問題解決能力開発メソッド・C-PLATS : 大手前能力開発辞典(PDF 1.87MB

問題解
解決能力開
開発メソッド・C-PLATS
~大手
手前能力開発
発辞典~
Otemae C
Competency
y Dictionary
芦
芦原直哉 編著
編
三恵社
CONTENTS
発刊によせて
大手前学園 理事長
福井
有
2
大手前大学 学長
川本
皓嗣
3
Preface
アルバーノ大学 副学長
キャサリーン オブライエン
4
関西生産性本部 専務理事
辻本
健二
6
芦原
直哉
7
序文
9
はじめに
Ⅰ.これまでの大手前大学の先駆的改革
10
Ⅱ.新 C-PLATS への進化
11
Ⅲ.社会が求める人材
12
Ⅳ.新 C-PLATS トータルコンセプト=Problem Solving
14
Ⅴ.建学の精神・大学ビジョンにおける C-PLATS の位置付け
16
Ⅵ.Otemae Competency Dictionary (OCD)による教育改革
18
z
Analysis
23
z
Creativity
27
z
Planning
31
z
Presentation
35
z
Action
39
z
Communication
43
z
Logical Thinking
47
z
Teamwork
51
z
Leadership
55
z
Social Responsibility
59
63
あとがき
1
発
発刊によせ
せて
大手前大学
学・短大の C-PLATS 力
大手前学園
園理事長
福井
井 有
今から4年前の2007年の秋ご
ごろ、経済産業
業省が音頭を取
取って「社会人
人基礎力育成プ
プログラム」を
を推進して
いた時期に、アメリカのアルバーノカレッジのプ
プログラムが、大学における
る学生の能力開
開発教育の成功
功事例とし
て紹介され
れていた。
そのような折、関西生産性本部主
主催のアメリカ
カ大学視察ミッ
ッションが計画
画されることを
を耳にした。同
同ミッショ
ンで、アル
ルバーノカレッジへも訪問することを聞 き及び、浦畑
畑育生副学長に参加してもら うことにした
た。
その翌年
年の春、関西生
生産性本部の計
計らいで、アル
ルバーノカレッ
ッジのオブライ
イエン副学長一
一行にご来校い
いただき、
同校の教育改革についての報告を聞
聞く機会を得た
た。アルバーノ
ノカレッジの能
能力開発メソッ
ッドをベースと
とした取り
組みは、アメリカ国内のみならず世
世界から注目を
を集めており、年間200組
組織・700名
名もの視察団が
が同校を訪
ねているとのことだった。
アルバー
ーノカレッジにおける能力開発の目標は 8つに分類されている。すな
なわち、1.コ ミュニケーション
分析
3.問題解決
4.価値判断
断 5.対人能
能力
2.
6.グロ
ローバルな視野
野 7.積極的
的社会参加 8.美的感
8
受性である。
これら多
多岐にわたる能
能力を、すべて
てのカリキュラ
ラムを通じて学
学生が身に付け
けることができ
きるよう、様々
々な工夫が
なされている。
本学もこ
これに倣い、キ
キャリア教育企
企画推進チーム
ムを中心に、本
本学の学生が身
身に付けるべき
き能力を、C-P
PLATS と
いう6つのキャピタルレターに集約してコンピテ ンシー基準を作成してもらった。
本学が設
設定した基準は
は、経産省が提
提唱する「チー
ームワーク、シンキング
シ
(考える力)、アク
クション(行動する力)」
という社会
会人基礎力の3つの段階的能力に合わせ
せて分類されている。
そしてこ
この度、C-PL
LATS を更に進
進化させるべく
く芦原直哉キャ
ャリアセンター
ー部長を中心に
にこの大手前コ
コンピテン
シー・ディクショナリーを創り上げることができ た。
日本経団
団連がこのほど
ど行ったアンケ
ケート「企業の
の求める人材像
像」によると、大学に対する
る企業からの期
期待と、大
学が教育上特に注力している点との間で、大きな
な相違が見られ
れた事項として
て「理論に加え
えて、実社会と
とのつなが
りを意識した教育を行うこと。」とい
いう点が浮き彫
彫りにされてい
いる。
本学はこ
この C-PLATS
S を大きく推進
進するための本
本ディクショナ
ナリーを理論と
と実社会のつな
ながりを可能に
にする能力
開発教育への手引きとして、全教職
職員が大いに活
活用し社会から
ら求められる能
能力溢れる人材
材が輩出されん
んことを切
に願ってや
やまない。
平成 23 年春
春
2
力開発と専門
門教育
能力
大手前大学
学 学長
川本 皓嗣
OCD、まるでむかし
し中型英語辞典
典の傑作と称え
えられた COD (Concise Oxford Dictionarry) のようです
すが、中身
はまるきり違います。Otemae Com
mpetency Dictiionary は、大
大手前大学が独
独自に企画・作
作成し芦原直哉
哉教授を中
心とするチームが系統
統的に練り上げ
げた「基礎能力
力辞典」で、学
学生が社会人と
としての基礎力
力を養い、それ
れを自己確
認するためのツールです。しかしそのために、い
いったいなぜ「
「辞書」が必要
要なのでしょう
うか。これは「現代用語
の基礎知識
識」のような、時事用語解説辞典ともま ったく性質が違います。
地球規模
模の大競争時
時代に入り、しかも日本が長
長期にわたる不
不況に苦しんで
でいる今、学生
生が大学でただ
だ専門知識
(またはその断片)を学ぶだけでは
はなく、一人前
前の大人として
て社会を生きて
ていくための基
基礎能力をしっ
っかり身に
つける必要があることは、広く認識
識されています
す。物事を知る
るだけではなく、物事が実際
際に「できる」ことが求
められているのです。
とはいえ、知的な専
専門教育を本務
務とする「大学
学」で、社会的
的実践能力を磨
磨かせるには、 どうすればい
いいのか。
社会人教育、就職講座
座などに多大な時間を割けば
ば、肝心の専門
門教育がおろそ
そかになるので
ではないか。あ
あらゆる大
学が多かれ
れ少なかれ、長年かかえてきたこの大き な矛盾を、どう解決すれば
ばいいのでしょ うか。
その問題
題に対する大手前大学の最新の答えが、C
C-PLATS と OCD です。O
OCD は、いわ
わば C-PLATS 養成作業
の工程表、チェックシートです。
、、
実はどの分野の専門教育でも、ふ
ふつう安易に想
想像されるように、学生はた
ただ頭だけを使
使っているわけ
けではあり
ません。どの領域を学ぶにも、当然ながら、課題 を見つけ(あるいは与えられ)、調べ、考
考え、工夫し(創造性を
発揮し)、解決への道筋
筋を立て、説明
明し、行動に移
移す(書く、口
口頭で発表する
る、作品を作る
る、実践するな
など)とい
った作業が含まれています。またそうした仕事を
を実行するため
めには、コミュ
ュニケーション
ン力、論理的思
思考力、チ
ームワーク、リーダーシップ、社会的責任などの 基礎力が欠か
かせません。
それらの過程と能力を 10 の力 (co
ompetency) に
に分解したもの
のが C-PLATS
S です。そして
て、学生の成長
長段階に応
じて、それ
れぞれの力で「何がどの程度
度できる」のか
かを、分かりや
やすい言葉で具
具体的に「定義
義」したものが
が OCD で
す。個々の学生は、いま現在の段階
階で、そうした
た定義に照らし
して自分の力を
を自己評価し、 自分の成長の
の度合いを
確認する―
――また教員の側は、自分
分の専門教育で
では特にどの力
力が磨けるか、それを鍛える
るにはどのよう
うな授業展
開が必要かを意識し、工夫し、実践して、学生を 育て上げるわけです。
専門教育
育と社会的基礎
礎能力開発のあいだに矛盾 はない、これ
れが大手前大学
学の到達した結
結論です。どうぞ本書で
くわしくその内容をご確
確認ください。
3
Preface
In February of 2010, along with another colleague from Alverno College, Dr. Judeen
Schulte, I had the pleasure of being introduced to the administration, faculty and curriculum
at Otemae University.
begun in 2008.
What we found was a serious effort at educational reform that was
We observed committed academic staff and administration who had
identified 6 important competencies and began to implement a systematic competency
program throughout each student’s program of study. I was both surprised and elated at the
sophisticated and creative competency-based framework that was presented to us.
By 2011,
using electronic technology and attention to the career needs of students, a system called
C-PLATS had been designed that incorporates 10 important competences:
analysis,
creativity, planning, presentation, action, communication, logical thinking, teamwork,
leadership, and social responsibility.
Each of these, divided in 10 stages, is to be
systematically developed as each student pursues specific majors.
These 10 competencies are important learning outcomes. The faculty also realized that
students must understand what these outcomes are and how well they are demonstrating
them on a day to day, year to year basis.
students to self-assess their learning.
To deepen their leaning, the program requires
Aware of students’ keenness for using electronic
devices to communicate, the staff designed a way for students to self-assess their learning and
text their evaluations into an electronic portfolio.
I know of no other college or university
that is using electronic technology in this innovative way or has made self-assessment so easy
to complete.
I was gratified to hear that this system and its founding principles were, to a large extent,
inspired by the work of the faculty at Alverno College.
I also have learned that Otemae
faculty will form “ability departments” just as Alverno faculty have done.
It is important to
note, though, that the faculty at Otemae have designed a curriculum that fits its unique
mission and programs.
university.
It is truly an Otemae program, not one imported from any other
As we might put it in the United States, Otemae University has made
competence-based education “their own”.
As this program is implemented and further developed based on teacher and student
experience in and out of the classroom, I am sure the curriculum will continue to change and
evolve.
Your colleagues at Alverno College will want to hear how your work is going and
learn from it.
Kathleen O’Brien, PhD
Senior Vice President for Academic Affairs
Alverno College, Milwaukee, Wisconsin, USA
4
日本語訳
2010 年 2 月にアルバーノ大学の同僚であるジュディーン・シュルツ博士とともに大手前大学に招かれましたこ
とは大きな喜びでした。そのとき、私たちは貴大学が 2008 年から熱心に教育改革の取組を行っていることを知り
ました。それは、熱意ある教職員が 6 つの重要なコンピテンシー(学生が獲得すべき能力分野)を定め、個々の
学生の学習プログラムに沿って能力開発を実施し始めているというものです。私はプレゼンテーションを聞いて
コンピテンシーを基盤とした改革内容が独創的で素晴らしいものであることに驚嘆するばかりか高揚感すら覚え
ました。そして、2011 年までに、電子技術を駆使し学生が必要とする社会人基礎力向上のための C-PLATS とい
うシステムが構築される予定であるということを知りました。C-PLATS は 10 の重要なコンピテンシーである分
析力、創造力、計画力、プレゼンテーション力、行動力、コミュニケーション力、論理的思考力、チームワーク、
リーダーシップ、社会的責任によって構成されています。各コンピテンシーは、10 のレベルに設定され、個々の
学生が主専攻を履修する中で、その達成レベルが段階的に向上するシステムとなっています。
これらの 10 のコンピテンシーは、学生の学びの成果指標となるべき重要な能力です。そして、教員は、学生
がこれらの能力の意味するものを理解し、日常的にそして長期にわたって、これらを使いこなしていくことの重
要性を認識しています。また、このことを更に深く理解し学習効果を高めるために、学生に自己評価をさせるこ
ともこのプログラムの特長です。最近の学生は電子技術によるコミュニケーションを大変重視するので、各自が
自己評価をしたら電子ポートフォリオにそれを書きこむように設計されています。私の知る限り、このような革
新的なやり方で電子技術を使用し、自己評価を簡単にできるシステムを創り上げた大学はありません。
私はこのシステムとその基本的理念がアルバーノ大学の教育システムに大きな影響を受けたと聞いてたいへ
ん嬉しく思っています。また、大手前大学が、アルバーノ大学が行っているような「能力別学部」を組成しよう
としていることも聞きました。しかし、大手前では、その建学の理念に基づいた独自のカリキュラムを構築した
ことは特筆しなければなりません。そういう意味でも、他の大学からそのまま導入したものではなく、真の意味
で「大手前プログラム」ということができると思います。アメリカ流にいえば、大手前大学は“独自の”能力ベ
ース教育を創り上げたといえるでしょう。
このプログラムが実行に移され、教員と学生が授業内外における教育経験を積み重ねることによって、カリキ
ュラムは更に改良され進化し続けると確信しています。
アルバーノ大学における、皆さんの「同僚」として、プログラムを通じた交流を重ねながら、これからも互い
に学びあうことができるよう願っています。
キャサリーン・オブライエン 博士
アルバーノ大学
5
副学長
序文
本書を執筆するきっかけは大手前大学のキャリアセンター部長を拝命したことにはじまります。大学生の厳し
い就職状況を目の当たりにして、学生にどのような能力を身に付けさせれば企業は採用するのかを大きな構造的
変革が起きている日本社会の分析から考え直しました。そして、それは「問題解決力」だという結論に達し、改
革案を福井理事長に提案したのです。理事長の大いなる賛同を得て大手前大学論集第 11 号に「知識教育から能力
開発教育への転換を目指す C-PLATS 進化モデルの提案」のテーマで論文を寄稿しました。本書は同論文をベース
としておりますが、更に踏み込んだ具体的な改革提案を行っています。
本書は大手前大学の先駆的大学改革の取組を更に進化させ、建学の精神、教育ビジョン、能力開発の体系化を
通して全学が共通の認識を共有することを目的としています。最初に取り組んだのは社会が望む人材像を明確に
することでした。次にその人材像が備えていなければならないと思われるコンピテンシーを考察し、そのコンピ
テンシーを分析していきました。最後にコンピテンシー相互の関係と大学のビジョンであるリベラルアーツ及び
建学の精神である STUDY FOR LIFE への道との位置付けを明確にしております。
本書の構成は前半が新しいコンセプト体系の構築、後半は新 C-PLATS である 10 のサブ・コンピテンシーにつ
いてその定義、能力開発目的・目標、能力開発体系、メソッド、他のサブ・コンピテンシーとの関係、到達基準、
推薦図書等を示したディクショナリーとなっています。前半部分は前述の論文を基に更に発展させたコンセプト
ワークを行い、後半部分のコンピテンシー・ディクショナリーは編集委員の皆様の専門的知見を得て完成させる
ことができました。
ディクショナリーにおけるコンピテンシー到達基準については-2 から 7 までの 10 段階とし、最高レベルは敢
えて企業の幹部クラスのレベルとしています。これは通信制に多い社会人学生の目標であると当時に、学生が到
達目標を高く持つことによって生涯を通しての目標を定めることができるようにとの考えによるものです。これ
はまさに大手前大学の建学の精神である STUDY FOR LIFE に通ずるものと考えています。
更には、本書は能力開発メソッド集(非売品)をセットとすることを念頭に執筆しております。メソッド集は
最初のたたき台に過ぎず、今後絶えず改善していきます。そのための組織として Competency Faculty 組織の提
案をしています。これは全教員がいずれかの Faculty に所属し、日々の教育の改善を通じて常に新しいコンピテ
ンシー習得メソッドを開発していくものです。従って、メソッド集は追加、差し替えを容易にするため別冊ファ
イル形式としております。現在のところメソッド集は 200 ページ程度のものですが、今後新しいメソッドの開発
や教育成功事例を積み重ねていけば、そのボリュームは 1,000 ページを超えるであろうと想像します。
新 C-PLATS
は今が始まりでこれから常に改善し続けていくものなのです。それを可能にするのが学習する組織としての
Faculty です。
本書が大手前大学の今後の大学改革を推進し続ける原動力となる基幹システムとなり、更には大手前大学に留
まらず、他大学の教育改革にも何らかの知見を提供でき、ひいては大学教育の発展に寄与できればこの上ない喜
びです。
芦原
7
直哉
8
はじめに
日本社会は未曽有の労働市場環境悪化に直面しています。それは就職を希望する学生にとっては厳しい就職難で
あり、一方採用側の企業にとっては採用したい学生が少なく採用できないという状況です。この労働市場のミス
マッチの原因は何でしょうか。それは産業構造の急激かつ大きな変革に対して、教育システムが対応できていな
いことにあると考えられます。
日本の産業構造の大きな変化は国内要因だけではなくグローバルな構造変化によるものと考えられます。戦後、
日本は高度経済成長を遂げましたが、その時代の産業構造は資源を輸入して安価で質の高い労働力によって安価
で質の高い製品を製造し輸出するものでした。この産業構造における教育の役割は一刻も早く人材を労働市場に
送り込むことでした。中学卒業者は金の卵とよばれ、商業高校、工業高校は産業界に多くの人材を送り出し人材
供給に大きな役割を果たしてきたのです。大学教育も2年間の教養と2年間の専門課程という短期の教育となり、
大学院への進学率は低い状態が続いてきました。大学は産業界のニーズに応えるべくほとんどの学生を質の如何
を問わず社会に送り出してきたのです。企業は採用数確保に躍起となる一方、大学に高度の専門的教育を期待し
ていませんでした。多くの企業は終身雇用の下、自社で教育し人材を育ててきたのです。多くの大学もこの環境
に甘んじ、教育の質を高める努力を怠っていたことは否めないでしょう。
しかし、20 世紀末から徐々にモノづくりの現場は中国や東南アジアなどに移っていきました。そして、日本の
産業構造はモノづくりから R&D とサービスへ変化していったのです。更には、マーケットも成熟してしまった日
本や欧米から発展途上国へと移ってきています。この産業構造の大きな変革によって、企業の採用は量から質へ
大きく転換してきています。企業が求めるのは高度な技術や知的能力を持ち世界で活躍できる即戦力の学生なの
です。
一方、豊かになった日本の大学進学率は50%を超え、ユニバーサル化の時代となり、大学間の熾烈な入学者獲
得競争が行われています。しかし、この大きな環境変化の中においてもなお多くの大学が従来型の知識偏重教育、
トコロテン式の卒業などに終始しており卒業生の能力の低下は更に深刻さを増しています。それらの大学を卒業
した学生の多くは社会人として基礎的な能力を習得できずに社会に放出されます。欧米はもとより発展途上国と
も熾烈な競争をしている企業がそのような学生を採用することはありません。一部の企業は日本の学生に見切り
をつけ、高い能力と意欲を持った外国人学生を採用する動きが出てきています。生産、市場に加えて労働市場さ
えも海外移転しているのです。これが日本の新卒者の労働市場におけるミスマッチの現状です。
今こそ、日本の大学はその社会的責任において、早急に改革を行い社会が求める人材の育成を行い社会に対し
て卒業生の質の保証を行わなければなりません。改革を怠ればその大学の存在は否定されることになることは間
違いありません。
大手前大学ではいち早く大学改革に取り組んできました。その一つが C-PLATS による社会人基礎力の養成です。
全ての科目において C-PLATS の6つの能力開発を目指し、学生は自己の能力の開発を自己評価するシステムを構
築して他大学からも高い先駆的取組として評価を受けています。
しかし、企業が求める人材の質は年々高くなっており、更なる改革を続けていかなければなりません。改革の歩
みを止めた時、大学は社会的存在価値が下がり最期を迎えるでしょう。本書は大手前大学の先駆的改革を更に進
めるため、全ての教職員及び学生がコンピテンシーの定義、目的、目標、教育メソッド、達成レベル等の共通認
識を持ち、学習し続ける組織を目指すものです。
9
I.
