No. 78 2008 年 6 月 目 次 標準活動トピックス: SC 17(カード及び個人識別/Cards and Personal Identification)における 標準化活動の動向とトピックス ...................................................... 2 廣川 勝久((株)電子商取引安全技術研究所) 最近の国際会議から: JTC 1 SWG-Directives 会議報告 .............................................................. 5 成井 良久(ソニー(株)) JTC 1 Study Group on ICT Governance 会議報告................................................ 6 平野 芳行(日本電気(株)) SC 34(Document Description and Processing Languages)総会報告 ............................. 7 村田 真(国際大学) SC 35(User Interfaces)GOM 報告............................................................ 8 山本 喜一(慶應義塾大学) SC 36(Information Technology for Learning, Education and Training)総会報告................ 9 仲林 清(独立行政法人 メディア教育開発センター) 声のページ: 光ディスク標準化あれこれ .................................................................. 13 浜田 満((株)日鉄技術情報センター) 2008 年 6 月以降 国際会議開催スケジュール ............................................. 13 解説: 「ISO/IEC 15459 シリーズのコード体系」について ................................ 14 吉岡 稔弘((株)AI 総研) 第 22 回運営委員会の報告 ............................................................. 18 編集後記 ............................................................................ 18 <標準活動トピックス> SC 17(カード及び個人識別/Cards and Personal Identification)における 標準化活動の動向とトピックス SC 17 国内委員会 委員長 廣川 勝久((株)電子商取引安全技術研究所) 1. はじめに ISO/IEC JTC 1/SC 17 は,カードと個人識別を対象 とし,各種カードの要素技術から利用システム(クレ ジット・IC 旅券・運転免許証等)までを含む国際互 換性に関する標準化と登録管理を担当している. SC 17 ではカード等の利用システムに関わる標準化 とともに利用システムからの要求に基づく要素技術 の更なる標準化が求められている.また,情報セキュ リティ,バイオメトリクス等の各関係標準化委員会と の連携を図っている. 2. SC 17 の構成 SC 17 は P メンバ 33 カ国,O メンバ 11 カ国と 17 の リエゾンで構成され,その総会は毎年 10 月に開催さ れている.2010 年には日本で SC 17 総会を開催する 計画である. 2008 年 5 月現在,SC 17 には図-1 に示す 9 つの国 際 WG が設置されている.SC 17 国内委員会には,国 際 WG に対応する国内 WG に加えて,国内関係機関との 連携強化を図るためのサブ WG を設置している.なお, 国際 WG 11 への対応は国内 WG 4 内にサブ WG(WG 4/SWG 4)を設置し,バイオメトリックス技術の IC カードへ の実装に関する連携強化を図っている.SC 17 とこれ らの WG 及びサブ WG は単独または共同で,更に関係委 員会・関係機関とも連携して国際標準化を推進してい る. SC 17 が担当している各国際標準の概要と相互関係 等は SC 17 Website に公開されている(参考文献(1)) . 3. SC 17 における日本 SC 17 における標準化は,磁気カードとクレジット カード関連を中心にした活動から 1980 年代前半に IC カードが加わり(参考文献(2)),更に利用システムも 含めた標準化に発展してきた.当初,日本からは要素 技術提供の立場での貢献が中心であったが,現在では 利用技術提案の立場での貢献も行なっている. 国際貢献の一環として林義昭幹事長原案・木澤誠顧 問監修の日本国ナショナルレポートを毎年 SC 17 総会 に提出している.また,国際役職貢献として,榊純一 WG 3 国内主査兼 WG 10 国内主査が国際 WG 10 のセク レタリと国際 WG 3/TF 4 のコンビーナを務め,廣川が SC 17 総会決議起草委員を務めている.更に,日本か らの複数の NP 提案(後述)についても各々のエキス パートがプロジェクトエディタを務めている. 図-1 挿入 また,各 WG 国際会議にも積極的に委員が参加し, 日本意見の反映を図るのみでなく,制定される国際標 準の内容や整合性を高めるために貢献している. 4. 日本提案の反映 4.1 現在普及している過去の成果 SC 17 において日本提案が反映された事例を幾つか 紹介する.以下の(a)~(e)は過去の事例であるが,そ の成果は現在も引続いて利用されている. (a) 端子位置 日本は磁気ストライプに影響を与えない IC カード の端子位置を提案し,ISO/IEC 7816-2(外部端子の位 置及び寸法)として国際規格化した.現在,国際的に も普及が進んでいる IC カードはこの規格に適合して いる. (b) 電気特性 日本から低消費電力の CMOS 特性を反映した電気特 性を提案し,ISO/IEC 7816-3(電気信号及び伝送プロ トコル)に組込んだ. 原案段階では NMOS 特性のみが考慮されていたのに 対し,CMOS 特性を追加定義することによって国内の 半導体メーカの得意技術を用いた国際規格への対応 を可能にした. (c) クロック周波数 IC カードに供給する外部クロックに関して,フラ ンスは当時の家電製品に多用されていた水晶発振子 の周波数(3.5745MHz)を提案していた.これに対し て日本は IC カード内の処理を可能な限りシンプルに するため,伝送速度と周波数とが 2n の関係になる案 (4.9152MHz)を提案した.両案の背景には当該周波 数を発生させる水晶発振子の国による価格差が存在 したが,両案を包含できる体系を新たに定義すること で問題を解決し,ISO/IEC 7816-3(電気信号及び伝送 プロトコル)を国際規格化した.これによって,各国 が各々の環境に従った条件でシステムを構築すると ともに国際的な互換性を確保できるようにした. (d) ブロック伝送方式 原案段階ではフランス提案の「T=0 キャラクタ伝送 プロトコル」のみであったが,日本から任意の 8 ビッ トデータを効率的に扱えるブロック伝送方式を追加 提 案 し ,「 T=1 ブ ロ ッ ク 伝 送 プ ロ ト コ ル 」 と し て ISO/IEC 7816-3(電気信号及び伝送プロトコル)に組 込んだ. 更に,クレジット・デビット用 IC カードの業界共 通仕様である EMV 仕様にも,各国の国内環境と国際 レベルの互換性を両立させるために両伝送プロトコ ルが採用されている.これによって日本国内で普及し ている「T=1」が海外でも利用できる条件を確保した. 「T=1」で任意の 8 ビットデータをそのまま扱えるよ うにした理由は,暗号化及び画像データ等の伝送を想 定したことによる.今日では情報セキュリティへのニ ーズの高まりに対応して IC カードへの暗号技術・バ イオメトリックス技術の応用が進展しており, 「T=1」 はこれらを効率的にサポートすることができる. (e) 論理アドレス方式 IC カード内ファイルへのアクセスは,IC メモリの 物理アドレスを用いて行う方式がフランスで開発さ れていた.日本はアプリケーションの構築を容易にし 互換性を高めることを意図した論理レコードによる ファイルアクセス方式(IC メモリの物理アドレスに 依存しないアクセス方式)を提案した.その結果,こ の方式に基づく READ Record / WRITE Record などの レコード系コマンドが ISO/IEC 7816-4(共通コマン ド)及びその関連パートで国際規格化された. 前記の EMV 仕様においてもレコード系コマンドが評 価され採用された. 4.2 最近の成果 以下は日本からの NP 提案に基づき標準制定に至っ た最近の事例である. (f) ISO/IEC 7816-13(IC カード-第 13 部:多目的 IC カード環境のアプリケーション管理コマンド) 日本がリードするマルチアプリケーション IC カー ドのためのアプリケーション管理用コマンドに関す る NP を ISO/IEC 7816 シリーズの新パートとして日本 から提案した.谷内田益義 SC 17 国内副委員長がプロ ジェクトエディタに就任して,GlobalPlatform 等の 関係業界団体との調整を行ない推進した結果,2007 年 3 月に国際規格として制定された. (g) ISO/IEC 7811-9(識別カード-第 9 部:Tactile Identifier Mark [TIM,旧 7811-1/Amd1 Self-Mark]) ISO/IEC 7810(識別カード-物理的特性)に定めら れた ID-1 カード(国際クレジット等で使用されてい るカード)のエンボス領域の右下端に点字 3 文字分の スペースによる,視覚障害及び高齢のカード所持者自 身が判断できるマーク(点字)を加工する方法につき, 財団法人共用品推進機構と協力して国際標準化の提 案を推進した.