Vol.85 皮膚がんの治療について

佐世保市立総合病院
地域連携室だより
2014 年 6 月号
Vol.85
皮膚がんの治療について
皮膚科
診療科長
三根
義和
皮膚は、表皮と真皮とで約3kg となり人体で最大の臓器です。頭部より足の先まで人体を包み込ん
でいます。皮膚は緻密な防御機能をもっており、身体を環境からまもる防御器官であると同時に、重
要な免疫担当器官でもあります。
それゆえ紫外線により皮膚に存在する免疫担当細胞がその能力を弱められると、皮膚がんが発生し
やすくなります。そのため顔は、他の部位より皮膚がんが発生する頻度がたかくなっています。
外来に患者さんに腫瘍ができ紹介されて来られたとします。まず皮膚科医は、それが良性であるか、
悪性であるか判断する必要があります。ダーモスコープを持ち出して腫瘍を観察いたします。
ダーモスコ-プ
図 1.左頬部の黒色斑とダーモスコピー像
病理所見;基底細胞癌
図 2.左鼻背部の基底細胞癌
◎悪性黒子であり、日本皮膚科学会の皮膚悪性
腫瘍診療ガイドラインに準拠して手術を行いま
す。
◎左鼻背部の黒色腫瘤があり、皮膚
腫瘍の診断のため、ダーモスコープ
による観察や生検を行い診断を確定
します。
左鼻背部の基底細胞癌で 4 ㎜マー
ジンにて切除し、皮弁作成して欠損
被覆しています。
図 3.左こめかみ部に生じた腫瘤(16×13 ㎜)
◎悪性腫瘍で次に多いのが有棘細胞癌です。高齢者の顔にも生じます。
5㎜マージンにて切除し植皮しております。
病理
病理組織像
図4
約三か月後
図 4 の症例は、高齢者の左こめかみ部に生じた腫瘤(22×28 ㎜)です。有棘細胞癌でした。
腫瘍辺縁から 6 ㎜マージンにて切除しています。
手術後 MRSA 感染が生じたりして、植皮片が生着しないこともあります。
この患者さんは 3 か月後には切除痕があまりわからなくなりました。
◎時には珍しい部位に病変がみられることがあります。左図は、乳輪、
乳頭部に黒色病変がみられます。この特徴ある肉眼所見より、基底細
胞癌が考えられます。乳がんと間違わないようにしないといけません。
MRI
基底細胞癌が乳管に沿って浸潤していないか、MRI画像にて確認
して切除線を決定します。
皮膚悪性腫瘍には、上皮系、神経外胚葉系、間葉系、悪性リンパ腫関連と各種の悪性腫瘍が生じま
す。たくさんある皮膚悪性腫瘍のうちで、頻度や悪性度から基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫が主
要 3 病型です。わが国でも高齢化などにより皮膚悪性腫瘍患者が急増しています。幸い皮膚 病
変は肉眼的観察が容易で病変の変化がみてとれますし、生検も容易ですので診断しやすく、早期の対応
も可能です。超高齢でも局所麻酔下に切除可能な症例が多く、できるだけ根治切除を心がけて診療を行
っています。
平成26年4月1日に連携医療機関等検索システムを
1階地域連携室前に設置しました。
このシステムは、本院と連携いただいている病院、診
療所、福祉施設、訪問看護ステーション等の住所や診療
時間等を電子掲示板によりご案内するものです。現在、
ご承諾いただいた 181 医療機関・28 施設をご案内させ
ていただいております。
(当院ホームページからも検索できるよう検索ボタン
を設けました。)
また、この電子掲示板を利用し本院の各階フロア案内
や当院からのお知らせなどの情報をご案内しております。
(24 時間 365 日ご利用できます)
システム掲載の内容に、訂正や変更等またご要望等が
ございましたら、地域連携室までご連絡いただけました
ら幸いです。
各医療機関・施設様には今後ともご協力の程よろしく
【石巻赤十字病院のシステムを参考に開発】
お願いいたします。
順
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検
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院
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報
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掲
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ホームページ
病
院
情
報
平成 26 年 4 月の救急外来
患者数
救急車搬入
ドクターヘリ
紹介患者数
入院患者数
による搬入
718 人
237 人
186 人
6人
291 人
(救急車使用
平成 26 年 4 月の紹介患者数
紹介患者数
2041 人
169 人)
地域連携室の
市内
市外
紹介率
一般病床利用率
1427 人
614 人
82.9%
83.3%
モットーは
1.笑顔
2.親切
3.丁寧
佐世保市立総合病院の理念
私たちは患者様を中心として、安全で安心できる
心暖まる医療を提供します。
1.チーム医療の実践
2.インフォームド・コンセントに基づいた医療
3.先進的な高度医療
〒857-8511 長崎県佐世保市平瀬町 9-3
佐世保市立総合病院 地域連携室
室長:中村 昭博
担当:緒方、福田、酒井、野田、後藤
田渕、空閑、藤木、北村
TEL(0956)24-1515(内線 6921)
FAX(0956)24-0474(連携室)