第 4 回 U NI 世界大会 ウブントゥ! - UNI Global Union Blogs

第 4 回 UNI 世界大会
インクルーディング・ユー!
ウブントゥ!
日本語速報第 6 号
2014 年 12 月 12 日発行
UNI Apro 東京事務所
UNI 日本加盟組織連絡協議会
平和!ウブントゥ!インクルーディング・ユー!
動議を提案した。イスラエルの代議員は、ヒスタ
2014 年は第一次世界大戦勃発から 100 年目。
ドルートは対話と交渉に努力していると述べ、
新たな世紀を戦争のない平和な世紀とするため、
“ボイコット”という言葉を削除するか本動議を
労働組合のできるアクションについて議論した。
反対するよう呼び掛けた。大会は 11 と 12 の複合
国際平和ビューロー共同会長及び IALANA 事
動議を可決した。
務局長であるブラウン氏は、1.74 兆ドルの軍事予
宇田珠美情報
算を、人々に食糧や清潔な水、衛生施設、教育を
労連中央執行委
提供する開発予算に充てるべきだと訴えた。軍事
員は、情報労連は
予算を無くしたコスタリカのような例がある一
結成以来「平和無
方、ロボットによる戦争や宇宙戦争などハイテク
くして労働運動
殺戮武器が開発されている。1 万 6000 残存する
なし」、
「創り育て
核兵器が使われれば、人類のみならず全ての生物
る平和」を合言葉
が破滅するだろう。「戦争を起こすのも防ぐのも
に、戦争と原爆被
人間だ」と想起し、軍事産業に従事する労働者を
爆を風化させない活動や人権、環境、貧困の問題
それに代わる命の産業へ移行させようと訴えた。
等に取組んでいると述べ、共に差別の無い平和な
世界中から届いた平和メッセージのビデオが
世界を築くために努力しようと呼びかけた。動議
上映され、日本からは田上富久長崎市長が UNI
ファミリーに核兵器廃絶への支持を呼びかけた。
ジェニングス書記長はこれを受け、「長崎大会で
UNI は平和運動の推進を公約した。日本の平和大
使との交流を続けている」と報告した。
UNI 役員は本年 9 月にパレスチナ・イスラエル
両国に赴き、両国の労組、政府関係者等様々な
人々に会い、和平交渉の難しさを実感した。利害
が相反するため動議案にも賛否両論有った。世界
執行委員会は、二国家共存案に基づき、イスラエ
ルによる入植地拡大を非難する ITUC の声明を支
持し、入植地で生産された製品をボイコットする
10 は満場一致で採択された。
12 月 10 日は世界人権デー
デニス UNI 世界女性委員会議長は、西欧の労
組の女性役員と東欧や北アフリカの労組の若い
女性組合員とがペアになって取組まれたメンタ
リングプロジェクトにより、女性の組織化が進ん
でいると報告すると共に、
「調査はもういらない、
男女間賃金格差は明白だ、女性の賃上げのために
立ち上がろう!」とアピールした。
駐南ア・オランダ大使は、反アパルトヘイト運
動 を 支 援 した オ ラ ン ダの ナ シ ョ ナル セ ン タ ー
FNV の取組みを紹介し、ボンズ・スクル UNI ア
告し、
「男女共同参画
フリカ地域書記長より感謝状が贈られた。
推進委員会」の
COSATU 初代書記長やマンデラ政権で郵政大
設置や、
「女性特別中
臣を務めた GAIN(栄養向上のためのグローバル
央執行委員制度」、女
同盟)のナイドー理事長は、世界には十分な食糧
性役員研修等を通じ、
があるにもかかわらず、飢餓に苦しむ子供達が死
活動全般に女性の視
んでいく、気候変動対策を取らなければ状況は深
点を一層反映させて
刻化すると想起し、我々はパワーをどう構築する
いきたいと述べた。
か自問し、政治リーダーを説得しなければならな
いと強調した。
大会は全ての関連動議を採択した。
UNI の新たなリーダーシップ
共に新しい労働の世界で闘おう
最後に各地区から指名された UNI 世界執
グローバル化、金融不安、技術革新、人口動態
行委員(正委員、第 1 予備委員、第 2 予備委
の変化、都市化、気候変動等は、急速に仕事のや
員)が確認された。日本からは次の委員が確
り方や労働の質を変化させている。ステファニー
認された。(敬称略)
代議員(南アフリカ)は、若年労働者に良質な雇
用機会や研修へのアクセスを求め、セニス代議員
(ブラジル)は、コールセンター労働者を組織化
して基準を引上げなければならないと述べた。ウ
ルフ UNI 専門職・監督職委員会議長(スウェー
デン)は、将来の仕事の性質がどのように変化す
るか完全に予測できない中で、例えば、技術革新
組織名
正委員
情報労連
第 1 予備委員
第 2 予備委員
野田三七生
後藤一宏
宮原千枝
UA ゼンセン
逢見直人
郷野晶子
中野英恵
自動車総連
相原康伸
鎌仲一樹
川下明子
損保労連
田原將一
田名田曜行
目黒ゆかり
JP 労組
小俣利通
増田喜三郎
花田美和
のためにワークライフバランスが崩されないよ
会長には、アン・セリン氏(フィンランド
う、非倫理的な事態を告発しても解雇されないよ
PAM)が、書記長には、フィリップ・ジェニ
う、専門職・監督職の権利を擁護していかねばな
ングスが再選された。セリン氏の就任最初の
らないと訴えた。
言葉は「まず私達に必要なのは平和だ」。そし
桜井大介全労金副
て職場からボトムアップして組織化を推進し
委員長は、連帯・協
ていこうと呼びかけ、全員から寄せられた信
同で安心・共生の社
頼と支持に感謝した。ジェニングス書記長は、
会を作り上げること
デブリュン前会長の献身に感謝し、2018 年リ
が喫緊の課題である
バプールでの再会を誓い閉会した。
とし、
「全組織が市場
経済の暴走を抑止す
特別ゲストとしてタルヤ・ハロネン前
る労組の社会的機能の強化と、協同組合経済の領
フィンランド大統領が登壇し、不平等は
域拡大を図り、新自由主義に代わる新たな社会を
経済にとって良くない、持続可能な開発
実現しよう」と呼びかけた。
を実現しなければならない、そのために
宮本進平生保労連副書記長は、生保産業では多
くの女性が働いており、女性の社会進出に貢献し
てきた。生保労連としては加盟単組本部役員の合
計で女性占率 30%を目指して取組んでいると報
はグリーンジョブ開発、女性の権利向上
等が不可欠だと述べた。