中澤明 WG 1 国内主査がプロジェクト エディタに就任して,CEN の対応委員会及び英国王立 盲人援護協会(RNIB)との調整を行ない推進した結果, 2008 年 6 月に国際規格として制定された. 4.3 現在取組み中の主な課題 上記で紹介した各種の成果事例以外にも各 WG で日 本意見の反映に注力しているが,その幾つかを以下に 紹 介 す る . な お , 最 近 の SC 17 総 会 に つ い て は NEWSLETTER No. 77 で報告している(参考文献(3)). (1) IC カード等に関する基本的な要素技術以外で, ISO/IEC 24727(IC カード・プログラミングインタフ ェース)シリーズのように利用システムに関わる標準 化が求められている.その一方で,利用システムから の要求に基づき,要素技術についても機能や性能に関 わる追加提案が増加する傾向が続いている.そのため, これらにも対応している. (2) IC 旅券の国際試験仕様(耐久性・プロトコル) について,ICAO(国際民間航空機関)文書の ISO/IEC 規格への変換を含め,継続的に対応している(これま での経緯については参考文献(4)). (3) ISO/IEC 24789(カードサービスライフ)シリ ーズ(用途別の耐久性を評価するための方法)につい て,我が国の技術を踏まえた対応を行なう. (4) ISO/IEC 7812(識別カード-発行者の識別)シ リーズの改定に関連し,“inter-industry”等の用語 の意味について,より平易な説明資料(委員会の外部 向け)を策定する. (5) 国内では 2007 年 1 月から IC 化運転免許証の運 用が開始されており,国内外の動向を踏まえた ISO/IEC 18013(ISO 準拠運転免許証)シリーズの標 準化を推進する. 5. 関係委員会等との連携 SC 17 がリエゾン関係を有する JTC 1 の各 SC には, (A) 情報セキュリティ技術で連携する委員会 SC 27(セキュリティ技術) SC 37(バイオメトリクス) (B) RF インタフェースで共通部分のある委員会 SC 6(通信とシステム間の情報交換) SC 31(自動認識およびデータ取得技術) がある. また,ISO/TC 68(金融サービス)等の委員会とも リエゾン関係を結び連携している. 上記(A)については,暗号技術あるいはバイオメト リクス技術をカードに適用する場合の条件等につい て連携・調整を図っている. また,上記(B)については共通の周波数帯(例えば 13.56MHz 帯) で動作することを前提にした標準が各々 の SC にある.これらの標準は意図している目的が異 なるため,上位レイヤにおけるセキュリティを含めた 情報の取扱方法に相違がある. 現在,SC 17 と SC 6 との間では ISO/IEC 14443(識 別カード-外部端子なし IC カ-ド―近接型)シリー ズと NFC (Near Field Communication 近距離無線通 信)シリーズとの調和性に関して連携の可能性を検討 している. このような活動を通じて,利用者にとってより分か り易い国際標準を整備していくことが重要であろう. 6. おわりに 標準の利用者のなかには,国際規格の制定後に必要 に応じて準拠すれば良いとの考え方もあろう. しかし,標準化活動に参加し提案あるいは意見の反 映を行なうことは,長期的にみて制定された国際規格 に準拠するのみとは異なるプラスの側面があると考 えられる. 国内の市場規模がビジネス継続に十分な場合は必 要性を感じないかもしれない.しかし,より大きな市 場規模を望む場合に国際標準化は重要な環境作りの 場になる.事実,日本よりも国内市場規模の小さな国 の企業が国際標準化に熱意をもって取り組んでいる (参考文献(5)). 標準化活動に参画することのメリットのひとつに, 審議の過程を通して対象となる国際標準が何故その ように制定されたかの背景を理解できることがある. 提案内容を反映させるための活動の結果として得ら れるそのような理解は製品開発等の企画にも役立つ ものと考えられる. 国際社会における日本のポジションの維持・向上に は,カードの製造・発行・利用に係わる関係機関・関 係企業のより積極的な理解と参画を頂き,利用者個人 も含めた各関係者の利益を考慮しつつ,我が国の技術 力を踏まえた要素技術と利用技術の両面から対応し ていく必要がある. また,そのような活動を通じて日本意見の反映を行 なえるエキスパートの確保・養成を行なっていくこと が,そのエキスパートの所属組織にとっても長期的な メリットをもたらすことを強調したい. 最後に,SC 17 活動への参画委員とその所属組織並 びにご指導・ご支援を下さる関係機関の皆様に厚く御 礼を申し上げるとともに,この活動に更なるご理解と ご協力をお願いして本稿のおわりとする. 7. 参考文献 (1) Summary of SC 17 Standards v.03 SC 17 Website の メ ニ ュ ー Summary of SC 17 Standards からダウンロード可 http://www.sc17.com/ (2) 情報技術標準 NEWSLETTER No. 58 2003 年 6 月 標準活動トピックス:SC 17 標準化活動の経緯とト ピックス(林義昭) http://www.itscj.ipsj.or.jp/topics/sc17.html (3) 情報技術標準 NEWSLETTER No. 77 2008 年 03 月 最近の国際会議から:SC 17(Cards and Personal Identification/カードと個人識別)総会報告(廣川 勝久) http://www.itscj.ipsj.or.jp/report/17_200710.html (4) 情報技術標準 NEWSLETTER No. 70 2006 年 6 月 標準活動トピックス:電子パスポート(榊純一) http://www.itscj.ipsj.or.jp/topics/passport.html (5) 標準化よもやま話 10(学会誌掲載) ビジネスと国際標準, その合意形成(廣川勝久) http://www.itscj.ipsj.or.jp/yomoyama/Vol48No1.p df <最近の国際会議から> ■ JTC 1 SWG-Directives 会議報告 規格理事 成井 良久(ソニー(株)) 1. 開催場所: ロンドン(英) 2. 開催期間: 2008-03-11/14 3. 参加国数/出席者数: 8 カ国/31 名 議長(Scott Jameson,米) ,セクレタリ(Sally Seitz, 米 ), ITTF ISO/CS ( Keith Brannon ), ITTF IEC/CS (Gabriel Barta),加(1),仏(4),独(3),英(5),米 (3),蘭(1),韓(1),日(3: 平野芳行[NEC],木戸彰夫 [ 日 本 IBM] , 成 井 良 久 ) , SC22 議 長 ( 米 ) , Ecma International(3) , ISO/IEC DMT(Directives Maintenance Team)(2) 4. 議事内容 【要旨】 今回は,議長が準備することになっていた JTC 1 Supplement のドラフトが間に合わなかったため, ISO/IEC との整合化のための議論は行わず,各国から の寄書についての審議を行った.審議の結果を 24 の Recommendation としてまとめ,8 件の 60 日レター投 票と,次回 7 月の Directive 会議で議論するための7 件の寄書を要請することにした. 前回のパリ会議で求めた JTC 1 Directives 内のプ ロセスの整合化(J1N8666)に関する寄書が 10 件寄せ られ,丸一日を費やして審議を行った.いくつかの審 議結果は Recommendation として残されたが,Fast Track と PAS の整合化,さらに NP も含めた 3 つのプ ロ セ ス の 整 合 化 に つ い て は , 30 day review や Explanatory report の扱いについて様々な意見があ り,コンセンサスに至らなかったものについては,次 回会議に持ち越しとなった.また,BRM についても, 今回審議するのは時期的に好ましくないとの議長の コメントがあり,提出された寄書の説明だけにとどま り,議論は次回会議で行うことになった.一方,意見 がまとまったものについては,ドラフティングの担当 を決めて具体的な修正提案を作成し,参加者全員で内 容を確認し,レター投票にかけることにした. 今 回 も ISO/IEC DMT か ら 参 加 が あ り , Ian Greensmith 氏(BSI)と Mike Graham 氏(BSI)のコメン トを TMB/SMB としての見解として参考にした. 【特記事項】 4.1 NP 関連 (1) 承認のための条件の改定 (Recommendation 21) オーストラリア総会で日本が提出した NP 承認のた めの条件についての寄書が議論された.通常は 5 つの P メンバの参加が必要であるが,その SC に登録され ている P メンバが 16 以下の場合,4 つの P メンバの 参加があれば NP が承認されるという提案が,60 日レ ター投票にかけられることになった.この提案は ISO/IEC Directives にも整合しており,会議の中で も賛同が得られた.可決された場合は ISO/TMB, IEC/SMB に送られそこで審議されることになる. (2) 投票規定の改定 (Recommendation 20) NP 承認のための投票規定は,現在 Majority of all P-members になっているが,これを Simple majority of P-members に改定する提案が韓国からなされ,60 日レター投票にかけられることになった.これも ISO/IEC Directives に整合している. これら(1)と(2)は同じ案件についての提案である が,前者は前回の総会でも同意された件であり,後者 は今回始めての提案ということで,あえて二つの Recommendation に分けて投票を行うことにした. 