Japan Water Forum Annual Report

平 成19 年 度 日 本 水 フォ ー ラム 年 報
J apan Wat e r For um
A nnu al Re por t
特 定 非 営 利 活 動 法 人 日 本 水 フォ ー ラム
〒102- 0083 東京都千代田区麹町 1- 8- 1半蔵門M K ビル 5F
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2008.9
Annual Report
ご あ い さつ
目次
日本水フォーラム 会長
元内閣総理大臣
ア ジ ア ・ 太 平 洋 水 フォ ー ラ ム 会 長
第 1 回 ア ジ ア ・ 太 平 洋 水 サ ミット 議 長
目次
森 喜朗
1
ごあいさつ
■
森 喜朗
日本水フォーラム 会長
御手洗 冨士夫
日本水フォーラム 副会長
丹保 憲仁
日本水フォーラム 副会長
和田 正江
日本水フォーラム 副会長
日本水フォーラムが平成16年4月に発足し
て 福 田 康 夫 内 閣 総 理 大 臣も 参 加 さ れ ました。
てから、4年が経ちました。これもひとえに会員
各界のリーダーの参加の下、実りある議論が展
の皆様をはじめとする多くの方々のご支援の
開され、最終日には「別府からのメッセージ」が
賜と心から感 謝申し上げます。
取り纏められ、世 界 から 大 変 高 い 評 価を頂き
ました。
竹村 公太郎 日本水フォーラム 事務局長
私が、橋本前会長より日本水フォーラムの 会
■
平成19年度の主な活動
5
■
第1回アジア・太平洋水サミット/アジア・太平洋水フォーラム
6
■
支援プロジェクト
●
Japan Water Forum Fund
10
●
ダルビッシュ 有 水基金
11
■
調査研究活動
12
■
NoWNET /水関連災害に関する有識者委員会
13
■
セミナー・シンポジウムの開催
14
長の任を引き継いでから、2年が 過ぎようとし
「別府からのメッセージ」では、
「人々が 安全
ております。この間にも、気候変動に伴う水へ
な飲料水と基本的衛生設備を入手することは、
の影響は、洪水や干ばつなどの水に関連した災
基本的人権であり、人間の安全保障の基本であ
害リスクの増加や、氷河縮小等による利用可能
ることを確認」した上で、
「この地域において安
水の減少という形で顕著に現れてきており、世
全な飲料水を利用できない人々の数を、2015
界の水は、もはや危機 的状況になりつつありま
年 ま で に 半 減 し、2025年 ま で に ゼ ロ を 目 指
す。気候変動の影響が避けられない状況に立ち
す」、
「現在ほど水を必要としない新しい、革新
至った今、その影響に「如何に適応するか」は、
的な衛生システムを採用し、基本的衛生設備の
世界の大きなテーマになろうとしております。
利用できない人々の数を、2015年までに半減
し、2025年までにゼロを目指す」など、2015
● 水と衛生に関するセミナー
「ミレニアム開発目標とトイレ・衛生問題」∼ 2008年国際衛生年に向けて∼
● 第1回アジア・太平洋水サミット開催記念シンポジウム「気候変動と水」
● 水と衛生シンポジウム 国際衛生年記念「アフリカとアジアへの行動に向けたプラットフォーム」
● パブリックセミナー「なぜアフリカで効果的な水資源管理が必要なのか?」
さて、昨年度(平成19年度)の日本水フォー
年を目標達成の年としたミレニアム開発目標か
ラムの最も重要な活 動が、昨年12月に別府市
ら更に一歩踏み込んで、世界で初めて2025年
で開催された「第1回アジア・太平洋水サミッ
までの目標を設定しました。最終のゴールを思
ト」の事務局を務めたことであることはすでに
い定めたことになります。
■
打ち水大作戦 2007
16
ご承知おきのことと存じます。この水サミット
■
スリランカ防災教育指導者育成事業
17
には、国連「水と衛生に関する諮問委員会」名
今後もアジア・太平洋地域をはじめ、水問題
■
水防演習ツアー 2007/節水リーダー
18
誉 総 裁 を 務 めて おら れ る日本の皇太子殿下、
のない世界を実現できるよう、更なる努力を重
■
ユース・ジュニアの活動
19
同委員会議長のオランダ王国ウィレム・アレキ
ねて参る所存です。皆様のより一層のご支援、
ご協力をお願い申し上げます。
■
会員
20
サンダー皇太子殿下をはじめ、アジア・太平洋
■
評議会、理事・監事、事務局員
22
地 域 の9カ国の国 家首脳に加え日本を 代 表し
1
Annual Report
ご あ い さつ
日本水フォーラム 副会長
日本水フォーラム 副会長
日本水フォーラム 副会長
社団法人日本経済団体連合会会長
北海道大学・放送大学名誉教授
中央大学研究開発機構教授
北 海 道 開 拓 記 念 館 長 、工 学 博 士
主婦連合会副会長
御手洗 冨士夫
丹保 憲 仁
和田 正江
資源・食糧価格の高騰や地球環境問題、水問題など、
21世紀は水の世紀であるという。世界でもっとも大
眞夏日の続いた猛夏でしたが、雨の降り方も尋常では
グローバルな課題が山積し、我が国の産業界を取り巻く
量にあり、しかも最重要の淡水資源が10日に一度の高
ありません。落雷、突風を伴ったゲリラ豪雨で、川遊び
環境は厳しさを増しています。今後、これまで以上に、
速循環で降水として地上に帰ってくるというのに、それ
の子供達や下水管工事現場の痛ましい事故のニュース
グローバルなレベルで、持続可能な経済成長のための具
が世界で最大の問題になるという時代になりました。
に、水の怖さを思い知らされました。
体的な解決策を講じていく必要があります。そのために
「水よお前もか」というのが、また「水すらも」というの
昨年12月に、大分県で「第1回アジア・太平洋水サミッ
は、産・官・学・市 民 団 体 の 連 携 の 下、先 進 国、途 上 国
が今の状況です。
ト」が開かれ56の国と地域から官民の参加者が議論を
などが国際協力を推進していくことが重要です。日本の
昔1960年代の初め駆け出しの助教授の頃、東北線の
交わし、私も得難い経験をいたしました。
産業界も、積極的にグローバルな課題に取組んでいく所
車中で隣に座ったおばさんから「あんたは何をしている
「世界の人口の60%を占めるアジア地域には世界の
存であります。
の」と聞かれて、
「水道の研究をしている」と答えたら、
水資源の36%しか存在しない」
「世界で安全な飲料水を
水に関して言えば、我が国は、長年のものづくりの経
「水道について大学が研究することなど未だあるの」と
得られない7億人の61%はアジア・太平洋地域の人々
験を通じて、高度水処理、水資源有効活用、及び環境低
訊かれて絶句した思い出があります。半世紀以上、生活
である」
「水災害による死者数の80%以上がアジア・太
負荷システムなど、持続可能な水循環システムを構築す
環境汚染、水俣などの公害問題、東京オリンピック砂漠
平洋地域に集中」などの数字に心が痛みます。
「水汲みに
るための優れた技術を育んできました。産業界自身も、
解消、河川生態系と利排水の重ね合わせなどなど、常に
費やされる時間が減り水に起因する病気で苦しむこと
そうした技術の開発、蓄積に貢献することはもとより、
問題が先行して、研究はいつも後手にまわり、行政組織
がなくなれば、子供達は学校に通い、大人は労働する時
水資源を涵養する森林の保全や下水汚泥のエネルギー・
は縦割り前例踏襲で、世界を見つつも歯ぎしりの連続し
間が増えて貧困状態の改善も期待できる」との問題提起
肥料としての有効活用など、低炭素社会、循環型社会を
た半世紀でした。
には、2003年京都での「世界水フォーラム」の子供の
目指した行動も続けてまいりました。
国際水協会(IWA)を立ち上げ、その会長を務めまし
分科会で「私達は毎日遠い所まで何回も水汲みに往復し
産業界としては、世界の水問題の解決に向け、これま
たが、日本はなかなかそのキープレーヤーになれないで
ているのに、このホテルのトイレでボタンを押すと水が
でに培った技術やノウハウを活用して、途上国支援に積
います。国内思考先行の恵まれ過ぎた国情故かもしれな
流れた」と訴えた女の子が目に焼きついています。
極的に取り組んでまいりたいと考え、先頃、経団連とし
いと思います。19世紀型の水秩序と日本固有の行政機
先日南仏プロヴァンスを旅した折に、紀元前40年頃
て、東富士夏季フォーラムにおけるアピール2008にお
序で、新しい時代に伸びようとする途上国に寄与するこ
に建てられた水道橋ポン・デュ・ガールを訪れました。
いて、その決意を表明したところであります。具体的な