こ
これまでの大
大手前大学の先駆的改革
大手前
前大学では福井
井有理事長の指
指導の下 2007
7 年から抜本的
的な大学改革に
に取り組んでき
きました。まず
ず、それまで
の一般的
的な学部制から
らリベラルアー
ーツカレッジに
に変革し、学生
生が幅広い知識
識基盤を構築で
できるように 3 学部クロ
スオーバ
バーシステムを
を導入しました
た。学生がど の学部に入学
学しようとも全
全ての授業を履
履修することが
ができるリベ
ラルアー
ーツカレッジへ
へと改革したの
のです。加えて
て、メジャー制
制度、ユニット自由選択制度
度、GPA 制度
度などを導入
してリベ
ベラルアーツカ
カレッジの基盤
盤を構築してき
きました。
一方、
、能力開発にお
おいては他大学
学に先駆けて 2
2008 年度から
ら6つの能力を
を開発すること
とを明示した C-PLATS
C
を
導入し、
、知識偏重型教
教育から能力開
開発型への転換
換をはかる試み
みが実施されて
てきました。C
C-PLATS によ
よる能力開発
は Crea
ativity, Presen
ntation, Logiccal Thinking, Artistic Sensse, Teamwork
k, Self-controll の6つのコン
ンピテンシー
を社会人
人基礎力の基本
本能力と定め、
、学生がそれ ぞれの能力の達成レベルを自己評価する
るシステムで、初年次教育
であるフ
フレッシュマン
ンセミナーと2年次のセミ ナー型必修科
科目である基礎
礎演習に取り入
入れられ確実な
な成果が出て
きていま
ます。
本取組
組の成果は大学
学付属の研究所
所である CEL
LL 教育研究所
所が学会で発表
表し、関係者か
からは大きな反
反響と強い関
心が寄せ
せられています
す。まさに C-P
PLATS は各大
大学の能力開発
発プログラム導
導入の先駆的役
役割を果たして
てきたといえ
るでしょ
ょう。
これま
まで先駆的な役
役割を果たして
てきた C-PLAT
TS であります
すが、全授業へ
への浸透・授業
業改善のために
にはリベラル
アーツカ
カレッジとして
ての位置付けや
や建学の精神で
である STUDY
Y FOR LIFE との関係の明
明確化、C-PLAT
TS の見直し、
能力開発
発手法の共有化
化、新しい能力
力開発技法の開
開発など、今後
後更なる革新に
による大学改革
革が求められています。
Figure 1
これ までの大手前大学の大学改革骨子
次章以
以降にこれらの
の改革のベース
スとなる新 C
C-PLATS の導
導入及びそのコ
コンセプト体系
系について明示
示するととも
に、新 C-PLATS のサ
サブ・コンピテ
テンシーの定義
義、教育目的、
、達成目標、体
体系、サブ・コ
コンピテンシー
ー間の関係、
教育メソ
ソッド、推薦図
図書等を明示した新 OCD に
について解説し
したいと思いま
ます。
10
II. 新 C-PLATS への進化
大手前
前大学が社会人
人基礎力の養成
成を目的として
て独自に開発し 2008 年度か
から導入してき
きた C-PLATS
S を 2011 年
度からリ
リニューアルし
し進化させます
す。今回の新 C-PLATS への
の変更骨子は以
以下の 3 点とな
なります。
z C-PLATS のトータルコンピテンシー
ーコンセプトを
を「Problem So
olving=問題解
解決力」とする
る。
z コンピテン
ンシーの数を 6 から 10 とし
して再編する。
z 10 のコンピ
ピテンシーを社
社会性、思考力
力、行動力の三
三つのカテゴリーに分類し、
、社会性をベースとした
思考と行
行動のダブル C-PLATS とす
する。
以下、
、これらのポイ
イントの概要に
について説明を
を加えていきま
ます。
z C-PLATS トータルコンピテンシーコンセプ
プト=Problem Solving
C-PL
LATS はリベラ
ラルアーツカレ
レッジ・大手前
前大
学がその
の使命として全
全ての学生に習
習得させる社会
会
人基礎能
能力の体系であ
あり、そのコン
ンセプトは「問
問題
解決力」
」です。具体的
的には、学生が
が将来どのよう
うな
道に進も
もうとも、数々
々の困難な問題
題を乗り越えて
て自
らの人生
生を切り開いて
ていくための10の能力(コ
コン
ピテンシ
シー)の習得で
です。大手前大
大学は C-PLA
ATS
能力の養
養成によって、
、「物事を単に
に知っている」 の
ではなく
く、「実際に物
物事をやり遂げ
げる」人材の育
育成
を目指し
します。
人間の
の諸活動は、そ
そのすべてが問
問題解決である
るといえます。これは学問、政治、経済、その他全ての
の分野に通じ
るものだ
だと考えます。
。従って、社会
会人としての基
基本的能力を一
一言でいうと「問題解決力」
」となるのです
す。
z 10 の
のサブ・コンピ
ピテンシー
Probllem Solving をトータルコン
を
ンピテンシーコ
コンセプトとし
して、問題解決
決のためにはど
どのような能力
力が必要であ
るかを問
問題プロセスに
に従って分析を
を重ねた結果、
、問題解決には
は 10 のサブ・コンピテンシ
シーが必要不可
可欠であると
の結論に
に至りました。
。その結論にい
いたる思考過程
程についての詳
詳細は後述しま
ますが、C-PL
LATS 順であげ
げると、
Creativ
vity, Commun
nication, Planning, Presenttation, Logica
al Thinking, Leadership,
L
A
Analysis, Actio
on,
Teamwork, Social Reesponsibility となります。
z ダブ
ブル C-PLATS
この 1
10 のサブ・コン
ンピテンシーは
は社会性、思考
考力、行動力の
の三つにグルー
ーピングするこ
ことができます
す。つまり、
問題解決
決には社会性を
を基盤として高
高い思考力と行
行動力を持つことが必要であ
あるというこ とです。これは経済産業
省が提唱
唱する社会人基
基礎力の三つの
の能力であるア
アクション、シ
シンキング、チ
チームワーク とも符合するものです。
社会性
性は Teamwork
k と Social Re
esponsibility の
の二つのコンピテンシーからなります。社
社会性は組織
織の一員とし
て社会的
的責任をもって
て行動し義務と責任を果たす
すことです。思
思考力は Crea
ativity, Plann
ning, Logical thinking,
t
Analysiis の4つのコンピテンシーであり、社会性
性の二つとあわせて「思考の
の C-PLATS」を構成します
す。行動力は
Commu
unication, Preesentation, Le
eadership, Acction の4つの
のコンピテンシ
シーであり、同
同様に社会性の
の二つのコン
ピテンシ
シーと合わせて
て「行動の C-PLATS」を構
構成します。こ
この思考と行動
動のダブルの C
C-PLATS を車
車の両輪のよ
うにバラ
ランスよく習得
得することによ
より問題解決能
能力が養成され
れると確信しま
ます。
11
III.社
社会が求める人材
社会が
が求める人材は
は多種多様です
すがどのような
な業種や職種に
においても共通
通するものがあ
あります。それ
れは一言で表
せば「問
問題解決能力」
」です。社会は
は日々多くの問
問題を解決して
て人間の生命を維持し、よ り良い社会の実現を目指
して活動
動がなされてい
います。特に企
企業活動におい
いては問題解決
決の連続です。
。ビジネスは顧
顧客の問題を解
解決するこ
とによる
る対価であり、
、その実現に向
向けて多くの難
難題を解決して
ていくプロセス
スであるといえ
えます。従って、企業が
多くの難
難関に立ち向か
かいそれを乗り越えて目標を
を達成する人材
材を欲しているのは至極当然
然のことなのです。
問題解
解決のために社
社会人が具備す
すべきものは何
何でしょうか。それは智・情
情・意のバラン
ンスの取れたレ
レディネスで
す。問題
題解決は知識だ
だけでできるも
ものではないこ
ことは明らかで
です。知識基盤
盤が必要であ ることは当然ですが、そ
の知識を
をネットワーク
ク化・構造化し、集団をリー
ードして物事を
を成し遂げる能
能力が必要とな
なります。従って智は知
識と能力
力が合体したも
ものといえるで
でしょう。
しかし
し、社会は智だ
だけでは問題解
解決できない ことも多くあります。それ
れは人間が感情
情の動物だから
らです。情熱
を持つこ
ことや相手の気
気持ちを慮ることが必要に なります。更には強い自己の確固たる信
信念や理念に基
基づく強い意
志も必要
要になります。
。従って、社会
会が求める人材
材像は人格形
形成の三つの要
要素といわれる
る智・情・意の
のバランスが
取れた人
人材であると定
定義づけするこ
ことができます
す。
z 智(
(Intelligence)
)
前述の
のとおり、智は
は知識(Know
wledge)と能力
力(Competen
ncy)の二つの
の要素からなり
ります。知識と
とは単に「知
っている
ること」であり、他者や書物
物(過去の人物
物)等から得
得た情報等です
す。これまでの
の日本の戦後教
教育はこの知
識教育を
を偏重してきま
ました。これに対して能力 とは「実際に物事ができる力量」です。 知識があって
ても実際にそ
れを行動
動レベルででき
きなければ能力
力があるとは言
言えません。例えば、サッカーで正しい
いパスの仕方を
を教えられた
としても
も、知識として
て理解はできて
ても実際に正 しいパスができる能力を習得したとは言
言えません。こ
このように、
能力とい
いうのは実際に
に物事をできる
ることであり、
、問題を解決す
する力といえるのです。
実社会
会では知識があ
あるだけでは高
高い評価を受 けることはありません。知識を使って実
実際に問題を解
解決していっ
て初め てその能力が
が評価
されます
す。例えば、語学、
マーケテ
ティング、エン
ンジニ
アリン グなどの知識
識があ
るだけで
ではなく、それ
れらを
使って 実際に多様な
な文化
の人々 とコミュニケ
ケーシ
ョンや ネゴシエーシ
ション
を行い、
、双方の問題を
を解決
して目 的や目標を達
達成し
なけれ ばそれらの能
能力が
あると は認められな
ないの
です。
これま
までの日本の大
大学は知識を伝
伝えるだけの知
知識偏重教育
育でした。これ
れからは、知識
識をネットワー
ーク化・構造
化して実
実際に使える智
智に高める能力
力の開発への改
改革が求められ
れているのです
す。
12
z 情(
(Passion)
世の中
中は智という理
理性だけで問題
題を解決でき るものではありません。人
人間は感情の動
動物であり、感
感情が人を動
かすもう
う一つの大きな
なパワーとなります。いわゆ
ゆるアリストテ
テレスが言うところの「パ トス」1が必要
要なのです。
理性だけ
けで社会を動か
かそうとすると「角が立つ」
」2ことになりますが、感情
情がそれを和ら
らげる働きをし
します。しか
し、感情
情は反対に動け
けば問題を大き
きくすることに
にもなり、十分
分な配慮が必要
要となります。
。
問題解
解決の基本的能
能力となるコミュニケーシ ョンやリーダ
ダーシップといった能力には
は人間の感情を
を無視するこ
とはでき
きません。これ
れらの能力の中
中には自己と他
他者の感情をマ
マネジメントす
する能力が求め
められるのです
す。
z 意(
(Will)
智と情
情のバランスを
を取りながら目標を貫徹させ
せるのが「意
意志」の力だといえます。そ
そして強い意志
志を支えるも
のは強い
い理念であり、
、理念とは人生
生の目的と価値
値観を示したものであります。何のため
めに自分はこの
の世の中に存
在するの
のかというレー
ーゾンデートル
ルをしっかり と持ち、人生
生で大切だと思
思う価値のプラ
ライオリティを
を明確にして
いる人間
間にこそ強い意
意志が生まれる
るのです。
青年が
が大志を抱かな
なくなった国家
家や組織は必ず
ず弱体化します
す。20 世紀末
末からの日本の
の衰退は青年が
が大志を抱か
なくなっ
ったことが一つ
つの大きな要因
因であるといえ
えるでしょう。
。
大学は
は知識や能力開
開発だけではな
なく強い意志 を持つ人材を育成することが求められま
ます。しかし、この意志の
力の養成
成は容易ではあ
ありません。札
札幌農学校のク
クラーク博士が
が「青年よ、大
大志を抱け」と
という建学の精
精神を残し、
翌年入学
学した新渡戸稲
稲造や内村鑑三
三らがこの精神
神を受け継いで日本を代表
表する人材とし
して世界的に活
活躍しました。
大学の使
使命として学生
生に大きな志を
を抱かせるため
めの取組が必要
要不可欠です。
。
Figure
F
4
1
2
社会
会人のレディネ
ネス「智・情・
・意」
弁論術
草枕から
ら引用
13
IV. 新 C-PLATS トータルコンセプト=P
Problem Sollving
前章の
の考察により、大手前大学が
が養成する人材
材像を「社会に
において困難な
な問題を解決し
してビジョン(目標)を達
成するこ
ことができる人
人材」とし、C
C-PLATS の基
基本コンセプト
トを Problem Solving(問題
S
題解決能力)と
と定義したの
です。こ
これにより、大
大手前大学では
は高い問題解決
決能力を持った
た人材を育てるという認識を
を共有していきます。
問題解
解決能力を高め
めるためにはど
どのような具体
体的なサブ・コ
コンピテンシー
ーが必要かを分
分析した結果、10 のサブ・
コンピテ
テンシーが必要
要不可欠である
ることが明確に
になりました。
。以下は 10 のコンピテンシ
の
シー構築のコン
ンセプトワー
クです。
。
z C-PLATS 能力のトータルコンセプト
C-PLA
ATS の目指す
すコンピテンシ
シーのトータル
ルコンセプトを
を「問題解決力
力」としました
たが、それでは
は「問題」と
は何でし
しょうか。問題
題とは「あるべ
べき状態と現状
状とのギャップ
プ」であると定
定義します。従
従って「問題解
解決」とは
「現状を
をあるべき状態
態にすること」
」であり、問題
題解決における目標とは「あ
あるべき状態」
」と定義することができ
ます。
この C
C-PLATS コン
ンピテンシーの
のトータルコン
ンセプトを「問
問題解決力」と
と明確に示した
たことにより、トータルコ
ンセプトを補完する幾
幾つかのサブ・コンピテンシ
シーが自動的に
に体系的に浮か
かび上がってき
きます。
z 問題
題解決プロセス
ス・コンピテン
ンシー
それで
では、問題を解
解決するにはどのような
サブ・コ
コンピテンシー
ーが必要かを考
考察します。
まず、
、問題解決につ
