池
ヨハネス・ケプラー大学の Mihai lrimia-Vladu ら、天然顔
の安定性に関して総説を発表(2011.12.29)
料であるインディゴを用いて両極性有機電界効果トランジ
デンマーク工科大学の Frederik C. Krebs らは、近年、効率
スタを作製(2011.11.23)
と安定性が指数関数的に発展している有機太陽電池に関す
オーストリアのヨハネス・ケプラー大学の Mihai lrimia-
る総説を発表した。総説は、有機太陽電池の安定性を主題
Vladu らは、バランスのとれた電子、ホール移動度を有し、
とし、安定性向上に寄与したバルクヘテロ構造の使用、光
大気中で劣化しない両極性インディゴを用いてトランジス
安定な材料の選択、界面層の導入、およびロールツーロー
タを作製した。このデバイスは、天然顔料であるインディ
ル作製などの研究報告を取り上げている。
ゴをキャストして製造した生分解性であるため、環境調和
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104187/abstract
型エレクトロニクス技術への貢献が期待される。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201102619/abstract
ケース・ウェスタン・リザーブ大学の Liming Dai ら、有
機太陽電池に向けた高結晶性低バンドギャップポリマーを
No.36(1 月 16 日)
作製(2011.12.23)
米国のケース・ウェスタン・リザーブ大学の Liming Dai
中央大学の Sung Kyu Park ら、インクジェット印刷法によ
らは、同一平面上に主鎖と側鎖のエチレン架橋ユニットが
り有機単結晶トランジスタアレイを作製(2011.12.23)
存在する高結晶性の低バンドギャップポリマーである EI-
韓国中央大学の Sung Kyu Park らは、表面エネルギー、イ
PFDTBT を作製した。EI-PFDTBT と PC71BM をスピンコー
ンク液滴の体積密度、及び溶媒の蒸発挙動を制御すること
トで混合した太陽電池の光変換効率は、5.1% を示した。
により、インクジェット印刷法による低分子有機単結晶ト
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103623/abstract
ランジスタを作製した。この作製方法により大面積エレク
トロニクスに向けた高密度アレイの実現が期待される。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103032/abstract
Samsung Electronics、POSTECH、 嘉 泉 大 学、 イ ン ク
ジェット印刷法でハイブリッド薄膜トランジスタを開発
(2011.12.23)
韓国の Samsung Electronics、POSTECH、および嘉泉大学
SIMTech ら、印刷技術でヒーター付き輸血バックを作製
(2011.12.23)
は 共 同 で、
「polymer semiconductor」 と「single-walled
シ ン ガ ポ ー ル 製 造 技 術 研 究 所(SIMTech) は、HISAKA
carbon nanotube」を組み合わせた薄膜トランジスタをイ
Holding Ltd. および Zphyr Silkscreen Co. Pte Ltd. と共同で、
ンクジェット印刷法で作製した。作製したハイブリッドの
ヒーター付き輸血バッグを印刷技術により作製した。この
トランジスタは 0.23 cm2 V–1 s–1 の移動度を示した。
輸血バッグは、インクジェット印刷、スクリーン印刷、フ
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn2041472
レキソ印刷技術を用いてロールツーロールプロセスで製造
された。
http://www.plusplasticelectronics.com/healthwellbeing/printed-electronic-heaters-
伸縮性基板上の PEDOT : PSS 透明導電性フィルムの電気的
warm-blood-bags-42702.aspx
特性を評価(2011.12.22)
米国のスタンフォード大学の Zhenan Bao らは、表面処理
した PDMS 伸縮性基板へスピンコートで PEDOT:PSS 透明
電極フィルムを作製し、伸長時や伸縮時の電気的特性を評
価した。UV オゾン処理した PDMS 基板、