とは容易では有りません。先進国が19世紀型の水シス
ニームへの導水路で長さ275m(全長50kmの一部)、
取組みについても、鋭意検討を進めていきたいと思って
テムから離陸し、21世紀型の新思考を展開しないと、世
高さ49m、斜度は1kmで34cm、流水量は1日約2万立
おります。
界の水問題は解決に向かわないでしょう。22世紀には
方メートルだった由。三層のアーケードから成る橋の建
「世界の水秩序とそれを支えるエネルギー」がどうなり
築の技と美しさ、偉大な水の存在に感動しました。2週
日本水フォーラムは、世界各国の水分野における産・
官・学・市民団体との交流を促進し、日本で培ってきた
そうかを常に考えて、日頃の議論をしたいものです。
間ペットボトルの水で過しましたが、帰国後水道の蛇口
先端技術・システム、優良事例を幅広く発信すると共に、
皇太子殿下の水に対する高いご識見は誠に有り難い
からの水を飲み、豊かな井戸水に感謝しながら朝夕庭の
水に関わる社会貢献活動を推進していくことで、水問題
ことであり、森会長を先頭に日本水フォーラムが「22世
水まきをして秋の訪れを待っています。
による苦しみのない社会の実現に向けて努力を続けて
紀世界の水インフラストラクチャー確立」のため、みん
まいりたいと考えております。皆様のより一層のご支
なの力を集め王道を描く場でありたいと願っています。
援、ご協力をお願い申し上げます。
2
3
年
月日
平成19年
3月7日∼平成20年3月6日
防災教育における指導者育成プログラム −知識から実践へ−実施
スリランカ・モラトゥワ/カルタラ
4月23 ∼ 27日
太平洋島嶼国における持続可能な統合水資源及び下水管理プロジェクト第2回運営委員会参加
フィジー・ナンディ
4月24 ∼ 26日
中央アジア水調整委員会設立15周年の記念イベント及びアラル海救済国際基金(IFAS)理事会参加
カザフスタン・アルマティ
5月
日本水フォーラム 節水リーダー制度設立
日本国内
5月19日
水防演習2007ツアー開催
埼玉県熊谷市
日 本 水 フォ ー ラム 事 務 局 長
平成19年度は日本水フォーラムが大きく羽ばたいた
海 面上昇で苦しむツバ ルのイエレミア首相の苦しみへ
記念すべき年となりました。
の理解と、それに対応すべく支援の検討表明や、日本の
平成19年12月3日、4日、大分県別府市で「第1回ア
技 術力、人材が 世界の 環 境 問 題を解決していくことを
ジア・太平洋水サミット」が、皇太子殿下のご臨席のも
強調されました。
とに開催され、大きな成果を得て終了しました。
その後のメディアの報道においても、世界と日本の水
森会長のもと、私ども日本水フォーラムは本会議の事
問題が頻繁に取り上げられ、
「第1回アジア・太平洋水
務局を担当しましたが、その任務を大過なく終了するこ
サミット」の成果が、このような形で少しずつ現れてき
とができました。これもひとえに大分県、別府市、政府
たという感想を持っております。
関係機関、多くの民間企業や市民の方々、そしてなによ
温暖化にともなう気候変動、地球規模の環境悪化、資
り日本水フォーラム会員各位のご協力とご支援の賜物だ
源の逼迫などはみな「水の姿」となって世界各地の人々
と心より感謝いたしております。
を苦しめていきます。これが21世紀は水の世紀、といわ
れる所以です。
このような時代に、私たち日本水フォーラムの役目は、
会議の内容や成果は、本年報で別途詳細に報告してあ
政治、行政、地方自治体、学界、産業界、市民団体の広い
りますが、海外から訪れた各国の首脳や各界の指導者た
分野の方々とネットワークを構築し、それらの方々の知
ちは、水問題解決に向けた真摯な討議と情報共有の成果
を得て、みなさま大変喜んで帰国されました。
恵と経験と技術とパワーを組み合わせて、世界と日本の
特に、今回のサミットでは地球温暖化が、アジア・太平
水問題の解決に貢献していくことだと認識しています。
洋各地に迫っていることを身近に痛切に感じました。温
一方、この大きく広がっていくネットワーク活動と平
暖化の影響は、自然と接して生活している人々にまず現
行して、日本水フォーラムは「JWFファンド」を核とし
れます。その意味で、アジア・太平洋地域が、地球温暖
化問題の最前線になってくるのは当然です。
て、世界各地の水と衛生に苦しむ小集落の井戸掘りや簡
この「第1回アジア・太平洋サミット」は、将来に渡り
易トイレ設置の支援を行い、その地域の人々が自立して
アジア・太平洋各国が連携して水問題に取り組んでい
歩んでいくための活動も着実に進めていきたいと考え
く第一歩となったと確信しております。
ています。
「第1回アジア・太平洋水サミット」の成果は、さまざ
日本水フォーラムは小さな組織ですが、NPOの自由
まな分野へ影響を及ぼしてしているようです。1月18日
度を持ち、新しい活動や多様性のある活動を展開する
から始まった第169回国会 の開会に当た って、福田総
フットワークは持っています。
理は施 政方針演 説のむすびで「 昨年12月、私は大分で
今後も会員各位、関係する皆様のご助言、ご支援を得
開催された『 水サミット』に出 席しまた」との言葉 から、
て、元気にがんばっていきます。
4
平成20年
トルコ・イスタンブール
5月30日
ダルビッシュ有基金に係るネパール現地調査実施
ネパール・チトワン
5月30 ∼ 6月1日
国連「水と衛生に関する諮問委員会」第8回会合支援
中国・上海
6月13日
水と衛生に関するセミナー「ミレニアム開発目標とトイレ・衛生問題」∼ 2008年国際衛生年に向けて∼開催
東京
6月13 ∼ 15日
UNESCO-IHE 50周年記念国際シンポジウム参加
オランダ・デルフト
6月21 ∼ 22日
第29回世界水会議理事会参加
フランス・マルセイユ
6月18 ∼ 22日
日蘭共同研究ワークショップ開催
オランダ・デルフト
7 ∼ 8月
打ち水手ぬぐいで洪水復興支援活動援助実施
バングラデシュ・シェルプール
7月1日
国際総合山岳開発センター(ICIMOD)との意見交換会開催
ネパール・カトマンズ
7月1∼31日
JWF Fund 2007の募集
世界各国
7月3 ∼ 4日
統合的水資源管理計画策定のための人材育成ワークショップ参加
エジプト・アレキサンドリア
7月9、14、29日
第1回アジア・太平洋水サミット開催記念∼第1回アジア・太平洋水サミット市民向け説明会∼開催
東京、大阪、福岡
7月12日
水に関するTVドキュメンタリー制作会議参加
マレーシア・クアラルンプール
7月12 ∼ 13日
アジア・太平洋水フォーラム執行審議会第2回会合開催
シンガポール
7月18 ∼ 21日
ジェンダーと水連合ワークショップ参加
タイ・バンコク
7月23∼8月23日
打ち水大作戦2007
日本国内・スリランカ
8月1日 日本水フォーラム節水リーダー水の日「夏休み 親子で考える節水学級」開催
東京
8月5日
打ち水大作戦関連イベント「親子お水教室」開催 東京
8月6日
第1回アジア・太平洋水サミット運営委員会第2回会合開催
東京
8月7日
第1回アジア・太平洋水サミット開催記念シンポジウム「気候変動と水」開催
東京
8月12 ∼ 17日
ストックホルム世界水週間出席参加
スウェーデン・ストックホルム
8月12日
NoWNETワークショップ「知識・技術交換を通じたMDGs達成への取組」開催
スウェーデン・ストックホルム
8月12日
第5回世界水フォーラム国際運営委員会(ISC)会合参加
スウェーデン・ストックホルム
8月15日
サイドイベント「持続可能な成長のための水:水問題を世界の優先事項にするためにはどうしたらよいのか?」開催
スウェーデン・ストックホルム
9月4日
第1回アジア・太平洋水サミット開催記念シンポジウム開催
別府
9月6日
第1回水関連災害に関する有識者委員会開催
東京
9月26日
アジア・太平洋水フォーラム優先テーマC提言書作成に向けたワークショップ開催
タイ・バンコク
9月27日
第1回アジア・太平洋水サミット・プログラムワークショップ開催
タイ・バンコク
10月1日
第1回アジア・太平洋水サミットオープンイベント現地説明会開催
別府
10月2 ∼ 11日
湖沼管理に関する調査実施
フィリピン/オーストラリア
10月22∼26日
第3回東南アジア水フォーラム参加 マレーシア・クアラルンプール
10月22日
第3回東南アジア水フォーラム「水と気候変動」に関するメイン・セッション開催
マレーシア・クアラルンプール
10月23 ∼ 26日
第1回ブータン水週間参加
ブータン・ティンプー
10月24日
ダルビッシュ 有 水基金第1号プロジェクト完了
ネパール・チトワン
