(仮称)市原市新総合計画策定方針 平成 27 年 8 月 市原市企画部

(仮称)市原市新総合計画策定方針
(仮称)市原市新総合計画策定方針
平成 27 年 8 月
市原市企画部
(仮称)市原市新総合計画策定方針
目
次
§I
新総合計画策定の必要性 ·························································1
1
本市における総合計画のあゆみ ··················································1
2
市原市を取り巻く社会経済情勢の動向 ··········································2
3
新総合計画の必要性 ······························································8
§II
策定方針 ···········································································9
1
総合計画策定の趣旨 ······························································9
2
新総合計画の位置づけと策定根拠 ············································· 10
3
新総合計画及びまち・ひと・しごと創生総合戦略の性格と関係性 ·········· 10
4
実効性を高めるための視点 ····················································· 12
5
基本的な考え方 ································································· 14
6
多様な人材の力を活かす ······················································· 16
7
計画の構成・期間 ······························································· 16
8
策定体制 ········································································· 19
9
策定スケジュール ······························································· 21
(仮称)市原市新総合計画策定方針
§I 新総合計画策定の必要性
1 本市における総合計画のあゆみ
本市では、昭和 38(1963)年の市制施行以後、社会経済情勢の変動や時
代の要請に対応しながら、数度に渡り総合計画を策定し、施策の展開を図
ってきました。
表 1 本市における総合計画のあゆみ
策定
年度
名称
目標
年次
基本理念
都市像
-
1965
市原市総合計画
1975
-
1973
市原市基本構想
1985
-
緑と太陽の産業都市
1978
市原市基本計画
1985
-
ふれあいとやすらぎのあるまち
1983
市原市長期総合
計画
2000
愛・美・躍動
活力に満ちた豊かなまち市原
1995
市原市総合計画
2015
心の豊かさ 地域
の豊かさ 経済の
豊かさ
人々が生き生きと交流する輝き
のあるまち いちはら
2004
改訂市原市総合
計画
2015
やすらぎと活力
ともに輝く
いちはら
元気なふるさと
現計画である改訂市原市総合計画の目標年次は、平成 27(2015)年とな
っていることから、社会経済情勢の変動や本市の課題などを踏まえ、今後
のまちづくりの方向性を改めて考える必要があります。
-1-
(仮称)市原市新総合計画策定方針
2 市原市を取り巻く社会経済情勢の動向
(1)
人口減少社会の到来
① 我が国の人口
我が国の人口は、平成 20(2008)年の 1 億 2,808 万 4 千人をピークに
減少傾向にあります。1
今後の人口は、平成 42(2030)年には 1 億 1,662 万人、平成 60(2048)
年には 1 億人を割って 9,913 万人となり、平成 72(2060)年には 8,674
万人になるものと推計されています。2
図 1 日本の人口推計
資料:総務省「平成 24 年版情報通信白書」
1
2
総務省統計局「日本の統計 2015」
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成 24 年 1 月推計)
」
-2-
(仮称)市原市新総合計画策定方針
② 市原市の人口
本市の人口も平成 15 年以降減少傾向が続いており、減少数では平成 25
(2013)年に県内ワースト 1 位(-1,357 人)、翌平成 26(2014)年は県