4.2 リエゾンについて (1) リエゾンの見直し時期 (Recommendation 7) リエゾン関係の見直しを毎年行うというオースト ラリア総会での決議 25 と,2 年毎見直しという現行 の Directives との矛盾を指摘した日本の寄書に基づ いて,すべての外部リエゾンについて毎年見直すよう に Clause 3.3.4.1.3 を追加するという提案を作成し 60 日レター投票にかけることにした. (2) C リエゾンの承認規定 (Recommendation 8) 既に A リエゾン関係にある団体と,新たに C リエゾ ンを結ぶ際の承認プロセスについて,現在の Directives では不明確なため,日本が改善を口頭で 提案したところ,今回は寄書が出ていないため,次回 会議での議論することになり,日本が寄書を用意する ことになった. 4.3 DIS を短縮する提案について(Recommendation 6) オーストラリア総会の際に SC 29 (Coding of Audio, Picture Multimedia and Hypermedia Information) から提案された DIS を 5 ヶ月から 4 ヶ月に短縮する提 案について,4 月 22 日に開かれる ISO/IEC/JTC 1 Ad Hoc Group 25 に SWG-Directives として提案書を用意 することになった.DIS の期間短縮については一度否 決されているので,通常再提案は受け付けられないの だが, 今回の会議に出席していた IEC/SMB 委員の Mike Graham 氏から提出の要請があったので用意すること になった.現在の内容では SC 29 の例しか書かれてい ないが,他の SC の例も載せた文書にすべきとのアド バイスがあったので,他の SC の状況も調べ,提出す ることにした.文書のドラフトは,日本が準備し,そ の会議に出席する Scott Jameson 氏が内容をチェック してから提出される. 4.4 Ad Hoc 設立について (Recommendation 9) Annex H(電子ファイル配布)について議論する Ad Hoc を設立することになった.US の Jim Hughes 氏が コンビーナとなり,加,仏,独,英,日本が参加する ことを表明した.特に WWW でシェアされる文書フォー マットや,ファイルネームのつけ方など, SWG-Accessibility の意見も取り入れながら議論する ことになる.4 月 4 日に第一回の電話会議を行うこと とした. 4.5 SC 議長関連 (1) 総会への出席義務 (Recommendation 1) 2005 年のバンフ総会の決議を受けて,SC 議長の総 会への出席を促すために,特別な状況で出席できない 場合だけ事務局の代理参加を認めるとした Clause 7.7.2 の修正案を作成し,60 日レター投票にかける ことにした. (2) 再任の制限 (Recommendation 2) Clause 5.4.1.1 に書かれている SC の議長の任期を 2 期に制限する規定を削除する提案を 60 日レター投 票にかけることにした.最初の任期の年数の違い (ISO/IEC は 6 年,JTC 1 は 3 年)を除けば ISO/IEC Directives と整合することになる. 4.6 PAS/Fast Track 関連 (1) PAS と Enquiry Draft の 承 認 規 定 の 整 合 化 (Recommendation 12) PAS と Enquiry Draft の承認規定に矛盾点があるた め,PAS の承認規定が書かれている Clause14.4.3.3 を Enquiry Draft の承認規定が書かれている Clause 9.6 と同じ内容に修正し,より明確な規定にする提案 を 60 日レター投票にかけることにした. (2) PAS サブミッタの追加条件 (Recommendation 16) Annex M(PAS についてのガイド)にある PAS サブミ ッタ承認の項目に,その組織の活動範囲や IPR ポリシ ーについての明確な情報を追加する提案を 60 日レタ ー投票にかけることにした. (3) 提案できる文書の制限条件(Recommendation 13) カナダから,Fast Track(及び PAS)で取り扱う文 書は,500 ページ未満にし,それを超える文書につい ては,投票期間を延ばす旨の寄書が出された.これは, 提出される規格が膨大になると,決められた時間内で の審議が十分にできないという懸念から出された提 案である.審議のための時間は単にページ数だけでな く,その規格の複雑さも関連するため,それをどう測 定するかの議論がなされたが,適切な基準についての 結論が出なかったので,次回審議のため寄書を募るこ とにした. 4.7 電話会議関連 (1) 電話会議規定の改定 (Recommendation 3) オーストラリア総会での決議に基づき,今まで提出 された電話会議についてのレポートを考慮し,Clause 7.6.1 と 7.11.1 に書かれている電話会議開催の制限 を,特定の OWG から JTC 1 のサブグループと SC まで に緩和し,さらに電話会議を行う際の基本原則の記述 を加えるという修正提案を 60 日レター投票にかける ことにした. (2) 電話会議の方法の文書 (Recommendation 4) 電 話 会 議 の 方 法 に 関 す る 詳 細 を 記 述 し た Best Practices for Teleconferencing と い う Standing Document(JTC1N 8986)のドラフトを作成し,それに 関しての寄書を募って,次回会議で議論することにし た.この中には,資料の事前配布(2 週間前) ,議題の 明確化,参加者の人数制限,会議時間の制限(2 時間 以内),開始時間のローテーションなど,具体的な項 目について記述されている. 4.8 次回会議用寄書の提出期限(Recommendation 24) 次回会合の最終アジェンダを 2008 年 7 月 4 日まで に発行するよう JTC 1 セクレタリと議長に要請した. 次回会議用寄書の提出期限は 2008 年 6 月 30 日とした. 5. 次回以降の予定 (Recommendation 23) 2008-07-29/31 オタワ/モントリオール(加) 2009-03-09/13 東京(日) 2009-07-20/24 ベルリン(独) ■ JTC 1 Study Group on ICT Governance 会議報告 規格理事 平野 芳行(日本電気(株)) 1. 開催場所:シドニー(豪) 2. 開催期間:2008-02-19/21 3. 参加国数/出席者数:9 カ国,2 リエゾン/13 名 コンビーナ(Ed Lewis,豪),セクレタリ(Andrew Mckey,豪),豪(3),英(1),加(2:SC27,SC7 議長), ニュージーランド(2),日(2:菅隆志[三菱電機],平 野芳行) リエゾン:ISACA(豪:1),itSMF(NZ が兼務),TEL 参 加(部分的に):仏(1),南ア(2),韓(1),米(1) 4. 資料 ・ 2007 JTC 1 総会 Resolution 18 - Establishment of Study Group on IT Governance ・ SC7 N3861 Interim Report, SG on ICT governance ・ Glossary of Terms for Governance of IT ・ Final Agenda of SG_ICT_GOV ・ Final Agenda of SG_ICT_GOV mod_FR ・ Statement to the JTC1 SG on IT Governance (SC27/WG1 Convener) 5. 主な結果 今回は,主に,Terms of Reference の議論,IT Governance 用語の定義及び枠組みの議論をし,JTC 1 総会への Recommendation の決定は 2 回目以降の会議 へ持ち越しとした. 主な内容は以下の通りである. (1) JTC 1 総会の決議 18 で提示された業務範囲(Terms of Reference)の内容を検討し,決めた.SC 7 での議 論と同様に,ICT を IT に直すなどの修正を行った. (2) 資 料 3 の glossary に 基 づ き Corporate Governance と IT Governance との関係,幾つかの用 語定義の議論を行い,Governance と management の関 係の明確化などを行った. (3) JTC 1 内外のリエゾンについての議論を行った. 特に SC 27 とは,SC 27/WG 1 Convener(E.Humphreys) からの letter が出され,Joint SG の開催を検討する ことになった. (4) JTC 1 への提案として,今後の体制として新 SC の設置,若しくは JTC 1 直下の WG 又は Special-WG の 設置などの案を議論したが,今回結論は出なかった. (5) JTC 1 の SG として次のスケジュールで報告書を 作ることになった. ・ 標準,法令類のレビュー,標準化の必要性,JTC 1 での運用モデルに関する寄書をできるだけ 5 月 中旬までに各 NB から募集. ・ 5 月の SC 7 ベルリン総会前(5/17,18)に上記に ついて議論(8 月中に最終 draft) ・ 9 月のカナダでの会合で JTC 1 への Output (meeting report, recommendations)を決定. ・ 10 月 10 日の提出期限までに JTC 1 へ報告書及び recommendation を提出. (6)今後の会議予定は以下の通り決まった. 第 2 回会議は,SC 7 総会の開催前 5 月 17,18 日. 第 3 回会議は,9 月カナダのホストで開催予定. 6. 所感 今回の会議では,最終的な結論には至らず,JTC 1 総会へ向けてこの約半年間でやるべきこと及び日程 を決めることが中心であった.特に,JTC 1 総会の内 容を受けて,まず,会議の Agenda 等の内容について, フランスより会議の開催日程を含めクレームがあり, 会議の位置付けを含めて議論を行った.