ついて以下の三つのプロ
セスに分
分解します。
① 分析
析と解決オプシ
ションの創造
② 意思
思決定(オプシ
ションの選択)
③ 行動
動
この三
三つのプロセス
スにおいて必要
要な能力は
①問題分
分析と解決オプ
プションの創造において
は、An
nalysis(分析力
力)と Creatiivity(創造
力)、②
②意思決定にお
おいては Plann
ning(計画
力)と P
Presentation(提案力)、そして③行動
はまさし
しく Action(行動力)の5つの能力と
なります
す。この5つの
のサブ・コンピテンシー
を「問題
題解決プロセス
ス・サブ・コンピテンシ
ー」と呼
呼ぶことにしま
ます。
z 基礎
礎的コンピテン
ンシー
この5
5つの「問題解
解決プロセス・
・サブ・コンピ
ピテンシー」だ
だけでは問題を
を解決すること
とはできません
ん。これらの
5つのサ
サブ・コンピテ
テンシーを発揮
揮するためには
は、5つの能力
力・意欲、つま
まり Communiication(意思疎
疎通能力)、
Logicall Thinking(論
論理的思考能力
力)、Leadersh
hip(統率力)、Teamwork(協働能力)、S
Social Respon
nsibility(社
会的責任
任)が必要不
不可欠となりま
ます。この後
後者の5つのサ
サブ・コンピテンシーを 「基礎的コン ピテンシー
(Comp
petency Basiss)」と呼ぶこと
ととします。
14
z 問題
題解決の基礎的
的コンピテンシ
シー
問題解
解決プロセス・コンピテンシ
シーと
基礎的 コンピテンシ
シーをマトリッ
ックス
化したも
ものが Figuree 6 であり、問題
題解決
には5つ
つの基礎的コ
コンピテンシー
ーが必
要不可欠
欠であること
とがご理解いた
ただけ
ると思い
います。このコ
コンピテンシー
ーの相
互関係に
については、コ
コンピテンシー
ー・デ
ィクシ ョナリーにお
おいて詳細を示
示して
いますの
のでご参照下さ
さい。
z C-PLLATS コンピテンシー体系と定義
C-PLA
ATS はトータルコンセプトである「問題解
」に基づき、5
5つの問題解決
決プロセス・
解決力(Problem Solving)
コンピテ
テンシーとそれ
れらを発揮するための必要不
ンピテンシーか
からなる体系と
ということに
不可欠な5つの基礎的コン
なります
す。
この体
体系においては
は、問題解決プ
プロセス・コン
ンピテンシーは
は「智」、基本
本的コンピテン
ンシーは「智」と「情」の
バランス
ス、Social Ressponsibility においては「意
に
意」を高めるも
ものとなってお
おり、智情意の
のバランス良い
い開発を目指
すもので
です。
大手前
前大学として全
全ての教職員・学生が共通の
の理解のもとに
に能力開発型授
授業を推進する
るためにはこれ
れらのコンピ
テンシー
ーの概念を統一
一しておく必要
要があります。
。トータルコン
ンセプトと 10
0 のサブ・コン
ンピテンシーの
の概念を定義
づけ一覧
覧表にまとめた
たのが Figure
e 7 です。
Figu
ure 7 コン ピテンシー・ディフィニ
ニション
15
Ⅴ.建学の精神・大学ビジョンにおける C-PLATS の位置付け
それぞれの大学は建学の精神を持っています。企業でいえば経営理念であり、大学の存在目的や価値観を現し
ています。大手前大学の建学の精神は「STUDY FOR LIFE」です。人間は生涯を通して学び自分を高めて社会に
より多くの貢献をし続ける存在であり、それをサポートするのが大手前大学の使命なのです。社会人を対象とし
たe-ラーニングシステムによる通信制の導入もこの建学の精神に基づくものです。
z リベラルアーツカレッジ
大手前大学は前述のとおり 2007 年からの改革によってリベラルアーツカレッジに変革してきました。単にリベ
ラルアーツを標榜するだけではなく、3 学部クロスオーバーシステム、メジャー制度、ユニット自由選択制度、
GPA 制度、国際交流の推進、LEO による新しい英語教育などのシステムを導入しその基盤を構築してきたのです。
それらの制度はリベラルアーツカレッジ大学としてのサブシステムといえます。
このリベラルアーツカレッジへの変革も建学の精神である STUDY FOR LIFE を目指すものです。リベラルア
ーツカレッジは単なるテクニカルスキルの習得ではなく、まさに生涯にわたって学んでいくための基盤をつくる
大学なのです。
日本ではリベラルアーツは「幅広い教養」と訳され、知識を高める教育がリベラルアーツ大学の目的だと考え
られてきました。このような認識において、リベラルアーツは社会人基礎力といった「能力」開発の対極にある
ものと捉えられてきたのです。従って、リベラルアーツカレッジが社会人基礎力 C-PLATS を高めるのは矛盾して
いるという考え方です。
しかしこれは日本人の誤った認識であると言わざるを得ません。リベラルアーツは古くはギリシア時代から中
世に至る自由7科(3学4科)に由来し、17 世紀の米国で大学が設立された時に取り入られたものです。自由7
科(文法学、論理学、修辞学、幾何学、数論、天文学、音楽)をみると専門的学問を行うための基本的能力であ
って教養ではありません。また、米国のリベラルアーツカレッジも実は日本で考えられているような教養ではな
く基礎能力の開発なのです。グリーンはその著「The Hidden Ivies3」においてリベラルアーツ教育の目的として
以下の6つをあげています。
① 創造的な、リスクを恐れないやり方で思考し、問題を解決する。
② 話す時も書く時も、考えや感情を系統立てて、論理的で首尾一貫した、目に見えるように豊かな言葉で
表現する。
③ データを分析し、系統立て、活用して、有意義な解決を導き出す。
④ 適切なデータと情報に基づいて目標を設定し、適切な手段でその目標を達成する力を養う。
⑤ 個人的な価値観や倫理観を確立して、将来、重大で困難な決断を下すための足場を固める。
⑥ 職場であれ地域社会であれ、他の人々と協力的、協働的に行動する。
この6つの目的は知識に関するものは一切ありません。全て「能力」の開発です。①には問題解決力が書かれ
ていると同時に Creativity 能力が、②においては Logical Thinking 能力開発と同時に、論理的な Planning、
3
原文は以下の通り
・Think and problem-solve in a creative, risk-taking manner.
・Express ideas and feelings in organized, logical, coherent, descriptive, rich language both orally and in writing.
Analyze, organize, and use data for meaningful solutions.
Develop the capability of setting goals with appropriate information and research and then achieve these goals with proper means.
Help define a personal-value and ethical system that serves throughout life in making the challenging decisions one will face.
Have the capacity and instinct to work in a cooperative, collaborative manner with others in one’s professional and community life.
16
Presenttation、Comm
munication 能力、そして③
能
③においては問
問題解決には Analysis
A
と Loogical Thinkin
ng の能力開
発が挙 げられていま
ます。④におい
いては目標を 達成するとい
いう Action 能力が、⑤に
能
おいては倫理
理観=Social
Respon
nsibility を養う
うことが、最後
後の協力関係や
や協働行動は Teamwork
T
と Leadership 能
能力の開発です
す。リベラル
アーツ教
教育の目的は最
最初に「問題解
解決力」があり
り、新 C-PLA
ATS の 10 のサ
サブ・コンピテ
テンシーの全て
てがこの 6 項
目の中に
に網羅されてい
いるのです。
このよ
ようにリベラル
ルアーツ教育の
の目的は新 C--PLATS におい
いて開発すべき
き能力とぴった
たりと一致しま
ます。リベラ
ルアーツ
ツカレッジは「どのような分
分野(学問・社
社会)に進もうともその分
分野における問
問題を解決する
る基本的能力
を養成す
する大学」なの
のです。大手前
前大学の目指す
す真のリベラルアーツカレッジは時代に
に合ったというよりむしろ
どのよう
うな時代におい
いても普遍の教
教育ビジョンで
であるといえま
ます。
z 建学
学の精神「STU
UDY FOR LIF
FE」
リベラ
ラルアーツの真
真の目的の考察
察から C-PLA
ATS は大手前
前大学のリベラ
ラルアーツ教育
育の指針となる
る中心的シス
テムであ
あると断言でき
きます。そして
て、その基本メ
メソッドとして
て PBL(問題解
解決型学習)と SDL(自己主
主導型学習)
を位置付
付けます。
前者の
の PBL は、C
C-PLATS のトータルコンセ
セプトである「
「問題解決力」を養成するも
ものであり、学
学生がどのよ
うな分野
野に進もうとも
も対応できる問題解決能力 を習得させるためのメソッドです。いわ
わば生涯学習の
の基礎を創る
ものとい
いえます。PB
BL 型授業において 10 のサブ
ブ・コンピテン
ンシーを習得していくのです
す。
一方、
、後者の SDL は自らの判断
断で自己の能力
力を開発してい
いく意欲と能力
力を養うもので
です。これまで
での教師主導
型学習で
では教師が学生
生の学習ニーズ
ズを判断し、 学習プログラムを組み立て、教師の知識
識を権威的・断
断定的に教育
してきま
ました。しかし、生涯学習は自らが主導 して自己に必要な学習ニーズを判断し、 自らの意志で
で学習プログ
ラムに参
参加し、仲間と
と協力・協働して調査・分析
析・研究を行い
い、能力を高め
めるものです。
。PBL 型学習
習によって自
ら課題を
を見つけ、相互
互信頼のもとに学生同士が励
励まし合い協
協力的・協働的
的学習を行うこ
ことにより、こ
この自己主導
型学習に
に導くことがで
できるのです。
。
このよ
ように新 C-PLATS による能力開発型の
の教育への改革
革はリベラルア
アーツカレッジ
ジのビジョンに
に向けての中
心的役割
割を果たすと同
同時に、建学の
の精神である 「STUDY FO
OR LIFE」への
の最短の道であ
あると確信しま
ます。
Figure 8
理念・コン
ンセプト体系
17
Ⅵ. O
Otemae Com
mpetency Dictionary
D
(OCD)による教育改革
本書 O
Otemae Comp
petency Dictio
onary(OCD)は
は C-PLATS による教育改革
に
革を行うために
に作成されたも
ものです。改
革はアドバルーンをあ
あげただけでは
は進みません。
。明確な指針と組織構成員全
全ての共通理解
解、具体的な教
教育手法や
手順等が
が必要になりま
ます。それを明
明示したものが
が OCD です。
これま
まで教育界が知
知識教育偏重で
であったのは、知識習得の評
評価が容易であ
あるという点が
があるのは否め
めません。能
力の評価
価は知識の評価
価と比べて基準
準を明確にする
ることが容易で
ではなく、公平
平な評価が難 しいとされてきました。
また、コ
コンピュータで
でも採点が可能
能な知識評価 と比べて、能力
力評価を行うた
ためには評価者
者の多大な労力
力と高い能
力を必要
要とすることも
も知識評価偏重
重になった大き
きな要因です。
。例えば大学の
の試験は論述形
形式が当然と思われてい
ましたが
が、昨今では選
選択式や括弧穴
穴埋め形式な ど中学や高校の
の知識確認テス
ストのような問
問題を出題するケースも
あると聞
聞きます。これ
れは教師が知識
識だけを教えそ
それを学生が暗
暗記するという知識偏重教育
育の最たるものです。そ
れに対し
して論述試験は
は試験そのもの
のが言語能力、
、論理的思考、分析力、創造
造力などの能力
力を高める教育
育手段です。
しかし、
、評価基準が曖
曖昧となるため
め、評価に対 して学生に納得
得できる説明をする上での高
高い能力が求められるこ
とと、採
採点に多大な労
労力を要するこ
ことなどから安
安易な知識確認
認型試験に流れ
れていったと考
考えられます。
。
本書は
は能力に関する
る定義や到達目
目標、評価基準
準、教育メソッ
ッドなどを明記
記することによ
より、これまで
で困難とされ
た能力評
評価を容易にし
して、知識偏重
重教育から能力
力開発への改革
革を目指します
す。
z PBL
L 型授業への転
転換
前章で
で述べましたと
とおり、能力開
開発型授業への
の転換の基本と
となるのが PB
BL 型学習です
す。これは Pro
oblem based
Learnin
ng=問題解決型学習であり、問題を解決
決するプロセスを通して基礎
礎的な能力を開
開発するもので
です。
従来の
の知識偏重型教
教育では
一方的な
な講義によって
て知識が
詰め込ま
まれていました
たが、この
教育手法
法では学生は与
与えられ
た知識や
や情報を使って
て思考し、
意思決定
定し、行動して
て問題を解
決してい
いく能力を習得
得するこ
とはでき
きません。
一方、PBL 型学習で
ではまず問
題が与え
えられ、問題解
解決のため
どのような行動を取るべきか、
そのため
めの分析や解決
決案の創
造などの
の思考が求められます。
それらの
の思考の結果、
、自ら必要な知
知識や情報の入
入手を行うようになります。
。これが SDL
L(自己主導型
型学習)と結
びつくの
のです。この学
学習方法は学生
生にとって決 して楽なもので
ではありません
ん。その問題を
を解決していく苦しさを
乗り越え
えた時の達成感
感が更に学習意
意欲を高めてい
いくと同時に、
、忍耐力と集中力が養成され
れるのです。
同じ P
PBL でも(Prroject based Learning=プロ
L
ロジェクト型学
学習)とは異な
なります。プロ
ロジェクト型学
学習は特別な
プロジェ
ェクトをチーム
ムで考え提案す
するものです。
。例えば、過疎
疎の自治体にそ
その活性化案を
を考え提言するといった
ものです
す。この学習方
方法も問題解決
決型学習の一つ
つであり、一部
部のゼミナール
ルや特別カリキ