および 1% のゾニー
ルフルオロ界面活性剤を添加した PEDOT:PSS 水懸濁液を
用いて作製された透明導電性フィルムは、50% ひずみまで
抵抗値変化が少なく、10% から 30% 未満のひずみでは繰
り返し特性に優れていた。
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/cm203216m
ゲント大学の Jonas Feys、Isabel Van Driessche ら、水溶
媒を用いた YBCO 導電性コートとパターンのインクジェッ
ト印刷技術を開発(2011.12.22)
ベルギーのゲント大学の Jonas Feys、Isabel Van Driessche
らは、YBCO(YBa2Cu3O7) コートおよびパターンをインク
ジェット印刷する技術を開発した。この処理により、酸化
ストロンチウム(SrTiO3)基板上に YBCO を連続的にコー
トすることが可能となった。さらに、均質なプロファイル
のパターンが作製できた。
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/jm/c1jm14899k
52
PEN February 2012
IMEC と Flamac が 太 陽 電 池 用 新 材 料 の 開 発 で 提 携
(2011.12.21)
されている。
http://www.etri.re.kr/etri/not/not_0101010000.etri?type=view&b_idx=13025
ベルギーの IMEC と Flamac は、CIGS 太陽電池に代わる新
たな太陽電池に向けた新規半導体材料の開発に関して提携
した。より効率的で安価なプロセスの太陽電池技術を実現
CAS の Jianwen Zhao 、Zheng Cui ら、 化 学 修 飾 SWCNT
するため、印刷技術を取り入れて新材料の開発に取り組む。
イ ン ク を エ ア ロ ゾ ル ジ ェ ッ ト 印 刷 し た TFT を 作 製
http://www2.imec.be/be_en/press/imec-news/flamacen.html
(2011.12.12)
CAS の Jianwen Zhao 、Zheng Cui らは、化学修飾した単
JPCA PE の 規 格 部 会 が 発 足、 米 IPC と 共 同 歩 調
(2011.12.21)
日本電子回路工業会(JPCA)は大阪大学産業科学研究所
教授菅沼克昭氏を部会長とする「プリンテッドエレクトロ
ニクス(PE)基板規格部会」の会合を開催すると発表した。
米国電子回路協会(IPC)と連携して PE の国際標準化を
層カーボンナノチューブ(SWCNT)水性インクをエアロ
ゾルジェット印刷し、高性能薄膜トランジスタを作製した。
作製した薄膜トランジスタは、高移動度(1 cm2 V-1 s-1)
と良好なオンオフ比(103 以上)を示した。さらに、この
トランジスタは、ヒステリシスフリーであり、低電圧で動
作可能である。
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/jm/c1jm14773k
積極的に推進する事を確認し、早ければ 2012 年 JPCA
Show にて IPC と合同国際カンファレンスなどを開催する
予定である。
ノースダコタ州立大学の Erik K. Hobbie ら、CNT フレキシ
ブル透明導電フィルムの電気的耐久性を評価(2011.12.11)
米国ノースダコタ州立大学の Erik K. Hobbie らは、金属性
CAS の Yunqi Liu ら、コーヒーリングリソグラフィを用い、
と半導体性を持った SWCNT の機械的柔軟性と電気的特性
グラフェンパターンを作製(2011.12.21)
を評価した。金属性の SWCNT 塗布膜は透明で、優れた機
中国科学院(CAS)の Yunqi Liu らは、コーヒーリング効
械的特性と導電性を兼ね備えていた。
果を利用して、
インクジェット印刷で 1 ~ 2 µm と長いチャ
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn204383t
ンネル長のグラフェン電極を形成した。この電極を用いて
移動度 0.2 cm2 V-1 s-1 の OTFTs が作製できた。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103620/abstract
南洋理工大学の Chang Ming Li ら、オール印刷でプラス
