体育大会を終えて 以前こんな文章を書いていた担任の先生がいました。 太陽がまぶしい9月のある日のこと…。青く澄み渡った大空のもと、青く輝く大海原に航海に出 た一隻のボートがありました。40 人が乗るのに精一杯の小さな小さなボートで『優勝』という宝 物を探しに、いっせいにボートに飛び乗りました。勢いよく跳び乗る人・まぁやってみるかという 人・恐る恐るボートに乗る人・そんなんできるかなぁと思いながら乗る人…。さまざまな個性の人 が乗り込んだ船は今にもひっくり返りそうなくらいグラグラと揺れていて、尐し不安な出だし…。 オールを持って漕ぐ方向もタイミングもばらばらで、なかには「エッ!こぐの?」って人や、 「あん たらやっとき!」と自分勝手な人まで…。さぁこのボートの行き着く先は………?? 優勝を目指すためには何をする?とにかく進まなくてはいけない。そう考えたみんなは、とりあ えず個々それぞれにボートを漕ぎ出した…。ある人は右に・またある人は左に・前に・後ろに…。 そのうちボートはくるくると回りだし、目指す方向を見失い、一向に進むことのできない状況に、 1 人、また 1 人と漕ぐのやめようとした……。しかし、たとえ船がどんな方向を向いていようと、 心の奥にあるコンパスは、ただ 1 つの方向を示し続けている。ここでみんなは考えた………。チー ムワークってなんなんだろうと。 『それは だ。 』 (この四角に皆さんは何を入れますか?) 個々の心のなかで導き出されたチームワーク、それが幾重にも重なり、次第にみんなが同じ方向 を向き出した。すると、あんなに進まなかったボートが、尐しずつ勢いを増しながら前へ前へと進 みだした。 『一人一人の力は微量でも、みんなが同じ方向に向って、心を重ね、息を合わせて漕ぐこ とで、こんなにも早く進むんだ』ということに気づいたのだ。しかし、そう簡単につかめるような 宝物ではない。やがて、みんなは疲れ果て、リズムもばらばらになり、あんなに真直ぐ進んでいた 船は次第に左へ、右へと蛇行しだした…。そんなとき「しんどいわ…。 」 「ほんまにたどりつくんか なぁ。 」 「できないんちゃうの?」 「手のまめつぶれて痛いわ。 」そんな言葉がちらほら…。それでも 漕ぎ続けていた人もその言葉を聞き、気持ちが折れてしまいそうになってしまいました。大切なこ とに気づき、進みだしたボートは、尐しスピードを緩めてしまった。後数日間で、たどりつくこと ができるのか…。 疲労はピークに達し、今までできていたことが上手くできない。みんな心が折れそうになってい たそんな時、また気づいたんだ!どんな苦しい状況でも、隣に支えてくれる仲間がいる。お互いが 元気を与え、支え合っているんだって。だから、ここまで進むことができたんだ。いい時もあれば、 悪い時もある。でも常に平坦な道のりでは気づけなかったことにたくさん気づき、考えることがで きるようになった。 「チームワークをつくることの難しさ。 」 「我慢することの苦しさ。 」 「上手くいっ たときの喜び。 」 「仲間の新たな一面。 」 「つむいできたお互いの信頼」 「仲間への思いやり。 」 「笑顔で いることの大切さ。 」 「心を重ね集中することの大切さ。 」 「どんなにつらくても頑張りぬく心の強さ。 」 「仲間と過ごせる大切な時間。 」もうボートは止まることはない。弾むようにスピードを上げ、もう、 見失うことのないゴールにむけて全速力でかけていく!ゴールは目の前!『心は 1 つだ!!!』 しかし、40 人が乗ったボートは、ゴール手前でとても大きな波にぶつかった、それは本当に高 い高い、今までに見たこともないような大きな波。しかし、もう迷うことはない。全員が同じ思い、 同じことを目指して頑張ることができれば、乗り越えられない波はないのだから…。全員で呼吸を 合わせ、 「1・2! 1・2!」その時ボートは波の頂点に達し、青く澄み渡った大空めがけて勢い よく跳びあがった。この瞬間、みんなの心は 1 つになり、優勝という宝物以上の、大切な景色を見 ることができた。それはこのメンバーで、この瞬間しか見ることのできない大 切なものであったと思う。そして、その時のみんなの笑顔を忘れることはない だろう。 しかし、旅はまだ終わらない。1つ波を越えて強くなった絆とともに、心 に刻んだこの景色を再び見るため、新たな方角に向け、ボートはゆっく りと進み始めた。その方角からはなんとも美しいハーモニーを響かせる 歌声が聞こえてきたのだ…。 たくさんの人数で、活動することはとても難しいことです。 運動が得意な人、苦手な人。 勉 強が得意な人、苦手な人。 人付き合いが得意な人、苦手な人。 歌うのが得意な人、苦手な人。 人には得意不得意があり、考え方も違ったりもします。 だから、気持ちが重なり合ったときに、 充実感や達成感や、心地よさを感じるのでしょう。 それは、笑顔を浮かべて大縄を跳んでいた皆 さんの姿からも、溢れ出ていたように思います。 しかし、上の文章にもあるとおり、体育大会は 終わっても、まだクラスの取り組みは続きます。 次は文化祭。 皆さんの素晴らしいハーモニー を期待しています。 保護者の皆様へ 本校体育大会に、たくさんのご来場ありがとうございました。 天候も心配されましたが、無事 予定通りに終えることが出来ました。 PTAボランティアの皆様にもお世話になりました。 誠 にありがとうございました。 また、3年生は休む間もなく修学旅行に行ってまいりました。 天候にも恵まれ・・・、いや暑いく らいでした。 班別行動、民宿泊、体験活動など、現地の方にもお世話になり、素晴らしい修学旅 行であったと思います。 さて次は、部活動の新人戦、中間考査、そして文化祭と続きます。 生 徒と共にゆり中一丸となって、また頑張ってまいります。 追伸 前々号で書かせていただいた花壇の立て札について、ボランティアの方から「科学技術部に協力 いただいて・・・。 」とご連絡をいただきました。 確かに看板の裏を見ると『2016 科学技術部 作』と、小さく書かれていました。 もっと大きく書いても良いのに・・・。 誰かれ構わず「柔道部 においで」と柔道部をアピールしている堀田は、その謙虚な姿勢を見習わ なくてはと思いました。 また最近、保護者の皆様に「通信を読んでいる。 」と、お声かけいただく ことが多々ありました。 ありがとうございます。 「もっと読み応えの ある内容を」と気が引き締まる思いでございます。
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