12月1∼5日
第1回アジア・太平洋水サミットオープンイベント開催
別府
12月2日
第1回アジア・太平洋水サミット運営委員会第3回会合開催
別府
12月3 ∼ 4日
第1回アジア・太平洋水サミット開催
別府
1月25日
シンガポール国際水週間2008・水のエキスポ「日本パビリオン」に関する説明会開催
東京
1月28 ∼ 29日
第2回水関連災害に関する有識者委員会開催
韓国・ソウル
2月14日
平成19年度日本水フォーラム評議会開催
東京
2月16 ∼ 17日
持続可能な衛生連合(SuSanA)第5回会合参加
南アフリカ・ダーバン
2月22日
水と衛生シンポジウム国際衛生年記念「アフリカとアジアへの行動に向けたプラットフォーム」開催
東京
2月26、29日
第1回アジア・太平洋水サミット報告会開催
別府/京都
3月6日
国際衛生年記念 国際トイレワークショップ2008参加
東京
3月7日
持続可能な社会のための日本青年サミット参加
横浜
3月12日
パブリックセミナー「なぜアフリカで効果的な水資源管理が必要なのか?」開催
東京
3月15 ∼ 22日
第5回世界水フォーラム第2回テーマと地域の調整会議参加
トルコ・イスタンブール
3月12日
アラル海問題に関する国際会議参加
ウズベキスタン・タシュケント
3月27 ∼ 28日
水分野における透明性と統合性に関する東アジア・ワークショップ参加
フィリピン・マニラ
5
19
年 度の主な 活 動
竹村 公太郎
「第5回世界水フォーラム」国際運営委員会第1回会合参加
活動地域
平成
ご あ い さつ
5月19 ∼ 20日
活動内容
Annual Report
Annual Report
平成19年度の主な活動
Annual Report
Annual Report
第1回アジア・太平洋水サミット/アジア・太平洋水フォーラム
3.第1回アジア・太平洋水サミットの概要
次に、トミー・コー アジア・太平洋水フォーラ
平成18年3月にメキシコで開催された「第4回世界水フォーラ
会 期:平成19年12月3 ∼ 4日(2日間)
ム執行審議会議長が、アジア・太平洋水フォーラ
ム」に向け、アジア・太平洋地域からの提案を集約するという準備
開催地:大分県別府市
ムからの提言書である「アジア・太平洋水フォー
プロセスにおいて、特有の自然条件や文化を有するアジア・太平洋
主催者:アジア・太平洋水フォーラム/第1回アジア・太平洋水サ
ラム ポリシーブリーフ2007」を紹介するととも
地域 で「水 問 題 解 決に寄与する地域内の知識・経験をより効率的
ミット運営委員会
に、
「水を政治の最優先課題にするために一歩踏み
に共有すべきである」との共通認識が生まれました。そして、この
出し、自らの責任を果たそう」と呼びかけました。
地 域の国 連 機 関、政 府 組 織、市 民組織、地域開発銀行、研究機関等
参加者の内訳
その後、オランダ王国ウィレム・アレキサンダー
あらゆる水関係者の緩やかなネットワーク組織として「アジア・太
1.参加国・地域:56の国・地域
皇太子殿下による基調講演、藩基文 国連事務総長
平洋水フォーラム」が設立され、平成18年9月より活動を開始して
(うち、アジア・太平洋地域からは40の国・地域)
からのビデオメッセージの放映、皇太子殿下によ
います。
2.首 脳 級 参 加:10の国・地域から10名
る記念講演が行われました。
アジア・太平洋水サミットは、
「水問題の解決には、科学的・技術
大 臣 級 参 加:32名
皇太子殿下のお言葉ならびにご講演は、宮内庁
的解決策の共有・活用とともに、政治的な意志が不可欠である」と
アジア・太平洋地域からの閣僚級以上の参加:36の国・地域
ホ ー ム ペ ー ジ(http://www.kunaicho.go.jp/)
いう考え方のもと、政治的な決断を行う資格と能力のある方々を招
3.参 加 者 数:アジア・太平洋地域の政府関係者231名
(うち海
でご覧になれます。
き、2 ∼ 3年に一度開催されるものでアジア・太平洋水フォーラム
外から226名)、招待出席者140名
(海外から72
開会式の後に行われた首脳によるスピーチセッ
の活動の柱の一つとなっています。サミットは文字通り、頂点に位
名)
、合計371名(海外から298名)
ションでは、参加した各首脳がそれぞれの国で抱
置する人々が議論し、決断を下すために行うものです。
4.開会式出席者:880名(海外から約300名)
える水問題とサミットに対する期待を述べまし
5.プ レ ス:260名(海外から40名)
た。概要は、以下のとおりです。
2.「第1回アジア・太平洋水サミット」
記者会見件数:16件
平成19年12月3、4日に大分県別府市において、
「第1回アジア・
国内新聞記事掲載数:342件(12月1∼18日)
太平洋水サミット」が開催されました。平成18年9月のアジア・太
6.運営支援のためのボランティア:約300名
平洋水フォーラムの活動開始以来、執行審議会のメンバーやリード
7.通訳:28名
組織とともに行ってきた活動の集大成として開催された本水サ
8.警察:約1,500名
森喜朗
第1回アジア・太平洋水サミット議長
皇太子殿下
福田康夫内閣総理大臣
トミー・コー
アジア・太平洋水フォーラム執行審議会議長
国連「水と衛生に関する諮問委員会」議長
オランダ王国
ウィレム・アレキサンダー皇太子殿下
藩基文 国連事務総長
キリバス共和国
アノテ・トン大統領
ナウル共和国
ルドウィグ・スコティ大統領
ミクロネシア連邦
エマニュエル・モリ大統領
ミットは、世界初の水に関する首脳級会合となりました。アジア・
太平洋水フォーラムと国内外の有識者からなる「第1回アジア・太
主な参加者
平洋水サミット運営委員会」が主催し、アジア・太平洋水フォーラ
・日本国皇太子殿下
ムの事務局を務める日本水フォーラムが、水サミットの事務局とし
・国連「水と衛生に関する諮問委員会」議長
て、約1年にわたる準備活動をリードしました。
オランダ王国ウィレム・アレキサンダー皇太子殿下
・タジキスタン共和国 エマムアリ・ラフモン大統領
本水サミットには、日本を含むアジア・太平洋地域10 ヶ国・地
・パラオ共和国 トミー・レメンゲサウ大統領
域の首脳級の他、32名の閣僚級、政府関係者、国際機関、市民組織
・キリバス共和国 アノテ・トン大統領
の代表等合計371名の方々が参加されました。初日、森喜朗 第1回
・ナウル共和国 ルドウィグ・スコティ大統領
アジア・太平洋水サミット議長による開会挨拶での幕開けにつづ
・ミクロネシア連邦 エマニュエル・モリ大統領
いて、皇太子殿下よりお言葉を賜りました。お言葉では、国連「水と
・ニウエ ヤング・ビビアン首相
衛生に関する諮問委員会」の名誉総裁に就任されたことに言及さ
・ツバル アピサイ・イエレミア首相
れ、諮問委員会議長であるオランダ王国ウィレム・アレキサンダー
・ブータン王国 キンザン・ドルジ首相
皇太子殿下とともに、力を合わせていきたいとの決意をお示しにな
・福田康夫内閣総理大臣
りました。
・キルギス共和国 ヌル・ウル・ドスボル副首相
タジキスタン共和国
エマムアリ・ラフモン大統領
パラオ共和国
トミー・レメンゲサウ大統領
続く、福田康夫 内閣総理大臣のご挨拶では、日本が水分野におけ
(役職は水サミット開催時)
る国際協力に長い歴史と豊富な経験を有していることに加え、人間
ニウエ
ヤング・ビビアン首相
ツバル
アピサイ・イエレミア首相
ブータン王国
キンザン・ドルジ首相
の尊厳や安全保障、地球温暖化と深く関わっている「水」がG8の議
題に取り上げられるべきである、と述べられました。
6
7
キルギス共和国
ヌル・ウル・ドスボル副首相
第 1 回 ア ジ ア ・ 太 平 洋 水 サ ミット / ア ジ ア ・ 太 平 洋 水 フォ ー ラ ム
第 1 回 ア ジ ア ・ 太 平 洋 水 サ ミット / ア ジ ア ・ 太 平 洋 水 フォ ー ラ ム
1.背景
Annual Report
Annual Report
4.これから
・自国経済が、とりわけ水関連災害に対して脆弱
水サミットは、
「政治的な意思」によって水問題の解決推進を図る
・アラル海流域を含む水問題の解決のために協力した取組みが必要
ことを目標として開催されました。今後は、水サミットの成果を世
・老朽化した水インフラ修復への投資拡大が必要
界の水問題解決のために活用していくことが重要です。アジア・太
平洋水フォーラムは、平成21年3月にトルコ・イスタンブールで開
大洋州諸国:パラオ大統領、キリバス大統領、ナウル大統領、
催される第5回世界水フォーラムの地域コーディネーターも務めて
ミクロネシア大統領、ニウエ首相、ツバル首相