チック基板上に高性能フレキシブルエレクトロニクス用
CNTfinFET を開発(2011.12.9)
住友化学、有機太陽電池を 2012 年にも発売(2011.12.14)
シンガポールの南洋理工大学の Chang Ming Li らは、カー
住友化学は開発中の有機薄膜太陽電池を 2012 年にも市場
ボンナノチューブ(CNT)インクを 95 ºC で 90 分加熱し、
投入する事を明らかにした。インクジェット印刷技術など
PBS 基板へ転写することで、field-effect transistor(finFET)
の有機 EL 開発で培った技術を応用し、有機薄膜太陽電池
を作製した。作製したトランジスタの移動度とオンオフ比
の開発を進めている。開発中の有機薄膜太陽電池は、チオ
は、それぞれ 27 ± 10 cm 2 V-1 s-1 と 102 – 104 であった。
フェン系の p 型ポリマーとフラーレン誘導体を組み合わ
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201103674/abstract
せたバルクへテロ構造で、基板には軽量でフレキシブルな
プラスチックフィルムを用いている。
ノートルダム大学の Prashant V. Kamat ら、半導体ナノ粒
子を用いた印刷太陽電池を作製(2011.12.6)
韓 国 ETRI、 ハ イ ブ リ ッ ド Cu ペ ー ス ト の 国 産 化 に 成 功
(2011.12.12)
米国のノートルダム大学の Prashant V. Kamat らは、半
導体ナノ粒子を用いた印刷太陽電池を作製した。CdS・
韓国電子通信研究院(ETRI)は、Cu 粒子と接着剤を混合
CdSe・TiO2 の半導体ナノ粒子からなるペーストを FTO ガ
した Cu ペーストの国産化に成功した。このペーストは既
ラス透明導電膜に塗布し 200 ºC で加熱処理した。光電変
存の還元剤を用いることなく金属表面の酸化膜を除去でき
換は、グラフェン -Cu2S の対電極と半導体ナノ粒子の間で
るので、Cu 粒子周りを効果的に保護し、高信頼性が得ら
起こり、その変換効率は 1% 以上を示した。
れる。国産化により、従来の Ag ペーストの費用を半分程
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn204381g
度節約でき、今後、様々な産業領域で適用ができると期待
PEN February 2012
53
No .35 (12 月 15 日 )
マックスプランク研究所の Doris Vollmer ら、ロウソク
のススを透明で丈夫な超両嫌媒性コーティングに応用
JPCA PE 基 板 の 規 格 部 会、 プ リ ン テ ッ ド の 普 及 を 加 速
(2011.12.7)
(2011.12.1)
ドイツのマックスプランク研究所の Doris Vollmer らは、
日本電子回路工業会(JPCA)は「プリンテッドエレクト
ロウソクのススから透明で丈夫な超両嫌媒性コーティン
ロニクス基板規格部会」を発足し、キックオフ会合を開催
グ膜を作製した。両嫌媒性とは、水にも油にも馴染まない
した。JPCA では PE の実用化のプロセス技術も確立しつ
性質のことである。ポーラス構造を持つロウソクのスス
つあることから、PE 産業基板の標準化に着手する。部会
を 25nm 厚みのシリカシェル上に塗布した。作製した膜は
長に大阪大学菅沼克昭教授が就任。規格策定に当たって、
シラン化すると超両嫌媒性を示し、砂を衝突させて膜にダ
JPCA 及び米国 IPC 両団体合意のもと共同・ダブルロゴで
メージを与えても超両嫌媒性を維持していた。
規格化を進め、数種の規格策定を予定している。
http://www.sciencemag.org/content/early/2011/11/30/science.1207115
産総研の大谷ら、絶縁体基板表面へのグラフェンの吸着機
Kodak、透明導電膜を用いた抵抗膜方式タッチパネルを発
構を解明(2011.12.7)
表(2011.11.30)
産総研の大谷らは、グラフェンと酸化シリコン基板の相互
米国の Kodak は、透明導電膜を用いた抵抗膜方式タッチ
作用を詳細に調べ、特定の電子構造を持つ酸化シリコン表
パネルを Printed Electronics USA 2011 で発表した。導電
面上において、グラフェンが非常に強く基板に吸着される
性高分子 PEDOT/PSS を紫外線キュアと加熱処理した、こ
ことを発見した。これにより、これまで未解明であった、