初日には,ビ ルの非難訓練が午前にあり,その後エレベータが止ま って,10 階まで階段を上るという体験があったが, それを除けば,無線 LAN などインフラは充分であった. ■ SC 34 ( Document Description and Processing Languages/文書の記述と処理の言語)総会報告 SC 34 専門委員会 幹事 村田 真(国際大学) 1. 開催場所:オスロ(ノルウェー) 2. 開催期間:2008-04-05,09 3. 参加国数/出席者数:13 カ国 2 団体/37 名 議長(Sam Oh,韓),セクレタリ(木村敏子,日),加 (2),中(1:Closing plenary は欠席),チェコ(1), デンマーク(3),独(1),フィンランド(3),日(5: 村田真(HoD),楠正憲[マイクロソフト], 鈴木俊哉[広 島大],内藤求[シナジー],Frederic Andres[国立情 報学研究所]),韓(1),ノルウェー(5),南ア(3),ス ェーデン(1),英(3),米(3),Ecma International(3), XML Guild(1:カナダの代表と重複) 4. 特記事項 OOXML について以下のような決定がなされた. ・ OOXML のメンテナンスのために二つの Ad hoc group(AHG1 及び AHG2 と略記する)が発足するこ とになった.AHG1 は今後のメンテナンス体制を 決めるためのものであり,AHG2 は OOXML につい てのコメントを収集するための仕組みを作るた めのものである.後者のコンビーナは筆者であ る. ・ ODF と OOXML の相互変換のための技術報告を作ろ うという提案を DIN が説明した.DIN は New Work Item Proposal を予定している. ・ Ecma TC45 に対して SC 34 からリエゾンレポート を送り,SC 34 の二つの Ad hoc group 及び将来 設置されるグループへの参加を呼びかけた. ・ ITTF に対して,5 月 1 日までに DIS 29500 の最 終テキストを配布するよう SC 34 として要請し た. 4.1 OOXML の欠陥報告と技術正誤表についての Ad hoc meeting OOXML の欠陥報告と技術正誤表についての Ad hoc meeting を初日に行なった.この件については WG 1 での議論を予定していたが,他の WG からも参加希望 があったため,opening plenary 後の Ad hoc meeting を急遽開催した.コンビーナは筆者である.なお, OOXML は国際規格として承認されたが,各国は既にい くつかの欠陥を発見している. 欠陥を収集するための仕組み(Web のフォームなど) を準備するための AHG2(Ad hoc group 2)を設立し, 早期(90 日以内を目安とする)の運用を目指すこと になった(決議 5).予定通り進行すれば,AHG2 は運 用開始後まもなく活動を終了する.AHG2 のコンビー ナも筆者に決まった. 各国には,欠陥を収集するための仕組みができしだ い,欠陥と思われるものを報告することを要請した (決議 7). 4.2 OOXML と ODF の相互変換に関する technical report の提案 OOXML と ODF の相互変換に関する technical report を作ろうという DIN 提案について,説明と質疑応答を 行なった.DIN は,New Work Item Proposal を提出す る予定である.説明資料は N1026 である. 4.3 AHG1(Ad hoc group 1) for OOXML の設立 OOXML を SC 34 で扱うための体制を準備するための AHG1(Ad hoc group 1)を設立した(決議 4).AHG1 の 結果に基づいて,2008 年 9 月の SC 34 総会において, 新たな working group ができるものと思われる.なお, ODF のための Working Group,両者の整合のための Working Group を設けることも視野においている. 4.4 Ecma TC45 へのリエゾンレポート Ecma TC45 に対して SC 34 からリエゾンレポートを 送り,AHG1, AHG2 及び将来設置される他のグループ への参加を呼びかけた. 多くの企業が ISO は遅いとみなして参加を渋るこ とが予想されたので,美辞麗句を並べた丁重な文面と した.しかし,最終的な投票はとうぜん国単位である. 4.5 最終テキストの配布要請 ITTF に対して,5 月 1 日までに DIS 29500 の最終テ キストを配布することを許可するよう SC 34 として要 請した(決議 8).欠陥と思われるものを早期に報告 するためにも最終テキストをすみやかに配布する必 要があるとチェコが主張したため,この決議となった. 4.6 JTC 1 SWG Directives について リエゾンは必要に応じて選ぶことになった(決議 3) . 結果として,Keld Simonsen はリエゾンから外れるこ とになった. 4.7 WG 1,WG 2,WG 3 WG 1 の担当する XML スキーマ言語群 DSDL について は,決議 9,10,16,17 が出ている. WG 2 の担当するフォントについては,決議 11,12, 18 が出ている. WG 3 の担当するトピックマップについては,決議 13 が出ている. 5. その他 OOXML の審議のときに個人攻撃があったことを指摘 し,個人攻撃をやめるよう主張する公開書簡が,参加 者の間で作成された. ノルウェーで反 OOXML のデモがあった.参加者は 100 名を越えた.なお,いままでノルウェーの HoD を SC 34 において務めてきた Steve Pepper は,SC 34 ノ ルウェー委員会から抜けている. 6. 今後の予定 OOXML Ad Hoc Group 1 2008-07-21/22 London(英) 総会および WGs 2008-09-28/10-01 済州島(韓) ■ SC 35(User Interfaces/ユーザインタフェース) GOM 報告 SC 35 専門委員会 委員長 山本 喜一(慶應義塾大学) 1. 開催場所: 福岡(日) 2. 開催期間: 2008-02-18, 22 3. 参加国数/出席者数: 9 カ国/21 名 議長(Yves Neuville,仏),加(2),スウェーデン (1),韓(1),日(11:山本喜一[HoD],中尾好秀[SBC], 松原幸行[キヤノン],関喜一[産総研],中野義彦[沖 電気],鈴木哲[首都大学東京],野村茂豊[日立],森 井秀司[INSTAC],水野克己[JBMIA],田場盛裕[METI], 鈴木俊宏[オラクル,オブザーバ]),米(1),独(1), 伊(1),ケニア(1,オブザーバ) リエゾン: IEC TC3/SC3C(1: 池田宏明(千葉大) ) , ISO TC159/WG2(1: 佐川賢(産総研)) 4. 議事内容 プロジェクトの通常の進行計画以外の事項及び日 本が主体になって進めているプロジェクトについて 述べる. (1) 昨年同様,フランスの幹事が参加できなかったた め,GOM(General Orientation Meeting)として開催 した.米国は従来と同様,WG 6,8 以外には参加しな いとの方針で,それ以外に関連する議決には参加して いない.今回新たにイタリアが参加し,O メンバでは あるがケニアから 1 名の参加があった. (2) 18 日の GOM において,経済産業省産業技術環境 局情報電子標準化推進室長 和泉章氏に歓迎のご挨拶 をいただいた. (3) OWG/MIR(アイコン登録の管理,コンビーナ 山本) 及び WG 2,WG 7 で共同作業していたアイコンを DB に 登録し,管理する仕組みについての WD を審議し,NP として提案することになった. (4) OWG/NUIM(携帯端末用 4 方向キーによる操作,コ ンビーナ 松原)及び WG 4,WG 1 の共同作業として行 っている 4 方向キーによる操作の調査を更に続け,各 国から情報を収集することとなった. (5) OWG/VC(ボイスコマンド,コンビーナ 中尾)に ついては,次回総会に NP 提案ができるかどうかを報 告するため更に調査を進め,各国のメンバは調査のた めのアンケートに回答することとなった. (6) WG 5 のタイトルを”Cultural, Linguistic and User Requirements”から “Cultural and Linguistic Adaptability”に変更することとなった. (7) Project ISO/IEC 24786(プロジェクトエディタ 関)のタイトルを“Information Technology -- User Interfaces -- Accessible User Interface for Accessibility settings”に変更することとなった. (8) Project ISO/IEC 29136(プロジェクトエディタ 野 村 )“ Accessibility functions for personal computers”は WD の内容に修正点が多いことから,8 月までに修正版を WG 6 に配布し,次回総会で CD に進 めるかどうかを再度審議することとなった. 5. 今後の予定 2008-09-08/12 ナポリ(伊) 伊 NB の承認待ち 2009-02-16/20 ベルリン(独) 2009-08-22/26 サスカトゥーン(加)加 NB の承認 待ち 6. その他 新たにイタリア,ケニアからの参加者があり,会場, ホテルともに便利で設備も整っていて快適であった. 運営に関しては JBMIA,JSA からの大きな支援があり この場を借りて感謝したい. ■ SC 36(Information Technology for Learning, Education and Training/学習,教育,研修のための 情報技術)総会報告 SC 36 専門委員会 委員長 仲林 清(メディア教育開発センター) 1. 開催場所:済州島(韓) 2. 開催期間:2008-03-14,16/21 3. 