内ワースト 2 位(-703 人)でした。
図 2 市原市の人口推移
286,000
-7
284,000
-103
-249 -312
-100
-266
-130
-500
-395
282,000
人
口
(
人
)
0
千葉県ワー
スト1位
-703 -1000
-808 -885
280,000
-1500
-1,357
278,000
-2000
276,000
-2500
274,000
-3000
272,000
-3500
270,000
増
減
数
(
人
)
-4000
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
住民基本台帳・千葉県毎月常住人口調査
今後も本市の人口は減少傾向が続き、平成 42(2030)年には 249,306
人、平成 52(2040)年には 222,805 人になるものと推計されています。
図 3 市原市の人口見通し
推計
実績
300,000
250,000
277061 278218 280255 280,416 276,682 269,909
27,929
36,188
46,373
59,091
72,859
81,603
260,519
84,104
200,000
150,000
20,1440
19,9882
19,4626
185,276
170,255
100,000
157,933
149,607
249,306
84,056
236,507
83,813
141,552
130,989
222,805
85,145
117,361
50,000
47,436
41,908
38,537
36,049
33,568
30,374
26,808
23,698
21,705
20,300
H7
H12
H17
H22
H27
H32
H37
H42
H47
H52
0
0~14歳
15~64歳
65歳以上
合計
実績は国勢調査、推計は市推計
-3-
(仮称)市原市新総合計画策定方針
(2)
超少子高齢化
① 我が国の少子高齢化
総人口は減少する中で、高齢化率は上昇を続けており、平成 22(2010)
年では 23.0%、平成 42(2030)年には 31.6%、平成 72(2060)年には
39.9%に達する見込みです。
図 4 日本の将来人口推計と高齢化の推移
資料:平成 26 年版高齢社会白書
② 市原市の少子高齢化
本市においては、15 歳未満の人口比率が平成 42(2030)年には 9.5%、
平成 52(2040)年には 9.1%に低下する一方、65 歳以上の人口比率はそれ
ぞれ 33.7%、38.2%に達すると見込まれており(図 3 を参照)、全国平均
よりも早いスピードで少子高齢化が進行すると予測されています。
③ 少子高齢化の影響
少子高齢化にもさまざまな影響があります。少子化は人口減少に直結し
-4-
(仮称)市原市新総合計画策定方針
ます。
また、子育て支援や医療・高齢者施策などに要する経費である扶助費(社
会保障関連経費)は過去 10 年で 2 倍の伸びを示しており、このままの伸び
が続くとすると、今後の行財政経営に多大な影響を与えるものと考えられ
ています。
図 5 市原市の扶助費の推移
250
179
200
億
円
150
93
100
208
195 199
131 139
117 126
114
106
10年で2倍に
75
71
60 65
58 64
51 56
50
0
H7
H8
H9
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
市原市決算
(3)
厳しさを増す財政状況
人口減少の進展により、市税収入の減少が見込まれる一方、社会保障関
連経費は増大が予測されています。
図 6 市税収入と義務的経費の見通し
520
500
471
480
億
円
475
480
500
493
487
505
509
492
義務的経費
465
460
466
464
463
440
456
454
453
市税収入
444
444
443
433
420
400
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
H34
H35
H36
平成 27 年度当初予算編成時における市推計
市の歳入・歳出全体の見通しでは、平成 28 年度以降、歳入不足が年々増
加し、平成 36 年度には 68 億円の歳入不足が発生すると見込まれています。
-5-
(仮称)市原市新総合計画策定方針
図 7 歳入・歳出の見通し(一般会計)
960
936
940
914
920
880
903 903
897
900
億
円
889
879
876
862 876
866
900
895
884
862
875
854
860
840
924
884
856