の透明導電膜はシート抵抗 225 Ω / □を示した。この透
剥離法による酸化シリコン表面上でのグラフェン生成機
明導電膜は、ヘイズ比が低いため、完全にパターンが見え
構の一部が明らかとなった。なお、本研究成果は、2011
ない特徴を持つ。
年 12 月 6 日に米国のワシントン D.C. での「International
http://www.printedelectronicsworld.com/articles/breakthrough-in-transparent-
Electron Device Meeting 2011」において発表された。
conductive-films-00003959.asp
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20111207/pr20111207.html
Thinfilm、印刷メモリの大量生産に向けて Polyera と提携
Heliatek、有機薄膜型太陽電池で最高効率 9.8% を達成
(2011.12.5)
ドイツの Heliatek は、変換効率 9.8%、面積 1.1cm2 の有
機薄膜太陽電池セルを開発したと発表した。この値は、有
機薄膜太陽電池セルとして最も高い変換効率である。
http://www.heliatek.com/?p=1346&lang=en
(2011.11.30)
ノルウェーの Thinfilm と米国の半導体インク会社 Polyera
は、有機半導体メモリの大量生産に向けて技術提携した。
今後は、Thinfilm の印刷メモリ技術と、Polyera の半導体
インク技術を統合した CMOS タイプの印刷メモリを開発
していく。
http://www.thinfilm.se/news/press-releases/283-thinfilm-and-polyera-partner-tobring-printed-cmos-memory-to-market
マサチューセッツ大学ダートマス校の Paul Calvert ら、
CNT/PEDOT:PSS コンポジットを用いたフレキシブルな透
三重大学など、折り曲げ可能な二次電池開発(2011.11.29)
明導電膜を EL 素子に応用(2011.12.1)
三重大学など産学官連携のプロジェクトチームは、薄い
米国マサチューセッツ大学ダートマス校の Paul Calvert
シート型で折り曲げられ、安全性も高い「次世代全固体ポ
はら、PET 繊維の布基板で作製した透明導電膜を EL 素
リマーリチウム二次電池」の試作品開発に成功した。開発
子に応用した。透明導電膜は、カーボンナノチューブ溶
品は、厚さ 1.2mm、作動電圧は 7.2 ボルトであり、有機
液を PET 繊維布へディップコートし、導電性ポリマー
EL や電子ペーパーなどのプリンタブルエレクトロニクス
(PEDOT:PSS)をインクジェットコーティングして作製し
分野や、電気自動車向けの電池としての応用が期待される。
た。
54
PEN February 2012
ト ッ パ ン・ フ ォ ー ム ズ、 電 子 ペ ー パ ー ラ ベ ル 小 型 化
(2011.11.28)
トッパン・フォームズはカードサイズの「無線書き換え型
導電性が高く、低コストである。さらに、PET、PEN、ポ
リイミド、紙などの様々な基板に印刷可能である。
http://www2.dupont.com/MCM/en_US/news_events/article20111122.html
バッテリーレス電子ペーパーラベル」を 2012 年春に販売
する。初期モデルに比べて約 70% 小型化され、サイズは
54 × 85mm、厚さは平均 1.3mm である。従来用途の物
Unidym, Inc. の Chunming Niu、CNT を用いた透明導電膜
流コンテナなどのほか、スーパーの店頭表示など幅広い活
の総説を発表(2011.10.20)
用法が期待される
米 国 Unidym, Inc. の Chunming Niu は、CNT を 用 い た 透
明導電膜の総説を発表した。透明導電膜作製に重要な CNT
インクの分散方法と最近の動向について解説している。
スタンフォード大学の Zhenan Bao ら、伸縮・フレキシブ
ル透明電極に向けてフッ素系界面活性剤添加 PEDOT:PSS
http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&a
id=8409242
フィルムを開発(2011.11.25)
米国スタンフォード大学の Zhenan Bao らは、フッ素系界
