コラ ム TPP を意識した日本再生 戦略と水稲農業経営 - ja

戦略と水稲農業経営の確立
TPPを意識した日本再生
が撤廃されれば日本のコメが生き残
格の二割以下であることから、関税
千六百二十五円と、我が国のコメ価
米 国 が 二 千 二 百 二 十 九 円、 中 国 が
国 際 価 格 は、 玄 米 換 算 で 一 俵 当 り、
関税によって守られている。コメの
戸、 農 地 面 積 八 十 八
な 農 業 集 落 の 姿 は、 農 家 数 三 十 二
千 六 百 九 十 三 集 落 で、 そ の 平 均 的
れ る。 青 森 県 に お け る 農 業 集 落 は、
く意識して取り組むことが求めら
業の振興や豊かな地域づくりを強
が 重 要 と な る。 こ の 場 合、 地 域 農
で あ る。 仮
れるわけがない。水稲農業経営規模
でないのか、と批判されるところで
参加では、関税撤廃で農産物生産額
廃である。農水省が試算するTPP
廃止の世界である。しかし、TPP
ないというのが、TPPによる関税
スト削減を八割以上しなければなら
は、 地 域 の 崩 壊、 農 村 の 崩 壊 を 招
こ と に な る。 こ う し た 取 り 組 み で
り、残る二十八戸の農家は失業する
す れ ば、 四 戸 だ け の 農 家 が 生 き 残
1 .自己矛盾 の 日 本 再 生 戦 略
以上の大規模農家を育成
政府は、七月十一日、中長期の政
策 指 針 を 具 体 化 す る「 日 本 再 生 戦
が四兆一千億円減少し、食料自給率
問題を語る前に、水稲農業経営を確
に、二十
略」の原案をとりまとめた。それに
が現行の四十%から十四%まで下落
く。地域農業の振興や豊かな地域づ
の拡大や技術革新などによる生産コ
よると、我が国の貿易額全体に占め
立するためには、水稲農業経営規模
らに、農業集落全体の農業生産額と
するとしている。まさに、自己矛盾
生産性の向上と大幅なコスト削減に
農業所得は減少するであろう。そこ
くりを実現することはできない。さ
よる他産業並みの農業所得を確保し
で、すすめるべき方向は、農業集落
の拡大や技術革新をすすめて、労働
な け れ ば な ら な い。 そ の た め に は、
内の全ての農家が活躍できる営農
と続く。EPA締結八十%程度を実
二十二%、米国が九%、豪州が七%
の 輸 入 額 六 十 八 兆 円 の ち、 中 国 が
十 五 %、 韓 国 が 八 % と 続 く。 一 方
円 の う ち、 中 国 が 二 十 %、 米 国 が
平野部 )
に 拡 大 す る、 と し た。
(
二〇一一年の日本輸出額六十五兆
能や水源涵養機能等の多面的機能が
ることで、水田が果たす洪水防止機
ころである。そして、コメを生産す
保することは、国民の多くが望むと
れば、主食であるコメの自給率を確
ある。我が国の食料安全保障を考え
日本農業における最大の課題のひ
と つ は、「 水 稲 農 業 経 営 の 確 立 」 で
森 県 に お い て も 重 要 な 課 題 で あ る。
水稲農業経営を確立するための
規模拡大をどうすすめるのかは、青
る「J Aによる総合産地づくり」へ
加工部会員の育成、を同時にすすめ
規 模 農 家・ 高 齢 農 業 者 に よ る 直 売・
2.一戸当りの農地面積二十
から三十 の意味
農家一戸当りの農地面積を二十から
の内容で、国民を騙すものである。
二〇一一年度
度までに引き上げ (
一八・六% 、
)食料自給率を五十%に
高める、二〇一六年度を目途に農家
一戸当りの農地面積を二十から三十
である。そのためには、①農業集落
現するには、米国を中心とした主要
年間八兆円以上との貨幣評価がされ
そ の た め に は、 農 地 の 出 し 手 で あ
)
③地産地消の産地づくりを担う小
家 を 主 体 と し た 生 産 部 会 員 の 育 成、
どの市場流通の産地を担う専業農
で規模拡大、②園芸や果樹・畜産な
内の水稲農業経営を集約すること
国との協定が必要で、そのことは米
ている。こうした我が国の水稲農業
光
の取り組みが求められる。 (
3.水稲農業経営規模拡大と
地域農業の振興
国がすすめるTPPへの参加を意味
る小規模水稲経営者の理解づくり
の役割分担による農地の棲み分け
三十
平野部 )
に拡大すること
(
が求められるところである。
の締結国
る経済連携協定 E
(PA )
割合を二〇二〇年度までに八〇%程
ある。TPPは、原則として関税全
ha
経営は、一俵当り二万四百六十円の
ha
し、その前提としての農業体質強化
ha
絆 2012 . 8
26
ha
コラム
ha