キュラム等で実施されて
18
効果を上げていますが、全ての授業に取り入れることは不可能です。
それに対して、問題解決型学習は全てのカリキュラムに容易に取り入れることができる学習方法であり、実は既
に意識せずとも多くの授業で大なり小なり取り入れられているのです。例えば、卒論は PBL 型学習の最たるもの
です。なぜなら、論文執筆は自ら問題(課題・テーマ)を設定し(仮説思考)
、分析し、あるべき状態を設定して
その解決方法を創造して提案するものだからです。従って、卒論を書くことにより、分析力、創造力、計画力、
プレゼンテーション力(卒論発表)、論理的思考力、コミュニケーション力(文章力、発表力)を習得できるので
す。
卒論以外でも、日常の授業で課題(問題)を与えてレポートを作成し発表させてクラスでディスカッションする
学習形式は PBL 型授業であり、卒論と同様の能力開発に加えてグループでの発表等を行えばチームワークやリー
ダーシップも習得させることができます。そして、卒論は日常のこのような授業の集大成の位置付けであり、日
頃レポート等を書かせずにいきなり4年生になって卒論を書かせることには無理があります。この論点からする
と、レポートや制作等の課題を課さない授業や、卒論を書かなくても卒業できる教育システムは基礎的能力開発
をどのようにして習得させているのか疑問視されても仕方がないと言わざるを得ません。
また、驚かれるかもしれませんが、論述試験もまた PBL 型授業のひとつのメソッドです。論述試験の課題につ
いて、学生が予め必要な本や資料を読んで学習し、データ等を調査分析し、それに対する解決案(答案)を論理
的にまとめることによって論文や課題レポートと同様に基礎能力が開発されるのです。一方、知識確認型(穴埋
型等)試験は単に教えた知識の確認だけで能力が開発されるわけではありません。
このように、PBL 型授業は課題や試験及び授業形態を少し工夫することによって、問題を発見・分析、解決策
を創造・発表・討論することを通して自然と 10 のサブ・コンピテンシーを習得させることができる学習メソッド
であるといえます。
PBL 型授業はかなりの事前学習が必要となります。PBL 型学習は単に受け身で習うのではなく、前述した自ら
が主導して学習する SDL(自己主導型学習)と結合し自らが能動的に学習するものです。学生は自分から能動的
に課題を解き、まとめ、発表するそのプロセスを通じて 10 のサブ・コンピテンシーを自然と習得するため、基礎
能力は着実に目に見えて向上します。
しかし、自らが主導して学習するこの PBL 型学習に慣れていない学生にとっては、最初は学習することの苦し
さを味わうことになります。それを乗り越えて PBL 型学習を繰り返し行えば、自らの能力が飛躍的に伸びたこと
を実感し自信と達成感を得て、積極的に SDL 型学習をするようになります。最終の授業が終わった時、彼らは一
様に達成感に浸りやり遂げた自分に感動することでしょう。そして、その達成感や自信の大きさは苦しさを乗り
越えた度合に比例して大きくなるのです。
PBL 型学習に転換するには、当然ながら最初は教員にも負荷がかかります。論述試験が当たり前だった頃には
感じなかったものが、安易な確認テストに慣れてしまった昨今の教員には出題方法、評価基準など戸惑うことも
多いかも知れません。また、卒業論文の指導をしたことのない教員には論文指導は容易ではないでしょう。課題
の出し方や分析方法、アイデアの出し方、プレゼンテーションやディスカッションの指導に慣れていない教員も
おられるでしょう。その時に役に立つのがこの OCD なのです。そして必修科目においてこの OCD を使ってこれ
らのメソッドを初年次から習得させることによって、専門科目の教員の負荷を軽減することができるのです。
z OCD の内容
本 OCD は 10 のコンピテンシーについて①定義、②能力開発の目的、③到達目標、④能力開発の概要、⑤他の
19
コンピテ
テンシーとの関
関係、⑥到達基
基準、⑦メソッ
図書を明示して
ています。
ッド、⑧推薦図
①
定義:コン
ンピテンシーの
の定義を明示し
し、学内の理解
解を統一します
す。
②
能力開発の
の目的:問題解
解決力を養成す
するためになぜ
ぜそのコンピテ
テンシーが必要
要とされるのか
かを明示して
います。
③
到達目標:
:大学卒業まで
でに習得すべき
き能力レベルを
を明示していま
ます。
④
能力開発の
の概要:コンピ
ピテンシー開発
発の体系を明示
示し、全体像を
を示しています
す。
⑤
他のコンピ
ピテンシーとの
の関係:その他
他の 9 のコンピ
ピテンシーとの
の相互関係を明
明示しています
す。
⑥
到達基準:-2~7レベル
ルまでの 10 段
段階で到達基準
準を明示してい
います。最高レ
レベルの7は社
社会人の管理
職レベルと
としています。これは建学の
の精神である生
生涯学習による
るものです。本
本学では通信制
制で学ぶ社会
人学生もい
います。また、一般学生も常
常に高いレベル
ルを目指し社会
会人となった後
後も生涯学習と
として目指せ
る目標とす
するためでもあ
あります。
⑦
メソッド:
:主要なメソッ
ッドを明示して
ています。
⑧
参考文献/推
推薦図書:自己
己の能力開発を
を更に進めたい
い学生のために
に推薦図書を掲
掲載しています
す。
z メソ
ソッド集
本 OC
CD はメソッド
ド集とセットで
で活用するよう
う開発しており
ります。OCD はコンセプト体
体系をまとめたものとし
て全学の
の認識を共有す
するためのもの
のですが、具体
体的な能力開発
発手法はメソッド集として別
別冊(非売品)にしてお
ります。
。これは、コン
ンセプトについ
いてはある程度
度長期的に変え
えずに浸透をは
はかるものであ
あるのに対し、能力開発
メソッドはより良いも
ものを目指して
て日々革新して
ていくものだか
からです。従っ
って、メソッ ド集はいつでも追加、差
し替え等
等ができるようバインダー形
形式としていま
ます。
z OCD
D メソッドの開
開発と組織体制
制
OCD メソッドを開発し続けるためには組織
の変革も
も必要となりま
ます。これまで
での3学部に
対し学部
部クロスオーバ
バー型の6つの
の
Compettency Faculty
y を設置しマト
トリックス型
組織とし
します。全ての
の教員は学部に
に属するとと
もにこれ
れらの6つのい
いずれかの Fa
aculty に属
します。
。各 Faculty はその
は
Faculty
y 長の下での
能力開発
発メソッドを開
開発しメソッド集の改廃
を行いま
ます。この Facculty 組織はこ
この能力開発
を通じて
て学習し続ける
る組織(Learn
ning Organizzation)となる
るのです。
z シラ
ラバス
知識偏
偏重から C-PL
LATS による能
能力開発型教育
育への改革にお
おいて、シラバ
バスも能力開発
発型に変革して
ていかなけれ
ばなりま
ません。次ペー
ージの Figure
e 11 と Figuree 12 は新シラバ
バスのイメージ
ジです。
まず、Figure11 に示
示すシラバスフォーマット において、授業の内容欄、到達目標と学
学習成果欄は知
知識と能力に
分けて示
示すようにして
ております。次
次に、授業計画
画を示す Figu
ure 12 のフォー
ーマットを別掲
掲載し、甲欄に
には各 15 回
の授業を
を講義=知識と
と演習=能力開
開発に分けて記
記入し、乙欄に
には各 15 回の
の授業における
る能力開発をサ
サブ・コンピ
テンシー
ー別にそのグレ
レードを示し具
具体的内容を記
記入します。
20
開講年度
科目コード
科目名
担当教員名(代表)
担当教員名
メジャー名
ユニット名
ユニット責任者
ユニット内科目名
開講学期
授業コード
開講曜日・時限
授業の目的
授業の内容
①知識
②能力
能力開発追加
授業形態
能力開発メソッド
到達目標と学習成果
①知識レベル
②能力レベル
能力開発追加
事前学習と復習
成績評価の基準と方法
教科書
参考図書
授業に関する質問等の
方法
備考
Figure 11
新 C-PLATS シラバスのフォーマットイメージ
21
【甲欄】
【乙欄】
形式
講義
主
題
交渉の基礎と基本概念
1
演習
講義
業
計
概
Analysis
Creativity
Planning
Presentation
Action
Communication
Logical Thinking
Team work
Leadership
Social Responsibility
能力(C-PLATS)
授
画
要
課題・レポート
能力開発
メソッド
能 力 開 発 概 要
交渉とは何かを考え、交渉の形態等交渉の基本概念を
理解する
講義形式のため、能力開発はなし
交渉力の源泉について理解をする
講義形式のため、能力開発はなし
交渉相手と交渉力
2
演習
講義
3
演習
模擬交渉1
(Role Playing)
講義
ケース講義
演習
●模擬交渉ディスカス
●ケーススタディ発表
講義
取引交渉
4
5
演習
講義
6
演習
模擬交渉2
(Role Playing)
講義
ケース講義
演習
●模擬交渉ディスカス
●ケーススタディ発表
講義
意思決定交渉
7
8
演習
講義
9
演習
模擬交渉3
(Role Playing)
講義
ケース講義
演習
●模擬交渉ディスカス
●ケーススタディ発表
講義
紛争解決交渉
10
11
演習
講義
12
演習
模擬交渉4
(Role Playing)
講義
ケース講義
演習
●模擬交渉ディスカス
●ケーススタディ発表
講義
交渉と心理・倫理
13
14
演習
講義
論述以外の試験
演習
論述試験
15
摸擬交渉により、共利協働型交渉の考え方を理解する
●船積み交渉(内容は変更する場合がある)
課題ケースについての発表及びディスカッションを行
い、ケーススタディを通じて共利協働型交渉の重要性
を習得する。
CASE 課題1 ホシザキ電機
PPTで10枚以上のプレゼンテー
ション資料作成
3 2 2 4
2 4
3 2 2
2 4
3
●模擬交渉ロールプレイング
模擬交渉をロールプレイングすることにより、交渉相手の分析、解決策の創造と
提案を論理的かつ相手の気持ちと共感する感性を磨く。交渉の知識をロール
プレイングにより疑似体験することにより、知識を行動に結びつける能力を習得
する。
●ケースメソッド
●プレゼンテーション発表
●ディスカッション
ホシザキ電機のケース課題を分析し、ロジカルプレゼンテーションを行いクラス
ディスカッションを行う。これらの共利協働型交渉の知識を自ら分析することによ
り深めるとともに、これらの能力開発を行う。
前週のディスカッションを踏まえ共利協働型交渉を分
配型交渉と比較して理論的に理解する。
講義中心のため、能力開発はなし
摸擬交渉により、共利協働型交渉を体験し習得する
●年俸交渉(内容は変更する場合がある)
課題ケースについての発表及びディスカッションを行
い、ケーススタディを通じて望ましい意思決定交渉に
ついて習得する。
CASE 課題2
PPTで10枚以上のプレゼンテー
ション資料作成
4 2 3 5
2 5
4 2 3
2 5
3 5
●模擬交渉ロールプレイング
模擬交渉をロールプレイングすることにより、交渉相手の分析、解決策の創造と
提案を論理的かつ相手の気持ちと共感する感性を磨く。交渉の知識をロール
プレイングにより疑似体験することにより、知識を行動に結びつける能力を習得
する。
●ケースメソッド
●プレゼンテーション発表
●ディスカッション
食ありニッポンのケース課題を分析し、ロジカルプレゼンテーションを行いクラス
ディスカッションを行う。これらの非倫理的交渉の問題点とその解決策を創出す
ることにより、これらの能力開発を行う。
前週のケーススタディをを踏まえ、意思決定のための
論理的思考および説得技術について学ぶ。
講義形式のため、能力開発はなし
意思決定に関する摸擬交渉を体験し、意思決定の理論
を実務とし手習得する
●事業戦略決定交渉(内容は変更する場合あり)
課題ケースについての発表及びディスカッションを行
い、ケーススタディを通じて交渉相手の文化や交渉力
の源泉について習得する。
CASE 課題3
PPTで10枚以上のプレゼンテー
ション資料作成
5 3 4 6
3 6
5 3 4
3 6
3
●模擬交渉ロールプレイング
模擬交渉をロールプレイングすることにより、交渉相手の分析、解決策の創造と
提案を論理的かつ相手の気持ちと共感する感性を磨く。交渉の知識をロール
プレイングにより疑似体験することにより、知識を行動に結びつける能力を習得
する。
●ケースメソッド
●プレゼンテーション発表
●ディスカッション
「伸びる会社は全員力」ンのケース課題を分析し、ロジカルプレゼンテーション
を行いクラスディスカッションを行う。これらのケースから協働についての知識を
実践として理解しこれらの能力開発を行う。
前週のケーススタディを踏まえ、第三者の介入による
紛争解決についてその理論と技術を学ぶ。
講義形式のため、能力開発はなし
高度な摸擬交渉を体験し、これまでの理論を実務とし
て総合的に習得する
●M&A意思決定交渉(内容は変更する場合あり)
6 4 5 7
4 7
課題ケースについての発表及びディスカッションを行
い、ケーススタディを通じてビジネス交渉における倫
理について考える。
6 4 5
4 7
前週のケーススタディを踏まえ、ビジネス交渉におけ
る倫理の重要性を学ぶ。
模擬交渉をロールプレイングすることにより、交渉相手の分析、解決策の創造と
提案を論理的かつ相手の気持ちと共感する感性を磨く。交渉の知識をロール
プレイングにより疑似体験することにより、知識を行動に結びつける能力を習得
する。
●ケースメソッド
●プレゼンテーション発表
●ディスカッション
「企業の意思決定」のケース課題を分析し、ロジカルプレゼンテーションを行い
クラスディスカッションを行う。意思決定に関する知識を実践の能力に高めるた
めのこれらの能力開発をする。
CASE 課題4
PPTで10枚以上のプレゼンテー
ション資料作成
講義形式のため、能力開発はなし
全て論述形式の試験であるので、事前に試験課題を出すの
試験課題を1か月前に示す
で事前勉強をしておくこと。
①形式欄は授業形式を示し、講義形式(知識習得)と演習形式(能力習得)から成ります。
②課題欄は当日提出すべき課題を示します。課題は知識を実際に物事をできる能力に高めるものです。
Figure 12
3
●模擬交渉ロールプレイング
4
●ロジカル・ライティング
試験課題を与え、論理的に解答をまとめるロジカルライティングの能力開発を
行う。
①能力欄は演習形式授業及び課題提出を行う場合に習得できる能力レベルを示します。
②能力レベルのグレードは‐2~7までの10段階です。詳細はOCDを参照下さい。
③能力開発メソッド欄は演習形式授業及び課題提出の具体的手法を示したものです。
新 C-PLATS シラバスの授業計画フォーマットイメージ
参考文献
Franklin, S;. (2006). キリスト教世界観とリベラルアーツ. 東京基督教大学.