面活性剤を添加した PEDOT:PSS フィルムを作製した。フッ
素系界面活性剤を添加すると PEDOT:PSS フィルムのシー
ト抵抗は、35% 向上した。このフィルムを電極として用い
た有機太陽電池は、ITO を用いたものと同等の変換効率を
示した。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201101775/abstract
PolyIC の Jasmin Woerle ら、金属格子を用いたロールツー
ロールによる透明導電膜の作製技術を紹介(2011.11.20)
ドイツの PolyIC の Jasmin Woerle らは、金属格子を用い
たロール・トゥー・ロールによる透明導電膜の作製技術を
紹介した。金属格子を用いた透明導電膜は、ロール・トゥー・
ロール生産することで、大面積・高速生産を可能とし経済
性が優れ、高透明性と高導電性が実現できる技術である。
http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&a
id=8409254
OLED100.eu、大面積有機 EL 照明を開発(2011.11.23)
欧州企業 15 社、6 カ国の研究機関からなる研究プロジェ
クト OLED100.eu は、有機発光ダイオード(OLED)を用
ケ ン ブ リ ッ ジ 大 学 の Andreas Elschner ら、PEDOT:
いた、9 つの 33 × 33 cm ² の有機 EL タイルで構成され
PSS インクで作製された透明導電膜について総説を発表
る大面積有機 EL 照明器具を開発した。消費電力は 60 lm/
(2011.10.20)
W と一般的な省エネランプよりも効率的で、無機 LED の
米国ケンブリッジ大学の Andreas Elschner らは、PEDOT:
寿命に匹敵する 10 万時間の長寿命である
PSS インクで作製された透明導電膜について総説を発表し
http://www.ipms.fraunhofer.de/en/news/press/2011-11-23.html
た。PEDOT:PSS の化学的特性および機械的特性について
議論している。
http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&a
延世大学の Jooho Moon ら、低温溶液プロセスによる金属
id=8409245
酸化膜トランジスタの総説を発表(2011.11.22)
韓国延世大学の Jooho Moon らは、低コストで機能的な電
子アプリケーションに活用できる金属酸化膜トランジスタ
NIST の Eric N. Dattoli ら、ITO ナノワイヤ・ナノ粒子を用
の総説を発表した。プラスチック基板に対応する低温プロ
いた透明導電膜の総説を発表(2011.10.20)
セスによる金属酸化膜半導体の発展、及び焼成温度の低温
化に向けたアプローチについて説明した。
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/jm/c1jm14452a
米国国立標準技術研究所(NIST)の Eric N. Dattoli らは、
ITO ナノワイヤ・ナノ粒子を用いた透明導電膜の総説を発
表した。ITO は透明導電膜として最も広く応用されている
材料であるが、フレキシブルデバイス用の透明導電膜とし
ては機械的特性が劣っている。本総説では、この問題につ
DuPont Electronics and Communications、高導電性スク
リーン印刷用銀インクを開発(2011.11.22)
米国の DuPont Electronics and Communications は、高導
電性スクリーン印刷用銀インク “DuPont 5064H” を開発し
いて ITO ナノワイヤ・ナノ粒子による解決手法についてま
とめた。
http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&a
id=8409239
た。現在入手可能なスクリーン印刷用銀インクの中で最も
PEN February 2012
55
Column
茨城県自然博物館に展示されてい
るドードーの骨格標本
飛ぶことを忘れてしまった大きなハト
かつてモーリシャス島にはハトの近縁種のドードーという飛べない鳥が生息していました。イギリスの作家ルイス・キャ
ロルの
『不思議の国のアリス』
の挿絵でよく知られています。テニエルによる挿絵は食器の意匠にも用いられているので、
『不