います。水サミットにおいて関係機関から発表された具体的な取り
・河川が無く、地下水資源も不安定であり、水不足は避けがたい問題
組 み は、着 々 と 実 施 さ れ て お り、そ の 進 捗 状 況 は、第5回 世 界 水
・サミットを契機に資金・技術支援の約束が増えることを期待
フォーラムにおいてアジア・太平洋地域文書として発表される予
・気候変動に伴う海面上昇やサイクロンの増加が国民の生命や生活
定です。また、第2回アジア・太平洋水サミットは、2010年にシン
を守る上で最大の懸念
ガポールにて開催されることが決定しました。
アフリカ、ヨーロッパ、南北アメリカ、中東地域でも水サミット
ヒマラヤ地域:ブータン首相
等の開催が予定されており、世界的に、水問題解決に向けた政治的
・温暖化の影響により急速に氷河が後退し、氷河湖決壊による鉄砲
意志の重要性が認識されてきています。
水の恐れが増大
「第1回アジア・太平洋水サミット最終報告書(英語版)
(編集:
首脳によるスピーチセッションに続いて、次に示す10の課題別
第1回 ア ジ ア・太 平 洋 水 サ ミ ット 事 務 局)」が World Scientific
セッションが行われました。
Publishingより出版されました。
・ヒマラヤ地域における気候変動、氷河、水資源
下記ホームページよりご購入頂けます。
・水に関する行動への最高経営責任者(CEO)の責任
http://www.worldscibooks.com/environsci/6951.html
・水に関わる投資とその効果のモニタリング
・2008国際衛生年の地域発進式
表 -1 別府からのメッセージ(仮訳暫定版)
我々アジア・太平洋地域のリーダーは、各国のあらゆる分野を代表し、温かいもてなしのもと、日本国大分県の美しい都市、別府に
おいて開催された記念すべき第1回アジア・太平洋水サミットに結集し、次のような合意に達した。
●
人々が安全な飲料水と基本的衛生設備を入手することは、基本的人権であり、人間の安全保障の基本であることを確認する。
●
この地域において安全な飲料水を利用できない人々の数を、2015年までに半減し、2025年までにゼロを目指す。
●
現在ほど水を必要としない新しい、革新的な衛生システムを採用し、基本的衛生設備の利用できない人々の数を、2015年までに
半減し、2025年までにゼロを目指す。
●
水と衛生を各国の経済・開発計画や政治課題における最優先課題とし、水と衛生分野への資金配分を大幅に拡充する。
●
特に貧困層に大きな影響を及ぼすゆえに、水管理に関するすべての面で、ガバナンス、効率性、透明性、公平性を向上させる。女性
は社会的弱者である一方、粘り強い活力を有し、進取的である。従って、すべての水関連活動において、女性の能力を向上させな
ければならない。
●
洪水、干ばつ、その他水関連災害の発生を防止、削減し、犠牲者を適時に救援、支援できるように、早急に効果的な行動をとる。
●
気候変動の影響を受けやすい島嶼国における、生命・財産を守る取り組みを早急に支援する。
●
ヒマラヤ山脈地域やパミール高原地域における冠雪・氷河の融解や、海面上昇等、地域の一部の国ではすでに気候変動の影響が
現れている。水と気候変動の関係を議題に組み入れるよう、バリ会議に提言する。
●
2008年に開催されるG8北海道洞爺湖サミットに向けて、具体的な目標を設定する。
●
発展途上国がミレニアム開発目標(MDGs)の水と衛生に関する目標を達成できるよう、支援を行う。
●
発展途上国による、気候変動への適応を支援するために、直ちに行動を起こす。
●
各国は、閣内にあるハイレベルの調整システムの権限を拡大する。可能な国では水担当大臣を任命し、水と衛生に関するすべて
●
都市の水路網を修復し、及び農村地域の環境の健全性を保全するなど、この地域の水に育まれた社会の豊かな歴史を尊重する。
●
水の安全が保障されたアジア・太平洋地域という地域全体のビジョンを達成するために、志を一つにするすべての団体、個人が
の問題を統合的に扱う。
・水と気候に関する島嶼国対話
・アラル海流域における水の安全保障確保のための約束:協力と競合
・水関連災害管理
力を合わせて取組む。
・発展と生態系のための水
・アジア・太平洋地域における水の安全保障確保のためのリーダー
我々は、アジア・太平洋水フォーラムの仲間が作成したポリシーブリーフを支持する。
シップ:知識、資金調達、人材育成
我々は、この提言の実施に向け、各国政府の努力を促す。
・地域の行動のための能力向上
我々には、このビジョンを実現する意志と勇気がある。
閉会式では、議長総括が発表され「別府からのメッセージ」が採
択された後、日本政府代表として冬柴鐵三国土交通大臣がご挨拶を
されました。そして、関係者への感謝の意と、水問題の解決に向け
た参加者の今後の活動への期待を述べた森議長による閉会の辞で、
サミットは幕を閉じました。
写真 - 1 閉会式の様子
8
9
第 1 回 ア ジ ア ・ 太 平 洋 水 サ ミット / ア ジ ア ・ 太 平 洋 水 フォ ー ラ ム
第 1 回 ア ジ ア ・ 太 平 洋 水 サ ミット / ア ジ ア ・ 太 平 洋 水 フォ ー ラ ム
中央アジア:タジキスタン大統領、キルギス副首相
Annual Report
Annual Report
支援プロジェクト
Japan Water Forum Fund(JWF Fund)
ダルビッシュ 有 水基金
(2)
「学校へのトイレ設置」
日本水フォーラムは、これまで蓄
JWF Fundは、地 域 の水 問 題を 解 決 す るた めに、草 の 根 的 な 活
(国名:ガーナ、支援団体名:CONSERVATION FOUNDATION)
積 し て き た 国 際 的 な 幅 広 い ネ ット
動を行っている発 展 途 上 国の団体に 対し、活 動1件 あ たり1,000
190人の生徒が通う小学校には、小便用のトイレが1つしかなく、
ワークと「JWF Fund」で培ってき
USドルを上限とする、活動資金の援助を目的に設立されました。こ
勉学を継続する上での支障となっていました。このプロジェクトは、
た、途 上 国 で の 水 問 題 解 決 に 向 け
のJWF Fundには、毎年、日本水フォーラムの会員の皆様から納入
JWF Fundから1,000USドルの支援を受けて4つの個室水洗トイ
た草の根活動の支援 の 経 験を活か
された会費の3%を直接充当しています。
レの設置と、生徒に対する公衆衛生教育を実施したものです。
し、ダルビッシュ 有 投手(北海道日
支 援 プロ ジェク ト
支 援 プロ ジェク ト
1.JWF Fundの概要
本ハムファイターズ)とともに、
「ダ
2.JWF Fund 2007の選考結果
ルビッシュ 有 水基金」を設立し、基
3年目となる「JWF Fund 2007」は、平成19年7月1日から31
金の管理、資金提供先のプロジェク
日までを募 集 期 間とし、ホームページ やニュースレターで 募集を
写真 - 1 ダルビッシュ 有 投手
北海道日本ハムファイターズ
行いました。アジア、アフリカ、南アメリカの29ヶ国から232件(平
トの選定、モニタリング等を行って
写真 - 3 完成した井戸から汲み上げられた水を蛇口から飲む子どもたち(ネパール)
います。
成18年 度 応 募 件 数 の 約2倍)の 応 募 が あ り、審 査 を 経 て10ヶ国
ダルビッシュ投手は、シーズン中の公式試合で一勝するごとに、
(フィリピン、ネパール、ウガンダ、カメルーン、ケニア、ナイジェリ
自ら10万円を本基金に寄付しています。また、本基金では、趣旨に
ア、インド、ガーナ、コロンビア、バングラデシュ)、10件のプロジェ
賛同する個人の方からの寄付を受け付けており、広くファンや市民
平成20年1月16日に、2枚組のコンピレーションア
クト支援を決定しました。
の方々の参加を募っています。
ルバム「H2O J-POP 20HITS 1988 ∼ 2007」が
積み立てられた基金は、途上国の井戸掘り、汲み上げポンプの修
発売されました。本アルバムは、平成の20年間のヒッ
写真 - 3 4つの個室トイレの完成(ガーナ)
3.支援プロジェクト事例
理・設置、雨水貯留タンクの設置等の安全な飲み水の確保を目的と
ト曲20曲を集めたもので、懐かしい曲から最新の曲
(1)
「貯水タンクと給水システムの設置」
する、草の根プロジェクト実施のための資金として活用されていま
まで幅広いジャンルのJ-POPが収録されています。
(国名:フィリピン、支援団体名:Kinaiyahan Foundation, Inc.)
