ドキュメンタリー映画史

2016 年度
科目区分
専門
理論系
科 目 名
担 当 者 名
ドキュメンタリー映画史
石坂 健治
科目分類
授業形態
単位数
配当年次
学期
講義型
校舎
選択
講義
2
2
後期
B1(3×5)
白山
履修
条件
ドキュメンタリー映画からTVニュースまで、広い意味のノンフィクション映像に関心のある者に開かれた講座である。事前の心がけとし
ては、新聞に載るニュースをその後も自分なりにフォローしてスクラップするなど、身の回りの社会的な事件に意識的になることが肝要
である。
授業
概要
ドキュメンタリーとは何か?文学と映画の分野で使われるこのコトバの本来の意味は?劇映画と別のカテゴリーに分類される理由は?
だが本当に劇映画と異なるものなのか?……こうした基本的な疑問を抱きながら、ドキュメンタリー映画史の大海原へ飛び込もう。映
画史初期(リュミエール、メリエス、フラハティ)、戦意昂揚映画、社会主義プロパガンダ、ダイレクトシネマ、戦後日本と社会派ドキュメン
タリー(土本、小川、大島、今村)、アジア・ドキュメンタリーの興隆、デジタル作法とセルフドキュメンタリー論争、などについて概説す
る。
到達
目標
ドキュメンタリーの歴史を理解すると同時に、ドキュメンタリーの未来形を各自が自覚的に追究することができるようになること。
内 容
回数
授
業
計
画
1
ドキュメンタリーとは何か――文学と映画の分野で使われるコトバの起源
2
初期映画――リュミエールとメリエスの「ドキュメンタリー性」の違い
3
フラハティ――『ナヌーク(極北の怪異)』における「自然」と「演出」について
4
戦争とドキュメンタリー――ナチス・ドイツのプロパガンダ映画を分析する
5
リーフェンシュタール――『民族の祭典』とファシズムの美学について
6
社会主義とドキュメンタリー――エイゼンシュテインのモンタージュ理論を解説
7
ダイレクトシネマ――戦後の米仏にあらわれた「観察の映画」の思想とその成果
8
戦後日本のドキュメンタリー――左翼運動とドキュメンタリー映画の軌跡
9
土本典昭と小川紳介――高度成長期の暗黒面である「水俣」と「三里塚」
10
大島渚と今村昌平――前者の「朝鮮」と後者の「東南アジア」
11
アジア・ドキュメンタリーの興隆1――文革後の中国、民主化後の韓国
12
アジア・ドキュメンタリーの興隆2――東南アジアや中東でタブーに挑む作家たち
13
デジタル時代の表現――21世紀の新しいドキュメンタリー作法について考える
14
セルフ・ドキュメンタリー論争――近年の日本で巻き起こったドキュメンタリー論争
15
まとめ
授業外
学習
公開中のドキュメンタリーを映画館で鑑賞するなどの課題を出すことがある。
教科書
特になし。
主要
参考書
石坂健治・土本典昭共著『ドキュメンタリーの海へ』現代書館、2008年(購入又は図書館)
原一男著・石坂健治+井土紀州編『踏み越えるキャメラ』フィルムアート社、1994年(購入又は図書館)
佐藤忠男ほか編『シリーズ 日本のドキュメンタリー(全5巻)』岩波書店、2010年(購入又は図書館)
評価
方法
期末レポート80%+平常点20%。100点満点中60点を合格点とする。(ただし出席不良の者がレポートだけ出してもダメ。)