思議の国のアリス』を読んだことがなくても、挿絵のドードーを目にしたことがあるのではないでしょうか。
ドードーはポルトガル人の航海者によって 1507 年ごろ発見されました。航海者が補給のために島に立ち寄るようになると、
瞬く間に数を減らし、発見から 100 年も経たないうちに滅びてしまった鳥です。足が遅いうえに飛ぶことができず、また、
ポルトガル人が島に来るまで人間と接触がなかったために人間に対する警戒心が薄かったことなどが、短期間での絶滅に
つながったと考えられています。絶滅にいたった主要な原因には他にも諸説あります。
ドードーの標本は、挿絵画家のテニエルが参考にした当時ですら劣化が激しく、嘴にある空気穴が乾燥によって引きつり
実際以上に大きくなっていた、など正確な姿ではなかったといいます。さらに、その貴重な標本も保管の不手際で処分さ
れることとなり、今では辛くも焼却を免れた嘴と脚の一部が残るのみです。生きていたころの姿を正しくとらえるのはさ
らに難しくなっています。また、ドードーは太った滑稽な姿に描かれていますが、初期の航海者が持ち帰った絵ではもっ
とスマートな姿でした。ドードーが “太った” のは、当時は家畜や家禽を実際以上に美味しそうに、つまり太めに描くこ
とが流行したためとの指摘もあります。
古生物学者の間では、ドードーは有名な挿絵ほどには太っていなかったと考えられています。では専門家の意見は一致し
ているのかといえば、決してそうでもないようです。大型犬ぐらいはあったとか、もっとスマートだったとか、あるいは、
そんなことはない実際にかなり太っていたと諸説あり、今も熱い議論が繰り広げられています。
奇妙な姿に加えて、発見から絶滅にいたるまでの時間の短さや絶滅の原因などミステリアスな逸話は豊富にあるのに、真
実の姿がすりガラスの向こう側にいるように不明瞭なことが長年にわたって多くの人をひき付けている理由のようです。
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PEN February 2012
バイオミメティックス研究会
バイオミメティックス研究会より、研究会等イベント
のご案内、関連書籍のご案内、注目トピックなどをお
届けします。
バイオミメティクス・市民セミナー
開催のご案内
バイオミメティクス(Biomimetics)
は、生物模倣技術と訳します。「カの
口を模倣した痛くない注射針」
、
「サ
メの皮膚を模倣した水抵抗の少ない
水着」
、
「ヤモリの指先を模倣した粘
着テープ」など、さまざまな分野で
の新技術の応用と製品開発がなされ
ています。
生物は、5億年の自然選択によって、
人が頭で考えるデザインよりも優れ
たデザインを獲得しています。博物
館には多くの生物標本が収蔵されて
いますが、標本を工学者の設計デザ
インの視点から見直すとどうなるで
しょう。生物学者では解けなかった
自然の造形美の意味が解き明かされ
るかもしれません。そして生物のデ
ザインからアイディアを得て新しい
技術が生まれるかもしれません。
動植物の持つ能力や形・機能などの
特性を把握し、そこからヒントを得
て人工的に設計・合成・製造するの
PEN February 2012
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が「生物規範工学」です。
生物学と工学と博物館を結ぶ、バイオミメティクスは注
目されています。 バイオミメティクス市民セミナーでは、
関連書籍のご案内
「次世代バイオミメティクス研究の最前線―生物多様性 に学ぶ」(バイオテクノロジーシリーズ)
生物学者と工学者が、新しい視点で生物の 見方を紹介し
ます。
監修:下村政嗣、編集:バイオミメティックス研究会
(シーエムシー出版 、2011 年 9 月、65100 円)
セミナー2:2012 年 2 月 19 日(日)
下澤楯夫(北海道大学 名誉教授)
「コオロギに学ぶ:センサーの設計図」
セミナー3:2012 年 3 月 31 日(土)
針山孝彦(浜松医科大学医学部 教授)
「タマムシに学ぶ:構造色と農業応用」
セミナー4:2012 年 4 月 7 日(土)
高原淳(九州大学先導化学物質研究所 教授)
「生物の表面に学ぶ:撥水、親水、防汚、潤滑のための新
しい材料」
セミナー5:2012 年 5 月 5 日(土)
大原昌宏(北海道大学総合博物館 教授)
「博物館に学ぶ:博物館の自然史研究とバイオミメティク
ス」
セミナー6:2012 年 6 月 2 日(土)
細田奈麻絵(独立行政法人物質・材料研究機構 グループ
リーダー)
「虫・ヤモリ・植物から学ぶ:接合技術」