参加国数/出席者数:15 カ国,6 団体/57 人 議長(米)セクレタリ(英),豪(2),加(7),中 (4),フィンランド(1),仏(3),独(3),日(4: 仲 林清(HoD),岡本敏雄[電通大,WG2 コンビーナ],西 田知博[大阪学院大],平田謙次[東洋大])) ,韓(12), ルクセンブルグ(2) ,ニュージーランド,ノルウェー (2),露(5) ,スウェーデン(1),英(2),米(2) リエゾン(人数の無い団体は NB 代表が兼務): ADL(1),AUF(2),IEEE LTSC(1),CEN/ISSS,DCMI, IMS 4. 議事内容(敬称略) SC 36 総会および WG が前回 2007 年 9 月のトロント 会議に続いて開催された.主な審議内容を以下に示す. 4.1 総会 総会での主要な審議事項は以下の通りである. (1) SCORM ( Sharable Content Object Reference Model)関連 最新の SCORM 2004 規格を Type 3 TR 化する方針が 出されており,規格の一部の開発元である IMS(IMS Global Learning Consortium Inc.)との著作権問題 に関係しない部分が投票にかかっていたが,IMS が SC 36 と連携する方針を打ち出し,今回の会議で全体を UK から Fast Track で提案する方針が出された. また, IMS から韓国と共同で SCORM 規格を構成する CP (Content Package)規格の NP 提案が行われたが,こ れまでの経緯から SCORM 開発とりまとめ元の ADL ( Advanced Distributed Learning Initiative ) が IMS と対立しており,今後の動向を見守る必要がある. (2) アクセシビリティ規格 FDIS 化に関する MOU WG 7 で進めていた ISO/IEC 24751 Individualized Adaptability and Accessibility in E-learning の FDIS 投票に際して,規格のベースを開発した IMS と JTC 1 の間で著作権に関する MOU が締結されたことが 報告された.これにより FDIS 投票が実施されること になる.また,IMS は SC 36 との連携強化の一環とし て,IMS のミーティングに各 NB から 2 名の参加を認 めることを表明した. (3) 協調学習関係規格の FDIS 化 日本から提案して WG 2 で進めていた FCD 19778 ITLET -Collaborative Technology -- Collaborative Workplace -- Part 1 ~ 3,および, FCD 19780-1 ITLET -- Collaborative Technology -Collaborative Learning Communication -- Part 1: Text-based Communication の 4 つの規格について, FDIS 投票が行われ,承認されたことが報告された. (4) 幹事国交代 現在幹事国を務めている UK の任期があと 1 年で切 れるため,後任として韓国が立候補している.今回, セクレタリ候補者の紹介が行われた. (5) 開催周期の変更 現在 SC 36 は半年ごとに総会を開いているが,これ を 1 年ごととすることが提案された.次回,シュトゥ ットガルト会議で審議される. 4.2 WG 1(ボキャブラリ) Vocabulary -- Part 36(ISO/IEC 2382-36)第 1 版の FDIS 投票が終わり IS として承認された.現在,第 2 版の作成の議論が行われているが,各 WG との連携が うまくとれておらず,語彙の収集が進んでいない.各 規格で用いられている語彙のハーモナイゼーション を 進 め る た め , WD , CD , FCD 段 階 の Terms and Definitions を WG 1 に収集してコメントを付ける枠 組みを作ることが議論された.この結果,とりあえず 各規格の Terms and Definitions の収集を進めること となった.また,語彙の各国語への翻訳を進めていく た め に , AUF(Agence Universitaire de la Francophonie)が主導する Cartago プロジェクトとカ テゴリ C リエゾンを結ぶこととなった. 4.3 WG 2(協調学習) 今 回 の 会 議 開 催 直 前 に , Collaborative Workplace(CW) プ ロ ジ ェ ク ト (19778-1,2,3) お よ び Collaborative Learning Communication(CLC)プロジ ェクト(19780-1)の FDIS 投票が終わり,4 つすべてが 承認された.会議ではまず,コンビーナより 19778-1,2,3 および 19780-1 の投票結果についての説 明が行われ,投票に付けられたコメント内容の確認を 行った.その後,19778-1,2,3 の Project Co-editor であるドイツの Rolf Lindner 氏によりこれらの規格 に関する実践の紹介が行われ,今後,各国からも実践 例を集めることとなった.1日目午後には,Agent to agent communication(19779-1)の CD 投票の BRM が行 われる予定であったが,投票で付いたコメントが多か ったため Project Editor による対応が完了しておら ず,電子メールを用いた対応協議を行い,2008 年 9 月の WG 会議で BRM を行うことになった.2 日目の会 議では,Type 3 テクニカルレポート“System Process and Architecture for Multilingual Semantic Reverse Query Expansion for LET”(29127)について の説明が,Project Editor の Bruce Peoples 氏より 行われ,協議の結果,5 月までに PDTR 投票にかける こととなった. (1) Collaborative Workplace, Collaborative Learning Communication プロジェクト CW プ ロ ジ ェ ク ト は 3 つ の パ ー ト : Part 1: Collaborative Workplace Data Model(19778-1),Part 2: Collaborative Environment Data Model(19778-2), Part 3: Collaborative Group Data Model(19778-3) で構成される.また,CLC プロジェクトでは現在, 19780-1 “Part 1: Text-based Communication”が作 成されている.3 月 15 日に終了した FDIS 投票の結果, この 4 つの規格はすべて承認され,IS 化が決定した. WG では,これらの規格の普及を進めるため,4 つの規 格の無償公開を JTC 1 に求めることと,これらに含ま れるデータモデルに基づいた実践事例の提出を各国 に求めることとなった.また,CW と CLC は異なるプ ロジェクトではあるが,互いに関連性が深いため,こ れらをまとめた利用のための実践ガイドをテクニカ ルレポートとして作成するため,NP として提案し, 2008 年 9 月の会議で検討することとなった. (2) Agent/Agent Communication プロジェクト A2A プロジェクトの 19779-1“Part 1: Agent to agent communication data model”は CD 投票が行わ れ,その結果は賛成 9,コメント付き賛成 3,反対 2, 棄権 7 であった.この BRM を今回の会議で行う予定で あったが,コメントが多く,Project Editor から対 応原案が十分に練れていないことを理由に,BRM 延期 の申し出があった.協議の結果,電子メールベースの 検討グループを作成し,コメントへの対応原案の作成 と,文書の改定案を作成し,2008 年 9 月の WG 会議で BRM を行うこととなった.さらに,この結果を受け, 次回会議後には,改訂文書を CD2 投票にかける予定で ある. 4.4 WG 3(学習者情報) (1) NP: TR 29140 Nomadicity and Mobile Technologies 前回のトロント会議後,Nomadicity and Mobile Technologies に関する各国の貢献が求められ,4 カ国 (加,日,韓,独)が当該領域に関する事例もしくは システムに関する説明資料を提出した.今回会議では それぞれの説明が行われた.これらの説明を受けて, 2 つの Part の第一次 WD の作成に向けてプロジェクト を進めることとした. (2) スタディピリオド: Competencies and Skills Management Architecture 前回のトロント会議後,Competencies and Skills Management Architecture に関する各国の貢献が求め られ,3 カ国(加,中,IMS)が当該領域に関する事 例もしくは情報システムに関する説明資料を提出し た.本会議では,各国の説明とともに,日本での事例 も紹介した. 本スタディピリオドの主担当である日本(平田)が 全体的な総括を行い,当該領域については,複数の技 術標準化のニーズがあるとの合意がなされた.これに より,新たなスタディピリオドとして“Managing and exchanging participant information”を発足するこ ととなった.本スタディピリオドについても,日本(平 田)が主担当として調整を進める.具体的なテーマと しては,学習者(参加者)情報モデル,コンピテンシ ー情報モデル,法律および倫理上(プライバシー保護, セキュリティ技術など)の制約について検討を進める. (3) WD: TR 24763 CRM Competencies and related object 前回トロント会議後,2007 年 12 月に PDTR として 24763(36N1609)が投票にかけられた.