す。
(本基金設立以来、ダルビッシュ投手は26勝を挙げ、一般の方か
タイトルとなっている平成20年「H2O」が「水」の
当該集落には給水施設がないため、主に女性や子供が約300m
らの寄付と合わせ、累計で3,425,224円の寄付が集まりました。)
化学式であることから、エイベックス・グループ・ホー
ルディングス株式会社より、このアルバムの売り上げ
離れた水源まで水を汲みに行っており、生活する上での負担となっ
ていました。そこで、JWF Fundから953USドルの支援を受け、
ダルビッシュ 有 水基金 支援プロジェクト
の一部を日本水フォーラムに寄付し、世界の水問題解
湧き水からの取水設備、導水管路、貯水タンクの設置を行った結果、
第1号:ネパール「Well and Water Tank Construction for Village
決に貢献したいという申し出をいただきました。エイ
School(学校での井戸建設)」
(平成19年10月完了)
454世帯への給水が可能となりました。
ベックス・グループには水基金を設立したダルビッ
第2号:ソロモン諸島「Rural Water Improvement Project(農村部
シュ 有選手の所属事務所があり、これまでの協力関
の水改善プロジェクト)」
(実施中)
写真 - 4 生徒への公衆衛生教育(ガーナ)
係から、日本水フォーラムを寄付先として選定したと
第3号:カンボジア「Well Project(井戸プロジェクト)」
いうことです。詳細はウェブサイトをご覧下さい。
(平成20年8月井戸完成、9月プロジェクト完了予定)
http://avex-io.com/others/IO CD-20236.html
(3)
「井戸の建設」
(国名カメルーン、支援団体名:Better World Foundation)
日本水フォーラムウェブサイト及びダルビッシュ 有 オフィシャ
当該地域では、紛争によって、水
ルサイト(http://darvish-yu.jp/fund.html)で、本基金への寄付
源が破壊されたため、安全な飲料水
の方法や上記の支援プロジェクトの詳細等をご覧いただけます。
が 得 ら れ な くな って お り、特 に、老
人、子供などの社会的弱者の間で、
写真 - 1 子供たちも建設をお手伝い(フィリピン)
コレラ等の水因性疾患の発生が懸念
されていました。このプロジェクト
で は、JWF Fundか ら972USド ル
の支援を受け、8つの井戸が建設さ
れました。また、井戸の使用方法の
指導と、その管理を目的とした水委
員会が設置され、1,200人への給水
が可能となりました。
写真 - 5 完成した井戸を使う子どもたち
(カメルーン)
写真 - 2 学校での井戸建設で完成したタンク(ネパール)
写真 - 2 完成した公共水道(フィリピン)
10
11
Annual Report
Annual Report
調査研究活動
ノーザンウォーター・ネットワーク
(NoWNET)
平成19年度に実施した主な調査研究活動は以下のとおりです。
に属し、国際的な温室効果ガスの排出に関わる交渉、適応策の実施
1)海外の気候変動への取組みに関する調査研究
を担当しています。
NoWNETは、第3回世界水フォーラムにおいて締結された合意
に基づき、発展途上地域の水問題の解決を図るため、先進諸国間の
平成18年3月に、国連事務 総長の 諮問 機 関である国連「水と衛
3)海外の河川・水資源管理における官民の役割分担及び官民連携
3.海外の河川・水資源管理における官民の役割分担及
連携を促進することを目的に発足しました。現在、9機関で構成さ
生に関する諮問委員会」から発表された「橋本アクションプラン」で
に関する調査研究
び官民連携に関する調査研究
れ、日本水フォーラムが事務局を務めています。
は、世界の水問題解決に向けて、6つの重要分野において各主体が
4)水関連の国際的動向に関する調査研究
JWFでは以前からこの分野について多くの調査研究を実施して
平成19年度については、8月12 ∼17日に開催されたストックホ
とるべき行動を提言しています。
きましたが、今年度は、カナダ、オーストラリア、フィリピンの3ケ
ルム世界水週間会期中に、
「知識・技術交換を通じたMDGs達成へ
「水関連災害に関する有識者委員会」は、この6つの重要分野の一
1.海外の気候変動への取組みに関する調査研究
国について現地調査を実施しました。
の取組」をテーマとしたワークショップを主催しました。冒頭で、世
つである「水と災害」で掲げられている2つの課題、
「水関連災害に
UNFCCC(国連気候変動枠組条約)に基づく国別報告書等によ
これらの調査研究を通じて、調査対象地域では、官民をつなぐ中
界水パートナーシップ事務局長のガブリエリ氏より、NoWNETの
よる被害軽減のための明確な目標・方向性の設定」、
「災害時・後に、
り欧米・アジア各国の気候変動への取組み状況について概括し、先
間的組織が重要な役割を担っていました。例えば、オーストラリア
発 足 経 緯、活 動 状 況 紹 介が なされると共に、MDGs達成に向けて
被災者に十分な水と衛生設備を確保するための方策の検討」につい
進的な事例(適応策)の抽出を行ないました。
には、ランドケア(Landcare:LC)という環境保全NGOがその役
の知 識 交 換・技 術 移 転 の重 要 性が 力 説 されました。ま た、先 進 国
て議論し、具体的な提言を行うことを目的としています。
治水に関する適応策として、イギリスの施策:Making Space for
割を果たしています。LCは、連邦政府が基金を提供して設立された
の食 糧と水 管 理 に関 する経 験、発展途上国における水管理に関す
当委員会は、韓国水フォーラム会長である韓昇洙(ハン・スンス)
Waterとそ のうち の1つ のプ ロジ ェクト で あるTE2100(Thames
NGOで、公的機関から様々な支援を受けています。支援策の1つに
る現 状、及び 先進国の発展途上国における支援活動に関して発 表
委員長(設立当時)を中心として、その趣旨に賛同する国連機関、国
Estuary2100)やオランダの施策:Room for the River等の事例に
グリーン・チームというものがあり、これは、失業者が失業保険を
がなされ、発表後には発表者間でのパネルディスカッションが行わ
際機関、国・地域機関等の水に関係する有識者によって設立されま
ついて調査研究を実施しました。
もらうことを条件に、LCでボランティア活動を行なうものです。
れました。
した。日本水フォーラムは、韓国水フォーラム、国連国際防災戦略
竹 村公 太 郎 日本水フォーラム事 務 局 長 は、
「 日本の 農 業と 水 管
事務局、世界水会議とともにこの委員会の事務局を務めています。
理に関する歴史と未来」というタイトルで発表を行い、数多くの質
韓氏は、2008年2月に大韓民国国務総理に就任されたため、創
特に、Room for the Riverは、気候変動のよる河川流量の増加
4.水関連の国際的動向に関する調査研究
に対しては、堤防強化だけでは対応できないという認識の下、遊水
池や河道拡幅により対応しようとするもので、我が国にも参考とな
JWFが主要な役割を担った第1回アジア・太平洋水サミットや
問が 寄せられました。本ワークショップを通じ、MDGsの達成に向
設委員長となられましたが、現在は尾田栄章日本水フォーラム相談
る事例と考えられます。
水災害ハイパネルに加え、世界水フォーラムや国連「水と衛生に関
けて、様 々なステ ークホルダー 間で の 対 話、発 展 途 上 国と 先 進国
役、サルバーノ・ブリセニョ国連国際防災戦略事務局長、ロイック・
する諮問委員会」、兵庫行動枠組、EUにおける水枠組指令や洪水指
の 間 で の 双 方 向 の 対 話、経 験・知 識 の 共 有 の 重 要 性 が 認 識 さ れ
フォーション世界水会議会長の3名が韓氏より、共同モデレータに
令についても調査し、水関連の国際的動向を整理しました。
ました。ワー クショップ の 実 施 報 告 は、NoWNETの ホ ームペ ー ジ
指名され、委員会を率いています。
(http://www.northernwater.net/)に掲載されています。
第1回会合は、平成19年9月6日に東京で開催され、委員会の活
動方針について議論が行われるなど、様々な立場の委員がビジョン
図 - 1 Room for the Riverのコンセプト
また、渇水に対する適応策として、アメリカ・カリフォルニア州
写真 - 1 ランドケアの管理地を示す看板
のカリフォルニア水計画やカナダのオカナガン流域における水需
日蘭共同研究ワークショップ
を共有する場となりました。また、平成20年1月29-30日に韓国
平成18年12月にNoWNETのメンバーであるオランダ水パート
ソウルで 行われた第2回会合では、委員会の最 終成 果 文 書に盛り
ナーシップとの間で締結した共同研究に関する協定書に基づき、平
込む提言について活発な議論が行われました。
成19年6月18日∼ 22日にオランダで第1回日蘭共同研究ワーク
この委員会は、平成21年3月までに計5回の議論を行い、第5回
ショップ「都市化氾濫域の洪水被害最小化プロジェクト」を開催しま
世界水フォーラムにおいてその成果を発表する予定です。
した。日本からは日本水フォーラム及び国土交通省等から7名が参
水は生命の源である一方、災害の原因であり、世界中の多くの国・
加し、オランダのハーレマーミヤとスイドプラスポルダーの2地域
地域で人命、財産が失われています。また、水害危険地域での人口
をモデルケースとして、洪水氾濫域対策に関する両国の知見の交換
増加、気候変動による豪雨や渇水の増加は、水関連災害のリスクを
を行ないました。
増大させ、人類の持 続 的 発 展の制約要 因 のひとつになるものと予
給計画ケーススタディ等について調査研究を実施しました。
測されています。日本水フォーラムは事務局として、この委員会の
2.アジア・太平洋地域の水問題に係る調査研究
体的行動を打ち出せるよう、支援していきます。
成果が、こうした問題の解決に向けた強い 政 治的メッセージと具
今年度は、第1回アジア・太平洋水サミットが開催されたことも