セミナー 7:2012 年 7 月 7 日(土)
劉浩(千葉大学工学研究科 教授)
「蛾に学ぶ:羽ばたき飛行ロボット」
会場:北海道大学総合博物館/知の交流コーナー
〒 060-0810 札幌市北区北 10 条西 8 丁目
時間:13:30 ~ 15:30
共催:北海道大学総合博物館、バイオミメティクス研究会
問 合 せ 先:Tel:011-706-2658 、FAX:011-706-4029
E-mail:[email protected]
プログラム詳細:
http://www.museum.hokudai.ac.jp/event/article/84/
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PEN February 2012
イベント案内
イベント案内への掲載を希望される方は [email protected] までご連絡ください。
海外環境規制情報セミナー
「東南アジア諸国における化学物質管理制度の基礎解説」
第 4 回先進プラズマ科学と窒化物及びナノ材料への応用に
関する国際シンポジウム(ISPlasma2012)
日時:
<大阪会場>
【ISPlasma2012】2012 年 3 月 4 日(日)~ 8 日(木)
日時:2012 年 2 月 24 日(金)13:30 ~ 17:30
【産学官連携セッション】平成 24 年 3 月 6 日(火)14:30
場所:ハートンホテル南船場 2 階サイプレス
~ 18:20(同時通訳付)
主催:公益財団法人科学技術交流財団、ISPlasma2012 組
<東京会場>
織委員会
日時:2012 年 3 月 16 日(金)13:30 ~ 17:30
場所:中部大学(愛知県春日井市松本町 1200)
場所:第一法規株式会社 東京本社 9 階ホール
概要:文部科学省の支援を受け、東海地域が世界有数の
ものづくり拠点としての持続的発展を目指して推進して
主催:第一法規株式会社
いる「東海広域ナノテクものづくりクラスター」事業で
概要:東南アジア諸国の環境規制のうち、各国で進展して
は、自動車、工作機械、航空宇宙分野など、基幹産業の
いる化学物質管理制度・法規制の枠組みを基本理解し、一
発展や次世代につながる技術シーズが創出されています。
般工業用用途での「化学物質の登録」に係る各国法規制(ベ
ISPlasma2012 では、その創成に欠かせないプラズマ科学、
トナム、インドネシア、タイ、シンガポール、マレーシア、
窒化物半導体、ナノ材料に関する最新の研究成果を発表し、
フィリピン)を主に解説するセミナーを開催します。各会
それらの応用についてパネル討論を行います。また、関連
場とも定員は 50 名(先着順)
、受講料は一般 10,000 円、
する異分野の理解を深め、分野間融合による新たな価値創
『World Eco Scope』会員 5,000 円です。両会場とも講演
造を目的にチュートリアルを行います。
内容は同じです。
本シンポジウムでは「産学官連携セッション」を開催し、
https://www.ecobrain-wes.com/wes/index.php?id=6376
産業拠点として発展、または発展しつつある国内外の地域
の事例を紹介し、当地域に持続的に産業へ貢献する研究拠
点を形成するための方策を探ります。
参加費:有料。事前オンライン参加登録を受付中。
※産学官連携セッションのみご参加の場合は無料です。
http://www.isplasma.jp/
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Editor's Pick
第 11 回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nano
切なシステム構築のあり方やシステム構築を支えるシステ
tech 2012)
ム科学技術の推進方策について議論します。参加費は無料
日時:2012 年 2 月 15 日(水)~ 17 日(金)
です。定員 250 名。事前登録が必要です。
場所:東京ビッグサイト 東 3・4・5・6 ホール、会議棟
http://crds.jst.go.jp/sympo/sys2012/
nano tech 2012 公式ウェブサイト:http://www.nanotechexpo.jp/
nano tech 2012 関連イベントのご案内
化学物質の安全管理に関するシンポジウム「新しい化学物
質等のリスク問題へのアプローチ」
NRI ワークショップ
日時:2012 年 2 月 17 日(金) 13:00 ~ 17:35 (受
