言葉の魔術とは

第6章 あなたも言葉の魔術師になれる
言葉の魔術とは
あなたが言葉で人を動かすことができたら……。
たび
重ねた商談が、契
営業の現場では、お客様の心をつかむことは簡単にできるでしょう。度
約にいたらないこともなくせます。心をつかむ言葉を投げかけると、お客様の表情や態度も
みるみる変わります。お客様の緊張が解け、あなたに信頼を寄せていることが、手にとるよ
うに実感できます。
あなたが言葉で人を動かすことができると、さまざまな可能性が開けます。営業のみなら
ず、マネージメント、マーケティングなど、活用方法は無限に広がりを見せます。まず、こ
れから言葉のスキルを学んでいただき、次に実践でテストをしてみてください。
そして、最終的にあなたに合う形で習得をしていただきたいと思います。スキルを身に付
けることによって、あなたは高い成約率を維持することもできます。営業マンとして、さら
なる成長を遂げることもできます。では、新しいステージの幕開けです。
あなたも、やる気が出る一言や、一気にやる気が失せる一言があると思います。子供のこ
ろをちょっと思い返してください。勉強しようとして、親に「勉強しなさい!」と言われる
とげんなりしてしまう。反対に「あなたはできる子だから」と言われると、やる気が起き
る。あなたもご経験があると思います。たった一言で、人の行動や考え方を変えてしまう。
日常でもビジネスの場面でもよくあることだと思います。
きんせん
広告の世界では、行動の引き金になる言葉を、フックと呼んだり、トリガーと呼んだりし
ます。フックは心を引っ掛ける、トリガーは行動の引き金という意味合いです。
人の心、感情を揺さぶる言葉は、心の琴線に触れることができます。
もし仮にあなたが会話のなかで、すべてを見抜き、適切に言葉を投げかけることができた
としたら、その威力は絶大だと感じていただけるはずです。そして、あなたは言葉の魔術師
になれるでしょう。
ラ
ブ
ABプロファイルという
これからお話しする言葉の魔術は、心理学が背景にあります。L
(言葉) And
( ) Behaviour
(行動)の頭文字をとってい
心理学です。LABは、 Language
ます。
LABプロファイルは学問であり、心理学です。LABプロファイルは、心理学であるN
LPの分野で名高いロジャー・ペイリーによって開発されました。七〇年代中ごろにリチャ
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第6章 あなたも言葉の魔術師になれる
ード・バンドラーとジョン・グリンダーらによって開発されたNLPの進化形です。
つちか
僕は、LABプロファイルのトレーニング第一人者であるシェリー・ローズ・シャーベイ
から直接指導を受けました。LABプロファイルのトレーナーとして認定を受け、資格を発
行する立場となりました。そして、今まで僕がセールスで培ったこと、マーケティングで実
体験したこと、コピーライティングで学んだことと、LABプロファイルを融合させまし
た。
ひび
LABプロファイルで重要なことは、キーワードを覚えることです。キーワードとは、心
の琴線に触れる言葉です。フックやトリガーになる言語です。それぞれのパターンに、心を
刺す言葉が存在しています。これから「響くキーワード」と表現します。
づけができます。B型に
たとえば、Aという型にはA型に響くキーワードを使うと、動機
わし
はB型の言葉、C型にはC型の言葉を使うことによって、心を鷲づかみすることができま
す。心に届く言葉を使うことで、意図的に行動をとらせることが容易になります。
相手のパターンに合わせた言葉、響くキーワードを使い、コミュニケーションをとること
で、YESをとることもできます。YESをとることは、信頼関係を築くうえでも重要で
す。
LABプロファイルを習得していただくと、世の中の出来事に対して見方が変わります。
会話をしているときに、何を言っているかではなく、どういうパターンで会話をしているか
を読み取ることができます。話ではなく、話し方で人を分析することができるようになりま
す。
LABプロファイルには、モチベーションに関わるカテゴリーが六つ、心の動きに関わる
カテゴリーが八つあります。これからお話しするのは、すべてではありません。とくに営業
の現場で使えるものをピックアップしました。ピックアップしたものは、モチベーションに
関わるものが五つ、心の動きに関わるものが二つです。
まずは、基本についてお話しいたします。そして、実際にどのように使うのか、実例を交
えてお話しいたします。
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