859
867
864
859
868
837
820
800
780
歳入
歳出
平成 27 年度当初予算編成時における市推計
本市では、高度成長期に臨海部企業の参入が相次ぎ、急増する人口に対
応するために多くの公共施設や都市基盤が整備されました。
整備から 30 年以上を経過し、老朽化に伴う大規模改修等が必要となる公
共施設が今後増えるものと思われ、この費用が今後の財政運営の大きな負
担となることが予測されています。
図 8 公共資産の改修経費見込み
350
300
318
億
円
200
150
257
253
250
170
147
264
223
141
112
100
162
130133
131
93
237
210
94
146
127
83
91
167
103
64
50
0
公共施設・プラント施設
インフラ施設
合計
平均
市推計
(4)
地方自治法の動き
① 基本構想策定の義務づけ
昭和 44(1969)年に改正された地方自治法では、市町村に「基本構想」
-6-
(仮称)市原市新総合計画策定方針
の策定が義務付けられていました。
地方自治法第 2 条第 4 項(当時)
市町村は、その事務を処理するに当たっては、議会の議決を経てこの地域における総合的
かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、これに則して行うようにしなけれ
ばならない
同時に、国は「市町村の基本構想策定要領」を通達し、この中で基本構
想の性格、策定の指針、内容、期間、形式、策定手続き、改訂などが示さ
れました。
この要領に基いて、各市町村では基本構想を策定し、その下の基本計画
や実施計画などより具体的な計画を策定するようになっていきました。基
本構想とこれらの計画の体系が「総合計画」と呼ばれるようになり、今日
に至っています。
② 基本構想策定の義務付けの撤廃
その後、地方分権改革の流れの中で、平成 23(2011)年の地方自治法改
正において、基本構想の義務付けが撤廃されました。
そのため、基本構想の策定や議会の議決については、各市町村の判断に
委ねられることとなりました。
これは、地方分権や地域主権などの考えのもとで、市町村のまちづくり
は市町村自らが主体的に方向性を示していくということであると言えます。
-7-
(仮称)市原市新総合計画策定方針
3
新総合計画の必要性
今後も、人口減少や少子高齢化が進行する中で、市民生活は更に多様化
し、行政ニーズもますます複雑化していくことと思われます。
このような厳しい社会経済情勢にあっては、行政が全てのニーズに対応
していくことは非常に難しいと言えます。
今後のまちづくりにあっては、多様な価値観の中で、全体としてどのよ
うな方向を目指していくのかということを、市民や行政がともに考え、共
有し、行動することが重要となります。
そのためには、将来の方向性を明確に示し、まちづくりの総合的な指針
となる羅針盤が必要であり、これを担うものが総合計画となります。
特に、今後の人口や財政などの諸課題に的確に対応していくためには、
現状を直視し、これまで以上に「計画行政」という視点に立った新たな総
合計画が必要です。
-8-
(仮称)市原市新総合計画策定方針
§II 策定方針
1
新総合計画策定の趣旨
本市を取り巻く社会経済情勢は、人口減少・超少子高齢社会の到来など
大きく変化しており、今後のまちづくりに大きな影響を及ぼすものと危惧
されています。
また、本市を支える臨海部工業を中心とした産業構造の再編、高度経済
成長期に整備した公共資産が一斉に更新時期を迎えることへの対応など、
本市の将来を左右する複雑な課題が山積しています。
一方で、本市は東京圏に位置し、成田・羽田の両国際空港の中間点でも
ある地理的優位性や、上総国国府に代表される悠久の歴史・文化、養老川
や里山などの豊かな自然、ゴルフ場や小湊鐵道といった観光資源など、多
様な地域資源に恵まれた発展可能性の高いまちです。
このような豊かなポテンシャルを最大限に発揮し、大きな課題を乗り越
え、夢と誇りを持ち続けられるまちづくりを推進するため、その羅針盤と
なる新たな総合計画(以下「新総合計画」といいます。)の策定に取り組み
ます。
本策定方針は、この新総合計画の策定について、基本的な考え方を示す
ものです。
-9-
(仮称)市原市新総合計画策定方針
2 新総合計画の位置づけと策定根拠
前述のように、地方自治法による基本構想の義務づけ(根拠づけ)は撤
廃され3、どのような形で根拠づけるかについても、自治体の判断に委ねら
れることになりました。
新総合計画は、市民や企業など全ての方と共有するまちづくりの総合的
な羅針盤として作り上げていく必要がありますので、市の最上位計画とし
て策定することの位置づけ・根拠づけを明らかにしておくことが重要です。
この点については、市民の代表である市議会との合意のもとに、位置づ