これに関する BRM 会議が会議中に実施され,4 カ国から 80 強程度コ メントが提出された.基本的に問題はクリアになった (36N1655)が,継続的に議論しなければならない問 題があったため,エディタは指摘された点について, 新バージョンの PDTR として提出し,次回シュトゥッ トガルト会議で BRM ができるよう準備することとな った. 4.5 WG 4(MDLET, Management and Delivery for LET) WG 4 はコンテンツ関連の標準化を行う.現在, ISO/IEC 19788 Metadata for Learning Resource (MLR) および SCORM Study Group を中心に進めている. (1) MLR MLR は メ タ デ ー タ の 項 目 ご と の Multi Part Standard として規格化を進めようとしている.現在, Part 1: Framework と Part 2: Core Elements が CD 段階にある.今回,他のパートとして, ・ Part 3: MLR Core Application Profile ・ Part 4: Technical Elements ・ Part 5: Educational Elements ・ Part 6: Availability and Rights Management を新たなプロジェクトとして進めることとなった.こ れに関連して,各国の教育システムの分類に関する標 準(International Standards for the Classification of Educational Systems)の紹介(SC36WG4 N0234), 学年の記述に関する提案(SC36WG4 N0237)などが行わ れた. また,Part 1 の Terms and Definitions を各国語 に訳したものを FCD 投票までに用意するよう各国に 求めることになった. 一方,MLR 全体の構成について,Dublin Core やセ マンティック Web 技術などとの整合性の観点から,メ タデータ項目の構成を階層型でなくフラットなもの にしようという提案が北欧・オーストラリアなどから 行われた(SC36WG4 N0255).これについては,現状の MLR の枠組みの見直しが必要となるため検討を継続す ることとなった. (2) SCORM Study Group WBT コンテンツの標準規格である SCORM を ISO 規格 化する検討を進めている.これまでの ISO 規格化に向 けた活動の経緯から,アメリカの e ラーニング標準化 団体である ADL と IMS の間に対立があり,検討は必ず しもスムーズに進んでいない.今回,ISO 規格化を進 めるにあたり,どのような課題があるかを議論した. 各課題について検討を進め,次回,9 月のシュトゥッ トガルト会議で報告することとなった.また,5 月な いし 6 月にモントリオールで SG 会議を開催すること となった. 今回の会議で,日本から仲林が,日本国内での SCORM の活用状況(SC36WG4N0248),および,シーケンシン グ技術の新しい実装方法(SC36WG4N0254)に関する発 表を行った. 4.6 WG 5(Quality Assurance) (1) FCD ISO/IEC 19796-3 Method and Metrics PE の日本(平田)から現状報告を行った.Berlin での中間会議後,FDIS 版を作成してきたが,今回の 会議には登録していない.今会議後,微細な修正を行 い,5 月末に FDIS 投票へ進むよう登録する予定であ る. (2) CD 19796-2 Quality Model 今回の会議での議論を受けて,3 月 25 日までに CD を提出し,その後 4 月末までレビュー期間とする.5 月の中間会議で精査をし,中間会議を受けて,再度 CD として正式に登録し,投票にかけるよう求められ た.次回のシュトゥットガルト会議では,CD に関す る BRM が出来るように進めていく. (3) NP: 19796-5 the Guide of How to use 19796-1 本会議でプロジェクトが立ち上がり,エディタとし て複数国が参加することとなった.エディタ国は,韓 国,ルクセンブルグ,ニュージーランド,ロシア,ド イツである. (4) PDTR 19796-4 Good Practice 事例として提出のあったロシアと韓国の紹介があ った.今後,この 2 つのケースを取り入れて,PDTR の作成作業に入る.5 月末までに登録する予定である. また,次回シュトゥットガルト会議では,PDTR の BRM 会議ができるようすすめていく. (5) NP: e-Assessment 今会議では,提案国の英国からの参加がなかったた め,具体的な進展はなかった.本テーマについて,な ぜ WG 5 で議論するべきなのかという疑問も挙がって お り , SC レ ベ ル で 再 度 確 認 す る こ と と な っ た . e-Assessment の領域における各国の調査や,標準規 格の必要性について議論を深めていくべきであると の意見が大半をしめたことから,当該テーマに関して, スタディピリオドを設定し,次回の会議で報告するこ ととなった.スタディピリオドでは,英国が主担当と なり,日本も含めた複数国で進めることとなった. (6) その他 ・ 中間会議を Helsinki(フィンランド)にて 5 月 中旬に実施する.少なくとも 8 人の専門家が揃 わなかった場合においても,プロジェクトエデ ィタ会議として実施する.また,電話会議を 5 月末に実施する. ・ ロシアから現状のロシアでの取組みについて発 表があった.特に,旧ソビエト領土に属する国 を取りまとめて「ユーロアジア」として e ラー ニング品質活動を進めていることが紹介された. ・ 韓国から韓国における e ラーニングの標準化活 動事情について報告があった.特に,韓国 IMS を KERIS 内に立ち上げて,官民大学を含めた標 準化活動の体制を整えることの紹介があった. 4.7 WG 6(International Standardized Profiles) 24725-2 PSS -- Part 2: Profile of Rights Expression Language (REL) -Commercial Applications”の FPDISP 2 の BRM が行われ,完了し た.しかし,依然として日本を始めとした反対投票を 行った国が指摘した MPEG REL の特許問題への対応が 明確でないため,特許の利用条件等に関しての整理を 行うことをプロジェクトエディタに求めることとな った.また,WG 4 の Rights Management に関する活 動との連携も求めることとなった.24725-1 PSS -Part 1: Framework and Taxonomy に関しては,付則 に置くガイドラインや利用方法を各国から募ること となった. 4.8 WG 7(Culture, Language, and Human Function Accommodation) WG 7 では,24751 Individualized Adaptability and Accessibility in E-learning, Education and Training の 8 つのパートの規格化が進められている. このうち,Part 8 の Language Accessibility and Human Interface Equivalencies はドラフトの作成が 終わり,CD 投票にかけられることとなった.Part 4 ~7 に関しては,依然 WD が完成しておらず,各文書 の作成に対して各国に協力を求めることになった. FDIS 投票の準備が進んでいる Part 1~3 については, 実践ガイドラインの作成が進められることになった. ま た , 新 し い パ ー ト と し て ,” User Interface Components Description”および“User Interface Components User Needs and Preferences accessibility description”の追加が検討されてお り,2008 年 9 月の会議で新設が認められるように準 備が進められることになった. また,名称とスコープの変更が議論され,名称を “Human diversity and access for all”と変更する ことになった.この変更は,2008 年 9 月の総会で承 認を受ける予定である. 5. その他 5.1 SCORM 関連 WBT(Web-based Training)の標準規格 SCORM につ いて,ISO 規格化が進められている.SCORM はいくつ かのサブ規格から構成されており,それぞれ元となる 規格を開発した団体が異なっている.特にこれまで IMS が開発した部分について,著作権を主張していた ため,検討が進んでいなかった.今回,IMS が譲歩の 姿勢を示し,CP 規格の NP 提案なども行われたが,こ れまでの経緯から他の団体との関係がしっくりとい っておらず,今後,紆余曲折が予想される.今後の動 向に着目していく必要がある. 5.2 日本提案の進展 WG 2 で長らく進めてきた協調学習関係の 4 つの規 格がようやく IS として成立した.関係者のこれまで のご尽力に感謝したい.また,WG 5 で日本が PE を務 める品質保証関係の規格は,順調に FDIS 投票段階ま で進んでいる.今後,国内への普及についても推進し ていきたい. 5.3 オープンフォーラム 総会の前の週の 2008 年 3 月 4 日にソウルでオープ ンフォーラムが開催された.日本からは,岡本および 仲林が e ラーニングの研究動向および日本国内の標 準化活動について発表を行った.フォーラム全体は, 午前中基調講演 1 トラック,午後パラレルセッション 4 トラックと非常に大きな規模で実施され,約 300 名 の参加者があった. 