日時:nano tech 2012 に併設して開催
付開始 12:30)
2012 年 2 月 16 日(木)10:00 ~ 16:40 頃
場所:三田共用会議所 1 階 講堂
場所:東京ビッグサイト東 3 ホール 特設会場(出入りは
主催:化学物質の安全管理に関するシンポジウム実行委員
自由ですが、受付にてお名刺を頂戴できれば幸いです。)
会
概要:新規化学物質等のリスク評価と管理に関して、関係
情報共有のためのラウンドテーブル
省庁および機関にて進められている取り組みの最新研究成
Round Tabel for Global Information Exchange
果について紹介します。定員 250 名。参加費は無料。
日時:2012 年 2 月 15 日
(nano tech 2012 に併設して開催)
http://www.nies.go.jp/risk/chemsympo/
場所:東京ビッグサイトホール棟 東 3 セミナー会場
主催:産総研ナノシステム研究部門ナノテクノロジー戦略
室
科学技術イノベーション政策のためのデータ基盤の構築に
関する国際会議
主催:科学技術政策研究所
「環境と映像広告」シンポジウム
日時:2012 年 2 月 10 日(金)17:30 ~ 20:30(17:
場所:文部科学省第1講堂(中央合同庁舎第 7 号館東館 3
00 開場)
階)
場所:名古屋大学野依記念学術交流館
概要:適切な科学、技術、イノベーション政策の立案には
主催:名古屋大学国際言語文化研究科メディア・プロフェッ
エビデンス・ベースの “ 科学的 ” なアプローチが必要であ
ショナル・コース、名古屋大学グローバル COE プログラ
り、その有力な手段として、体系的なデータ基盤の整備が
ム「地球学から基礎・臨床環境学への展開」
望まれています。本シンポジウムでは、エビデンス・ベー
概要:映像による環境広告の発信の現状と課題、今後の展
スの政策のためのデータ基盤構築に向けた取り組みの事例
望について経験豊富な専門家とともに議論し、考えます。
を紹介し、参加者と議論することで実践的な知見を得ると
入場は無料、事前登録も不要です。
ともに、今後の取り組みの方向性を明確にしたいと考えて
http://w3serv.nagoya-u.ac.jp/envgcoe/modules/events/index.php/conference_dom/
います。参加費は無料です。日英同時通訳がつきます。
view/297
科学技術シンポジウム「システム構築による重要課題の解
決に向けて」
日 時:2012 年 3 月 2 日( 金 )13:00 ~ 17:15 (12:
30 開場)
場所:スクワール麹町 (最寄駅:JR 四ツ谷駅)
主催:
(独)科学技術振興機構 研究開発戦略センター
概要:社会の要請に応え、重要な課題を解決するための適
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日時:2012 年 2 月 28 日 ( 火 ) 10:00 ~ 18:05(開場 9:30)
PEN February 2012
http://www.prime-pco.com/nistep2012
PEN 編集室
編集長 関谷瑞木
編集委員 安順花
外部編集委員 安宅龍明
伊藤正
Endo, Charles-Anica
亀井信一
下村政嗣
李精一
宋清潭
豊蔵信夫
編集後記
山根秀信
ウェブ担当 木村美紀
Ireneusz Laszczyk
発行責任者 阿多誠文
内向きの政策議論が科学技術政策にも影響を与えはじめた。混乱し
た経済が政策議論を内向きにさせるのは、日本だけの話ではない。
欧州しかりであり、アメリカの一般教書演説も内向きだった。世界
経済フォーラムの Global Risks 2012 は、「経済格差」と「グローバ
ル・ガバナンスの破綻」を、分野横断的グローバルリスクと指摘する。
多くの若い技術者や研究者が将来に不安を覚える現状に、科学技術
政策がどう答えていくのか、いかないのか、正視しておきたい。
PEN 編集室 一同
2012 年 2 月 7 日
(独)産業技術総合研究所
ナノシステム研究部門
ナノテクノロジー戦略室
〒 305-8565 つくば市東 1-1-1 産総研つくばセンター中央第 5 1 号館 3106 室
Email:[email protected]
Tel:029-860-5108
http://unit.aist.go.jp/nri/nano-plan/index.html
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