け・根拠づけを行うものとして、根拠条例を制定し、基本構想の議決を得
ることを基本とします。
3 (仮称)市原市まち・ひと・しごと創生総合戦略の位置づけと関係性
現在、国では、人口減少に歯止めをかけ、将来にわたって活力ある社会
を維持していくことを目指して、
「地方創生」を掲げ、国家戦略として取り
組んでいます。
この中では、国は「長期ビジョン」と「総合戦略」を定めるとともに、
各自治体においても「地方人口ビジョン」
「地方版総合戦略」を策定するよ
う求めており、本市においても、国の動きと連動して人口減少の克服に取
り組むことから、これらを策定することとしています(「(仮称)市原市ま
ち・ひと・しごと創生総合戦略策定方針」を参照)。
そこで、新総合計画と(仮称)市原市まち・ひと・しごと創生総合戦略
(以下「総合戦略」といいます。)が相まって効果的に本市のまちづくりを
進められるよう、両者の性格と関係性を明らかにします。
(1)
新総合計画の性格
新総合計画は、本市の最上位の計画として、将来のまちの姿を展望し、
行政経営やまちづくりの目指すべき方向性を明らかにするとともに、その
実現に向けたまちづくりの施策を体系的に網羅し、各種の計画や施策の基
本となるものです。
3
§I2(4)地方自治法の動き を参照
- 10 -
(仮称)市原市新総合計画策定方針
(2)
総合戦略の性格
総合戦略は、国の総合戦略を基本に据えながら、本市の課題や特性を加
味した戦略であり、新総合計画を具現化するための計画の一つとして位置
づけます。
総合戦略は、新総合計画を先導する「先行的施策(リーディングプロジ
ェクト)」として、新総合計画に先立って策定します。
図 9 新総合計画と総合戦略の関係性
2015
総合戦略
2017
策定
新総合計画
新総合計画の
先行版
2016
策定
先行型事業の実施
- 11 -
実施
本格実施
(仮称)市原市新総合計画策定方針
4
実効性を高めるための視点
人口減少や複雑多様化する課題を克服していくためには、新総合計画を
策定するだけでなく、成果へつながるよう、実効性のある計画とする視点
が欠かせません。
そこで、次の視点を基本として計画策定に取り組みます。
(1)
市民とともに、総合力を発揮する
厳しい課題を克服し、夢と誇りの持てるまちづくりを推進していくには、
幅広い地域・世代の市民や、大学・企業・専門家などさまざまな分野の有
識者など、多くの知恵を結集し、総合力を発揮していくことが何より大切
です。
そのためには、目指すべき将来の方向性を共有する必要がありますので、
策定の段階から共有化を進めていきます。
また、本市には地理的優位性や多くの地域資源など、高い発展可能性が
あり、これらを最大限に活用することで、総合力をより高めていくことが
重要です。
さらには、市民の代表である市議会と行政とが車の両輪となって課題解
決に取り組んでいけるよう、意見交換を行います。
(2)
人口減少の克服と、人口減少への対応を両面から取り組む
人口減少に歯止めをかけるためには、出生率の上昇や移住の促進といっ
た、長期的な視点での「積極的な戦略」に継続的に取り組んでいくことが
必要ですが、その効果が発現するまでには長い年月がかかります。
それまでの間は、確実に進行する人口減少に対応するための「調整的な
戦略」に平行して取り組んでいくことが必要です。
新総合計画では、地方創生など国の動きとも連動しながら、これらの戦
略をバランス良く組み込んでいきます。
(3) 成果重視
① PDCA サイクルによる成果向上
厳しい財政状況の中で課題を克服していくには、PDCA サイクル4を確実
に実行し、実効性を高めていく必要があります。
4
事業活動における改善手法の一つ。Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Action(改善)の 4 段階を繰り
返すことによって業務を継続的に改善する。
- 12 -
(仮称)市原市新総合計画策定方針
そこで、新総合計画を中心とした行財政システムの構築と推進に取り組
みます。
この中では、新総合計画や個別計画、予算など各種の行政システムの連
動を強化するとともに、客観的な指標に基づく成果検証を行い、施策の有
効性や財政状況に応じた選択と集中を進め、限られた行政資源を最大限に
有効活用します。
② 戦略的な広報活動
あらゆる場面で市原市を選んでもらうためには、戦略的な広報活動(プ
ロモーション)が必要です。策定の段階から、効果的なプロモーションを
展開します。
③ 広域連携
人口減少をはじめとする諸課題の解決に向けては、自治体の枠を超えて、
より広域的な視点から資源活用や課題解決を図っていくことも重要である
ため、近隣都市等との連携強化に取り組みます。
- 13 -
(仮称)市原市新総合計画策定方針
5
基本的な考え方
