DC 確定拠出年金 DCを生かした顧客囲い込み戦略 “単品売り” ではなく、 NISAなどと比較しながら提案販売会社の営業ツールの有力手段と注目を集めているのがDC（確定拠出年金）だ。国会で審議中の改正DC法が成立すると、2017 年1月にも新たに専業主婦や公務員などが加入できるようになり、約 6700万人の国民年金加入者のほぼ全員が対象となる。DCを生かした顧客囲い込みのポイントを、三井住友アセットマネジメントの櫻井秀樹氏と金井麻理子氏に聞いた。「専業主婦」と「公務員」が新加入（記事内容は2016年4月18日時点のもの）三井住友アセットマネジメント営業推進部副部長兼営業推進2課長 DC・NISA推進担当櫻井秀樹氏三井住友アセットマネジメント営業推進部 DC・NISA推進課長金井麻理子氏入が可能となります」（櫻井秀樹氏）性が良いなど親和性が極めて高いた個人型 DC は銀行や証券会社などのめ、例えば、両制度一体で提案するこ販売会社（金融機関）経由で国民年金とは有効なアプローチ手法と説く。年金給付額が決定するDC（確定拠出基金連合会に申し込む。販売会社に「ある地方銀行では、営業職員が顧年金）は 2001 年 6 月に法制化され、同とっては、今回の個人型 DCの対象者拡客にジュニアNISA（未成年者少額投大は絶好の営業チャンスといえそうだ。資非課税制度）の説明をしていたとき用が始まった。今回の改正は 2015 年 9 「DC は節税メリットが大きい」と主に税優遇措置の大きい他の制度として月に衆議院で可決、今国会で審議中だ婦の口コミネットワークに乗れば、地域が、成立すれば 2017 年 1 月にも施行さ社会への浸透は早いだろう。中小企業 DC を紹介すると、DC にも関心を示し掛け金と運用収益との合計額を基に年 10 月に企業型、翌年に個人型の運たそうです。個人型 DC の単品売りれる見込みだ。では主婦が総務・経理を担当しているではなく、NISA や個人年金などと比較「今回の改正で、DC に制度上加入でケースが多いので、自社の退職金制度しながら、お客さまにとって最適な活用きない障壁がなくなり、所属企業と加としての導入の広がりも見込める。地方方法を検討してもらうことで、『老後の入者本人の希望があれば、約 6700 万銀行や信金・信組にとって、税制メリッお金のことも教えて』などの囲い込み人の国民年金加入者のほぼすべての人トの理解が早い地方公務員は優先順位効果が期待できます」（金井氏）がサービスを受けられるようになります。の高いターゲットといえる。三井住友アセットマネジメントでは第 3 号被保険者（専業主婦）の 930 万人強と公務員等共済加入者（公務員など）の約 440 万人が新しく対象に加わり、企業年金加入者でも個人型 DC への加 2015 年 4 月からDC・NISA 推進課を積立投資と相性が良い新設して専属の担当者を配置し、顧客金井麻理子氏は、DC もNISA（少向けおよび販売会社向けの各種セミ額投資非課税制度）も積立投資との相ナーを多数開催している。 ■DCなど各種制度・商品のメリットとデメリットメリットデメリット掛け金の所得税控除、配当・運用益への課税免除、給付時 DC （確定拠出年金）の所得税優遇とさまざまな税優遇措置がある原則 60 歳まで払い出し不可、手続きが煩雑、資産額が少額だと手数料負担が大きいジュニアNISA／NISA 運用・配当益への課税20.315%が免除投資額の年間上限・期限がある。ジュニアNISA払い出し制限があるが、NISAは払い出し自由財形貯蓄給与天引きで強制的税優遇なし、金利利回りも相対的に低い学資保険契約者が死亡した場合、満期保険金は予定通り受け取れるが、その後の支払いは免除される税優遇措置はなく、利回りも相対的に低い。死亡などの場合を除き、満期保険金はほぼ保険料支払総額かそれ以下生命保険／個人年金／損害保険死亡、傷害、疾病、事故などの場合および満期時に保険料を受け取ることができる所得控除の対象だが金額は小さい。支払総額は受取総額を上回る人が多く、中途解約時の損失も大きい（保険契約全体）目的に適合すれば、贈与税が免除所有する金融資産が減少する贈与信託どの制度をどの程度活用するかは、主に「年齢」「年収」「金融資産」次第出所：三井住友アセットマネジメント 2016 年 5 月号 9