あり、アジア・太平洋地域に関する調査研究も活発に行ないました。
水資源問題連携方策の調査研究は、サミットの主要成果文書である
ポリシーブリーフ2007をレビューすると共に、水環境に関する調
査研究も行ないました。
気候変動への取り組みでは、オーストラリアを研究調査対象とし
写真 - 1 ワークショップ参加者(オランダ・デルフト)
て、詳細調査を実施しました。オーストラリアは、過去数年の異常渇
水の影響もあり、様々な施策を打ち出しています。現地視察では、
気候変動省へのヒヤリングも実施しました。気候変動省は、首相府
写真 - 1 第2回会合の様子(韓国・ソウル)
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ノ ー ザ ン ウ ォ ー タ ー ・ ネット ワ ー ク
調査研究活動
2)アジア・太平洋地域の水問題に係る調査研究
水関連災害に関する有識者委員会
High-level Expert Panel on
Water and Disaster/UNSGAB
水と衛生に関するセミナー
「ミレニアム開発目標とトイレ・衛生問題」∼ 2008年国際衛生年に向けて∼
水と衛生シンポジウム
国際衛生年記念「アフリカとアジアへの行動に向けたプラットフォーム」
Annual Report
Annual Report
セミナー・シンポジウムの開催
問題の改善についてお話をいただき、
シム氏からは、世界トイレ機関の取り
う世界的なネットワークについてお話
をいただきました。
セミナーの後半では、基調講演をい
湖サミットの議長国として「水と衛生」
ただいたお二人をコメンテーター、尾
の議論を主導していく決意を示されま
田栄章日本水フォーラム相談役をファ
写真 - 1 パネルディスカッションの様子 写真 - 2 会場の様子
シリテーターとしてパネルディスカッ
した。次に、ラビ・ナラヤナンアジア・
写真 - 1 パネルディスカッションの様子 写真 - 2 会場の様子
太平洋水フォーラム執行審議会副議
6月13日、水と衛生に関するセミナー「ミレニアム開発目標とト
ションを行いました。橋 本 和司国際協力銀行開発セクター部長か
2月22日に、国連大学で、国連児童基金、世界銀行、国連開発計
長、バネッサ・トビン国連児童基金プログラム担当副部長、ジェイ
イレ・衛生問題」∼ 2008年国際衛生年に向けて∼を、日本トイレ
らは、水・衛生分野へのODAとその事例について、石川剛生国際協
画、日本水フォーラムの主催により、水と衛生シンポジウム 国際衛
コブ・クマレサン世界保健機関健康開発総合研究センター所長の3
協会と日本水フォーラムが主催し、協力機関である世界銀行、国際
力機 構地球環境部第三グループ水資源第二チーム長からは、トイ
生年記念「アフリカとアジアへの行動に向けたプラットフォーム」
名から、基調講演をいただきました。続いて、デニス・ノエル・オドゥ
協力銀行、国際協力機構を始め、各国大使館や国際機関を含む約
レ・衛生への取り組み状況とともにハードからソフトへといった意
を開催し、各国大使館、政府機関、国際機関を含む約300名が参加
ヤ・アウォリ駐日ケニア共和国特命全権大使、橋本和司国際協力銀
100名が参加しました。
識・行動変革について、日本トイレ協会の加藤篤氏からは途上国の
しました。このシンポジウムでは、アフリカとアジア地域の数十億
行専任審議役 、ダノンウォーターズオブジャパン株式会社の吉沢直
冒頭、竹村事務局長の開会挨拶に続き、レスター・J・ダリー世
トイレ支援ネットワークについて、岡城孝雄日本環境整備教育セン
の人々が深刻な「水と衛生」の現実に直面しているという事実を共
大氏によるプレゼンテーションの後、高島肇久学習院大学特別客員
界銀 行 駐 日 特 別 代 表 代 行よりセミナーへ向 けたメッセージ を頂
ター調査研究部主幹からは、し尿・雑排水の問題についてお 話を
有し、それに対処する最善の政策や計画について、世界的にも著名
教授・国連大学学長特別顧問がファシリテーターを 務 め、パネル
きました。
いただきました。
な専門家が集まり議論を行いました。
ディスカッションが 行われました。
セミナーの前半では、上幸雄日本トイレ協会理事長とジャック・
トイレや衛生に関する問題について議論した今回のセミナーは、
まず、高村正彦外務大臣による「貴重な水の有効利用のために∼
アフリカやアジアでの水と衛生の問題に対して、日本がこれまで
シム世界トイレ機関コーディネーターを招いて基調講演をいただ
各分野の専門家の方々やご参加の皆様から貴重なご意見をいただ
安全 な 水と衛 生 施設へのアクセス拡大に向けて∼」と題した政策
国内で蓄積してきた技術やノウハウの導入に対する、期待が大きい
きました。上氏からは、途上国におけるトイレ・水に起因する衛生
き、国際衛生年へ向けた取り組みの第一歩とすることができました。
演 説 をいただ き、第4 回アフリカ開発会議(TICAD IV)とG8洞爺
ことがわかりました。
第1回アジア・太平洋水サミット開催記念シンポジウム
「気候変動と水」 写真 - 1 ハン・スンス氏による基調講演の様子 写真 - 2 国内外有識者によるパネルディスカッションの様子
パブリックセミナー
「なぜアフリカで効果的な水資源管理が必要なのか?」
写真 - 1 セミナーの様子
写真 - 2 日本水フォーラムの紹介の様子
第1回アジア・太平洋水サミット(水サミット)運営委員会第2回
世代の子供たちのために責任のある行動が求められることを訴え
3月12日に、世界銀行東京ラーニングセンターにおいて、世界銀
続いて、世界銀行のステイン アフリカ地域・持続可能な開発・
会合(8月6日開催)において、国内外の有識者が一堂に介する機会
られました。
行と共催で、パブリックセミナー「なぜアフリカで効果的な水資源
上級マネージャー兼局長代行とスブラマニアン アフリカ地域・水
をとらえ、翌日の8月7日に、
「気候変動と水」をテーマとしたシン
基調講演後は、水サミット運営委員である今井義典NHK解説主
管理が必要なのか?」を開催し、政府機関、国際機関を含む約40名
資源管理担当マネージャーより、アフリカにおける水資源管理の問
ポジウムを開催致しました。開会あいさつでは森喜朗日本水フォー
幹の進行のもと、同委員であるキャトレイ・カールソン世界水パー
が参加しました。このセミナーでは、アフリカが直面する水資源の
題や、国際河川であるセネガル川等での優良事例の紹介がありまし
ラム会長より、気候変動に伴う水問題がアジア・太平洋地域で特に
トナーシップ総裁、フォーション 世界水会議会長、ホーンオースト
課題や世界銀行の活動・経験を議論するとともに、第1回アジア・
た。また、日本において洪水対策が開発に果たした役割をアフリカ
深刻であり、その適応策が水サミットで主要議題になるであろうこ
ラリア環境・水資源省副次官、棚橋国土交通省水資源部長、竹村事
太 平 洋 水 サ ミ ット の 成 果 を ア フリ カ に 役 立 て る た め の、日 本 水
の参考にしようとの提言がありました。
とが述べられました。
務局長によるパネルディスカッションが行われ、国・地域レベルで
フォーラムの方針を紹介しました。
閉会にあたり日本水フォーラムより、アフリカとアジアにおける
ハン・スンス気候変動国連事務総長特使からは、
「気候変動と水
の気候変動に伴う水問題及びそれに対応した取り組みについて活
冒 頭 発 言 で は、日 本 水 フ ォ ー ラ ム か ら、水 サ ミ ット お よ び 水 サ
経験の相互共有が必要であること、日本水フォーラムとして、日本
問題への挑戦:アジア・太平洋地域特有の課題について」と題する
発な議論がなされました。
ミット後の動きの報告、アフリカの水問題に対する日本水フォーラ
企業のアフリカ進出にクリーン開発メカニズム(CDM)の活用を検
基調講演を行っていただきました。ハン氏は気候変動に伴う水問
ムの取組み、アジア・太平洋水フォーラムを通じたアフリカとアジ
討することを述べました。
題、それに対する国際社会の取り組みについて紹介すると共に、次
アの連携などについて、発表を行いました。
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セ ミ ナ ー ・ シン ポ ジ ウ ム
セ ミ ナ ー ・ シン ポ ジ ウ ム
組みのほか、持続可能な衛生連合とい
Annual Report
Annual Report
打ち水大作戦2007
スリランカ防災教育指導者育成事業
打ち水大作戦本部の実施したアンケートの結果によれば、打ち水
日本水フォーラムは、平成16年12月26日に発生したインド 洋
大作戦の参加者の21.5%が「風呂水、室外機の水、雨水などを捨て
大 津 波によって 甚 大な被害を受けたスリランカにおいて、ユース
果を検証しようという壮大な社会実験「打ち水大作戦」が2003年
ない、貯める習慣がついた」と回答する一方で、そうした水で打ち
を中 心 に 津 波 被 災 経 験 を 持 つ 北 海 道 奥 尻 島 の 方 々 の 協 力 を 得
に初めて実施されました。日本水フォーラムは、打ち水大作戦本部
水をしている人たちは半数に留まり、半数以上が水道水で打ち水を
て、復 興 支 援 活 動 や 津 波 防 災 教 材の開 発 やワークショップを実施
の構成団体の一つとして、この「打ち水大作戦」の立ち上げ段階か
していることが判明しました。水を繰り返し大切に使いながら、
しました。
ら、積極的な参画と支援を行っています。
ヒートアイランド現象・地球温暖化に立ち向かうという「打ち水大
平成19年からはスリランカ漁業・海洋資源省沿岸保全局と現地
作戦」の意義を正確に伝えていくため、日本水フォーラムとしても
NGOのNetWwaterの協力のもと、スリランカの人々の手によっ
継続的な努力が必要であることを再認識しました。
て、同 国 で 継 続 的 な 防 災 教 育 と 防 災 活 動 を 定 着 さ せ、次 に 来 る
1.全国いっせい開幕打ち水
写真 - 2 トレーニングコースの様子
打ち水大作戦2007は、大暑7月23日から処暑8月23日まで開
災 害 の 被 害 を少しで も 軽 減 させることを目指して 防 災 教 育 指 導
催されました。
3.打ち水大作戦関連イベント「親子お水教室」