本市の現状や社会経済情勢等を踏まえ、次の点を基本的な考え方としま
す。
(1)
地域の活力・魅力・価値の向上
厳しい社会経済情勢を乗り越えていくためには、本市の重要な産業であ
る臨海部工業の競争力強化をはじめ、地域産業の基盤強化など、地域特性
を活かした活力の向上に取り組む必要があります。
また、JR3駅周辺など地域拠点の活力づくりや、地域や人・産業の連
携・交流を促す交通ネットワーク機能の向上を図るとともに、地域資源の
複合的活用による魅力向上や新たな価値の創造にも取り組むなど、本市の
持つ強みを最大限に発揮していくことが重要です。
(2)
地域の支え合いや福祉・健康の向上
人口減少や少子高齢化が進展する中にあっては、それぞれの地域やそこ
で住む人々の生活が持続できるまちづくりに取り組む必要があります。
子どもから高齢者まで全ての市民が、互いを支え合い、住み慣れた地域
で安心して健やかに暮らせるよう、健康・医療・福祉の充実を図っていく
ことが重要です。
また、全ての市民が社会的に自立した生活を送れるよう、ニーズに応じ
たさまざまな支援にも取り組む必要があります。
あわせて、今後の活力を担う世代や地域特性に沿ったコミュニティのあ
り方についても検討する必要があります。
(3)
生活や産業を支える都市形成と環境
活力あるまちづくりを進めていくためには、防災対策や危機管理、消防、
防犯の強化などに加え、都市基盤の整備やバリアフリーなど、市民生活や
産業活動を支える安全で快適な都市づくりが必要です。
また、本市の大きな魅力である豊かな自然環境の保全や、人と自然が調
和した、環境にやさしい快適なまちづくりにも取り組む必要があります。
(4)
子育て・教育の向上と女性の活躍推進
人口減少や少子化を克服していくには、全ての子どもたちが将来に希望
を抱きながら伸び伸びと育ち、社会へ羽ばたいていけるよう、結婚・出産・
- 14 -
(仮称)市原市新総合計画策定方針
子育てを通じた切れ目のない支援や、子どもたちの資質や能力を引き伸ば
せる確かな教育を推進していく必要があります。
また、本市の恵まれた環境を活かしたスポーツ・歴史・文化・芸術の振
興にも積極的に取り組み、健やかな体と豊かな心を育むことが大切です。
あわせて、一人ひとりの女性が自信と誇りを持って輝ける社会づくりに
も取り組む必要があります。
(5)
行財政改革の確実な実行
これまで以上に財政状況が厳しさを増す中にあって、複雑多様化する課
題を解決していくには、財政収支を改善し、新たな課題にも対応しうる体
力を生み出す必要があります。
そのため、経営感覚を持った行財政改革を強力に推進し、強固な財政基
盤の確立に取り組んでいきます。
- 15 -
(仮称)市原市新総合計画策定方針
6
多様な人材の力を活かす
新総合計画を実効性の高い計画としていくには、行政だけでなく、市民
や企業、市議会など多くの人の力を結集する必要があります。
多様な人材との対話を通じ、幅広い知見を得て、大いなる市民の力=「市
原力」を発揮していくことが、成果の向上につながります。
また、同時に策定する総合戦略や個別計画の策定(改訂)とも連動して
対話を進めます。
(1)
多様な有識者の力を活かす
本市に関わりのある多様な分野の有識者との意見交換を通じて、プロフ
ェッショナル起点の力(知見)を活かしていきます。
(2)
幅広い市民の力を活かす
中高生会議・市民会議・意識調査・パブリックコメント・ICT の活用など
により、幅広い世代・地域の市民との意見交換を通じて、生活起点の力(知
見)を活かしていきます。
(3)
市議会との両輪
市民の代表である市議会と、車の両輪として、意見交換を行い、地域起
点の力(知見)を活かしていきます。
(4)
職員の力を活かす
全庁横断の本部体制を設置するとともに、これまでプロジェクトチーム
として研究活動に取り組んできた職員のノウハウなどを活用して、職員の
積極的な参画へつなげ、現場起点の力(知見)を活かしていきます。
- 16 -
(仮称)市原市新総合計画策定方針
7
計画の構成・期間
新総合計画の構成及び計画期間は、「4 実効性を高めるための視点」を踏
まえつつ、今後の議論等を踏まえて定めていきます。
本策定方針においては、基本構想、基本計画、実施計画の 3 層構成を基
本とします。
(1)
基本構想
基本構想は、本市の目指すべき将来の方向性を明らかにし、市民等と共
有して、それぞれの力を発揮しながらまちづくりを進めていくための羅針
盤となるものです。
人口減少等の課題への対応・克服を図っていくための実効
計画期間
性を見据え、中長期的な計画とし、平成 29(2017)年度から
平成 38(2026)年度までの 10 年間とします。
内容
(2)
将来都市像、まちづくりの方向性、グランドデザインなど
基本計画
基本計画は、基本構想で掲げた将来都市像を実現するために、行政が取