韓国は,国策として各省庁と産学が連携して e ラー ニングを継続的に推進している.現在では電子書籍の 活用がひとつの目玉になっている.標準化についても e ラーニング推進の法律の中で明確に位置付けており, SC 36 をはじめとする標準化活動への参加も積極的で ある.日本でも国の施策としてより明確な位置付けを 行った上での推進が望まれる. 5.4 今後の予定 2008-09-07/12 Stuttgart(独) <声のページ> 光ディスク標準化あれこれ 浜田 満((株)日鉄技術情報センター) 光ディスクで最近の話題は,次世代 DVD として登場 した HD DVD の生産をメーカが中止決定したことであ ろう.DVD の容量を凌駕する次世代記録媒体として HD DVD や Blu-ray disc がある.HD DVD 規格は DVD フォ ー ラ ム , Blu-ray disc 規 格 は Blu-ray disc Association を活動母体として,独自に標準化(デフ ァクト)を進めてきた.この分野は今後デファクト標 準化の道を歩むのかも知れない. さ て , SC 23 ( Digitally Recorded Media for Information Interchange and Storage)は光ディス クの標準規格開発を目的に当初は ISO/TC97 の委員会 として発足し,その後 1988 年に JTC 1/SC 23 となっ た.10 年ほどはその中で規格提案し,WG を作り規格 について議論し国際標準化を精力的に進めてきた.当 時は,光ディスクの黎明期でもあり日米欧の多くの企 業が光ディスク産業に参入していたため,表-1 に示 すように第 9 回総会までは多数の国から多くのエキ スパートが SC 23 会議へ出席していた.とくに,初期 のころは日本対欧米の議論という図式があったよう に漏れ聞いており,諸先輩のご苦労は想像に難くない. その後,1990 年頃を境に日本企業の優れた研究開発 力・技術力を基に,規格開発は徐々に日本の独壇場と なり,現在に至っている. SC 23 で規格を審議し,開発したのはおおよそ第 9 回総会のころまでで,300mmWORM(ライトワンス), 130mmMO(書換え可能な光磁気),90mmMO など合計 7 つ の規格である.以降はリエゾン関係にある Ecma 開催年 開催国 開催地 ISO/TC97/SC23 第 1回 1985年5月 Japan 第 2回 1986年9月 Switzerland 第 3回 1987年10月 USA ISO/IEC JTC 1/SC 23 第 1回 1988年11月 Netherlands 第 2回 1989年10月 Japan 第 3回 1990年10月 USA 第 4回 1991年9月 Bulgaria 第 5回 1993年4月 Netherlands 第 6回 1994年11月 Switzerland 第 7回 1995年10月 Republic of Korea 第 8回 1996年10月 Germany 第 9回 1997年10月 USA 第10回 1999年10月 China 第11回 2001年10月 Switzerland 第12回 2005年12月 Japan 第13回 2007年9月 Switzerland 参加 参加 国数 人数 文書 延数 Tokyo Geneva Washington DC 8 10 11 42 34 47 29 83 175 Maastricht Tokyo Washington DC Sofia Eindhoven Geneva Seoul Berlin Washington DC Beijing Lugano Kyoto Montreux 12 11 9 10 9 9 7 12 9 8 5 4 6 45 45 48 43 38 31 40 41 30 15 11 38 23 244 294 351 434 551 715 831 943 1,047 1,155 1,218 1,381 1,479 (SC23 Plenary Report等を基に作成) 第12回総会はEcmaからのオブザーバ等17名含む 表-1 International が ECMA 規格をファストトラック提案 し,ISO/IEC 規格として承認されている. とくに,DVD 関係の規格は当初 JIS 化し国際提案を 考えていたが,経済産業省(当時は通産省)の特許問題 により,やむなく Ecma International から国際提案 となった経緯がある.因みに Ecma/TC31 の主要メンバ は日本企業である. SC 23 はここ数年の間にタイトル・スコープの改訂 が承認され,デジタルストレージメディア全てを含み, かつ,従来の物理的な互換性のみならず,信頼性など ユーザの関心が高いところの標準化の推進に変わり つつある. ♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪ <2008 年 6 月以降 JTC 1 2008-11-10/15 JTC 1 SWG-Directives 2008-07-29/31 SC 2 2009-10-30 SC 6 2008-11-03/07 SC 7 2009-05 SC 17 2008-10 SC 22 2008-09-22/25 SC 23 2009 SC 24 2008-06-23/27 国際会議開催スケジュール> 奈良,日本 Ottawa/Montreal,Canada 徳島,日本 Montreux,Switzerland India London,UK Milan,Italy (未定) Monterey,USA SC SC SC SC SC SC SC SC SC SC 25 27 28 29 31 32 34 35 36 37 2008-10-24 2009-05-11/12 2009 2008-07-28/29 2008-06 2008-05-19/30 2008-09-28/10-01 2008-09-08/12 2008-09-07/12 2008-07-14/15 Lyon,France Beijing,China Korea Hannover,Germany Toronto,Canada Sydney,Australia Jeju Island,Korea Napoli,Italy Stuttgart,Germany Busan,Korea <解説: 「ISO/IEC 15459 シリーズのコード体系」について> SC 31/WG 2 コンビーナ 吉岡 稔弘((株)AI 総研) 1. はじめに 世界で一つだけの物品を識別可能に ISO/IEC 15459 シリーズは,国際貿易のサプライチ ェーンにおいて貨物等の輸送ユニットをユニークに 識別するための識別子(Unique Identifier)の規格 である.初版は輸送ユニット(Transport Unit)をユ ニークに識別するためのコードとして 1999 年に規格 発行された.しかし,経済のグローバル化の進展に伴 い国際貿易が増大し,サプライチェーンで取り扱われ る荷物やビジネスモデルも多様化し,単一の識別コー ドでは使い勝手が悪いことが課題であった.2003 年 に日本から商品トレーサビリティコードの規格案が ISO/IEC JTC 1/SC 31(自動認識データ取得技術)に 提案されたのを契機に,実際のビジネス現場に導入し 易いマルチパート規格として改訂し発行された.2005 年の改訂時は 4 つのパートであったが,2008 年には NP 提案を含め 8 つのパートに増え,その存在感が増 している.本稿では,規格の概要と審議体制,応用, 関連規格などについて紹介する. SC31 国際審議体制 2. 審議体制と規格の応用事例 ISO/IEC 15459 シリーズは ISO/IEC JTC 1/SC 31/WG 2: Data Syntax で開発されている.SC 31 の国際審議 体制を図-1 に示す. SC 31 は,WG 1: Data Carriers,WG 2: Data Syntax, WG 3: Conformance,WG 4: RFID,WG 5: Real Time Locating System の 5 つの Working Group から構成さ れている.WG 2 の開発規格の位置付けをロジステッ クスの階層図(図-2)で説明する.一番下の階層は主 に WG 1,WG 3,WG 4 が担当し,バーコード,2 次元 シンボル,RFID タグ関連などデータキャリアに関す る規格である.その上の中間の階層は WG 2 の担当分 野である. RFID タグやバーコードなどデータキャリアに書き 込むコード体系の標準化は,Data Syntax(文法)の規 格開発として WG 2(一部は WG 4/SG 1)に割り当てられ ている.RFID タグやバーコード,2 次元シンボルなど はアプリケーシヨンによりユーザが選択し,またはメ デイアを組み合わせて使う場合が多い.また,コード (2007年1月改訂) ISO/IEC JTC1 SC31 Automatic Identification and Data Capture 議長 米国 Chuck Biss WG1 Data Carrier 事務局:米国 コンビーナ:Ackley WG2 Data Syntax 事務局:日本 コンビーナ:吉岡稔弘 WG3 Conformance 事務局:米国 コンビーナ:Ms. Tina リニアシンボル(EAN、UPC、コード128、コード39、12of5) 2Dシンボル(PDF417、QRコード、マキシコード、データマトリックス) シンボル識別子 GS1アプリケーション識別子とデータ識別子 メッセージ格納方式 各種アイテムのユニーク識別子(ライセンスプレート、他) シンボル印刷品質 テスト仕様(バーコードマスタ、スキャナ&デコーダ、検証器、デジタルイメージ SG1 RFID コンフォーマンス&パフォーマンス コンビーナ:Josef Preishuber(オーストリア) WG4 RFID 事務局:ベルギー コンビーナ:Henri SG1 ソフトウエア アプリケーション インタフェース SG2 RFタグ用固有ID(終了) SG3 エアーインタフェース SG5 インプリメンテーションガイドライン コンビーナ:吉岡稔弘(日本) WG5 RTLS Real Time Locating System/Global Locating System 事務局:米国 図-1 図-2 体系は EDI のメッセージ伝文にも関係する ため,全てのメデアに共通に使える体系が好 都合である.WG 2 では,従来から基本的に この考え方で ISO/IEC 15418(AIs, DIs など のデータ識別子),ISO/IEC 15434(Transfer Syntax for High Capacity ADC Media ), ISO/IEC 15459 シリーズ(SCM におけるもの の識別コード体系)を開発してきた. 