者育成事業を実施しました。事業の概要ならびに成果は以下のと
開幕日には、浅草寺(東京都台東区)にて、打ち水大作戦5周年を
銀座通り(東京都中央区)で打ち水イベントが行われた8月5日に
おりです。
記念した「全国いっせい開幕打ち水イベント:日本全国打ち水大会
は、その主催者である銀座通連合会のご協力の下、地下鉄銀座駅構
議」が開催されました。日本水フォーラムは、江戸の庶民の知恵「打
内オアシス広場にて、
「親子お水教室」を開催しました。
1.事業名称 : 防災教育における指導者育成プログラム
ち水」を世界各国に紹介するとともに、伝統文化で現代的な課題に
小学生を対象に、打ち水や江戸文化、雨水、節水にまつわるお話
−知識から実践へ−
取り組む手法を、自国の環境問題を考えるヒントにしてもらえれば
を「博士」による講義形式で行うとともに、自宅で簡単にできる打ち
2.実施期間 : 平成19年3月7日∼平成20年3月6日
と考え、在 京大使館関係者に参加を呼びかけました。当日は、ラト
水グッズや雨量計などを手作りする参加型のワークショップを開催
3.事業実施地 : スリランカ民主社会主義共和国
ビア大使、フィリピン大使をはじめとする18カ国22人の大使館関
しました。銀座を行き交う多くの親子連れの注目を集め、参加者は
西州(Western Province)モラトゥワ及びカルタラ
係者が参加されました。
約100人に達しました。
4.対象災害 : 洪水、雷、津波、気候変動
正午には、浅草寺境内2箇所と仲見世通り、雷門前の計4箇所で、
参加者からは、
「おもしろかった」、
「偶然通りかかって、楽しい教室
5.事業内容 :a.防災教材・カリキュラムの開発(指導用ガイドブック、
大使館関係者、地元の商店街の方、観光客・参拝客など、総勢700
に参加できて良かった」などの感想がありました。子供たちだけなく、
ワークブック、防災活動事例集、指導用補助教材)
人がいっせい打ち水を行い、会場の気温が約1℃低下しました。
桶作りやうちわ作りに夢中になっている大人の姿が印象的でした。
参加された大使館関係者からは「一度使った水を再利用するのは
b.学校教師やコミュニティー・リーダーを対象とした
防災教育トレーニングコースの開催
良いアイデアだ」、
「とても
4.打ち水手ぬぐいの販売を通じた洪水被害の復興支援活動
c.トレーニングコースを修了した学校教師やコミュニ
楽しく参加できる環境イ
日本水フォーラムは、洪
ティー・リーダーによる防災教育の実施や防災活動
ベントだ」、
「浴衣や浅草の
水多発地帯であるバング
の支援
雰 囲 気 が 良 い」な ど、打 ち
ラデシュの洪水被害から
6.事業の成果:防災教育の指導者育成のためのトレーニングコース
水に参加して良かったと
の復興を支援する目的で、
を2回開催した。新たなトレーナーとなった学校教師が指導的役割
いう感想が多く寄せられ
平 成18年 か ら「バ ン グ ラ
を果たし、学校における防災活動の中心となる防災部の設置や、学
デシュ打ち水手ぬぐい」の
校生徒による防災啓発の絵画やエッセイの制作、防災劇の上演な
販売を行っています。これ
ど、防災に関する具体的な活動が各学校・コミュニティーで実践さ
は、バングラデシュで製作
れた。トレーニングコースを受講した学校教師やコミュニティー・
打ち水大作戦2007の閉幕日には、お台場(東京都・港区)で「み
した、打ち水大作戦のロゴマーク入りの手ぬぐいの売上げの一部を
リーダーから防災教育を施された生徒や住民は、11,617人に上
写真 - 1 いっせい打ち水(浅草)
写真 - 3 トレーニングコースの様子
ました。
写真 - 2 バングラデシュでの救援活動の様子
2.打ち水大作戦2007の結果
なとお台場打ち水大作戦」が開催され、日本水フォーラムの評議員
洪水被害の救援活動に充てるというものです。
る。無作為に抽出した3校の学校生徒を対象に、防災教育を受ける
となられたアルピニストの野口健日本水フォーラム評議員も参加
バングラデシュでは7月から各地で洪水による被害が出始め、多
前と後で防災知識をテストした結果、3∼7%程度得点が上昇した。
しました。お台場に集まった多くの方たちに、ヒマラヤ山脈の氷河
くの犠牲者や被災者、家畜への被害等が発生しました。昨年度の手
が溶け出し、バングラデシュ等の下流域で洪水被害を頻発させる、
ぬぐい販売による積立金と合わせて、合計108,220円を現地で救
などといった目の当たりにされた地球温暖化による水問題につい
援活動を行うNGO「エクマットラ」
(http://www.ekmattra.org)
て紹介しました。続いて行われた1.7トンの下水再生水を使った
に寄付しました。寄付金は、下記の救援活動に使用されました。
1,200人のいっせい打ち水では、気温が33℃から31℃に2℃低下
活動時期:平成19年8月
しました。
活 動 地:シェルプール県シェルプール郡チャルポキマリ村
打ち水大作戦2007には、日本全国で961万人の方々が参加し
(約2,000世帯)
ました(インターネット調査に基づく打ち水大作戦本部推定)。ま
実施内容:a.家畜(主に牛・ヤギ計2,000頭)の治療、医薬品の配布
た、海外では、防災教育指導者育成事業を実施しているスリランカ
b.5歳までの乳幼児(550人)に対しての生理食塩水配布
において、現地の学校の先生らとともに打ち水を行いました。
c.洪水後の収穫に向けた野菜種子の配布(96世帯)
16
写真 - 4 防災劇の練習風景
写真 - 5 防災壁画の制作
写真 - 1 完成した防災教材(ワークブック)
写真 - 6 防災部のメンバー
17
ス リ ラン カ 防 災 教 育 指 導 者 育 成 事 業
打 ち 水 大 作 戦 2007
江戸時代の庶民の知恵「打ち水」がヒートアイランド現象にどの
ような効果を持つのか、みんなでいっせいに打ち水をして、その効
Annual Report
Annual Report
節水リーダー
ユース・ジュニアの活動
在京大使 館・国 際機 関 の方々と日本 の 伝 統 的 な 水 防活動の視
「節水」は、わたしたちが簡単に始めることができる、大切な水を
日本水フォーラムは、平成17年度にユース及びジュニアサポー
察・体 験 を す る た め に、昨 年 に 続 き 本 年 度 も「水 防 演 習 ツ ア ー
守って行く手段のひとつです。小さいようにみえることでも積み重
ター制度を発足してから、若い世代と協働してきました。以下、ユー
2007」を企画し、5月19日に埼玉県熊谷市で開催された「第56回
ねていけば、確実に大きくなっていきます。
スサポーターが取り組んだ活動を紹介します。
利根川水系連合水防演習」に参加しました。
そのような考えから、5月より、水や節水に関する活動の輪を広
今回のツアーには東ティモール大使、ハイチ臨時代理大使を含む
げることを使命とする「節水リーダー」を募集しました。節水リー
フリーマガジン「SHIZUKU」の創刊
11カ国の大使館(東ティモール、ハイチ、イラク、ナイジェリア、ア
ダ ー は、応 募された水や節水に関して積極的かつ意義のある活動
12月、企画からデザイン、営業まで全てアジアの学生によって行
ンゴラ、ブルネイ、カンボジア、カナダ、コートジボアール、ミャン
をしている個人の中から選考を行い、任命されます。節水リーダー
われた、アジア初のフリーマガジン「SHIZUKU」が創刊されまし
マー、ベトナム)と国連大学から計15名が参加されました。その他
として任命された方は、自ら積極的に取り組んでいる活動を通し
た。
「SHIZUKU」のデザイン構成は、若者たちに世界の水問題を分
にも、アメリカのミシシッピ川を管理している米国陸軍工兵隊から
て、水や節水に関する活 動の輪を広げ、ホームページ(http://www.
かり易く知ってもらうために、マンガ形式になっています。また、配
少佐と担当事業官の計2名が視察に参加され、また、地元在住の外
sessui.info/)
上で活 動報告を行います。
布の対象になる読者が アジア各国の若者であることから、使用さ
国人の方々にも参加を呼びかけ、埼玉国際学園の留学生が土のう作
水の日である8月1日には、
「夏休み 親子で考える節水学級」を開
れる基本言語は英語と、登場する各国の言語です。この活動には、
り・積み土のう体験に参加しました。
催(P&G株式会社特別協賛)し、節水リーダーをはじめ、小学生と
ユ ー スサ ポ ーターの野 口 豪 さんが 編 集 長を務め、6ヵ国の学生た
その保護者約70名が参加しました。
ちが参加しています。日本をはじめ、アジア各国の大学で配布され
会場の展示スペースでは、海外の水防工法を紹介するパネル展を
水の大切さや、お皿洗いでできる節水の方法を学ぶ本イベント
ています。
実施しました。
は、日常生活で簡単に始めることができる節水を具体的に伝えるこ
とができる、とても有意義な機会となりました。
ユ ー ス ・ ジュニ ア の 活 動
水 防 演 習 ツ ア ー 2007/節水リーダー
水防演習ツアー 2007
写真 - 1 「SHIZUKU」の創刊号
第1回アジア・太平洋水サミットで「SHIZUKU」の展示
平成19 年12月3,4日に大分県別府市で開催された「第1回アジ
ア・太平洋水サミット」の場において、展示ブースを出し、サミット
参 加 者や 各国 の政 府 関係 者 に、
「SHIZUKU」を3500部配布しま
した。ま た、こ の 活 動 を きっかけとして、ユースサポーターは、水
写真 - 2 第1回アジア・太平洋水サミットでの展示ブース
サミットへボ ランティアとして参 加した、立 命 館アジ ア太 平 洋大
写真 - 1 本部テントから演習見学
写真 - 2 土のう作り・積み土のう体験 学に 在 籍 する世 界各国からの留学生を集め、次世代水ユースを育
てることを目指す、世界ユース水サミットを開催することを決定し
ました。
写真 - 1 節水学級の様子
フリーマガジン「ALWAYS」vol.3の発行
平成18年2月、若者による若者のための「水」をテーマとしたフ
リーマガジンとしては世界初となる「ALWAYS」が創刊されまし
た。そして、平成19年4月には第3版が発行されました。ユースサ
ポーターのメンバーも多数、編集・制作に参加しています。
ユースサポーター、ジュニアサポーター募集中です!