り組む施策を体系的に示すものです。
計画期間
内容
個別計画
との連動
見直し
基本構想の計画期間と同一とし、平成 29(2017)年度から
平成 38(2026)年度までの 10 年間とします。
基本構想の方向性に沿った施策体系、各施策の方向性、目
標、指標など
基本計画上の施策体系に則して、各施策分野における個別
計画の位置づけを明確にし、連動を図ります。
社会経済情勢の変動や国県の動向、選挙等を踏まえ、必要
に応じて見直します。
- 17 -
(仮称)市原市新総合計画策定方針
(3)
実施計画
実施計画は、基本計画で掲げた施策を具体的に展開する、各事業を示す
ものです。
計画期間
内容
事務事業の目標、事業内容、予算など
見直し
(4)
事業成果を短期的に捉え、3年間を基本とします。
財政状況や優先度等をもとに、毎年度見直し(ローリング)
を行い、予算との連動を図ります。
全体の計画期間
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
H34
H35
H36
H37
H38
H39
基本
構想
ア
次期策定
ク
シ
基本
ョ
計画
ン
プ
見直し
見直し
次期策定
ラ
実施
ン
計画
※ 平成 28 年度については、新総合計画の策定前と見込まれることから、本方針に掲げる重点
項目及び総合戦略を柱に、単年度の予算編成(アクションプラン)により対応するものとし
ます。
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(仮称)市原市新総合計画策定方針
8
策定体制
(1)
全庁横断の本部体制
新総合計画の策定体制として、庁内に全庁横断体制となる「(仮称)市原
市新総合計画策定推進本部」を設置します。
本部は、総合戦略の策定体制と同一とし、一体性を担保します。
図 10 庁内策定体制
本部会議
役割
全庁的な総合調整、審議、合意形成
構成
本部長:市長
副本部長:副市長
本部員:教育長、理事、危機管理監、各部局長
幹事会議
役割
素案審議、部門間の調整
構成
会長:企画部長
副会長:企画部次長
会員:各部局次長
検討会議
(2)
役割
施策分野ごとの課題整理、調整、素案作成
市民会議等との連携
構成
会長:企画調整課長または主たる部門の課長
会員:関係部門の課長級など関係職員
総
合
戦
略
策
定
推
進
本
部
と
同
一
体
制
市原市総合計画審議会
市の附属機関である市原市総合計画審議会に対し、新総合計画の策定に
関する諮問を行い、助言・答申を得ていきます。
(3)
大学・専門家との連携
自治体経営や総合計画に関する先進的な研究に取り組んでいる大学や専
門家等と連携し、新総合計画の運用に係る検討や、多様な人材との対話に
おけるサポートなど、必要に応じて随時指導・助言を得ていきます。
- 19 -
(仮称)市原市新総合計画策定方針
図 11 策定体制全体像
審議・評価
市原市総合計画審議会
総合計画・総合戦略策定時の
調査・審議、実施時の評価
【構成】
臨海部企業団体 商工業団
体 農業団体 町会・市民団
体 医療・福祉団体 行政機
関 学識者 公募市民
諮
問
・
答
申
策定
力を活かす
(
仮
(称
兼
)
市市
総原原
合市市
戦ま新
略ち総
推・合
計
進ひ
と
本・画
部し策
)ご定
と推
創進
生本
部
◇多様な有識者の力を活かす
• 本市に関わりのある多様な分野の有識者
との意見交換
• プロフェッショナル起点の力
◇幅広い市民の力を活かす
• 中高生会議・市民会議・意識調査・パブ
リックコメント・ICTの活用などにより、幅広
い世代・地域の市民との意見交換
• 生活起点の力
◇市議会との両輪
• 市民の代表である市議会と、車の両輪と
して、意見交換
• 地域起点の力
◇職員の力を活かす
• 全庁横断の本部体制、プロジェクトチーム
のノウハウ活用、職員の積極参画
• 現場起点の力
知
見
連携・サポート
大学・専門家
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(仮称)市原市新総合計画策定方針
9
策定スケジュール
新総合計画は、市民等との多様な対話を踏まえて策定することから、平
成 27・28 年度の 2 カ年で策定作業を進めることとします。
項目
平成 27 年度
7~9 月
策定方針
10~12 月
平成 28 年度
1~3 月
4~6 月
7~9 月
10~12 月
1~3 月
☆
策定方針
●
骨子
骨子検討
基本構想
基本計画
●
素案
●
パブコメ
●
議決
●
●
素案 パブコメ
素案検討
●
決定
●
決定
実施計画
事業出し・予算調整
総合計画
審議会
●
諮問
●
答申
審議
●
中高生会議
市民意見
市民会議
市民アンケート
●
素案
条例
★
★
★
★
推進本部
- 21 -
●
●
パブコメ 議決
★
★
★