Polanyi, M.,;. (1980). 暗黙知の次元. (佐藤敬三, 訳) 紀伊国屋書店.
Schwartz.P, Stewart.M, Graham.W (共同編集). (2007). 世界の大学での小グループ問題基盤型カリキュラム導入の経験に学ぶ. (大西弘高, 訳) 篠原出版社.
Spencer, L M; Spencer, S M;. (2001). Competence at work コンピテンシーマネジメントの展開. (梅津祐良, 成田攻, 横山哲夫, 訳) 生産性出版.
アリストテレス. (1992). 弁論術. (戸塚七郎, 訳) 岩波文庫.
ブレネマン, D, W;. (1995). リベラルアーツカレッジ. (宮田敏近, 訳)
芦原直哉. (2009). 経営者の使命と行動. 三恵出版.
芦原直哉. (2009). 交渉の科学. 三恵出版.
芦原直哉. (2011). 知識教育から能力開発教育への転換を目指す C-PLATS 進化モデルの提案. 大手前大学 論集 11 号.
夏目漱石. (1929). 草枕. 岩波文庫.
吉田一郎, 大西弘高. (2004). 実践 PBL チュートリアルガイド. 南山堂.
松井範惇. (2004). リベラル教育とアメリカの大学.
22
Analysis
Analysis(分析力)
定義
z
物事や事象を正確に把握し、本来あるべき状態とのギャップ=問題点を明確にする能力
能力開発の目的
z
物事や事象についての情報・知識を特定して収集し、それらを分解・再構築して現状を正確に把握すると
ともに、本来あるべき状態を設定して問題点を明確にする能力を養成する。
到達目標
問題分析プロセスにおける仮説設定、現状分析(情報収集・分析)、問題発見・分析能力をバランスよく習得
する。
z
問題仮説設定能力
分析を行う前に分析の目的である仮説=問題仮説を設定することができる。
z
現状分析能力
現状(物事や事象)について幅広い視点からバランスよく把握することができる。
¾
情報収集能力
現状を正しく把握するために必要な①知識や情報、②データが何かを考え収集することができること。
①
知識・情報の収集・・・主に文献、データベース、新聞、インターネットなどの多様な情報ソースを
複数用いて、どれか一つに偏らずに知識・情報を収集できる。
②
¾
調査、観察、実験などによって、バイアスの排除を考慮したデータの収集ができる。
分析能力
集めた知識、情報、データの分析をとおして、因果関係、影響関係、相互作用、関連などをとりだし、問
題解決のために必要な情報を抽出できる。
定性的分析・・・質的データの分析メソッドの基礎から高度なものまで段階に応じて身につける
定量的分析・・・量的データの分析メソッドの基礎から高度なものまで段階に応じて身につける
これらの分析の技法を適切に用いて、根拠や検討材料を導き出せる。
¾
思考能力
情報の分析過程において、その意味するところを読み取れること
z
問題発見・分析能力
物事や事象が本来あるべき状態についてバイアスを入れずに設定して現在の状況とのギャップ=問題を明
確にすることができる。以下は問題を明確にするために必要な分析能力である。
¾
原因特定能力
問題が発生した原因を特定することにより次の問題解決プロセスである問題解決案創造を容易にす
ることができる。
¾
障害物特定能力
問題解決のために何が障害となっているかを特定することにより次の問題解決プロセスである問題
23
解決案創造
造を容易にする
ることができる
る。
能力開発概要
能力開
開発については
は、分析プロセ
セスに沿って仮
仮説設定(仮説
説思考)、情報
報収集、情報分
分析、問題発見
見・分析手
法を習得
得する。
問
問題分析プロセ
セス
問題
題を正しく分析
析するためには
は、論理的思考
考方法を習得す
することが前提
提となる。全て
ての問題分析は
は演繹法か
帰納法
法によって論理
理の合理性を担
担保することが
が求められるか
からである。従
従って、能力開
開発においては
は論理的思
考法を
を習得してから
ら実施すること
とが肝要である
る。
24
Analysis
他のサブ・コンピテンシーとの相互関係
サブ・コンピテンシー
Communication
関
係
ブレインストーミング等による集団での問題分析にはコミュニケーションが
Action Basis
必要不可欠である。
Presentation
プレゼンテーションにはプランニングが必要であり、プランニングには問題
分析(現状分析)問題解決オプションの創造と選択を行うことが必要である。
Leadership
集団での問題分析には集団をまとめるリーダーシップが重要である。
Action
行動に先立ちコンテクストの分析から最も良いオプションを選択する意思決
定が必要であり、分析を誤ると誤った行動となる。
Creativity
問題解決プロセスにおいて問題分析は問題解決オプション創造の為の重要な
Thinking Basis
前提となるものであり、この二つの能力はセットで開発すべきである。
Planning
計画策定プロセスにおいて最初に行うのが問題分析であり、コンテクストを
分析しない計画はあり得ない。
Logical Thinking
問題分析結果に合理性を持たせるためには MECE でなくてはならず、論理的
Society Basis
思考方法が必要不可欠である。
Teamwork
集団での問題分析にはチームワークが重要である。
Social
問題分析においては常に社会的責任の見地から考察し分析することが求めら
Responsibility
れる。
到達基準
-2
問題意識がなく、問題を発見することができない。
-1
問題分析メソッドの知識がなく、問題の原因を分析することができない。
0
問題分析メソッドの知識はあるが、それらを使って実際に分析することができない。
1
与えられた課題に対して適切な情報を収集することができる。
2
習得した情報を、基礎的分析メソッドを使って価値あるデータに変換することができる
3
問題仮説を自ら設定し、問題分析を行うことができる。
4
より高度の情報を収集し、分析メソッドを駆使して高い価値データに変換することができる。
5
あるべき状況(高い到達目標)を設定し、新しい問題仮説を打ち立てることができる。
6
問題の原因や障害となっているものを特定して、問題解決オプション創造の方向性を導くことができる。
7
チームを組んで問題分析活動をリードし、分析結果をまとめてプレゼンテーションすることができる。
25
メソッド
¾
インタビュー
¾
なぜなぜ分析
¾
グループインタビュー
¾
5Whys
¾
ヒアリング調査
¾
特性要因図(フィッシュボーンチャート)
¾
観察調査
¾
連関図ブレインストーミング
¾
実験・テスト
¾
ブレインライティング
¾
アンケート調査
¾
カードブレインストーミング
¾
フィールド調査
¾
ゴードン法
¾
クロス集計
¾
KJ 法(川喜田二郎)
¾
クロス分析
¾
マインドマップ
¾
時系列分析
¾
マンダラート
¾
度数分布
¾
ツリー
¾
標準偏差
¾
インプット・アウトプット法
¾
相関分析
¾
ワークデザイン法
¾
回帰分析
¾
経営分析
¾
ベンチマーキング
¾
財務分析
参考文献/推薦図書
Buzan, T; Buzan, B. (2005). ザ・マインドマップ. (神田昌典, 訳) ダイヤモンド社.
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Minto, B. (1999). 考える技術・書く技術. (山崎康司, 訳) ダイヤモンド社.
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佐々木秀一. (1989). 財務諸表入門. 日本経済新聞社.
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川喜田二郎. (1970). 続・発想法. 中公新書.
日本能率協会マネジメントセンター. (2006). これで使える TRIZ/USIT. 日本能率協会.
堀公俊. (2003). 問題解決ファシリテーター. 東洋経済新報社.
國定貞則. (2007). 財務3表一体理解法. 朝日新書.
26
Creativity
Creatiivity(創
創造力)
定義
z
問
問題を解決するための新しい
いアイデアやも
ものを生み出す
す能力
能力開発の目的
z
問
問題解決案を創
創出する能力を
を養成し、社会
会に貢献できる
る人材を育成す
する。
到達目標
z
問
問題分析を踏ま
まえて、その解
解決のための斬
斬新で効果の大
大きな多数のオ
オプションをチ
チームで協力し
して創造す
ることができる。
能力開発概要
問題解
解決案の創造は
は問題分析とセ
セットで行われ
れることが多く、アイデア創
創造メソッドは
は問題分析メソ
ソッドと重
複するも
ものも多い。そ
それらのメソッ
ッドを総合メソ
ソッドと称する
ることにする。
。一方、アイデ
デアの創造その
のものを行
うメソッ
ッドを問題解決
決案創造力開発
発メソッドと呼
呼ぶこととする。両メソッド
ドを駆使して問
問題解決のため
めのオプシ
ョンを創
創造できる人材
材を養成する。
。
z
総
総合メソッド
総合メ
メソッドは、ア
アイデアを発散
散させるブレイ
インストーミン
ング、収束させ
せ視覚的に判り
り易く分類・整
整理する関
連要因整
整理手法、発散
散と収束を繰り返す統合的問
問題解決手法の三つに分類できる。
¾
必
必修科目
総合メ
メソッドとして
て社会のあらゆ
ゆる場面で最も
も多く使われる
るのがブレイン
ンストーミング
グである。ブレ
レインスト
ーミング
グは初年次必修
修科目において
て徹底的にその
の手法を習得させる。これにより専門科
科目における PBL 型授業
において
てブレインストーミングが習
習慣化する。
¾
専
専門科目
専門課
課程の PBL 型授業において
型
て、更に多くの
のメソッドを実
実際の問題解決
決案策定におい
いて実際に使用
用させ高い
創造力を
を養成する。
27
Creativity
問
問題解決案創造
造力開発メソ
ソッド
z
アイデ
デアの創造その
のものを行う問
問題解決案創造
造力開発メソッドは、発想習慣化手法、機
機能・属性・形態分析、
連想法、
、チェックリス
スト法、マトリクス法に分類
類される。
¾
必
必修科目
創造手
手法としては、前述のアイデ
デアマラソンを
を初年次必修科
科目に導入し発
発想の習慣づけ
けを行う。アイ
イデアマラ
ソンは一
一人で行うブレインストーミングである と考えることができ、その習
習慣づけにより
り高い創造力を
を養成する
ことがで
できる。更に連
連想法、チェッ
ックリスト法、マトリクス法
法等を二年次ま
までの必修科目
目で習得させて
て新しい発
想を生み
み出す能力を養
養成する。
¾
専
専門科目
専門科
科目の PBL 型授業において
型
て、更に多くの
のメソッドを実
実際の問題解決
決案で実際に使
使うことにより
り、高い創
造力を養
養成する。
他のサブ・コンピテンシーとの
の相互関係
サブ
ブ・コンピテンシー
Communication
関
係
ブレインストー
ブ
ーミング等によ
よる集団での解
解決案の創造に
にはコミュニケ
ケーショ
ンが必要不可欠
ン
欠である。
Action Basis
Presentatioon
プレゼンテーシ
プ
ションには問題
題分析(現状分
分析)に基づく
く問題解決オプ
プション
の創造と選択を
の
を行うことが最
最も重要なこと
とである。
Leadership
p
集団での解決案
集
案の創造には集
集団をまとめる
るリーダーシッ
ップが重要であ
ある。
Action
課題解決策の創
課
創造なく思いつ
つきでの行動に
に良い結果は生
生まれない。
28
Creativity
Thinking Basis
Planning
計画立案において問題解決オプションを創造し比較検討して最善の案を選択
することが最重要である。
Logical Thinking
解決案の創造においては、その根拠の合理性が求められ論理的思考能力が必
要不可欠である。
Analysis
問題解決オプションの創造においてコンテクストの分析は必須であり、この
Society Basis
二つの能力はセットで開発すべきである。
Teamwork
集団での解決案の創造にはチームワークが重要である。
Social
問題解決案の創造及び選択においては社会的責任の見地での評価は最も重要
Responsibility
な要素である。
到達基準
-2
問題意識がなく、解決策を考え出す意欲に欠ける。
-1
アイデアを考えることを習慣づけようとしていない。
0
アイデア創造メソッドの基礎知識はあるが、それらのメソッドを使って問題解決オプションを出すことが
できない。
1
アイデ創造メソッドを用い、習慣的にアイデアを創造している。
2
アイデア創造メソッドを用い、自己にとって価値ある問題解決オプションを創造している。
3
発想したアイデアを関連付け、アイデアとアイデアを結び付けて新しいより高度の問題解決オプションを
創造できる。
4
チームでアイデア創造メソッドを用い、協力してより高度の問題解決オプションを創造できる。
5
発想した問題解決オプションをチームで論理的に体系立てて説明することができる。
6
チームをリードし問題解決メソッドを指導して解決オプションを創造し、それらを論理的に体系立てて説
明することができる。
7
チームをリードし発想した問題解決オプションを実施レベルで検証し実行可能なオプションに構築するこ
とができる。
メソッド
¾
ブレインライティング
¾
刺激語法
¾
カードブレインストーミング
¾
アナロジー
¾
ゴードン法
¾
NM 法(中山正和)
¾
KJ 法(川喜田二郎)
¾
偽物化法
¾
マインドマップ
¾
タウンウォッチング
¾
マンダラート
¾
オズボーンのチェックリスト
29
Creativity
¾
ツリー
¾
SCANPER
¾
インプット・アウトプット法
¾
クロス法(カール・グレゴリー)
¾
ワークデザイン法
¾
ポジショニングマップ
¾
アイデアマラソン
¾
9画面法(TRIZ)
¾
欠点列挙法
¾
希望点列挙法
¾
属性列挙法(名詞・形容詞・動詞)
¾
形態分析法(ターゲティングに応用)
¾
カタログ法
参考文献/推薦図書
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川喜田二郎(2010)
定量分析実践講座―ケースで学ぶ意思決定の手法
ファーストプレス
創造性とは何か 祥伝社
高根正昭(1979) 創造の方法学 講談社
30
ダイヤモンド社
Planning
Plann
ning(計
計画力)
定義
z
ビジ
ジョン・到達目
目標を定め、そ
そのゴールに最
最も効率よく到
到達させるため
めの主要な方法
法や手順を策定
定する能力
能力開発の目的
z
問題
題を解決してあ
あるべき状況に
に到達するため
めのオプション
ン(選択肢)を
を正しく評価し
し、実行に向け
けての方法
や手
手段を立案し、文書化できる
る人材を養成す
する。
到達目標
z
問題
題を解決するた
ためのオプショ
ョン(選択肢) をチームで評
評価し、実行可
可能な計画とし
して立案し、計
計画書にま
とめ
めることができ
きる。
能力開発概要
プラン
ンニングは「計
計画する能力」
」とそれを計画
画書にまとめる「書く能力」の二つの能
能力が求められ
れる。
計画は
は実行して達成
成するためのものであり、計
計画だけを立て
てることはあま
まり意味がない
い。計画を実行
行しその結
果を次の
の計画にフィー
ードバックして
て継続的な改善
善を行うことによりプランニング(計画)の
の価値が高まる
る。従って
「PDCA
A(Plan、Doo、Check、Acct)サイクル」 はプランニン
ングの基本的メ
メソッドとなる
る。
計 画 書 を プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 資 料 と し て ま と め る 技 術 も 同 時 に 養成 す る が 、 こ れ に つ い て の 詳 細 は
Presenttation、Logiccal Thinking のページを参照
の
照されたい。
計画能
能力は設計能力
力である。個人
人の計画で最も
も大きなものは
はキャリアプラ
ランであろう。
。人生計画をど
どのように
設計する
るかは就職を控
控えた学生にとって非常に重
重要である。初年次教育から
初
ら進路選択の意
意思決定を控え
えた 3 年次
までキャ
ャリア教育を通
通じてキャリア・プランニ ングを行う。加えて、PDC
CA サイクルや
や初歩の計画書
書策定につ
いて初年
年次必修科目で
で習得させる。
。