将 来 を 担 う次 世 代の若者たちとの協働をさらに発展、拡大して
写真 - 3 世界の水防パネル展示 いくため、日本水フォーラムは30歳未満の若者を対象としたユー
水防演習ツアー終了後のアンケートでは、回答をした14名全員
スサポーター、中高生を対象としたジュニアサポーターを募集して
が参加して「大変よかった」もしくは「よかった」と答えており、
「来
います。
写真 - 2 節水学級に参加した節水リーダー
年も水防演習ツアーに参加したい」と答えた方は11名いらっしゃ
いました。日本の水防演習を初めて見て、また自ら市民参加の体験
プログラムに参加して、興味深かった、参考になった、という意見
を多くいただきました。
18
19
Annual Report
会員
会員数 : 個人会員 210名 団体会員 106団体 平成20年8月31日現在
会員
株式会社アクアテルス
東京急行電鉄株式会社
アサヒビール株式会社
株式会社東京建設コンサルタント
特定非営利活動法人石狩川サミット
東京電力株式会社
いであ株式会社
東京都水道局
VEOLIA WATER JAPAN株式会社
東電設計株式会社
株式会社 S.S Company
TOTO株式会社
エヌワイケー株式会社
社団法人東北建設協会
株式会社荏原製作所
東レ株式会社
株式会社F&Aアクアホールディングス
株式会社轟組
株式会社MTI
独立行政法人土木研究所
王子製紙株式会社
トヨタ自動車株式会社
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
株式会社酉島製作所
オルガノ株式会社
中日本建設コンサルタント株式会社
鹿島建設株式会社
西日本技術開発株式会社
財団法人河川環境管理財団
日興アセットマネジメント株式会社
財団法人河川情報センター
株式会社日水コン
社団法人河川ポンプ施設技術協会
日東電工株式会社
川口市水道局
日本電気株式会社
キヤノン株式会社
社団法人日本河川協会
株式会社キャブ
社団法人日本下水道協会
協立測量株式会社
日本下水道事業団
株式会社クボタ
社団法人日本下水道施設業協会
栗田工業株式会社
財団法人日本建設情報総合センター
グルンドフォスポンプ株式会社
日本工営株式会社
株式会社建設環境研究所
日本コカ・コーラ株式会社
株式会社建設技術研究所
社団法人日本水道協会
社団法人国際建設技術協会
社団法人日本水道工業団体連合会
財団法人国土技術研究センター
日本ダクタイル鉄管協会
財団法人国立京都国際会館
社団法人日本プロジェクト産業協議会
サントリー株式会社
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)
株式会社CBMI
日本無線株式会社
株式会社JTB法人東京
日本労働組合総連合会(連合)
島崎土情建設株式会社
株式会社ニュージェック
株式会社島津製作所
ネットチャート株式会社
清水建設株式会社
有限会社野口健事務所
星槎グループ(学校法人国際学園)
株式会社博報堂
社団法人全国治水砂防協会
パシフィックコンサルタンツ株式会社
セントラルコンサルタント株式会社
株式会社日立プラントテクノロジー
財団法人造水促進センター
株式会社ヒロコン
株式会社大広
扶桑電通株式会社
大成機工株式会社
ブルス・トラベル株式会社
大成建設株式会社
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
玉野総合コンサルタント株式会社
財団法人北海道河川防災研究センター
財団法人ダム技術センター
前田環境美術株式会社
財団法人ダム水源地環境整備センター
独立行政法人水資源機構
タムラシステム株式会社
財団法人水資源協会
社団法人中国建設弘済会
三菱UFJ投信株式会社
帝人株式会社
株式会社ムラヤマ
株式会社テクノバ
メタウォーター株式会社
電源開発株式会社
八千代エンジニヤリング株式会社
株式会社電通
財団法人リバーフロント整備センター
20
( 五 十音 順 )
21
Annual Report
評議会
理事・監事
評 議 会 、理 事・監 事 、事 務 局 員
会 長
森 喜朗
元内閣総理大臣
代 表 理 事 竹村 公太郎
財 団 法 人 リ バ ー フ ロ ント 整 備 セ ン タ ー 理 事 長
副会長
丹保 憲仁
北海道大学・放送大学名誉教授/中央大学研究開発機構教授/北海道開拓記念館館 長
副 代 表 理 事 菅 和利
芝浦工業大学教授
副会長
御手洗 冨士夫
社団法人日本経済団体連合会会長
副 代 表 理 事 小島 良三
荏 原 環 境 エ ン ジ ニアリング 株 式 会 社 代 表 取 締 役 社 長 / 株 式 会 社 荏 原 製 作 所 顧 問
副会長
和田 正江
主婦連合会副会長
理 事 天野 輝芳
株式会社島津製作所地球環境管理室室長
評議員
青山 俊樹
独立行政法人水資源機構理事長
理 事 庵原 宏義
元独立行政法人国際協力機構監事/松蔭大学教授
評議員
安中 德二
社団法人日本下水道協会理事長
理 事 片山 徹
社団法人海外環境協力センター専務理事
評議員
石井 弓夫
株式会社建設技術研究所代表取締役会長/前世界水会議理事
理 事 岸上 みち枝
イクレ イ 日 本 事 務 局 長
評議員
井出 亜夫
日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科教授
理 事 小林 一朗
社団法人日本下水道施設業協会専務理事
評議員
伊藤 隆一
財団法人新エネルギー財団副会長兼専務理事
理 事 近藤 浩一
財 団 法 人 砂 防・地 す べ り 技 術 セ ン タ ー 専 務 理 事
評議員
今井 義典
日本放送協会副会長
理 事 佐藤 年緒
環 境・科 学 ジ ャ ー ナリスト
評議員
植本 眞砂子
全日本自治団体労働組合(自治労)副中央執行委員長
理 事 田尾 秀夫
社団法人日本治山治水協会専務理事
評議員
梅田 貞夫
鹿島建設 株式会社代表取締役会長
理 事 寶 馨
京都大学防災研究所教授
評議員
太田 猛彦
東京農業大学教授
理 事 田口 宇一郎
滋賀県副知事/財団法人国際湖沼環境委員会専務理事
評議員
小野 俊行
株式会社応用気象エンジニアリング顧問
理 事 中山 幹康
東京大学大学院新領域創成科学研究科教授
評議員
門脇 秀一
財団法人造水促進センター専務理事
理 事 西村 一德
元 社 団 法 人 農 業 農 村 整 備 情 報 総 合 セ ンタ ー 専 務 理 事
評議員
唐澤 祥人
社団法人日本医師会会長
理 事 藤原 正弘
財 団 法 人 水 道 技 術 研 究 セ ンタ ー 理 事 長
評議員
神田 浩史
特定非営利活動法人AMネット理事/桂川流域ネットワーク代表
監 事 後藤 浩一
株 式 会 社 ニ ュ ー ジ ェック 代 表 取 締 役 社 長
評議員
木村 崇之
外務省参与/国際基督教大学客員教授
監 事 藤芳 素生 社 団 法 人 日 本 河 川 協 会 専 務 理 事
評議員
近 藤 徹 財団法人水資源協会理事長
評議員
榊原 定征
東レ 株式会社代表取締役社長兼CEO
評議員
坂本 弘道
社団法人日本水道工業団体連合会専務理事
評議員
下 妻 博 社団法人関西経済連合会会長
評議員
鈴木 正一郎
王子製紙 株式会社代表取締役会長
評議員
田村 滋美
東京電力 株式会社顧問
評議員
川 恒孝
財団法人世界自然保護基金ジャパン会長
評議員
中川 博次
京都大学名誉教授/立命館大学理工学部客員教授
評議員
中村 良太
日本水土総合研究所技術顧問/日本大学教授
評議員
野 口 健 アルピニスト
評議員
虫明 功臣
( 敬称略、五十音順、平成20年8月時点)
事務局員
福島大学共生システム理工学類教授/東京大学名誉教授/
アジア太平洋水文水資源協会事務局長
評議員
森嶌 昭夫
事 務 局 長 竹村 公太郎
チーフプログラムオフィサー 横田 妙子
ソフィア・サンドロストローム
参 与 福嶋 民也
チーフエンジニア 宮 亨
戸野原 芳恵
宮里 哲朗
チ ー フ 浅井 重範
山村 尊房
石渡 京子
上級アドバイザー 織田 直正
近藤 かおり
アドバイザー 石渡 幹夫
川本 邦夫
伊藤 一正
東海林 光
プロジェクトリーダー 塚原 健一
平山 周一
特定非営利活動法人日本気候政策センター理事長/
財団法人地球環境戦略研究機関特別研究顧問/名古屋大学名誉教授
評議員
矢嶋 英敏
株式会社島津製作所代表取締役会長
評議員
和田 紀夫
日本電信電話 株式会社取締役会長
(企画・技術)
プロジェクトリーダー 木暮 陽一
( 敬 称 略 、五 十 音 順 、平 成 2 0 年 8 月 時 点 )
22
(総 務)
福本 しのぶ
山口 範子
23
(五十音順、平成20年8月時点)