一番上の階層はアプリケーションに関す る規格で,WG 2 の規格を含む下位の全ての ISO 規格を使うことを明記している. RFID を用いたサプライチェーンにおけるア プリケーション規格は ISO 17363(海上コン テナ)から ISO 17367(製品タグ)まで 5 階 層に分かれている. この規格は,ISO TC122 と ISO TC104 の Joint Working Group で開発されている.そ の中で WG 2 で規格化された ISO/IEC 15459 シリーズが適用されている事例を図-3 に示 す. 図-3 図-4 図-5 3. ISO/IEC 15459 シリーズの概要 ISO/IEC 15459: Unique identification シリーズ は,図-4 のように Part 1 から Part 6 までのマルチ パートで構成されている.現在 Part 7 と Part 8 は, NP 提案の Ballot 中である. Part 2 は,発番機関コード取得のための申請登録 手順,Part 3 は Part 2 を除く各 Part に共通する事 項に関する規定である. 規格の説明は,Part 1 と Part 4 を中心に説明し, Part 5 と Part 6 については簡単な紹介に留める. 3.1 ISO/IEC 15459-1“Part 1: Unique identifiers for transport units” 輸送ユニットの識別番号はライセンスプレートナ ンバーとも呼ばれ,図-5(上段)にその構成を示す. (1) 発番機関コード 全世界の発番機関はオランダ規格協会(NEN)に登 録申請し,その機関のコードを取得する必要がある. NEN は,世界の発番機関を一意に識別するため,発番 機関コードが重複しないように管理している.発番機 関コードは申請した機関(団体,企業グループなど) の規模や役割により審査して 1~3 桁のコードが付与 される.例えば,GS 1 には数字データ,米国国防省 DoD には“D”などが付与されている.詳細は Part 2: Registration Procedures(登録手続き)で規定されて いる. (2) 企業コード その発番機関により傘下の企業に割り当てられた 企業コードである.発番機関は傘下の企業を一意に識 別できるように企業コードを発行し管理する責任を 負う. (3) 輸送ユニット番号 発荷企業により発行された輸送ユニットを一意に 識別するための番号(識別子)である. 上記の説明で判明のように,発番機関コードより下位 の関連コード体系はその発番機関が責任をもって管 理する仕組みである. 3.2 ISO/IEC 15459-4“Part 4: Unique identifiers for individual items” 個品識別用コードの構成を図-5(下段)に示す. 発番機関コード,企業コードは Part 1 と共通であ る.品目コードとシリアル番号はその製品を製造また は所有する企業の責任で一意に識別するために発行 された番号である.この仕組みは,先頭に発番機関コ ードをつけると,それ以下の関連コードは各企業で従 来から使用しているコード体系と互換性がありかつ, それがグローバルに使えるメリットがある.例えとし て,国際電話を掛ける場合に頭に国番号をつけて,そ の後に国内番号をつける方式と類似の方式である.こ の方式は経済産業省の設置した「商品トレーサビリテ ィの向上に関する研究会」の研究成果として日本から SC 31/WG 2 に提案して規格成立させたもので,各国 から支持され,その展開の Part が更に増えている. 3.3 ISO/IEC 15459-5“Part 5: Unique identifier for returnable transport items (RTIs)” この規格は繰り返し使われる輸送容器につけて管 理する識別子である. 3.4 ISO/IEC 15459-6“Part 6: Unique identifier for product groupings” この規格は,製品のロット/バッチを管理するため の識別子である.例えば同じロットの材料から生産さ れた医薬品や液体などをそのロットの範囲を管理す るための識別子である.業界,用途により,個品管理 よりもロット管理が効果のある事例が紹介されてい る. 4. おわりに 日本提案が評価され,諸外国から追加の Part も提 出され始めた.しかし,規格開発が順調に進んだわけ ではなかった.軌道に乗るまでには 1 年半ほど審議を させて貰えないなど相当抵抗があった.それはこの規 格が国際貿易のサプライチェーンで取り扱う荷物の 識別において基本になる規格であり,影響力が大きい からであると思われる.筆者は審議途中から WG 2 の 国際コンビーナとして担当させて頂いたが,政府をは じめ 2003 年当時の商品トレーサビリティの向上に関 する研究会のメンバー各位,ISO/IEC JTC 1/SC 31, WG 2 委員会,その他標準化関連団体の関係者各位に あらためて謝意を表す. 第 22 回運営委員会の報告 三田 真弓((社)情報処理学会 情報規格調査会) 運営委員会は,前年度の活動や決算,および当年度 の重点活動や予算について,当調査会を財政的に支援 している規格賛助員の代表者(5 号委員と 6 号委員) と当調査会の運営を担当している役員が相互に意見 を交換し,当調査会の今後の運営に資することを目的 として開催されている.2004 年度より,5 号委員や 6 号委員の資格を持たない規格賛助員も,希望すればオ ブザーバとして参加できることにした.2007 年度の 運営委員会は 4 月 28 日に,オブザーバ 5 名を含む 24 名が出席して機械振興会館で開催され,情報処理学会 の財務担当理事で当調査会の役員を兼任する吉野議 長のもとで議事が進行された. 先ず石崎会長より,最近のトピックスの一つとして, 新たに SC34(文書の記述と処理の言語)の幹事国を 日本(当調査会)が引き受けることになったこと,お よびこのことによって,日本が JTC1 において最も多 くの SC 幹事国を引き受けることになり,JTC1 におい て日本の果たす役割が大きくなったこと,また,中国 の IT 産業の発展は目覚しいものがあり,中国の動向 に注意を払うとともに緊密な協力関係を維持するこ とが重要となってきたので,更に韓国を加えた日本, 中国,韓国が集まって民間レベルで情報交換や協力関 係の確立・維持を目指す CJK-SITE を立ち上げた旨の 挨拶があった.続いて出席者全員が自己紹介をし,引 き続き,昨年度の活動報告と今年度の重点活動項目に ついて平野規格理事から説明があった.更に,昨年度 の決算と今年度の予算について山室規格理事から説 明があった.この後これらの説明に関して質疑応答が 行われた.具体的には(1)2008 年度予算で,国際会議 開催費 1700 万円計上の根拠となっている JTC1 奈良総 会と SC27 総会と WG 会合について,支出金額と参加者 の人数,(2)調査研究費と国際標準化協力金の内訳, (3)第 1 種専門委員会の支出の内訳,などの質問があ り,担当理事および事務局から回答がなされた. 続いて,IEC や ITU での標準化活動に参加されてい る平川秀治氏(東芝)からそこでの経験を交えて「国 際標準化と産業界への期待」というテーマで講演が行 われた. ∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪ <編集後記> 私が JTC 1 の標準化に関係するようになったのは約 13 年前になるが,標準化の世界では活動歴が 13 年な どというのは決して長い方ではなく,20 年,30 年な どという人も珍しくない.標準化活動に長期間参加す る人が多いということは嬉しいことであるが,一方で 標準化活動が今後も現在の活性度を維持または向上 させるためには,どうしても新しく若い人の参加が必 要である.当調査会の 1995 年度の活動報告書によれ ば,当調査会の活動に参加している委員が約 1400 名, オブザーバが約 150 名で合計は約 1550 名であったが, 2007 年度の活動報告書では委員数が約 1100 名で,エ キスパートとオブザーバを合わせた合計が約 300 名 で委員数との合計は約 1400 名となっており,参加総 人数はほぼ横ばい乃至若干減少している.参加者の年 齢がわかっているわけではないので 1995 年度と 2007 年度の参加者の年齢を比較することは難しいが,直観 的には昔から活動に参加されている方が大きく減少 しているようにも思えないので,参加者の平均年齢は 上がっているような気がしている.換言すると若い人 の参加が十分でないように思われる.このような状況 に対する危機感や,標準化活動の重要性が多くの人か ら認識された結果からと思われるが,最近はあちこち の大学で標準化関連の講座が設けられるようになっ てきた.また,経済産業省の情報電子標準化推進室の 和泉室長は標準化教育にとりわけ熱心であるが,この ような努力が実って将来日本が標準化をリードする 国になることを願ってやまない. [MM 記] 発 行 人 社団法人 情 報 処 理 学 会 情報規格調査会 広報委員会 〒105-0011 東京都港区芝公園 3-5-8 機械振興会館 308-3 Tel: 03-3431-2808 Fax: 03-3431-6493 [email protected] http://www.itscj.ipsj.or.jp/
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