専門的
的な計画立案能
能力はゼミナー
ール等の演習科
科目においてその能力を高める。また、ビ
ビジネス・プラ
ランニング
において
ては PBL(Prroblem Based Learning)形
形式の授業で行
行うマネジメン
ントメジャー等
等の専門科目で
で中長期計
画など高
高いレベルの能
能力を養成する
る。
31
プランニングに必要な基礎能力である「書く能力」については、ビジネス文書、提案書、論文執筆手法などの
基礎的な知識と能力を 2 年生までの必修科目で習得させ、専門科目におけるレポートや卒業研究における論文執
筆を通じて全ての学生に習得させる。
他のサブ・コンピテンシーとの相互関係
サブ・コンピテンシー
Communication
関
係
集団における計画策定において、コミュニケーションは必要不可欠な能力であ
Action Basis
る。
Presentation
プレゼンテーションは計画立案したものを他者や集団に説明・説得して意思決
定に導くものであり、この二つの能力は切り離すことができない。
Leadership
集団での計画立案においてはチームをまとめるリーダーシップ能力が重要で
ある。
Action
行動の前には必ずどのように行動するべきかという意思決定があり、その意思
決定を促すための計画立案でなければならない。
Thinking Basis
Creativity
計画立案においては問題点を解決するための最適なオプションを可能な限り
多く創造することが求められる。
Logical Thinking
計画立案、計画書作成においてはその論理性が求められ、ロジカル・ライティ
ング能力が最重要である。
Analysis
計画策定プロセスにおいて最初に行うのが問題分析であり、問題を発見しその
Society Basis
原因を特定する必要がある。
Teamwork
集団での計画立案においてはチームワーク能力が重要である。
Social
社会的責任の見地からの意思決定が行わなければならず、計画立案においては
Responsibility
常に社会的責任を意識して策定することが求められる。
到達基準
-2
計画を立てることの重要性を認識せず、計画策定の意思や意欲に乏しい。
-1
計画立案メソッドの基礎知識がなく、どのように計画を立案したら良いかわからない。
0
計画立案メソッドの基礎知識はあるが、それらを使って計画を実際に立案し計画書にまとめることができ
ない。
1
自己の行動のためのオプションを評価し最善の計画を立案することができる。
32
Planning
2
小集団での行動のためのオプションを評価し、最善の企画を計画書にまとめることができる。
3
PDCA サイクルを回して継続的に改善することができる。
4
チームでの計画案策定において自己の役割を果たしチームに貢献できる。
5
組織全体の行動オプションを評価し、企画を計画書にまとめることができる。
6
説得力のある最善の計画書を策定し、組織の意思決定に貢献できる。
7
チームをリードし指導して計画案を策定し、組織の意思決定を適切に導くことができる。
メソッド
¾
PDCA サイクル
¾
キャリア・プランニング
¾
シナリオ・プランニング
¾
ビジネス・プランニング
¾
戦略プランニング
¾
フィジビリティスタディ
¾
ビジネス文書
¾
企画書
¾
提案書
¾
執筆手法(論文・著書)
参考文献/推薦図書
Barney, L. B. (2003). 企業戦略論
(上 中
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原尻淳一. (2007) PLANNING
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34
Presentation
Presentation(プレゼンテーション力)
定義
z
アイデアや計画を内外の集団・組織等に説明し、理解・共感を得て聞き手の意思決定を促す能力
能力開発の目的
z
自分の考えや計画を、あらゆる効果的手段を駆使して相手に判り易く説明し説得する能力を養成する。
到達目標
z 目的の明確化
プレゼンテーションの目的を認識しその目的に沿ったプレゼンテーションができる。
z 聞き手(聴衆)の分析と把握
¾ 聞き手(聴衆)の特徴や(demographic analysis)やニーズを分析し Planning で構成した内容を、聴衆に
合わせて発表し共感と承認を得ることができる。
¾ 聴衆分析の結果を基に、最も効果的なツールを選択しそれらを使いこなすことができる。
z コンテンツ作成
論理的なコンテンツ構成ができる。
z プレゼンテーション技法のマスター
¾ 説得型、説明型、論証型の 3 種類のプレゼンテーション技法及び目的に応じてそれらの技法を複合・連動
させたプレゼンテーションを行なう事ができる。
¾ バーバル技法(話し方の 5 つの基本技術)に加えて、ノンバーバルコミュニケーション技法を活用するこ
とができる。
能力開発概要
プレゼンテーションは事前準備、ストーリービルディング、発表(プレゼンテーション)の 3 つのプロセスか
らなる。これらの基礎知識を初年次教育で教えるとともに、実際の演習を通じて基礎的な事前準備、ストーリー
ビルディング、コンテンツ作成技法、発表技術を習得させる。専門科目においてもすべての教科において課題に
対するプレゼンテーションを課して経験を積み重ねさせることによってその技術を高めていくことが望まれる。
なお、プレゼンテーション能力はコミュニケーション能力の一部であり、発表における非言語コミュニケーシ
ョン技術については Communication のページを参照されたい。
35
他のサブ・コンピテンシーとの
の相互関係
サブ
ブ・コンピテン
ンシー
Communica
ation
関
係
計画策定、プレゼ
ゼンテーション
ンによる意思決
決定においてコ
コミュニケーシ
ションは
Action Basis
必要不可欠であ る。
Leadership
集団でのプレゼ
ゼンテーション
ンにおいてはチ
チームをまとめ
めるリーダーシ
シップが
重要である
Action
行動の前には必
必ずどのように
に行動するべきかという意思
思決定があり、その意思
そ
決定を導くもの がプレゼンテーションである。
Creativity
聞き手を感動さ せるプレゼン
ンテーションの
の提案内容及び
び作成には創造
造力が重
Thinking Basis
要である。
Planning
プレゼンテーシ
ション実施の前
前に、そのコンテ
テンツである計
計画を立案する
ることが
必須であり、計
計画とプレゼン
ンテーション能
能力はセットで
で開発すべきで
である。
Logical Thin
nking
プレゼンテーシ
ションにおいて
て聞き手を説得
得し意思決定に
に導くには論理
理性が重
要な要素である 。
Analysis
プレゼンテーシ
ションのコンテンツ制作において、コンテク
クストの分析は
は必須事
項である。
36
Presentation
Society Basis
Teamwork
集団でのプレゼンテーションにおいては解決案の創造にはチームワークが重
要である。
Social
社会的責任の見地からの意思決定が行わなければならず、プレゼンテーション
Responsibility
コンテンツ作成においても常に社会的責任を意識することが求められる。
到達基準
-2
プレゼンテーションで相手を説得しようとするコミュニケーション意欲に欠ける。
-1
プレゼンテーションメソッドの基礎知識がなく、資料等の作成ができない。
0
プレゼンテーションメソッドの基礎知識はあるが、実際に資料を作成し実施することができない。
1
プレゼンテーションの目的、聴衆分析、情報収集等の事前準備ができる。
2
プレゼンテーションストーリーを構築し最適なツールを使用してまとめることができる。
3
コンテンツ作成メソッドを使って聞き手に判り易い資料を作成し発表することができる。
4
バーバル・ノンバーバルコミュニケーションを活用して堂々とプレゼンテーションを行うことができる。
5
プレゼンテーションメソッドを駆使して、論理的で説得力のあるプレゼンテーション資料を作成し発表す
ることができる。
6
作成した資料を使って、ユーモアを交えて聞き手を引き込むプレゼンテーションができる。
7
聞き手が共感し感動するプレゼンテーションができる。
メソッド
¾
事前準備
¾
ストーリービルディング
¾
プレゼンテーションツール
¾
パワーポイント作成技術
¾
ロジカルプレゼンテーション
¾
ピラミッドストラクチャー
¾
リハーサル
¾
五つの話し方手法
¾
ロジカル・スピーキング
¾
ユーモア
¾
質疑応答
¾
ノンバーバルコミュニケーション
37
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38
Action
Actio
on(行動
動力)
定義
z
迅速
速で的確な意思
思決定とその実
実行により、問
問題を解決して
てミッション(達成目標)を
をやり遂げる能
能力
能力開発の目的
z
問題
題解決にむけて
て迅速で的確な
な意思決定を行
行い実際にやり
り遂げ、問題を
を解決する強い
い行動力をもっ
った人材を
養成
成する。
到達目標
z
自己
己の目標を常に
に自己の計画通
通りやり遂げる
ることができる
る。
z
チー
ームをリードし
し組織の目標を
を達成して問題
題を解決するこ
ことができる。
能力開発概要
アクシ
ションは、行動
動を起こす前に
に具体的なプロ
ロセスおよび期
期日を定めたア
アクションプラ
ランを策定する
る能力、実
行中にそ
そのプロジェク
クトを計画通り
りに進めるため
めにリソースや
や期日を管理す
するプロジェク
クトマネジメント能力、
自らの計
計画達成のため
めに他者に働き
きかけるネゴシ
シエーション能
能力の 3 つに分
分類される。
39
PERT 図などのアクションプラン作成の基本的能力を初年次必修科目で習得させ、二年次の必修科目において
はプロジェクトマネジメント技術を PBL 型授業によるプロジェクトを体験させることにより習得させる。プロ
ジェクトマネジメント資格の習得も奨励する。
また、体験型学習などの自ら考え計画したことを実際に行動して達成するカリキュラムを用意することが必要
である。
他のサブ・コンピテンシーとの相互関係
サブ・コンピテンシー
Communication
関
係
集団・組織での統合された行動を行うにはコミュニケーションが必要不可欠で
Action Basis
ある。
Presentation
集団・組織での行動の前には必ずどのように行動するべきかという意思決定が
あり、組織での意思決定においてはプレゼンテーションが必要となる。
Leadership
集団・組織での行動においてはチームをまとめるリーダーシップが重要であ
る。
Creativity
行動を起こすには行動オプションを創造しなければならず、より多くの他者と
Thinking Basis
は差別化した行動オプションを創造することがより良い行動に結びつく。
Planning
行動の前にはどのように行動するべきかを計画することにより計画的な行動
が取れる。
Logical Thinking
行動は感情的な行動もあるが、ビジネスにおいては理性的行動が求められ、論
Society Basis
理的な思考が重要となる。
Analysis
行動を起こすにはコンテクストを分析することから始めなければならない。
Teamwork
集団・組織での行動にはチームワークが最重要となる。
Social
個人行動も集団・組織行動においてもその行動プロセス、影響、結果に対して
Responsibility
社会的責任が求められる。
40
Action
到達基準
-2
問題解決に向けた積極的な行動意欲に欠ける。
-1
意欲はあるが、行動計画を立てることができずどのような行動を取るべきかが判らない。
0
行動計画はある程度持っているが、その通り行動を取ることができない。
1
自己の問題解決のための達成目標に向けて行動計画を立てることができる。
2
自己の行動計画どおり行動し目標を達成することができる。
3
自己の行動計画、行動プロセス、行動結果をフィードバックして次の行動に生かすことができる。
4
チームでの問題解決のための達成目標に向けて行動計画を立てることができる。
5
チームの行動計画に基づき、チームをリードして調整・統合された行動に導き達成することができる。
6
組織の問題解決のために組織をリードして調整・統合された行動に導き達成することができる。
7
組織の目標達成のための非常に困難な諸問題を組織内の意思決定交渉、組織外との取引交渉によって解決
してそのミッションを期待を超えてやり遂げることができる。
メソッド
¾
プロセスマップ
¾
PERT 図
¾
チャート図
¾
プロジェクトマネジメント
¾
スケジュール管理
¾
Work Breakdown Structure(WBS)
¾
リソースマネジメント
¾
クリティカルパス
¾
リスクマネジメント
¾
ガントチャート
¾
ダイヤグラム
¾
ネゴシエーション
¾
模擬交渉(ロールプレイング)
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42
Communication
Communication(コミュニケーション力)
定義
z
他者と知識・情報、思考、意志、感情等を交換し共通の理解を深める能力
能力開発の目的
z
社会生活において必要不可欠な要素であるコミュニケーション能力を高め、異なる文化、思想、考え等を
理解し共通の認識と相互理解を深め問題を解決する能力を養成する。
到達目標
z
言語能力
言語には自然言語、数字、コンピュータ言語がある。この三つの言語メディアを使って誰とでも良好な意
思疎通と関係構築ができる。
z
非言語コミュニケーション能力
言語能力に加えて、ボディアクション等を有効に利用して相互理解を深めることができる。
z
異文化交流
国家、民族、宗教、人種、言語、思想を超えて理解し合い信頼関係を構築することができる。
能力開発概要
コミュニケーションはバーバル(言語によるもの)及びノンバーバルコミュニケーションに分類される。
言語はコミュニケーションの最も大きな媒体であり、コミュニケーション媒体の大きな要素である。現代社会
においては自然言語、数字言語、コンピュータ言語に分類でき、それらの言語リテラシーを大学 4 年間全てのカ
リキュラムを通じてバランスよく開発する。
自然言語では、日本語による豊かなコミュニケーションは当然のこととして、今や世界の共通言語である英語
で世界中の人々と意思疎通ができるレベルのコミュニケーション能力開発を行う。日本語力は必修科目でレポー
ト・論文の書き方等を習得させ、全ての専門科目において文献や資料を読ませ、レポートを書かせ、発表させて
最後に論述試験を行うことにより徹底的に「読み書き+話」の基本的能力を開発する。
数字言語能力は高校レベルの数学レベルである関数(指数、対数等)微分、積分等を経済学などで駆使できる
ことが望ましいが、社会で最小限必要とされる四則演算レベル(例えば財務分析)ができる数字リテラシーを習
得する。文科系の学生は数字アレルギーが強いため、初年次必須科目で数字に慣れるカリキュラムを入れ、専門
科目でも可能な限り数字を使ったレポート課題を与え発表する場を与える。
コンピュータ言語は第三の言語メディアとして社会人が備えておかなければならない能力基盤である。コンピ
ュータ言語を理解して簡単なプログラミングができることが望ましいが、最低限のレベルとして基本的なアプリ
ケーションソフトを使いこなせるよう初年次から必須科目で習得させる。全ての科目でレポート課題を与えるこ
とにより、日々ワード・エクセル・パワーポイント・データベースソフト・マインドマップソフトなどを自然と
使いこなせるようになる。
43
非言語
語コミュニケー
ーションについ
いては、プレゼ
ゼンテーション
ン関係の授業で
でメソッドを習
習得させる。
異文化
化コミュニケー
ーションは交換
換留学など海外
外大学との国際
際交流を深め、
、多くの国から
ら留学生を受け
け入れてキ
ャンパス
ス内で自然と異
異文化理解がで
できる環境を整
整えていく。そ
その為には、英
英語での授業科
科目カリキュラ
ラムの導入
などが検
検討課題となる
る。
44
Communication
他のサブ・コンピテンシーとの相互関係
コミュニケーションは問題解決プロセスの全てにおいて必要不可欠な能力であると同時に、他の基本的能力で
ある Logical Thinking、Teamwork、Leadership においても必要不可欠な能力であり全ての能力基盤である。
人類が他の動物と異なり高度に発達したのは言語能力を身に付けたことによる。社会は人の集団的活動であ
り、コミュニケーションなしでは人間社会そのものが成り立たないことは自明である。社会人としての能力養成
にあたっては、他の能力開発に先立って取り組むべきものである。
特に、企業が日本語はもとより英語によるプランニング、プレゼンテーション、ネゴシエーション、リーダー
シップ能力を求めており、英語によるコミュニケーション能力が全てのコンピテンシーの基盤となりつつある。
サブ・コンピテンシー
Thinking Basis
Action Basis
Presentation
関
係
計画策定、プレゼンテーションによる意思決定においてコミュニケーションは
必要不可欠である。
Leadership
リーダーシップはコミュニケーションが必要不可欠である。
Action
集団での行動においてはコミュニケーションが必要不可欠である。
Creativity
集団での解決案の創造にはコミュニケーションが必要不可欠である。
Planning
集団における計画策定において、コミュニケーションは必要不可欠な能力であ
る。
Logical Thinking
思考は言語を通して行われる論理の積み重ねである。
Analysis
ブレインストーミング等による集団での問題分析にはコミュニケーションが
Society Basis
必要不可欠である。
Teamwork
チームワークにコミュニケーションは必要不可欠である。
Social
社会においては責任を持った知識、情報・思考、意志、感情等の交換が必要で
Responsibility
ある。
到達基準
-2
他者とのコミュニケーションを積極的に取ろうとする意欲に欠ける。
-1
他者とのコミュニケーションを取るための言語リテラシーが弱い。
0
母国語の表現力が乏しく、十分なコミュニケーションを取ることができない。
1
母国語での最低限の意思疎通として相手の話を理解して自分の考えを伝えることができる。
2
母国語でパソコンを使って発表資料、レポート、論文等を書き発表することができる。
3
母国語に加えて英語での最低限の意思疎通ができる。
4
自然言語に加え、数字言語や非言語コミュニケーションを駆使して相互理解できる。
45
5
言語及び非言語コミュニケーションを駆使して信頼関係を構築して協働することができる。
6
英語リテラシーがあり、相互理解ができる。
7
英語を母国語と同様に使いこなし異文化を理解して世界中の人々と信頼関係の構築と協働ができる。
メソッド
¾
日本語
¾
コンピュータ言語
¾
英語
¾
アプリケーションソフト
¾
その他言語
¾
アクティブリスニング
¾
リーディング
¾
CREC
¾
ライティング
¾
アサーション
¾
スピーキング
¾
ディベート
¾
算数能力
¾
質問法
¾
財務分析
¾
ノンバーバル(非言語)コミュニケーション
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46
Logica
al Thinking
Logic
cal Thinking(論
論理的思
思考力)
定義
z 物事
事を思考の形式
式に従って筋道
道立てて考察し
し論証する能力
力
能力開
開発の目的
z 問題
題解決プロセス
スにおいて常に
にバイアスを排
排除して物事を
を筋道立てて考
考察する能力と
と習慣を習得す
する。
到達目標
z
クリ
リティカルにも
ものを見て考察
察することがで
できる。
z
全て
てのものを演繹
繹法と帰納法で
で論証すること
とができる。
z
感情
情に流さず合理
理的判断ができ
きる。
能力開
開発概要
論理展
展開方法は演繹
繹法と帰納法の
の二つである。
。初年次必修科
科目において演
演繹法と帰納法
法による思考を徹底的に
演習し習
習得させる。ま
また、演繹法、帰納法どちら
らにおいてもそ
その論理の合理
理性を担保する
るために命題や
や事実が正
しいこと
ととバイアスや
や予断を排除しモレなくダブ
ブリなく検証していることが求められる 。初年次必修科
科目におい
て MEC
CE などの合理
理性を担保する
るための手法を
を習得させる。Critical Thin
nking という用
用語も頻繁に使
使用される
が Logical Thinking と類語である。前者は自分
分の論理が正し
しいという考え
えを常に疑い批
批判的(Critical)に検証
すること
とによって論理
理の合理性を担
担保しようとす
するものである。本学では Critical
C
Think
king を Logica
al Thinking
に包含す
する。
専門科
科目としてのロ
ロジカルシンキ
キングカリキ ュラムを強化し基礎と発展コースを設置
置する。また、全
全ての専門
科目にお
おいては課題レポート、論述
述試験、論文執
執筆等により徹
徹底的に論理的
的思考の訓練を
を行い、自然と論理的に
ものごと
とを考える習慣
慣を身に付けさせる。
47
他のサブ・コンピテンシーとの相互関係
Logical Thinking は問題解決プロセスの全てにおいて必要不可欠な能力である。問題認識(分析)においてあ
るべき状態や現状あるいは因果関係等を正しく分析するために重要であり、計画書やプレゼンテーションにおい
てはロジカル・スピーキング、ロジカル・ライティング、ロジカル・プレゼンテーションが求められる。また、
コミュニケーションにおいても、自分の考えを論理的に相手に伝える技術、相手の話を論理的にまとめる技術な
ど必要不可欠な能力であるといえる。このように Logical Thinking は Communication 能力とともに他のコンピ
テンシーの基本的要素という位置付けであり、能力開発においては最初に習得すべきコンピテンシーである。
論理の反対は感情であり、論理と感情は相手を説得するための二大要素であるといわれている。社会は論理だ
けでは問題を解決できないが、論理的思考なしでも問題を解決することはできないのである。
サブ・コンピテンシー
Communication
関
係
三つの言語メディアである言語、数字、コンピュータはいずれも論理によって
Action Basis
構成されている。
Presentation
相手を説得するためのロジカル・プレゼンテーション作成には論理的思考によ
る構成が求められる。
Leadership
リーダーは理性と感情と意志によって組織をリードするが、理性においては論
理的思考によって合理的説得が可能となる。
Action
感情に流されることなく、常に論理的な思考によって行動をコントロールする
ことが必要である。
Thinking Basis
Creativity
KJ 法、マインドマップなど創造性を導き出すメソッドの多くに論理的思考方
法が使われており論理的思考によって創造性が高まる。
Planning
計画は MECE が求められ、論理的思考方法が不可欠である。
Analysis
分析を実施し結論を導くには論理性が必要である。また論理の合理性を担保す
るために予断を排除することが求められ、論理的思考法が必要不可欠である。
Society Basis
Teamwork
チームの組成、高い意欲の維持、チームのコンフリクト解決などチームワーク
には論理的な思考が求められる。
Social
社会的責任は感情に流されない理性的な思考・行動によって果たすことができ
Responsibility
る。
48
Logical Thinking
到達基準
-2
論理的思考ができず、常に感情に流される。
-1
演繹法と帰納法についての理解ができていない。
0
演繹法と帰納法を理解できるが、実際に特定に事象を演繹法又は帰納法を使って説明することができない。
1
演繹法と帰納法を使って特定の事象を論理的に説明できる。
2
CREC を使って論理的に話すこと(ロジカル・スピーキング)ができる。
3
MECE について理解し論理を MECE に組み立てることができる。
4
ヒューリスティックバイアスについて理解し、論理展開においてバイアスを排除する手法を知っている。
5
ピラミッドストラクチャー、ディシジョンツリー、フレームワーク等のメソッドなどを駆使して MECE を
実践できる。
6
それらのメソッドを使ってロジカル・ライティング、ロジカル・プレゼンテーションができる。
7
高度な交渉において論理的に相手を説得できる。
メソッド
¾
演繹法
¾
帰納法
¾
システム思考
¾
ゼロベース思考
¾
仮説思考
¾
デカルトの 4 原則とヒューリスティックバイアスの排除
¾
MECE(Mutual Exclusive & Collectively Exhaustive)
¾
マインドマップ
¾
ロジックツリー
¾
ピラミッドプリンシプル
¾
フレームワーク
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50
Teamwork
Teamwork(チームワーク)
定義
z 集団・組織の一員として目的を共有し、協働して問題を解決する能力
能力開発の目的
z 集団・組織の目的(問題解決)を理解し、自己の役割を認識して自己を高めると同時に、高い意欲を持って
他のメンバーと協働して成し遂げる能力を養成する。
到達目標
集団・組織の目的をメンバーと共有するとともに、集団・組織の問題を解決するための自己の役割と責任にコ
ミットし、能力と意欲を高めてメンバーと協働してそれを成し遂げることができる。
z 協働意欲
集団・組織の目的の達成に対して、他のメンバーと共に協力しようとする高い意欲を持つ。
z 共通目的の認識
集団・組織の目的を理解し、その中での自己の役割を適切に認識する力を身につける。
z 自己能力開発
共通の目標達成に向けて、自己の役割遂行に必要な能力を認識し、必要であれば主体的かつ計画的にその能
力の開発を行う。
z 円滑なコミュニケーション
共通の目標達成に向けて、集団内・外における個人間・組織間の信頼関係を構築し、自己の役割遂行に必要
な情報や資源を共有あるいは交換するのに必要なコミュニケーション力を持つ。
能力開発概要
集団・組織に所属する個人が、メンバーとしてチームワークを発揮するためには以下の8つの要因が必要であ
る。
①
集団・組織への貢献意欲
②
集団・組織の目的理解
③
集団・組織の目的理解に基づいた自己および他のメンバーの役割認識
④
コミュニケーションを通じた信頼関係の構築
⑤
集団・組織の目的遂行に必要な情報・資源・能力の把握
⑥
必要な情報の獲得・共有(ベースに信頼関係)
⑦
必要な資源の獲得・共有(ベースに信頼関係)
⑧
必要な能力の開発(さらに長期的な組織目標へのコミットと、それに適合したキャリア・プランニング)
初年次の段階から、集団の目的に参画し、高い協働意欲を持ってその実現に貢献することの充実感や達成感を、
諸活動を通じて経験させることが必要である。それは、正課内はもちろん正課外でも可能である。例えば、ボラ
ンティア活動、クラブ活動などを通じての経験はチームワークの重要性を認識させるための有効的な手段であ
る。正課内のクラスにおいては、その経験を振り返る場を与え、意味づけるための枠組みを提供する。また、そ
51
のような機会に、集団内における自己の思考・感情・行動の特性を把握させることも重要である。とくに、他者
とのコミュニケーション能力はチームワークにおいて必須であり、それに関するトレーニング(アサーション、
ミディエーション、ネゴシエーションなど)の機会も多く準備すべきである。
また、しっかりとした自己のキャリア・ビジョンや人生理念を持つことは、就職活動における企業選択にも密
接に関連するが、就職後の能力開発および職場集団や組織への貢献度合いにもつながるため、キャリア・プラン
ニングの枠組みについての理解も早い段階で行うべきである。
Teamwork 能力開発プロセス
組織・集団の目的の理解
自己・メンバーの役割認識
必要な情報把握
ベースとなる
信頼関係構築
必要な資源把握
メンバーとのコミュニケーション
(アサーション・ミディエーション・ネゴシエーション等)
必要な能力把握
能力開発/キャリア・プランニング
(組織開発)
他のコンピテンシーとの関係
サブ・コンピテンシー
Communication
関
係
メンバー間での積極的なコミュニケーションは、プロジェクトを成功に導くため
Action Basis
の重要な要素である。
Presentation
プロジェクトを成功に導くためには、他のメンバーの理解や共感を得るように、
わかりやすく説明し、説得する必要がある。
Leadership
リーダーのみならず、ひとりひとりのメンバーが、自己の役割遂行においてリー
ダーシップを発揮することが、優れたチームワークをもたらす。
Action
チームを成功に導くためには、メンバーひとりひとりがチームの目的を理解・共
Thinking Basis
有し、積極的に行動を取る必要がある。
Creativity
新しい問題の解決にチャレンジする際には、メンバーがこれまでのノウハウを活
かし、互いに協力しながら進めていかなければ成しえない。
Planning
目的達成のために、自己と他のメンバーの能力やパフォーマンスを把握し、計画
を綿密に練ることは成功への大事な一歩である。
52
Teamwork
Logical Thinking
チームワークには、現状や課題、原因、解決策をメンバーが相互に理路整然と説
明し、合意形成を取ることが必要である。
Analysis
目標の難易度や納期などに対して、自己とチームのメンバーが持つ情報・資源・
Society Basis
能力で達成できるかを分析し、共有しておくことが重要である。
Social
リーダーが社会的責任を常に考えて集団をリードするのみならず、メンバーひと
Responsibility
りひとりもまた社会的責任を考えてチームワークを発揮することが求められる。
到達基準
-2
集団への貢献意欲がなく、その目的の達成を妨げている。
-1
集団への貢献意欲が希薄で、自己中心的な行動が多い。
0
集団への貢献意欲はあるが、共通の目的を理解できておらず、自己の役割認識すら不適切である。
1
共通の目的を理解し、自己および他のメンバーの役割認識が適切にできる。1
2
自己および他のメンバーの役割遂行のために必要な情報・資源・能力を理解できる。
3
役割遂行に必要な自己の能力を発揮するために、自ら行動できる。2
4
目的達成のために必要な情報が自己およびチームに不足している場合には、組織・集団内外で積極的にコ
ミュニケーションをとりそれを収集し、メンバーと共有することができる。
5
目的達成のために必要な資源が自己およびチームに不足している場合には、組織・集団内外で積極的にコ
ミュニケーションをとりそれを獲得し、メンバーと共有することができる。
6
目的達成のために必要な自己の能力が不十分な場合には、主体的にそれを開発することができる。
7
組織・集団の長期的ビジョンや理念の実現に貢献するために必要な能力の開発を自身のキャリア・ビジョ
ンと整合性を持たせて計画的に行うことができる。
メソッド
¾
チーム・ビルディング
¾
組織開発(OD: Organizational Development)
¾
自己マスタリー(能力開発)
¾
内省法
¾
メンタルモデルの克服
¾
自己理解
¾
他者理解
¾
リーダーシップ
¾
ネゴシエーション
1
2
ここから、集団への貢献意欲があり、チームのメンバーとして機能しているレベル
ここまでが、本学の卒業生として必須のレベル
53
¾
キャリア・プランニング
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同文館出版
54
日本実業出版社
Leadership
Leadership(リーダーシップ)
定義
z
フォロワーに影響を及ぼし集団や組織を統率して、組織の問題を解決し目標を達成する能力
能力開発の目的
z 集団・組織の目的・目標を明示し、コミュニケーションを通してフォロワーの自発的行動を引き出すようモ
チベーションを高め、集団・組織の問題を解決し目的・目標を達成することができる能力を身につける。
到達目標
z 基礎レベル
「リーダー行動の不動の二軸」1と呼ばれる、「課題(仕事)関連行動(メソッド参照)」と「人間(対人
関係)関連行動(メソッド参照)」を理解し、身につける。
¾ 課題(仕事)関連行動とは、組織や集団の問題解決と目標の達成に必要なプランニングや仕事の割り当
てなどを取り仕切る行動である。
¾ 人間(対人関係)関連行動とは、メンバーの考え方の尊重、気持ち・感情への心配りによって相互信頼
と上下間の意思疎通を重視するような行動である。
z 応用レベル
さらに上を目指す人には、不動の二軸の有効性を同時に高めようとする(Hi-Hi パラダイム)のみではな
く、置かれている状況を読み取り、それに応じて有効なリーダー行動を発揮できる力を身につける(状況
アプローチ)。
z
発展レベル
さらに、置かれている状況そのものをも変革しようとするリーダーシップ(変革型リーダーシップ)の
行動として、不動の二軸を発展させ、
「ビジョン構築」
(課題関連)と「ネットワーク構築」
(人間関連)と
いう二つを身につける。
能力開発概要
リーダー行動は、課題関連行動と人間関連行動に大別される。そのいずれもの能力伸長がベターではあるが、
唯一最善ではない。組織や集団が置かれている状況(=課題面、人間面いずれの側面の状況も含む)を見極め、
それに応じて有効ないずれかの行動を発揮する力も重要である。さらに、既存の状況内におけるリーダーシップ
から、現状を打破する変革型のリーダーとなるために、二つのリーダー行動をそれぞれビジョン構築とネットワ
ーク構築という二つの発展した力に高めていくことが可能である。
1 これはリーダーシップを先天的な資質として捉える(資質アプローチ)のではなく、有効なリーダーシップの特徴を行動面で学べると考える
立場を取る(行動アプローチ)
。
55
より高度化
課題関連行動
ビジョン構築
状況適応
Leadership
人間関連行動
より高度化
ネットワーク構築
初年次教育においては本学では、人間関連行動と課題関連行動がフォロワーであってもできるレベル(到達水
準 3)を卒業生の最低限度の目標として目指す。二年次以上においては、さらに意欲の高い者に対しては、リー
ダーとして周囲が認知するレベル(到達水準 4)を養成する。その他の者については、自身が人間関連と課題関
連のどちらが得意であるかを認識し、集団内でそれに応じた役割行動ができる力を養う。さらに、リーダーとし
ての力を十分に持てる可能性がある者については、その役割を積極的に付加し、高いレベルのリーダー行動(到
達水準 5 以上)が発揮できるようトレーニングする。
特に、到達水準 4 以上のリーダー行動をトレーニングするには、グループワークや少人数クラスでの課題遂行
が有効である。
なお、チーム内のコミュニケーションシステムの構築やフォロワーの動機づけ、コンフリクトの解決などには、
高いコミュニケーション能力が求められ、コミュニケーション能力開発と一体でリーダーシップ能力を開発して
いくことが肝要である。
他のサブ・コンピテンシーとの相互関係
サブ・コンピテンシー
Communication
関
係
リーダーとメンバー間での積極的なコミュニケーションは、プロジェクトを成
Action Basis
功に導くための重要な要素である。
Presentation
プロジェクトを成功に導くためには、メンバーの理解や共感を得るように、わ
かりやすく説明・説得し、動機づける必要がある。
Action
チームをまとめ成功に導くためには、リーダー自ら積極的に行動し、メンバー
Thinking Basis
を共通の目的に導く必要がある。
Creativity
新しい事象にチャレンジする際には、メンバーがこれまでのノウハウを活かし、
互いに協力しながら進めていくようリードしなければ成しえない。
Planning
目的達成のために、自己とメンバーの能力やパフォーマンスを把握し、計画を
綿密に練ることは成功への大事な一歩である。
56
Leadership
Logical Thinking
リーダーには、現状や課題、原因、解決策をメンバーに理路整然と説明し、メ
ンバーの合意を得ることが必要である。
Analysis
目標の難易度や納期などに対して、自己とチームのメンバーが持つ情報・資源・
能力で達成できるかを分析し、把握しておくことが重要である。
Society Basis
Teamwork
メンバーに強い影響を与え、チームワークを率先して導くのがリーダーの役割
である。
Social
リーダーは、社会的責任を常に考えて集団をリードすることが求められる。
Responsibility
到達基準
-2
常に集団内で受け身であり他者に影響を与えようとする意欲が全くない。
-1
集団内での発言等で他者に影響を与えようとする意欲は見受けられるが、ほとんど行動がない。
0
集団内での発言等で他者に影響を与えようとする意欲はあるが、行動が伴わないことが多い。
1
集団内で、他者との相互信頼や良好な人間関係を持つことができる。2
2
与えられた課題を集団で遂行するために、必要な構造や枠組みづくりができる。
3
集団が達成すべき目標を掲げ、メンバーのモチベーションや協働意欲を高めることができる。
4
集団・組織がおかれている状況を見極め、それに応じて有効なリーダー行動を取ることができる。3
5
集団・組織内外に幅広い人的ネットワークを構築し、大勢のフォロワーを目標達成に向けて巻き込むこと
ができる。
6
従来にない、より高く挑戦的なビジョンを提示し、集団・組織を変革へと導くことができる。
7
集団を統率し、困難な問題を解決して目標を達成させることができる。
メソッド
¾
リーダーシップは、他の全てのコンピテンシーを総合して発揮されるものである。したがって、そのメソ
ッドも、他の全ての能力開発メソッドが適用される。(省略)
参考文献と推薦図書
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金井壽宏, 高橋潔(2004). 組織行動の考え方 東洋経済新聞社 ★
坂下昭宣(2000). 経営学への招待
2
3
4
改訂版 白桃書房
ここから、他者に影響を与えようとする行動がしばしばあり、それが効果的であるレベル
ここから、さらに高いレベルのリーダー行動
★は特に推奨する図書
57
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58
Social Responsibility
Social Respon
nsibility
y(社会的
的責任)
定義
z
社会
会的責任を果た
たす必要性を理
理解し、自らの
の人生の理念に
によって社会に
に貢献しようと
とする意志
能力開発の目的
z 社会
会理念と個人理
理念を調和させ
せ、社会に貢献
献することが社
社会的責任を果
果たすことであ
あるという強い
い意思を養
成す
する。
到達目標
まず、個人の人生に
における理念を
を確立し、それ
れを実践して社
社会に貢献する
ることができる
る。
z 個人
人理念の確立
自己
己の人生の目的
的と大切にする
る価値観のプラ
ライオリティを
を明確にする。
z 個人
人理念の実践
人生
生理念に向けて
ての実践を習慣
慣化し積み重ね
ねていく。
z 社会
会への貢献
自己
己の人生理念を
を通して社会に
に貢献する喜び
びを体得する。
能力開発概要
社会的
的責任を自覚し
し担うことは能
能力というよ りも意志である。
現代の
の大学生におい
いて、人生の目
目的や確固とし
した価値観を持
持って生きてい
いいる者は多く
くはない。キャ
ャリアデザ
インカリ
リキュラムにお
おいて、自己の
の人生の目的や
や価値観につい
いて徹底的に考
考えさせ、人生
生における自分
分自身の理
念を確立
立するように指
指導を行う。同時に企業など
同
どの社会集団は
はそれぞれが集
集団としての理
理念を持ちその
の目的に向
けて活動
動をしているこ
ことを演習等に
によって理解 し、自己の理念
念と社会の理念の調和を目 指す。
59
他のサブ・コンピテンシーとの相互関係
サブ・コンピテンシー
Communication
関
係
社会においては責任を持った知識、情報、思考、意志、感情等の相互伝達が必
Action Basis
要である。
Presentation
社会的責任を果たすという視点は相手を説得する大きな要素である。
Leadership
リーダーは常に社会的責任を持って集団をリードしなくてはならない。
Action
行動を起こす際には社会貢献、倫理観、法令遵守などの社会的責任感を持つこ
とが必要不可欠である。
Creativity
問題解決オプションを創造するには予断を排除するものの、オプション評価の
Thinking Basis
クライテリアとしては価値基準としての社会的責任の見地が必要である。
Planning
計画立案においては社会的責任をどのように果たすかという視点を常に考え
ておくことが必要である。
Logical Thinking
社会的責任は感情に流されない理性的な思考・行動によって果たすことができ
Basis
Society
る。
Analysis
問題分析においては、社会的責任の見地が必要である。
Teamwork
チームとして、またチームの中で行動する場合、集団としての社会的責任を認
識することが必要である。
到達基準
-2
己の利益の為なら社会の規範ルールを破ることに罪悪感がない。
-1
善悪の判断力が弱い。
0
社会のルールを守らなければならないと考えている。
1
社会のルールを遵守することの重要性を理解している。
2
個人の倫理観を持ち、社会のルールが明確でない場合も自分自身で善悪を判断し行動できる。
3
物事を社会的責任の観点で判断し行動できる。
4
社会に適応した確固たる自己の人生理念を持っている。
5
個人理念に基づいた社会に貢献するための具体的なキャリアデザインを描いている。
6
個人理念、組織社会理念の達成に向けて社会貢献しようとする強い意志を持っている。
7
個人理念、組織社会理念の達成に向けて日々社会貢献を実践している。
60
Social Responsibility
メソッド
¾
理念の座標軸
¾
キャリアプラン
¾
ボランティア活動
¾
社会貢献活動
¾
社会規範
¾
宗教
¾
倫理と道徳
¾
善悪判断
¾
職業倫理
¾
経営理念
¾
CSR
¾
コンプライアンス
¾
メセナ活動
¾
国際時事問題
¾
情報化社会と社会的責任
参考文献と推薦図書
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村田純一,(2006).技術の倫理学,丸善
水谷雅彦,(2003).情報の倫理学、丸善
62
あとがき
本書を締めくくるにあたり、お世話になった方々にお礼を申し上げたいと思います。
まず、大手前学園福井有理事長に御礼を申し上げなければなません。本書が出版に至りましたのは理事長の温
かい励ましとご支持ご指導の賜物です。大学改革には大きなエネルギーが必要ですが、そのエネルギーを与えて
下さいましたのが福井理事長でした。深く感謝申し上げます。
同時に、川本皓嗣大手前大学学長にも大いなる励ましをいただくと同時に、英語・日本語の表現等についてお
忙しい中細かいご指導を頂戴し深く感謝申し上げます。当然のことながらその高い識見にあらためて驚かされた
しだいです。
更には、アルバーノ大学のキャサリーン・オブライエン副学長とジュディーン・シュルツ博士に御礼申し上げ
ます。同大学は全米で能力開発型教育の先端を走り最も注目される大学となっていることは周知の事実です。2010
年 2 月に大手前大学にご来校いただき、教職員研修でご講演を賜りました。同大学の約 40 年にわたる能力開発型
教育の実態について拝聴し、日本における真の能力開発型教育への改革の必要性を確信したことが本書執筆の大
きな動因となったことは紛れもない事実でございます。
財団法人関西生産性本部の高橋努氏、株式会社ジェイ・エス・エルの照井直哉氏、株式会社キズナの新宮尚樹
氏には本プロジェクトのアドバイザーとして、多くの価値あるご助言とメソッド集の執筆のご協力に対し深く感
謝申し上げます。
末尾になりましたが、本 C-PLATS プロジェクに参加していただいたメンバーに心から感謝の気持ちを表したい
と思います。本書執筆にあたっては広く専門分野の知見を得るためにボランティアで募集したところ、坂本理郎
氏、新垣円氏、石毛弓氏、酒井健氏、四方啓暉氏、福井愛美氏の 6 名にご参加をいただきました。また、事務局
の正田浩三氏には編集の雑務を取り仕切っていただきました。メンバー各位には授業やその他の多忙な職務の中、
年末年始も返上して執筆にご協力いただきましたことに御礼を申し上げます。
その他、日本語訳の校正をお願いしました大手前大学の安藤幸一教授など多くの皆様のご協力を得ることがで
き、本書を出版することができましたことに心より感謝の意を表します。
2011 年 2 月
芦原直哉
63
64
編著者紹介
芦原
直哉(あしはら なおや)
1951年生まれ。1975年慶應義塾大学経済学部卒業。2008年名古屋商科大学大学院卒(MBA、経営学修士)
。
㈱ダイエー入社後、ホテル、ドーム、ゴルフ場等の経営に携わる。2003年独立し、経営コンサルティング会社、
㈱CS経営研究所を設立し代表となる。多くの企業の経営指導、企業研修、講演を行う傍ら、名古屋商科大学、
大手前大学、東洋学園大学・大学院で教鞭をとる。2009年より大手前大学教授。
経済産業省登録
中小企業診断士
著書:「経営者の使命と行動」、
「交渉の科学」他
編・執筆者紹介
坂本
理郎(さかもと まさお)
(編集、Teamwork, Leadership を執筆)
1970年生まれ。神戸大学文学部哲学科心理学専攻課程および経営学部経営学科卒業。
神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程中退(経営学修士)
。㈱高島屋、㈱三和総合研究所を経た後、兵庫
労働局ヤングワークプラザ神戸、㈱ライトマネジメントコンサルタンツジャパンなどでキャリアカウンセリン
グ、キャリアマネジメントに関する事業に携わり、2006年9月より大手前大学専任講師。専門は、組織心理学、
キャリア論、キャリアカウンセリング。
シニア産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
新垣
円(あらがき まどか)
(編集、Creativity, Planning, Communication を執筆協力)
1978年生まれ。2007年東京大学医学系研究科博士課程修了。博士(保健学)。
サイバー大学、青山学院大学ヒューマン・イノベーション研究センターにおいてICTを活用した教育の研究開
発、実践に携わる。2010年より大手前大学助教、CELL教育研究所研究員。調査票を用いた大規模調査による
リスク、効果分析を得意とし、全国の病院ボランティアの事故調査、ボランティア学習による教育効果測定な
どを実施。
石毛
弓(いしげ ゆみ)
(編集、Social Responsibility を執筆協力)
2006年、Durham University, U.K.博士課程後期修了。
2007年、龍谷大学非常勤講師。2008年、青仁学園非常勤講師。2008年より大手前大学准教授。専門は西洋哲
学における人格の同一性。倫理学。著作「ロックにおける人格の同一性と『人称』の問題」
、
「リオタールの大
きな物語と小さな物語
著書:「概念の定義とその発展の可能性について」他。
酒井
健(さかい たけし)
(編集、Analysis を執筆協力)
1968年生まれ。1999年東京都立大学大学院
人文科学研究科
心理学専攻博士課程
単位取得退学
品川区教育相談センター教育心理相談員、神奈川県エイズカウンセラー、和泉女子短期大学・東京衛生学園専
門学校・お茶の水大学非常勤講師、 東京都立大学助手・東京都立大学心理相談室主任、等を経て、2004年よ
り大手前大学現代社会学部講師。
臨床心理士
共著「カラー版徹底図解心理学」
「カラー版徹底図解臨床心理学」他。
福井
愛美(ふくい あいみ)
(編集、Presentation を執筆協力)
神戸女子大学文学部卒業。
朝日放送テレビ、番組宣伝部インタビュアーオーディションに合格、タレントとして同局宣伝部の広報番組を
10年間担当。TV・ラジオ番組に多数出演。その後、聖和大学短期大学部、四条畷学園短期大学他の非常勤講
師を経て、現在大手前大学
講師。フリーアナウンサー。
プレゼンテーション教育指導法・応用編教育指導セミナー修了。
共著:「キャンパスライフとプレゼンテーション」
「社会人への準備」
「接客の実務」。
四方
啓暉(しかた よしあき)
1946年2月生まれ。 立教大学法学部
(編集)
卒業
東洋ホテル(現・ラマダホテル大阪)、大阪全日空ホテルシェラトン(現・ANAクラウンプラザホテル大阪)
を経て、1990年、阪神電気鉄度による西梅田再開発プロジェクトのホテル(ザ・リッツ・カールトン大阪)
事業責任者に就任。1997年ザ・リッツ・カールトン大阪開業後、同ホテル副総支配人に就任。2002年に名古
屋マリオットアソシアホテル常務取締役総支配人、2006年に㈱ジェイアール東海ホテルズ専務取締役に就任。
マリオットではアジア・パシフィック地域のNo1 総支配人に選ばれる。2010年より大手前大学教授。
著書:「リッツカールトン究極のホスピタリティ」
正田
浩三(まさだ こうぞう)
(編集)
1952年生まれ。1974年京都大学法学部卒業
住友海上火災保険株式会社㈱入社。1998年・同社事務企画部長、
(2001年に会社合併)三井住友海上火災保険
株式会社・営業事務部長、キャリア開発部長を経て、2007年から大手前大学・大手前短期大学・事務局長補
佐。
CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)